JP2942475B2 - 水田自動給水システム - Google Patents

水田自動給水システム

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JP2942475B2 JP7188142A JP18814295A JP2942475B2 JP 2942475 B2 JP2942475 B2 JP 2942475B2 JP 7188142 A JP7188142 A JP 7188142A JP 18814295 A JP18814295 A JP 18814295A JP 2942475 B2 JP2942475 B2 JP 2942475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水田に給水を行う場合
の水量を管理するシステムに関し、特に、人が手をかけ
ることなく長期間の自動動作を可能とした水田自動給水
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】稲作作業においては、農業用水パイプ等
のかんがい施設によって水田に給水され、稲の発育によ
って必要に応じて水が取り込まれる。ここで、稲作では
時期によって水田に水を張る必要があるため、用水パイ
プ等に設けられたバルブを農作業に従事する人が自ら開
閉することによって水の引き込みを行っている。しか
し、稲作では稲の発育状態に応じて、水田の水位を所定
の高さに維持する必要があるので、水位の低下に伴いそ
の都度バルブの開閉を行ったり、排水堰の高さを調整し
て給水を垂れ流しにする量の調整等の作業を行わなけれ
ばならず、水田への水の引き込みは手間のかかる作業で
あった。そのため、従来からこのような煩わしさを排除
し、作業の省力化を図るべく、また水の無駄使いを少な
くするために、種々の水田自動給水システムが提案され
ている。例えば、その一例として特公昭59−26号公
報によって開示されたものでは、フロートの上下動によ
って水田への給水のための給水バルブの開閉を直接調節
するようにしている。
【0003】一方、用水の垂れ流しは水の無駄使いばか
りでなく、肥料や農薬が溶けている水田の用水を多量に
流すことにより発生する河川の富栄養化による環境破壊
が問題となる。従来より、その問題を防止するための工
夫もなされている。例えば、特開平2−47415号公
報において、図7に示すように、水田自動給水システム
は、大きく給水装置Aと排水装置Bとに分かれている。
一般に、給水装置Aと排水装置Bとは、水田の上流側と
下流側とに離れて設置されるため、両者は、100m以
上離れている場合も多い。
【0004】排水装置Bは、水田110の水位が所定の
高さ以上になったときに水を農業排水路109に流すた
めの排水口108が形成されたゲート107、水位を検
出するためのフロート105、フロート105に連動し
て給水装置へ送る制御用水の圧力を制御するボールタッ
プ弁106から構成されている。排水路109は、一般
的に河川に直接垂れ流しされている。また、給水装置A
は、水の供給源であるパイプ103、水田への水を給水
または遮断するためのダイヤフラム弁101、ダイヤフ
ラムの上側に形成されたダイヤフラム室102より構成
されている。そして、ダイヤフラム室102とボールタ
ップ弁106とが制御用水用パイプ104で連通されて
いる。
【0005】次に、上記給水システムの作用を説明す
る。水田110の水位が所定の高さより高くなると、排
水装置Bにおいて排水口108より用水が排水路109
に垂れ流される。同時に、フロート105が上昇してボ
ールタップ弁106が作用し、制御用水用パイプ104
内の制御用水を閉じかける。そして、ダイヤフラム室1
02に制御用水の圧力が加わり、ダイヤフラム弁101
が遮断されて水田110への水の供給が遮断される。こ
れにより、余分な水が垂れ流されることが防止される。
また、水田110の水位が所定の高さより低くなると、
排水装置Bにおいて排水口108より用水が排水路10
9に流されなくなる。同時に、フロート105が下降し
てボールタップ弁106が作用し、制御用水用パイプ1
04内の制御用水用弁部を開いて、給水弁のパイロット
流入量よりボールタップ弁106からの排水量が多くな
ると、ダイヤフラム室102に加わっていた制御用水の
圧力がなくなり、ダイヤフラム弁101が開いて水田1
10への水の供給が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の水田自
動給水システムには次のような問題点があった。 (1)フロート105の上下動によって水田への給水の
ための給水装置Aの開閉を調節するようにしているが、
フロート105に水田中を浮遊する草やゴミ等が絡んで
しまい、フロート105が水位に合わせて上下動しなく
なってしまう問題があった。また、ボールタップ弁10
6はスナップアクション動作をしないため、水位が下が
り閉状態から開状態の過渡期に漏れ現象が長い時間続
き、ゴミが引っかかったりして不安定な状態となる。そ
のため、ダイヤフラム弁101も同様に不安定な状態と
なり、ダイヤフラム弁101にもゴミが引っかかり易く
なる問題があった。また、フロート105自体の水位計
測の分解能は極めて低いため、余裕を持った位置合わせ
を行わざるを得ず、時間遅れが著しく発生し、用水へ垂
れ流される用水の量が多く、下流の河川における富栄養
化による環境破壊の問題を解決することにおいて、充分
でなかった。
【0007】(2)また、制御用水用パイプ104を介
して制御用水の圧力を伝達することにより、給水装置A
の給水及び遮断を制御しているため、時間遅れが著しく
発生する問題があった。従来の水田自動給水システム
が、フロート105や用水を制御に使用しているのは、
水田では電源等を使用することができず、また、給水弁
の開閉等に大きな電流を必要とするため電池では不十分
であったからである。すなわち、用水のみを使用して水
田自動給水システムを稼働させていたからである。
【0008】そこで、本発明では、草やゴミ、或は虫等
の影響を受けることなく正確な給水操作を行うことがで
き、また下流へ肥料や農薬を垂れ流すことの少ない水田
自動給水システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水田自動給水システムは次のような構成を
有している。 (1)供給源から供給される水を水田へ給水または遮断
する給水主弁を備える給水装置と、水田の水位が所定の
高さ以上になったときに該所定の高さ以上の水を排出す
る排水装置とを有する水田自動給水システムであって、
排水装置が、水面に対して上下に移動可能な複数の電極
と、所定間隔のタイミングで電極にパルスを印加して水
位を検出し、給水主弁の開閉を制御する制御手段とを有
している。 (2)また、(1)に記載するシステムにおいて、前記
給水装置が、前記給水主弁を開閉するためのパイロット
式自己保持型電磁弁を有し、前記制御手段が、前記自己
保持型電磁弁の開閉を制御することを特徴とする。
【0010】(3)また、(2)に記載するシステムに
おいて、前記給水主弁が、水を供給する給水管へ連通さ
れたパイプの延長上に形成された弁座と、前記弁座に上
方から当接し水の放出を遮断するダイアフラム弁体と、
前記ダイアフラム弁体上部に形成されたダイアフラム室
と前記パイプとを連通するパイロットポートと、前記弁
座の周りに形成された吐出口と、前記ダイアフラム室と
前記自己保持型電磁弁に連通されたチューブとを連通さ
せる連通孔とを有することを特徴とする。 (4)また、(2)に記載するシステムにおいて、前記
自己保持型電磁弁が、筒形に巻かれたコイルと、二つの
ポートを連通する弁座と、前記コイル一端中心部に配設
された固定鉄心と、前記コイル内に移動可能に設けら
れ、前記弁座に当接する弁体を有するプランジャと、前
記コイル他端部に両面を磁性部材で挟まれた永久磁石と
を配設したことを特徴とする。
【0011】(5)また、(2)に記載するシステムに
おいて、前記制御手段が、駆動用の電池と、所定の間隔
でパルス信号を発信するサンプリングパルス発生器と、
前記サンプリングパルス発生器からのパルス信号によっ
て、前記複数の電極に電圧を印加し、所定の電極が水に
接している場合の通電によって水位を検知し、検知した
検知信号を前記自己保持型電磁弁を駆動するパルスとし
て出力する水位検出器を有することを特徴とする。
【0012】
【作用】上記構成を有する本発明の水田自動給水システ
ムは次のように作用する。農作業者が、排水装置の堰を
必要とする水田の水位に対応する所定の高さに設定す
る。このとき、排水装置の堰に付設されている複数の電
極は、排水装置と連動して上下に移動される。設定され
た電極に対して制御手段が、所定間隔のタイミングで計
測用パルスを印加する。そして、電極と水位との関係に
よって得られた検出信号が、制御手段を介して給水装置
に自己保持型電磁弁駆動信号として伝送される。この信
号により給水装置の自己保持型電磁弁が駆動される。そ
して、自己保持型電磁弁の駆動によって給水主弁にかか
る水圧が制御されて弁の開閉が行われる。
【0013】これにより水の供給源から供給される水を
水田へ給水または遮断が行われる。すなわち、先に設定
した電極の高さにより水田の水位が調節される。排水装
置において所定の高さ以上になった時に、速やかに給水
装置を制御できるため、下流に垂れ流す用水の量を少な
くすることができる。また、草やゴミ等の影響を受ける
ことなく正確な給水操作を行うことができ、また水位設
定の変更が簡便に行える。水田の水位を検出するのは、
10分以上間隔で行えば良く、また、給水主弁を動かす
ために自己保持型電磁弁に電流を流す必要があるが、そ
れも瞬間だけで、後は、自己保持型電磁弁に電流を流さ
なくても給水主弁は、自己保持型電磁弁により所定の状
態を維持されるため、消費電流は僅かで済む。
【0014】また、本発明の水田自動給水システムは、
水を供給する給水管へ連通されたパイプからの水が、パ
イロットポートからダイアフラム弁体上部に形成された
ダイアフラム室へ流入し、ダイアフラム弁体にかかる圧
力よってパイプの延長上に形成された弁座にそのダイア
フラム弁体が当接されるが、前記自己保持形電磁弁の制
御によりダイアフラム弁体にかかる圧力が調節されるこ
とによって主弁の開閉が行われ、開弁時には弁座の周り
に形成された吐出口から水が水田へ給水される。
【0015】また、本発明の水田自動給水システムは、
制御手段からの検知信号によりコイルに電流が流される
と、永久磁石の磁性と同方向に磁極が発生し、プランジ
ャが固定鉄心に吸着されるために弁体が弁座から離間さ
れて開弁状態となり、一方、制御手段からの検知信号に
よりコイルに逆方向の電流が流されると、永久磁石の磁
性を打ち消す方向に磁極が発生し、プランジャが固定鉄
心から離れるために弁体が弁座に当接して自己保持型電
磁弁は閉弁状態となる。また、本発明の水田自動給水シ
ステムは、電池からの電力によりサンプリングタイム発
生器によって、10分以上の間隔で複数の電極にパルス
信号が印加され、所定の電極が水に接している場合の通
電によって、検知信号が自己保持型電磁弁を駆動するた
めのパルスとして制御手段から出力される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る水田自動給水
システムについて図面を参照して説明する。図1は、水
田自動給水システムの構成を示した概念図である。この
水田自動給水システムは、大きく分けて水田に水を直接
供給する給水装置A、水田Sの水位が所定の高さ以上に
なったときに該所定の高さ以上の水を排出するための排
水装置B、及び水田S内の水位を検出して給水装置Aの
開閉を制御する制御手段Qから構成されている。本実施
例では、制御手段Qは、排水装置Bの一部として構成さ
れているが、制御手段Qを給水装置Aと一体的に構成し
ても良いし、別個独立に構成しても良い。給水装置A
は、水田Sの給水パイプ13が埋め込まれている位置に
配設される。また、排水装置Bは、図示しない農業排水
路の近くに配設される。給水パイプ13が配設されてい
る水田Sの高さは、農業排水路近くの水田Sの高さより
高くなっている。また、農業排水路は、一般的に河川に
直結されている。
【0017】給水パイプ13には水田Sの所定位置にお
いて、上方へ向けて水を分流する分流パイプ13aが連
結されている。分流パイプ13aの上端には給水パイプ
13内を流れて水田S内に供給される流量を調節するダ
イヤフラム弁部7から構成されている。ダイヤフラム弁
部7には、弁座34、弁座34に当接また離間して分流
パイプ13aを遮断または開放するダイアフラム弁体1
1が付設されている。ダイアフラム弁体11の中心には
パイロット孔19が形成され、ダイヤフラム弁部7の外
周には分流パイプ13aからの水が吐水される吐水部3
5が形成されている。また、ダイアフラム弁体11の上
部には、ダイヤフラム室12が形成されている。また、
ダイヤフラム室12には、ダイアフラム弁体11を弁座
34に当接する方向に付勢する復帰バネ14が付設され
ている。また、ダイヤフラム室12には、自己保持型電
磁弁の一種であるラッチ型電磁弁16の入力ポートが接
続されている。
【0018】このダイヤフラム弁部7を図3、図4に示
した断面図を用いて更に詳細に説明する。図3が閉弁時
を示し、図4が開弁時を示す。分流パイプ13aは、ダ
イヤフラム弁部7が取り外し可能に途中で分離され、上
端に弁座34が形成された装着部13bは下端側が薄肉
になるようにテーパが形成されている。そして、弁座3
4に当接するように中心部が圧肉で形成されたダイアフ
ラム弁体11がカバー36とに挟まれて配設されてい
る。このダイアフラム弁体11とカバー36とによりダ
イアフラム室12が形成されている。また、ダイアフラ
ム弁体11の上面には受板37が設けられ、カバー36
との間に配設された復帰バネ14によってダイアフラム
弁体11が下方に付勢されている。一方、カバー36の
外周下面には水が下方へ吐出されるように吐出ガイド3
8が設けられ、その吐出ガイド38と装着部13b先端
部とで吐水部35が形成されている。
【0019】また、カバー36中央にはダイアフラム弁
体11の上昇を制限するように、パイロット孔19を塞
ぐ調節弁棒39が、案内軸40を貫通して配設されてい
る。調節弁棒39の外周及び案内軸40の内周にはネジ
が切られ、上部に設けられたハンドル41の回転によ
り、上下移動が可能な構造になっている。また、調節弁
棒39の下端には弁体39aが形成され、パイロット孔
19を構成するパイロット管42には弁体39aが当接
する弁座42aが形成されている。そのため、ダイアフ
ラム弁体11が上昇した場合には、図4に示すように調
節弁棒39下端がパイロット孔19に入り込み、弁体3
9aが弁座42aに当接した状態で、弁の開きが制限さ
れる。更に、案内軸40にはその外側からダイアフラム
室12に連通した軸孔40aに貫通するよう、吐水蛇口
43が固設されている。このような構成を有する給水装
置Aには、図1に示すように、ラッチ型電磁弁16の入
力ポートが、吐水蛇口21に接続されている。ラッチ型
電磁弁16の出力ポートは、大気に開放されている。
【0020】次にラッチ型電磁弁16について説明す
る。図5は、ラッチ型電磁弁16を示した断面図であ
る。これは、固定鉄心51の周りにコイル52の巻かれ
たソレノイド部が構成され、固定鉄心51の下方には同
軸上に先端に弁体61の形成されたプランジャ53が配
設されている。また、本体54には、入力ポート55及
び出力ポート56が形成され、両ポートは本体54内部
に形成された弁座57を介して連通されている。そし
て、スプリング58によって下方に付勢されたプランジ
ャ53が、弁座57に当接するように設けられている。
更に、コイル53下部には、磁性部材62,63で挟ま
れた永久磁石59が配設されている。
【0021】次に、排水装置B及び制御手段Qについて
説明する。排水装置Bの構成を図2に断面図で示す。排
水装置Bには、排水パイプ本体22、排水パイプ本体に
形成されたガイド部22aに摺動可能に保持された高さ
調整パイプ21が付設されている。排水パイプ本体22
は、取込口22cの下面が水が渇れている状態での水田
S地面に合わせて埋め込み固定されている。また、排水
口22bは、農業排水路に通じて配設されている。高さ
調整パイプ21には、農業者が高さ調整パイプ21を上
下に移動させるための取っ手20が固設されている。ま
た、取っ手20には、電極ブラケット26が固設されて
いる。また、電極ブラケット26には、上限電極25、
下限電極24及びコモン電極23が付設されている。
【0022】コモン電極23、下限電極24、及び上限
電極25は、接続線27により各々制御手段Qに接続さ
れている。最も長い電極がコモン電極23、次に長い電
極が下限電極24、そして最も短い電極が上限電極25
である。制御手段Qでは水位検出器30が、3本の水位
検出電極23,24,25に接続されている。また、水
位検出器30はラッチ回路31及びパワー増幅器32に
接続され、そのパワー増幅器32は、さらに電線18を
介してラッチ型電磁弁16のコイルに接続されている。
一方、サンプリングパルスを発生するサンプリングタイ
ム発生器33が電池28に接続され、そのサンプリング
タイム発生器33にパワー増幅器32及び水位検出器3
0が接続されている。また、パワー増幅器32とラッチ
回路31はその電池28に直接接続されている。ここで
使用される電池28には、リチウム電池のように自然放
電が少なく長期間の使用が可能なものを用いている。
【0023】以上、本実施例の水田自動給水システムの
各構成について説明したが、次に水田自動給水システム
の作用について説明する。先ず、作業者は排水装置Bに
おいて、取っ手20を上下に動かして、高さ調整パイプ
21の上面を必要とする水田Sの水位に設定する。これ
により、上限電極25、下限電極24、及びコモン電極
23も同時に移動する。このとき、上限電極25の下端
は高さ調整パイプ21の上面より僅かに上の位置にあ
る。また、下限電極24の下端は高さ調整パイプ21の
上面より僅かに下の位置にあり、コモン電極23の下端
は下限電極24よりさらに下側に位置している。ここ
で、上限電極25の下端の位置が上限水位の高さであ
り、給水装置Aの給水を停止する高さである。また、下
限電極24の下端が給水装置Aによる給水開始の高さで
ある。そこで、このような状態に置かれた各電極に対
し、サンプリングタイム発生器33が図6に示すように
電圧パルスを発生する。このタイミングは水を供給する
水田の広さによって異なり、ほぼ10〜30分程(更に
広い水田ではそれ以上の設定が可能である)の間隔であ
る。この時間は、水位に影響を及ぼさない範囲でサンプ
リング間隔を延ばしたものである。また、1回の測定時
間は0.1〜0.2秒としている。
【0024】そこで、図1に示した図で水田自動給水シ
ステムの作用を簡単に説明すると、先ず常に制御装置Q
によって水田の水位は上記サンプリング間隔で検出され
ている。従って、制御装置Qによって水田の水位が所定
位置にまで満たされていないことが検出されると、給水
装置Aの開閉が調節される。すなわち、水田の水位が下
限水位より低い場合に制御装置Qによって、そのことが
検出されると、ラッチ型電磁弁16を開く信号が、制御
手段Qから電線18を介して給水装置Aに伝送され、ラ
ッチ型電磁弁16が開かれる。そして、給水装置Aのダ
イアフラム室22の圧力が下がり、給水パイプ13から
の水の圧力によりダイアフラム弁体11が開弁して図1
のように水田へ水が放出される。
【0025】一方、制御装置Qが所定高さ、すなわち水
田の水が上限水位まで達したことを検出すると、逆にラ
ッチ型電磁弁16が閉じられ、それに伴ってダイアフラ
ム室12の圧力が高まってダイアフラム弁体11が閉弁
し、水田への水の供給が止められる。さらに、時間経過
の後蒸発等により水田の水位が設定値以下になれば、制
御装置Qによって常にサンプリング間隔で検出されてい
るので、再びダイアフラム弁体11が開弁され水が供給
される。以下、水田自動給水システムの各構成の動作に
ついてさらに詳細に説明する。
【0026】先ず、制御装置Qの作用について図1を参
照して説明する。制御装置Qは、サンプリングタイム発
生器33が電池28によって常に可動状態とされてい
る。そのため、サンプリングタイム発生器33によって
所定のサンプリング間隔でパルスが発生され続け、常に
水田の水位が検出されている。そこで例えば、図6のタ
イムチャートに示したように、パルスA-1が水位検出器
30に印加されたとき、水田の水が下限水位を下回って
いる場合には、下限電極24とコモン電極23との電気
抵抗が無限大となり、水位検出器30により下限信号B
-1が出力される。この信号はラッチ回路31に入力さ
れ、そこで水田の水位が下限水位を下回っている状態で
あることを示す信号として一時的に記憶される。
【0027】また、この信号はパワー増幅器32に入力
されるが、そこで増幅された後に電線18を介してラッ
チ型電磁弁16にプラスの信号として、駆動パルスD-1
が伝送されラッチ型電磁弁16が駆動する。なお、ラッ
チ型電磁弁16及びダイアフラム弁体11の駆動につい
ては後述する。そして次のサンプリング時間にパルスA
-2が印加される。このとき、依然として水位が下限水位
を下回っていた場合には、先のサンプリングによってこ
のような状態の信号が既にラッチ回路31に記憶されて
いるため、パワー増幅器32には信号が出力されない。
よってラッチ型電磁弁16には図6に示すように駆動パ
ルスは印加されず、先の信号による状態が続けられる。
【0028】次に、水田の水位が下限水位と上限水位の
間にまで上昇した場合にタイミングパルスが印加される
と、下限電極24とコモン電極23との間の抵抗が水抵
抗(10〜30K)となる。しかし、タイミングパルス
A-m(mは任意)が印加されると、上限電極25とコモ
ン電極23間の無限大の電気抵抗が水位検出器30によ
って検出される。このような下限電極24とコモン電極
23との間の抵抗が水抵抗で、上限電極25とコモン電
極23と間の抵抗が無限大のときの場合では、水位検
出器30からラッチ回路31への検出信号は出力されな
い。従って、ラッチ型電磁弁16には駆動パルスは印加
されず、先の信号による状態が続けられる。
【0029】さらに所定時間経過後、タイミングパルス
A-n(nは任意、但しm<n)が印加されたとき水田の
水位が上限水位を超えていた場合には、上限電極25、
コモン電極23間の抵抗が無限大から水抵抗(10〜3
0K)になる。そこで、これを水位検出器30が検出
し、ラッチ回路31に上限信号C-nが入力される。ラッ
チ回路31では、先に記憶されていた下限信号に代えて
上限信号が、水田の水位が上限水位を超えている状態で
あることを示す信号として一時的に記憶される。そし
て、この信号はパワー増幅器32に入力されるが、そこ
で増幅された後に電線18を介してラッチ型電磁弁16
にはマイナスの信号として、駆動パルスD-nが出力され
ラッチ型電磁弁16の停止状態となり、パイロット水が
停止する。
【0030】次に、上記の如く検出信号が電線18を介
して入力されるラッチ型電磁弁16の駆動について、図
5を参照して説明する。パワー増幅器32からプラスの
駆動信号(例えば、図6のD-1)が、ラッチ型電磁弁1
6に入力される。すなわち、ラッチ型電磁弁16では電
線18を介してコイル52にプラス電圧が印加される。
すると、コイル52に磁界が発生し、この磁界とラッチ
型電磁弁16に内蔵された永久磁石59の磁界方向とが
合致するため、下方に付勢していたスプリング58に反
してプランジャ59が上方へ吸引される。そのため、そ
れまでプランジャ59下端の弁体61が弁座57に当接
され流路を遮断していたが、プランジャ59の上昇によ
り弁が開放され入力ポート55から出力ポート56へ流
体が流れることとなる。また、上記したように駆動信号
は1回のみ印加されるが、パルスの印加後は永久磁石5
9の磁力によってプランジャ53は、上昇した状態が維
持される。一方、ラッチ型電磁弁16にマイナスの駆動
信号(例えば、図6のD-n)が印加されると、内蔵され
ているコイル52に発生する磁界と永久磁石59の磁界
とが反発し合い、その結果両磁力から開放されるので、
スプリング58によって下方へ付勢されて弁体61が弁
座57に当接して流路が遮断される。
【0031】次に、上記ラッチ型電磁弁16の開閉によ
って制御されるダイアフラム弁体11の動作について、
図3及び図4を参照して説明する。先ず、ラッチ型電磁
弁16の閉弁時には、給水パイプ13からダイアフラム
弁体11に流れ込む水は分流パイプ13aを上昇し、パ
イロット孔19に流入し、ダイヤフラム室12に充填さ
れる。またダイヤフラム室12は、吐水蛇口43を介し
てラッチ型電磁弁16に連通されているが、ラッチ型電
磁弁16が閉弁されているため水はこれら各箇所に充填
され流動しない。それでも給水パイプ13内には水が供
給され続けているため、ダイアフラム弁体11内には水
圧がかかる。そのため、水圧を受ける面積の広いダイア
フラム弁体11の上面から下方へ大きな力が加わわるた
め、ダイアフラム弁体11と弁座34とが当接され水が
外部へは吐出されない。
【0032】ラッチ型電磁弁16にプラスの信号が印加
されてプランジャ53が上昇し開弁されると、入力ポー
ト55と出力ポート56が連通する。すると、入力ポー
ト55はダイアフラム室12に連通されているので、ダ
イアフラム室12内の水がラッチ型電磁弁16に流れ込
み、更に水田へ吐出される。なお、ラッチ型電磁弁16
のオリフィス径はパイロット孔19より充分大きくして
あるため、パイロット孔19への流入より吐出の方が大
きくなるようにしてある。一方、ダイアフラム室12内
の水が流れ出たことにより圧力が低下するので、給水パ
イプ13から分流パイプ13aを上昇してきた水は、そ
の圧力で復帰バネ14の下方への付勢力に反してダイア
フラム弁体11を押し上げ、開弁した吐水部35から水
田へ給水される。
【0033】ところで、吐水蛇口43は、未使用時にラ
ッチ型電磁弁16に水が流れないよう水路を遮断するの
である。また、調節弁棒39は、ハンドル41の回転に
よりその先端にある弁体39aの高さを調節するもので
ある。従って弁体39aの位置を変化させると、パイロ
ット管42の形成された弁座42aに当接し、弁の開き
が調節されて吐出する水量が調節されることとなる。と
ころで、ラッチ型電磁弁16にマイナスの電圧パルスが
印加され、弁座57に61が当接し弁が遮断されると、
ダイアフラム室12内の水はどこへも流れ出ない一方、
パイロット孔19から水が流れ込んでくるため、ダイア
フラム室12内に水が充填される。そのため、再びダイ
アフラム弁体11が弁座34に当接され給水が止められ
る。
【0034】以上、本実施例の水田自動給水システムに
よれば、排水装置Bが、水面に対して上下に移動可能な
複数の電極24,25,26と、所定間隔のタイミング
で電極にパルスを印加して水位を検出し、ダイアフラム
弁体11の開閉を制御する制御手段Qとを有しているの
で、フロート105等の機械的な動作を行う必要がない
ため、水田S内に浮遊する草やゴミ等が引っかかって動
作不良を起こしたり、長期間の不使用等による動作不能
が起る心配がなく、下流に垂れ流す用水の量を減少で
き、河川に農薬や肥料を垂れ流す問題が解決される。ま
た、電極取付スペースが12cm2 と小さく、排水装置
Bの中に設置することができるため、農作業の邪魔にな
らない利点がある。そのため、小規模水田から大規模水
田まで、広く利用することが可能である。
【0035】また、給水装置Aが、ダイアフラム弁体1
1を開閉するためのパイロット式ラッチ型電磁弁16を
有し、制御手段Qが、ラッチ型電磁弁16の開閉を制御
しているので、水田自動給水システムの消費電力を少な
くすることができる。また、ラッチ型電磁弁16が、筒
形に巻かれたコイル52と、二つのポートを連通する弁
座57と、コイル52一端中心部に配設された固定鉄心
51と、コイル52内に移動可能に設けられ、弁座57
に当接する弁体61を有するプランジャ53と、コイル
52他端部に両面を磁性部材で挟まれた永久磁石59と
を配設しているので、水田自動給水システムの消費電力
を少なくすることができる。
【0036】ここで、本実施例の水田自動給水システム
が使用される水田では、その面積が広く水を張るにも半
日から1日かかり、また水位が上限から下限に降下する
にも2〜5日かかるような状況である。このような性質
を利用して、水位を検出するためのサンプリング時間を
上記実施例では10〜30分とし、また測定時間も0.
1〜0.2秒と非常に短いことから、自然放電の少ない
リチウム電池の耐用年数が更に伸び、電池1個で5年以
上のシステムの可動が可能となった。更に、本実施例で
は検出器側には従来のフロートのような機械的構造を設
けることがないため、破損等が起こりにくく、またシス
テム全体としてコンパクトなものとなる。
【0037】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨
を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば本
実施例では、電源として電池28を使用しているが、太
陽エネルギを利用するソーラ型電源を使用しても良い。
また例えば、本実施例では電極を3本用いるものを示し
たが、更に多くの電極を用いて、複数の水位の設定が可
能なものとしてもよい。すなわち、稲の成育に合うよう
に変化する必要水位に対し、当該成育時期に合うように
水位が調節されるような設定が可能なものとする。従っ
て、このような場合には上記実施例のコントロール部の
回路構成も逐次変更可能である。また、本実施例では自
己保持型電磁弁としてラッチ形電磁弁を使用したが、他
の機械的なものを使用しても同様である。
【0038】
【発明の効果】以上、本発明の水田自動給水システムに
よれば、排水装置が、水面に対して上下に移動可能な複
数の電極と、所定間隔のタイミングで電極にパルスを印
加して水位を検出し、給水主弁の開閉を制御する制御手
段とを有しているので、フロート等の機械的な動作を行
う必要がないため、水田内に浮遊する草やゴミ等が引っ
かかって動作不良を起こしたり、長期間の不使用等によ
る動作不能が起る心配がなく、下流に垂れ流す用水の量
を減少でき、河川に農薬や肥料を垂れ流す問題が解決さ
れる。また、電極取付スペースが小さく、排水装置Bの
中に設置することができるため、農作業の邪魔にならな
い利点がある。そのため、小規模水田から大規模水田ま
で、広く利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である水田自動給水システム
の構成を示す概念図である。
【図2】排水装置Bの構成を示す断面図である。
【図3】給水装置Aにおいてダイアフラム弁体11の閉
弁状態を示した断面図である。
【図4】給水装置Aにおいてダイアフラム弁体11の開
弁状態を示した断面図である。
【図5】ラッチ型電磁弁16の構成を示した断面図であ
る。
【図6】水田自動給水システムのタイムチャートを示し
た図である。
【図7】従来の水田自動給水システムを示した概念図で
ある。
【符号の説明】
A 給水装置 B 排水装置 Q 制御手段 S 水田 11 ダイアフラム弁体 12 ダイヤフラム室 13 給水パイプ 16 ラッチ型電磁弁 18 電線 19 パイロット孔 21 高さ調整パイプ 24 下限電極 25 上限電極 26 電極ブラケット 30 水位検出器 31 ラッチ回路 32 パワー増幅器 33 サンプリングタイム発生器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給源から供給される水を水田へ給水ま
    たは遮断する給水主弁を備える給水装置と、水田の水位
    が所定の高さ以上になったときに該所定の高さ以上の水
    を排出する排水装置と、水面に対して上下に移動可能な
    複数の電極とを有する水田自動給水システムにおいて、 バッテリ電源に接続されたサンプリングパルス発生器を
    備え、該サンプリングパルス発生器から所定間隔のタイ
    ミングで前記電極にパルスを印加することによって水位
    を検出し、その検出結果に基づいて前記給水主弁の開閉
    を制御する制御手段を有することを特徴とする水田自動
    給水システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する水田自動給水システ
    ムにおいて、 前記給水装置が、前記給水主弁を開閉するためのパイロ
    ット式自己保持型電磁弁を有し、 前記制御手段が、 前記自己保持型電磁弁の開閉を制御す
    ることを特徴とする水田自動給水システム。
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