JP4502940B2 - 圧電素子用支持部材およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部 - Google Patents

圧電素子用支持部材およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子を支持する圧電素子用支持部材およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部に関し、より詳しくは、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料噴射ノズルに用いられる圧電素子を支持し、圧電素子の変位が確実に燃料噴射ノズルの弁に伝えられるようにする圧電素子用支持部材およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部に関するものである。
近年、自動車の排ガスに含まれる粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)等の有害物質が社会問題化する中で、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガス規制対策として、ディーゼルエンジンの内部に各気筒(シリンダ)の燃料噴射ノズルに接続され、各気筒の燃料噴射ノズルへ均一な量の燃料を供給するコモンレールに高圧燃料を蓄圧し、最も燃焼効率が高まるタイミングでこの燃料をコモンレールに接続された燃料噴射ノズルからシリンダ内に噴射する燃料噴射装置が注目されている。
このコモンレールを用いた燃料噴射装置は、シリンダ内に燃料タンクから供給された燃料を直接噴射するのではなく、燃料噴射の前にコモンレールの中に燃料を圧縮して溜めておき、最も燃焼効率が高まるタイミングでこの燃料をコモンレールからシリンダ内に噴射するように構成されていて、コモンレールに接続された燃料噴射ノズルから高圧の燃料がタイミングよくエンジンシリンダ内に噴射されることにより、ディーゼルエンジンの燃焼効率を高めて、有害排気物質を削減しようとするものである。コモンレールからシリンダ内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルの駆動部には、通電させることによって変位する圧電素子が使用され、タイミングよく燃料を噴射させる構成のものが用いられている。
この従来の燃料噴射ノズルの駆動部の例の断面図を図5に示す。
駆動部は、図5に示すように、円筒状でステンレス(SUS)等から成る金属製のケース110内に圧電素子102等が収容されて成る。ケース110の下方側の端面には、ダイヤフラム106がレーザ溶接等によってケース110に溶接接合されている。また、ケース110内部には、印加する電圧の変化により伸縮する圧電素子102と、圧電素子102の下方側の端面に当接してケース110内を摺動するピストン103が収容されている。さらに、ケース110の上方側の端面には、コネクタ107がレーザ溶接等によってケース110に溶接接合されている。圧電素子102とコネクタ107との間には圧電素子102を支持するための圧電素子用支持部材101が設けられており、圧電素子用支持部材101とコネクタ107とを貫通して設けられたピン部材を通じて圧電素子用支持部材101の端面に設けられた電極を介して、圧電素子102に電圧が印加される。
なお、圧電素子用支持部材101およびコネクタ107の外周面はケース110の内周面に接着固定されており、圧電素子102は、圧電素子用支持部材101によってケース110の上方側に動かないように支持される。
ケース110内部には、図5に示すように、ダイヤフラム106に隣接して、中央に貫通穴104aを有する円盤状のシート部材104がケース110の軸芯方向に直交するように接合されている。そして、このシート部材104の貫通穴104aには、ピストン103のロッド部103aが摺動自在に貫通されている。このロッド部103aの端部は、ダイヤフラム106に当接されており、圧電素子102の伸縮により駆動された往復のストロークがピストン103を介してダイヤフラム106に伝わるように構成されている。また、ロッド部103aの外周側における、ピストン103とシート部材104との間に配置されたバネ105は、ピストン103を圧電素子102に向けて付勢するように配置されている。
そして、コネクタ107と圧電素子用支持部材101とを介してピン部材から圧電素子102へ通電された電気信号により圧電素子102が軸方向に縮んで、ダイヤフラム106が上方に移動すると、燃料噴射ノズルの燃料弁を開閉するニードルが作動して、燃料噴射ノズル(図示せず)から燃料がエンジンシリンダ内に噴射される(下記の特許文献1または特許文献2参照)。
また、この従来の圧電素子用支持部材101はエポキシ樹脂やポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチックス等の樹脂から成っていた。
特開2004−150276号公報 特開平7−131085号公報
しかしながら、最近では、地球環境保護の面から排ガス規制が強化されつつあり、排ガスに含まれるPMやNOx等の有害物質をさらに削減するため、燃料噴射の制御をより適確なものとして内燃機関における燃焼効率を高めることが要求されるようになってきた。 この要求に応えるため、コモンレールからシリンダ内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルは、より高圧な燃料の噴射圧に耐えるとともに、燃料噴射のタイミングをより精確なものとするために、高応答速度なものが要求されるようになってきた。そのため、コモンレールからシリンダ内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルは、高圧下においても燃料噴射ノズルを確実に開閉させるために変位が大きく、高応答速度の圧電素子を使用した駆動部を有する構成と成りつつある。さらにダイヤフラム106には燃料からの高い圧力が加わるため、圧電素子用支持部材101に非常に高い圧力が加わるようになってきた。
そして、従来の樹脂製の圧電素子用支持部材101ではこの高圧や圧電素子102の駆動力によって変形が生じ、圧電素子102をしっかりと支持することが困難になって、圧電素子102の変位をピストン103を介してダイヤフラム106に精確に伝達させることができなくなり、所定量の燃料をタイミングよくエンジンシリンダ内に噴射できなくなるという問題点があった。特に、高応答速度の圧電素子を用いた場合に、圧電素子の動作を適確に燃料噴射ノズルに伝達し難くなり、この問題が顕著なものになっていた。
さらに、高い圧力が圧電素子用支持部材101に加わると、圧電素子用支持部材101とケース110との接合が外れてしまう場合があった。その場合、圧電素子102を所定の位置に支持できなくなり、圧電素子102の動作をピストン103を介してダイヤフラム106に伝えることが不可能となるとともに、圧電素子用支持部材101が圧力を支えることができなくなってコネクタ107に圧力が加わり、コネクタ107を破損させてしまうという問題点があった。
また、圧電素子用支持部材101はエポキシ樹脂やPPSやLCP等のエンジニアリングプラスチックス等の樹脂から成るため、ケース110に挿入するまでの組立作業中に圧電素子用支持部材101に静電気による電荷が溜まる場合があった。また、図示しないが、圧電素子用支持部材101と圧電素子102とを電気的に接続した後に両者を樹脂カバーで覆う場合があり、その場合、ケース110に挿入するまでの組立作業中に圧電素子用支持部材101に静電気による電荷がさらに溜まり易くなっていた。以上のようにして、圧電素子用支持部材101に溜まった電荷が、最終的にピン部材を介して圧電素子101に流れてしまい、圧電素子102が静電破損してしまう場合があるという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、高応答速度の圧電素子の動作を適確に伝えて燃料噴射ノズルの開閉弁を確実に作動させることができるとともに、高圧の圧力が加わっても破損することがなく、また、圧電素子が静電破損することのない圧電素子用支持部材および燃料噴射ノズルの駆動部を提供することにある。
本発明は、一主面に圧電素子の電極と接続されるための配線導体を有し、該配線導体に電気的に接続されたピン部材をその一端部が他主面側に突出するようにして取着させた第一の絶縁基体と、 外周が前記第一の絶縁基体の他主面の外周線よりも内側に位置し、一主面が前記第一の絶縁基体の前記他主面に当接し、前記一主面から他主面にかけて前記ピン部材の少なくとも一部が挿入される貫通孔を有する第二の絶縁基体と、を備えた圧電素子用支持部材であって、前記第一の絶縁基体は、前記第一の絶縁基体の前記他主面側に、前記第二の絶縁基体の前記一主面の周縁を覆うように支持する凸部を備えることを特徴とする圧電素子用支持部材を提供する。
また、前記第一の絶縁基体の前記凸部の、前記第一の絶縁基体の前記他主面の中心側の側面に、前記外周線に沿って連続した第一の曲面部を備え、前記第二の絶縁基体は、前記第二の絶縁基体の前記一主面の周縁に、前記外周に沿って連続した第二の曲面部を備え、前記第一の曲面部と、前記第二の曲面部とが当接していることが好ましい。
好ましくは、本発明の圧電素子用支持部材は、前記第一の絶縁基体および前記第二の絶縁基体の少なくとも一方が体積固有抵抗値10Ω・m〜10Ω・mの低絶縁性材料から成ることを特徴とする。
また、本発明の燃料噴射ノズルの駆動部は、内周面に突出部が設けられている筒状のケースと、前記第一の絶縁基体の前記他主面側外周部が前記突出部に当接するように前記ケース内に配置された上記本発明の圧電素子用支持部材と、前記ケース内に前記第一の絶縁基体の一主面に当接するとともに前記電極が前記第一の絶縁基体の前記配線導体に当接されて前記ピン部材に電気的に接続された圧電素子とを具備することを特徴とする。
本発明の圧電素子用支持部材は、一主面に圧電素子の電極に当接される配線導体を有し、この配線導体に電気的に接続されたピン部材をその一端部が他主面側に突出するようにして取着させた第一の絶縁基体と、外周が第一の絶縁基体の外周よりも内側に位置し、一主面が第一の絶縁基体の他主面に当接し、一主面から他主面にかけてピン部材の少なくとも一部が挿入される貫通孔を有する第二の絶縁基体とを含んでなることから、高圧を支える第一の絶縁基体の他主面側の、最もクラックが生じて破損しやすい部分において、第二の絶縁基体が予め別体として分割されているために、第一の絶縁基体と第二の絶縁基体とが一体化された形状の場合のように、第一の絶縁基体と第二の絶縁基体との間の部分にクラック等の破損が生じることがない。その結果、コモンレールに蓄圧する燃料がより高圧とされるとともに、圧電素子の高応答速度の伸縮動作による高応力が加わってもクラックを生じずに機能させることが可能になる。
好ましくは、本発明の圧電素子用支持部材は、ピン部材の外方に位置する当接面に、凹面および凸面の少なくとも一方が設けられていることから、第一の絶縁基体の他主面側および第二の絶縁基体の一主面側の外周部からピン部材までの沿面距離を長くすることができる。この結果、第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の外周部を小さくしても外周部からピン部材までの絶縁距離を確保できるようになり、圧電素子用支持部材を小型化することができる。
また沿面距離を長くできることによって、第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の外周部を小さくする代わりに、ピン部材に高電圧の電気信号を伝送させるということが可能となる。
さらに、第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の当接面に形成された凸面または凹面によって、第二の絶縁基体と第一の絶縁基体とが互いに位置ずれしないように固定できる。その結果、圧電素子や燃料からの高圧な圧力やエンジンからの振動等が圧電素子用支持部材に加わっても、第二の絶縁基体と第一の絶縁基体とが互いに位置ずれすることによってピン部材にせん断応力が作用するのを防止でき、ピン部材が破損してしまうのを防止できる。
好ましくは、本発明の圧電素子用支持部材は、第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の少なくとも一方が体積固有抵抗値10Ω・m〜10Ω・mの低絶縁性材料から成ることから、圧電素子用支持部材をケースに挿入するまでの組立作業中に圧電素子用支持部材に静電気による電荷が溜まったとしても、圧電素子用支持部材の表面に漏れ電流が発生し、圧電素子用支持部材に高い電位が溜まるということを防止でき、ピン部材を介して圧電素子へ電圧が加わるのを防止することができる。そして、圧電素子が静電破損することのない圧電素子用支持部材とすることができる。
また、本発明の燃料噴射ノズルの駆動部は、内周面に突出部が設けられている筒状のケースと、第一の絶縁基体の他主面側外周部が突出部に当接するようにケース内に配置された上記の圧電素子用支持部材と、ケース内に第一の絶縁基体の一主面に当接するとともに電極が第一の絶縁基体の配線導体に当接されてピン部材に電気的に接続された圧電素子とを具備することから、クラックを生じにくい圧電素子用支持部材の第一の絶縁基体の他主面側外周部をケース内の突出部に当接させて、一主面側に当接される圧電素子を確実に支持することができ、高応答速度の圧電素子が伸縮動作して生じる変位を精確に燃料噴射ノズル側に伝えるとともに、燃料の噴射圧が高圧になっても破損しにくいものとなる。
次に、本発明の圧電素子用支持部材およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の圧電素子用支持部材の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は圧電素子用支持部材、11は第一の絶縁基体、12は第二の絶縁基体、1aは第一の絶縁基体11の他主面側外周部(以下、支持部ともいう)、1bは一端部を第一の絶縁基体11の他主面側に突出させるようにして取着された金属製のピン部材、1cは第一の絶縁基体11の一主面に圧電素子2の電極に当接されて接続されるとともにピン部材1bの他端部に電気的に接続された配線導体である。
図4は、本発明の圧電素子用支持部材を使用した燃料噴射ノズルの駆動部の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は本発明の圧電素子用支持部材、2は圧電素子用支持部材1の第一の絶縁基体11の一主面に当接するとともに電極が配線導体1cに当接されてピン部材1bに電気的に接続された圧電素子、10は筒状のケース、10aはケース10の内周面に設けられた突出部である。
本発明の圧電素子用支持部材1は、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12を備え、第一の絶縁基体11は、他主面側の外周部に支持部1aを有しこの支持部1aを含む他主面に別体にされた第二の絶縁基体12の一主面が当接されている。
第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12は、セラミックス,樹脂から成る。第一の絶縁基体11は、アルミナ(Al)質セラミックス,窒化珪素(Si)質セラミックス,炭化珪素(SiC)質セラミックス等のセラミックスから成る場合、セラミックスは硬質であることから変形しにくく、圧電素子2を支持する部材としては好適である。特に、Al質セラミックスは、ピン部材1b同士および配線導体1c同士の電気的な絶縁を確実なものとし、圧縮応力が加わっても変形し難いことから第一の絶縁基体11には好適であり、他にSi質セラミックス,SiC質セラミックスも大きな圧縮応力に耐え得ることから好適に使用することができる。この第一の絶縁基体11は、圧電素子2をケース10内の所定位置に支持するとともに、圧電素子2に電気信号を伝達するための2本の金属製のピン部材1b同士を互いに電気的に絶縁して保持する機能を有する。
なお、第二の絶縁基体12には大きな応力が作用することがない。従って、第二の絶縁基体12には、セラミックス以外の、例えば、エポキシ樹脂やPPSやLCP等のエンジニアリングプラスチックス等の樹脂も好適に使用することができる。以下、第一の絶縁基体11,第二の絶縁基体12はセラミックスから成る場合を例として説明する。
第一の絶縁基体11は、ピン部材1bが挿通される貫通孔11bを少なくとも一対有し、一主面(図1の下方面)の貫通孔11bの開口部に、予めモリブデン(Mo),マンガン(Mn),タングステン(W)等のメタライズ層から成る配線導体1cが形成されている。そして、その配線導体1cに銀(Ag)ろうやAg−銅(Cu)ろう等のろう材を介してピン部材1bの他端部が接合され、ピン部材1bの一端部は第一の絶縁基体11の他主面(図1の上方面)に突出するようにピン部材1bが取着される。また、配線導体1cは、ピン部材1bの他端側を平板状に成形することによりピン部材1bと一体に形成されたものとしてもよいし、上記形成のメタライズ層の上に鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等から成る金属板がAgろうやAg−Cuろう等のろう材を介して接合されることで成っていてもよい。
第二の絶縁基体12は、ピン部材1bが挿通される少なくとも一対の貫通孔12bの上面開口部に予めモリブデン(Mo),マンガン(Mn),タングステン(W)等のメタライズ層が施されている。そして、そのメタライズ層に銀(Ag)ろうやAg−銅(Cu)ろう等のロウ材を介してピン部材1bの一端側の突出した部分の根元が接合される。そして、第二の絶縁基体12は、2本のピン部材1bを支持固定することにより、2本のピン部材1b同士を確実に電気的に絶縁する機能を有する。第二の絶縁基体12が樹脂から成る場合は、同様にピン部材1bの一端側の根元が接着剤等で固定される、またはモールド成型によりピン部材1bの周囲に第二の絶縁基体12が密着固定される。
第一の絶縁基体11,第二の絶縁基体12は、例えばアルミナ(Al)質セラミックスから成る場合、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等の原料粉末を所定形状の金型内に充填するとともにこれを一定圧力で押圧して柱状の生の成形体とし、しかる後、この生の成形体を約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
第一の絶縁基体11,第二の絶縁基体12にメタライズ層を施す方法としては、例えば、成型体を焼成の後に、W,Mo,Mn等の金属粉末に適当なバインダ,溶剤を混合して成る導体ペーストを、第一の絶縁基体11,第二の絶縁基体12の所定部位にスクリーン印刷法などにより印刷塗布し、約1500℃の温度で焼成することによってメタライズ層を形成する。好ましくは、このメタライズ層に電解メッキ法または無電解メッキ法等によりニッケル(Ni)等の金属から成る金属層を被着させておくのがよく、この構成によりメタライズ層が酸化や腐食等により劣化するのを防止できるとともに、ろう材との接合性を良好にする。
ピン部材1bは、燃料噴射ノズルの駆動部に取着されたコネクタ7から圧電素子2に電気信号を伝達する機能を有し、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料で作製される。従って、ピン部材1bは少なくとも一対(2本)が使用されるが、導通される電気信号によっては複数本使用される場合もあるし、1本でよい場合もある。
このピン部材1bは、例えばFe−Ni−Co合金等のインゴット(塊)を圧延加工法や押し出し加工法等、従来周知の金属加工法により所定の棒状に加工することによって製作される。
そして、ピン部材1bを第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12に設けられた2本の貫通孔11b,12bに挿通し、ピン部材1bを第一の絶縁基体11の配線導体1cと第二の絶縁基体12のメタライズ層にAgろうやAg−Cuろう等のろう材を加熱溶融することによってピン部材1bを第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とにろう付けし、圧電素子用支持部材1を作製する。
なお、配線導体1cがメタライズ層の上に金属板がろう材を介して接合されて成る構成である場合、ピン部材1bを第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とにろう付け接合する際に、金属板もメタライズ層の上にろう付け接合される。以上のようにして、圧電素子用支持部材1が完成する。
また、ピン部材1bを第一の絶縁基体11の一主面側の配線導体1cと第二の絶縁基体12の他主面側(上面側)のメタライズ層との2点のみでろう付け接合するのは、ピン部材1bと第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12との接合される面積を最小限として第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12にピン部材1bとの熱膨張差による応力が加わるのを最小限に抑え、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12にクラック等の破損が生ずるのを防止するためである。本発明の圧電素子用支持部材1においては、ピン部材1bは2点で固定するだけで十分機能する上に、上記効果を奏させるためであるが、さらに強度を持たせるためにピン部材1bを第一の絶縁基体11の他主面側でも接合して固定したり、貫通孔11b,12bの内部でも接合したりしてもよいことは言うまでもない。
本発明の圧電素子用支持部材1は、第一の絶縁基体11の他主面に外周が第一の絶縁基体11の外周よりも内側に位置する、すなわち第一の絶縁基体11の外径より第二の絶縁基体12の外径が小さい形状であるために、第一の絶縁基体11の他主面外周部に支持部1aを有する形状とされている。そして、この支持部1aを含む面で第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とに二分割されている構成とされている。
そして、支持部1aが、図4に示すように、ケース10の内周面に形成された突出部10aに当接するようにケース内に配置されているので、第一の絶縁基体11の一主面に当接された圧電素子2が電気信号によって駆動されて縮んだり伸びたりした際においても、圧電素子用支持部材1が支持部1aでケース10に支持固定され、圧電素子2の伸縮による変位が圧電素子2の第一の絶縁基体11に当接されている側と反対側に確実に伝えられる。
圧電素子2をケース10内でずれないように強固に確実に支持固定するためには、圧電素子2が縮んだり伸びたりした際においても第一の絶縁基体11が変形しないことが要求される。そのため第一の絶縁基体11には、硬くて2本のピン部材1bを互いに絶縁させることが可能な絶縁材料であるセラミックスが好適に使用できる。
また、第二の絶縁基体12および第一の絶縁基体11が同じ材質のセラミックスから成り、第二の絶縁基体12と第一の絶縁基体11とを分割せずに一体として形成するのは容易であったが、第二の絶縁基体12と第一の絶縁基体11とを一体のものとして形成した圧電素子用支持部材1を作製し燃料噴射ノズルの駆動部に取り付けた場合、支持部1aを起点に第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12との間となる付近にコントロールのできないクラックが生じてしまう場合があった。そこで、本発明の圧電素子支持部材1が発明され、支持部1aを起点とするクラック等の破損が生じるのを防止するために、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とを支持部1aを含む面で分割する構成としたものである。これにより、支持部1a付近を起点とするコントロールのできないクラックが生じるのを防止し、設計通りに信頼性の高い燃料噴射ノズルを提供することができる。
支持部1aは、図1のように外周が円弧状に面取りされた曲面とされるのが好ましく、この形状にすることにより、支持部1aが突出部10aに強く押し付けられる状態となっても支持部1aに応力集中が生ずることなく、第一の絶縁基体11にクラック等の破損が生ずるのを防止することができる。
好ましくは、ピン部材1bの外方に位置する第一の絶縁基体11の他主面および第二の絶縁基体12の一主面による当接面に、凹面および凸面の少なくとも一方が設けられているのがよい。
例えば、図2(a)〜図2(d)は、第一の絶縁基体11の他主面外周側に凸部1dを設け、凸部1dの内側で第一の絶縁基体11の第二の絶縁基体12との当接面が凹面になっており、第二の絶縁基体12の当接面がこれと嵌合する凸面になって当接されている例を示す。なお、図2は本発明の圧電素子用支持部材の他の例を示し、(a)はその断面図、(b)は(a)の第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12の斜視図、(c)はさらに他の例を示す断面図、(d)は(c)の第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12の斜視図である。
この構成により、高圧を支える第一の絶縁基体11の他主面側の、最もクラックが生じて破損しやすい部分において、第二の絶縁基体12が予め別体として分割されているために、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とが一体化された形状の場合のように、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12との間の部分にクラック等の破損が生じることがない。
また、第一の絶縁基体11の他主面側および第二の絶縁基体12の一主面側の外周部からピン部材1bまでの沿面距離を長くすることができる。この結果、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12の外周部を小さくしても外周部からピン部材1bまでの絶縁距離を確保できるようになり、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12を小型化することができる。
また沿面距離を長くできることによって、ピン部材1bに高電圧の電気信号を伝送させるということが可能となる。ピン部材1bに高電圧の電気信号を伝送させても、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12の間の沿面で外周部とピン部材1bとが、または一対のピン部材1bの間で電気的短絡するのを防止できる。
さらに、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12の当接面に形成された凸面または凹面によって、第二の絶縁基体12と第一の絶縁基体11とが互いに位置ずれしないように固定できる。その結果、圧電素子や燃料からの高圧な圧力やエンジンからの振動等が圧電素子用支持部材1に加わっても、第二の絶縁基体12と第一の絶縁基体11とが互いに位置ずれすることによってピン部材1bがせん断破損等してしまうのを防止できる。
ここで好ましくは、第一の絶縁基体11の凸部1dの内側面は、図2(a)(b)に示すように、全周にわたって曲面状となった第一の曲面部11dとされているとともに、第二の絶縁基体12の第一の曲面部11dに当接する側の端面も全周にわたって曲面状となった第二の曲面部12dとされているのがよい。この構成により、圧電素子2や燃料からの高圧やエンジンからの振動等が圧電素子用支持部材1に加わって、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とが当接する面にせん断応力が作用し、第二の絶縁基体12の外周部が凸部1dの内側面に擦り付けられるようになっても、第二の絶縁基体12の外周部および凸部1dの内側面に応力集中が発生するのを抑制することができる。
さらに好ましくは、第二の曲面部12dの曲率半径は第一の曲面部11dの曲率半径よりも若干大きいのがよく、この構成により曲面の加工が容易になり、第二の曲面部12dを第一の曲面部11dの内側面に容易に嵌め合わせることができ、応力集中の発生も抑制することができる。例えば、第一の曲面部11dの曲率半径が0.8mmである場合には、第二の曲面部12dの曲率半径を1mmとするとよい。
また好ましくは、図2(c),(d)に示すように、第二の絶縁基体12の第二の曲面部12dの起点となる部位には段差部12cが形成されているのがよい。この構成により、段差部12cの外周で第二の絶縁基体12が凸部1dの内側面に当接されて第一の絶縁基体11に対して正確に位置合わせされるとともに、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12とが多少位置ずれしたとしても、段差部12cによって第二の曲面部12dと第一の曲面部11dに隙間が形成されるようになるので、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12との当接部で応力が発生するのを防止でき、応力集中の発生を抑制することができる。例えば、段差部12cの段差寸法は0.15mm〜0.3mmとするとよい。
この他にも当接面に凹凸面を形成する例として、第一の絶縁基体11の当接面にピン部材1bを取り囲む溝状に形成された凹面を形成し、第二の絶縁基体12の当接面にこれと嵌合する凸形状の突出部を形成したり、凹凸を逆にしたり、当接面に一対のピン部材1bのそれぞれを取り囲むように凹面および凸面の少なくとも一方を形成したり、これらを組み合わせて、一対のピン部材1b双方を取り囲むとともに、その内側にそれぞれのピン部材1bを取り囲む凹面や凸面を設けたり、一方のピン部材1bの周囲に凹面を設け、他方のピン部材1bの周囲に凸面を設けたりしてもよい。当接面に一対のピン部材1bのそれぞれのピン部材1bを取り囲むように凹面や凸面を形成する場合は、一対のピン部材1bの間の沿面距離も長くすることができるので、ピン部材1bの間に高電圧を印加することができるものとなる。また、第一の絶縁基体11と第二の絶縁基体12との回転ずれを制止する機能を持たせることもできる。
また、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対する位置ずれ防止のために、図3(a),(b)に示すように、ピン部材1bと圧電素子用支持部材1の外周部との間に点状または部分的な線状に、第一の絶縁基体11の他主面側に凹部または凸部からなる第一の係止部11aを設けるとともに、第二の絶縁基体12の一主面(第一の絶縁基体11側)に第一の係止部11aに係合する凸部または凹部からなる第二の係止部12aを設けるという構成としてもよい。この構成により、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対しての水平方向の位置ずれを防止することができる。
ここで、第一の係止部11aおよび第二の係止部12aは複数個設けられるのがよく、これにより、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対する水平方向の回転ずれを制止することができる。またこの構成により、間に第一の係止部11aおよび第二の係止部12aが設けられている第一の絶縁基体11の他主面側の外周部からピン部材1bまでの絶縁距離を長くできるという効果もある。
また、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対する位置ずれ防止のために、図3(c),(d)に示すように、第一の絶縁基体11の他主面側の中心部に凹部または凸部からなる第一の係止部11aを設けるとともに、第二の絶縁基体12の一主面(第一の絶縁基体11)側に第一の係止部11aに係合する凸部または凹部からなる第二の係止部12aを設けるという構成としてもよい。この構成によって、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対しての水平方向の位置ずれを防止することができるとともに、第一の係止部11aまたは第二の係止部12aに関して対向するピン部材1b間の絶縁距離を長くできるという効果があり、ピン部材1b間の距離を短くして第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12を小型化できる、または、ピン部材1bに高電圧の電気信号を伝送させても、ピン部材1b間で電気的短絡するのを防止できる。
なお、図3(a)〜(d)の構成は組み合わせてもよく、この構成によって、第二の絶縁基体12の第一の絶縁基体11に対しての水平方向の位置ずれをより確実に防止することができるとともに、第一の絶縁基体11の他主面側の外周部からピン部材1bまでの絶縁距離を増大できかつ第一の係止部11aまたは第二の係止部12aに関して対向するピン部材1b間の絶縁距離を長くできる。
また図3(a)〜(d)の構成は図2(a)〜(d)の当接面に凹面または凸面を設けた構成の一例等と組み合わせてもよい。
好ましくは、本発明の圧電素子用支持部材1は、第一の絶縁基体11および第二の絶縁基体12のいずれか一方、または両方が体積固有抵抗値10Ω・m〜10Ω・mの低絶縁性材料を用いて作製してもよい。この構成により、圧電素子用支持部材1をケース10に挿入するまでの組立作業中に圧電素子用支持部材1に静電気による電位が溜まったとしても、圧電素子用支持部材1の表面に沿面放電が生じるように漏れ電流が発生し、圧電素子用支持部材1に高い電位が溜まるということを防止でき、ピン部材1bを介して圧電素子2へ電圧が加わるのを防止することができる。そして、圧電素子2が静電破損することのない圧電素子用支持部材1を提供することが可能になる。
なお、第一の絶縁基体11または第二の絶縁基体12の体積固有抵抗値が10Ω・m未満であると、ピン部材1b間の電気的な絶縁を保持できなくなるおそれがある。即ち、ピン部材1bに高電圧の電気信号を伝送させると、第一の絶縁基体11または第二の絶縁基体12内部を通じてピン部材1b間での漏れ電流が大きくなり、または、電気的短絡してしまい、圧電素子2に電気信号を伝送できなくなるおそれがある。また、第一の絶縁基体11または第二の絶縁基体12の体積固有抵抗値が10Ω・mを超えて大きくなると、圧電素子用支持部材1の表面に沿面放電のような漏れ電流が発生し難くなり、圧電素子用支持部材1をケース10に挿入するまでの組立作業中に圧電素子用支持部材1に静電気による電位が溜まり易くなる。そして、ピン部材1bを介して圧電素子2へ電圧が加わって、圧電素子2を静電破損させてしまうおそれがある。
体積固有抵抗値が10Ω・m〜10Ω・mの低絶縁性材料としては、例えば、セラミックスと金属との複合材料,導電性樹脂(樹脂と金属との複合材料)が挙げられる。セラミックスと金属との複合材料としては、Al質セラミックスとチタン(Ti)との複合材料や、Al質セラミックスと酸化クロム(Cr)との複合材料が挙げられる。これらは、Al質セラミックスの原料粉末にTiまたはCrの粉末を混ぜたものを用意し、これを用いて生の成形体を形成し、約1600℃の高温で焼成することによって作製される。Al質セラミックスの原料粉末の量に対し、TiまたはCrの量を適宜調整することによって体積固有抵抗値10Ω・m〜10Ω・mを実現することができる。
なお、Al質セラミックスとTiとの複合材料から成る場合、Tiの融点は1675℃であり、融点が焼成温度に近いため、Tiが焼成時に溶融してしまう可能性がある。このため、その製造方法として好ましくは、Al質セラミックスの原料粉末の量に酸化チタン(TiO)の粉末を混ぜたものを用意し、これを用いて生の成形体を形成し、約1600℃の高温で焼成する。しかる後、約1300℃の還元雰囲気炉で焼成することによってTiOをTiに還元させ、Tiを溶融させることなくAl質セラミックスとTiとの複合材料を作製することができる。
次に、この圧電素子用支持部材1を使用した本発明の燃料噴射ノズルの駆動部について図4を用いて以下詳細に説明する。
本発明の燃料噴射ノズルの駆動部は、筒状でSUS等から成る内周面に突出部10aが設けられている金属製のケース10内に、本発明の圧電素子用支持部材1の第一の絶縁基体11の他主面側外周部の支持部1aが突出部10aに当接するように配置され、圧電素子2が第一の絶縁基体11の一主面に当接するとともにその電極が第一の絶縁基体11の配線導体1cに当接されることによってピン部材1bに電気的に接続されて収容されている。
ケース10の下方側の端面には、ダイヤフラム6がレーザ溶接等によってケース10に接合されている。また、ケース10内部には、印加する電圧の変化により伸縮する圧電素子2の下方側の端面に当接してケース10内を摺動するピストン3が収容されている。さらに、ケース10の上方側の端面には、圧電体素子用支持部材1のピン部材1bに電極が接続されたコネクタ7がレーザ溶接等によってケース10に接合されている。そして、圧電素子用支持部材1のピン部材1bとコネクタ7に設けられた電極を介して、圧電素子2に電圧が印加される。
また、ケース10内部には、図4に示すように、ダイヤフラム6に隣接して、中央に貫通穴4aを有する板状のシート部材4がケース10の軸芯方向に直交するように接合されている。そして、このシート部材4の貫通穴4aには、ピストン3のロッド部3aが摺動自在に貫通されている。このロッド部3aの端部は、ダイヤフラム6に当接されており、圧電素子2によって駆動されたピストン3の変位をダイヤフラム6に伝えるように構成されている。また、ロッド部3aの外周側における、ピストン3とシート部材4との間に配置されたバネ5は、ピストン3を圧電素子2に向けて付勢するように配置されている。
そして、コネクタ7と圧電素子用支持部材1とを介して圧電素子2へ通電された電気信号により圧電素子2が軸方向に伸縮して、ダイヤフラム6の中央部が上下に変位し、燃料弁が開閉することによって燃料噴射ノズル(図示せず)から燃料がエンジンシリンダ内に噴射される。
以上により、高応答速度の圧電素子の変位を燃料噴射ノズルに適確に伝達させることができ、また高圧を支える部分においてクラック等の破損が生じることのない圧電素子用支持部材1およびこれを用いた燃料噴射ノズルの駆動部を提供することができる。そして、コモンレールに蓄圧される燃料がより高圧になっても精確に作動する燃料噴射ノズルとすることが可能になる。
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能である。例えば、上記においてピン部材1bは、セラミックスと熱膨張係数の近い金属部材を用いる例について説明したが、銅(Cu)等の電気抵抗値の低い金属材料から成ってもよく、この構成により、外部からの電気信号をピン部材1bで損なうことなく、より適確に圧電素子2に伝えることが可能となる。
本発明の圧電素子用支持部材の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の圧電素子用支持部材の実施の形態の他の例を示し、(a)はその断面図、(b)は(a)の第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の斜視図、(c)はさらに他の例を示す断面図、(d)は(c)の第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の斜視図である。 本発明の圧電素子用支持部材の実施の形態の他の例を示し、(a)はその断面図、(b)は(a)の第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の斜視図、(c)はさらに他の例を示す断面図、(d)は(c)の第一の絶縁基体および第二の絶縁基体の斜視図である。 本発明の燃料噴射ノズルの駆動部の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の圧電素子用支持部材を使用した燃料噴射ノズルの駆動部の例を示す断面図である。
符号の説明
1:圧電素子用支持部材
1a:他主面側外周部(支持部)
1b:ピン部材
1c:配線導体
1d:凸部
1e:凹部
11:第一の絶縁基体
12:第二の絶縁基体
2:圧電素子
10:ケース
10a:突出部

Claims (4)

  1. 一主面に圧電素子の電極と接続されるための配線導体を有し、該配線導体に電気的に接続されたピン部材をその一端部が他主面側に突出するようにして取着させた第一の絶縁基体と、
    外周が前記第一の絶縁基体の他主面の外周線よりも内側に位置し、一主面が前記第一の絶縁基体の前記他主面に当接し、前記一主面から他主面にかけて前記ピン部材の少なくとも一部が挿入される貫通孔を有する第二の絶縁基体と、を備えた圧電素子用支持部材であって、
    前記第一の絶縁基体は、前記第一の絶縁基体の前記他主面側に、前記第二の絶縁基体の前記一主面の周縁を覆うように支持する凸部を備えることを特徴とする圧電素子用支持部材。
  2. 前記第一の絶縁基体の前記凸部の、前記第一の絶縁基体の前記他主面の中心側の側面に、前記外周線に沿って連続した第一の曲面部を備え、
    前記第二の絶縁基体は、前記第二の絶縁基体の前記一主面の周縁に、前記外周に沿って連続した第二の曲面部を備え、
    前記第一の曲面部と、前記第二の曲面部とが当接していることを特徴とする請求項1記載の圧電素子用支持部材。
  3. 前記第一の絶縁基体および前記第二の絶縁基体の少なくとも一方が体積固有抵抗値10Ω・m〜10Ω・mの低絶縁性材料から成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電素子用支持部材。
  4. 内周面に突出部が設けられている筒状のケースと、前記第一の絶縁基体の前記他主面側外周部が前記突出部に当接するように前記ケース内に配置された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電素子用支持部材と、
    前記ケース内に前記第一の絶縁基体の一主面に当接するとともに前記電極が前記第一の絶縁基体の前記配線導体に当接されて前記ピン部材に電気的に接続された圧電素子とを具備することを特徴とする燃料噴射ノズルの駆動部。
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