JP4498017B2 - 無線接続装置 - Google Patents
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Description
またWebのアクセスは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いてクライアントからWWWサーバにアドレスを送信すると、WWWサーバがそのアドレスに対応するファイルをクライアントに送信することで実現されている。またHTTP/1.1 ではRFC2616のセクション8.1.1に規定されているようにConnection ヘッダを用いて持続的接続を行っている。
なお、SMTPはRFC821、POP3はRFC1939等、HTTPはRFC1945等に規定されている。
これらのアプリケーション間の通信は通常、トランスポート層を実現するTCP(Transmission Control Protocol:RFC793)、及びネットワーク層を実現するIP(Internet Protocol:RFC791)を介して行われるが、TCPが全2重通信に最適化されたプロトコルとして実装されているため、下位レイヤも全2重に適合する必要があり、無線LANやADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)の無線レイヤも全2重になっている。
また、常時接続されていないネットワーク端末間の通信において、アドレスの通知を中継装置を介して行うことで発呼側からの通信要求に迅速に応答するものが知られる(例えば、特許文献4参照。)。
また、HF帯無線通信を用いてメールやWebアクセスを行うものがある(例えば、非特許文献1参照。)。
またTCPはX.25などと異なりエンドツーエンドでリンクを張るので、経路の途中の無線リンクは変わらなくてもエンド(通信元もしくは通信先)が変わるたびにコネクション確立のためのトラフィックが無線リンク部分を通過する。それにより無線リンクにおいてトークン切替えが多発し、特に低速無線リンクではフレーム化による時間的なオーバヘッドが大きいので、応答性が悪化するという問題があった。
陸上ネットワーク1及び艦船Bネットワーク2夫々は、TCPから見ると全2重通信が可能なネットワークであり、基本的にはLANのような有線回線で構成されている。(一部のイーサネット(商標)のように半2重の物理層を用いていても通信方向の切替間隔がTCPのタイムアウト時間よりも十分速ければ、TCPからは通常の全2重通信が可能な下位レイヤとして扱われる。)
陸上ネットワーク1及び艦船Bネットワーク2は、夫々無線接続装置を1つ以上備える。無線接続装置は、異なるネットワーク間、例えば陸上ネットワーク1と艦船Bネットワーク2の間でTCPプロトコルによる通信を行う場合、TCPを一旦終端したうえで、通信を独自の手法により半2重無線通信回線を用いて中継する。
陸上ネットワーク1において、送信所A及び送信所Bの2箇所に無線接続装置11及び12が夫々設置される。一方艦船Bネットワーク2は無線接続装置21とともに艦船に搭載される。
陸上ネットワーク1側からメールを送信する場合、SMTPサーバ13と無線接続装置11の間(つまりSMTPサーバ13か無線接続装置11のどちらか)で、SMTPプロトコルを一旦終了させる。その結果、陸上ネットワーク1側(インターネットも含む)では、あたかもメール送信を終了したように認識し、エラーが生じることない。無線接続装置がSMTPを終端する方法では、SMTPサーバ13が無線接続装置11にメールを転送し、無線接続装置11が艦船Bネットワーク2の無線接続装置21にメールデータを送信し、無線接続装置21は受信したメールデータを蓄積する。蓄積されたメールデータはSMTPサーバ23にSMTPを用いてメールとして送信する。
つまり、無線接続装置11、21もSMTPを実装するSMTPサーバ(SMTPプロキシとも言う)であり、無線接続装置11及び21は所謂メールリレー動作をする。メールリレー動作を行うために、DNSサーバ14及び24のMXレコード、及び無線接続装置11及び21のリレーメール許可の設定が適切になされる。また、無線接続装置間のメールデータの送信は例えばPPP(RFC1661等)を用いてUUCP(Unix to Unix CoPy)により行う。
上記宛先メールアドレスを有するメールが陸上ネットワーク1側から送信される場合、DNSの名前解決により送信所Aの無線中継装置11のIPアドレスのポート25(SMTP)に送信されるので、無線中継装置11のSMTPプロキシ機能によりメールが受信される。無線中継装置11は自身(transa)にとってのサブドメイン”shipb”をみて、或いはメールを受信したIPアドレスに応じて送信先の艦船を艦船Bと特定する。そして、宛先メールアドレスから”transa”以降のみを残して、艦船Bとの無線リンクを確立した上で、艦船Bの無線接続装置12に当該メールを転送する。宛先メールアドレス” user25@yyy.com”のメールを受信した無線接続装置22では、アドレスが本来のアドレスに戻っているので従来同様、宛先が自ドメイン”yyy.com”であることからDNSサーバ24のMXレコードによりSMTPサーバ23のIPアドレス宛てにメールが転送されて、配送が完了する。PC25がPC15にメールを返信する場合、上記と逆の手順となる。
上記のアドレス表記の他、従来からメールリレー用に用いられている”user%site@othersite”や”@host:user@site”などの表記を用いても良い。
”www.h-kokusai.com”にアクセスする場合、ユーザがURLとして
”http://transa/-_-/www.h-kokusai.com/”を入力すると、PC25はhttpリクエストのgetメソッド
”GET http://transa/-_-/www.h-kokusai.com/ HTTP/1.1”をtransaのポート80(HTTP)に向けて発送する。DNSサーバ24はホスト名”transa”のような他のネットワークの送信所(無線接続装置)のドメイン名に対し、無線接続装置21の自ネットワーク側のIPアドレスを返すような名前解決を行うので、このgetメソッドは無線接続装置21により受信される。
無線接続装置21は従来同等のHTTPプロキシ機能を有した上で更に、受信したgetメソッドに”/-_-/”が含まれる場合、”/-_-/”以前をあて先ホスト名、”/-_-/”以降を新たなURLとして、新たなgetメソッド
”GET http://www.h-kokusai.com/ HTTP/1.1”を送信する。無線接続装置21内での名前解決は”transa”が送信所Aの無線接続装置11のIPアドレスになるように通常に行われる。無線接続装置21はルータ機能も有し、他ネットワーク宛てのこのgetメソッドを、宛先である無線接続装置11との無線リンクを確立した上で、無線接続装置11に送信する。
無線接続装置11は、無線接続装置22と同様のHTTPプロキシ機能を有し、getメソッドを一旦受信する。getメソッドに”/-_-/”が含まれていないので、受信したものと同じ新たなgetメソッド
”GET http://www.h-kokusai.com/ HTTP/1.1”を“www.h-kokusai.com”に送信し、従来と同様にWebサーバからの応答(レスポンス)
HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: text/html
(改行)
(index.htmlの内容)
を取得する。無線接続装置11は、Webサーバから受信した”index.html”等のHTMLファイルの中身を検索し、jpegやgif形式の画像ファイルのようにHTMLの表示に必要と判断されたインラインデータのアドレスを検出すると、それらインラインデータについてユーザからのgetメソッドを待たずにgetメソッドを送信し、Webサーバからそれらを取得する。無線接続装置11は、HTMLファイル及びインラインデータのgetメソッドに対する全ての応答を受信後、それらを纏め、無線接続装置22を宛先IPアドレスにして、途中にトークンの切替を伴わない1回の1方向無線通信として無線接続装置21に送信する。
無線接続装置21は、纏めて受信したそれら応答をキャッシュし、元々のgetメソッドで要求されていたHTMLファイルについては、キャッシュ中の対応する応答を元々のgetメソッドの送信元であるPC25のIPアドレスに送信する。その後PC25からインラインデータ夫々についてのgetメソッドを受信すると、その応答としてキャッシュ中の対応する応答を逐次PC25に送信する。
本実施例に拠れば、本来SMTPサーバ間或いはWebサーバ−クライアント間で張られるTCPコネクションが無線接続装置により一旦終端されるので、半2重無線回線によりTCPコネクションが切断されないようできる。またメールアドレスやURLのような文字列中で無線通信を行う送信所を指定するので、エンドユーザであっても思い通りに送信所つまり通信経路を指定できる。
以下PC25からWWWサーバ16上のコンテンツにアクセスする動作を説明する。IPアドレスとして、無線接続装置21の艦船Bネットワーク側ポート21aに200.1.1.1、無線側ポート22bに200.1.2.10、無線接続装置11の陸上ネットワーク1側ポート11aに200.3.3.1、無線側ポート11bに200.1.2.20を用いるものとする。また簡単のために無線接続装置間におけるプロキシ同士のキャッシュ共有は考えず、単にプロキシがカスケード接続されたものとする。つまり、無線接続装置21は無線側ポート21bからWebアクセスする際に無線接続装置11をプロキシとして指定する。その逆も同様である。またPC25には無線接続装置21をプロキシとして設定しておく。また、セグメントとはTCPにおけるデータ伝送単位である。
PC25は、ユーザエージェント(ブラウザ)からWWWサーバ16上のコンテンツの閲覧要求が発生すると、プロキシサーバの設定に基づき無線接続装置21と接続(コネクション)を開始するために、SYNフラグをオンに、ACKフラグをオフに、シーケンス番号をランダムな値(たとえば1234) に設定したTCPヘッダのみからなるセグメントS01をポート21aに向けて送信する。
無線接続装置21は、セグメントS01を正常に受信するとその応答として、SYNフラグとACKフラグをオンに、シーケンス番号をランダムな値(たとえば5678) に、肯定応答番号にセグメントS01のシーケンス番号に1加算した値(1235)を設定したTCPヘッダのみからなるセグメントS02をPC25に向けて送信する。
PC25は、セグメントS02を正常に受信するとその応答として、SYNフラグをオフに(以後全てオフである)、ACKフラグをオンに、シーケンス番号をS02の肯定応答番号と同じ(1235) に、肯定応答番号にセグメントS02のシーケンス番号に1加算した値(5679)を設定したTCPヘッダのみからなるセグメントS03をポート21aに向けて送信する。
これにより、通信相手が通信可能状態であることの確認、およびシーケンス番号の交換が行われ接続が完了する。この3つのセグメントによる接続手順は3方向ハンドシェイクと呼ばれる。ここで、シーケンス番号とは、そのセグメントに格納されているデータの最初のオクテット(バイト)が、通信中のデータストリーム(例えば1つのHTTPメッセージ)全体で占める位置をオクテット単位で示したもので、TCPヘッダの4オクテット目から32ビットを占める。シーケンス番号には成りすましなどを防ぐためにランダムな初期値を与えるので、接続確立時にSYNフラグを立てて初期値の交換を行う。また肯定応答番号は、次に通信相手に要求するデータの先頭位置がデータストリーム先頭の何オクテット目であるかを示すもので、肯定応答番号から1を引いた数のオクテットが全て正しく受信できたことを示す。肯定応答番号は、TCPヘッダの8オクテット目から32ビットを占める。肯定応答番号は、ACKフラグが設定されている場合にのみ有効である。
”GET http://www.16.org/index.htm HTTP/1.1”)をデータに含み、ACKフラグをオフに、シーケンス番号をS03と同じ(1235) に設定したセグメントS04をポート21bに向けて送信する。getメソッドは短いので通常1セグメントに収まる。またセグメント04はセグメント03と併せてもよい。
無線接続装置21では、S04を正常に受信すると、HTTPプロキシがHTTPメッセージを解釈し、getメソッドによりアクセスしようとしているコンテンツがポート21b側にあるか、またそのコンテンツがキャッシュされているかを確認する。ポート21b側にありキャッシュされていない場合、S04と同様のgetメソッドをデータに含み、ACKフラグをオフに、シーケンス番号を4321 に設定したセグメントS08をポート11bに向けて送信する。S08の送信以前にセグメントS05〜S07によりS01〜S03同様に接続が確立しており、無線接続装置11からの直前の肯定応答番号が4321であるとする。S05はS04を受けてから開始する場合もある。
無線接続装置11では、S08を正常に受信すると、HTTPプロキシがHTTPメッセージを解釈し、getメソッドによりアクセスしようとしているWWWサーバのIPアドレスをDNSサーバ14により特定し、WWWサーバ16とセグメントS09〜S11によりS01〜S03同様にTCP接続を行う。ただしS11は、S04と同様のgetメソッドをデータに含み、ACKフラグをオンに設定することで、S10に対する肯定応答とデータ送信を同時に行う。
WWWサーバ16は、セグメントS11を正常に受信するとHTTPメッセージを解釈し、getメソッドの応答としてコンテンツデータ(index.htm)を含むHTTPレスポンスを複数セグメントS12〜S13にセグメント化して送信する。S12は、ACKフラグをオンに、シーケンス番号をS11の肯定応答番号と同じ(3457) に、肯定応答番号をS11のシーケンス番号にS11のデータ量(例えば41)を加算した値(5719)に設定する。S13はACKフラグをオフに、シーケンス番号をS12のそれにS12のデータ量(例えば1500)を加算した値(7179)に設定する。
”GET http://www.16.org/image.gif HTTP/1.1”)をデータに含み、ACKフラグをオンに、シーケンス番号をS12の肯定応答番号と同じ(5719)に設定したセグメントS14をWebサーバ16に送信する。また無線接続装置11は、受信したS12〜S13のデータと同一(或いは同様)のデータをもつ複数セグメントS15〜S16をポート21b宛てに再セグメント化して下位レイヤに渡し、下位レイヤは送信を開始する。この時、一旦アプリケーションで受けて再セグメント化するので、セグメントサイズは勿論、データ(HTTPレスポンス等)も変化することもある。データが変化する例としては、If-Modified-Since 等の各種ヘッダフィールドを追加したとき及びその応答時、或いはハイパーテキストや複数のインラインデータ等をMIMEのマルチパートタイプを用いて1つのレスポンスにカプセル化したときなどがある。無線接続装置11、21間のTCP接続におけるセグメントサイズは、一般的なTCP実装と同様に制御しても良い。
無線接続装置の最下位レイヤである無線レイヤでは、トークン切替によるオーバヘッドと応答性とのトレードオフにより決定されるトークン占有期間の最大値(1トークンが可変長の1無線フレームで構成される場合、1フレームの最大長)が存在し、1トークンに詰め込めるだけ或いはTCP送信バッファが空になるまでTCPセグメントが詰め込まれる。例えばトークンの最大時間を15秒、通信速度を9600bps、セグメントサイズを1500Byteとすると、80〜90セグメント程度を1トークンで送信できる。図2ではセグメントS15〜S16は1トークン中に連続したまま含まれて送信される場合を示している。
一方でWWWサーバ16は、セグメントS14を正常に受信するとS11と同様にコンテンツデータ(image.gif)を含むHTTPレスポンスを複数セグメントS17〜S20にセグメント化して送信する。
無線接続装置11では、S17〜S20を正常に受信すると、無線接続装置11自身の判断でリクエストしたインラインデータの応答であることを確認し、受信したS17〜S20のデータと同一(或いは同様)のデータをもつ複数セグメントS21〜S24を再セグメント化してポート11b側の下位レイヤに渡す。下位レイヤは、現在無線接続装置11自身側にトークンがあって送信中(正確には無線レイヤが、上位レイヤからデータを受ける入力バッファが空になり送信終了を認識する前)の場合、受け取ったセグメント(無線レイヤにとってはデータ)を続けて送信する。そのため図2では、S21〜S24はS15〜S16とともに1トークン中に連続したまま含まれて送信される場合を示している。また無線接続装置11は、S17〜S20に対する肯定応答として、S20のシーケンス番号にそのデータ長を加算した値を肯定応答番号に設定したセグメントS25を送信する。
PC25では、ユーザエージェントは受信したS26〜S27をPC25自身がS04で送信したHTTPリクエストの応答としてブラウジングを行い、インラインデータimage.gifのHTTPリクエストをS04同様にセグメントS28にて送信する。このときユーザエージェントは、image.gifが表示に必要なインラインデータのうち最後のものと判断すると、HTTPリクエストのヘッダフィールド(メソッドの次の行以降)にConnection:closeを指示する場合があり、これによりこのリクエストに対するレスポンス後にHTTP1.1の接続維持が解除され、TCPコネクションの解放が始まる。
無線接続装置21は、S28を正常に受信するとS04と同様、そのコンテンツがキャッシュされているか(先読みが既に実行されている状態も含む)を確認し、今回は既にキャッシュされているので受信済みのS21から順次複数セグメントS29〜S32にセグメント化してPC25に送信する。S29はS28に対する肯定応答を含む。図2ではS29はS28の受信の直後に送信が開始されているが、無線接続装置間のような低速通信ではTCPバッファは1セグメント受信する度に読み取られる(明示的にプッシュさせても良い)ので、アプリケーションであるプロキシがセッション単位(コンテンツファイル単位)ではなくこのセグメント単位でデータストリームを逐次処理することで実現できる。つまり要求されたコンテンツが無線接続装置間で転送中であれば、ファイルサイズはHTTPレスポンスヘッダにより既知なので、ファイルが転送終了により閉じられるを待たずに応答S29を見切り開始する。(ファイルは無線接続装置21のプロキシキャッシュ上で読み書き可能なファイルとしてオープンする必要がある場合がある。)RFC2616のセクション8.1.1.2に規定されるパイプライン形式のリクエストの順番が無線接続装置11とPC25で同一とは限らないのでポート21a,b間の単なるセグメント転送ではない。この見切り応答によりインラインデータがプログレッシブ形式JPEGファイル、インタレース方式GIFファイル等の場合に特に応答性が向上するが、S24の受信を待って(つまりコンテンツファイルの受信を完了してファイルを閉じてから)S29を開始する方法でも本発明の効果は十分達成できる。
無線接続装置21は、セグメントが全て正常に受信された場合、最後に受信したS24のシーケンス番号にS24のデータ長を加算した値を肯定応答番号に設定したセグメントS33をポート11bに向けて送信する。或いは1トークン中に断続的に受信に失敗した(例えばチェックサムエラー発生した)セグメントがある場合は、S25で選択肯定応答(SACK)を送信する。この時PC25やその他から新たなHTTPリクエストなどがある場合は、それをS25のデータに含めて送っても良い。図2ではS24の受信直後にS33を送信しているが、S24以降も無線接続装置11からの送信が続く場合は、その送信が終了しトークンが無線接続装置21側に切り替わった以降に行われる。
PC25では、S29〜S32を正常に受信すると、受信したインラインデータをブラウジングに反映するとともに、S29〜S32に対する肯定応答をセグメントS34にて送信する。この時、S28にてConnection ヘッダフィールドにcloseを指示している場合S34のFINフラグを立ててTCPコネクションの解放を指示することもある。或いはS34でFINフラグを立てずとも無線接続装置21からFINフラグを立てたセグメントを送信することもある。或いは、TCP接続、HTTP接続をそのまま維持しても良い。これと同様のことが無線接続装置11−WWWサーバ16間のS25以降にもいえる。ただし、無線接続装置11−21間では、たとえWebアクセス先がWWWサーバ16から変わってもTCP接続は維持される。よって無線接続装置11−21間の無線リンクが確立した以降は、1つのWebページのアクセスに対し1対のトークンで済み、別ユーザ等が別ソケットで同時にプロキシを利用した場合には、更に複数のアクセスをトークン1対(送信及び受信)で行うことができる。
Webアクセスにおいてはキャッシュ機能が顕著に作用するのでプロキシの使用が望ましいが、その他のアプリケーションに対しては回線レベルゲートウェイの一種であるSOCKS(RFC1928等)を用いてもよい。
図4は本実施例の無線通信システムの構成図である。図4では艦船Bネットワーク2は図1と同一なので省略している。本実施例の無線接続装置11’、12’、21’は、図3aに示すように、同時に4つの送受信が可能な無線リソースを有するソフトウェア無線である。各無線リソースは、夫々異なるIPアドレスを有し、ソフトウェアの切替により任意の搬送波周波数、変調方式にて通信を行う。
また本実施例では新たに無線制御装置19、29を備える。無線制御装置19、29は夫々陸上ネットワーク1及び艦船Bネットワーク2に接続され、無線接続装置11’、12’や21’のLAN側ポートに制御電文を送って、無線接続装置の各無線リソースのリンクの確立/解放、搬送波周波数、変調方式などを制御したり、各無線リソースのリンク状態や回線品質を把握し、リンクを優先度に応じて管理して、それに連動するようにルータ18などのルーティング設定を変更する。
一方、図3bのプロトコルスタックように無線接続装置と別体に共通のプロキシサーバ117を備える場合の動作を説明する。実施例2同様、ユーザはプロキシサーバ117のIPアドレス宛てに通信を行い、プロキシサーバ117は、無線中継装置21内のプロキシ宛てに中継を行う。ルータ18は宛先の無線中継装置のIPアドレスを参照し、ルーティングテーブルに基づきIPパケットを無線中継装置11’、12’のどちらかに振り分ける。
本実施例によれば、適切な無線接続装置を自動で選択することができる。
図5は無線レイヤの機能ブロック図である。
暗号化符復号部111は、上位層からのデータストリームを圧縮し、通信相手の無線接続装置の公開鍵を用いて符号化して出力する。その逆を行い上位層に渡す。上位層からのデータストリームは例えばIPパケットであり、或いはTCPセグメントでもよく、その場合TCPセグメントにチェックサムに用いる擬似IPヘッダをつけてもよい。また圧縮はIPヘッダなどのヘッダ部、データ部若しくはその両方に行っても良い。通信相手の無線接続装置をIPアドレスにより特定する場合、公開鍵はIPアドレスと対応付けられてフレーム化部111内にテーブルとして記憶される。
誤り訂正符復号部112は、暗号化符復号部111からの入力を例えばビタビ符号化を用いて誤り訂正符号化して出力する。またその逆を行う。
インタリーブ/デインタリーブ部113は、誤り訂正符復号部112からの入力をインタリーブして出力する。またその逆を行う。
フレーム化部114は、インタリーブ/デインタリーブ部113からの入力を無線フレーム用にフレーム化する。また受信フレームに対してその逆を行う。フレーム構成の一例を図5に示す。無線フレームの先頭には、無線部114のフレーム同期、シンボル同期、等化処理のトレーニングのためのユニークワードが位置する。ユニークワードの次に、無線フレームの送信元及び送信先、フレーム長、各種コマンドなどを示したフレームヘッダが位置する。送信元などはIPアドレスで示しても良いが、無線層独自のアドレスを用いても良い。フレームヘッダの次に、インタリーブ/デインタリーブ部113から入力されたストリームを配置するデータ部が位置する。データ部には例えば等間隔に1シンボルの既知シンボル(TS:トレーニングシンボル)が挿入され、等化器のトレーニングに用いられる。データ部の次に、可変長の無線フレームの終端を示すフッタが位置すると無線フレームが終端する。フッタと同じシンボル列がデータ中に含まれないようにするエスケープ処理が必要な場合がある。
無線部115は、フレーム化部114からの無線フレームを変調し、無線周波数に変換して送信する。またその逆を行う。変調方式や無線周波数、送信電力がALE制御部により指定される。また受信信号の強度や等化誤差を回線品質評価のためにALE制御部に出力する。
ALE制御部116は上位層からIPアドレスにより通信相手の無線接続装置が指定されると、無線部114に対してALE(Automatic Link Establishument)の制御を行って無線リンクの確立、管理を行う。またフレーム化部114との間で送信先及び送信元アドレスを送受する。
本実施例の他、無線レイヤにPPPやX.25を用いても良い。
11、12、21:無線接続装置
13,23:SMTPサーバ, 14,24:DNSサーバ
15,25:PC, 16:WWWサーバ, 17、18:ルータ
19、29:無線制御装置
Claims (2)
- DNSサーバと複数の無線接続装置とを有する、陸上に構築された陸上ネットワークと、前記陸上ネットワークの無線接続装置と無線回線で接続された、艦船に構築された艦船ネットワークとを備える無線通信システムであって、前記陸上ネットワークの端末から前記艦船ネットワークの端末にメールを送信するとき、
前記陸上ネットワークの端末において、宛先である前記艦船ネットワークの端末のメールアドレスのドメインに、ユーザが指定した使用する無線接続装置を表すサブドメインを追加してメールを送信し、
前記陸上ネットワークのDNSサーバは、前記サブドメインが追加されているメールアドレスについて、当該サブドメインによって表される無線接続装置のIPアドレスを返す名前解決を行い、
前記陸上ネットワークの無線接続装置は、自己を表すサブドメインが追加されたメールを受信すると、当該受信したメールのアドレスから当該サブドメインを削除した上で、当該受信したメールを無線で前記艦船ネットワークに転送する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 前記艦船ネットワークの端末から、前記陸上ネットワークの無線接続装置を介して前記陸上ネットワーク側のインターネット上のWebサーバにアクセスする場合、
前記陸上ネットワークの無線接続装置は、前記Webサーバから受信したHTMLファイルの中身を検索し、インラインデータのアドレスを検出すると、前記艦船ネットワークの端末からのgetメソッドを待たずに当該インラインデータをWebサーバから取得し、前記HTMLファイルと前記インラインデータとを纏めて前記艦船ネットワークに送信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
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