JP2005027507A - ゴルフ場の散水システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴルフ場の各所に散水を行う散水バルブの動作を制御する散水コントローラ14a,14b,14cと、これらの散水コントローラ14a,14b,14cの動作を制御するコントローラ20と、コントローラ20を備えるとともに、コントローラ20に対する命令を受信する中継局13a,13b,13c,…と、中継局13a,13b,13c,…へコントローラ20に対する命令を送信する発信局12と、発信局12に接続され散水コントローラ14a,14b,14cに対する命令を出すパーソナルコンピュータ11とにより散水システムを構築する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフ場の散水システムに関する。さらに詳細には、遠隔操作により散水動作を制御することができるゴルフ場の散水システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴルフ場の散水システムでは、図6に示すように、散水箇所に個別に、散水バルブ103a,103b,103c,…を設置し、これらの散水バルブ103a,103b,103c,…まで配線を敷設して、必要に応じて散水バルブ103a,103b,103c,…の設置場所において、散水バルブ103a,103b,103c,…と一体化された散水設定コントローラ102a,102b,102c,…により、散水時間や散水量などの設定、変更を行うようになっている。なお、図6は、散水システム100のシステム構成図である。したがって、従来の散水システム100では、各散水箇所に実際に足を運びそこで散水を行ったり、散水時間や散水量などの設定、変更を行っていた。そのため、散水操作や散水内容の変更等の操作が非常に手間のかかる作業であった。
また、散水バルブ103a,103b,103c,…までの配線が途中で断絶された状態のまま放置されているゴルフ場が多いのが現状である。
【0003】
そこで、ゴルフ場などにおける散水システムとして、無線を利用したシステムが種々提案されている。そのうちの1つとして、例えば、特開2002−233255号公報に開示されている散水システムがある。この散水システム110は、図7に示すように、複数の散水エリアにそれぞれ設置された複数のスプリンクラーと、無線回線を介して複数のスプリンクラーの各弁121の開閉を遠隔制御する中央制御部120とを有する散水システムであって、中央制御部120は、気象観測器124により観測された散水エリアまたはその近傍の気象情報D1を記憶するメモリ部と、その記憶されている気象情報D1 に基づいて気象情報表示データを生成するデータ処理部と、データ処理部から出力される気象情報表示データに従って気象情報を表示する表示部とを備えて構成されている。なお、図7は、散水システム120のシステム構成図である。
【0004】
そして、この散水システム110では、中央制御部120から気象情報D1と散水量情報D2とが親局無線装置125に伝送され、親局無線装置125から各子局無線装置126a,126b,126cに対して散水制御信号が送信される。そうすると、散水制御信号が各子局無線装置126a,126b,126cで受信されて、その散水制御信号に基づいて各散水エリアに設置された各スプリンクラーの各弁121の開閉動作が制御される。このようにして、各散水エリアにおける散水操作や散水内容の変更等の操作を、中央制御部120において集中的に行うことができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−233255号公報(第3−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開2002−233255号公報に記載されている散水システム110を構築するには高価な無線機材、つまり親局無線装置125と子局無線装置126a,126b,126cが必要であるという問題があった。このため、散水システムが非常に高価なものとなってしまう。また、雷害などにより子局無線装置が破壊あるいは故障した場合の修理費も高額になるという問題があった。さらに、散水を行うための操作も複雑であり、専門的な知識が必要であった。このような事情から、実際には、上記した特開2002−233255号公報に記載されているような散水システム110は、ゴルフ場において利用されていない状況にある。
【0007】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、容易かつ安価にてシステムを構築することができるとともに、メンテナンス性および操作性に優れたゴルフ場の散水システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るゴルフ場の散水システムは、ゴルフ場の各所に散水を行う散水バルブと、前記散水バルブの動作を制御するコントローラと、前記散水バルブへの散水指令を送信する発信局と、前記発信局から送信された前記散水指令を受信するとともに、前記散水指令に基づき前記コントローラに対する制御信号を生成する中継局と、前記発信局に接続され前記散水指令を出す指令出力手段と、を有することを特徴するものである。
【0009】
このゴルフ場の散水システムでは、指令出力手段、発信局、中継局、および散水コントローラにより散水システムが構築されている。これにより、指令出力手段からの命令を発信局から発信し、その信号を中継局で受信して散水コントローラへ伝送して散水バルブを制御することができる。具体的には、指令出力手段からの命令は中継局で受信され、その後、中継局でコントローラに対する制御信号が生成される。そして、コントローラで生成された制御信号が、散水機に対し出力され、その制御信号に基づいてコントローラの動作が制御される。その結果、散水バルブの開閉動作が制御され、散水制御が行われる。このようにして、命令出力手段にて散水コントローラ(ひいては散水バルブ)の動作を集中制御することができる。
【0010】
そして、本システムは、汎用の命令出力手段(例えば、パーソナルコンピュータやソフトウェアなど)と、信号の送受信を行う発信局および中継局と、散水バルブと、散水バルブの動作を制御するコントローラとにより構成されているので、容易かつ安価にてゴルフ場の散水システムを構築することができる。なお、発信局と中継局との間における信号の送受信は、有線で行ってもよいし、無線で行ってもよい。
【0011】
また、散水制御はコントローラが行うので、散水指示としては、どの散水バルブを起動させるかのみを入力すればよい。このため、専門知識がなくても誰でも簡単に取り扱うことができ、操作性が非常によい。
【0012】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記中継局は、ゴルフ場の各ホール毎に設置され、前記コントローラは、ティーグランド、フェアウェイ、グリーンの各ブロック毎に設置され、前記中継局は、前記各ブロック毎に前記コントローラの動作を制御することが望ましい。ゴルフ場には複数のホールがあり、その形状は各ホール毎に異なっている。このため、上記のようにすることにより、各ホール毎に最適な散水システムを構築することができるからである。また、各ホール毎に基本的なシステムが構築されるのでメンテナンス性も向上する。
【0013】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記中継局は、前記発信局に対し信号の送信が可能であり、前記発信局は、前記中継局から発信された信号の受信が可能であることが望ましい。これにより、命令出力手段によって散水バルブの動作状況をモニタリング等することができるからである。
【0014】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記発信局は、インターネットに接続されていることが望ましい。そして、前記指令出力手段は、インターネットに接続可能な通信端末であることをが望ましい。これにより、特定の命令出力手段以外にも、インターネットに接続可能な通信端末(例えば、携帯電話やPDAなど)を利用して、散水バルブの動作を制御することができるからである。
【0015】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、 前記散水バルブは、自己保持型電磁弁を備え、前記中継局は、前記自己保持型電磁弁の動作を制御するためのパルス信号を出力するパルス出力部を備え、前記自己保持型電磁弁の開閉制御は、前記パルス出力部から出力されるパルス信号に基づいて行われることが望ましい。これにより、中継局の消費電力を低減することができるからである。
【0016】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記パルス出力部は、前記各ブロック毎に対応して設けられていることが望ましい。これにより、各ブロック毎に制御システムが構成され、メンテナンス性が向上するからでる。
【0017】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記コントローラは、リレー接点を備え、同一ブロックに設置された前記コントローラは、前記リレー接点を利用して起動することが望ましい。これにより、中継局と散水コントローラとの間における配線を簡単にすることができるからである。
【0018】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記中継局間での通信が可能であることが望ましい。発信局と中継局との通信を無線で行う場合、発信局からかなり離れた場所に設置された中継局において、信号を受信できないおそれがある。このため、中継局間での通信を可能とすることで、上記のような場合であっても、確実に発信局から発信された信号をすべての中継局が受信することができるからである。また、発信局と中継局との通信を有線で行う場合には、発信局から各中継局とを配線する必要がなくなるので配線が簡単になる。
【0019】
また、本発明に係るゴルフ場の散水システムにおいては、前記散水バルブは、前記指令出力手段にあらかじめ記憶されたプログラムにしたがって散水を行うことが望ましい。これにより、より細やかな散水を行うことができるからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴルフ場の散水システムを具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。そこで、本実施の形態に係るゴルフ場の散水システムの概略構成を図1に示す。なお、図1は、本実施の形態に係る散水システムの概略構成を示すシステム構成図である。この散水システムは、図1に示すように、管理棟側にパーソナルコンピュータ11と発信局12とが設置され、各ホール側に中継局13a,13b,13c,…と各散水コントローラ14a,14b,14cとが備わっている。そして、発信局12と各中継局13a,13b,13c,…とが信号線により接続されている。これにより、管理棟において、各ホール毎に散水を集中制御することができるようになっている。そして、本散水システムでは、各ホール毎に基本システムが構築されるため、メンテナンス性に優れている。
【0021】
発信局12は、ルータ15、モデム16、およびスプリッタ17を介し、契約プロバイダ18によりインターネット19に接続されている。そして、パーソナルコンピュータ11がルータ15に接続されている。このルータ15を介してパーソナルコンピュータ11と発信局12とが接続されている。この発信局12は、有線発信部12aと有線受信部12bとを備え(図2参照)、各中継局13a,13b,13c,…と信号線で接続されている。
【0022】
一方、各中継局13a,13b,13c,…は、各ホール毎に1台ずつ設置されている。そして、各ホール毎に設置された中継局13a,13b,13c,…のぞれぞれと各散水コントローラ14a,14b,14cとが接続されている。なお、各散水コントローラ14a,14b,14c,…には、散水バルブ(図3参照)および水を噴霧するスプリンクラー(図示せず)がそれぞれ接続され、各散水コントローラ14a,14b,14cを開閉することにより、スプリンクラーによる散水が行われるようになっている。
そして、本散水システムでは、各中継局13a,13b,13c,…との間で通信が可能となっている。これにより、発信局から離れたホールでは、発信局12と中継局とを接続するよりも、近接するホールに設置されている中継局とを接続して集中制御を行うことができるため、配線が簡単になる。
【0023】
ここで、パーソナルコンピュータ11は、市販されている汎用品である。このパーソナルコンピュータ11は、各散水コントローラ14a,14b,14cの動作を制御するための制御信号を発信局12により各中継局13a,13b,13c,…へ発信するものである。パーソナルコンピュータ11から命令を入力して即座に各散水コントローラ14a,14b,14cを作動させてスプリンクラーによる散水を行うこともできるし、あらかじめ作成した散水プログラムをパーソナルコンピュータ11に入力し、その散水プログラムにしたがって各散水コントローラ14a,14b,14cを作動させてスプリンクラーによる散水を行うこともできるようになっている。例えば、グリーンに対する散水であれば、グリーンキーパーの経験に基づいて散水プログラムを作成すればよい。
【0024】
また、発信局12はインターネット19に接続されているので、管理棟に設置されたパーソナルコンピュータ11以外にも、インターネット19に接続可能なパーソナルコンピュータ11aや携帯電話11bから、各散水コントローラ14a,14b,14cの動作を制御するための制御信号を発信することもできるようになっている。
【0025】
各中継局13a,13b,13c,…は、すべて同一の構成を有しており、発信局12から発信された制御信号を受信して、各散水コントローラ14a,14b,14cを作動させるためのパルス信号を生成し出力するものである。そこで、中継局の構成を図2に示す。なお、図2は、中継局の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
中継局12には、図2に示すように、コントローラ20と、信号処理部23とが備わっている。そして、コントローラ20には、メインCPU21と、ティー用起動信号出力部22aと、フェアウェイ用起動信号出力部22bと、グリーン用起動信号出力部22cとが備わっている。また、信号処理部23には、有線受信部23aと有線送信部23bとが備わっている。なお、中継局12の駆動電源としては、乾電池、ソーラ電池、およびDC電源などを利用することができるようになっている。
【0027】
メインCPU21は、コントローラ20の動作を統括的に制御するものであり、ワンチップマイコンで構成されている。そして、このCPU21には、散水コントローラ14aに接続されたティー用起動信号出力部22a、散水コントローラ14bに接続されたフェアウェイ用起動信号出力部22b、および散水コントローラ14cに接続されたグリーン用起動信号出力部22cとが接続されている。また、メインCPU21には、有線受信部23aとも接続されている。これにより、パーソナルコンピュータ11、発信局12、各受信局13a,13b,13c,…および各散水コントローラ14a,14b,14cとで遠距離操作が可能なゴルフ場の散水システムが構築されている。
【0028】
そして、本実施の形態では、汎用のパーソナルコンピュータ11、発信局12、および各中継局13a,13b,13c,…とによりネットワークが構成されているので、容易かつ安価に散水システムを構築することができる。特に、各中継局13a,13b,13c,…は、各散水コントローラ14a,14b,14cに対する命令の受信と発信のみを行うように構成しているので部品点数が少ないため、非常に安価にて製造することができるとともに、メンテナンス費も安価にでき、また信頼性も高い。
【0029】
また、中継局12における信号処理部23に有線送信部23bを設けているので、各散水コントローラ14a,14b,14cに対する設定プログラムの内容や現状の動作状態のモニタリングなどを行うことも可能となっている。
【0030】
続いて、各散水コントローラ14a,14b,14cに接続されている散水バルブについて図3を参照して説明する。なお、散水コントローラ14a,14b,14cに接続されている散水バルブはすべて同一構成である。なお、図3は、散水バルブの構成を示す断面図である。
【0031】
散水バルブは、自己保持型電磁弁の1種であるラッチ型電磁弁である。このように、散水バルブとしてラッチ型電磁弁を使用することにより、消費電力を低減することができる。そして、散水バルブには、図3に示すように、固定鉄心51の周りにコイル52の巻かれたソレノイド部が構成され、固定鉄心51の下方には同軸上に先端に弁体61の形成されたプランジャ53が配設されている。また、本体54には、入力ポート55及び出力ポート56が形成され、両ポートは本体54内部に形成された弁座57を介して連通されている。そして、スプリング58によって下方に付勢されたプランジャ53が、弁座57に当接するように設けられている。更に、コイル53下部には、磁性部材62,63で挟まれた永久磁石59が配設されている。
【0032】
そして、入力ポート55に給水管(図示せず)が接続され、出力ポート56に散水ノズル(図示せず)が接続されている。これにより、散水バルブ13の開閉動作を制御することにより、スプリンクラーによる散水動作を制御することができるようになっている。具体的には、ティー用起動信号出力部22aから出力されるパルス信号により、散水コントローラ14aの動作が制御されて散水バルブの開閉動作が制御されるようになっている。また、同様に、フェアウェイ用起動信号出力部22bから出力されるパルス信号により、散水コントローラ14bの動作が制御されて散水バルブの開閉動作が制御され、グリーン用起動信号出力部22cから出力されるパルス信号により、散水コントローラ14cの動作が制御されて散水バルブの開閉動作が制御されるようになっている。
【0033】
ここで、フェアウェアには、複数の散水コントローラ14b,14b,14b,…が設置されている。これらの散水コントローラ14b,14b,14b,…をフェアウェア用起動信号出力部22bにより1つずつ起動制御することも可能であるが、図4に示すように、各散水コントローラ14b,14b,14b,…に、リレー接点65,65,65,…を設けて、順次散水コントローラ14b,14b,14b,…が起動するようにするのが好ましい。こうすることにより、中継局13a,13b,13c,…と散水コントローラ14b,14b,14b,…とを個別に配線する必要がなくなるので、配線を簡単にすることができる。
【0034】
次に、上記のような構成を有する散水システムの動作について説明する。まず、管理棟に設置されているパーソナルコンピュータ11に、散水を行うホール番号と場所(ティーグランド、フェアウェイ、グリーン)を入力する。そうすると、パーソナルコンピュータ11にインストールされた散水プログラムにしたがって、指定された中継局に対する指令が生成される。
【0035】
次いで、パーソナルコンピュータ11で生成された指令は、発信局12から指定されたホールの中継局に送信される。場合によっては、発信局12から他の中継局を経由して指定された中継局に指令が送信されることもある。
パーソナルコンピュータ11からの指令を、指定されたホールの中継局メインCPU21が受信すると、メインCPU21は、受信した命令内容にしたがって散水を行う場所の信号出力部にパルス信号生成命令を出力する。つまり、散水場所がティーグランドであれば、ティー用信号出力部22aにパルス信号生成命令を出力し、散水場所がフェアウェイであれば、フェアウェイ用信号出力部22bにパルス信号生成命令を出力し、散水場所がグリーンであれば、グリーン用信号出力部22cにパルス信号生成命令を出力する。なお、散水場所が複数の場合(例えば、ティーグランドとグリーン等)には、その組み合わせに応じて各信号出力部に対してパルス信号生成命令が出力される。
そして、パルス信号生成命令がいずれかの信号出力部(22a,22b,22c)に入力されると、いずれかの散水コントローラ(14a,14b,14c)に対するパルス信号が出力される。
【0036】
そして、信号出力部(22a,22b,22c)からプラスのパルス信号が出力されて散水コントローラ(14a,14b,14c)に入力されると、散水バルブではコイル52に磁界が発生し、この磁界と永久磁石59の磁界方向とが合致するため、下方に付勢していたスプリング58に反してプランジャ59が上方へ吸引される。そのため、それまでプランジャ59下端の弁体61が弁座57に当接され流路を遮断していたが、プランジャ59の上昇により弁が開放され入力ポート55から出力ポート56へ水が流れることとなる。また、上記したようにパルス信号は1回のみ印加されるが、パルスの印加後は永久磁石59の磁力によってプランジャ53は、上昇した状態が維持される。したがって、散水が開始されると、そのまま継続して散水が行われる。
【0037】
一方、信号出力部(22a,22b,22c)から散水コントローラ(14a,14b,14c)に対してマイナスのパルス信号が出力されて散水コントローラ(14a,14b,14c)に入力されると、散水バルブではコイル52に発生する磁界と永久磁石59の磁界とが打ち消し合い、その結果、両磁力から開放されるので、スプリング58によって下方へ付勢されて弁体61が弁座57に当接して入力ポート55と出力ポートとが遮断される。これにより、散水が終了する。
【0038】
このように、管理棟に設置されたパーソナルコンピュータ11によって、ゴルフ場の各所に設置された散水コントローラ14a,14b,14c開閉動作の制御、つまり散水制御を集中的に行うことができる。このため、ゴルフ場における散水作業を効率よく行うことができる。また、パーソナルコンピュータ11に対して、散水を行うホール番号と場所を入力するだけで、希望の散水を行うことができるため操作が非常に簡単であり、専門知識がなくても本散水システムを取り扱うことができる。
【0039】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る散水システムは、パーソナルコンピュータ11、発信局12、コントローラ20を内蔵する中継局13a,13b,13c,…、および散水コントローラ14a,14b,14cにより構築されている。これにより、パーソナルコンピュータ11からの命令を発信局12から発信し、その信号を中継局13a,13b,13c,…で受信して散水コントローラ14a,14b,14cへ伝送することができる。つまり、パーソナルコンピュータ11からの命令は中継局13a,13b,13c,…で受信され、その後、中継局13a,13b,13c,…に備わるコントローラ20で散水コントローラ14a,14b,14cに対する制御信号が生成される。そして、コントローラ20で生成された制御信号が、散水コントローラ14a,14b,14cに対し出力され、その制御信号に基づいて散水コントローラ14a,14b,14cの動作が制御される。このようにして、パーソナルコンピュータ11にて散水コントローラ14a,14b,14cの動作を集中制御することができる。
【0040】
したがって、本実施の形態に係る散水システムによれば、容易かつ安価にてゴルフ場の散水システムを構築することができる。また、散水制御はコントローラ20および散水コントローラ14a,14b,14cが行うので、散水指示としては、どのホールのどの場所(ティーグランド、フェアウェア、グリーン)に散水を行うかのみを入力すればよい。このため、専門知識がなくても誰でも簡単に取り扱うことができ、操作性が非常によい。
【0041】
また、本実施の形態に係る散水システムにおいては、各中継局13a,13b,13c,…では、発信局12に対し信号の送信が可能であり、発信局12は、各中継局13a,13b,13c,…から発信された信号の受信が可能であるので、パーソナルコンピュータ11によって散水条件の設定を出力したり、散水コントローラ14a,14b,14cの動作状況をモニタリング等することができる。
【0042】
また、本実施の形態に係る散水システムにおいては、発信局12は、インターネット19に接続されているので、特定のパーソナルコンピュータ11以外にも、インターネット19に接続可能なパーソナルコンピュータ11aや携帯電話11bを利用して、散水コントローラ14a,14b,14cの動作を制御することもできる。
【0043】
また、本実施の形態に係る散水システムにおいては、各中継局13a,13b,13c,…は各ホール毎に設置され、散水コントローラ14a,14b,14cは、ティーグランド、フェアウェイ、グリーンの各ブロック毎に設置されて制御されるので、各ホール毎に基本的なシステムが構築されるのでメンテナンス性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る散水システムにおいては、フェアウェイに複数設置されている散水コントローラ14b,14b,14b,…は、リレー接点65,65,65,…を備え、このリレー接点65を利用して順次、散水コントローラ14b,14b,14b,…を起動するようにしていので、中継局13a,13b,13c,…と散水コントローラ14b,14b,14b,…との間における配線を簡単にすることができる。
【0045】
また、本実施の形態に係る散水システムにおいては、中継局13a,13b,13c,…間での通信が可能となっているので、必ずしも発信局12と各中継局13a,13b,13c,…と信号線で接続する必要がないため、配線が簡単になる。
【0046】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、発信局12および各中継局13a,13b,13c,…を、図5に示すように、無線対応型の発信局32および中継局33とすることにより、無線システムを構築することもできる。なお、発信局32は、無線送信部32aと無線受信部32bとを備え、中継局32は、無線受信部33aと無線送信部33bとを備えている。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明に係るゴルフ場の散水システムによれば、ゴルフ場の各所に散水を行う散水バルブと、前記散水バルブの動作を制御するコントローラと、前記散水バルブへの散水指令を送信する発信局と、前記発信局から送信された前記散水指令を受信するとともに、前記散水指令に基づき前記コントローラに対する制御信号を生成する中継局と、前記発信局に接続され前記散水指令を出す指令出力手段と、を有する容易かつ安価にてシステムを構築することができるとともに、メンテナンス性および操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るゴルフ場の散水システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】中継局の概略構成を示すブロック図である。
【図3】散水バルブの概略構成を示す断面図である。
【図4】散水コントローラのリレー接続について説明するための説明図である。
【図5】実施の形態に係るゴルフ場の散水システムにおける変形例を示すシステム構成図である。
【図6】従来のゴルフ場の散水システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図7】従来の無線を利用した散水システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
11 パーソナルコンピュータ
12 発信局
13a,13b,13c,… 中継局
14a,14b,14c 散水コントローラ
20 散水コントローラ
21 CPU
Claims (10)
- ゴルフ場の各所に散水を行う散水バルブと、
前記散水バルブの動作を制御するコントローラと、
前記散水バルブへの散水指令を送信する発信局と、
前記発信局から送信された前記散水指令を受信するとともに、前記散水指令に基づき前記コントローラに対する制御信号を生成する中継局と、
前記発信局に接続され前記散水指令を出す指令出力手段と、を有することを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項1に記載するゴルフ場の散水システムにおいて、
前記中継局は、ゴルフ場の各ホール毎に設置され、
前記コントローラは、ティーグランド、フェアウェイ、グリーンの各ブロック毎に設置され、
前記中継局は、前記各ブロック毎に前記コントローラの動作を制御することを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項1または請求項2に記載するゴルフ場の散水システムにおいて、
前記中継局は、前記発信局に対し信号の送信が可能であり、
前記発信局は、前記中継局から発信された信号の受信が可能であることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つのゴルフ場の散水システムにおいて、
前記発信局は、インターネットに接続されていることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項4に記載するゴルフ場の散水システムにおいて、
前記指令出力手段は、インターネットに接続可能な情報通信端末であることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項1から請求項5に記載するいずれか1つのゴルフ場の散水システムにおいて、
前記散水バルブは、自己保持型電磁弁を備え、
前記中継局は、前記自己保持型電磁弁の動作を制御するためのパルス信号を出力するパルス出力部を備え、
前記自己保持型電磁弁の開閉制御は、前記パルス出力部から出力されるパルス信号に基づいて行われることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項6に記載するゴルフ場の散水システムにおいて、
前記パルス出力部は、前記各ブロック毎に対応して設けられていることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項5に記載するいずれか1つのゴルフ場の散水システムにおいて、
前記コントローラは、リレー接点を備え、
同一ブロックに設置された前記コントローラは、前記リレー接点を利用して起動することを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項5に記載するゴルフ場の散水システムにおいて、
前記中継局間での通信が可能であることを特徴するゴルフ場の散水システム。 - 請求項1から請求項9に記載するいずれか1つのゴルフ場の散水システムにおいて、
前記散水バルブは、前記指令出力手段にあらかじめ記憶されたプログラムにしたがって散水を行うことを特徴するゴルフ場の散水システム。
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WO2018157544A1 (zh) * | 2017-02-28 | 2018-09-07 | 深圳前海弘稼科技有限公司 | 一种增强型无线远程灌溉方法及系统 |
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- 2003-07-07 JP JP2003193041A patent/JP2005027507A/ja active Pending
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