JP4498292B2 - 半導体モジュール及び半導体モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
[半導体モジュールの第1の構造]
図1に示すように、第1の実施の形態に係る半導体モジュール1は、第1の表面(図1中、上側表面)201にアンテナ給電用パターンを有するマイクロ波回路(MMIC)21を配設した第1の基板2と、第1の表面201に離間しかつ向かい合う第2の表面(図1中、下側表面)401を有し、空気の誘電率に比べて高い誘電率を有する第2の基板4と、第2の表面401にマイクロ波回路21に向かい合わせて配設され、マイクロ波回路21によって励振されるパッチアンテナ(アンテナ部)41とを備えている。更に、第1の基板2と第2の基板4との間において、マイクロ波回路21及びパッチアンテナ41の周囲にはスペーサ3が配設されている。この半導体モジュール1は、第1の基板2上に第2の基板4をスペーサ3を介して重ね合わせ、マイクロ波回路21とパッチアンテナ41とを一体的に製作したモノリシックアンテナである。第1の実施の形態に係る半導体モジュール1は、必ずしもこの周波数帯域に限定されるものではないが、60GHzのミリ波周波数帯域用として製作されたものであり、例えば高速無線LANに使用される。
第1の実施の形態に係る半導体モジュール1においては、マイクロ波回路21(アンテナ給電用パターン)とパッチアンテナ41との間を微小な空隙dを介して電磁的に結合するようにしたので、伝送損失を減少することができ、アンテナ特性を向上することができる。更に、半導体モジュール1においては、マイクロ波回路21に向かい合う第2の基板4の第2の表面401にパッチアンテナ41を配設し、パッチアンテナ41を第2の基板4により覆い外部環境に対して保護するようにしたので、外部環境の変化に誘発されるアンテナ特性の劣化を減少することができる。そして更に、空気の誘電率よりも誘電率が高い第2の基板4によりパッチアンテナ41を覆うようにしたので、パッチアンテナ41から第2の基板4を通して電磁波が放射し易くなり、アンテナ特性を向上することができる。特に、第1の実施の形態に係る半導体モジュール1は第2の基板4を通して電波の指向性を広げることができるので、広い電波の指向性が要求される高速無線LANへの応用が有効である。
本発明の第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に係る半導体モジュール1において、電波の指向性を更に広げた例を説明するものである。なお、第2の実施の形態並びにこれ以降の実施の形態において、前述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一符号を付け、その同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態に係る半導体モジュール1は、図2に示すように、第2の基板4の第2の表面401に対向する第3の表面(図2中、上側表面)402に、パッチアンテナ41から第2の基板4を通過して放射される電波の指向性を広げる凹部42を更に備えている。第2の実施の形態において、第2の基板4は前述の第1の実施の形態の第2の基板4と同様に誘電体基板であり、凹部42はこの誘電体基板の表面部分すなわち第3の表面402からその厚さ方向に向かって掘り下げて形成されている。例えば、凹部42は半導体製造プロセスのエッチング技術を利用して形成する。
第2の実施の形態に係る半導体モジュール1においては、前述の第1の実施の形態に係る半導体モジュール1により得られる効果に加えて、第2の基板4に凹部42を備えたので、電波の指向性をより一層広げることができる。
本発明の第3の実施の形態は、前述の第2の実施の形態に係る半導体モジュール1において、第2の基板4の構造を代えた例を説明するものである。
第3の実施の形態に係る半導体モジュール1は、図5に示すように、樹脂基板45及びその表面上に積層した誘電体膜46により第2の基板4を構成し、誘電体膜46の表面部分すなわち第3の表面403からその膜厚方向に掘り下げて形成された凹部42を備えている。樹脂基板45には前述の第1の実施の形態において第2の基板4として例示したテフロン(登録商標)基板、ポリイミド基板等を使用することができる。誘電体膜46には、空気の誘電率に比べて高い誘電率を有するポリイミド樹脂膜、エポキシ樹脂膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の薄膜を使用することができる。樹脂基板45の誘電率と誘電体膜46との誘電率の差があまり無い方が、第2の実施の形態に係る半導体モジュール1においては好ましい。
第3の実施の形態に係る半導体モジュール1においては、前述の第2の実施の形態に係る半導体モジュール1により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の第4の実施の形態は、前述の第3の実施の形態に係る半導体モジュール1において、第2の基板4の構造を代えた例を説明するものである。
第4の実施の形態に係る半導体モジュール1は、図6に示すように、前述の第3の実施の形態に係る半導体モジュール1の第2の基板4の誘電体膜46に配設された凹部42に、誘電体膜46の誘電率に比べて低い誘電率を有する誘電体43を埋設している。この誘電体43は、パッチアンテナ41から放射される電波の指向性をより一層広げることができる。
第3の実施の形態に係る半導体モジュール1においては、前述の第2の実施の形態に係る半導体モジュール1により得られる効果と同様の効果を得ることができ、更に第2の基板4の凹部42に誘電率が低い誘電体43を埋設したので、より一層電波の指向性を広げることができる。
本発明の第5の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に係る半導体モジュール1において、第1の基板2と第2の基板4との間の接合構造を代えた例、並びにその接合方法を説明するものである。
第5の実施の形態に係る半導体モジュール1は、図7に示すように、前述の第1の実施の形態に係る半導体モジュール1のスペーサ3に代えて、第1の基板2と第2の基板4との間の機械的な接合を半田5で行っている。半田5は、第1の基板2の第1の表面201に配設された第1の半田接合層210に接合されるとともに、第2の基板4の第2の表面401に配設された第2の半田接合層410に接合されている。
次に、前述の半導体モジュール1の製造方法を図8乃至図10を用いて説明する。まず最初に、図8に示すように、第1の表面201にマイクロ波回路21を形成し、この第1の表面201のマイクロ波回路21の周囲に第1の半田接合層210を形成した第1の基板2を形成する。
第5の実施の形態に係る半導体モジュール1及びその製造方法においては、前述の第1の実施の形態に係る半導体モジュール1により得られる効果と同様の効果を得ることができるとともに、第1の基板2と第2の基板4との位置合わせずれを半田リフローにより修復することができる。この結果、マイクロ波回路21とパッチアンテナ41との位置合わせずれに起因する入力インピーダンスの変化を防止することができ、給電経路における不整合を減少し、反射特性を向上することができるので、アンテナ特性を向上することができる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、変更可能である。例えば、前述の実施の形態に係る半導体モジュール1は第2の基板4にパッチアンテナ41を配設したが、本発明は、使用周波数帯域に合わせたスロットサイズを有するスロットアンテナ(アンテナ部)を第2の基板4の第2の表面401上に配設することができる。
2 第1の基板
21 マイクロ波回路
201 第1の表面
210 第1の半田接合層
3 スペーサ
4 第2の基板
41 パッチアンテナ
42 凹部
43 誘電体
45 樹脂基板
46 誘電体膜
401 第2の表面
402 第3の表面
410 第2の半田接合層
5 半田
d 空隙
Claims (7)
- 第1の表面にマイクロ波回路を配設した第1の基板と、
前記第1の表面に離間しかつ向かい合う第2の表面を有し、空気の誘電率に比べて高い誘電率を有する第2の基板と、
前記第2の表面に前記マイクロ波回路に向かい合わせて配設され、前記マイクロ波回路によって励振されるアンテナ部と、
を備え、
前記第2の基板の前記第2の表面に対向する第3の表面に凹部を備え、前記アンテナ部が前記第2の表面に接することを特徴とする半導体モジュール。 - 前記マイクロ波回路と前記アンテナ部との間は電磁的に結合されることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
- 前記凹部の側壁が、前記アンテナ部側から見て末広がりになるようにテーパ面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体モジュール。
- 前記凹部は前記アンテナ部に対応する位置に配設され、前記凹部の底面サイズは前記アンテナ部の平面サイズに対して大きいことを特徴とする請求項3に記載の半導体モジュール。
- 前記第2の基板は誘電体基板又は表面に誘電体膜を有する樹脂基板であり、前記凹部は前記誘電体基板の表面部分又は前記誘電体膜の表面部分に配設されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の半導体モジュール。
- 前記凹部に前記誘電体基板又は前記誘電体膜の誘電率に比べて低い誘電率を有する誘電体を埋設したことを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
- 第1の表面にマイクロ波回路を形成し、前記第1の表面の前記マイクロ波回路の周囲に第1の半田接合層を形成した第1の基板を作製する工程と、
第2の表面に接してアンテナ部を形成し、前記第2の表面と対向する第3の表面に凹部を形成し、前記第2の表面の前記アンテナ部の周囲に第2の半田接合層を形成した、空気の誘電率に比べて高い誘電率を有する第2の基板を作製する工程と、
前記第1の基板の前記第1の表面に離間して前記第2の基板の前記第2の表面を向かい合わせて配置し、前記第1の半田接合層と前記第2の半田接合層との間に半田を形成する工程と、
半田リフローを行い、前記半田を一旦溶融した後凝固させ、前記第1の半田接合層と前記第2の半田接合層との間を前記半田を介して接合する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
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