JP4502891B2 - 吸気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、発電機などの内燃機関などに使用でき、低周波数から高周波数に至る全周波数域で高い消音性を有する吸気装置(又は消音装置)に関する。
自動車などの内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど)から発生する騒音を低減するため、吸音ダクトやヘルムホルツ共鳴器を備えた種々の吸気装置が利用されている。実公昭63−2597号公報(特許文献1)には、騒音が伝播される気体通路と、この気体通路内に通じる共鳴室とを備えた共鳴型消音器において、この共鳴室を二つ割りの空洞体で構成し、この空洞体の一方の半体に気体通路を形成し、かつこの気体流路に空洞体内に所定長さに亘って延びる筒状の接続部を形成し、この接続部の開口部分に、気体通路と空洞体内とを連通するための筒状の首部をフランジ部を介して取り付けた消音器が開示されている。この消音器は、共鳴型であるため、低周波数の騒音に対して高い消音効果を示す。しかし、高周波数域の騒音を有効に消音できないだけでなく、共鳴器では設定周波数近傍に跳ね返り周波数が存在し、その跳ね返り周波数域で消音性が大きく低下する。
特開平4−321896号公報(特許文献2)には、織布製ライナーと、このライナーを補強する材料と、織布製ライナーに対して押し出され結合したエラストマー製の吸音性外層とを備え、吸音性外層がエチレンプロピレンターポリマーが形成された、音の減衰及び消音特性を有する一体的な吸気ダクトが開示されている(特許請求の範囲)。特開2003−343373号公報(特許文献3)には、管壁の一部又は全部が通気性を有する多孔質材料で形成され、内燃機関に外気を導入するための吸気ダクトにおいて、前記通気性を有する多孔質材料で形成された管壁の外方にあって、同管壁との間に空気層を有するように同管壁の一部又は全部を覆う吸気ダクトが開示されている(特許請求の範囲)。この吸気ダクトは、織布製ライナーや多孔質材料で構成されているため、主に高周波数の騒音に対しては消音効果を示すものの、低周波数域の騒音を有効に消音できない。
特開平9−144986号公報(特許文献4)には、ベースダクトとこのダクトよりも内径が大きな拡張部とを有する吸音ダクト構造体において、拡張部の内部の長さ方向若しくは断面方向に吸音材を配置した拡張吸音ダクト部と、ヘルムホルツ共鳴器部とが構造的に一体化している吸音ダクト構造体が開示されている(特許請求の範囲)。この吸音ダクト構造体では、低周波数から高周波数の全周波数域で吸音性を示し、ヘルムホルツ共鳴器の跳ね返り周波数付近の消音効果の低下を抑制できる。しかし、共鳴器の大型化などによりヘルムホルツ共鳴器の効果を大きくすると、必然的に跳ね返り周波数域での消音性が低下し、前記跳ね返り周波数域では騒音レベルを低下できなくなる。そのため、共鳴器の大型化が必要な際には、その跳ね返り周波数における消音効果の不足を補うために、吸音ダクト構造体も大型化せざるを得ず、消音装置全体の大型化が避けられない。
実公昭63−2597号公報(実用新案登録請求の範囲) 特開平4−321896号公報(特許請求の範囲) 特開2003−343373号公報(特許請求の範囲) 特開平9−144986号公報(特許請求の範囲、段落番号[0052][0053])
従って、本発明の目的は、共鳴器を備えていても跳ね返り周波数域での消音性の高い吸気装置(又は消音装置)を提供することにある。
本発明の他の目的は、跳ね返り周波数域での消音性が高いだけでなく、低周波数域から高周波数域に亘る全周波数域で高い消音性が得られる吸気装置(又は消音装置)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、小型であっても簡単な構造で高い消音性を実現できる吸気装置(又は消音装置)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ヘルムホルツ共鳴器と吸音ダクトとの隔壁に連通部(又は通気部)を形成し、共鳴器と吸音ダクトとを互いに連通すると、共鳴器を備えていても跳ね返り周波数域での消音性を向上できるとともに、低周波数域から高周波数域に亘る全周波数域で高い消音性が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の吸気装置(又は吸音装置)は、気体流路の周囲に吸音材及び拡張室を備えた拡張吸音ユニットと、この拡張吸音ユニットに隣接して位置し、前記気体流路と通じたヘルムホルツ型共鳴ユニットとを備えている。本発明では、前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとを連通するための連通部(又は通気部)を形成することにより吸気装置を構成する。前記連通部は、前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとを区画するための隔壁に形成してもよい。
このような装置では、前記連通部の機能により、ヘルムホルツ型共鳴ユニット(又は共鳴器)の跳ね返り周波数域における消音効果の低下を防止し、跳ね返り周波数域での騒音を低減できる。また、高周波数域の消音に有効な吸音材(又は消音材)を備えた拡張吸音ユニット(又は消音ユニット)とヘルムホルツ型共鳴ユニットを組み合わせているため、低周波数から高周波数に至る広範囲の周波数域で消音性を改善できる。さらに、前記拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとの間に、連通部を形成したり、連通部を有する隔壁を形成するという簡単な構造で消音性を向上できる。
なお、前記連通部は、孔又は多孔質通気孔であってもよい。また、前記連通部は、前記隔壁の適所、例えば、鉛直方向下部(又は下部隔壁)に形成してもよく、前記隔壁と前記ヘルムホルツ型共鳴ユニット又は前記拡張吸音ユニットの外壁との交点部に形成し、外部と通じていてもよい。さらに、隔壁は、通気性多孔質体を介して、拡張吸音ユニットを支持していてもよい。
本発明は、気体流路の周囲に吸音材及び拡張室を備えた拡張吸音ユニットと、この拡張吸音ユニットに隣接して位置し、かつ前記気体流路と通じたヘルムホルツ型共鳴ユニットとで騒音を低減するための方法であって、前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとの間に、前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとを連通するための連通部を形成することにより騒音を低減する方法も包含する。
本発明では、連通部又は通気部により共鳴器の容量部と吸音ダクトの吸音材領域とが音響的に接続されるため、共鳴器での共鳴を抑制できる。そのため、共鳴器を備えていても跳ね返り周波数域での消音性の低下を防止できる。また、跳ね返り周波数域での消音性が高いだけでなく、低周波数域から高周波数域に亘る全周波数域で高い消音性が得られる。特に、吸音ダクトの容量部が共鳴器の容量部に連通され、吸音ダクトの吸音材に対して背後空気層を形成したのと同様の形態となり、特に低周波数域での消音性を向上できる。さらに、高い消音性を、小型であっても、連通部又は通気部を形成するという簡単な構造で実現できる。
以下に、添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の吸気装置の一例を示す概略縦断面図である。この例の吸気装置(消音装置)は、円筒状のヘルムホルツ共鳴ユニツト(又は共鳴器、共鳴型消音ユニット)4と、この共鳴ユニットを同軸に貫通する筒状の気体流路2とを備えている。この気体流路2は、軸方向の一部において形成された所謂ポーラスダクトなどの連続通気孔を有する筒体である多孔質筒体(吸音材)3と、その両端部に連結された樹脂などからなる非多孔質筒体8,8により構成されている。前記共鳴ユニット4内において、拡張吸音ユニット1は、吸音材としての多孔質筒体3とその外側に非多孔質筒体8,8よりも外径(直径)が大きく気体流路が径方向に拡張された拡張室9とで構成されている。すなわち、吸気装置は、円筒状のヘルムホルツ共鳴ユニツト(又は共鳴型消音ユニット)4内に拡張吸音ユニツト1が同軸に配設された構造を有する。なお、吸音材としての多孔質筒体3の外側に、さらに繊維集合体などの多孔質材を吸音材として被覆するようにしてもよい。
前記共鳴ユニツト4内には、前記共鳴ユニツト4と前記拡張吸音ユニツト1とを区画するための隔壁6が形成されている。この隔壁6は、前記共鳴ユニット4の上流側の側壁から下流方向に延出し、拡張吸音ユニツト1の下流側で閉じた筒状体で構成されており、同時に前記拡張室9を区画して多孔質筒体3を通じてその外側に空気層を形成するもので、共鳴ユニツト4と隔壁6と気体流路2の周壁は三重管状に形成されている。なお、隔壁6よりも下流側の筒体8には共鳴ユニット4内に延びる円筒状の首部(筒状部)5が形成され、レゾネータ(共鳴型消音器)を構成している。多孔質筒体3及び非多孔質筒体8,8によって形成される気体流路2に対して、拡張吸音ユニット1が気体流路2を取り囲むように接続され、共鳴ユニット4が、首部(筒状部)5を介して接続されている。
そして、前記隔壁6のうち長手方向(又は軸方向)の中央部には、連通孔が形成され、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを連通する連通部(例えば、音響的に連通する通気部)7を構成している。すなわち、拡張吸音ユニット1の容量部と共鳴ユニット4の容量部とが、隔壁6のうち下部隔壁に形成された連通孔7により連通している。
このような構造の吸気装置(消音装置)では、気体流路を伝播する騒音のうち高周波域の騒音は、前記吸音材3を有する拡張吸音ユニット1で効果的に消音できる。また、共鳴ユニット4において、円筒状首部(筒状部)5と共鳴ユニット4内の空間とで共鳴室を形成し、気体流路を伝播する低周波域の騒音は、共鳴器の作用により低減される。一方、共鳴ユニット4では、跳ね返り周波数近傍での騒音が大きくなる。しかし、前記隔壁6に連通部7が形成されているため、吸音材3に対して共鳴ユニット4の容量部が接続し、共鳴ユニット4での共鳴が抑制され、跳ね返り周波数域でも有効に消音できる。さらに、隔壁6に形成された連通部7により、吸音材3の背面と隔壁6との間に存在する空間を形成する拡張室(吸音材の背後空気層)9が共鳴ユニットの容量部の領域まで拡張されるので、騒音(特に低周波数域の騒音)に対する吸音ユニットの消音性を向上できる。そのため、低周波数域から高周波数域に亘り騒音を有効に除去できる。なお、前記装置では、気体流路(ダクト)2内に水が進入したとしても、共鳴ユニット4及び拡張吸音ユニット1が緩衝ユニットとして機能するとともに、下部隔壁に形成された連通孔7を水抜き孔として利用することができる。
より具体的には、図2に示す吸音特性のように、共鳴器を使用しない場合(A)に比べて、共鳴器を用いると、共鳴器の設定周波数では顕著な消音効果が得られる(B)。しかし、共鳴器だけでは、設定周波数の近傍(低周波数域)の跳ね返り周波数域で消音効果が著しく低下する(C)。一方、図3に示されるように、吸音ダクト(拡張吸音ダクト)単独の場合(D)に比べて、吸音ダクト(拡張吸音ダクト)と共鳴器とを一体化すると(E)、共鳴器の共鳴周波数において消音効果を向上させることができる。しかしながら、共鳴器の共鳴周波数の近傍には、消音効果の低い跳ね返り周波数が存在し、その周波数では未だ消音効果は十分でない。そこで、図4に示されるように、大型化などによりヘルムホルツ共鳴器の効果を高めると(F)、跳ね返り周波数域における消音効果の低下も大きくなってしまい、騒音レベルが高くなり、低周波数域での消音効果を改善できない。なお、共鳴器による消音効果(所定の周波数に対する減衰特性)は、下記式で示されるように、共鳴器の内径や長さにより調整できる。
Figure 0004502891
式中、frは減衰させる設定周波数、cは音速、Sは共鳴器の首部の断面積、Lは共鳴器の首部の長さ、Vは共鳴器の容量部の容積を示す。
これに対して、図5に示されるように、本発明における共鳴器ユニットの消音効果は、共鳴器単独(B)に比べて、前記隔壁に連通部を形成することにより、装置を大きくすることなく、しかも共鳴器の跳ね返り周波数域における消音効果の低下を効果的に防止することができ、低周波数域での騒音を有効に減衰させることができる(G1)。また、図6に示されるように、本発明における吸音ユニットの吸音効果は、吸音材に対して空間(背後空気層)が形成・拡大されているため、騒音(特に低周波数域の騒音)に対する消音効果を向上できる(G2)。なお、図7は、図5と図6とを重ね合わせた消音特性(G3=G1+G2)であり、吸音ダクトと大型の共鳴器とを一体化した装置(F)に比べて、本発明の装置は、G3で示されるように広い波長域において高い消音性を示す。
図8は本発明の吸気装置の他の例を示す概略断面図である。この例では、通気性多孔質材で連通部(通気性連通部)が形成されている。すなわち、拡張吸音ユニット11は、ダクト本体を構成する非通気性筒体12の軸方向の一部において周壁に複数の穴18が穿設された部位と、この部位の周囲に配置された綿状吸音材13とで構成されており、前記と同様に、気体流路を形成する前記筒体12は共鳴ユニツト(又は共鳴器)14を軸方向に貫通するとともに、穴18を通じて気体流路が拡張された拡張室19を形成している。
また、筒体12のうち拡張吸音ユニット11の下流側では共鳴ユニット14を構成する首部(円筒部)15が共鳴ユニット14内に延出している。そして、前記吸音材13は、拡張吸音ユニット11と共鳴ユニット14とを隔絶し、かつ前記下流側で閉じた円筒状隔壁16内に充填されており、この隔壁16のうち所定部位(この例では、下部隔壁)は、通気性多孔質材(例えば、不織布)で構成された連通部又は通気部17を形成している。
このような吸気装置では、前記図1に示す装置と同様の作用効果に加えて、拡張吸音ユニット11と共鳴ユニット14との容量部を連通する連通部17が通気性多孔質材で構成されているため、共鳴ユニット14での跳ね返り周波数による騒音をさらに大きく低減できる。
図9は本発明の吸気装置のさらに他の例を示す概略断面図であり、図10は図9の連通部を示す概略斜視図である。この例では、共鳴ユニットの外壁と隔壁との交点部位に連通部が形成されている。すなわち、拡張吸音ユニット21は、内部に筒状の気体流路22を備え、この気体流路22は、軸方向の一部において形成されたポーラスダクトなどの連続通気孔を有する筒体である多孔質筒体(吸音材)23と、その両端部に連結された樹脂などからなる非多孔質筒体28,28により構成され、多孔質筒体3の外側には外壁30により区画された拡張室29が形成されている。前記多孔質筒体(吸音材)23と前記非多孔質筒体28,28により形成される気体流路22は共鳴ユニット24を軸方向に貫通している。共鳴ユニット24の容量部には、筒体22から首部(円筒部)25が下方に延出している。そして、拡張吸音ユニット21の下流側で共鳴ユニット24を半径方向に区画する隔壁26が形成されており、この隔壁26と共鳴ユニット24との交点部(この例では隔壁の鉛直方向下部又は下端部)に連通部(連通孔又は切欠部)27が形成されており、この連通部27は外部とも通じている。
このような吸気装置では、図1に示す装置と同様に、吸音材23に対して共鳴ユニット24の容量部が接続し、共鳴ユニット24での共鳴が抑制され、跳ね返り周波数域でも有効に消音できる。また、隔壁26に形成された連通部27により、吸音材23の背面と隔壁26との間に存在する空間(背後空気層)である拡張室29が共鳴ユニット24の容量部の領域まで拡張されるので、騒音(特に低周波数域の騒音)に対する吸音ユニットの消音性を向上できる。また、隔壁26の下部(鉛直方向下部)に形成された連通部27を水抜き孔として利用することもできる。
図11は本発明の吸気装置の別の例を示す概略断面図であり、図12は図11の連通部又は支持部を示す概略断面図である。
この例では、吸気装置は、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを区画する隔壁により拡張吸音ユニットが支持されており、拡張吸音ユニットと隔壁との間には通気性多孔質体が介在している。すなわち、拡張吸音ユニット31は、内部に筒状の気体流路32を備え、この気体流路32は、軸方向の一部において形成されたポーラスダクトなどの連続通気孔を有する筒体である多孔質筒体(吸音材)33と、その両端部に連結された樹脂などからなる非多孔質筒体38,38により構成され、多孔質筒体3の外側には外壁40により区画された拡張室39が形成されている。前記多孔質筒体(吸音材)33と前記非多孔質筒体38,38により形成される気体流路32は共鳴ユニット34を軸方向に貫通している。共鳴ユニット34の容量部には、非多孔質筒体38から首部(円筒部)35が上方に延出している。そして、拡張吸音ユニット31の下流側端部で共鳴ユニット34の容量部を半径方向(縦方向)に区画する隔壁36が形成されており、この隔壁36は多孔質筒体(ポーラスダクト)33を支持している。そのため、隔壁36と非多孔質筒体38との間には、多孔質筒体33で構成された通気性連通部37が形成され、拡張吸音ユニット31と共鳴ユニット34とが音響的に接続している。なお、この例では、隔壁36は、多孔質筒体33と非多孔質筒体38との連結部を支持している。
このような装置では、通気性連通部37を介して、拡張吸音ユニット31と共鳴ユニット34の容量部とが接続し、共鳴ユニット34での共鳴が抑制され、跳ね返り周波数域でも有効に消音できる。
なお、拡張吸音ユニットは、内部に気体流路を形成し、吸音材(例えば、高周波域のノイズを減衰可能な吸音材)と気体流路の内径が拡張された拡張室を備えている。拡張吸音ユニットは、気体流路を少なくとも吸音性筒体で構成でき、吸音性多孔質筒体単独で構成してもよく、吸音性であってもよい筒体とこの筒体の周囲に配置された吸音材とで構成してもよい。また、拡張吸音ユニットの長さは、用途に応じて、例えば、1〜100cm(例えば、5〜75cm、好ましくは10〜50cm)程度であってもよい。
なお、気体流路を形成する筒体は、通常、吸音ユニットから延出して前記共鳴ユニットを貫通している。特に、筒体は、吸音ユニットから同軸に延出して前記共鳴ユニットを同軸で貫通する場合が多い。
拡張吸音ユニットは、通気性筒体又は吸音性筒体(通気性孔(細孔など)を形成した筒体や多孔質材で構成した筒体(ポーラスダクトなど)などの通気性多孔質筒体)で気体流路を構成してもよく、このような通気性筒体と、この筒体のうち吸音部に対応する部位に配置又は被覆された吸音材とで構成してもよく、孔が形成された非透気性筒体(多孔筒体)と、この筒体の孔の形成部位に配置された吸音材とで構成してもよい。例えば、拡張吸音ユニットを構成する筒体は、ポーラスダクト、繊維ダクト(不織布又は織布など)などで構成してもよく、連続気泡を有する合成樹脂発泡体で構成された筒体や、所定の周壁に孔が形成された多孔質又は非多孔質筒体に連続気泡を有する合成樹脂発泡テープを螺旋状に巻回した筒体などであってもよい。
吸音材は、吸音性を有する種々の材料、例えば、繊維集合体(天然繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などの繊維集合体)、不織布(ニードルパンチ、乾式又は湿式法などで形成された不織布、熱融着繊維を含む繊維で形成された不織布等)、織布、連続気泡を有する合成樹脂発泡体(発泡ポリエチレン系樹脂、発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体、発泡ポリウレタンなど)、連続気泡を有する合成樹脂発泡テープ(発泡ポリエチレン系樹脂テープ、発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体テープなど)などで構成できる。なお、吸音材の坪量は、50〜4000g/m2、好ましくは100〜3000g/m2、さらに好ましくは150〜1500g/m2程度であってもよい。
拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとは、前記気体流路に接続又は連通されていればよく、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとはそれぞれ個別に形成してもよいが、通常、一体に形成する場合が多い。拡張吸音ユニットは、通常、共鳴ユニット内に配設されている場合が多い。拡張吸音ユニットの断面形状は、円筒状に限らず、種々の形状、例えば、楕円形状、多角形状などであってもよい。拡張吸音ユニットは、共鳴ユニットと同軸に配設する必要はなく、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとの軸線は互いにずれていてもよい。
ヘルムホルツ型共鳴ユニットは、共鳴吸収により音波エネルギーを減衰可能であればよく、単孔型、スリット型や挿入型などの種々の首部を有する共鳴器(共鳴型消音器)が利用できる。共鳴ユニットの首部は、共鳴ユニット内に延びており、吸音ユニットの筒体から種々の方向、例えば、上下方向、側方などに延出していてもよい。なお、前記のように、首部の内径や長さ、共鳴ユニットの容量を調整することにより、所定の周波数を有効に減衰できる。そのため、首部のサイズは、減衰すべき周波数(設定周波数)に応じて選択できる。首部の断面形状は、円筒状に限らず、楕円形状、多角形状などであってもよい。共鳴ユニットの断面形状は、円筒状に限らず、種々の形状、例えば、楕円形状、多角形状などであってもよい。また、共鳴ユニットの内径及び/又は長さも設定周波数に応じて選択できる。
前記拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとが連通部により連通している限り、隔壁は必ずしも必要ではない。例えば、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとはそれぞれの容量部が連通又は通気していればよく、気体流路において、拡張吸音ユニットと、この拡張吸音ユニットに隣接して配設された共鳴ユニットと、拡張吸音ユニットの容量部と共鳴ユニットの容量部とを連通する連通部(例えば、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを連通する筒体で構成された連通部)とで構成してもよい。なお、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを区画するための隔壁に前記連通部を形成する場合が多い。また、共鳴ユニットと拡張吸音ユニットとは隣接していればよく、相対的な関係で互いに上流側及び/又は下流側に位置していてもよい。
隔壁は、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを遮蔽(区画又は隔絶)する限り種々の態様で形成でき、共鳴ユニットの下流側の側壁から上流方向の軸方向に延びる周壁とこの周壁の端部を閉じる側壁とで構成してもよく、共鳴ユニット内において拡張吸音ユニットを包囲し、かつ共鳴ユニットの周壁により支持(直接又は支持体を介して支持)された中空筒状の筒体(両端部が閉じた筒体)であってもよい。また、隔壁は、前記の例のように、拡張吸音ユニットと接触していてもよく、拡張吸音ユニットから遊離していてもよい。
なお、前記連通部は、吸音ユニットの容量部と共鳴ユニットの容量部とを音響的に接続し、ノイズ(特に低周波域の跳ね返りによるノイズ)を減衰可能であればよく、隔壁の適所に形成してもよい。また、連通部は、隔壁と、共鳴ユニット又は拡張吸音ユニットの外壁との交点部に形成してもよく、上記連通部は外部と通じていてもよい。例えば、隔壁に、拡張吸音ユニットの容量部と共鳴ユニットの容量部とを連通する連通部を形成し、音響ユニットの外壁に外部と通じる連通部を形成してもよい。連通部を、隔壁のうち鉛直方向下部又は下部隔壁(共鳴ユニットの外壁と隔壁との交点部分を含む)に形成すると、外部に通じる連通部を水抜き孔として利用し、侵入水を効率よく除去できる。また、隔壁のうち軸方向の延びる周壁及び/又は半径方向に延びる周壁に連通部を形成でき、この連通部は1又は複数箇所に形成できる。また、連通部の形状は特に制限されず、円形状、楕円形状、多角形状、無定形状などであってもよく、連通部は周方向に延びていてもよく半径方向に延びていてもよい。複数箇所に連通部を形成する場合、隔壁の適所に規則的又はランダムに連通部を形成してもよい。
連通部は、孔(又は開口部)であってもよく、多孔質通気孔で形成してもよい。多孔質通気孔は、前記吸音材と同様に、繊維集合体、不織布、織布、連続気泡を有する合成樹脂発泡体、連続気泡を有する合成樹脂発泡テープ又はシートなどで構成できる。
隔壁は、直接的に(すなわち、拡張吸音ユニットに対して接触又は非接触の形態で)筒体を支持していてもよく、通気性多孔質体(不織布、織布、連続気泡を有するスポンジ又は発泡体、繊維集合体、吸音材など)を介して、拡張吸音ユニット(筒体又は吸音材)を支持していてもよい。
なお、拡張吸音ユニットの吸音材の表面は、開放又は露出していてもよく、拡張吸音ユニットの吸音材が気流により流出するのを防止するため、吸音材は多孔質シートで被包されていてもよい。また、直径の異なる複数の吸音性(又は通気性)多孔質筒体を同心円状に配し、隣接する筒体間に吸音材を配置してもよい。
拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとで構成された吸気装置(消音装置)は単独で又は複数で用いることができる。すなわち、気体流路に沿って1又は複数の吸気装置を設けてもよい。複数の吸気装置を用いる場合、各吸気装置の共鳴ユニットでは設定周波数が異なっていてもよい。
本発明では、気体流路の周囲に吸音材を備えた拡張吸音ユニットと、この吸音ユニットからの音を低減するためのヘルムホルツ型共鳴ユニットと、拡張吸音ユニットと共鳴ユニットとを連通するための連通部とを備えているため、低周波数域から高周波数域に至る広範囲の周波数域の騒音(気体流路での騒音)を低減するのに有用である。特に、共鳴ユニットでの跳ね返り周波数域でのノイズの生成を抑制できるため、低周波数域(例えば、500Hz以下の周波数)のノイズを有効に除去でき、種々の吸気装置(又は消音装置)として利用できる。例えば、流体の給排気システムの騒音、例えば、送風ユニットの送風音、ブロア、ノズルなどによる気流音、内燃機関やガス発生器の吸排気音、バーナーなどによる燃焼音などを低減するために有用である。特に、小型化しても有効に消音できるため、小さなスペースに設置可能であり、車輌の内燃機関のエアダクトなどに配設するのに適している。
図1は本発明の吸気装置の一例を示す概略縦断面図である。 図2は、共鳴器の有無による消音特性と共鳴器による消音効果とを示すグラフである。 図3は、吸音ダクトの消音特性と、吸音ダクトと共鳴器との組合せによる消音特性とを示すグラフである。 図4は、吸音ダクトの消音特性と、吸音ダクトと大型共鳴器との組合せによる消音特性とを示すグラフである。 図5は、従来の共鳴器と本発明での共鳴器との消音効果の差異を示すグラフである。 図6は、従来の吸音ダクトと本発明での吸音ダクトとの消音効果の差異を示すグラフである。 図7は、従来の吸音ダクトと大型共鳴器とを組合せた吸音装置と、本発明の吸音装置との消音効果の差異を示すグラフである。 図8は本発明の吸気装置の他の例を示す概略断面図である。 図9は本発明の吸気装置のさらに他の例を示す概略断面図である。 図10は図9の連通部を示す概略斜視図である。 図11は本発明の吸気装置の別の例を示す概略断面図である。 図12は図11の連通部又は支持部を示す概略断面図である。
符号の説明
1,11,21,31…拡張吸音ユニット
2,12,22,32…気体流路
3,13,23,33…吸音材
4,14,24,34…共鳴ユニット
5,15,25,35…首部
6,16,26,36…隔壁
7,17,27,37…連通部
9,19,29,39…拡張室

Claims (6)

  1. 気体流路の周囲に吸音材及び拡張室を備えた拡張吸音ユニットと、この拡張吸音ユニットに隣接して位置し、前記気体流路と通じたヘルムホルツ型共鳴ユニットとを備えており、前記拡張吸音ユニットの拡張室と前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットの容量部とを連通するための連通部が形成されていることを特徴とする吸気装置。
  2. 前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとを区画するための隔壁を備えており、該隔壁に前記連通部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の吸気装置。
  3. 前記連通部が、孔又は多孔質通気孔であることを特徴とする請求項2記載の吸気装置。
  4. 前記連通部が、前記隔壁の鉛直方向下部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の吸気装置。
  5. 前記連通部が、前記隔壁と前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットまたは前記拡張吸音ユニットの外壁との交点部に形成され、外部と通じていることを特徴とする請求項2記載の吸気装置。
  6. 気体流路の周囲に吸音材及び拡張室を備えた拡張吸音ユニットと、この拡張吸音ユニットに隣接して位置し、かつ前記気体流路と通じたヘルムホルツ型共鳴ユニットとで騒音を低減するための方法であって、前記拡張吸音ユニットと前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットとの間に、拡張吸音ユニットの拡張室と前記ヘルムホルツ型共鳴ユニットの容量部とを連通するための連通部を形成することにより騒音を低減する方法。
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