JP4501520B2 - テレビジョン受像機 - Google Patents

Description

本発明は、テレビジョン受像機の映像信号回路に関し、弱電界における筐体輻射ノイズ低減に関するものである。

テレビジョン受像機において、ノイズを検出し、カラーキラーや信号の黒レベル補正などの画質補正手段は、実用に供されている。

実用のノイズ検出自動画質補正方法は、ノイズを含む入力映像信号に対し、画質を如何に最適に制御するかを主目的としている為、カラーキラー回路により色成分によるカラーノイズを低減したり、本来の黒レベルの再現を図っている。

従来のテレビジョン受像機を、図３および図４を用いて説明する。図３は従来のカラーキラー回路の構成を示すブロック図である（例えば特許文献１参照。）。水平同期信号Ｈ−ＳＹＮＣに重畳されたノイズ信号をノイズ成分検出回路１０で検出して、そのレベルと基準電圧発生電源１１で発生される基準電圧Ｖｒｅｆを比較増幅回路１２で比較し、比較結果が基準電圧を越えると、カラー信号を最低レベルにする。

また、図４は従来の黒レベル補正手段の構成を示すブロック図である（例えば特許文献２参照。）。ノイズレベル検出回路１３にて、映像信号処理部１４から供給される輝度信号のペデスタル期間のノイズ成分を検出し、そのノイズ成分のレベルに応じた制御信号をブライトネス制御回路１５に供給することで、ノイズで浮き上がった黒レベルを本来の黒レベルに下げる。
特開平５−２８４５１７号公報 特開平７−５８９８１号公報

しかしながら、図３に示す手段では、色信号のノイズについては低減されるが、輝度信号については低減されない為、筐体輻射ノイズの低減には不十分である。またヒステリシスが無い為、基準電圧を越えた途端に色が消えてしまい、使用者の違和感を招く。

また、図４に示す手段では、白レベルが主要素である輻射ノイズの軽減には不十分である。

従って、弱電界時などのノイズが大きい信号状態においては、色ノイズの抑制や黒レベルの補正する手段では、筐体輻射ノイズを低減するには、不十分であるという問題点がある。また輻射ノイズを減衰させるために、高減衰の帯域制限フィルタの使用等も考えられるが、ノイズのエッジが鈍り、ブロック状ノイズとして表示される為、視聴者に違和感を与えるという問題点がある。

本発明は、使用者への違和感を軽減しつつ、弱電界時の筐体輻射ノイズのレベルを低減する手段を提供することを目的とするものである。

本発明に係るテレビジョン受像機は、入力された映像信号から検出したノイズに基づいて電界強度信号を検出する電界強度検出手段と、前記電界強度検出手段の出力に基づいて電界強度が弱い場合にコントラスト制御値を小さくするコントラスト制御値演算手段と、前記コントラスト制御値演算手段の出力に基づいて前記映像信号から分離された輝度信号のコントラストを調整するコントラスト調整手段を備えたことを特徴とする。

本発明に係るテレビジョン受像機は、コントラスト制御値演算手段の出力に基づいてオンスクリーンディスプレイ信号のコントラストを調整する手段をさらに備えたことを特徴とする。

本発明に係るテレビジョン受像機は、コントラスト制御値演算手段の出力に基づいて映像信号の微分信号から作成された速度変調信号のゲインを調整する手段をさらに備えたことを特徴とする。

本発明に係るテレビジョン受像機のコントラスト制御値演算手段は、コントラスト低減ゲイン及び低減開始電界強度の設定を変更することにより機器に合わせることを特徴とする。

以上により、弱電界を検出し、映像およびオンスクリーンディスプレイ（ＯＳＤ）のコントラストを徐々に低減させることができる。

本発明のテレビジョン受像機は、弱電界でのコントラスト低減ゲインを大きくかつ、スムーズに低減させるよう演算することで、空きチャンネル受信時でも、コントラストが急変する等の使用者の違和感を軽減しながら、筐体輻射ノイズを低減できるという利点がある。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１に係るテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
入力端子１から入力された映像信号のノイズ量をノイズ検出回路７で検出する。ノイズ検出回路７の出力であるノイズ量データを平均値化したものを演算前電界強度検出値という。演算前電界強度検出値により電界強度を検出することができる。
コントラスト制御値を演算及び制御回路３にて演算し、得られた演算結果に基づいて映像信号のコントラスト調整回路６、速度変調回路８、ＯＳＤコントラスト調整回路９を制御し、コントラストおよび速度変調信号のゲインを低減する。低減されたコントラスト信号は、映像信号処理回路２内でＲＧＢ変換され、同様にコントラストを低減したＯＳＤ信号と映像ＯＳＤ合成回路４で合成された後、ＣＲＴ５で表示される。

図２は本発明の実施の形態１における電界強度とコントラストとの関係を示した説明図である。図２は、実際の電界強度に対する演算前電界強度検出値、演算後電界強度検出値及び下記の式（１）によって求められた演算後コントラスト制御値を示している。

演算後コントラスト制御値＝演算前コントラスト制御値−演算後電界強度検出値ｘ低減傾き量ｘ（固定値Ｂ−低減量）／固定値Ｃ・・・式（１）
ここで、演算前コントラスト制御値は固定値である。また、演算後電界強度検出値は演算前電界強度検出値／係数Ａで与えられる。

係数Ａは固定値Ｃ／演算前電界強度検出値とし、先に計算し、小数点以下を切り捨てておく。この演算により、電界強度が強い時は、コントラスト低減は行わず、電界強度が弱い時だけスムーズに低減することができる。また、低減傾き量と低減量は、使用機器および所望の減衰量に応じて、自由に設定を変えることができる。

以上により、弱電界以外ではコントラストを変化させず最適な画質設定の状態を維持するが、電界強度が弱いと判断した場合のみ、スムーズに輝度を低減し、筐体輻射ノイズを抑制するという目的を、部品の追加なく、ソフトウェアでの処理のみで実現することができる。

コントラスト低減ゲインの設定や開始電界強度は係数のデータの変更により、容易に可変でき、さまざまな映像表示デバイスにも対応できる。また、筐体輻射ノイズの低減のみならず、空きチャンネル受信での放置時に、消費電力低減し環境にも配慮した機器にも適用できる。

本発明の実施の形態１におけるテレビジョン受像機の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態１における電界強度とコントラストとの関係を示した説明図 従来のカラーキラー回路の構成を示すブロック図 従来の黒レベル補正手段の構成を示すブロック図

符号の説明

１ 入力端子
２ 映像信号処理回路
３ 演算及び制御回路
４ 映像ＯＳＤ合成回路
５ ＣＲＴ
６ コントラスト調整回路
７ ノイズ検出回路
８ 速度変調調整回路
９ ＯＳＤコントラスト調整回路

Claims (1)

1. 入力された映像信号から検出するノイズ量に基いたノイズ量検出値が所定値より小さい場合にはコントラスト制御値の低減を行わず、前記所定値より大きい場合にはコントラスト制御値を前記ノイズ量検出値の二乗に比例して減ずるコントラスト制御値演算手段と、
   前記コントラスト制御値演算手段の出力であるコントラスト制御値に基いて前記映像信号から分離された輝度信号のコントラストを調整するコントラスト調整手段と、
   を有するテレビジョン受像機。

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