JP2005303961A - 平衡伝送装置 - Google Patents

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Akihiro Yamashita
昭裕 山下
Fumio Ichihara
文夫 市原
Tsunehiro Hanada
恒弘 花田
Mutsuhiko Oishi
睦彦 大石
Toshiyuki Wakizaka
俊幸 脇坂
Masahiro Maki
昌弘 牧
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Abstract

【課題】
伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供すること。
【解決手段】
各伝送線路L1、L2とアース間に、伝送線路の不平衡補償用可変インピーダンス素子Z4、Z5を挿入する。また、不平衡補償用可変インピーダンス素子Z4、Z5のインピーダンスを個別に制御するインピーダンス制御回路10を設ける。インピーダンス制御回路10には、伝送線路の不平衡状態を示す不平衡検出信号D1〜D3が入力され、この不平衡検出信号は、バンドパスフィルタ12を経て、A/D変換器14にてディジタル信号に変換され、比較器16にて基準値Rと比較され、制御信号生成部18が、通信線路のコモンモード電流をキャンセルするように、インピーダンス制御信号C1を生成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、平衡伝送装置に関する。
図6は、伝送線路上の電流モデルを示す図である。伝送線路は、大地(アース)に対して平衡な一対の導体からなる伝送線路である伝送線路(L1、L2)で構成される。
図6では、伝送線路の左端に電圧源eが設けられている。なお、この電圧源eから発生する電圧をeとする。
伝送線路の右端には、負荷インピーダンス(正規の負荷)ZLが設けられている。伝送線路(L1、L2)には、互いに逆向きの、ディファレンシャル(ノーマル)モード電流Idが流れる。
ただし、伝送線路と大地(アース)との間には、寄生インピーダンス(対地インピーダンス)Z1、Z2、ZC1、ZC2が介在する。そして、これらの寄生インピーダンスZ1、Z2、ZC1、ZC2に起因して、大地を介する循環電流であるコモンモード電流Icが流れる。このコモンモード電流Icは下記の数1によって示される。
Figure 2005303961
数1に示すように、分子の(Z2・ZC1−Z1・ZC2)が0になった場合、コモンモード電流Icは流れないが、通常この(Z2・ZC1−Z1・ZC2)は0にはならないので、コモンモード電流Icが発生してしまう。
このコモンモード電流Icは、二股に分岐し、一対の伝送線路(L1、L2)の各々に同等に流れる。よって、各伝送線路(L1、L2)には、同じ向きに、コモンモード電流(電流量はIc/2となる)が流れる。
そして、このコモンモード電流は、線路からの輻射が生じる要因となる。すなわち、一対の線路の各々に、同振幅かつ逆位相の信号を重畳した場合、平衡状態が保たれていた場合には各線路から放射される輻射成分は相殺されるが、不平衡状態では、完全な相殺がなされず、輻射成分が外部に漏れることがある。
図7は、従来の平衡伝送回路の一例の構成を示す図である。図9の平衡伝送回路では、不平衡な送信信号(1系統の送信信号)を、トランス(800)を介して平衡信号に変換し、一対の伝送線路(PL1、PL2)を介して平衡伝送を行う。
平衡度の高いトランスを用いることにより、あるいは、コモンモード電流を除去する働きをするコモンモードチョークコイルを挿入して平衡度を向上させることにより、コモンモード電流を低く抑えることができる。
また、伝送線路(PL1、PL2)として、平衡度が高い線路(例えば、イーサネット(登録商標)のツイストペアケーブル等の通信専用の線路)を用いれば、線路上で発生するコモンモード電流は充分低いレベルに抑制されるため、輻射の問題は生じない。
なお、伝送線路の不平衡成分に起因する輻射については、非特許文献1に詳しく述べられている。
井手口健 外1名著、「情報通信システムの電磁ノイズ問題と対応技術」、森北出版、1997年11月25日、P.99−134
平衡度が高い線路(例えば、通信専用の線路)では、線路上でのコモンモード電流の発生は充分抑制されるため、輻射の問題は生じない。したがって、この場合には、不平衡−平衡変換回路の構成を工夫する等して、送信信号自体の平衡度を極力向上させ、コモンモード電流を可能な限り低減することが重要となる。
しかし、平衡度が比較的低い線路を通信線路として用いる場合、送信信号の平衡度を向上させたとしても、必ずしもコモンモード電流の発生を低減できるとは限らない。
すなわち、通信線路自体がアンバランスな特性を有しているため、従来の、「送信信号自体の平衡度を向上させる」という技術では、コモンモード電流の十分な抑制という効果を得ることができない場合がある。
本発明は上記従来の事情を鑑みてなされたものであって、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供することを目的とする。
本発明の平衡伝送装置は、第1に、1対の導体からなる伝送線路を用いてデータ伝送を行う平衡伝送装置であって、前記伝送線路の1対の導体の各々と所定電位とに挿入された、あるいは前記導体の各々に挿入された不平衡補償用可変インピーダンス素子と、前記伝送線路の不平衡状態を検出する検出信号が入力され、前記入力された検出信号に基づいて、前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンスを制御する制御信号を生成するインピーダンス制御手段と、を備える。
この構成により、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供することができる。
また、本発明の一態様として、第2に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記検出信号は、前記伝送線路に生じるコモンモード電流、コモンモード電圧、電界、磁界および前記伝送線路からの輻射に起因する干渉の程度のいずれかに少なくとも一つを検出する検出信号である
この構成により、検出信号は、コモンモード電流、コモンモード電圧、あるいは伝送線路周辺への影響を示す電界や磁界等を実測し、伝送線路の不平衡状態が直接あるいは間接的に検出されたものである。通信線路の不平衡状態が判明することで、その不平衡状態を補償するような特性を有する補償用信号の生成が可能となる。
また、本発明の一態様として、第3に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記インピーダンス制御手段によるインピーダンス制御によっては、前記伝送線路のディファレンシャルモード信号が影響を受けず、略不変であるものも含まれる。
この構成により、平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御がなされた場合でも、ディファレンシャルモード(ノーマルモード)の信号出力には影響がないようにする。伝送線路
また、本発明の一態様として、第4に、上記第3の平衡伝送装置であって、前記インピーダンス制御手段は、前記1対の導体の各々に対する前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス値の合計を略一定に制御するものも含まれる。この構成により、ディファレンシャルモード(ノーマルモード)の信号出力を略不変に保つことができる。
また、本発明の一態様として、第5に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記インピーダンス制御手段は、前記伝送線路の特性、送信信号を生成する送信信号生成手段の特性、前記検出信号を検出する検出手段の特性のうち少なくとも一方の特性に基づいて前記制御信号を生成するものも含まれる。
この構成により、伝送線路自体、送信信号生成手段、検出手段がもつ特性も補償するような制御することにより、伝送線路不平衡成分を低減するような補償動作を行うことができる。
また、本発明の一態様として、第6に、上記第5の平衡伝送装置であって、前記特性は、周波数特性を含むものも含まれる。
この構成により、どの周波数帯においても不平衡成分を低減するような補償動作を行うことができる。
また、本発明の一態様として、第7に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記インピーダンス制御手段は、前記検出信号の検出レベルと、前記伝送線路からの輻射に起因する干渉のレベルとの間のずれに応じて、前記入力された検出信号に対して前記ずれを補正し、前記補正された検出信号に基づいて、前記不平衡補償用可変インピーダンス素子を制御するものも含まれる。
この構成により、通信線路からの輻射に起因して生じる、現実の干渉を低減することができる。
また、本発明の一態様として、第8に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記制御信号の生成は、前記送信信号のレベルを上昇させていく過程で行われるものも含まれる。
この構成により、相手側の通信機器とコネクションを確立する段階等において、送信信号レベルを上昇されていくことで、確実に平衡状態でのデータ伝送を行うことができる。
また、本発明の一態様として、第9に、上記第8の平衡伝送装置であって、前記送信信号のレベルの上昇は段階的に行われるものも含まれる。この構成により、送信信号レベルを段階的に上昇させていくことで、確実に平衡状態でのデータ伝送を行うことができる。
また、本発明の一態様では、第10に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記平衡伝送装置が非送信モードである場合にも、前記インピーダンス制御手段による前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を実行するものも含まれる。
この構成により、伝送装置が通信相手に信号を送信していない場合、すなわち、受信モード、待機モードの場合でも、可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を実施し伝送線路、伝送線路のアンバランスが常に補償されることになり、通信線路からの輻射が、常に抑制される。
また、本発明の一態様として、第11に、上記第1の平衡伝送装置であって、前記不平衡補償用可変インピーダンス素子を受信用の負荷として用いるものも含まれる。この構成により、既存の設備を効果的に利用して補償用信号の生成を行うことができる。
また、本発明の一態様では、第12に、上記第1ないし第11のいずれかの平衡伝送装置であって、前記伝送線路として電灯線を利用するものも含まれる。
本発明の平衡伝送装置を用いることで、輻射を低減しつつ、各家庭に備わっている電灯線(電力線)通信を行う場合においても、不平衡状態を補償することができる。
また、本発明の平衡伝送システムは、上記1ないし12のいずれかの平衡伝送装置と、前記送信装置と前記伝送路を介して通信を行う受信装置と、を備える。これにより、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送システムを提供することができる。
本発明によれば、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な平衡伝送装置を提供することができる。
まず、本発明の実施形態における、伝送線路のアンバランスを補償する方法について説明する。図1は、本発明の実施形態における、伝送線路のアンバランスを補償するための原理的な構成、ならびに伝送線路上における電流モデルを示す図である。
図1における伝送線路上の電流モデルは、図6の構成に加え、伝送線路の不平衡を補償するために、伝送線路の各々に、不平衡補償用の可変インピーダンス素子(Z3、Z4)が設けられている。
この可変インピーダンス素子(Z3、Z4)のインピーダンスを個別に調整することにより、伝送線路のアンバランスが補償され、各線路に流れるコモンモード電流Ic/2が低減される。
図1において、ZLは負荷インピーダンスであり、Z1、Z2、ZC1、ZC2は対地インピーダンスであり、Idはディファレンシャルモード(ノーマルモード)電流であり、Icはコモンモード電流であり、eは送信電圧源であり、Z3、Z4は不平衡補償用可変インピーダンス(以下、補償用可変インピーダンスという)である。また、説明の便宜上、各インピーダンスのインピーダンス値も、Z1〜Z4、ZC1、ZC2と表す。
ここで、コモンモード電流Icは、以下の数2のように表すことができる。なお、式(2)において、‖は、並列接続された2つの抵抗の合成インピーダンスを示す。
Figure 2005303961
したがって、この分子部分であるZ2(ZC1‖Z3)−Z1(ZC2‖Z4)=0となるように、可変インピーダンスZ3、Z4のインピーダンス値を変化させることにより、Ic=0とすることができる。すなわち、伝送線路のアンバランスを補償することができる。
さらに、Z3+Z4=一定となるようにインピーダンス値を制御することにより、補償制御を行っても、ノーマルモード信号はほぼ変化せず、略不変である。したがって、ノーマルモード信号に影響が出ないため、通常の通信へ影響を与えずに平衡度補償を行うことができる。
なお、本実施形態の平衡伝送装置が送信および受信可能な通信装置である場合、この可変インピーダンスZ3、Z4を受信用負荷として利用(受信用負荷と兼用)してもよい。これにより、既存の設備を効果的に利用して補償用信号の生成を行うことができる。
本発明の平衡伝送装置では、伝送線路の不平衡を検出器により検出し、その検出信号に基づいて、補償用可変インピーダンス素子のインピーダンスを動的に制御する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る平衡伝送装置の要部構成を含む伝送システムの概略説明図である。図2において、L1、L2は伝送線路であり、ZLは負荷インピーダンス(通信負荷)であり、Z1、Z2は、各伝送線路とアース間に存在する寄生インピーダンスである。伝送線路
図2では、この伝送線路の不平衡を補償するために、補償用インピーダンス回路20a(補償用可変インピーダンス素子Z3、Z4を備える)と、インピーダンス制御回路10と、を設けている。
補償用可変インピーダンス素子Z3、Z4は、各伝送線路(L1、L2)とアースとの間に挿入される。
インピーダンス制御回路10aは、不平衡検出信号から不要な周波数成分を除去するためのバンドパスフィルタ(BPF)12と、A/D変換器14と、ディジタル信号に変換された不平衡検出信号を所定の基準値(R)と比較する比較器16と、比較結果に基づきインピーダンス制御信号S1を生成し、補償用インピーダンス回路20aに与える制御信号生成部18と、を有する。
この制御信号生成部18は、伝送線路(L1、L2)の不平衡を低減する(補償する)ように、インピーダンス制御信号S1を生成する。
すなわち、補償用インピーダンス回路20a内の補償用可変インピーダンス素子Z4、Z5は、伝送線路の不平衡を低減するようなインピーダンス−周波数特性、あるいは、位相−周波数特性をもつように制御されることになる。これにより、通信線路(伝送線路)の不平衡をリアルタイムで補償することが可能となる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る平衡伝送装置の要部の構成の他の例を示す図である。
図3では、補償用インピーダンス回路20b(補償用可変インピーダンス素子Z5、Z6を備える)と、インピーダンス制御回路10aと、が設けられている。
図示されるように、補償用可変インピーダンス素子Z5、Z6は、各伝送線路にシリーズに挿入されている。補償用可変インピーダンス素子Z5、Z6のインピーダンスは、伝送線路(L1、L2)の不平衡を低減するような特性、例えば、インピーダンス−周波数特性、あるいは、位相−周波数特性をもつように制御される。
ここで、図3の構成において、コモンモード電流Ic=0となる条件は下記数3に示される。
Figure 2005303961
したがって、上記数3を満たすように可変インピーダンスZ5、Z6のインピーダンス値を変化させることにより、Ic=0とすることができる。
これにより、通信線路(伝送線路)の不平衡をリアルタイムで補償することが可能となる。
さらに、Z5+Z6=一定となるようにインピーダンス値を制御することにより、補償用信号を重畳しても、ノーマルモード信号は変化しない。したがって、ノーマルモード信号に影響が出ないため、通常の通信へ影響を与えずに補償用信号の重畳を行うことができる。
ここで、補償用可変インピーダンス素子Z3〜Z6は、たとえば、可変抵抗、可変インダクタンスおよび/または可変容量等を有し、これらの抵抗値、容量を変化させることにより、交流インピーダンスを調整するものである。
なお、不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御は、送信信号のレベルを上昇させていく過程において行われることが望ましい。たとえば、予想される最も特性の悪い線路で干渉を発生しないと想定されるレベルから所定のレベルまで、(離散的に)段階的に、または少しずつ上昇させていく過程で行うのが望ましい。
すなわち、出力レベルが高いままで、可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を急激に実行すると、かえって悪影響を及ぼす場合があるため、出力レベルを上昇させつつ、補正を行うものである。
なお、上述のインピーダンス制御は、受信モード、あるいは、待機モードのときでも(すなわち、送信信号を出力しない場合)でも、インピーダンス制御を行う。これにより、伝送装置が送信モード以外の状態であっても、常に、通信線路の不平衡を補償する効果が得られる。
また、補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御に際し、通信線路や、不平衡検出器、送信データ生成部等の周波数特性や、制御系を構成する他の部分の特性も補償してもよい。
一般に通信線路のインピーダンスは、リアクタンス成分を伴う複素数となるため周波数特性(周波数依存性)をもつ。また、不平衡検出器(センサ、検知回路)の検出感度が周波数依存性をもつ場合もある。
前者の場合、不平衡成分を補償する制御信号に対する線路の応答が周波数によって異なってくるため、周波数に対して補正を行う必要がある。また、後者の場合、不平衡状態を正しく検知するための補正が必要となる。
そこで、補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御に際し、通信線路や、不平衡検出器、送信データ生成部等の特性も補償するようにすることが望ましい。
たとえば、インピーダンス制御信号に対する線路応答の振幅特性、位相特性をそれぞれH1(ω)、θ1(ω)とする。また、不平衡検出器の振幅特性、位相特性をそれぞれH2(ω)、θ2(ω)とする。
この場合、上記の不平衡検出信号の振幅や位相の応答関数、H1(ω)×H2(ω)、θ1(ω)+θ2(ω)とは逆の特性、すなわち、1/(H1(ω)×H2(ω))、−(θ1(ω)+θ2(ω))の特性でもって可変インピーダンスを制御する、または可変インピーダンスにこの特性をもたせることで通信線路や、不平衡検出器、送信データ生成部等の特性が補償される。
これにより、通信線路や不平衡検出器がもつ周波数等の特性や、制御系を構成する部分の特性等も補償できるため、より精度の高いコモンモード信号の補償制御を実現することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る平衡伝送装置のインピーダンス制御回路を示す概略説明図である。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付している。
不平衡検出信号D1〜D3のレベルは、現実には、実際の干渉レベルと比例せずに、両者間に何らかのずれが生じる場合も想定される。この場合、不平衡検出信号に基づいて補償用可変インピーダンスの制御を行い、不平衡検出信号が充分に低い値となっても、実際の干渉は十分に低減されないといった場合も起こり得る。
このような場合には、不平衡検出信号のレベルと実際の干渉レベルとの間のずれを予め実測しておき、そのずれを解消するように、不平衡検出信号を補正することが有効である。
そこで、図4に示すように、本実施形態のインピーダンス制御回路10bでは、A/D変換器14と比較器16との間に不平衡検出信号のレベルと実際の干渉レベルとの間のずれを補正する等化器15が設けられている。
等化器15は、振幅等化器と位相等化器との少なくともいずれか一方を有して構成される。また、等化器15の構成としては、フィルタにより構成されるもの、複数のバンドパスフィルタとその出力について乗算器やルックアップテーブル(LUT)を用いて振幅制御を行って加算器にて加算する構成、または、離散フーリエ変換および逆離散フーリエ変換を用いて周波数軸上で処理する構成等が挙げられる。また、位相等化器の例としては、位相フィルタや、遅延装置等を用いたものが挙げられる。なお、遅延装置では、高速クロックによるサンプリングを利用したもの等を用いてもよい。
不平衡検出信号D1〜D3のレベルを補正し、制御信号生成部18は、その補正された不平衡検出信号に基づいて、可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を実行する。
このような第2の実施形態の平衡伝送装置によれば、現実の干渉レベルが低く抑えられる。すなわち、期待される干渉低減の効果が常に発揮される。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の平衡伝送装置を用いた通信システムの概略構成、および伝送線路の不平衡状態を検出するための構成の一例を示す図である。
図示されるように、平衡伝送装置は、基本的な構成として、送信データ生成部(平衡送信信号を生成する機能をもつ)10と、D/A変換器31a、31bと、ローパスフィルタ32a、32bと、補償用可変インピーダンス素子20と、出力段増幅器(ドライバアンプ)35a、35bと、インピーダンス制御回路10と、インダクタ40と、通信線路の不平衡を検出する不平衡検出器50、60、70と、を備える。なお、D/A変換器等が他の素子等に置き換えられてもよく、また、これらの少なくとも一部がICやLSIに集積化されても良い。なお、第1および第2の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付している。
次に、通信線路(一対の伝送線路PL1、PL2に至るまでの線路部分も含む)の不平衡を検出する不平衡検出器の構成とその配置について説明する。
図16では、不平衡検出器50、60、70の3種類の例を記載してある。実際には、これらの不平衡検出器をすべて設ける必要はなく、少なくともいずれか一つがあればよい。
まず、不平衡検出器50について説明する。この不平衡検出器50は、インダクタ40に設けられた中点タップとグランドとの間に生じる電圧を検出して不平衡状態を検出し、その検出信号D1をする。
次に、不平衡検出器60は、他の機器との干渉あるいは所定周波数の電波との干渉の度合い(干渉レベル)や、伝送線路周辺への影響を示す電界や磁界等を測定し、これにより、通信線路の不平衡を検出するようにし、その検出信号D2を出力する。この場合は、通信線路の不平衡を間接的に測定していることになる。
また、不平衡検出器70は、受信側の伝送装置に設けられ、その検出信号D3をインピーダンス制御回路10へ出力する。
上記の各不平衡検出器によって検出された信号D1〜D3は、インピーダンス制御回路10に送られる。
インピーダンス制御回路10は、前掲の実施形態で説明したように、不平衡検出信号(D1〜D3)に基づいて、通信線路の不平衡が低減するように、補償用可変インピーダンス素子20のインピーダンスを、適宜、制御する。
このような第3の実施形態によれば、通信線路(PL1、PL2)に流れるコモンモード電流が減少し、通信線路からの輻射が低減することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、伝送線路(通信線路)の不平衡をリアルタイムで補償する機能をもつ平衡伝送装置を実現することができる。
また、送信データの生成に際し、通信線路および不平衡検出器を含む系がもつ周波数特性(所定の特性の周波数依存性)を考慮し、その周波数特性も補正するような処理を行うことにより、通信線路および不平衡検出器を含む系を、フラットな周波数特性をもつ系として取り扱うことができ、どの周波数帯域においても、通信線路の不平衡を補償する効果を得ることができる。
また、不平衡検出信号のレベルと実際の干渉レベルとが比例せず、両者間に何らかのずれが生じる場合には、不平衡検出信号のレベルを補正し、そのずれを解消することで、現実の干渉レベルを低く抑えることができる。また、ずれの補正としては、検出したずれ量をもとに、一方のレベルをずれ分だけ補正したり、ずれ量の平均値に合わせて補正したり、ずれ量分だけ全体を差動させたり、ずれ量の差分だけ合わせこむ等、種々の方法が用いられる。
また、伝送装置が受信モードや待機モードの場合でも、可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を実行すると共に、受信される信号を通信線路に送出することにより、通信線路の平衡度(バランス)を、常に補償することができる。
なお、データ通信としては、周波数分割多重信号やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)などを用いる電灯線通信や無線LAN、ADSLなどのデータ通信に好適に用いられる。また、これら以外の有線通信、無線通信当に用いられ、特に、伝送線路が専用線でない場合等に好適に用いられる。
特に、電灯線は平衡度が低い場合が多いため、電灯線における不平衡状態により、輻射が生じる場合がある。しかしながら、本発明の実施形態の平衡伝送装置は、伝送線路の不平衡状態を補償可能であるため、各家庭に備わっている電灯線を利用した高速通信(例えば、2MHz〜30MHz帯等、所定の周波数帯域を使用する通信)に本発明の実施形態の平衡伝送装置を用いた場合においても、電灯線からの輻射を低減することができる。
また、本発明の実施形態において、各構成要素は、回路ブロックやインダクタ等の電子素子によって表現した構成例を示したが、同様の作用又は機能を有するものであれば上記構成例に限定されるものではなく、アナログ回路、ディジタル回路、電子素子の組み合わせなど、種々の構成によって実現可能である。また、各構成要素の機能は、ハードウェア処理、或いはソフトウェア処理など、いずれで実現する構成であっても良い。また、回路の一部又は全部を集積化して装置の小型化を図ることも可能である。
また、不平衡成分の検出時の位相補償や、検出した不平衡成分に基づく伝送線路の平衡度の制御など、補正を行う際には、補正目標値に対するズレ量を補正量として補正する構成であっても良いし、これとは逆に、補正目標値とズレ量との差分を補正量として補正する構成であっても良い。
本発明は、伝送線路に不平衡成分が存在する場合でも、その不平衡状態を補償可能な効果を有し、電灯線通信装置等の平衡伝送装置等に有用である。
本発明における、伝送線路のアンバランスを補償するための原理的な構成、ならびに伝送線路上における電流モデルを示す図 本発明の実施形態の平衡伝送装置の要部の構成の一例を示す図 本発明の平衡伝送装置の要部の構成の他の例を示す図 本発明の平衡伝送装置の要部の構成の他の例を示す図 本発明の平衡伝送装置を用いた通信システムの概略構成、および一対の伝送線路の不平衡状態を検出するための構成の一例を示す図 伝送線路上の電流モデルを示す図 従来の平衡伝送回路の一例の構成を示す図
符号の説明
10 インピーダンス制御回路
12 バンドパスフィルタ(BPF)
14 A/D変換器
15 等化器
16 比較器
18 制御信号生成部
20 補償用インピーダンス回路

Claims (13)

  1. 1対の導体からなる伝送線路を用いてデータ伝送を行う平衡伝送装置であって、
    前記伝送線路の1対の導体の各々と所定電位とに挿入された、あるいは前記導体の各々に挿入された不平衡補償用可変インピーダンス素子と、
    前記伝送線路の不平衡状態を検出する検出信号が入力され、前記入力された検出信号に基づいて、前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンスを制御する制御信号を生成するインピーダンス制御手段と、
    を備える平衡伝送装置。
  2. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記検出信号は、前記伝送線路に生じるコモンモード電流、コモンモード電圧、電界、磁界および前記伝送線路からの輻射に起因する干渉の程度のいずれかに少なくとも一つを検出する検出信号である平衡伝送装置。
  3. 請求項1記載の平衡用伝送装置であって、
    前記インピーダンス制御手段によるインピーダンス制御によっては、前記伝送線路のディファレンシャルモード信号が影響を受けず、略不変である平衡伝送装置。
  4. 請求項3記載の平衡伝送装置であって、
    前記インピーダンス制御手段は、前記1対の導体の各々に対する前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス値の合計を略一定に制御する平衡伝送装置。
  5. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記インピーダンス制御手段は、前記伝送線路の特性、送信信号を生成する送信信号生成手段の特性、前記検出信号を検出する検出手段の特性のうち少なくとも一方の特性に基づいて前記制御信号を生成する平衡伝送装置。
  6. 請求項5記載の平衡伝送装置であって、前記特性は、周波数特性を含む平衡伝送装置。
  7. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記インピーダンス制御手段は、前記検出信号の検出レベルと、前記伝送線路からの輻射に起因する干渉のレベルとの間のずれに応じて、前記入力された検出信号に対して前記ずれを補正し、前記補正された検出信号に基づいて、前記不平衡補償用可変インピーダンス素子を制御する平衡伝送装置。
  8. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記制御信号の生成は、前記送信信号のレベルを上昇させていく過程で行われる平衡伝送装置。
  9. 請求項7記載の平衡伝送装置であって、
    前記送信信号のレベルの上昇は段階的に行われる平衡電送装置。
  10. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記平衡伝送装置が非送信モードである場合にも、前記インピーダンス制御手段による前記不平衡補償用可変インピーダンス素子のインピーダンス制御を実行する平衡伝送装置。
  11. 請求項1記載の平衡伝送装置であって、
    前記不平衡補償用可変インピーダンス素子を受信用の負荷として用いる平衡伝送装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項記載の平衡伝送装置であって、前記伝送線路として電灯線を利用する平衡伝送装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか一項記載の平衡伝送装置を有する送信装置と、
    前記送信装置と前記伝送路を介して通信を行う受信装置と、
    を備える平衡伝送システム。
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