JP4499396B2 - 巻成装置用のベルト - Google Patents

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Description

本発明は、ラップ巻成体を生産するための巻成装置用のベルトであって、前記巻成装置においてラップが、循環するエンドレスなベルトによって駆動される特に巻管状のコアに巻き取られるようになっている形式のものに関する。
ラップ巻成体を製造するための前記形式の巻成装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19539365号明細書に開示されており、この場合、ラップ巻成体は平ベルトを使用して形成される。しかも、定置の軸に回転可能に支承されている巻管の周囲にベルトのループが巻掛けられており、該ループはその大きさに関して巻成体の巻太り直径に適合するようになっていて、巻成工程の終期にはほぼ完全にラップ巻成体に巻掛けられる。ラップ巻成体を形成するためにラップウェブは、2つの変向ローラ間でベルトループ内へ導入され、巻管表面に引き渡される。
巻成工程に際してラップウェブの両側縁を案内するために、巻管に対して同軸的にそれぞれ1つの巻成サイドディスクが配置されており、両巻成サイドディスクは、巻取りに際してラップウェブの両側縁を支持するようになっていて、巻成済みのラップ巻成体の綺麗な両端面を形成するのに寄与する。
両巻成サイドディスク間で案内されるベルトは、前記巻成サイドディスクの内側の端面に対して間隔を有している。ラップウェブの縁部領域からベルト縁部と巻成サイドディスクとの間のギャップ内に繊維を締込むのを防止するために、巻成工程中にベルトの側方シフトを制限することが、公開されたヨーロッパ特許第878568号明細書で既に提案されている。この場合、ベルトの、変向ローラの表面に面した側に、ベルトの長手方向に延在する成形部(歯セグメント)を設けることが提案されている。この場合、前記成形部は変向ローラの対応成形部に噛合い、これに伴ってベルトの側方シフトを防止するようになっている。
この構成によって、ラップウェブの縁部領域から引き抜かれる繊維量が少なくなり、ひいてはベルトの特に縁部領域における汚染も減少されることになった。
しかしながら、この構成はある程度の改善をもたらしはしたものの、なお十分に満足できるものではないことが判った。ベルトは製作に際して大面積のウェブから裁断されるので、この場合、ベルトの両側縁から、巻成工程に際してラップウェブが案内されるベルト表面へ移行する部位に、比較的にシャープなエッジが生じる。ラップウェブの外側の両端部が両巻成サイドディスクの領域において、各巻成サイドディスクとベルト側縁とのギャップ間に達すると、ベルトの前記シャープなエッジはカッティングエッジ(切刃)として働き、かつラップウェブの縁部領域における繊維に対して剪断作用を及ぼす。これにより、ラップウェブから繊維が部分的に引き抜かれるかもしくは繊維セグメントが剪断される。この結果、巻成されたラップの全側面にわたって、不揃いに削り取られた見苦しい縁部を有しているラップ巻成体が形成されることになる。これは、後続の加工プロセスにおいて質的損失の要因になる一方、繊維屑の発生を増大させ、このことによって機械が汚染されてしまう。すなわち、機械を掃除するためのメンテナンス間隔を、比較的短い間隔で行わなければならないかもしくはより高い頻度で行わなければならない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19539365号明細書 ヨーロッパ特許第878568号明細書
したがって本発明の課題は、ラップ巻成体を形成するための巻成装置用のベルトを改良して、不揃いに削り取られた見苦しい側縁を有しているラップ巻成体の形成を回避し、かつ品質的に高価値のラップ巻成体の形成を保証する、巻成装置用のベルトを提供することである。
前記課題を解決するために本発明の構成では、当該ベルが、横断面で見て複数の層を有しており、当該ベルトのエッジが、側縁から、ラップを案内する表面への移行部において、破断されて、面取り部を備えており、当該面取り部が、当該ベルトの長手方向に対して横方向で見て、0.2mm〜1.0mmであるようにした。すなわち、ベルトの前記表面と側縁との間の移行部は幾何学的に、シャープなエッジがもはや存在しないように形成されている。この結果、ベルトはそのベルト幅に裁断した後に前記エッジの領域において、シャープなナイフエッジを破断するためかもしくは取り除くために後処理されなければならない。
これに基づいて、ベルトのこの縁部領域においてベルトのエッジによる剪断作用が、ラップウェブの両側縁の繊維に対して及ぼされないことが保証され、これにより、先述の従来技術の欠点が回避される。
ベルトが横断面で見て複数の層を有しており、かつ巻成工程に際してラップを案内する層の表面の両側縁が、面取り部を備えていると、有利である。
前記面取り部は例えば斜め面取り部から成っていてよく、該斜め面取り部の表面は、巻成工程に際してラップウェブを案内するベルト層の表面に対して所定の角度を成して延びている。斜め面取り部のこのような構成は、ただ1つの層から成るベルトの場合にも、勿論適用可能である。
前記斜め面取り部は、有利には、ベルトの各側縁に対して0.2mm〜1.0mmの間隔を置いて始まっていてよい。斜め面取り部の傾斜は、ベルトの表面に対して30゜〜60゜の角度、有利には45゜未満の角度を成して延びていてよい。しかしながら、斜め面取り部のさらに別の角度位置も考えられる。ラップウェブに対面するベルト層は、有利にはプラスチック層から形成されていてよく、該プラスチック層は例えば相互に接合された複数のポリアミド層から成っている。
また扁平面の面取り部に代えて、ベルトエッジに丸く面取りを施すことも可能である。この場合、丸面取り部の曲率半径は、有利には0.2mm〜1.0mmであってよい。また面取り部を構成するにあたって、扁平面と丸み面との組み合わせも可能である。
ベルトエッジの斜め面取り部もしくは丸面取り部は、例えばベルトのエッジの研削によって製作され得る。しかしながらベルトのプラスチック層の製造に際して、該プラスチック層をベルト形成のための別の層に接合する以前に、既にこのような斜め面取り部もしくは丸面取り部を設けることも可能である。この事例では、ベルトを広幅のウェブからの裁断によって製造することはもはやできないので、ベルトのために別の製造法が必要とされる。すなわちベルトは個別に製作されなければならない。
本発明のさらなる利点は、以下の実施例の詳細な説明に基づいて明記した通りである。
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
図1には、複数の変向ローラR1〜R5を介して案内される平ベルト5(以下、略してベルト5と呼ぶ)を備えた巻成装置1が示されている。前記ベルト5は、変向ローラR1とR2との間にベルトループSを形成しており、該ベルトループS内で巻成体3が形成される。この場合、巻成工程中、カレンダローラKWを介して前記ベルトループS内へ給送されたラップウェブ4(以下、略してラップ4と呼ぶ)は、巻管10に巻き取られる。該巻管10は、2つの巻成サイドディスク7,8間で定置に装嵌部12,13(図2参照)を介して、回転軸線D,D1を中心として回転可能に支承されている。
巻成体3の巻太りに伴って、前記ベルトループSも大きくなる。ベルト5を緊張させるためにかもしくはベルトループSの拡大に伴うベルト変位を補償するために、緊張装置14が設けられている。この場合、変向ローラR5がアーム15を介して、旋回軸線を中心として旋回可能に軸支されている。
巻成体3が(センサを介して検知されかつ監視されて)その最終サイズに達するとすぐに、カレンダローラKWの駆動装置の停止によって、ラップ4は給送領域で分断される。ベルト駆動装置(変向ローラR1,R4,R3のいずれか1つが駆動装置(図示せず)に連結されている)の停止後、変向ローラR2は旋回アーム9を介して矢印で示した右手方向に旋回させられ、かつ緊張装置と協働して、満管の巻管10は、外部へ向かって収容部(図示せず)に引き渡される。次いで、新たな巻管(図示せず)を供給しかつ変向ローラR2を、図1に示した位置へ戻し旋回させた後に、新規の巻成工程がスタートされる。巻成体形成のプロセスに関するこの他の詳細は、既に公開されている前掲のドイツ連邦共和国特許出願公開第19539365号明細書からも窺える。
図2には、変向ローラR1を備えた巻成装置1の、図1に示したX−X線に沿った断面図が示されている。前記変向ローラR1からは、巻成体形成のためのベルトループSが下方に向かって延びている。変向ローラR1を介して下向きに変向案内されたベルト5において、略示したラップ4が巻管10の周領域へ移送される。巻管10はその外周部に、巻管の内室に連通しているオリフィス(図示せず)を備えており、該オリフィスには、巻成開始動作に際して負圧が付勢される(図示せず)。巻管10は装嵌部12,13を介して、定置に支承されていて水平方向にシフト可能な巻成サイドディスク7,8間にクランプされている。両巻成サイドディスク7,8は、回転軸線D,D1を介して回転可能に支承されている。図2に示されているようにラップウェブ4は、ラップ巻成体3を形成するために巻管10に既に巻付けられている。ベルト5は、巻成体3から離反した方の側(図示せず)に例えば成形歯を備えていてよく、該成形歯が変向ローラR1の対応成形歯に噛合い、こうして巻成サイドディスク7,8に対するベルト5の側方案内を保証することもできる。このことは例えば、既に公開されているヨーロッパ特許第878568号明細書の実施形態から窺える。この構成手段によって、ベルト5の側縁と巻成サイドディスク7,8の内側端面との間の所定の間隔aが巻成工程中に一定に保たれることが、実質的に保証される。ただラップウェブ4の幅Bは、ベルト5を介して惹起される圧着力によって拡大するので、ラップウェブ4の外側のエッジは、巻成サイドディスク7,8の内側の端面に、ひいてはベルト5の外側のエッジの領域にも幾分接触する。
特に両端面の領域において綺麗な巻成体3を形成するためには、前記所定の間隔aをできるだけ小さく保つことが必要である。ラップウェブ4がベルト5のベルトエッジの領域に達するとすぐに、従来慣用の実施形態の場合には、存在する剪断作用に基づいて、前記ベルトエッジが、ラップウェブ4の繊維コンパウンドから繊維を抜き取ってしまうかもしくは削ぎ取ってしまう。それゆえに、巻成工程中にラップウェブ4と接触する前記ベルトエッジは、図3及び図4に拡大図で示したような実施形態に相応して構成された。
図3には付加的に、巻管10の位置と既に巻き取られた2層のラップウェブ4が概略的に示されている。この場合、ベルト5は多層に形成されていて、引張り層16を有しており、該引張り層16を介して、巻成体形成に際してラップウェブ4に対して圧着力が及ぼされる。引張り層16は、例えば重なり合っている複数のプラスチック層(例えばポリアミド)から成っていてよく、これらのプラスチック層は相互に堅固に結合されているかもしくは溶着されている。引張り層16の下側には、本実施例では織布層17が被着されており、該織布層17は特にベルトの横方向剛さのために設けられている。該織布層17と、ラップウェブ4が案内されるベルト5の表面Oとの間隔は、巻成工程中にラップウェブが前記織布層の領域内に達することがないような大きさに設計されねばならない。この設計に基づいて、織布層の糸端部がベルト縁部を越えて側方に万一突出することがあっても、該糸端部はラップウェブに接触しないことが保証される。したがって、織布層の端部が万一突出していても該糸端部が、繊維の引抜きによってラップ縁部にいかなる損傷も生ぜしめないことが保証される。また、ベルトエッジの研削に際して、場合によっては依然として突出している繊維端部を除去するためにベルトの側縁6を全体的に研削することも考えられる。
織布層17の下側には、該織布層17に接合された、ゴムから成る弾性的な層20が、被着されているかもしくは加硫されている。該ゴム層20はその弾性に基づいて、ベルト5を変向中に変向ローラに良好に接触させ、スリップを発生させないという役目を有している。
耐摩耗性を高めるため、かつゴムのための防護層として、前記ゴム層20の下側には、別の織布層21が設けられている。この場合、該別の織布層21の表面は、適宜に封緘もしくは処理を施されているので、該別の織布層21は繊維付着不能に形成されている。また、ベルト5の側縁6を完全に繊維付着不能に形成するために、該側縁6にコーティングを施すことも考えられる。
ベルト5の表面Oから側縁6への移行部には、面取り部11が設けられており、該面取り部11は、角度αの斜面として形成されている。この斜面角度は30゜〜60゜、有利には45゜である。この斜め面取り部11が側縁6から内側に向かって延びる面取り間隔cは0.2mm〜1.0mmであってよい。図示の配置は、わかりやすく示すために、ベルトの寸法に比べて意図的に誇張して示した。前記斜め面取り部11に基づいて、側縁6と表面Oとの間の、通常はシャープなエッジの移行部は取り除かれ、これにより、ラップ縁部の損傷という先述の危険が排除される。斜め面取り部11の領域に依然として残存するエッジは、相互に鈍角(120゜よりも大きい)を成しているので、シャープなエッジではない。
図4には別の実施形態を示してあり、この場合、斜め面取り部11に代えて、曲率半径rを備えた丸面取り部22が設けられている。ベルト5のこの他の構成は、図3に示した実施例の構成に相当するので、これに関する重複説明は省く。丸面取り部22を備えた本実施形態では、この移行領域にエッジはもはや残存せず、このことによって、丸面取り部22はラップウェブの縁部に対して、もっと損傷させないように作用する。但し、このような丸面取り部22の製作は、事情によっては製作費が幾分高くつく。既述のように、斜め面取り部11もしくは丸面取り部22は研削によって製作され得るか、または引張り層16の製作に際して、既に一緒に考慮される。
本発明は、実施例に示したベルト構造に限定されるものではなく、ベルト構造のその他全ての可能性も一緒に内包されている。この場合に肝要なことは、表面Oから側縁6への移行部においてエッジが折られているかもしくは面取りされていることにある。
本発明に従って構成されたベルトを備えた巻成装置の概略的な側面図である 図1に示したX−X線に沿った断面図である 斜め面取り部を備えた、図2によるベルト横断面の拡大部分図である 丸面取り部を備えたベルトの別の実施例の、図2によるベルト横断面の拡大部分図である。
符号の説明
1 巻成装置
3 巻成体
4 ラップウェブ
5 平ベルト
6 側縁
7 巻成サイドディスク
8 巻成サイドディスク
9 旋回アーム
10 巻管
11 斜め面取り部
12 装嵌部
13 装嵌部
14 緊張装置
15 アーム
16 引張り層
17 織布層
20 ゴム層
21 別の織布層
22 丸面取り部
R1 変向ローラ
R2 変向ローラ
R3 変向ローラ
R4 変向ローラ
R5 変向ローラ
S ベルトループ
KW カレンダローラ
D 回転軸線
D1 回転軸線
a 所定の間隔
B ラップウェブの幅
O 表面
α 面取り角
c 面取り間隔
r 曲率半径

Claims (7)

  1. ラップ巻成体(3)を生産するための巻成装置(1)用のベルトであって、前記巻成装置(1)においてラップ(4)が、循環するエンドレスなベルト(5)によって駆動される特に巻管状のコア(10)に巻き取られるようになっており、当該ベルト(5)が、当該ラップ巻成体(3)を形成する領域で、当該コア(10)に同軸的に配置された2つの巻成サイドディスク(7,8)間を案内されるようになっている形式のものにおいて、当該ベルト(5)が、横断面で見て複数の層(16,17,20,21)を有しており、当該ベルト(5)のエッジが、側縁(6)から、ラップ(4)を案内する表面(O)への移行部において、破断されて、面取り部(11,22)を備えており、当該面取り部が、当該ベルト(5)の長手方向に対して横方向で見て、0.2mm〜1.0mmであることを特徴とする、巻成装置用のベルト。
  2. 面取り部(11)が、層(16)の表面(O)に対して30°〜60゜の角度を成して延びている、請求項1記載のベルト。
  3. 面取り部(11,22)を備えた層(16)が、プラスチックから成っている、請求項1又は2記載のベルト。
  4. プラスチック層(16)が、互いに接合された多層のポリアミド層から成っている、請求項記載のベルト。
  5. エッジ(22)が丸く面取りされており、丸面取り部の曲率半径が0.2mm〜1.0mmである、請求項1記載のベルト。
  6. 当該ベルトが、引張り手段を備えた少なくとも1つの層を有している、請求項からまでのいずれか1項記載のベルト。
  7. 面取り部が研削によって製作されている、請求項からまでのいずれか1項記載のベルト。
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