JP4500012B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二種類の内容物を包装するために用いられる包装体に関する。
【従来の技術】
従来、各種液体洗剤、食品など、液状物や、粉状物などは、主にプラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶などの保形性のある容器に充填され、流通、使用に供され、使用後の容器は廃棄処分されていた。しかし、このような保形性容器は、資源の消費傾向が強く、商品に占める容器コストの割合も無視できないものがあった。
【0002】
このような見地から、ラミネートフィルムなど軟包装材料による袋など、より簡易型の容器が求められるようになっている。このような簡易型容器は、前記プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶などの保形性容器の代替として使用できるほか、使用後のボトルなどの容器に同一内容物を補充するために用いる詰め替え用容器としても使用することができる。かかる簡易型容器としては、例えばスタンディングパウチと呼ばれる自立可能な包装体がある。一般には、このような包装体は収容部を一つしかもたないが、使用時に二種類の内容物を混ぜ合わせるために、内部を剥離可能な熱融着部によって上下に区分して、収容部を二つ備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、これと同じようなものとして、薬液とこの薬液を含浸する材料を境目を設けて容器に収容し、使用時に容器内の開封手段によりワンタッチで調製可能とした容器なども知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開2003-54574号公報(請求項1、図面1)
【特許文献2】
特開2002-291843号公報(請求項1、図面1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来から使用されている一つの収容部を有する包装体では複数の内容物を入れることはできないので不便であり、収容部を上下に二つ備える特許文献1の包装体では、内容物の充填作業が煩雑であり、製造コストが高いという問題点がある。特許文献2の包装体では、充填作業は容易であるが、包装体のかさが大きい。
本発明はこのような実情に鑑み、コンパクトかつ安価に製造できる複数の収容部を有する包装体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、全体が可撓性シート材から成り、両側縁に沿って接合された一対の側壁と、両側壁の下辺部が接離できるように谷折りされた状態で両側壁間に挟み込まれ、両側壁の底部間を閉塞する底壁とを備え、前記両側壁と底壁とにより第一収容部が形成されているとともに、前記底壁の谷折り稜線から前記側壁の下辺部に至る空間が、両側壁の下辺部間を開口部とする第二収容部として構成されており、前記第一収容部に第一の内容物が、第二収容部に第二の内容物がそれぞれ収容されていることを特徴とする。
【0006】
これにより、第一収容部を区分けしない簡易な構成としながらも、第一の内容物と異なる第二の内容物を第二収容部に収容することが可能である。
したがって、ヒートシールで上下に区分した包装体(特開2003-54574号公報)のように、内容物の充填作業時に行われる区分けの融着工程を必要とせず、第二収容部を側壁間の余剰空間を利用して形成しているので、安価に製造可能であり、かつコンパクトな包装体とすることができる。
上記本発明において、前記第二収容部に、着脱自在に第二の内容物を収容した袋状の付属包装体を収容することで、第二収容部を密封せずに第二の内容物を収容することができ、この第二の内容物を第一の内容物に簡単に混合することができる。
【0007】
さらに、前記第二の内容物を、第一の内容物に対して適正量に調整して前記付属包装体に内包することが好ましい。これにより、第二の内容物の全量を使い切りとすることができ、使用者が第一の内容物に誤った量を混合するのを防ぐことができる。
本発明において、前記両側壁の下辺部を離間させた状態で自立可能としており、これにより包装体を自立させた状態で、第一の内容物が収容されている第一収容部に、第二収容部から取り出した第二の内容物を混合するための混合容器として使用することができる。
【0008】
また、本発明において、前記第二収容部の開口部を開放可能に閉じる閉塞手段を設けている。これにより、付属包装体が第二収容部から抜け落ちないようにすることができる。この開閉手段としては、例えば、片面に粘着剤が塗布され、他方の面に印刷が施されているテープ材を、両側壁にわたして止着するものを挙げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる包装体1を示すものであり、この包装体1は、可撓性の側壁2と底壁3とを熱溶着し、第一収容部4と第二収容部5を有する自立可能の袋体としたスタンディングパウチ形式となっている。ここでは、第一収容部4に第一の内容物20が収容され、第二収容部5に第二の内容物21を内包した付属包装体30が収容されている。
図2は、前記包装体1に使用される包装容器25の縦断面図を示している。側壁2はほぼ四角形状の2枚の側壁フィルム10,10により構成され、図1に示すように、その左右側縁が熱溶着されて所定幅の側縁ヒートシール部15となっており、これと底壁3とにより第一収容部4を形成している。また、側壁フィルム10,10の上縁は充填用の上部開口部6とされ、この上部開口部6は第一の内容物20の充填後に熱溶着されて、上ヒートシール部16となる。
【0010】
また、図2において、底壁3は側壁フィルム10、10の間に稜線12を上にして、両側壁2の下辺部が接離できるように挟み込まれる二つ折りに谷折りされた底壁フィルム11によって構成されている。底壁3と側壁2とのヒートシールは、底壁フィルム11の二股に分けられた各下縁と各側壁フィルム10,10の下縁とをそれぞれ独立に熱溶着する2箇所の下ヒートシール部17、17と、図1に示す底壁3の左右側縁と側壁フィルム10、10の左右側縁とを一体的に熱溶着する底部側縁ヒートシール部18,18と、を備えている。下ヒートシール部17,17の上辺は、直線状の下辺部に対して下方に凸の円弧形状で、船底形のシールパターンとなっている。
【0011】
これにより、両側壁2間の余剰空間を利用するようにして、二つ折りにされた底壁フィルム11の谷折り稜線12を底側とし、底部側縁ヒートシール部18、18を側縁とし、包装体1の下方に下部開口部13を有する第二収容部5が構成される。ここで、側壁フィルム10,10の間に挿入する底壁フィルム11の挿入深さを所要寸法とすることで、第二収容部5の充分な深さを確保し、後述する別体の付属包装体30を収容できるようにしている。また、両側壁2の下辺部が、接離できるようにされているので、図3に示すように、この下辺部を離間させることで、包装体1を自立状態とすることができる。
この包装体1の材質としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用いるが、特にバリア性フィルム(例:シリカ蒸着フィルム、アルミラミネートフィルム)、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム等、内容物の種類に応じて適宜選択され、液状などの内容物の包装用袋に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができる。
【0012】
また、図1に示すように、別に設けられた付属包装体30は、第二収容部5の内側にフィットするように矩形状に形成され、第二の内容物21が内包されている。そして、この付属包装体30が、包装体1の下部開口部13から第二収容部5に装填され、着脱自在とされている。
下部開口部13を開放可能に閉じる閉塞手段として、一定幅をもって細長く形成されているテープ材31が、一方の側壁2から他方の側壁2へわたすようにして止着されている。このテープ剤31は、紙あるいは樹脂製で、側壁2に粘着可能な粘着剤が片面に塗布され、他方の面に各種の印刷が施されている。これにより、第二収容部5に収容された付属包装体30が、当該第二収容部5から抜け落ちない。そして、テープ材31による閉塞状態を解除するときは、テープ材31自体をカットして破断させてもよいし、側壁2から剥がすようにしてもよい。
なお、テープ材31は、上記実施形態に限られるものではなく、下部開口部13を開放可能に閉塞できるものであれば、その他の閉塞手段も採用することができる。例えば、所要長さと側壁2の幅と略同じ幅を有する矩形状のテープ材31を形成し、このテープ材31を、一方の側壁2の下辺部全体から他方の側壁2の下辺部全体にわたすようにして止着してもよい。これにより、下部開口部13全体がかかるテープ材31に被われて閉塞され、外観の良好な包装体1とすることができる。
【0013】
したがって、輸送、携帯時にはテープ材31で、付属包装体30が包装体1から抜け落ちないように止めておき、使用時に、テープ材31を解除して付属包装体30を取り出すことができるので便利である。
以上説明したとおり、本実施形態にかかる包装体1は、簡単でコンパクトな構成としながらも、第一収容部4と第二収容部5の二つの収容部を有し、第一収容部4にはベースとなる第一の内容物20を入れておき、第二収容部5にはそれと異なる第二の内容物21を入れた付属包装体30を収容して使用に供することができる。
【0014】
したがって、収容部(本発明にかかる第一収容部4にあたる部分)をヒートシールにより上下に区分けされた公知の包装体のように、区分けする融着工程を必要とせず、第二収容部5を側壁2間の余剰空間を利用して形成しているので、内容物の収容作業は煩雑とはならず、製造コストを抑えることができ、かさばらずコンパクトである。その上、別に設けた付属包装体30を、第二収容部5に一体に付属させることで、第二収容部5を密封せずに第二の内容物21を収容することができ、当該第二の内容物21を第一の内容物20に簡単に混合することができる。
また、付属包装体30を取り出したあと、下部開口部13を離間させて、包装体1を自立状態にできるので、第一の内容物20に第二の内容物21を混合するための混合容器として使用することができる。
さらに、付属包装体30に内包された第二の内容物21の収容量を、第一の内容物20に対して適正量に調整しておき、使用者が当該第二の内容物21の全量を一度に使い切ることで、混合量を計量する必要がなくなる。
【0015】
したがって、使用者にとってはコンパクトで携帯に便利であり、安価に購入できる上、混合容器としても使用できるだけでなく、混合量を誤ることがないので非常に利便性が高い。
なお、本実施形態においては、第一収容部4には、第一の内容物20として、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、水、アルギン酸ナトリウム等の増粘剤を必須成分とした粘性組成物が収容され、第二収容部5に収容された付属包装体30には、第二の内容物21として、クエン酸等の水溶性酸、加工澱粉等の増粘剤、乳糖等の水溶性分散剤を必須成分とした粒状物が内包されており、これら第一、第二の内容物20,21を混合することにより、美容効果等を有する二酸化炭素外用剤が調製される。ただし、本発明の包装体1に収容される内容物は、特に限定するものではなく、液状物、ゲル状、粉状、粒状など流動性を有するものであれば、どのようなものでもよい。
【0016】
図4は、本発明の第二実施形態にかかる包装体1を示している。本実施形態の包装体1が第一実施形態と異なる点は、図4に示すように、第一収容部4を左右に区分けした点である。このようにすることで、区分けされた各第一収容部4に第一の内容物20を分けて収容し、ここへ第二収容部5から取り出した付属包装体30に内包された第二の内容物21を入れることができる。この場合、付属包装体30を第二収容部5に二つ備えることにしてもよい。これにより、小分けされた配合物を作ることが可能となる
なお、本発明は、前記した各実施例の形態に限定されるものではない。
例えば、第一実施形態にかかる包装体1の上部に幅を狭くした注出口部を設けたもの、更には、その注出口部の開口性と保形性を一層安定なものにするため、包装体1の上部にプラスチックの成形体による注出口を取り付けるようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればコンパクトかつ安価に製造可能な複数の収容部を有する包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第一実施形態の包装体を示す正面図である。
【図2】同包装体に使用される包装容器の縦断面図である。
【図3】同包装容器を自立可能とした状態の斜視図である。
【図4】第二実施形態の包装体に使用される包装容器を示す正面図である。
【符号の説明】
1 包装体
2 側壁
3 底壁
5 第一収容部
6 第二収容部
12 稜線
17 下ヒートシール部
18 底部側縁ヒートシール部
20 第一の内容物
21 第二の内容物
25 包装容器
30 付属包装体
31 テープ材

Claims (3)

  1. 全体が可撓性シート材(10)から成り、両側縁に沿って接合された一対の側壁(2)と、両側壁(2)の下辺部が接離できるように谷折りされた状態で両側壁(2)間に挟み込まれ、両側壁(2)の底部間を閉塞する底壁(3)を備え、
    前記両側壁(2)と底壁(3)とにより第一収容部(4)が形成されているとともに、
    前記底壁(3)の谷折り稜線(12)から前記側壁(2)の下辺部に至る空間が、両側壁(2)の下辺部間を開口部(13)とする第二収容部(5)として構成されており、
    前記第一収容部(4)に第一の内容物(20)収容されており、
    前記第二収容部(5)に、第二の内容物(21)を内包した袋状の付属包装体(30)が着脱自在に収容されており、
    前記第二収容部(5)の開口部(13)は、閉塞手段(31)によって開放可能に閉じられており、
    閉塞手段(31)を解除して、前記第二収容部(5)の開口部(13)を開放するとともに前記両側壁(2)の下辺部を離間させると、自立可能である、
    ことを特徴とする包装体。
  2. 前記第二の内容物(21)が、前記第一の内容物(20)に混合して使用されるものであり、前記第一の内容物(20)に対して適正量に調整されている請求項に記載の包装体。
  3. 前記第一の内容物(20)が、粘性組成物であり、前記第二の内容物(21)が、粒状物である、請求項1又は2に記載の包装体。
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