以下,本発明の好適な実施の形態について,添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
(記録再生装置について)
まず,図1を参照しながら,第1の実施の形態にかかる記録再生装置(映像処理装置)101について説明する。なお,図1は,第1の実施の形態にかかる記録再生装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
記録再生装置101は,入力する映像信号を映像データに符号化し,記録媒体131に記録する記録機能と,記録媒体131に記録された映像データを復号し,ディスプレイ装置(図示せず。)等に出力する再生機能とを兼ね備えた装置である。
なお,第1の実施の形態にかかる映像データは,画像部分に該当する画像データのことを示すが,かかる例に限定されず,画像,音声,もしくは属性の部分うち少なくとも一つの部分に該当するデータを総称するものとする。
なお,記録再生装置101は,例えば,ケーブルなどでライン接続する外部装置から送出されてくる映像信号の入力を受ける場合や,CCD等からなる撮像手段を備え,その撮像手段により送出されてくる映像信号を受ける場合等でも,符号化し,記録媒体に記録することができる。上記撮像手段を備える場合,記録再生装置101は,撮像可能であって,撮像した映像データを記録媒体に記録する,または,記録媒体に記録された映像データを再生する一体型カムコーダ装置といえる。
図1に示すように,第1の実施の形態にかかる記録再生装置101は,制御コントローラ113と,画像符号化部115と,オーディオ符号化部119と,メタ符号化部121と,画像復号部123と,オーディオ復号部125と,メタ復号部127と,出力切替部130と,記憶装置133と,記録/再生部135と,メディア符号化部137と,メディア復号部139とを備えている。
制御コントローラ113は,記録再生装置101に備わる各部(画像符号化部115〜メディア復号部139)の処理を制御する。例えば,画像符号化部115にエンコードするデータレート(ビットレート)の値を指示したり,記録媒体140に記録された映像データの復号を画像復号部123に指示したりする。
上記画像符号化部115は,映像信号のうち画像部分に相当する画像信号(ビデオ信号)がSIF(Source Input Format)等の所定フォーマットに変換された画像信号を入力する。
なお,第1の実施の形態にかかる画像信号は,画像及び/又は音声などの信号からなる映像信号に含まれ,主として動画像の場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されない。
画像符号化部115は,入力してくる上記画像信号のフレームのシーケンスを並び替え(リオーダリング),1又は2以上フレーム以上のピクチャから構成される映像データに符号化する。
上記画像符号化部115は,画像信号の入力を受けると,制御コントローラ113から指示を受けたデータレート(又は,ビットレート)に従って,例えば,MPEG(Moving Picture Experts Group)2又はMPEG4等の形式で圧縮等し,1又は2個以上の画像データ(又は,映像データ)を出力する。なお,上記指示されるデータレートは,例えば,30Mbps〜50Mbps等の高データレート,または,1.5Mbps〜2.0Mbps等の低データレートを例示することができるが,かかる例に限定されない。
画像符号化部115は,制御コントローラ113からデータレートが高データレートで指示された場合,高データレートの映像データを出力し,低データレートで指示された場合,低データレートの画像ストリームを出力することができる。
上記オーディオ符号化部119は,映像信号のうち音声部分に該当する音声信号を入力すると,上記音声信号をオーディオデータに符号化する。なお,上記画像符号化部115にて説明したように,オーディオ符号化部119は,制御コントローラ113から高データレートで指示されると,音声信号を高データレートで符号化し,低データレートで指示されると,音声信号を低データレートで符号化することが可能であるが,かかる例に限定されない。
上記オーディオ符号化部119により符号化されたオーディオデータは,記憶装置133に一時的に記憶される。
上記メタ符号化部121は,映像信号のうち属性信号(RT信号:リアルタイム信号)の入力を受けると,属性信号をメタデータに符号化する。なお,上記属性信号は,画像及び/又は音声に関するリアルタイム情報等であり,より具体的には,タイムコードや,撮影日時,ズーム倍率などを例示することができるが,かかる例に限定されない。
記憶装置133は,画像符号化部115,オーディオ符号化部119,メタ符号化部121から出力される,画像データ(又は,映像データ),オーディオデータ,メタデータ等のデータを自装置内の記憶領域に記憶することができる。
記憶装置133は,所定大きさの記憶領域を有して,上記説明した各種データを格納し,データを削除し,データを変更することができる。なお,第1の実施の形態にかかる記憶装置133は,例えば,SDRAM,DRAM等のメモリを例示することができるが,かかる例に限定されない。
また,記憶装置133は,制御コントローラ113等からデータの読み出し/書き込みが指示されると,入力するデータを記憶領域に書き込み,または,記憶領域に記憶されたデータを読み出し,画像復号部123または記録/再生部135等に出力する。
なお,第1の実施の形態に係るフレーム(又は,枠)は画像信号,画像データ(又は,映像データ),オーディオデータ,メタデータに構成される最小単位の画像(又は,ピクチャ)や,音声,または属性等を示すものとするが,かかる例に限定されない。
記録/再生部135は,記憶装置133から受け取った記録用の画像データ,オーディオデータ,もしくはメタデータ(又は,映像データ)を記録媒体140に記録する,または,記録媒体140に記録された上記映像データを読み出し記憶装置133に送出する。
なお,第1の実施の形態にかかる記録媒体140は,CD,DVD,またはBlu−rayDisc等,光ディスクの場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,磁気ディスク等の場合でも実施可能である。
上記画像復号部123(123a,123b)は,記録/再生部135により記録媒体140から読み込まれた画像部分に該当する画像データ(又は,映像データ)を記憶装置133から入力して画像信号に復号するデコーダである。
第1の実施の形態にかかる画像復号部123には,走査線数変換部124等をさらに連結することが可能であり,1フレームごとに走査線数を変換した後,画像信号に復号するが,かかる詳細については後程説明する。
出力切替部130は,画像復号部123a又は画像復号部123bから送出される画像データのどちらの一方を切替えて画像信号として出力する。なお,第1の実施の形態にかかる出力切替部130は,画像復号部123a又は画像復号部123bの2台のうちいずれか一方の画像信号を切替えて出力する場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば,出力切替部130は,3台以上の画像復号部123のうちいずれか一台の画像復号部123に切替えて画像信号として出力する場合でも実施可能である。
上記オーディオ復号部125は,オーディオデータを記憶装置133から入力すると,音声信号に復号し,出力するデコーダであり,上記メタ復号部127は,記憶装置133からメタデータを入力して属性信号に復号し,出力するデコーダである。
また,記録再生装置101は,画像復号部123,オーディオ復号部125,およびメタ復号部127により復号された映像信号を出力可能なディスプレイ装置(図示せず。)をさらに備えてもよい。
例えば,ディスプレイ装置は,映像信号を受けると画面上に動画像を表示することができる装置である。なお,ディスプレイ装置は,例えば,液晶ディスプレイなどを例示することができ,静止画像,動画像,もしくは音声又はそれらの任意の組合せなどを出力することが可能である。
(画像復号部について)
次に,図2を参照しながら,第1の実施の形態にかかる画像復号部123についてより具体的に説明する。なお,図2は,第1の実施の形態にかかる画像復号部の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように,画像復号部123は,記憶装置133から画像データ(又は,映像データ)を入力し,画像データを画像信号に復号するデコード部122と,デコード部122からの画像信号を一時的に保存するベースバンド画像保存部120とを備えている。
ベースバンド画像保存部120は,例えば,デコード部122がBピクチャを復号する際に,それ以前に復号したIピクチャ又はPピクチャなどをデコード部122が参照するために,一時的に復号した画像信号を保存することが可能である。
また,ベースバンド画像保存部120は,復号された画像信号を,ベースバンドの画像信号として出力切替部130に出力する。ベースバンド画像保存部120から出力された画像信号は,出力切替部130を経て,ディスプレイ装置(図示せず)等に出力される。
なお,MPEGの場合,上記ピクチャには,Iピクチャ(Intraピクチャ,又は,フレーム内符号化画像)と,Pピクチャ(Predictiveピクチャ,又は,フレーム間順方向予測符号化画像)と,Bピクチャ(Bidirectionally predictive符号化画像,又は,双方向予測符号化画像)と3つのタイプのピクチャが存在する。なお,第1の実施の形態にかかるピクチャは,画像信号に構成されるフレーム単位の画像信号,または,画像データに構成されるフレーム単位の画像データをいうが,かかる例に限定されない。
上記Iピクチャは,前のフレームとの相関関係を利用しない独立したピクチャであり,上記Pピクチャは,前のフレームとの相関関係を利用するピクチャであり,上記Bピクチャは,前後両方のフレームとの相関関係を利用するピクチャである。
一般的に,Bピクチャを使わずにIピクチャとPピクチャのみを使う場合よりも,BピクチャをIピクチャ若しくはPピクチャではさむことで使う場合の方が,同一ビットレートでの画質は良い。
なお,第1の実施の形態にかかる画像復号部123(又は,デコード部122)は,MPEG2又はMPEG4等の形式で復号する場合を例に挙げて説明するが,画像データのシーケンスを並び替えるリオーダリングが必要な復号であれば,かかる例に限定されず,画像データが如何なる形式の場合でも実施可能である。
(映像データつなぎ再生処理について)
次に,図3を参照しながら,一般的な映像データ(又は,映像クリップ)つなぎ再生処理について説明する。なお,図3は,一般的な映像データつなぎ再生処理の概略を示す説明図である。なお,一般的な映像データつなぎ再生処理を実行する装置には,1台の復号器が備わっているものとする。なお,映像データは,開始から終わりまでのある区間からなる動画像又は静止画像をいうが,かかる例に限定されない。
図3(a)に示すように,映像データ1と映像データ2のように,複数の映像データをつないで再生(つなぎ再生)する場合,映像データ1と映像データ2のデータを順番に各々復号し,ディスプレイ装置等の出力デバイスに出力する。
図3(b)に示すように,上記映像データ1には,I0,B1,…,B8,P9と複数のピクチャが配列されている。また上記映像データ2には,I0,B1,…,B4,B5のピクチャが配列されている。
なお,本明細書では,映像データに構成されるピクチャを特定するために,例えば,「B2」等と記載するが,「B2」のうち左側のBは,Bピクチャなどのようにピクチャの種類を示し,右側の数字の2は,フレーム番号を示している。
図3(b)に示すように,映像データ1をI0から順に復号していき,B7まで復号した時点で,次の映像データ2に切替えてそのままつないで再生する場合,B7を復号する際に,そのままB7のピクチャを復号することができず,P6又はP9など前後のピクチャを参照する必要があるため瞬時に復号できない。
また,映像データ2に構成されるB1及びB2は,復号する順番がI0よりも後続であるものの,ディスプレイ装置等の出力デバイスに出力する順番は,I0よりも前であるため,映像データ2のI0を復号した段階では,B1又はB2が復号されるまでは出力デバイスに出力することができない。
さらに,映像データ2のうち再生開始位置をB1とした場合,映像データ2が図3に示す破線位置にきた瞬間に映像データ2を復号開始したとしてもI0を復号した後に,B1を復号するため,映像データ1と映像データ2との間で隙間が生じ,映像データ1から映像データ2にスムーズにつないで(切替えて)再生することができない。
また,図3に(b)に示すように,映像データ2に構成されるB1のピクチャから復号しようとしても,I0とP3を参照する必要があるため,まずI0のピクチャを復号することが必要となる。
以上,複数の映像データをスムーズにシームレスにつないで再生する場合,1台の復号器では実現することが困難である。しかしながら,第1の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理では,図1又は図4等に示すように記録再生装置101に画像復号器123を複数台備えることで,かかる問題を解決している。以下,詳細に説明する。
次に,図4を参照しながら,第1の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理について説明する。なお,図4は,第1の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理の概略を示す説明図である。なお,映像データ1では,P7が映像信号として出力したくないピクチャであり,映像データ2では,I0が映像信号として出力したくないピクチャであるものとする。なお,上記の場合,出力しないピクチャが1フレームであるが,かかる例に限定されず,複数フレームの場合でも実施可能である。
図4(a)に示すように,上記図1を参照しながら説明したのと同様に,記録媒体140に記録された映像データを記録/再生部135が読み出し,その映像データを画像復号部123aと画像復号部123bとが映像信号に復号し,出力切替部130が映像信号を切替えて出力する。
ここで,映像データ1と映像データ2とのつなぎ再生する場合,記録/再生部135は,記録媒体140から映像データ1,映像データ2の順に読み出す。記録/再生部135から映像データ1を時刻t0から順に受信すると,図4(b)に示すように,画像復号部123aは,I0,P1,B2,B3,…,B6,P7,B8の順にピクチャをデコード(復号)し,リオーダリングして,図3の表示側に示すように,I0,B2,B3,P1,…,P4,B8,P7の順にピクチャを出力する。
記録/再生部135は映像データ1の読み出しを終了すると,次に,記録/再生部135は,映像データ2の読み出しを開始する。記録/再生部135から映像データ2が送信されてくると,画像復号部123bは,I0,P1,B2,B3,…,B5,B6の順にピクチャをデコードし,図4(b)の映像データ2の表示側に示すように,画像復号部123bは,I0,B2,B3,P1,…,B6,P4のように出力する。
第1の実施の形態にかかる記録再生装置101には,画像復号部123aと画像復号部123bとが備わっているため,画像復号部123bは,出力切替部130によって切替えられるタイミング(図4(b)に示す時刻t2)よりも前もって記録/再生部135から映像データ2を受信することができる。
したがって,画像復号部123bは,画像復号部123aがB8を出力するタイミングで,I0を復号し出力することができるため,実際に出力切替部130から出力される映像信号には,I0が含ませずに済むことができる。
さらに,出力切替部130による切替タイミングとあわせて,画像復号部123bがB2を復号し出力切替部130に出力することができるため,記録媒体140から読み出された映像データ2のうち途中のピクチャであっても,そのピクチャがBピクチャであっても,出力切替部130にタイミングよく再生開始位置のピクチャから出力することができる。なお,再生開始位置が映像データに構成される先頭のピクチャからどの程度離れているかに応じて,画像復号部123bが復号開始するタイミングが異なるが,そのタイミングについては制御コントローラ113が指示するものとする。
図4(c)に示すように,出力切替部130が映像信号として出力すると,I0,B2,B3,P1,B5,…B2,B3,P1,B5,B6,P4のようになり,上記出力予定のないP7とI0のピクチャを省いて,シームレスにスムーズに映像データ1と映像データ2のつなぎ再生処理を実現している。
なお,画像復号部123aが映像データ1を復号し,画像復号部123bが映像データ2を復号する場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,画像復号部123aが映像データ2を復号してもよい。どちらの画像復号部123がどちらの映像データを復号するのかは,制御コントローラ113が指示するものとする。
次に,図5を参照しながら,第2の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理について説明する。図5は,第2の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理の概略を示す説明図である。
なお,第2の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理と,第1の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理とを比較し,特に相違する点について説明する。その他については,特段の記載が無い場合実質的に同一であるため詳細な説明は省略する。
図5(a)に示すように,第2の実施の形態にかかる画像復号部123aと画像復号部123bの各々に,走査線数変換部124aと走査線数変換部124bとが連結している。その他に関しては,第1の実施の形態にかかる記録再生装置101と実質的に同一である。
上記走査線数変換部124は,フレーム単位又はフィールド単位に走査線数を変換することができる。例えば,ディスプレイ装置等の出力デバイスがHDフォーマット(High Difinition format)対応の場合,画像復号部123が復号した映像信号(又は,画像信号)のフォーマットがSDフォーマット(Standard Difinition format:走査線数)のままでは,出力切替部130が出力デバイス(図示せず)に出力しても,出力デバイスは出力できない。
したがって,画像復号部123が復号した映像信号を入力した走査線数変換部124が出力デバイスに対応するHDフォーマットに変換することで,出力デバイスが正常に映像信号を出力することができる。
図5(b)に示すように,映像データ1と映像データ2とのつなぎ再生する場合,画像復号部123aは,記録/再生部135から映像データ1を入力し,復号する。走査線数変換部124aは,画像復号部123aから映像データ1を時刻t0から順に受信すると,図5(b)に示すように,走査線変換部124aは,映像信号に構成されるフレーム0,フレーム1,フレーム2,フレーム3,…,フレーム7,フレーム8,フレーム9の順にフレームに構成される走査線数をHDフォーマットの走査線数に変換し,図5(b)の表示側に示すように,変換後のフレーム1,フレーム2,…,フレーム9の順に映像信号を出力する。なお,走査線数を変換する方式は,SDフォーマット/HDフォーマットの走査線数を変換可能であれば,いかなる方式でも実施可能である。
なお,第2の実施の形態にかかる映像データ1では,フレーム9が出力切替部130から映像信号として出力したくないデータであり,映像データ2では,フレームAが出力切替部130から映像信号として出力したくないデータであるとする。なお,上記の場合,出力しない映像信号が1フレームであるが,かかる例に限定されず,複数フレームの場合でも実施可能である。
次に,画像復号部123bから映像データ2が送信されてくると,走査線数変換部124bは,フレームA,フレームB,フレームC,…,フレームGの順にHDフォーマットの走査線数に変換し,図5(b)の映像データ2の表示側に示すように,走査線数変換部124bは,フレームB,フレームC,フレームD,…,フレームFのように出力する。
第2の実施の形態にかかる記録再生装置101には,走査線数変換部124aと走査線数変換部124bとが備わっているため,走査線数のフォーマット変換が必要な場合であっても,走査線数変換部124bは,出力切替部130によって切替えられるタイミング(図5(b)に示す時刻t2)よりも前もって画像復号部123bから映像データ2を受信することができる。
したがって,走査線数変換部124aがフレーム8(図5(b)の表示側に示すフレーム8)を出力するタイミングで,走査線数変換部124bは,フレームAとフレームBとの走査線数をHDフォーマットに変換することができるため,出力切替部130の表示切替タイミング(図5(b)に示すt2)で,走査線数変換部124bはフレームBを出力切替部130に出力し,出力切替部130からフレームBが映像信号として出力される。
上記出力切替部130による切替タイミングとあわせて,走査線数変換部124bがフレームBを出力切替部130に出力することができるため,記録媒体140から読み出された映像データ2のうち途中の映像であっても,出力切替部130にタイミングよく再生開始位置の部分から出力することができる。なお,再生開始位置が映像データに構成される先頭のフレームからどの程度離れているかに応じて,画像復号部123b及び走査線数変換部124bが処理を開始するタイミングが異なるが,そのタイミングについては制御コントローラ113が指示するものとする。
図5(c)に示すように,出力切替部130が映像信号として出力すると,フレーム1,フレーム2,フレーム3,フレーム4,フレーム5,…,フレームB,フレームC,…,フレームFのようになり,上記出力予定のないフレーム9とフレームAを省いて,シームレスにスムーズに映像データ1と映像データ2のつなぎ再生処理を実現している。
なお,画像復号部123aが映像データ1を復号し,画像復号部123bが映像データ2を復号する場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,画像復号部123aが映像データ2を復号してもよい。どちらの画像復号部123がどちらの映像データを復号するのかは,制御コントローラ113が指示するものとする。
また,第2の実施の形態にかかる走査線数変換部124は,SDフォーマット(走査線数:525本等)/HDフォーマット(走査線数:1125本等)の走査線数を変換する場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されない。例えば,走査線数変換部124は,NTSCフォーマット(走査線数:525本)/PALフォーマット(走査線数:625本)の走査線数を変換する場合等でも実施可能である。
また,第2の実施の形態にかかる記録再生装置101には,画像復号部123が複数備わる場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,記録再生装置101には,画像復号部123が1つ備わる場合でも実施可能である。
次に,図6を参照しながら,第3の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理について説明する。図6は,第3の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理の概略を示す説明図である。なお,第3の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理と,第1の実施の形態にかかる映像データつなぎ再生処理とを比較し,特に相違する点について説明する。その他については,特段の記載が無い場合実質的に同一であるため詳細な説明は省略する。
図6(a)に示すように,第3の実施の形態にかかる画像復号部123aと画像復号部123bの各々に,フレーム数変換部126aとフレーム数変換部126bとが連結している。その他に関しては,第1の実施の形態にかかる記録再生装置101と実質的に同一である。
上記フレーム数変換部126は,映像データに構成されるフレームについてフレーム数を変更することができる。つまり,映像データのフレームレートを変更することができる。例えば,フレーム数変換部126は,画像復号部123が復号した映像信号を入力し,2−3プルダウンによる方法で,24フレーム/秒のフレームレートを30フレーム/秒のフレームレートに変更することができる。なお,2−3プルダウンによる方法では,フィールド換算(1フレームは2フィールド)することによってフレームレートを変換している。
図6(b)に示すように,映像データ1と映像データ2とのつなぎ再生する場合,画像復号部123aは,記録/再生部135から映像データ1を入力し,復号する。フレーム数変換部126aは,画像復号部123aから映像データ1を時刻t0から順に受信すると,図6(b)に示すように,走査線変換部124aは,映像信号に構成されるフレーム1,フレーム2,…,フレーム9の順にフレームを入力し,変換後のフレームレートに適合するように,図6(b)の表示側に示すように,フレーム1´,フレーム2´,…,フレーム5´の順に映像信号を出力する。
次に,画像復号部123bから映像データ2が送信されてくると,フレーム数変換部126bは,フレームA,フレームB,フレームC,…,フレームGの順に入力し,変換後のフレームレートに適合するように,フレーム数変換部126bは,フレームA´,フレームB´,フレームC´,…,フレームE´のように出力する(図6(b)の表示側)。
第3の実施の形態にかかる記録再生装置101には,フレーム数変換部126aとフレーム数変換部126bとが備わっているため,フレーム数変換(フレームレート変換)が必要な場合であっても,フレーム数変換部126bは,出力切替部130によって切替えられるタイミング(図6(b)に示す時刻t2)よりも前もって画像復号部123bから映像データ2を受信することができる。
したがって,図6(b)の表示側に示すように,フレーム数変換部126aがフレーム5´を出力するタイミングで,フレーム数変換部126bは,フレームAを入力することができるため,出力切替部130の表示切替タイミング(図5(b)に示すt2)で,フレーム数変換部126bは,さらにフレームBとフレームCを入力し,フレームA´として出力切替部130に出力することができる。
上記出力切替部130による表示切替タイミングとあわせて,フレーム数変換部126bがフレームBを出力切替部130に出力することができるため,記録媒体140から読み出された映像データ2のうち途中の映像であっても,出力切替部130にタイミングよく再生開始位置の部分から出力することができる。なお,再生開始位置が映像データに構成される先頭のフレームからどの程度離れているかに応じて,画像復号部123b及びフレーム数変換部126bが処理を開始するタイミングが異なるが,そのタイミングについては制御コントローラ113が指示するものとする。
図6(c)に示すように,出力切替部130が映像信号として出力すると,フレーム1´,フレーム2´,フレーム3´,…,フレームA´,フレームB´,…,フレームE´のようになり,シームレスにスムーズに映像データ1と映像データ2のつなぎ再生処理を実現している。
なお,画像復号部123aが映像データ1を復号し,画像復号部123bが映像データ2を復号する場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,画像復号部123aが映像データ2を復号してもよい。どちらの画像復号部123がどちらの映像データを復号するのかは,制御コントローラ113が指示するものとする。
また,第2の実施の形態にかかるフレーム数変換部126は,2−3プルダウンによる方法で,24フレーム/秒から30フレーム/秒にフレームレートを変換する場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,フレーム数変換部126は,3−2プルダウンによる方法で,30フレーム/秒から24フレーム/秒にフレームレートを変換する場合等でも実施可能である。
また,第2の実施の形態にかかる記録再生装置101には,画像復号部123が複数備わる場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,記録再生装置101には,画像復号部123が1つ備わる場合でも実施可能である。
次に,図7を参照しながら,第1の実施の形態にかかる記録再生装置101の変形例について説明する。図7は,第1の実施の形態にかかる記録再生装置101の変形例の概略を示すブロック図である。
図1に示す第1の実施の形態にかかる記録再生装置101と,図7に示す第1の実施の形態にかかる記録再生装置101の変形例とを比較し,特に相違する点について説明する。その他については,特段の記載が無い場合実質的に同一であるため詳細な説明は省略する。
図7に示す記録再生装置101には,第1の画像復号部223−1と第2の画像復号部223−2を一組とした画像復号ユニット103が備わる点が特に相違する。
図7に示すように,記録再生装置101は,画像復号ユニット103(103a,103b,103c)を1又は2以上備えることが可能である。
また,上記画像復号ユニット103には,画像復号部223−1又は画像復号部223−2のどちらかに切替えて映像データを送出する入力切替部220と,DVフォーマットの映像データを復号する画像復号部223−1と,MPEGフォーマットの映像データを復号する画像復号部223−2と,出力切替部230と,フレーム数(フレームレート)又は走査線数を少なくとも変換する変換部226とが備わる。
図7に示すように,記録再生装置101は,画像復号ユニット103の他に,さらに変換部226から出力された映像信号(又は,画像信号)を切替えてディスプレイ装置等の出力デバイスに出力する出力切替部250を備える。
したがって,MPEGフォーマットだけでなくDVフォーマットなど,記録媒体140に記録された映像データの画像フォーマットに応じて,画像復号部223−1又は画像復号部223−2が復号することができる。
さらに複数の映像データをつないで再生するつなぎ再生では,複数の画像復号ユニット103に備わる画像復号部223−1又は画像復号部223−2各々が映像データを復号することができるため,シームレスに再生することができる。
なお,上述した一連の処理は,専用のハードウェアにより行うこともできるし,ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には,そのソフトウェアを構成するプログラムが,汎用のコンピュータやマイクロコンピュータ等の情報処理装置にインストールされ,上記情報処理装置を記録再生装置101として機能させる。
プログラムは,コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことができる。あるいはまた,プログラムは,ハードディスクドライブに限らず,フレキシブルディスク,CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc),磁気ディスク,半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に,一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は,いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお,プログラムは,上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他,ダウンロードサイトから,ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して,コンピュータに無線で転送したり,LAN(Local Area Network),インターネットといったネットワークを介して,コンピュータに有線で転送し,コンピュータでは,そのようにして転送されてくるプログラムを,受信し,内蔵するハードディスクにインストールすることができる。
ここで,本明細書において,コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは,必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく,並列的あるいは個別に実行される処理(例えば,並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また,プログラムは,1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし,複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例を想定し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態においては,記録再生装置101の場合を例に挙げて説明したが,映像データを復号可能であれば,本発明はかかる例に限定されない。例えば,映像データを再生する再生装置の場合であっても実施可能である。なお,再生装置は,映像信号から映像データに符号化するエンコーダ(画像符号化部115等)を備えなくてもよい。
また上記実施形態においては,記録再生装置101は,MPEG2又はMPEG4等の形式でコーデックする場合を例に挙げて説明したが,画像データ又は画像信号のリオーダリングが必要なコーデックであれば,本発明はかかる例に限定されない。
また上記実施形態においては,記録再生装置101は,記録/再生部135を備える場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,記録再生装置101は,記録媒体140から映像データを読み出し可能な再生部を備える場合でもよい。
また上記実施形態においては,映像データの画像フォーマットがMPEG2,MPEG4,またはDVの場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されない。例えば,映像データの画像フォーマットは,MPEG1,QuickTime(登録商標)などの動画像フォーマットである場合でも実施可能である。