JP4498812B2 - 平衡伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、平衡伝送装置に関する。
図5は、伝送線路上の電流モデルを示す図である。伝送線路は、大地(アース)に対して平衡な一対の導体からなる伝送線路(L1、L2)で構成される。
図5では、伝送線路の左端に一対の電圧源(e10、e20)が設けられている。e10とe20とは波形、振幅、位相などの特性がほぼ等しく、各電圧源(e10、e20)から発生する電圧(各々の電圧を“e”とする)が、各線路(L1、L2)に与えられる。
伝送線路の右端には、負荷インピーダンス(正規の負荷)ZLが設けられている。伝送線路(L1、L2)には、互いに逆向きの、ディファレンシャル(ノーマル)モード電流(+Id、−Id)が流れる。
ただし、伝送線路と大地(アース)との間には、寄生インピーダンス(対地インピーダンス)Z1〜Z3が介在する。
ここで、寄生インピーダンスZ2、Z3のインピーダンス値(この値もZ2、Z3と表記する)が等しくないと、その寄生インピーダンス(対地インピーダンス)Z1〜Z3ならびに大地を介して循環電流である、コモンモード電流Icが流れる。
平衡度が十分に高い伝送線路であれば、Z2=Z3とみなすことができ、コモンモード電流Icは流れない。しかし、平衡度が比較的低い線路では、Z2≠Z3となり、コモンモード電流Icが流れる。
コモンモード電流Icの電流量は、以下のように表すことができる。以下の式(1)において、eは、各電圧源(e10、e20)から発生する各電圧を示す。
Ic=e・(Z2−Z3)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) ・・・(1)
このコモンモード電流Icは、二股に分岐し、一対の伝送線路(L1、L2)の各々に同等に流れる。よって、各伝送線路(L1、L2)には、同じ向きに、コモンモード電流(電流量はIc/2となる)が流れる。
そして、このコモンモード電流は、線路からの輻射が生じる要因となる。すなわち、一対の線路の各々に、同振幅かつ逆位相の信号を重畳した場合、平衡状態が保たれていた場合には各線路から放射される輻射成分は相殺されるが、不平衡状態では、完全な相殺がなされず、輻射成分が外部に漏れることがある。
図6は、従来の平衡伝送回路の一例の構成を示す図である。図6の平衡伝送回路では、不平衡な送信信号(1系統の送信信号)を、トランス(800)を介して平衡信号に変換し、一対の伝送線路(PL1、PL2)を介して平衡伝送を行う。
平衡度の高いトランスを用いることにより、あるいは、コモンモード電流を除去する働きをするコモンモードチョークコイルを挿入して平衡度を向上させることにより、コモンモード電流を低く抑えることができる。
また、伝送線路(PL1、PL2)として、平衡度が高い線路(例えば、イーサネット(登録商標)のツイストペアケーブル等の通信専用の線路)を用いれば、線路上で発生するコモンモード電流は充分低いレベルに抑制されるため、輻射の問題は生じない。
なお、伝送線路の不平衡成分に起因する輻射については、非特許文献1に詳しく述べられている。
井手口健 外1名著、「情報通信システムの電磁ノイズ問題と対応技術」、森北出版、1997年11月25日、P.99−134
平衡度が高い線路(例えば、通信専用の線路)では、線路上でのコモンモード電流の発生は充分抑制されるため、輻射の問題は生じない。したがって、この場合には、不平衡−平衡変換回路の構成を工夫する等して、送信信号自体の平衡度を極力向上させ、コモンモード電流を可能な限り低減することが重要となる。
しかし、平衡度が比較的低い線路を通信線路として用いる場合、送信信号の平衡度を向上させたとしても、必ずしもコモンモード電流の発生を低減できるとは限らない。
すなわち、通信線路自体がアンバランスな特性を有しているため、従来の、「送信信号自体の平衡度を向上させる」という技術では、コモンモード電流の十分な抑制という効果を得ることができない場合がある。
本発明は上記従来の事情を鑑みてなされたものであって、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供することを目的とする。
本発明の平衡伝送装置は、第1に、1対の導体からなる伝送線路を用いてデータ伝送を行う平衡伝送装置であって、所定電位に接続される接続部が設けられた巻線を有するトランスと、前記伝送線路の不平衡状態を検出する検出信号が入力され、前記入力された検出信号に基づいて、前記トランスの接続部の位置を変更する接続位置制御手段と、を備え、前記トランスを介して前記伝送路へ送信信号を伝送する。
トランスの巻線のタップ位置を適宜、変更することにより、トランスを介して伝送線路の各々に与えられる電圧に、伝送線路の不平衡を補償するような特性(すなわち、輻射の原因となるコモンモード電流を低減する特性)をもたせることができる。つまり、本発明では、伝送線路の不平衡を補償するために、トランスを介して一対の伝送線路に送出される平衡送信信号の各々の電圧を個別に調整し、意図的に不平衡化する。これにより、平衡伝送装置に、通信線路の不平衡を補償する機能を付与することができ、したがって、伝送線路の不平衡状態をリアルタイムで補償することが可能となる。
また、本発明の一態様として、第2に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記検出信号は、前記伝送線路に生じるコモンモード電流、コモンモード電圧、電界、磁界および前記伝送線路からの輻射に起因する干渉の程度のいずれかに少なくとも一つを検出する検出信号であるものも含まれる。
この構成により、検出信号は、コモンモード電流、コモンモード電圧、電界、磁界等を直接あるいは間接的に実測し、伝送線路の不平衡状態が検出されたものである。通信線路の不平衡状態が判明することで、その不平衡状態を補償するようにトランスのタップ位置を変更することが可能となる。
また、本発明の一態様として、第3に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記接続位置制御手段による接続位置の変更によっては、前記一対の伝送線路のディファレンシャルモード信号が影響を受けず、不変であるものも含まれる。
この構成により、タップ位置を変更した場合でも、ディファレンシャルモード(ノーマルモード)の信号出力には影響がないため、送信データそのものにはなんら影響せずに、コモンモードノイズのみを低減させることができる。
また、本発明の一態様として、第4に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記トランスは、前記巻線に設けられた複数の前記接続部を有し、前記接続位置制御手段は、前記接続部のうち一つを選択する選択部を有するものも含まれる。
この構成により、複数の接続部を選択することで接続部の位置を変更し、伝送線路の不平衡特性を補償することができる。
また、本発明の一態様として、第5に、上記第4の平衡伝送装置であって、前記選択部は、前記各接続部に対応して設けられ、前記所定電位との間の接続を切換えるスイッチを有するものも含まれる。
この構成により、伝送線路の各々に与えられる電圧を個別に調整することができ、通信線路の不平衡が補償され、また、スイッチの開閉制御は比較的簡単に行えるため、実現が容易である。
また、本発明の一態様として、第6に、上記第4または第5の平衡伝送装置であって、前記選択部は前記検出信号に基づいて前記接続部への接続を制御する制御回路を有するものも含まれる。この構成により、検出信号に基づいて通信線路の不平衡を補償することができる。
また、本発明の一態様として、第7に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記トランスの巻線の接続位置を変更する処理は、前記送信信号のレベルを上昇させていく過程で行われるものも含まれる。
この構成により、送信信号レベルを低いところから上昇されていくことで、確実に平衡状態でのデータ伝送を行うことができる。
また、本発明の一態様として、第8に、上記第7の平衡伝送装置であって、前記送信信号のレベルの上昇は段階的に行われるものも含まれる。この構成により、送信信号レベルを段階的に上昇させていくことで、確実に平衡状態でのデータ伝送を行うことができる。
また、第9に、上記1ないし8のいずれかの平衡伝送装置であって、前記伝送線路として電灯線を利用するものも含まれる。
本発明の平衡伝送装置を用いることで、輻射を低減しつつ、各家庭に備わっている電灯線(電力線)通信を行う場合においても、不平衡状態を補償することができる。
また、本発明の平衡伝送システムは、上記1ないし9のいずれかの平衡伝送装置と、前記送信装置と前記伝送路を介して通信を行う受信装置と、を備える。これにより、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送システムを提供することができる。
本発明によれば、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供することができる。
まず、本発明の実施形態における、伝送線路のアンバランスを補償する方法について説明する。図1は、本発明の実施形態における、伝送線路のアンバランスを補償するための原理的な構成、ならびに伝送線路上における電流モデルを示す図である。
図1における伝送線路上の電流モデルは、図5に示すものと同様である。ただし、図1の構成では、一対の伝送線路の各々に与える電圧(または位相)を個別に制御し、線路の不平衡を補償する特性をもたせる。すなわち、平衡送信信号の各々の電圧または位相を個別に制御し、意図的に不平衡化し、これによって、伝送線路自体のアンバランスを自動的に補償する。
図1に示されるように、伝送線路は、大地(アース)に対して平衡な一対の導体を有する伝送線路(L1、L2)で構成される。また、伝送線路の左端に一対の電圧源(e1、e2)が設けられ、各電圧源(e1、e2)から発生する電圧(以下の説明では、各々の電圧も“e1”,“e2”と表す)が、各線路(L1、L2)に与えられる。
伝送線路の右端には、負荷インピーダンス(正規の負荷)ZLが設けられている。伝送線路(L1、L2)には、互いに逆向きの、ディファレンシャル(ノーマル)モード電流(+Id、−Id)が流れる。
ただし、伝送線路と大地(アース)との間には、寄生インピーダンス(対地インピーダンス)Z1〜Z3が介在する。ここで、寄生インピーダンスZ2、Z3のインピーダンス値(この値もZ2、Z3と表記する)が等しくないと、その寄生インピーダンス(対地インピーダンス)Z1〜Z3ならびに大地(アース)を介して循環電流である、コモンモード電流Icが流れる。
平衡度が十分に高い伝送線路であれば、Z2=Z3とみなすことができ、コモンモード電流Icは流れない。しかし、平衡度が比較的低い線路では、Z2≠Z3となり、コモンモード電流Icが流れる。
コモンモード電流Icの電流量は、以下の式(2)のように表すことができる。なお、式(2)において、e1、e2は、各電圧源(e1、e2)から発生する各電圧を示す。ここで、e1、e2は、e10(e20)と波形が相似で、振幅が異なる電圧源である。
Ic=(e1・Z2−e2・Z3)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1)
・・・(2)
このコモンモード電流Icは、二股に分岐し、一対の伝送線路(L1、L2)の各々に同等に流れる。よって、各伝送線路(L1、L2)には、同じ向きに、コモンモード電流(電流量はIc/2となる)が流れる。
コモンモード電流Icが流れると、伝送線路の平衡度が低下し、このコモンモード電流は、線路からの輻射が生じる要因となる。
そこで、本発明の実施形態では、以下の式(3)、(4)を満たすように、電圧源(e1、e2)の各発生電圧を個別に制御する。
e1・Z2−e2・Z3=0 ・・・(3)
e1+e2=2e ・・・(4)
式(3)では、式(2)の分子部分をゼロにする、すなわち、コモンモード電流Icをゼロであることを示す。また、式(4)において、eは、図5における電圧源e10、e20の各電圧であり、この式は、ディファレンシャルモード出力は不変であることを示している。
これにより、コモンモード電流Ic=0とすることができる。よって、伝送線路のアンバランス(不平衡)を補償することができる。
そして、本発明の実施形態の平衡伝送装置では、トランスのタップ位置を変更することにより、トランスを介して伝送線路に送出される平衡信号のバランスを線路の不平衡とキャンセルするように制御し、これにより、その伝送線路のコモンモード信号成分を相殺して、不平衡を補償する。
図2(a)は、巻線のタップ位置を変更することが可能なトランスを用いた、平衡送信信号の送出について説明するための図であり、図2(b)は、巻線のタップ位置を変更することによって平衡送信信号の各々の電圧を調整する原理を説明するための図である。
図2(a)に示すように、信号源e10により、平衡送信信号(電圧e)を生成し、タップ位置を変更可能な構成をもつトランス40を介して、通信線路に向けて送出する。
トランス40の出力側巻線にはタップ(巻線の分岐点)が設けられている。その位置における巻線比を、n1:n2とすると、図2(a)に示す状態は、図2(b)に示す状態と等価である。
図2(b)では、一対の伝送線路の各々に対応した信号源e12a、e12bが設けられていることを示している。各信号源e12a、e12bからは、それぞれ、e・(n1)2/(n1+n2)2およびe・(n2)2/(n1+n2)2の各電圧が発生し、各伝送線路に与えられている。すなわち、各伝送線路に異なる電圧(アンバランスな電圧)が与えられている。
したがって、図2(a)のように、一つの信号源(e10)から電圧が発生している場合でも、トランス40のタップ位置の巻線比(n1:n2)を変化させることにより、その巻線比に応じて、伝送線路の各々に異なる電圧を与えることができる。
この原理を利用し、巻線のタップ位置を適切に設定することで、各伝送線路の不平衡要素により生じるコモンモード電流(コモンモード電圧)を補償することができる。このことは、コモンモード電流(コモンモード電圧)を補償するための補償用信号を発生させ、各平衡送信信号に重畳することと等価である。
図3は、スイッチの開閉制御によってタップ位置を変更可能なトランスの構成、および、タップ位置制御回路の構成を示す図である。図3に示すように、トランス40の出力側に設けられたタップを切換えるスイッチ(SW1〜SW5)を有するスイッチ手段SWと、スイッチを切換えてタップ位置を制御するタップ位置制御回路50とが設けられている。なお、タップはグランド等の所定電位に接続される接続部の機能を有し、また、スイッチ手段SWとタップ位置制御回路50は接続位置制御手段の機能を有する。なお、このように複数のタップが設けられた場合、スイッチ手段SWは、いずれか一つのタップを選択可能な構成であればよい。
図3において、通信線路としては、一対の導体からなる伝送線路である伝送線路PL1、PL2が使用される。また、トランス40の入力側の巻線には、平衡な送信原信号である平衡送信信号Tx(t)が入力される。
図3において、出力側巻線の上端をA点とし、下端をB点とする。A点からスイッチSWn(図3の例では、n:1〜5)が接続されたタップまでの間のインダクタンスをLAnとし、B点からSWn(n:1〜5)が接続されたタップまでの間のインダクタンスをLBnとする。また、タップは、LAn=LBm(ただし、m=6−n)が成り立つように設ける。
ここで、SWnのみを閉じ、他はすべて開状態とすると、A点およびB点の各電圧VA、VBは、それぞれ以下の式(5)、式(6)で表される。
A=Tx(t)・{LAn/(LAn+LBn)} ・・・(5)
B=−Tx(t)・{LBn/(LAn+LBn)} ・・・(6)
通信線路に向けて送信されるノーマルモード信号(ディファレンシャル信号)は、VAとVBの差電圧(すなわち、VA−VB)で表される。
上記式によれば、VA−VB=Tx(t)となり、送信信号Tx(t)は、どのスイッチを閉じるかによらず一定である。すなわち、送信信号自体には、何ら影響がない。
一方、コモンモード信号成分は、(VA+VB)/2={Tx(t)/2}・[(LAn−LBn)/(LAn+LBn)]で表される。
したがって、LAn、LBnを変化させることにより、線路上のコモンモード信号(VA+VB)の振幅と位相(電流の方向)を制御することができる(つまり、コモンモード信号をゼロに近づけることができる)。
このようにして、不平衡検出信号に応じて、適宜、スイッチSWnを切換えることにより、コモンモード信号を低減することができる。したがって、通信線路の不平衡に起因する輻射、干渉を低減することができる。
図3の下側に示されるように、タップ位置制御回路50は、不平衡検出信号の不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタ(BPF)102と、不平衡検出信号をディジタル信号に変換するA/D変換器104と、ディジタルデータ化された不平衡検出信号を所定の基準値(R:この基準値Rは複数用意されていてもよい)と比較し、その測定結果を出力する比較器106と、比較器106による比較結果に基づき、タップ位置切換え制御信号生成回路108と、を有する。
タップ位置切換え制御信号生成回路108から出力される制御信号(タップ位置切換え制御信号)C1により、トランスのタップ位置を変更するためのスイッチ手段SWに含まれる、複数のスイッチ(SW1〜SW5)の開閉が制御される。
スイッチの開閉制御は比較的簡単に行うことができるため、実現が容易である。また、簡易な構成であるため、コスト面でも有利となる。さらに、このスイッチ手段SWおよびタップ位置制御回路50の少なくとも一部が、回路に集積されたり、専用IC処理されたり、ソフトウェア処理がなされる構成としてもよい。すなわち、タップ位置制御回路50の少なくとも一部の機能がスイッチ手段SWに組み込まれた構成としてもよい。
図4は、本発明の平衡伝送装置を用いた通信システム(平衡伝送システム)の概略構成、および一対の伝送線路の不平衡状態を検出するための構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、本実施形態の平衡伝送装置は、基本的な構成として、平衡送信信号を生成する機能を有する送信データ生成部10と、D/A変換器20A、20Bと、ローパスフィルタ25a、25Bと、ドライバアンプ30a、30Bと、結合器としてのトランス40、トランス40のタップ位置変更機能を有するスイッチ手段SWと、スイッチ手段SWを制御するタップ位置制御回路50と、不平衡検出器60、70、80と、を有する。図4において、通信線路としては、一対の導体から構成される伝送線路である伝送線路PL1、PL2が使用される。なお、RLは通信相手側の伝送装置の通信負荷を示している。
次に、通信線路(一対の伝送線路PL1、PL2に至るまでの線路部分も含む)の不平衡を検出する手段(不平衡検出器)の構成とその配置について説明する。
図4では、不平衡検出器60、70、80の3種類の例を記載してある。実際には、これらの不平衡検出器をすべて設ける必要はなく、少なくともいずれか一つがあればよい。
まず、不平衡検出器60について説明する。この不平衡検出器60は、トランス40の出力側において、インピーダンスZ1、Z2を直列に接続し、その交点とグランドとの間に生じる電圧に基づいた不平衡状態を検出し、その検出信号D1をする。
次に、不平衡検出器70は、電界、磁界等の、他の機器や通信への影響の目安となる測定量を測定し、これにより、通信線路の不平衡を検出するようにし、その検出信号D2を出力する。この場合は、通信線路の不平衡を間接的に測定していることになる。
また、不平衡検出器80は、受信側の伝送装置に設けられ、その検出信号D3をタップ位置制御回路50へ出力する。
このようにして、通信線路の不平衡をリアルタイムで検出することができる。そして、検出信号(D1〜D3)に基づいて、タップ位置制御回路50がスイッチ切換え制御信号C1を生成し、スイッチ手段SW(の内部の複数のスイッチの開閉)を適宜、切換えることにより、通信線路の不平衡を、リアルタイムで補償することができる。
これらの実施形態の平衡伝送装置において、トランスの巻線のタップ位置を変更する処理は、送信信号のレベルを漸次上昇させていく過程において行われることが望ましい。たとえば、想定される最も特性の悪い線路で干渉を発生しないと予想される出力レベルから、所定の送信出力までに(離散的に)段階的に上げていく、または少しずつ挙げていくように出力調整を行う。これにより、確実に干渉が生じない(線路での平衡状態が保たれた状態)でのデータ伝送を行うことができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、通信線路(伝送線路)の不平衡を補償する機能をもつ平衡伝送装置を実現することができる。
この通信線路の不平衡を補償する機能は、不平衡検出信号に基づいて、トランスの巻線のタップ位置を動的に変更することにより達成される。したがって、伝送線路の不平衡状態をリアルタイムで補償することが可能となる。
これにより、通信線路(伝送線路)の平衡度(バランス)適正な範囲に保たれ、通信線路からの輻射を抑制することができる。
また、不平衡検出信号に基づいてスイッチの開閉を制御し、トランスの巻線のタップ位置を適切に変更することにより、伝送線路の各々に与えられる電圧が個別に調整され、通信線路の不平衡が補償される。
また、スイッチの開閉制御は比較的簡単に行えるため、実現が容易である。また、構成が簡易であるため、コスト面でも有利となる。
なお、データ通信としては、周波数分割多重信号やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)などを用いる電灯線通信や無線LAN、ADSLなどのデータ通信に好適に用いられる。もちろん、これら以外の有線通信、無線通信などにも用いられることも可能であり、特に、伝送線路が専用線でない場合等に好適に用いられる。
さらに、本発明の実施形態の平衡伝送装置を、伝送線路として電灯線を用いて、電灯線通信装置として動作させてよい。特に、電灯線は平衡度が低い場合が多いため、電灯線における不平衡状態により、輻射が生じる場合がある。しかしながら、本発明の実施形態の平衡伝送装置は、伝送線路の不平衡状態を補償可能であるため、各家庭に備わっている電灯線を利用した高速通信(例えば、2MHz〜30MHz帯等、所定の周波数帯域を使用する通信)に本発明の実施形態の平衡伝送装置を用いた場合においても、電灯線からの輻射を低減することができる。
なお、上述の実施形態において、トランスのタップ位置を変更する手段として、巻線に複数のタップを設け、スイッチの切換えによりタップの位置を変更する構成について説明したが、本発明はこの構成に限られるものではなく、タップを摺動させることにより位置を変更する構成、ボリュームスイッチを用いる構成、巻線歯車を用いる構成等、種々の構成が適用可能である。
また、本発明の実施形態において、各構成要素は、回路ブロックやトランス等の電子素子によって表現した構成例を示したが、同様の作用又は機能を有するものであれば上記構成例に限定されるものではなく、アナログ回路、ディジタル回路、電子素子の組み合わせなど、種々の構成によって実現可能である。また、各構成要素の機能は、ハードウェア処理、或いはソフトウェア処理など、いずれで実現する構成であっても良い。また、回路の一部又は全部を集積化して装置の小型化を図ることも可能である。
本発明は、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な効果を有し、電灯線通信装置等の平衡伝送装置等に有用である。
本発明の実施形態における、伝送線路のアンバランスを補償するための原理的な構成、ならびに伝送線路上における電流モデルを示す図 (a)巻線のタップ位置を変更することが可能なトランスを用いた、平衡送信信号の送出について説明するための図、(b)巻線のタップ位置を変更することによって平衡送信信号の各々の電圧を調整する原理を説明するための図 スイッチの開閉制御によってタップ位置を変更可能なトランスの構成、ならびに、タップ位置制御回路の構成を示す図 本発明の実施形態の平衡伝送装置を用いた通信システムの概略構成、および一対の伝送線路の不平衡状態を検出するための構成の一例を示す図 伝送線路上の電流モデルを示す図 従来の平衡伝送回路の一例の構成を示す図
符号の説明
10 送信データ生成部
20a、20b D/A変換器
25a、25b ローパスフィルタ
30a、30b ドライバアンプ
40 トランス
50 タップ位置制御回路
60、70、80 不平衡検出器
102 バンドパスフィルタ
104 A/D変換器
106 比較器
108 タップ位置切換え制御信号生成回路
SW スイッチ手段
SW1〜SW5 スイッチ

Claims (10)

  1. 1対の導体からなる伝送線路を用いてデータ伝送を行う平衡伝送装置であって、
    所定電位に接続される接続部が設けられた出力側巻線を有するトランスと、
    前記伝送線路の不平衡状態を検出する検出信号が入力され、前記入力された検出信号に基づいて、前記トランスの接続部の位置を変更する接続位置制御手段と、
    を備え、
    前記トランスを介して前記伝送線路へ送信信号を伝送する平衡伝送装置。
  2. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記検出信号は、前記伝送線路に生じるコモンモード電流、コモンモード電圧、電界、磁界および前記伝送線路からの輻射に起因する干渉の程度のいずれかに少なくとも一つを検出する検出信号である平衡伝送装置。
  3. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記接続位置制御手段による接続位置の変更によっては、前記一対の伝送線路のディファレンシャルモード信号が影響を受けず、不変である平衡伝送装置。
  4. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記トランスは、前記巻線に設けられた複数の前記接続部を有し、
    前記接続位置制御手段は、前記接続部のうち一つを選択する選択部を有する平衡伝送装置。
  5. 請求項4記載の平衡伝送装置であって、
    前記選択部は、前記各接続部に対応して設けられ、前記所定電位との間の接続を切換えるスイッチを有する平衡伝送装置。
  6. 請求項4または5記載の平衡伝送装置であって、
    前記選択部は前記検出信号に基づいて前記接続部への接続を制御する制御回路を有する平衡伝送装置。
  7. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記トランスの巻線の接続位置を変更する処理は、前記送信信号のレベルを上昇させていく過程で行われる平衡伝送装置。
  8. 請求項7記載の平衡伝送装置であって、
    前記送信信号のレベルの上昇は段階的に行われる平衡伝送装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項記載の平衡伝送装置であって、前記伝送線路として電灯線を利用する平衡伝送装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項記載の平衡伝送装置を有する送信装置と、前記送信装置と前記伝送線路を介して通信を行う受信装置と、を備える平衡伝送システム。
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