JP4499826B1 - 水田用の自動給水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】農作業においては天候や植物の生育状況に応じて、耕作者が毎日毎時の見回りにより、用水路に設けられたバルブ等を開閉することにより給水を行い、水田の水位調整を行なっていたが手間の掛かる作業であった。このような煩わしさを排除し作業の省力化を図るべく、水田の水位調整を自動的に行なうための自動給水装置を提供するものである。
【解決手段】後部に用水路より取水のための開口部を設け、前部には水田へ用水を給水するための開口部を設ける。該前部の開口部に昇降自在なゲートを設けた函体よりなる取水室と、前記ゲートを上昇させるための手段として操作フロートを内設した操作フロート室を、取水室の外側に連設した自動給水器と、水田の水位を検出するための水位検出器を水田内に設置し、該水位検出器からの信号によりゲートを上昇させる手段を通じゲートを昇降させ、水田の水位を自動的に調整できることを特徴としたもの。
【選択図】図1
【解決手段】後部に用水路より取水のための開口部を設け、前部には水田へ用水を給水するための開口部を設ける。該前部の開口部に昇降自在なゲートを設けた函体よりなる取水室と、前記ゲートを上昇させるための手段として操作フロートを内設した操作フロート室を、取水室の外側に連設した自動給水器と、水田の水位を検出するための水位検出器を水田内に設置し、該水位検出器からの信号によりゲートを上昇させる手段を通じゲートを昇降させ、水田の水位を自動的に調整できることを特徴としたもの。
【選択図】図1
Description
水田の水位を自動的に適正に保つための、水田用自動給水装置に関するものである。
農作業においては天候や植物の生育状況に応じて、耕作者が毎日毎時の見回りにより、用水路に設けたバルブ等を開閉することにより給水を行い、水田の水位調整を行なっていたが手間の掛かる作業であった。そのため従来からこのような煩わしさを排除し作業の省力化を図るべく、水田の水位調整を行なうための種々の自動給水装置が開示されている。
従来の自動給水装置として特許文献1では、ダイヤフラム弁からなる自動給水栓と、ボールタップ弁からなるパイロット弁とを組み合わせ、水位が低下してボールタップ弁が開くと自動給水栓が開弁して用水を供給し、設定水位になってボールタップ弁が閉じると自動給水栓も閉弁して用水の供給を停止するよう形成したものであり、設定水位を常に維持するよう弁の開閉動作を頻繁に行なう。また該自動給水装置は弁の駆動源として圧力水(用水路は閉水路)が必要であり、また装置構造が複雑なため用水中に塵芥、枯れ草等の障害物があると動作不良となる。
また特許文献2では、用水路(開水路)に水田に通ずる流通口を設けたピット設け、このピットの中に設けた溝に流通口を設けた仕切壁を嵌合し、該流通口を開閉する弁体とフロートを備えたアームを弥次郎衛状に構成したものを前記仕切壁に揺動自在に取付け、弁体は用水路側に、フロートを備えたアームは水田側に配置したものであり、これも前記特許文献1同様に設定水位を常に維持するよう弁の開閉動作を頻繁に行なう、また水田の水位の変動幅は大きくないため弁開度幅も大きくとることはできず、水田の水位の上昇に伴い弁の開度が小さくなり、用水中の塵芥、枯れ草等の障害物が弁等に挟み込みまたは引っ掛かりやすくなり動作不良となる。
また、特許文献3ではダイヤフラム弁からなる自動給水主弁と電磁弁を組み合わせ、水田の水位の低下または上昇を電極により検出する水位計の信号で電磁弁が動作し、それにより自動給水主弁が用水路(閉水路)の用水圧力を利して、水位が下限で開弁し、上限で閉弁となることにより水位の自動調整を行なう。
特許文献1及び、特許文献3では圧力水を駆動源とした給水弁であるため、圧力水を得るための閉水路(パイプライン等)が必要であるが、一般的には殆んど閉水路の整備がされておらず、使用可能箇所が極めて少なく限定される。
また特許文献1及び、特許文献2では設定水位は基準設定値のみであるため、設定水位を常に維持するよう、弁の開閉動作が頻繁に行なわれるため弁の損傷の恐れが大きい。また常に給水状態になるため水田の水温の上昇が図りづらく、水稲の生育の促進が望めない。
更に特許文献1及び、特許文献3は装置の構造が複雑であり、また特許文献2では弁開度が小さくなるに従い用水中の塵芥、枯れ草等の障害物により弁または装置に挟み込み、詰まり、または引っ掛りが起き動作不良となる。このため用水中の障害物の除去が必要であり、障害物の混入の多い開水路での使用は困難である。
本自動給水装置は給水装置の駆動源として電力を必要とせず(但し、制御用として電力を必要とするものもある)、また用水の水圧も利用しないため用水路は開水路で良く、構造も簡単であることにより、用水路中の障害物等による動作不良が無く、また常に水田の水位を一定に保つ連続制御ではなく、上下限間で水位を調整する2位置制御であるため給水停止期間を設けることができ、水田水の温度上昇が図られ水稲の生育が良好となる。更に自動的に給水動作を行い、耕作者を手間の掛かる煩わしい作業から解放し、作業の省力化を図ろうとするものである。
前記目的を達成するために、後部に用水路より取水のための開口部を設け、前部には水田へ用水を給水するための開口部を設ける。該前部の開口部に昇降自在なゲートを設けた函体よりなる取水室と、前記ゲートを上昇させるための手段として操作フロートを内設した操作フロート室を取水室の外側に連設し、また取水室の側部にはストレーナーを介して操作水を取り入れるための操作水取水室を内設する。該操作水取水室の底部に穿設した孔と、操作フロート室の底部に穿設した導入孔を導入管で接続し、更に操作フロート室の底部に操作水を外部へ排出するための排水孔を穿設する。該排水孔及び導入孔は操作フロートの作動により、相反する動作を行う排水弁及び導入弁により、操作水を操作フロート室内への導入または操作フロート室外への排水を行う自動給水器と、水田の水位を検出するための水位検出器を水田内に設置し、該水位検出器からの信号によりゲートを上昇させる手段を通じゲートを上昇または下降させ、水田へ用水の給水を開始または停止を行い、水田の水位を自動的に調整できることを特徴としたもの。
前記ゲートを上昇させるための手段として、函体よりなる操作フロート室を取水室の左右の外側に連設し、該各操作フロート室にそれぞれ操作フロートを内設し、各操作フロート上部に上方へ棒状の操作フロート杆を立設する。またゲート上部より上方へ棒状のゲート吊杆を立設し、前記左右の操作フロート杆の中途部とゲート吊杆の中途部とを横架したゲート操作杆を揺動自在に枢設し、更にゲート吊杆に前記水位検出器の信号によりゲートを昇降させ、且その状態を維持または解除する機構を設置したことを特徴としたもの。
また前記ゲートを上昇させるための手段として、函体よりなる操作フロート室を取水室の左右何れか一方の外側に連設し、該操作フロート室に操作フロートを内設し、操作フロート上部に上方へラック状の操作フロート杆を立設する。該操作フロート杆はピニオンと歯合し歯車機構を介して、ゲート上部より上方へ立設したラック状のゲート吊杆に歯合したピニオンに操作フロート杆の動作が伝達される。更にゲート吊杆に前記水位検出器の信号によりゲートを昇降させ、且その状態を維持または解除する機構を設置したことを特徴としたもの。
給水操作のための駆動源を電力とする給水装置では、広大な圃田地区においては電力会社からの電力の供給を容易に得ることは困難であり、電力源としてバッテリーを用いる場合は大容量なものが必要である。また給水操作のための駆動源に圧力水を利用する給水装置では、用水路としてパイプライン等の閉水路が必要であり、一般的には殆んど閉水路の整備がされておらず、使用範囲が極めて少なく限定される。
しかし本発明の水田用自動給水装置によれば、給水操作のための駆動源をフロートの浮力による上昇力とすることにより、容易に大きな駆動力を得ることができる。また給水装置(ゲート)の開度を「全閉」または「全開」とすることにより、給水時には用水路中の障害物も大量の用水諸共水田内へ給水することにより、用水路中の障害物が給水装置(ゲート)に引っ掛かり、または噛み込み等による動作不良を起こすことがない。更に給水装置(ゲート)の開閉制御機構は狭隘な配管または複雑な構造の弁機構等がなく、簡単な構造であるため用水路中の障害物の詰まり等による動作不良がなく、確実に動作が行なえる。
本発明の実施の形態を、図面を参照にして詳述する。尚自動給水器の図面おいてゲート側を前部または前方、用水路側を後部または後方とし、更に前部より視て右側を右部または右側、左側を左部または左側とする。
自動給水装置は自動給水器、水位検出器、及び水位検出器よりの制御信号を自動給水器に伝達する水位伝達手段より構成する。また操作水とはゲートを上昇させるための手段の駆動源として用水より障害物をストレーナーにより除去後の用水であり、水田水とは給水器より水田へ給水され貯えられた用水である。尚本自動給水装置は水田水位と用水路水位とに水位差(用水路水位が水田水位よりも高位)を有する水田への、給水を行なうための自動給水装置である。
図1、図6、図13により第1実施形態の自動給水装置を詳述する。自動給水器1は、後部に用水路より取水のための開口部からなる取水部5を有し、前部には水田へ給水のための開口部からなる給水部4を有する函体からなる取水室10において、前記給水のための開口部には左右それぞれに凹状の溝12、12を設置し、更に左右それぞれの上方へも凹状の溝12、12を延設し、また開口部の下部にも凹状の溝12を設置する。該溝12内には昇降自在に板状のゲート11を挿設し、該ゲート11の上端中央より上方へ棒状のゲート吊杆13を立設する。該ゲート吊杆13の中途部には横架した棒状のゲート操作杆14の中央を揺動自在に枢設する。
前記取水室10の左右にはストレーナー16により仕切られた操作水取水室15を内設し、該操作水取水室15の底部には孔を穿設し、該孔には後述する操作フロート室20へ操作水を導入するための導入管26を操作水取水室15底部外側と操作フロート室20底部外側に渡設する。
前記取水室10の左右部の外側にはそれぞれ函体からなる操作フロート室20を連設し、該操作フロート室20は操作フロート21を浮動自在に内設している。該操作フロート21の上部中央より上方に棒状の操作フロート杆22を立設し、該左右の操作フロート杆22、22の中途部に前記ゲート操作杆14の左右端部を揺動自在に枢設する。また操作フロート21には安定して昇降するためのガイド孔29、29を穿設し、該ガイド孔29、29に棒状のガイド杆23、23を貫装し、該ガイド杆23、23は操作フロート室20の下部と操作フロート室20の上方の部材とに固設する。
前記操作フロート室20の底部には排水孔、導入孔、連通孔を穿設し、排水孔には操作フロート21により作動する排水弁25を、導入孔にも操作フロート21により作動し前記排水弁25と相反する動作をする導入弁24を、更に連通孔には左右の操作フロート室20、20の水位を均等にするための連通管28が左右の操作フロート室20、20に渡設されている。前記排水弁25は操作フロート21の最下位置において操作フロート21の重みにより閉状態となり、導入弁24は開状態であり導入管26を通じ操作水取水室15より操作水が導入される。また操作フロート21が上昇した際、排水弁25は操作フロート21の重みから開放されスプリング90の作用により開状態となり排水管27を通じ操作水が排水される。また排水弁25と連動(相反する動作)する導入弁24は閉状態となり、操作水取水室15よりの操作水の導入が停止される。
自動給水器1の取水部5を用水路の開口部へ強固に密着させ、且水平に設置するために棒状の設置杭50、50、50、50を長さが自在に調整できるよう、左右の操作フロート室20、20の外側に設置する。
水位検出器3は下部に水田の水位を検出するための多数の孔が穿設された函体よりなる水位フロート室30に、水位検出のための水位フロート31が浮動自在に内設されている。該水位フロート31の上部中央より上方に棒状の水位フロート杆32を立設し、該水位フロート杆32を水位フロート室30の上方の架台に穿孔されたガイド孔に貫装し、また水位フロート杆32には水田の水位を任意に設定するための水位設定片(上限、下限)33、34を設置する。また水位検出器3には前記自動給水器1と同様に水田へ強固に、且水平に設置するための棒状の設置杭50、50、50、50を長さが自在に調整できるよう、水位フロート室30の外側に設置する。
水位伝達手段は水田の水位の変動により水位フロート31が上昇または下降することにより、水位フロート杆32に設置の水位設定片(上限、下限)33、34の押動により、水位フロート室30上方の架台に設置の水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43を動作させ、該水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43よりの接点信号は水位検出器3から自動給水器1間に配設されたケーブル40により自動給水器1に設置の自動制御ボックス41に送信される。
また自動給水器1ではゲート吊杆13の中途部にゲート保持片(上限、下限)18、19が凸設されている。該ゲート保持片(上限、下限)18、19は断面が直角三角形状をなし、上限ゲート保持片18は下方に直角部を有し、下限ゲート保持片19は上方に直角部を有する。該ゲート保持片(上限、下限)18、19に対応するようにゲート保持開放器(上限、下限)44、45が自動給水器1の架台に設置されている。該ゲート保持開放器(上限、下限)44,45は自動制御ボックス41の信号によりソレノイドコイルに通電されると、プランジャーが吸引されプランジャー先端部が後退し、前記ゲート保持片(上限、下限)18、19の係止を解除する機能を有し、またソレノイドコイルが無通電時はスプリングの反発力によりプランジャー先端部が伸長しゲート吊杆13に近接しゲート保持片(上限、下限)18、19を係止する機能を有する。尚ゲート11の昇降時以外ゲート保持片(上限、下限)18,19の何れかは対応するゲート保持開放器(上限、下限)44,45により係止されている。
前記自動制御ボックス41には図11で示すように、制御電源用のバッテリー、電磁リレー及び配線等より構成した制御回路有し、該自動制御ボックス41には水位検出器3よりの水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43からの入力信号と、ゲート11の昇降を制御するためのゲート保持開放器(上限、下限)44、45への出力信号があり、これらの信号によりゲート11の昇降を制御する。また電力の使用は制御回路図(図15)でも分かるようにリレー等を動作させるための微少電力であり、ゲート11の上昇の駆動源として使用しないため、電力の消耗は極めて少ない。尚図11の制御回路は一例を示したものに過ぎず、同様な動作を奏する制御回路であれば特に限定されるものではない。
図6は第1実施形態の自動給水装置を示す簡易断面図である。また図7は第1実施形態の自動給水装置の動作を示す動作説明図(符号は図6を参照)である。図6、図7を参照に第1実施形態の自動給水装置の動作について説明する。尚自動給水器1は水田の取水部5において用水路102に密着させ設置し、水位検出器3は水田内の任意な箇所に設置する。
図7(a)は水田の湛水時の自動給水装置の状態を示す。即ち水位フロート31は水位リミットスイッチ(上限、下限)42,43を動作させない中間位置にあり、操作フロート室20は排水弁25が閉状態、導入弁24は開状態であり、操作フロート室20と操作水取水室15は通水状態のため操作フロート室20は満水状態である。また下限ゲート保持片19は下限ゲート保持開放器45により係止されており、ゲート11は閉で給水は停止状態であり、操作フロート21は満水となった操作フロート室20の最下位置で、浮力を有した状態で保持されている。
次に水田水100が蒸発または地下へ浸透し水位が低下すると、水位フロート31も低下し、下限水位設定片34の押動により下限水位リミットスイッチ43を動作させ、該下限水位リミットスイッチ43の接点信号がケーブル40を通じ自動制御ボックス41へ送信される。(図7(b)を参照)
下限水位リミットスイッチ43の接点信号は自動制御ボックス41で、下限ゲート保持開放器45への動作信号に変換され出力される。該動作信号により下限ゲート保持開放器45のソレノイドコイルが励磁されプランジャーは吸引され、下限ゲート保持片19の係止が解除されると、満水状態の操作フロート室20の最下位置で保持されていた操作フロート21の保持が解除され、操作フロート21が浮力により上昇すると同時にゲート11も連動して閉位置より上昇し、上限ゲート保持片18は上限ゲート保持開放器44により係止する。該上限ゲート保持片が係止されることにより、ゲート11は開位置で操作フロート21は上方位置で保持される。該操作フロート21が上昇するとスプリング90の作用により導入弁24は閉となり、これと相反する排水弁25は開となり操作フロート室20は排水される。これにより水田への給水が開始される(図7(b)、図7(c)を参照)。
操作フロート室20は排水され空となり、操作フロート21は操作フロート室20の上方で中吊り状態で保持される。水田へは給水継続中である。(図7(d)を参照)
水田への給水が進み水田の水位が上昇すると、水位フロート31も上昇し上限水位設定片33の押動により上限水位リミットスイッチ42が動作し、該上限水位リミットスイッチ42の接点信号がケーブル40を通じ自動制御ボックス41へ送信される。(図7(e)を参照)
上限水位リミットスイッチ42の接点信号は自動制御ボックス41で、上限ゲート保持開放器44への動作信号に変換され出力される。該動作信号により上限ゲート保持開放器44のソレノイドコイルが励磁されプランジャーは吸引され上限ゲート保持片18の係止が解除されると、操作フロート室20の上方で中吊り状態で保持されていた操作フロート21と開位置で保持されていたゲート11は、保持が解除され自重により下降し、下限ゲート保持片19は下限ゲート保持開放器45により係止される。該下限ゲート保持片19が係止されることによりゲート11は閉位置で操作フロート21は最下位置で保持される。また操作フロート21が下降すると排水弁25は操作フロート21に押され閉となり、これと相反する導入弁24は開となり、操作水がストレーナー16を経由して操作水取水室15より導入管26を経て操作フロート室20へ導入され、操作フロート室20の水位は用水路102の水位まで上昇し、操作フロート21は操作フロート室20の最下位値にて水没状態で保持される。これにより水田への給水が停止される(図7(e)、図7(f)を参照)。
上記のように水田の水位は上限水位より減水し、下限水位に到達すると自動的に給水され、更に上限水位に達すると給水が停止となる。以上の動作を繰り返し水田の水管理が自動的に行なわれる。
図2に第2実施形態の自動給水装置を示す。前記第1実施形態の自動給水装置との相異点は水位検出器3が自動給水器1の外側に連設されており、また水位伝達手段として水位リミットスイッチによる電気信号に替え、水位リミットレバー(上限、下限)48、49が水位設定片(上限、下限)33、34により動作し、それを線条体46、47によりゲート保持開放器(上限、下限)44、45に伝達する機械的伝達手段としたことである。(図12を参照)
前記のように、本実施形態の自動給水装置の特徴は水位検出器3が自動給水器1と連設されているため、水位伝達手段が短くてすみ、水位の設定も用水路102の取水部5で行なえる。また全く電気を使用しないためバッテリーの消耗による不動作の心配がない。
図3に第3実施形態の自動給水装置を示す。第1実施形態の自動給水装置との相異点は、水位伝達手段として水位リミットスイッチ及びケーブルを使用した電気信号によらず、第2実施形態の自動給水装置と同様な水位リミットレバー(上限、下限)48、49及び線条体46、47によるものである。
前記第2実施形態の自動給水装置と同様に、本実施形態の自動給水装置は全く電気を使用しないためバッテリーの消耗による不動作の心配がなく、また水位検出器3は水田の任意の箇所に設置可能である。
図4に第4実施形態の自動給水装置を示す。第1実施形態の自動給水装置との相異点は、水位伝達手段としてケーブルを使用せず無線信号により行なうものであり、水位検出器3及び自動給水器1にはバッテリーの電源により動作する水位発信機52および水位受信機51を設置したものである。
前記のように、本実施形態の自動給水装置は、水位伝達手段としてのケーブルまたは線条体の敷設の必要がなく、水位検出器3を水田の任意の箇所に設置可能であり、また随時設置箇所の移動が可能である。
図5に第5実施形態の自動給水装置を示す。前記第2実施形態の自動給水装置との相異点は、操作フロート室20を取水室10の右側の外部にのみ設置し、該操作フロート室20に内設された操作フロート21より上方にラック状の操作フロートラック61が立設されており、該操作フロートラック61は操作フロートピニオン64と歯合し、更に歯車機構63を介してラック状のゲートラック62に歯合したゲートピニオン65に伝達され、該ゲートピニオン65の回転によりゲートラック62が操作フロート21の動作に連動しゲート11を昇降するようにしたものである。
前記のように本実施形態の自動給水装置は、第2実施形態の自動給水装置の操作フロート杆及びゲート吊杆をラック状とすることにより、操作フロート室を1箇所のみとしても安定してゲートを昇降することができ、また操作フロート室を1箇所にすることにより製作コストを低く抑えることができる。
以上記載した自動給水装置の一部の構造を変更することにより、自動排水装置とすることができる。図8に第1実施例の自動給水装置の一部の構造を変更した、自動排水装置の簡易断面図を示す。該自動排水装置と第1実施形態の自動給水装置との相異点は、前記自動給水器1のゲート吊杆13の中途部に設けたゲート保持片(上限、下限)18、19の取付け向きは、自動給水器1では上限ゲート保持片18は下側に直角部を有し、下限ゲート保持片19は上側に直角部を有するが、自動排水装置の自動排水器2では上限ゲート保持片18は上側に直角部を有し、下限ゲート保持片19は下側に直角部を有するよう変更する。
上記自動排水装置と第1実施形態の自動給水装置との相異点について記載したが、以下に第1実施形態の自動給水装置の構造を変更した自動排水装置の動作について記載する。図9は自動排水装置の動作を示す動作説明図(符号は図8を参照)である。尚自動排水装置の自動排水器2は水田の排水部と排水路103の間に設置し、水位検出器3は水田内に設置する。
図9(a)は水田の湛水時の自動排水装置の状態を示す。給水装置等により水田へ給水中の自動排水装置の状態を示す。即ち水位フロート31は水位リミットスイッチ(上限、下限)42,43を動作させない中間位置にあり、操作フロート室20は排水弁25が閉状態、導入弁24は開状態であり、操作フロート室20と操作水取水室15は通水状態のため操作フロート室20は満水状態である。また上限ゲート保持片18は上限ゲート保持開放器44により係止されており、ゲート11は閉で、排水は停止状態であり、操作フロート21は満水となった操作フロート室20の最下位値で、浮力を有した状態で保持されている。
次に水田への給水が進み、水田の水位が上限値に達すると水位フロート31も上昇し上限水位設定片33の押動により上限水位リミットスイッチ42を動作させ、該上限水位リミットスイッチ42の接点信号がケーブル40を通じ自動制御ボックス41へ送信される。該自動制御ボックスで上限ゲート保持開放器44の動作信号に変換され出力される(図9(b)を参照)。
上限水位リミットスイッチ42の接点信号は自動制御ボックス41で、上限ゲート保持開放器44への動作信号に変換され出力される。該動作信号により上限ゲート保持開放器44のソレノイドコイルが励磁されプランジャーは吸引され、上限ゲート保持片18の係止が解除されると、満水状態の操作フロート室20の最下位置で保持されていた操作フロート21の保持が解除され、操作フロート21が浮力により上昇すると同時にゲート11も連動して閉位置より上昇し、下限ゲート保持片19は下限ゲート保持開放器45により係止する。該下限ゲート保持片19が係止されることにより、ゲート11は開位置で操作フロート21は上方位置で保持される。該操作フロート21が上昇するとスプリング90の作用により導入弁24は閉となり、これと相反する排水弁25は開となり操作フロート室20は排水される。これにより水田からの排水が開始される(図9(b)、図7(c)を参照)。
操作フロート室20は排水され空となり、操作フロート21は操作フロート室20の上方で中吊り状態で保持される。水田は排水状態である。(図9(d)を参照)
水田からの排水が進み水田の水位が下降すると、水位フロート31も下降し下限水位設定片34の押動により下限水位リミットスイッチ43が動作し、該下限水位リミットスイッチ43の接点信号がケーブル40を通じ自動制御ボックス41へ送信される。(図9(e)を参照)
下限水位リミットスイッチ43の接点信号は自動制御ボックス41で、下限ゲート保持開放器45への動作信号に変換され出力される。該動作信号により下限ゲート保持開放器45のソレノイドコイルが励磁されプランジャーは吸引され下限ゲート保持片19の係止が解除されると、操作フロート室20の上方で中吊り状態で保持されていた操作フロート21と開位置で保持されていたゲート11は、保持が解除され自重により下降し、上限ゲート保持片18は上限ゲート保持開放器44により係止される。該上限ゲート保持片18が係止されることによりゲート11は閉位置で操作フロート21は最下位置で保持される。また操作フロート21が下降すると排水弁25は操作フロート21に押され閉となり、これと相反する導入弁24は開となり、操作水がストレーナー16を経由して操作水取水室15より導入管26を経て操作フロート室20へ導入可能となり、水田への給水が開始されると徐々に操作フロート室20の水位は水田の水位まで上昇し、操作フロート21は浮力を有した状態で操作フロート室20の最下位値にて水没状態で保持される(図9(e)、図7(f)を参照)。
上記のように水田の水位は自動排水装置により上限状態に達すると、自動的に排水され、下限水位に達すると排水を停止する。以上の動作を繰り返し水田の水管理(排水に関する)が自動的に行なわれる。
尚第2実施形態より第5実施形態までの自動給水装置についても、第1実施形態の自動給水装置と同様な構造の変更により自動排水装置となるものである。
更に自動給水装置と自動排水装置を組み合わせることにより、自動給排水装置として使用することができる。該自動給排水装置は自動給水器、自動排水器及び水位検出器で構成し、構造及び動作については前記自動給水装置及び前記自動排水装置と同様であり、水位検出器は自動給水器及び自動排水器それぞれに設置せず兼用とする。但し第2実施形態及び第5実施形態の自動給水装置、及び第2実施形態及び第5実施形態の自動給水装置の一部を変更した自動排水装置との組み合わせによる自動給排水装置では、自動給水器及び自動排水器にそれぞれ単独に水位検出器を設置する。
図10に自動給排水装置の設置図を示す。次に自動給排水装置の動作について説明する。自動給水器1のゲートが閉、及び自動排水機2のゲートも閉で水田水100の水位が下限状態において、(1)前記状態を一定時間経過後(タイマーによる時限設定、またはタイムスイッチによる時刻設定による)に、自動給水器1のゲートを開とし用水路102より給水を開始する。(2)水田水100の水位が上昇し水位検出器3が水位上限を検知すると、自動給水器1のゲートを閉とし給水が停止される。(3)この状態を一定時間経過後(タイマーによる時限設定、またはタイムスイッチによる時刻設定による)に、自動排水器2のゲートを開とし排水路103へ排水を開始する。(4)水田水100の水位が下降し水位検出器3が水位下限を検知すると、自動排水器2のゲートを閉とし排水が停止される。以上の動作を自動制御ボックスの制御回路により繰返し行なうことにより、水稲の生育に有益な間断灌漑を自動的に行なうことができる。
尚ゲートの昇降操作を行うために制御回路が必要な自動給水装置、自動排水装置、または自動給排水装置においては、各装置に適した制御回路を設けるものとする。
自動給水装置及び自動排水装置のそれぞれ単独での使用による水管理、または自動給排水装置としての使用による水管理も行なえ、水稲の生育時期に合った水田の良好な水管理が自動的に行なえる。即ち生育初期の水稲の活着促進のため水温の上昇を図る浅水管理、生育中期の間断灌漑、生育後期の水稲の糖熟度促進のため湛水状態を維持する水管理等が自動的に行なえる。また自動的に給水の開始及び停止ができることにより、作業の省力化が図られ、用水の無効放流の防止により水資源の有効利用も図ることができ、且肥料等の流出防止もできる。
1 自動給水器
2 自動排水器
3 水位検出器
4 給水部
5 取水部
10 取水室
11 ゲート
15 操作水取水室
20 操作フロート室
21 操作フロート
30 水位フロート室
31 水位フロート
40 ケーブル
41 自動制御ボックス
100 水田水
102 用水路
103 排水路
2 自動排水器
3 水位検出器
4 給水部
5 取水部
10 取水室
11 ゲート
15 操作水取水室
20 操作フロート室
21 操作フロート
30 水位フロート室
31 水位フロート
40 ケーブル
41 自動制御ボックス
100 水田水
102 用水路
103 排水路
Claims (3)
- 後部に用水路より取水のための開口部を設け、前部には水田へ用水を給水するための開口部を設け、該前部の開口部に昇降自在なゲートを設けた函体よりなる取水室と、前記ゲートを上昇させるための手段として操作フロートを内設した操作フロート室を、取水室の外側に連設し、また取水室の側部にはストレーナーを介して操作水を取り入れるための操作水取水室を内設し、該操作水取水室の底部に穿設した孔と、操作フロート室の底部に穿設した導入孔を導入管で接続し、更に操作フロート室の底部に操作水を外部へ排出するための排水孔を穿設し、該排水孔及び導入孔は操作フロートの作動により、相反する動作を行う排水弁及び導入弁により、操作水を操作フロート室内への導入または操作フロート室外への排水を行う自動給水器と、水田の水位を検出するための水位検出器を水田内に設置し、該水位検出器からの信号によりゲートを上昇させる手段を通じゲートを上昇または下降させ、水田へ用水の給水を開始または停止を行い、水田の水位を自動的に調整できることを特徴とした水田用自動給水装置。
- 前記ゲートを上昇させるための手段として、函体よりなる操作フロート室を取水室の左右の外側に連設し、該各操作フロート室にそれぞれ操作フロートを内設し、各操作フロート上部に上方へ棒状の操作フロート杆を立設し、またゲート上部より上方へ棒状のゲート吊杆を立設し、前記左右の操作フロート杆の中途部とゲート吊杆の中途部とを横架したゲート操作杆を揺動自在に枢設し、更にゲート吊杆に前記水位検出器の信号によりゲートを昇降させ、且その状態を維持または解除する機構を設置したことを特徴とした請求項1に記載の水田用自動給水装置。
- 前記ゲートを上昇させるための手段として、函体よりなる操作フロート室を取水室の左右何れか一方の外側に連設し、該操作フロート室に操作フロートを内設し、操作フロート上部に上方へラック状の操作フロート杆を立設し、該操作フロート杆はピニオンと歯合し歯車機構を介して、ゲート上部より上方へ立設されたラック状のゲート吊杆に歯合したピニオンに操作フロート杆の動作が伝達され、更にゲート吊杆に前記水位検出器の信号によりゲートを昇降させ、且その状態を維持または解除する機構を設置したことを特徴とした請求項1に記載の水田用自動給水装置。
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- 2009-12-01 JP JP2009273424A patent/JP4499826B1/ja not_active Expired - Fee Related
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