JP4499197B2 - ディジタル信号符号化装置及び方法、復号化装置及び方法、並びに伝送方法 - Google Patents

ディジタル信号符号化装置及び方法、復号化装置及び方法、並びに伝送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルオーディオ信号等をビット圧縮し、暗号化した圧縮暗号化データの記録再生、及び、圧縮暗号化データの伝送系に関し、特に、時間と周波数について細分化し、圧縮された小ブロック毎に独立して暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現することが可能な、ディジタル信号を情報圧縮して記録若しくは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するディジタル信号処理装置及び/又は情報圧縮方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、先に、例えば特願平2−221364号、特願平2−221365号、特願平2−222821号、特願平2−222823号の各明細書及び図面等において、入力されたディジタルオーディオ信号をビット圧縮し、所定のデータ量を記録単位としてバースト的に記録するような技術を提案している。
【0003】
この技術は、記録媒体として光磁気ディスクを用い、いわゆるCD−I(CD−インタラクティブ)やCD−ROM XAのオーディオデータフォーマットに規定されているAD(適応差分)PCMオーディオデータを記録再生するものであり、このADPCMデータの例えば32セクタ分とインターリーブ処理のためのリンキング用の数セクタとを記録単位として、光磁気ディスクにバースト的に記録している。
【0004】
この光磁気ディスクを用いた記録再生装置におけるADPCMオーディオにはいくつかのモードが選択可能になっており、例えば通常のCDの再生時間に比較して、2倍の圧縮率でサンプリング周波数が37.8kHzの「レベルA」、4倍の圧縮率でサンプリング周波数が37.8kHzの「レベルB」、8倍の圧縮率でサンプリング周波数が18.9kHzの「レベルC」が規定されている。すなわち、例えば上記「レベルB」の場合には、ディジタルオーディオデータが略々1/4に圧縮され、この「レベルB」のモードで記録されたディスクの再生時間(プレイタイム)は、標準的なCDフォーマット(CD−DAフォーマット)の場合の4倍となる。これは、より小型のディスクで標準12cmと同じ程度の記録再生時間が得られることから、装置の小型化が図れることになる。
【0005】
ただし、ディスクの回転速度は標準的なCDと同じであるため、例えば上記「レベルB」の場合、所定時間当たりその4倍の再生時間分の圧縮データが得られることになる。このため、例えばセクタやクラスタ等の時間単位で同じ圧縮データを重複して4回読み出すようにし、そのうちの1回分の圧縮データのみをオーディオ再生にまわすようにしている。具体的には、スパイラル状の記録トラックを走査(トラッキング)する際に、1回転毎に元のトラック位置に戻るようなトラックジャンプを行って、同じトラックを4回ずつ繰り返しトラッキングするような形態で再生動作を進めることになる。これは、例えば4回の重複読み取りの内、少なくとも1回だけ正常な圧縮データが得られればよいことになり、外乱等によるエラーに強く、特に携帯用小型機器に適用して好ましいものである。
【0006】
さらに、本出願人は、効率良く、良好な圧縮を実現するためのビット割当手法を、特願平4−36952号の明細書及び図面等において提案している。この技術はビットの割当に際し、いわゆる臨界帯域(クリティカルバンド)等の各小ブロック中の代表値によって正規化、いわゆるブロックフローティングを施し、各小ブロック内の信号の大きさに依存したビット割り当てを、当該小ブロックの対応する帯域に応じて重み付けして行うというものである。この技術によれば各小ブロック内のスペクトルの大きさに極端なばらつきが生じない場合には、良好に圧縮を行うことが出来る。
【0007】
一方、特定者に対する通信あるいは配布内容の暗号化や認証等の手順については、例えば、
Data Encryption Standard, Federal Information Processing Standards Publication 46, National Bureau of Standards, U.S. Department of Commerce (1977)
で述べられているいわゆるDESや
Miyaguchi, S., Kurihara, S., Ohta, K. and Morita, H.: Expansion of FEAL Cipher, NTT Review, Vol.2, No.6, pp.117-127 (1990)で述べられているいわゆるFEAL等が提案され実用化されつつある。これらは一般には共通鍵暗号方式と呼ばれ、ある平文を送りたい送信者は、受信者と共有する暗号鍵で暗号化を行ない、暗号文を通信路に流すというものである。この暗号文は暗号鍵を共有している受信者のみが復号化が可能となり、秘匿性が保証されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の技術を応用してディジタルオーディオデータの圧縮を行ない、暗号化して記録メディア或は通信路を介して受信者に配布する場合において、複数の受信者に対して多数の情報を同時に配布して、受信者が選択的に復号化を行なうような場合あるいは、送信者が選択的に受信者毎に復号化を許可する場合を考慮すると、受信者が選択可能とするために暗号化されていない目次あるいは見本の如き情報の添付が必要となる。この時、受信者毎に情報を選択して暗号化して配布すれば、先に述べた暗号化されていない情報の添付は不要となるが、受信者の数が増加するにつれ、配布の際に膨大な作業量を必要とするようになる。
【0009】
さらに、受信者毎に品質、例えば、オーディオデータにおける再生帯域等の異なる情報を配布する様な場合においても、異なる品質毎に暗号化し、受信者毎に配布しなければならない。あるいは、各々の品質毎に暗号化した情報をすべてまとめて配布した場合、受信者毎に選択的に送信する必要は無くなるが、受信者に不必要な情報まで送信することになり、配布する情報量が多くなる為、配布効率の低下を生じる。特に通信路を介して情報を配布する場合には、大きな障害となりうる。
【0010】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、暗号化の範囲を全体あるいは部分的に選択が可能なディジタルオーディオデータの圧縮の手法を適用し、暗号化されていない情報の添付なしに選択的な復号化を可能とすると共に、異なる品質の情報を効率良く配布可能とし、且つ、複数の暗号化に対して同一の復号化装置で対応が可能なディジタル信号符号化装置及び方法、復号化装置及び方法、並びに伝送方法の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するために、入力ディジタル信号を符号化するディジタル信号符号化装置において、上記入力ディジタル信号を少なくとも周波数ついて細分化した小ブロックに分配するブロック分配手段と、上記細分化された小ブロック毎の圧縮のための割当ビット数を求めるビット配分算出手段と、上記ビット配分算出手段により割り当てられたビット数に応じた符号化を行う割当ビット符号化手段と、上記細分化された小ブロックの少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化を施す暗号化手段と、上記暗号化手段による暗号化を制御するための暗号鍵を周波数について細分化した小ブロック毎に独立して生成する暗号鍵制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
ここで、上記暗号化手段は、暗号化の範囲が選択可能であり、上記暗号鍵制御手段は、上記暗号化手段における暗号化範囲を選択制御することが挙げられる。
【0013】
また、上記入力ディジタル信号を時間と周波数について細分化した小ブロックに分配、圧縮し、時間と周波数について細分化した小ブロック毎に独立及び/又は、単独、或は、多重に暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現することが挙げられる。
【0014】
すなわち、上記小ブロックは、上記入力ディジタル信号を時間及び周波数について細分化したものであり、上記入力ディジタル信号の上記小ブロック毎に周波数軸上のスペクトルデータを得る直交変換手段を含むスペクトルデータ出力手段をさらに有して成ることが挙げられる。また、上記ビット配分手段は、上記スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求め、得られた許容ノイズスペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行うものであることが挙げられる。
【0015】
また、上記暗号化手段は、時間及び周波数の少なくとも一方について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化するものであり、上記暗号鍵制御手段は、該細分化された小ブロック毎に独立して暗号化するための暗号鍵を生成するものであることが挙げられる。あるいは、上記暗号化手段は、時間について細分化した小ブロックを多重に暗号化するための直列に接続された手段から成るものであり、上記暗号鍵制御手段は、該細分化された小ブロックを多重に暗号化するための暗号鍵を生成するものであることが挙げられる。
【0016】
さらに、上記ブロック分配手段は、入力信号に適応して情報圧縮のための処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワー、あるいはエネルギ又はピーク情報を基に、当該処理ブロックの時間的長さを決定する処理ブロック長決定手段を有して成ることが挙げられる。
【0017】
また、本発明に係る信号記録媒体は、上述のようにして符号化されたディジタル信号が記録されたものである。
【0018】
さらに、本発明に係るディジタル信号伝送方法は、上述のようにして符号化されたディジタル信号を伝送する工程を有するものである。
【0019】
上述のようにして符号化され、記録媒体あるいは伝送路を介して供給された符号化データは、同一の符号化データで、複数の暗号復号状態に応じた複数の再生品質を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るディジタル信号符号化装置及び方法、復号化装置及び方法、記録媒体、並びに伝送方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
先ず、図1は、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置の概略構成を示すブロック回路図であり、この図1のディジタル信号符号化装置は、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化方法が適用された装置でもある。
【0022】
この図1に示す本発明の実施の形態としてのディジタル信号符号化装置においては、暗号化技術を適用した高能率圧縮符号化を行っている。すなわち、オーディオPCM信号等の入力ディジタル信号を、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(ATC)、適応ビット割当て及び暗号鍵を用いての暗号化の各技術を用いて高能率符号化している。
【0023】
この図1において、入力端子200には、例えばオーディオPCM信号等のディジタル信号が入力されており、この入力ディジタル信号を時間及び周波数について細分化した小ブロックに分配するブロック分配手段として、例えば、QMF(Quadrature Mirrer Filter)201,202及びブロックサイズ決定回路206,207,208が設けられている。また、上記入力ディジタル信号は、周波数軸上のスペクトルデータを得るスペクトルデータ出力手段としての直交変換回路、例えばMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)回路203,204,205に送られて、それぞれMDCT処理される。ビット配分算出回路209は、上記細分化された小ブロック毎の圧縮のための割当ビット数を求め、適応ビット割当符号化回路210,211,212により、ビット配分算出回路209により割り当てられたビット数に応じた符号化を行う。暗号化手段としての暗号化回路219〜221,223〜225は、上記細分化された小ブロック対してそれぞれ暗号化を施す。暗号鍵制御回路222は、暗号化回路219〜221,223〜225による暗号化を制御するための暗号鍵を生成する。この場合、暗号鍵制御回路222は、暗号化回路219〜221,223〜225における暗号化を全て行うか一部についてのみ行うかの選択や、共通の暗号鍵を使うかそれぞれ異なる暗号鍵を使うかの制御や、時間経過に従って暗号化の状態を変化させる制御等を行う。
【0024】
ここで、この図1に示す本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置の詳細な説明に先立って、該符号化装置が用いられるディジタル信号処理装置としての圧縮データ記録及び/又は再生装置について、図2を参照しながら説明する。
【0025】
図2には、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置や復号化装置が用いられる圧縮データ記録及び/又は再生装置の一具体例として、光磁気ディスク記録再生装置の概略構成を示している。
【0026】
この図2に示す光磁気ディスク記録再生装置において、先ず記録媒体としては、スピンドルモータ51により回転駆動される光磁気ディスク1が用いられる。光磁気ディスク1に対するデータの記録時には、例えば、光学ヘッド53によりレーザ光を照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド54により印加することによって、いわゆる磁界変調記録を行い、光磁気ディスク1の記録トラックに沿ってデータを記録する。また再生時には、光磁気ディススク1の記録トラックを光学ヘッド53によりレーザ光でトレースして磁気光学的に再生を行う。
【0027】
光学ヘッド53は、例えば、レーザダイオード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品及び所定パターンの受光部を有するフォトディテクタ等から構成されている。この光学ヘッド53は、光磁気ディスク1を介して上記磁気ヘッド54と対向する位置に設けられている。光磁気ディスク1にデータを記録するときには、後述する記録系のヘッド駆動回路66により磁気ヘッド54を駆動して記録データに応じた変調磁界を印加すると共に、光学ヘッド53により光磁気ディスク1の目的トラックにレーザ光を照射することによって、磁界変調方式により熱磁気記録を行う。またこの光学ヘッド53は、目的トラックに照射したレーザ光の反射光を検出し、例えばいわゆる非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、例えばいわゆるプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出する。光磁気ディスク1からデータを再生するとき、光学ヘッド53は上記フォーカスエラーやトラッキングエラーを検出すると同時に、レーザ光の目的トラックからの反射光の偏光角(カー回転角)の違いを検出して再生信号を生成する。
【0028】
光学ヘッド53の出力は、RF回路55に供給される。このRF回路55は、光学ヘッド53の出力から上記フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出してサーボ制御回路56に供給するとともに、再生信号を2値化して後述する再生系のデコーダ71に供給する。
【0029】
サーボ制御回路56は、例えばフォーカスサーボ制御回路やトラッキングサーボ制御回路、スピンドルモータサーボ制御回路、スレッドサーボ制御回路等から構成される。上記フォーカスサーボ制御回路は、上記フォーカスエラー信号がゼロになるように、光学ヘッド53の光学系のフォーカス制御を行う。また上記トラッキングサーボ制御回路は、上記トラッキングエラー信号がゼロになるように光学ヘッド53の光学系のトラッキング制御を行う。さらに上記スピンドルモータサーボ制御回路は、光磁気ディスク1を所定の回転速度(例えば一定線速度)で回転駆動するようにスピンドルモータ51を制御する。また、上記スレッドサーボ制御回路は、システムコントローラ57により指定される光磁気ディスク1の目的トラック位置に光学ヘッド53及び磁気ヘッド54を移動させる。このような各種制御動作を行うサーボ制御回路56は、該サーボ制御回路56により制御される各部の動作状態を示す情報をシステムコントローラ57に送る。
【0030】
システムコントローラ57にはキー入力操作部58や表示部59が接続されている。このシステムコントローラ57は、キー入力操作部58による操作入力情報により指定される動作モードで記録系及び再生系の制御を行う。またシステムコントローラ57は、光磁気ディスク1の記録トラックからヘッダータイムやサブコードのQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報に基づいて、光学ヘッド53及び磁気ヘッド54がトレースしている上記記録トラック上の記録位置や再生位置を管理する。さらにシステムコントローラ57は、データ圧縮率と上記記録トラック上の再生位置情報とに基づいて表示部59に再生時間を表示させる制御を行う。
【0031】
この再生時間表示は、光磁気ディスク1の記録トラックからいわゆるヘッダータイムやいわゆるサブコードQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報(絶対時間情報)に対し、データ圧縮率の逆数(例えば1/4圧縮のときには4)を乗算することにより、実際の時間情報を求め、これを表示部9に表示させるものである。なお、記録時においても、例えば光磁気ディスク等の記録トラックに予め絶対時間情報が記録されている(プリフォーマットされている)場合に、このプリフォーマットされた絶対時間情報を読み取ってデータ圧縮率の逆数を乗算することにより、現在位置を実際の記録時間で表示させることも可能である。
【0032】
加えて、システムコントローラ57は、ATC(Adaptive Transform Coding )PCMエンコーダ63あるいは、ATCデコーダ73における暗号化、復号化(平分化)の為に、キー入力操作部58による操作入力情報により指定される暗号鍵の供給を行う。
【0033】
次に、この図2の光磁気ディスク記録再生装置の記録系において、入力端子60からのアナログオーディオ入力信号Ainがローパスフィルタ61を介してA/D変換器62に供給され、このA/D変換器62は上記アナログオーディオ入力信号Ainを量子化する。A/D変換器62から得られたディジタルオーディオ信号は、ATCエンコーダ63に供給される。また、入力端子67からのディジタルオーディオ入力信号Dinがディジタル入力インターフェース回路68を介してATCエンコーダ63に供給される。ATCエンコーダ63は、上記アナログオーディオ入力信号Ainを上記A/D変換器62により量子化した所定転送速度のディジタルオーディオPCMデータについて、ビット圧縮(データ圧縮)処理を行う。この際、システムコントローラ57より、暗号鍵の制御に必要な情報がATCエンコーダ63に供給される。ここではその圧縮率を4倍として説明するが、本実施の形態はこの倍率には依存しない構成となっており、応用例により任意に選択が可能である。
【0034】
次にメモリ64は、データの書き込み及び読み出しがシステムコントローラ57により制御され、ATCエンコーダ63から供給されるATCデータを一時的に記憶しておき、必要に応じてディスク上に記録するためのバッファメモリとして用いられている。すなわち、例えばATCエンコーダ63から供給される圧縮オーディオデータは、そのデータ転送速度が、標準的なCD−DAフォーマットのデータ転送速度(75セクタ/秒)の1/4、すなわち18.75セクタ/秒に低減されており、この圧縮データがメモリ14に連続的に書き込まれる。この圧縮データ(ATCデータ)は、前述したように4セクタにつき1セクタの記録を行えば足りるが、このような4セクタおきの記録は事実上不可能に近いため、後述するようなセクタ連続の記録を行うようにしている。この記録は、休止期間を介して、所定の複数セクタ(例えば32セクタ+数セクタ)から成るクラスタを記録単位として、標準的なCD−DAフォーマットと同じデータ転送速度(75セクタ/秒)でバースト的に行われる。すなわちメモリ14においては、上記ビット圧縮レートに応じた18.75(=75/4)セクタ/秒の低い転送速度で連続的に書き込まれたATCオーディオデータが、記録データとして上記75セクタ/秒の転送速度でバースト的に読み出される。この読み出されて記録されるデータについて、記録休止期間を含む全体的なデータ転送速度は、上記18.75セクタ/秒の低い速度となっているが、バースト的に行われる記録動作の時間内での瞬時的なデータ転送速度は上記標準的な75セクタ/秒となっている。従って、ディスク回転速度が標準的なCD−DAフォーマットと同じ速度(一定線速度)のとき、該CD−DAフォーマットと同じ記録密度、記憶パターンの記録が行われることになる。
【0035】
メモリ64から上記75セクタ/秒の(瞬時的な)転送速度でバースト的に読み出されたATCオーディオデータすなわち記録データは、エンコーダ65に供給される。ここで、メモリ64からエンコーダ65に供給されるデータ列において、1回の記録で連続記録される単位は、複数セクタ(例えば32セクタ)から成るクラスタ及び該クラスタの前後位置に配されたクラスタ接続用の数セクタとしている。このクラスタ接続用セクタは、エンコーダ65でのインターリーブ長より長く設定しており、インターリーブされても他のクラスタのデータに影響を与えないようにしている。
【0036】
エンコーダ65は、メモリ64から上述したようにバースト的に供給される記録データについて、エラー訂正のための符号化処理(パリティ付加及びインターリーブ処理)やEFM符号化処理などを施す。このエンコーダ65による符号化処理の施された記録データが磁気ヘッド駆動回路66に供給される。この磁気ヘッド駆動回路66は、磁気ヘッド54が接続されており、上記記録データに応じた変調磁界を光磁気ディスク1に印加するように磁気ヘッド54を駆動する。
【0037】
また、システムコントローラ57は、メモリ64に対する上述の如きメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ64からバースト的に読み出される上記記録データを光磁気ディスク2の記録トラックに連続的に記録するように記録位置の制御を行う。この記録位置の制御は、システムコントローラ57によりメモリ64からバースト的に読み出される上記記録データの記録位置を管理して、光磁気ディスク1の記録トラック上の記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回路56に供給することによって行われる。
【0038】
次に、この光磁気ディスク記録再生ユニットの再生系について説明する。この再生系は、上述の記録系により光磁気ディスク1の記録トラック上に連続的に記録された記録データを再生するためのものであり、光学ヘッド53によって光磁気ディスク1の記録トラックをレーザ光でトレースすることにより得られる再生出力がRF回路55により2値化されて供給されるデコーダ71を備えている。この時光磁気ディスクのみではなく、コンパクトディクス(CD)と同じ再生専用光ディスクの読み出しも行なうことができる。
【0039】
デコーダ71は、上述の記録系におけるエンコーダ65に対応するものであって、RF回路55により2値化された再生出力について、エラー訂正のための上述の如き復号化処理やEFM復号化処理などの処理を行いオーディオデータを、正規の転送速度よりも早い75セクタ/秒の転送速度で再生する。このデコーダ71により得られる再生データは、メモリ72に供給される。
【0040】
メモリ72は、データの書き込み及び読み出しがシステムコントローラ57により制御され、デコーダ71から75セクタ/秒の転送速度で供給される再生データがその75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれる。また、このメモリ72は、上記75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれた上記再生データが正規の75セクタ/秒の転送速度18.75セクタ/秒で連続的に読み出される。
【0041】
システムコントローラ57は、再生データをメモリ72に75セクタ/秒の転送速度で書き込むとともに、メモリ72から上記再生データを上記18.75セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出すようなメモリ制御を行う。また、システムコントローラ57は、メモリ72に対する上述の如きメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ72からバースト的に書き込まれる上記再生データを光磁気ディスク1の記録トラックから連続的に再生するように再生位置の制御を行う。この再生位置の制御は、システムコントローラ57によりメモリ72からバースト的に読み出される上記再生データの再生位置を管理して、光磁気ディスク1もしくは光ディスク1の記録トラック上の再生位置を指定する制御信号をサーボ制御回路56に供給することによって行われる。
【0042】
メモリ72から18.75セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出された再生データとして得られるATCオーディオデータは、ATCデコーダ73に供給される。このATCデコーダ73は、システムコントローラ57より供給される暗号鍵を用いて暗号の復号化を行い、且つ、ATCデータを4倍にデータ伸張(ビット伸張)することで16ビットのディジタルオーディオデータを再生する。このATCデコーダ73からのディジタルオーディオデータは、D/A変換器74に供給される。
【0043】
D/A変換器74は、ATCデコーダ73から供給されるディジタルオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ出力信号Aout を形成する。このD/A変換器74により得られるアナログオーデイオ信号Aout は、ローパスフィルタ75を介して出力端子76から出力される。
【0044】
ところで、この図2のエンコーダ63には、上記図1に示したようなディジタル信号符号化装置が用いられ、デコーダ73には、後述する図15に示すような本発明の実施の形態となるディジタル信号復号化装置が用いられる。
【0045】
ここで、図1に戻って、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び方法における暗号化技術を適用した高能率圧縮符号化について詳述する。すなわち、オーディオPCM信号等の入力ディジタル信号を、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(ATC)、適応ビット割当て及び暗号鍵を用いて暗号化を施す各技術を用いて高能率符号化する技術について説明する。
【0046】
図1に示す具体的な高能率符号化装置では、定常状態においては、入力ディジタル信号を複数の周波数帯域に分割すると共に、最低域の隣接した2帯域の帯域幅は同じで、より高い周波数帯域では高い周波数帯域ほどバンド幅を広く選定し、各周波数帯域毎に直交変換を行って、得られた周波数軸のスペクトルデータを、低域では、後述する人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯域幅(クリティカルバンド)毎に、中高域ではブロックフローティング効率を考慮して臨界帯域幅を細分化した帯域毎に、適応的にビット割当して符号化している。通常このブロックが量子化雑音発生ブロックとなる。このクリティカルバンドとは、人間の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、ある純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによって当該純音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯域のことである。このクリティカルバンドは、高域ほど帯域幅が広くなっており、上記0〜22kHZの全周波数帯域は例えば25のクリティカルバンドに分割されている。
【0047】
すなわち、図1において、入力端子200には例えばサンプリング周波数が44.1kHzの時、0〜22kHzのオーディオPCM信号が供給されている。この入力信号は、例えばいわゆるQMFフィルタ等の帯域分割フィルタ201により0〜11kHz帯域と11kHz〜22kHz帯域とに分割され、0〜11kHz帯域の信号は同じくいわゆるQMFフィルタ等の帯域分割フィルタ202により0〜5.5kHz帯域と5.5kHz〜11kHz帯域とに分割される。帯域分割フィルタ201からの11kHz〜22kHz帯域の信号は直交変換回路の一例であるMDCT回路203に送られ、帯域分割フィルタ202からの5. 5kHz〜11kHz帯域の信号はMDCT回路204に送られ、帯域分割フィルタ202からの0〜5.5kHz域の信号はMDCT回路205に送られることにより、それぞれMDCT処理される。
【0048】
ここで、上述した入力ディジタル信号を複数の周波数帯域に分割する手法としてのQMFフィルタは、
1976, R.E.Crochiere, Digital Coding of Speech In Subbands, Bell Syst. Tech. J. Vol.55,No.8 1976
に、述べられている。また、
ICASSP 83, Boston, Polyphase Quadrature Filters - A New Subband Coding Technique, Joseph H. Rothweiler
には等バンド幅のフィルタ分割手法が述べられている。この他、種々の方法により入力ディジタル信号を複数の周波数帯域に分割できる。
【0049】
さらに、上述した直交変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)でブロック化し、当該ブロック毎に高速フーリエ変換(FFT)、コサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波数軸に変換するような直交変換がある。上記MDCTについては、
ICASSP 1987, Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based On Time Domain Aliasing Cancellation, J.P.Princen, A.B.Bradley, Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. Of Tech.に述べられている。
【0050】
ここで、各MDCT回路203、204、205に供給する各帯域毎のブロックについての標準的な入力信号に対する具体例を図3に示す。この図3の具体例においては、3つのフィルタ出力信号は、各帯域ごとに独立に各々複数の直交変換ブロックサイズを持ち、信号の時間特性、周波数分布等により時間分解能を切り換えられる様にしている。信号が時間的に準定常的である場合には、直交変換ブロックサイズを11.6mS、すなわち、図3における(a)Long Mode と大きくし、信号が非定常的である場合には、直交変換ブロックサイズを更に2分割、4分割とする。図3における(b)Short Modeのように、すべてを4分割で2.9mSとする場合や、図3における(c)Middle Mode A 、(d)Middle Mode B のように、一部を2分割で5.8mS、1部を4分割で2.9mSの時間分解能とすることで、実際の複雑な入力信号に適応するようになっている。この直交変換ブロックサイズの分割は処理装置の規模が許せば、さらに複雑な分割を行なうと、より効果的なことは明白である。
【0051】
このブロックサイズの決定は図1におけるブロックサイズ決定回路206、207、208で決定され、該当ブロックのブロックサイズ情報としてMDCT回路203、204、205、適応ビット割当符合化回路210、211、212及び、暗号化回路219、220、221に伝送されると共に、直行変換の為の窓関数(ウィンドウ形状)も決定され、MDCT回路203、204、205に伝送される。
【0052】
次に、図4に、ブロックサイズ決定回路の一具体例の概略構成を表すブロック回路図を示す。ここでは図1におけるブロック決定回路206を例に挙げて説明する。
図1におけるQMF201の出力のうち、11kHz〜22kHzの出力は図4における入力端子401を介してパワー算出回路404に送られる。さらに、図1におけるQMF202の出力のうち、5.5kHz〜11kHzの出力は図4における入力端子402を介してパワー算出回路405へ、0〜5.5kHzの出力は図4における入力端子403を介してパワー算出回路406へとそれぞれ送られる。
【0053】
また、図1におけるブロックサイズ決定回路207、208は、図4における入力端子401、402、403へ入力される信号がブロックサイズ決定回路206の場合と異なるだけで、動作は同一である。各ブロックサイズ決定回路206、207、208におけるそれぞれの入力端子401、402、303はマトリクス構成となっており、すなわち、ブロックサイズ決定回路207の入力端子401には図1におけるQMF202の5.5kHz〜11kHzの出力が接続されており、同入力端子402には0〜5.5kHzの出力が接続されている。ブロックサイズ決定回路208についても、同様である。
【0054】
図4において、各パワー算出回路404、405、406は、入力された時間波形を一定時間、積分することによって、各周波数帯域のパワーを求めている。この際、積分する時間幅は上述の直交変換ブロックサイズのうち、最小時間ブロック以下である必要がある。また、上述の算出法以外、例えば直交変換ブロックサイズの最小時間幅内の最大振幅の絶対値あるいは振幅の平均値を代表パワーとして用いても同様の効果が得られる。パワー算出回路404の出力は変化分抽出回路408及びパワー比較回路409に、パワー算出回路405、406の出力はパワー比較回路409にそれぞれ送られる。変化分抽出回路408ではパワー算出回路404より送られたパワーの微係数を求めてパワーの変化情報として、ブロックサイズ1次決定回路410及びメモリ407へ送る。
【0055】
メモリ407では、変化分抽出回路408より送られたパワーの変化情報を上述の直交変換ブロックサイズの最大時間以上、蓄積する。これは時間的に隣接する直交変換ブロックが直交変換の際のウィンドウ処理により、互いに影響を与え合うため、時間的に隣接する1つ前のブロックのパワー変化情報をブロックサイズ1次決定回路410において必要とするためである。
【0056】
ブロックサイズ1次決定回路410では変化分抽出回路408より送られた該当ブロックのパワー変化情報とメモリ407より送られた時間的に隣接する該当ブロックの1つ前のブロックのパワー変化情報をもとに、該当する周波数帯域内のパワーの時間的変位から該当する周波数帯域の直交変換ブロックサイズを決定する。この際、一定以上の変位が認められた場合、より時間的に短い直交変換ブロックイサイズを選択するわけであるが、その変位点は固定でも効果は得られる。さらに周波数に比例した値、すなわち、周波数が高い場合は大きな変位によって時間的に短いブロックサイズとなり、周波数が低い場合は、高い場合のそれに比べ小さな変位で時間的に短いブロックサイズに決定されると、より効果的である。この値はなめらかに変化することが望ましいが、複数段階の階段状の変化であっても、構わない。以上のように決定されたブロックサイズはブロックサイズ修正回路411へ伝送される。
【0057】
一方、パワー比較回路409において、各パワー算出回路404、405、406より送られた各周波数帯域のパワー情報を同時刻及び時間軸上でマスキング効果の発生する時間幅で比較を行ない、パワー算出回路404の出力周波数帯域に及ぼす他の周波数帯域の影響を求め、ブロックサイズ修正回路411へ伝送する。ブロックサイズ修正回路411ではパワー比較回路409より送られたマスキング情報及びディレイ群412、413、414の各タップから送られた過去のブロックサイズ情報を基に、ブロックサイズ1次決定回路410より送られたブロックサイズをより時間的に長いブロックサイズを選択するよう修正をかけ、ディレイ412及びウィンドウ形状決定回路415へ出力している。ブロックサイズ修正回路411における作用は、該当周波数帯域においてプリエコーが問題となる場合でも、他の周波数帯域、特に該当周波数帯域より低い帯域において、大きな振幅を持つ信号が存在した場合、そのマスキング効果により、プリエコーが聴感上問題とならない、あるいは問題が軽減される場合があるという特性を利用している。
【0058】
なお、上記マスキングとは、人間の聴覚上の特性により、ある信号によって他の信号がマスクされて聞こえなくなる現象をいうものであり、このマスキング効果には、時間軸上のオーデイオ信号による時間軸マスキング効果と、周波数軸上の信号による同時刻マスキング効果とがある。これらのマスキング効果により、マスキングされる部分にノイズがあったとしても、このノイズは聞こえないことになる。このため、実際のオーデイオ信号では、このマスキングされる範囲内のノイズは許容可能なノイズとされる。
【0059】
次に、ディレイ群412、413、414では過去の直交変換ブロックサイズを順に記録しておき、各タップ、すなわち、ディレイ群412、413、414の出力より、ブロックサイズ決定回路411へ出力している。同時に、ディレイ412の出力は出力端子417へ、ディレイ群412、413の出力はウィンドウ形状決定回路415へ接続している。このディレイ群412、413、414からの出力はブロックサイズ修正回路411においてより長い時間幅でのブロックサイズの変化を該当ブロックのブロックサイズの決定に役立てる働き、例えば、過去頻繁により時間的に短いブロックサイズが選択されている場合は、時間的に短いブロックサイズの選択を増やし、過去において時間的に長いブロックサイズの選択がなされてない場合においては、時間的に長いブロックサイズの選択を増やす等の判断を可能としている。なお、このディレイ群はウィンドウ決定回路415及び出力端子417に必要なディレイ412、413を除けば、そのタップ数は装置の実際的な構成、規模により増減させて用いられる場合もある。
【0060】
ウィンドウ形状決定回路415ではブロックサイズ修正回路411の出力、すなわち、該当ブロックの時間的に隣接する1つ後のブロックサイズととディレイ412の出力、すなわち、該当ブロックのブロックサイズとディレイ413の出力、すなわち、該当ブロックの時間的隣接する1つ前のブロックサイズとから、上述の図1における各MDCT回路203、204、205において使用されるウィンドウの形状を決定し、出力端子416へ出力する。図4における出力端子417、すなわち、ブロックサイズ情報と出力端子416、すなわち、ウィンドウ形状情報が、図1におけるブロックサイズ決定回路206、207、208の出力として各部へ接続される。
【0061】
ここで、ウィンドウ形状決定回路415において決定されるウィンドウの形状について説明する。
図5に、隣接するブロックとウィンドウの形状の様子の具体例を示す。図5の(a)〜(c)より判るように、図中点線及び実線で示すように直交変換に使用されるウィンドウは時間的に隣接するブロックとの間で重複する部分があり、本実施の形態では、隣接するブロックの中心まで重複する形状を採用しているため、隣接するブロックの直交変換サイズによりウィンドウの形状が変化する。
【0062】
図6には上記ウィンドウ形状の詳細の具体例を示す。図6においてウィンドウ関数f(n)、g(n+N)は次式(1)を満たす関数として与えられる。
f(n)×f(L-1-n)=g(n)×g(L-1-n)
f(n)×f(n)+g(n)×g(n)=1 ・・・(1)
0≦n≦L−1
この式(1)におけるLは、隣接する変換ブロック長が同一であればそのまま変換ブロック長となるが、隣接する変換ブロック長が異なる場合は、より短いほうの変換ブロック長をLとし、より長い変換ブロック長をKとすると、ウィンドウが重複しない領域においては、次式(2)として与えられる。
f(n)=g(n)=1 K≦n≦3K/2-L/2
f(n)=g(n)=0 3K/2+L≦n≦2K ・・・(2)
この様にウィンドウの重複部分をできる限り長く取ることにより、直交変換の際のスペクトルの周波数分解能を良好なものとしている。
【0063】
以上の説明から明らかな様に、直交変換に使用するウィンドウの形状は時間的に連続する3ブロック分の直交変換サイズが確定した後、決定される。従って、図4における入力端子401、402、403から入力される信号のブロックと出力端子416、417から出力される信号のブロックは本実施の形態において1ブロック分の差異を生じている。
【0064】
また、図4におけるパワー算出回路405、406及びパワー比較回路409を省略しても図1におけるブロックサイズ決定回路206、207、208を構成することは可能である。さらに、ウィンドウの形状を直交変換ブロックの取りうる時間的に最小のブロックサイズに固定することによってその種類を1種類とし、図4におけるディレイ群412、413、414及びブロックサイズ修正回路411ならびにウィンドウ形状決定回路415を省略して構成することも可能である。特に、処理時間の遅延を好まない応用例においては上述の省略により遅延の少ない構成となり、有効に作用する。
【0065】
再び、図1において、各MDCT回路203、204、205にてMDCT処理されて得られた周波数軸上のスペクトルデータあるいはMDCT係数データは、適応ビット割当符号化回路210、211、213、及びビット配分算出回路209に伝送される。
【0066】
ビット配分算出回路209は、前述のクリティカルバンドを考慮して分割されたスペクトルデータに基づき、いわゆるマスキング効果等を考慮してクリティカルバンドを考慮した各分割帯域毎のマスキング量を求め、このマスキング量とクリティカルバンドを考慮した各分割帯域毎のエネルギあるいはピーク値等に基づいて、各帯域毎に割当ビット数を求め、適応ビット割当符号化回路210、211、212へ伝送している。適応ビット割当符号化回路210、211、212では各帯域毎に割り当てられたビット数に応じて各スペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を量子化している。このようにして符号化されたデータは、暗号化回路219、220、221に送られる。
【0067】
次に、図7は上記ビット割当算出回路209の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図7を用いてビット割当算出回路の作用について説明する。
【0068】
この図7において、入力端子701には、図1におけるMDCT回路203、204、205からの周波数軸上のスペクトルデータあるいはMDCT係数データが供給されている。この周波数軸上の入力データは、帯域毎のエネルギ算出回路702に送られて、上記マスキング量とクリティカルバンド及びブロックフローティングを考慮した各分割帯域のエネルギーが、例えば当該バンド内での各振幅値の総和を計算すること等により求められる。この各バンド毎のエネルギの代わりに、振幅値のピーク値、平均値等が用いられることもある。このエネルギ算出回路702からの出力として、例えば各バンドの総和値のスペクトルを図8にSBとして示している。ただし、この図8では、図示を簡略化するため、上記マスキング量とクリティカルバンド及びブロックフローティングを考慮した分割帯域数を12バンド(B1 〜B12)で表現している。
【0069】
ここで、上記スペクトルSBのいわゆるマスキングに於ける影響を考慮するために、該スペクトルSBに所定の重み付け関数を掛けて加算するような畳込み(コンボリユーション)処理を施す。このため、上記帯域毎のエネルギ算出回路702の出力すなわち該スペクトルSBの各値は、畳込みフイルタ回路703に送られる。該畳込みフイルタ回路703は、例えば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素子と、これら遅延素子からの出力にフイルタ係数(重み付け関数)を乗算する複数の乗算器(例えば各バンドに対応する25個の乗算器)と、各乗算器出力の総和をとる総和加算器とから構成されるものである。この畳込み処理により、図8中点線で示す部分の総和がとられる。
【0070】
ここで、上記畳込みフイルタ回路703の各乗算器の乗算係数(フイルタ係数)の一具体例を示すと、任意のバンドに対応する乗算器Mの係数を1とするとき、乗算器M−1で係数0.15を、乗算器M−2で係数0.0019を、乗算器M−3で係数0.0000086を、乗算器M+1で係数0.4を、乗算器M+2で係数0.06を、乗算器M+3で係数0.007を各遅延素子の出力に乗算することにより、上記スペクトルSBの畳込み処理が行われる。ただし、Mは1〜25の任意の整数である。
【0071】
次に、上記畳込みフイルタ回路703の出力は引算器704に送られる。該引算器704は、上記畳込んだ領域での後述する許容可能なノイズレベルに対応するレベルαを求めるものである。なお、当該許容可能なノイズレベル(許容ノイズレベル)に対応するレベルαは、後述するように、逆コンボリユーション処理を行うことによって、クリテイカルバンドの各バンド毎の許容ノイズレベルとなるようなレベルである。ここで、上記引算器704には、上記レベルαを求めるための許容関数(マスキングレベルを表現する関数)が供給される。この許容関数を増減させることで上記レベルαの制御を行っている。当該許容関数は、次に説明するような(n−ai)関数発生回路705から供給されているものである。
【0072】
すなわち、許容ノイズレベルに対応するレベルαは、クリテイカルバンドのバンドの低域から順に与えられる番号をiとすると、次の(3)式で求めることができる。
α=S−(n−ai) ・・・(3)
この(3)式において、n,aは定数でa>0、Sは畳込み処理されたバークスペクトルの強度であり、(3)式中(n−ai)が許容関数となる。本実施の形態では、
n=38,a=1 ・・・(4)
としており、この時の音質劣化はなく、良好な符号化が行えた。
【0073】
このようにして、上記レベルαが求められ、このデータは、割算器706に伝送される。当該割算器706では、上記畳込みされた領域での上記レベルαを逆コンボリユーションするためのものである。したがって、この逆コンボリユーション処理を行うことにより、上記レベルαからマスキングスペクトルが得られるようになる。すなわち、このマスキングスペクトルが許容ノイズスペクトルとなる。なお、上記逆コンボリユーション処理は、複雑な演算を必要とするが、本実施の形態では簡略化した割算器706を用いて逆コンボリユーションを行っている。
【0074】
次に、上記マスキングスペクトルは、合成回路707を介して減算器708に伝送される。ここで、当該減算器708には、上記帯域毎のエネルギ検出回路702からの出力、すなわち前述したスペクトルSBが、遅延回路709を介して供給されている。したがって、この減算器708で上記マスキングスペクトルとスペクトルSBとの減算演算が行われることで、図9示すように、上記スペクトルSBは、該マスキングスペクトルMSのレベルで示すレベル以下がマスキングされることになる。
【0075】
当該減算器708からの出力は、許容雑音補正回路710を介し、出力端子711を介して取り出され、例えば割当てビツト数情報が予め記憶されたROM等(図示せず)に送られる。このROM等は、上記減算回路708から許容雑音補正回路710を介して得られた出力(上記各バンドのエネルギと上記ノイズレベル設定手段の出力との差分のレベル)に応じ、各バンド毎の割当ビツト数情報を出力する。この割当ビツト数情報が図1における適応ビット割当符号化回路210、211、212に送られることで、図1におけるMDCT回路203、204、205からの周波数軸上の各スペクトルデータがそれぞれのバンド毎に割り当てられたビツト数で量子化されるわけである。
【0076】
すなわち要約すれば、図1における適応ビット割当符号化回路210、211、212では、上記マスキング量とクリテイカルバンド及びブロックフローティングを考慮した各分割帯域のエネルギと上記ノイズレベル設定手段の出力との差分のレベルに応じて割当てられたビツト数で上記各バンド毎のスペクトルデータを量子化することになる。なお、図7における遅延回路709は上記合成回路707以前の各回路での遅延量を考慮してエネルギ検出回路702からのスペクトルSBを遅延させるために設けられている。
【0077】
ところで、上述した合成回路707での合成の際には、最小可聴カーブ発生回路712から供給される図9に示すような人間の聴覚特性であるいわゆる最小可聴カーブRCを示すデータと、上記マスキングスペクトルMSとを合成することができる。この最小可聴カーブにおいて、雑音絶対レベルがこの最小可聴カーブ以下ならば該雑音は聞こえないことになる。この最小可聴カーブは、コーデイングが同じであっても例えば再生時の再生ボリユームの違いで異なるものとなるが、現実的なデジタルシステムでは、例えば16ビツトダイナミツクレンジへの音楽のはいり方にはさほど違いがないので、例えば4kHz付近の最も耳に聞こえやすい周波数帯域の量子化雑音が聞こえないとすれば、他の周波数帯域ではこの最小可聴カーブのレベル以下の量子化雑音は聞こえないと考えられる。したがって、このように例えばシステムの持つワードレングスの4kHz付近の雑音が聞こえない使い方をすると仮定し、この最小可聴カーブRCとマスキングスペクトルMSとを共に合成することで許容ノイズレベルを得るようにすると、この場合の許容ノイズレベルは、図10中の斜線で示す部分までとすることができるようになる。なお、本実施の形態では、上記最小可聴カーブの4kHzのレベルを、例えば20ビツト相当の最低レベルに合わせている。また、この図10は、信号スペクトルSSも同時に示している。
【0078】
また、上記許容雑音補正回路710では、補正情報出力回路713から送られてくる例えば等ラウドネスカーブの情報に基づいて、上記減算器708からの出力における許容雑音レベルを補正し、出力端子711を介して、図1における暗号化回路219、220、221に伝送している。ここで、等ラウドネスカーブとは、人間の聴覚特性に関する特性曲線であり、例えば1kHzの純音と同じ大きさに聞こえる各周波数での音の音圧を求めて曲線で結んだもので、ラウドネスの等感度曲線とも呼ばれる。またこの等ラウドネス曲線は、図10に示した最小可聴カーブRCと略同じ曲線を描くものである。この等ラウドネス曲線においては、例えば4kHz付近では1kHzのところより音圧が8〜10dB下がっても1kHzと同じ大きさに聞こえ、逆に、50Hz付近では1kHzでの音圧よりも約15dB高くないと同じ大きさに聞こえない。このため、上記最小可聴カーブのレベルを越えた雑音(許容ノイズレベル)は、該等ラウドネス曲線に応じたカーブで与えられる周波数特性を持つようにするのが良いことがわかる。このようなことから、上記等ラウドネス曲線を考慮して上記許容ノイズレベルを補正することは、人間の聴覚特性に適合していることがわかる。
【0079】
さらに、補正情報出力回路713では、上記適応ビット割当符号化回路210、211、212における量子化の際の出力情報量(データ量)の検出出力と、最終符号化データのビツトレート目標値との間の誤差の情報に基づいて、上記許容ノイズレベルを補正するようにしいる。これは、全てのビツト割当単位ブロツクに対して予め一時的な適応ビツト割当を行って得られた総ビツト数が、最終的な符号化出力データのビツトレートによって定まる一定のビツト数(目標値)に対して誤差を持つことがあり、その誤差分を0とするように再度ビツト割当をするものである。すなわち、目標値よりも総割当ビツト数が少ないときには、差のビツト数を各単位ブロツクに割り振って付加するようにし、目標値よりも総割当ビツト数が多いときには、差のビツト数を各単位ブロツクに割り振って削るように作用する。
【0080】
以上のような動作を行なうため、上記総割当ビツト数の上記目標値からの誤差を検出し、この誤差データに応じて補正情報出力回路713が各割当ビツト数を補正するための補正データを出力する。ここで、上記誤差データがビツト数不足を示す場合は、上記単位ブロツク当たり多くのビツト数が使われることで上記データ量が上記目標値よりも多くなっている場合を考えることができる。また、上記誤差データが、ビツト数余りを示すデータとなる場合は、上記単位ブロツク当たり少ないビツト数で済み、上記データ量が上記目標値よりも少なくなっている場合を考えることができる。したがって、上記補正情報出力回路713からは、この誤差データに応じて、上記減算器708からの出力における許容ノイズレベルを、例えば上記等ラウドネス曲線の情報データに基づいて補正させるための上記補正値のデータが出力されるようになる。上述のような補正値が、上記許容雑音補正回路710に伝送されることで、上記減算器708からの許容ノイズレベルが補正されるようになる。
【0081】
以上説明したようなシステムでは、メイン情報として直交変換出力スペクトを量子化処理したデ−タとサブ情報として量子化の語長を示すワ−ドレングスと直行変換のブロックサイズが得られ、図1における暗号化回路219、220、221、223、224、225に送られている。
【0082】
再び図1において、暗号化回路219は適応ビット割当符合化回路210より伝送される直行変換されたスペクトルないし、MDCT処理された係数を量子化したデータと量子化の語長を示すワードレングスを暗号鍵制御回路222より伝送される暗号化の為のデータ、いわゆる暗号鍵を用いて暗号化し、出力端子213に出力している。
【0083】
暗号化回路223はブロック決定回路206より伝送される直行変換のブロックサイズ情報を暗号鍵制御回路222より伝送される暗号化の為のデータ、いわゆる暗号鍵を用いて暗号化し、出力端子216に出力している。
【0084】
同様に、暗号化回路220は適応ビット割当符合化回路211、暗号鍵制御回路222より、暗号化回路221は適応ビット割当符合化回路212、暗号鍵制御回路222より、暗号化回路224はブロック決定回路207、暗号鍵制御回路222より、暗号化回路225はブロック決定回路208、暗号鍵制御回路222より、データを受け取り、出力端子214、215、217及び218にそれぞれ出力している。
【0085】
次に、図11は上記暗号化回路210、211、212、223、224、225の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図11を用いて暗号化回路の作用について説明する。
【0086】
図11は56ビットの暗号鍵を用いて、64ビット毎に入力されたデータを16段処理して暗号化している。図11における入力端子301は、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212又は、ブロック決定回路206、207、208の出力に接続しており、適応ビット割当符合化回路210、211、212より伝送される直行変換されたスペクトルないし、MDCT処理された係数を量子化したデータと量子化の語長を示すワードレングス又は、ブロック決定回路206、207、208より伝送される直行変換のブロックサイズ情報が伝送される。入力端子301より入力されたデータは、初期転値回路302によりビットの順序が入れ換えられた後、左右32ビットづつに分割される。続いてこの右32ビットx1は、F関数回路303で処理された後、左32ビットと排他的論理和回路319で排他的論理和され、左右の32ビットが入れ換えられて、次段に送られる。以下、同様の処理を16段繰り返す事で暗号化の処理を行っている。16段の処理が終了した左右32ビットのデータは、初期転置回路302の逆関数で構成される最終転置回路335にてビットの順を入れ換えられて、暗号文となり、出力端子336より出力される。
【0087】
また、図11における入力端子338は、図1における暗号鍵制御回路222の出力に接続されており、暗号化の為のいわゆる暗号鍵が入力される。この暗号鍵は、本実施の形態では56ビットの語長を持つものとしている。この入力端子338より入力された56ビットの暗号鍵は、鍵スケジュール部337において56ビットを768ビットに拡大され、各段につき48ビットづつ各F関数回路303〜318に転送される。
【0088】
ここで図12は図11におけるF関数回路303〜318の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図12を用いてF関数回路の作用について説明する。
【0089】
図12における入力端子501は、図11における鍵スケジュール部の出力に接続され、56ビットから768ビットに拡大された中の48ビットのデータkiがそれぞれ入力される。この48ビットのデータは、6ビットづつに分割され、排他論理和回路504〜511に入力されている。一方、図12における入力端子502より、図11において左右32ビットに分割されたデータの右32ビットデータXが入力され、同じく排他論理和回路504〜511に入力され、前述の6ビットデータと排他的論理和を施される。各排他的論理和回路504〜511の出力は置換表からなるS−BOX回路512〜519に入力される。この各S−box回路504〜511では、6ビットの入力を変換表に従って変換し、4ビットのデータを出力する。従って、8つのs−box回路512〜519より出力された合計32ビットのデータは、転置回路520に入力される。この転置回路520では、ビットの順序が入れ換えられて出力端子521より、F(x,k)として出力される。
【0090】
再び図1において、暗号鍵制御回路222は、図1における入力端子226を介して入力される、図1におけるシステムコントローラ57より伝送されるいわゆる暗号鍵と暗号化のための情報により、各暗号化回路219、220、221に必要な暗号鍵を生成して伝送している。ここで、上記暗号化のための情報としては、例えば、すべての適応ビット割当符合化回路の出力を同一の暗号鍵で暗号化する、適応ビット割当符合化回路210の出力のみ暗号化する、すべての適応ビット割当符合化回路の出力をすべて異なる暗号鍵で暗号化する、或は、特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可する等の選択制御情報が挙げられる。
【0091】
次に、図13は、図1における暗号鍵制御回路222の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図13を用いて暗号鍵制御回路の作用について説明する。
【0092】
図13における入力端子601は、図1における入力端子226に接続されており、図1におけるシステムコントローラ57より伝送されるいわゆる暗号鍵と暗号化のための情報が入力される。暗号化のための情報としては、例えば、すべての適応ビット割当符合化回路の出力を同一の暗号鍵で暗号化する、適応ビット割当符合化回路210の出力のみ暗号化する、すべての適応ビット割当符合化回路の出力をすべて異なる暗号鍵で暗号化する、或は、特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可する等の情報が挙げられる。このような情報の中、いわゆる暗号鍵ならびに特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可する等の情報は、図13における暗号鍵生成回路602、603、604に入力される。本実施の形態では、便宜的に64ビットの語長で暗号鍵を表現されており、この暗号鍵生成回路602、603、604において、対応させる暗号復号化回路応じた56ビットの語長に変換され、スイッチ回路607〜615に転送されている。また、入力端子601より入力された暗号化の為の情報は、図13における暗号鍵生成回路606に入力され、1ビット単位の信号に復号され各暗号鍵生成回路602、603、604の出力並びに、空鍵生成回路605の出力と出力端子619、620、621に接続されたスイッチ回路607〜618の切断の制御を行っている。また、空暗号鍵生成回路605は、図1における各暗号化回路219、220、221、223、224、225における出力が、入力されるデータと同一の出力が得られるような暗号鍵をスイッチ回路616、617、618に出力している。スイッチ回路607〜618では、暗号制御回路606より出力される制御データに従って、入力されたデータを選択的に出力端子619、620、621に接続している。出力端子619は図1における暗号化回路219、225に、出力端子620は図1における暗号化回路220、224に、出力端子621は図1における暗号化回路221、225に接続されている。
【0093】
ここで、スイッチ回路607〜618の作用について説明する。例えば、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212ならびに、ブロック決定回路206、207、208の出力全て、すなわち全ての帯域のデータの暗号化を実施しない場合には、スイッチ回路616、617、618が接続する様に制御され、他のスイッチ回路は接続しない様に制御される事によって、出力回路619、620、621より、暗号化されない、いわゆる空の暗号鍵が出力される。また、図1における適応ビット割当符合化回路212ならびに、ブロック決定回路208の出力、すなわち高域(11kHz〜22kHz)のデータのみ暗号化する場合には、スイッチ回路607、617、618が接続する様に制御される。同様に図1における適応ビット割当符合化回路211、212ならびに、ブロック決定回路207、208の出力、すなわち中高域(5.5kHz〜11kHz、11kHz〜22kHz)のデータを暗号する場合において、異なる暗号鍵を用いて暗号化を行う場合には、スイッチ回路607、611、618が、同一の暗号鍵を用いる場合には、スイッチ回路607、608、618ないし、610、611、618あるいは、613、614、618が接続する様に制御される。さらに、全ての帯域のデータを暗号化する場合において、同一の暗号鍵で暗号化する場合には、スイッチ回路607、608、609ないし、610、611、612あるいは613、614、615が、全ての帯域のデータを全て異なる暗号鍵で暗号化する場合には、スイッチ回路607、611、615が接続されるように制御される。この様にスイッチ回路607〜618を制御する事によって高能率符合化における分割された帯域と暗号化の全ての組合せを実現可能としている。
【0094】
次に、図14に本実施の形態で高能率符合化ならびに暗号化処理を行った後のビットストリームの具体例を示す。この図14を用いて本実施の形態の符合化の作用について説明する。
【0095】
図14では、(A)において全て平文、(B)において高域のみ暗号化、(C)において中高域を暗号化、並びに、(D)において全帯域を暗号化した場合のビットストリームの例を示している。
【0096】
図14(A)に示す様に、暗号化を行わず全て平文とした場合、低中高各々の直交変換出力スペクトルを量子化処理した、いわゆるメインデ−タと、量子化の語長を示すワ−ドレングスと直行変換のブロックサイズ等を表す、いわゆるサブ情報とが記録あるいは伝送される。すなわち、メイン情報としては、低域メイン情報711、中域メイン情報721、高域メイン情報731があり、サブ情報としては、低域サブ情報712、中域サブ情報722、高域サブ情報732がある。この(A)の場合、復号化する際は、該当帯域のサブデータを用いて、後述のデコーダでの手順にしたがって該当帯域のメイン情報を復号化する。
【0097】
これに対して、図14(B)に示す様に、高域のメインデータのみ暗号化された場合には、高域のサブ情報が記録されるべき部分には、高域のメイン情報が無効となるような疑似高域サブ情報735が書き込まれ、実際の高域サブ情報は、高域メイン情報と共に暗号化されて、高域メイン情報の部分に書き込まれる。すなわち、元の高域メイン情報の領域には、暗号化された高域メイン情報733と暗号化された高域サブ情報734とが書き込まれる。
【0098】
従って、暗号を平文化する手段を持ち得ない受信者、あるいは、暗号を平文化する為の暗号鍵を持たない受信者は、低中域のデータ(0kHz〜11kHz)のみ、復号が可能となる。この際、高域のメイン情報が暗号化されている為、前述の受信者には復号化の為の有意情報とはなり得ないが、高域のメイン情報を無効とする疑似高域サブ情報735の作用により、低中域情報の復号化に支障をきたす事が無い。また、この様に、本来あるはずの高域のデータが復号されない場合、理論的には図1におけるQMF回路201、202において帯域分割時に発生した折り返し雑音が合成時に打ち消されなくなるが、本具体例において折り返し雑音が復号化した音声情報の品質を著しく損なうことは無かった。
【0099】
また、図14(B)に示す様に高域のみ暗号化された場合において、受信者が暗号の平文化の手段を持ち、且つ、暗号を平文化する為の暗号鍵を持つ場合には、図14(B)に示す暗号化された部分に記録されているデータを平分化し、全ての帯域データの復号化が可能となる。
【0100】
以上の構成によれば、暗号を平分化する為の手段、あるいは平分化する為の暗号鍵を持たない受信者が、部分的にデータの復号化をした後、発信者に暗号を平分化する為の手段、あるいは平分化する為の暗号鍵を請求し入手した場合でも、改めて、暗号化された高能率符合化データを転送する事無しに、先に入手した部分的に暗号化された高能率符合化データを平文化し復号する事が可能である。
【0101】
次に、図14(C)は、中高域のデータを暗号化した場合を示し、元の高域メイン情報及び中域メイン情報の領域には、暗号化された高域メイン情報733、暗号化された高域サブ情報734、暗号化された中域メイン情報723、暗号化された中域サブ情報724がそれぞれ配置され、元の高域及び中域のサブ情報の領域には、疑似高域サブ情報735、疑似中域サブ情報725がそれぞれ配置されている。
【0102】
この図14の(C)の例のように、中高域のデータを暗号化した場合においても、前述の(B)の場合と同様な作用効果がある。加えて、この(C)に示すような構成では、中域データを暗号化する暗号鍵と高域データを暗号化する暗号鍵を異なるものとする事が可能で、この場合には、情報の発信者がより多くの選択肢、すなわち、一つの暗号化した高能率符号化データのみで、低域のみ復号化が可能、低中域の復号化が可能、全ての帯域の復号化が可能と言う選択を受信者に提供可能となる、あるいは、一つの暗号化した高能率符号化データのみで、受信者の所有する暗号を平分化する為の暗号鍵に応じて復号化した際の音声データの品質を指定して配送が可能となる。
【0103】
さらに、図14(D)に示す例では、全帯域のデータを暗号化しており、元のメイン情報の領域には、暗号化された高域メイン情報733、暗号化された高域サブ情報734、暗号化された中域メイン情報723、暗号化された中域サブ情報724、暗号化された低域メイン情報713、暗号化された低域サブ情報714がそれぞれ配置され、元の高域及び中域のサブ情報の領域には、疑似高域サブ情報735、疑似中域サブ情報725、疑似低域サブ情報715がそれぞれ配置されている。
【0104】
この図14(D)に示すような全帯域を暗号化する場合には、暗号を平文化する手段を持ち得ない受信者、あるいは、暗号を平文化する為の暗号鍵を持たない受信者は、復号化が不可能となる点が前述の場合と異なる点であるが、暗号化と高能率符合化における暗号鍵と音声データの復号化品質との組合せは、より多く得られる事となる。すなわち、一つの暗号化した高能率符合化データのみで、復号化が不可能、低域のみ符合化が可能、低中域の符合化が可能、全ての帯域の復号化が可能と言う選択を受信者に提供可能となる、あるいは、一つの暗号化した高能率符合化データのみで、受信者の所有する暗号を平分化する為の暗号鍵に応じて復号化した際の音声データの品質、あるいは復号化不可能を指定して配送が可能となる。
【0105】
同様に、本実施の形態においては、図1におけるMDCT回路203、204、205は、同図QMF回路201、202の出力を512サンプル毎に直行変換しており、先の暗号化を施す際にもこの時間的に分割された小ブロック毎に制御可能な事は明白である。従って、本実施の形態によれば、圧縮データの先頭から、所定の時間分のみ、平文とし、一定時間経過後、暗号化された圧縮暗号化データも作成可能である。
【0106】
これは、例えば元の入力信号をオーディオ信号とする場合に、複数の曲の先頭部分のみを平文とし、残りの部分の少なくとも一部の周波数帯域を暗号化して記録されたディスク等の信号記録媒体を頒布することが考えられる。この場合、聴取者は、希望する曲について代金を払って暗号鍵を入手することで、その曲全体を良好な音質で再生することができる。このような信号記録媒体を作成する際には、曲の演奏の時間経過に伴って、暗号鍵と暗号化のための情報を変化させて、上記図1の入力端子226に供給するようにすればよい。
【0107】
すなわち、上述した本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置あるいは方法により圧縮符号化されたディジタル信号は、光磁気ディスク、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等の記録媒体に記録することで、本発明の実施の形態となる信号記録媒体を得ることができる。
【0108】
また、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号伝送方法は、上述した実施の形態となるディジタル信号符号化装置あるいは方法により圧縮符号化されたディジタル信号を伝送することで実現できる。
【0109】
次に、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号復号装置及び方法の具体例について、図15を参照しながら説明する。
【0110】
図15は、上記図1に示すディジタル信号符号化装置に対応するディジタル信号復号化装置の一例を示し、例えば図2におけるATCデコーダ73として用いることができる。すなわち、図15は、上述の図1のディジタル信号符号化装置により暗号化かつ、高能率符号化された信号を再び復号化するための復号回路を示している。
【0111】
この図15において、各帯域の量子化され、暗号化されたMDCT係数ならびに、同様に暗号化された量子化の語長を示すワ−ドレングス、すなわち、図1における出力端子213、214、215の出力信号と等価のデータが、入力端子117、118、119を介して、暗号復号回路109、110、111に入力され、暗号化された直行変換のブロックサイズデータのが、入力端子120、121、122を介して、暗号復号回路112、113、114に入力される。
【0112】
ここで図16は、図15における暗号復号回路109〜114の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図16を用いて暗号復号回路の作用について説する。
【0113】
図16に示すように本実施の形態における暗号復号回路の手順は、図11に示す暗号化回路の一具体例と同等のものである。図11と図16における相違点は、図16における鍵スケジュール部837よりF関数回路803〜818に出力される48ビットのデータの順が図11における鍵スケジュール部337より出力されるデータと逆の順となっている点と、図11における初期転置回路302の作用が図16における最終転置回路835に、図11における最終転置回路335の作用が図16における初期転置回路802に置き換えられている点である。従って、図16におけるF関数回路803〜818は、図11におけるF関数回路303〜318と同一の回路で構成されている。
【0114】
再び、図15において、入力端子123を介して、図1におけるシステムコントローラ57より伝送されるいわゆる暗号復号の為の暗号鍵と復号化の為の情報、例えば、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212の出力がすべて同一の暗号鍵で暗号化されている、図1における適応ビット割当符合化回路210の出力のみ暗号化されている、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212の出力がすべて異なる暗号鍵で暗号化されている、或は、特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可されている等の情報と暗号鍵表116に記載されている図1におけるATCデコーダ73に固有の暗号鍵データが暗号鍵制御回路115に入力されている。この暗号鍵制御回路115では、先の情報を元に各暗号復号回路109〜114に必要な暗号鍵を生成して伝送している。
【0115】
ここで図17は、図15における暗号鍵制御回路115の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。この図17を用いて暗号鍵制御回路の作用について説明する。
【0116】
この図17における入力端子901は、図15における入力端子123に接続されており、図1におけるシステムコントローラ57より伝送されるいわゆる暗号を復号する為の暗号鍵と暗号復号化の為の情報、例えば、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212の出力が全て同一の暗号鍵で暗号化されている、図1における適応ビット割当符合化回路210の出力のみ暗号化されている、図1における適応ビット割当符合化回路210、211、212の出力が全て異なる暗号鍵で暗号化されている、或は、特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可されている等の情報が入力される。この情報の中、いわゆる暗号鍵ならびに特定の復号用鍵を持つ暗号復号化回路にのみ、暗号の復号を許可されている等の情報は図17における暗号鍵生成回路902、903、904に入力される。
【0117】
本実施の形態では、便宜的に64ビットの語長で暗号鍵を表現されており、この暗号鍵生成回路902、903、904において、対応させる暗号復号化回路応じた56ビットの語長に変換され、スイッチ回路907〜915に転送されている。また、入力端子901より入力された暗号復号化の為の情報は、図17における暗号鍵生成回路906に入力され、1ビット単位の信号に復号され各暗号鍵生成回路902、903、904の出力並びに、空鍵生成回路905の出力と出力端子919、920、921に接続されたスイッチ回路907〜918の切断の制御を行っている。また、空暗号鍵生成回路905は、図15における各暗号復号回路109、110、111、112、113、114における出力が、入力されるデータと同一の出力が得られるような暗号鍵をスイッチ回路916、917、918に出力している。
【0118】
スイッチ回路907〜918では、暗号制御回路906より出力される制御データに従って、入力されたデータを選択的に出力端子919、920、921に接続している。出力端子919は図15における暗号復号回路109、112に、出力端子920は図15における暗号復号回路110、113に、出力端子921は図15における暗号復号回路111、114に接続されている。図17におけるスイッチ回路907〜918の作用は、図13におけるスイッチ回路607〜618と同等であり、スイッチ回路907〜918を制御する事によって高能率符合化における分割された帯域と暗号復号の全ての組合せを実現可能としている。
【0119】
再び、図15において、適応ビット割当復号化回路106、107、108では適応ビット割当情報を用いてビット割当を解除する。次に逆直交変換(IMDCT)回路103、104、105では周波数軸上の信号が時間軸上の信号に変換される。これらの部分帯域の時間軸上信号は、帯域合成フィルタ(IQMF)回路102、101により、全帯域信号に復号化される。
【0120】
以上説明したような本発明の実施の形態によれば、ディジタルオーディオデータの圧縮を行ない、暗号化して記録メディア或は通信路を介して受信者に配布する場合において、受信者が選択可能とするために暗号化されていない目次あるいは見本の如き情報の添付なしに、複数の受信者に対して多数の情報を同時に配布して、受信者が選択的に復号化を行なう、あるいは送信者が選択的に受信者毎に復号化を許可する事が可能となる。さらに、受信者毎に情報を選択して暗号化して配布する必要も無い為、受信者の数が増加しても、配布の際に膨大な作業量を必要としない。
【0121】
加えて、同一のデータの配布のみで、受信者毎に品質、例えば、オーディオデータにおける再生帯域等の異なる情報を配布する事が可能となる。従って、各々の品質毎に暗号化した情報をすべてまとめて配布する必要が無くなる為、配布する情報量を少なく出来き、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び方法を用いて圧縮符号化したデータを記録する媒体は、従来のものよりも記憶容量の有効利用が図れることになる。さらに、本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び方法を用いて圧縮符号化したデータを伝送する際には、従来のものよりも回線の利用効率を高めることが出来る。
【0122】
次に、上記図1に示したディジタル信号符号化装置の実施の形態とは異なる他の実施の形態となるディジタル信号符号化装置の具体例について、図18を参照しながら説明する。
【0123】
図18は、上記図1に示す実施の形態のビットレート圧縮符号化及び、暗号化に使用可能な高能率圧縮符号化エンコーダとは異なる他の実施の形態となるディジタル信号符号化装置の一具体例を示すブロック回路図である。
【0124】
この図18における各回路は、図1における同一の番号で示した各回路と同等のものである。ただし、図18における暗号化回路219、220、221は、図1における暗号化回路219、220、221と他の回路との接続が事なり、図18における暗号化回路219、220、221は直列に接続されている。従って、図14(B)に示すような高域の直交変換出力スペクトルを量子化処理したデータのみ、暗号化する場合、図18における暗号化回路221のみ有効となり、暗号化回路220、221は無効となるように暗号鍵制御回路222がコントロールする。同様に、全ての帯域の直交変換出力スペクトルを量子化処理したデータを同一の暗号鍵で暗号化する場合は、暗号化回路219、220、221が全て有効かつ、同一の暗号鍵が暗号鍵制御回路222よりコントロールされる。この様に、図18に示すATCエンコーダにおいても、本実施の形態の効果を実現できる。
【0125】
図19は、図18に示す高能率圧縮符合化エンコーダーに対応した高能率圧縮符号化デコーダの一具体例を示すブロック回路図である。この図19における各回路は、図15における同一の番号で示した各回路と同等のものである。ただし、図19における暗号復号回路109、110、111は、図18に示すATCエンコーダーに対応して、図15における相当する暗号復号回路と接続が異り、それぞれの暗号復号回路が直列に接続されている。さらに、先に図18の説明で述べたように、暗号鍵制御回路115の働きも、図18に対応して異なる。
【0126】
次に、図20は、上述した図15や図19に示したディジタル信号復号化装置における復号化処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0127】
この図20において、最初のステップ252で復号化しようとするデータ(符号化ディジタル信号)の読み込みを行い、次のステップ253で、復号化すべきデータの有無の判別を行う。復号化すべきデータが有り(YES)の場合には、ステップ254に進み、無し(NO)の場合には処理を終了する。ステップ254では、サブデータの有意性の判別を行い、サブデータが有意(YES)の場合には暗号化されていないことから、ステップ259以降の伸長復号化処理、すなわち情報圧縮の逆処理に相当する伸長処理を行う。ステップ254でNO、すなわちサブデータが有意でないと判別されたときには、ステップ255に進んで、暗号復号化のための暗号鍵の有無を判別する。ステップ255でNO、すなわち暗号鍵が無いと判別された場合、該当するデータの復号化は不可能であるため、時間的に次のブロックの復号化のために、上記ステップ252に戻る。一方、暗号鍵があるYESの場合には、ステップ256に進み、暗号鍵を読み込んで、次のステップ257により暗号復号を行う。次にステップ258により、上記図14のメイン領域の内の暗号化領域の部分に埋め込まれていたサブデータ(サブ情報)を復元し、圧縮符号化に対する伸長が可能なデータとし、ステップ259に進む。ステップ259では、先に述べたように、サブデータが有意の場合、すなわち該当ブロックが暗号化されていない場合と、上記ステップ255〜258により暗号を復号化された場合とについて、圧縮データの伸長を行い、ステップ260において伸長データの出力を行う。データ出力が終了すると、時間的に次のブロックの復号化を行うためにステップ252に戻る。
【0128】
以上説明した本発明の実施の形態は、一例を示すものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0129】
すなわち、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び/又は復号化装置は、入力信号を時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮する手段と、周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化する手段を有し、周波数について細分化し、圧縮された小ブロック毎に独立して暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現する手段を有するものである。
【0130】
また、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び/又は復号化装置は、入力信号を時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮する手段と、時間について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化する手段を有し、時間について細分化し、圧縮された小ブロック毎に独立して暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現する手段を有するものである。
【0131】
また、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び/又は復号化装置は、入力信号を時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮する手段と、周波数について細分化した小ブロックを多重に暗号化する為の直列に接続された手段を有し、周波数について細分化し、圧縮された小ブロックを単独、及び/又は多重に暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現する手段を有するものである。
【0132】
さらに、本発明に係る実施の形態となるディジタル信号符号化装置及び/又は復号化装置は、入力信号を時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮する手段と、時間について細分化した小ブロックを多重に暗号化する為の直列に接続された手段と、時間について細分化し、圧縮された小ブロックを単独、及び/又は多重に暗号化し、同一の圧縮暗号化情報で複数の暗号復号伸長状態を再現する手段を有するものである。
【0133】
ここで、上述した各実施の形態のディジタル信号符号化装置及び/又は復号化装置は、さらに次のような構成を有するようにしてもよい。
【0134】
すなわち、入力ディジタル信号に適応して情報圧縮のための処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワー、あるいはエネルギ又はピーク情報を基に、当該処理ブロックの長さを決定する処理ブロック長決定手段を設ける。入力信号に適応して情報圧縮の為の処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の入力信号により得られる入力信号の変化情報を基に当該処理ブロックの長さを決定する処理ブロック長決定手段を設ける。また、これら両処理ブロック長決定手段の両機能を合わせもつようにしてもよい。さらに、上記処理ブロック長決定手段は、処理ブロックの長さを決定する要素の決定に関与する割合を固定、あるいは入力信号に適応した割合及び/又は所定の割合(例えば2倍,4倍,8倍等)で併用若しくは単独で使用することが挙げられる。このような処理ブロック長決定手段は、図1のブロックサイズ決定回路206〜208等に相当する。
【0135】
また、入力信号は例えばオーディオ信号であり、高域程、少なくとも大部分の量子化雑音の発生をコントロールするブロックの周波数幅を広くしてゆくようにすることが挙げられる。
【0136】
また、本発明の実施の形態のディジタル信号符号化装置には、時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割に直交変換を用いる直交変換手段(図1のMDCT203〜205等)を設け、ディジタル信号復号化装置には、周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に逆直交変換を用いる逆直交変換手段(図15の逆直交変換回路103〜105等)を設け、上記直交変換における直交変換サイズの可変と共に当該直交変換時に使用する窓関数の形状も変化させる直交変換サイズ及び窓関数形状可変手段とを設けるようにすることも挙げられる。このとき、上記時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割の際には、先ず複数の帯域に分割し、当該分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロックを形成し、各帯域のブロック毎に直交変換を行い係数データを得、及び/又は、上記周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換の際には、周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に各帯域のブロック毎に逆直交変換を行い、各逆直交変換出力を合成して時間軸上の合成信号を得る。また、直交変換前の時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割における分割周波数幅及び/又は逆直交変換後の周波数軸上の複数の帯域から時間軸信号への合成における複数の帯域からの合成周波数幅を、略高域程広くする。前記分割周波数幅及び/又は前記合成周波数幅を最低域の連続した2帯域で同一とする。さらに、上記ビット割当の際には、略信号通過帯域以上の帯域の信号成分に対する圧縮符号のメイン情報及び/又はサブ情報を割り当てないようしてもよい。なお、前記複数の帯域への分割及び/又は前記複数の帯域からなる時間軸上の信号への変換にクワドラチャ・ミラー・フィルタ(QMF)を用いることが、また、直交変換としては、変更離散コサイン変換(MDCT)を用いることが挙げられる。
【0137】
さらに、上記処理ブロックの入力信号の変化を基に処理ブロックの時間的長さを決定する際には、その境界値が入力信号の振幅、周波数に応じて可変とする。上記処理ブロックの入力信号の変化を基に処理ブロックの時間的長さを決定する境界値が入力信号の振幅、周波数に応じて複数の階段状の値をとる。上記外の処理ブロックの信号が前記処理ブロックの信号に及ぼす聴覚上の特性を周波数軸上のスペクトル及び/又は直交変換係数のエネルギ及び/又はパワー又はピーク情報を用いて計算し、当該処理ブロックの時間的長さの決定を行うようにする。上記外の処理ブロックの信号が前記処理ブロックの信号に及ぼす聴覚上の特性を計算する際に用いる周波数軸上のスペクトル及び/又は直交変換係数を、圧縮のためのビットの割当及び/又は直交変換係数と共用する。さらに、本発明のディジタル信号処理装置は、上記境界値を入力信号の振幅,周波数に応じて可変する機能と、聴覚上の特性をスペクトル,エネルギ,パワー,ピーク情報を用いて計算して処理ブロックの時間的長さを決定する機能を合わせもつようにしてもよい。またさらに、上記処理ブロックの入力信号の変化を基に処理ブロックの時間的長さを決定する際には、入力信号の周期的変化、及び/又は繰り返しのパルス又は周期的特徴を基にした判断を行うようにしてもよい。
【0138】
また、本発明に係る信号記録媒体の実施の形態としては、上述したディジタル信号符号化装置や方法により圧縮符号化されたディジタル信号を記録したものを挙げることができる。
【0139】
さらに、本発明に係るディジタル信号伝送方法としては、上述したディジタル信号符号化装置や方法により圧縮符号化されたディジタル信号を伝送することが挙げられる。
【0140】
このような本発明の実施の形態によれば、ディジタルオーディオ信号等の圧縮を行ない、暗号化して記録メディア或は通信路を介して受信者に配布する場合において、受信者が選択可能とするために暗号化されていない目次あるいは見本の如き情報の添付なしに、複数の受信者に対して多数の情報を同時に配布して、受信者が選択的に復号化を行なう、あるいは送信者が選択的に受信者毎に復号化を許可する事が可能となる。さらに、受信者毎に情報を選択して暗号化して配布する必要も無い為、受信者の数が増加しても、配布の際に膨大な作業量を必要としない。
【0141】
加えて、同一のデータの配布のみで、受信者毎に品質、例えば、オーディオデータにおける再生帯域等の異なる情報を配布する事が可能となる。従って、各々の品質毎に暗号化した情報をすべてまとめて配布する必要が無くなる為、配布する情報量を少なくでき、本発明の実施の形態を用いて成るディジタル信号処理装置で圧縮したデータを記録する媒体は、従来のものよりも記憶容量の有効利用が図れることになる。さらに、本発明の実施の形態を用いたディジタル信号処理装置で圧縮したデータを伝送する経路は、従来のものよりも回線の利用効率を高めることができる。
【0142】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、上記の記録再生媒体と信号圧縮装置あるいは伸張装置と、さらには、信号圧縮装置と伸張装置とは一体化されている必要はなく、記録媒体を介せずに、その間をデータ転送用回線や光ケーブル,光あるいは電波による通信等で結ぶ事も可能である。更に例えば、オーデイオPCM信号のみならず、ディジタル音声(スピーチ)信号やディジタルビデオ信号等の信号処理装置にも適用可能である。
【0143】
また、本発明の実施の形態となる信号記録媒体としては、上述した光磁気ディスクのみならず、光ディスク、磁気ディスク、ICメモリ及びそのメモリを内蔵するカードや、磁気テープ等の各種記録媒体とすることもできる。
【0144】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係るディジタル信号符号化装置及び方法によれば、入力ディジタル信号を時間及び周波数の少なくとも一方について細分化した小ブロックに分配し、周波数軸上のスペクトルデータを得、上記細分化された小ブロック毎の圧縮のための割当ビット数を求め、該割当ビット数に応じた符号化を行い、上記細分化された小ブロックの少なくとも一部に対して暗号化を施すと共に、該暗号化を制御するための暗号鍵を生成しているため、同一の符号化データを用いて、複数の暗号復号状態に応じた複数の再生品質の再生信号を得ることができる。
【0145】
これは特に、上記暗号化の際の暗号化範囲や暗号鍵を選択可能とし、暗号鍵や時間経過等に従って暗号化を制御することにより、符号化されたデータを復号する際に、暗号鍵によって復号可能な周波数帯域を異ならせたり、時間経過に伴って復号可能な範囲を変化させたりすることができる。
【0146】
従って、ディジタル信号の圧縮や暗号化を行って得られた符号化データを、記録媒体や通信路を介して受信者に配布する場合に、目次や見本のような情報を別途添付することなしに、複数の受信者に対して同一の情報を同時に配布して、受信者が選択的に復号化を行なうことが可能となり、また送信者で選択的に受信者を指定して復号化を許可することが可能となる。さらに、受信者毎に情報を選択して暗号化して配布する必要も無いため、受信者の数が増加しても、配布の際に膨大な作業量を必要としない。
【0147】
さらに、同一のデータのみで、受信者毎に品質の異なる情報を配布することが可能となる。従って、各々の品質毎に暗号化した情報をそれぞれ配布する必要が無くなるため、配布する情報量を少なくでき、符号化データの記録媒体としては、従来のものよりも記憶容量の有効利用が図れることになり、データ伝送の際には、従来のものよりも回線の利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのディジタル信号符号化装置の具体例の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の実施の形態となるディジタル信号符号化装置が用いられたディジタル信号処理装置としての圧縮データ記録及び/又は再生装置の一具体例の概略構成を示すブロック回路図である。
【図3】ビット圧縮の際の直交変換ブロックの構造を表す図である。
【図4】直交変換ブロックサイズを決定する回路の構成例を示すブロック回路図である。
【図5】時間的に隣接する直交変換ブロックの時間的長さの変化と直交変換時に用いるウィンドウ形状の関係を示す図である。
【図6】直交変換時に用いるウィンドウの形状の具体例を示す図である。
【図7】ビット配分演算機能を実現する畳込み演算を利用したビット配分算出回路の例を示すブロック回路図である。
【図8】各臨界帯域及びブロックフロ−ティングを考慮して分割された帯域のスペクトルを示す図である。
【図9】マスキングスペクトルを示す図である。
【図10】最小可聴カーブ、マスキングスペクトルを合成した図である。
【図11】暗号化を実現する16段のF関数処理を行う暗号化回路の例を示すブロック回路図である。
【図12】暗号化を実現する際に用いるF関数の具体的処理内容を示すブロック回路図である。
【図13】暗号化を実現する際に用いる暗号鍵の生成と制御を行う暗号鍵制御回路の例を示すブロック回路図である。
【図14】本実施の形態により、暗号化、高能率符合化されたデータのビットストリームの例を示す図である。
【図15】図2に示すディジタル信号符号化装置に対応したディジタル信号復号化装置の実施の形態の一具体例を示すブロック回路図である。
【図16】暗号復号化を実現する16段のF関数処理を行う暗号復号化回路の例を示すブロック回路図である。
【図17】暗号復号化を実現する際に用いる暗号復号鍵の生成と制御を行う暗号鍵制御回路の例を示すブロック回路図である。
【図18】図1の実施の形態と異なる他の実施の形態のディジタル信号符号化装置の一具体例を示すブロック回路図である。
【図19】図18に示すディジタル信号符号化装置に対応したディジタル信号復号化装置の実施の形態の一具体例を示すブロック回路図である。
【図20】本発明の実施の形態のディジタル信号復号化装置の復号化処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク、 53 光学ヘッド、 54 磁気ヘッド、 56 サーボ制御回路、 57 システムコントローラ、 61,75 LPF、 6、A/D変換器、 63 ATCエンコーダ、 64,72 メモリ、 65 エンコーダ、 66 磁気ヘッド駆動回路、 71 デコーダ、 73 ATCデコーダ、 74 D/A変換器、 101,102 帯域合成フィルタ(IQMF)、 103,104,105 逆直交変換回路(IMDCT)、 106,107,108 適応ビット割当復号化回路、 109〜114 暗号復号回路、 115 暗号鍵制御回路、 116 暗号鍵表、 201,202 帯域分割フィルタ、 203,204,205 直交変換回路(MDCT)、 206,207,208 ブロック決定回路、 209 ビット配分算出回路、 210,211,212 適応ビット割当符号化回路、 219,220,221暗号化回路、 222 暗号鍵制御回路、 223,224,225 暗号化回路、 302 初期値転置回路、 303〜318 F関数回路、 319〜334 排他的論理和回路、 335 最終値転置回路、 337 鍵スケジュール部、 404,405,406 パワー算出回路、 407 メモリ、 408 変化分抽出回路、 409 パワー比較回路、 410 ブロックサイズ1次決定回路、 411 ブロックサイズ修正回路、 412,413,414ディレイ群、 415 ウィンドウ形状決定回路、 503 拡大転置回路、504〜511 排他的論理和回路、 512〜519 S−BOX回路、 520 転置回路、 602,603,604 暗号鍵生成回路、 605 空暗号鍵生成回路、 606 暗号鍵制御回路、 607〜618 スイッチ回路、 702 帯域毎エネルギー算出器、 703 畳込みフィルタ、 704 加算器、 705 関数発生器、 706,708 減算器、 707 合成器、 709 遅延回路、 710 許容雑音補正器、 712 最小可聴カーブ発生器、 713 補正情報出力器、 802 初期値転置回路、 803〜818 F関数回路、 819〜834 排他的論理和回路、 835 最終値転置回路、 837 鍵スケジュール部、 902,903,904 暗号鍵生成回路、 905 空暗号鍵生成回路、 906 暗号鍵制御回路、 907〜918 スイッチ回路

Claims (17)

  1. 入力ディジタル信号を符号化するディジタル信号符号化装置において、
    上記入力ディジタル信号を少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配するブロック分配手段と、
    上記細分化された小ブロック毎の圧縮のための割当ビット数を求めるビット配分算出手段と、
    上記ビット配分算出手段により割り当てられたビット数に応じた符号化を行う割当ビット符号化手段と、
    上記細分化された小ブロックの少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化を施す暗号化手段と、
    上記暗号化手段による暗号化を制御するための暗号鍵を周波数について細分化した小ブロック毎に独立して生成する暗号鍵制御手段とを有すること
    を特徴とするディジタル信号符号化装置。
  2. 上記暗号化手段は、暗号化の範囲が選択可能であり、上記暗号鍵制御手段は、上記暗号化手段における暗号化範囲を選択制御すること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  3. 上記小ブロックは、上記入力ディジタル信号を時間及び周波数について細分化したものであり、
    上記入力ディジタル信号の上記小ブロック毎に周波数軸上のスペクトルデータを得る直交変換手段を含むスペクトルデータ出力手段をさらに有し、
    上記ビット配分手段は、上記スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求め、得られた許容ノイズスペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行うものであること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  4. 上記暗号化手段は、時間について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化するものであり、上記暗号鍵制御手段は、時間について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化するための暗号鍵を生成するものであること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  5. 上記暗号化手段は、周波数について細分化した小ブロックを多重に暗号化するための直列に接続された手段から成るものであり、上記暗号鍵制御手段は、周波数について細分化した小ブロックを多重に暗号化するための暗号鍵を生成するものであり、上記暗号化手段は、上記小ブロックを単独及び/又は多重に暗号化すること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  6. 上記暗号化手段は、時間について細分化した小ブロックを多重に暗号化するための直列に接続された手段から成るものであり、上記暗号鍵制御手段は、時間について細分化した小ブロックを多重に暗号化するための暗号鍵を生成するものであり、上記暗号化手段は、上記小ブロックを単独及び/又は多重に暗号化すること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  7. 上記ブロック分配手段は、入力信号に適応して情報圧縮のための処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワー、あるいはエネルギ又はピーク情報を基に、当該処理ブロックの時間的長さを決定する処理ブロック長決定手段を有して成ること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  8. 上記ブロック分配手段は、入力信号に適応して情報圧縮のための処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の入力信号により得られる入力信号の変化情報を基に当該処理ブロックの時間的長さを決定する処理ブロック長決定手段を有して成ること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  9. 上記ブロック分配手段は、入力信号に適応して情報圧縮の為の処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワー、あるいはエネルギ又はピーク情報を基に、該当処理ブロックの時間的長さを決定する機能、及び、入力信号に適応してその処理ブロックの時間的長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の入力信号により得られる入力信号の変化情報を基に当該処理ブロックの長さを決定する機能を、合わせもつ処理ブロック長決定手段を有して成ること
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  10. 上記処理ブロック長決定手段は、処理ブロックの時間的長さを決定する要素の決定に関与する割合を固定、あるいは入力信号に適応した割合及び/又は所定の割合で併用若しくは単独で使用すること
    を特徴とする請求項9記載のディジタル信号符号化装置。
  11. 上記入力信号はオーディオ信号であり、高域程、少なくとも大部分の量子化雑音の発生をコントロールするブロックの周波数幅を広くしてゆくこと
    を特徴とする請求項1記載のディジタル信号符号化装置。
  12. 上記スペクトルデータ出力手段は、時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割に直交変換を用いる直交変換手段と、上記直交変換における直交変換サイズの可変と共に当該直交変換時に使用する窓関数の形状も変化させる直交変換サイズ及び窓関数形状可変手段とを有すること
    を特徴とする請求項3記載のディジタル信号符号化装置。
  13. 上記記時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割の際には、先ず複数の帯域に分割し、当該分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロックを形成し、各帯域のブロック毎に直交変換を行い係数データを得ること
    を特徴とする請求項12記載のディジタル信号符号化装置。
  14. 入力ディジタル信号を符号化するディジタル信号符号化方法において、
    上記入力ディジタル信号を少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配する工程と、
    スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求める工程と、
    求めた許容ノイズスペクトルを少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当工程と、
    割り当てられたビット数に応じて符号化を行う工程と、
    上記細分化された小ブロックの少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化する工程と、
    上記小ブロックを暗号化するための暗号鍵を周波数について細分化した小ブロック毎に独立して生成する工程とを有すること
    を特徴とするディジタル信号符号化方法。
  15. 符号化されたディジタル信号を復号化するディジタル信号復号化装置において、
    上記符号化されたディジタル信号は、元の入力ディジタル信号を少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求め、求めた許容ノイズスペクトルを少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行い、割り当てられたビット数に応じた符号化を行い、少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化が施されて得られたものであり、
    上記符号化されたディジタル信号の上記小ブロックに対する暗号化を復号する暗号復号手段と、
    上記暗号復号のための情報及び暗号鍵情報が入力され上記暗号復号手段での暗号復号を制御する暗号鍵制御手段と、
    上記符号化の逆処理としての上記小ブロック毎の復号化を行う復号化手段と、
    上記小ブロック毎に復号化された信号を合成する合成手段とを有すること
    を特徴とするディジタル信号復号化装置。
  16. 符号化されたディジタル信号を復号化するディジタル信号復号化方法において、
    上記符号化されたディジタル信号は、元の入力ディジタル信号を少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求め、求めた許容ノイズスペクトルを少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行い、割り当てられたビット数に応じた符号化を行い、少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化が施されて得られたものであり、
    上記符号化されたディジタル信号の上記小ブロックに対する暗号化を復号する暗号復号工程と、
    上記暗号復号のための情報及び暗号鍵情報に応じて上記暗号復号工程での暗号復号を制御する工程と、
    上記符号化の逆処理としての上記小ブロック毎の復号化を行う工程と、
    上記小ブロック毎に復号化された信号を合成する工程とを有すること
    を特徴とするディジタル信号復号化方法。
  17. 入力ディジタル信号を符号化して伝送するディジタル信号伝送方法において、
    上記入力ディジタル信号を少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配する工程と、
    スペクトルデータから許容ノイズスペクトルを求める工程と、
    求めた許容ノイズスペクトルを少なくとも周波数について細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当工程と、
    割り当てられたビット数に応じて符号化を行う工程と、
    上記細分化された小ブロックの少なくとも周波数について細分化した小ブロック毎に独立して暗号化する工程と、
    上記小ブロックを暗号化するための暗号鍵を周波数について細分化した小ブロック毎に独立して生成する工程と、
    符号化されたディジタル信号を伝送する工程とを有すること
    を特徴とするディジタル信号伝送方法。
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