JP2004140723A - デジタル映像情報の再生装置及び再生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体であるDVDに記録されたデジタル映像情報をn(n≧3)倍速で高速再生する場合に、リモコンの高速再生キーを操作することによって、制御部により伸長部を制御し、n倍速再生に対応する数フレーム毎の1フレームのピクチャを再生(図2のA1、A2、…)した後、これに続いて所要数のフレームのピクチャを順次に通常再生(図2のB1、B2、…)する。これにより、n倍速に対応する数フレーム毎に1フレームの圧縮映像音声データの飛び越し再生と、所要フレーム数の圧縮映像音声データの通常再生とを連続して行い、従来のような極端なコマ飛ばし再生ではなく、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生を実現し、前後のつながりの把握を可能にする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−ROM、DVD等の光ディスクやDATその他の記録媒体に記録されたMPEG規格によるデジタル映像情報を再生するデジタル映像情報の再生装置及び再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアの急速な立上がりに伴い、映像信号と音声信号を同時に処理するために画像圧縮技術がにわかに脚光を浴び、特にカラー動画の圧縮伸長の国際標準規格としてMPEG(Moving Picture Experts Group)は、コンピュータ、通信、放送、エンターテイメント等への応用が急速に普及した。その中で、MPEG1(MPEG Phase1 )はCD−ROM、DAT等の蓄積メディアに用いられ、MPEG2(MPEG Phase2 )はDVD等の蓄積メディアのほかデジタル放送、通信等にも用いられている。
【0003】
そして、MPEGのデータ配列構造(ビットストリーム)は、特開平8−51591号公報にも記載されているように階層構造(図3参照)を成しており、図3に示すように、ひとつのビデオプログラム全体を表すシーケンス層は所定フレーム数単位の映像情報ブロックであるいくつかのGOP(Group Of Picture)1により構成され、GOP層はいくつかのピクチャ(画面)2から構成され、ピクチャ層は、1つのピクチャ2をいくつかのブロックに分割したスライス3から構成され、スライス層はいくつかのマクロブロック(以下、MBと称する)4から構成され、MB層は8画素×8画素(或いは走査線)のブロック5から構成されている。
【0004】
また、1つの8画素×8画素のブロック5がMPEGにおける符号化、即ちDCT(Discrete Cosine Transform 、離散コサイン変換)の最小単位である。一方、MB4は輝度信号Yの4個のブロック5と色信号CB、CRの2個のブロック5との合計6個のブロック5から構成され、このMB4は動き補償予測の最小単位であり、動き補償予測のための動きベクトルはMB単位で行われる。
【0005】
更に、GOP1には、フレーム内符号化を行う映像情報であるフレーム内符号化ピクチャ(Intra−coded Picture )(以下、これをIピクチャと称する)、前方向の予測符号化を行う映像情報であるフレーム間符号化ピクチャ(Predictive−coded Picture)(以下、これをPピクチャと称する)、及び双方向の予測符号化を行う映像情報であるフレーム内挿符号化ピクチャ(Bidirectionally Predictive−coded Picture)(以下、これをBピクチャと称する)が混在し、図4に示すように、予め設定された所定フレーム数のI、P、Bピクチャにより1つのGOP1が構成されている。
【0006】
そして、図4に示すようなI、P、Bの各ピクチャを順次に再生すれば、通常の再生速度による通常再生となり、この通常速度に対する再生速度の倍率数である再生倍率数n(但し、n≧2)で再生すれば、通常速度のn倍の高速再生となる。ところが、Iピクチャはフレーム内符号化(DCT)を行っているため、Iピクチャ単独で再生を行うことが可能であるのに対し、Pピクチャは前方向の動き補償を行っているため、Iピクチャを再生した後でなければPピクチャの再生を行うことができない。また、Bピクチャは双方向からの予測画面であるため、前後にあるIピクチャまたはPピクチャを再生した後でなければBピクチャを再生することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、DVD等の記録媒体の場合、図3、図4に示すようなMPEGビットストリームがそのまま記録されるため、高速再生等の特殊再生を行おうとすると、Iピクチャ単位でしか再生できず、つまり図5中のA期間において、Iピクチャの再生が行われた後、図5中のC期間だけコマ送りされ、これらの再生とコマ送りが繰り返されるのである。そのため、各GOP1における一部分の映像しか再生できず、極端なコマ飛ばし再生となって連続性のない見づらい再生画像となり、前後のつながりを把握することが極めて困難であった。
【0008】
尚、このような高速再生を行う装置として、特開平9−130796号公報に記載のものがある。しかしながら、この公報に記載の装置は、カラー静止画像を圧縮伸長する標準方式であるJPEG(Joint Photographic coding Experts Group )に準拠した画像圧縮処理が施されたデジタル映像情報であるカラー静止画像を高速再生する技術で、高速再生されたJPEG圧縮データの画像の動きを滑らかにしようとするものであり、カラー動画を対象としたMPEG規格によるデジタル映像情報を高速再生しようとするものではない。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、記録媒体に記録されたデジタル映像情報を高速再生する際に、再生される映像にある程度の連続性を持たせて前後のつながりを把握し易いようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明のデジタル映像情報の再生装置は、動画の圧縮伸長の国際標準規格であるMPEGに準拠し所定フレーム数単位の映像情報ブロックの連続により構成され、記録媒体に記録された圧縮映像音声データを読み出す読出部と、前記読出部により読み出された前記圧縮映像音声データから映像データと音声データを分離する分離化部と、前記分離化部により分離された映像データ及び音声データをそれぞれ伸長する伸長部と、前記伸長部により伸長された映像データをモニタ画面に表示させる映像出力部と、前記伸長部により伸長された音声データをスピーカから出力させる音声出力部とから成るデジタル映像情報の再生装置において、n(但し、n≧3)倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの前記圧縮映像音声データを再生するための高速再生キーを有する操作部を備え、前記制御部が、前記高速再生キーの操作時に、前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生後これに続いて所要数のフレームの前記圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生すべく前記伸長部を制御することを特徴している。
【0011】
このような構成によれば、記録媒体に記録された圧縮映像音声データをn(n≧3)倍速で高速再生する場合に、操作部の高速再生キーを操作することによって、制御部により伸長部が制御されて、n倍速に対応する数フレーム毎に1フレームずつの圧縮映像音声データが再生された後、これに続いて所要数のフレームの映像情報が通常再生または2倍速再生される。このように、n倍速に対応する数フレーム毎に1フレームずつの圧縮映像音声データの飛び越し再生と、所要フレーム数の圧縮映像音声データの通常再生または2倍速再生とが連続して行われるため、従来のような極端なコマ飛ばし再生とはならず、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生となり、前後のつながりを把握することが可能な高速再生を実現できる。
【0012】
また、本発明のデジタル映像情報の再生装置は、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて通常再生または2倍速再生すべき前記圧縮映像音声データの所要フレーム数を可変設定するための設定手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
こうすれば、ユーザが設定手段を操作して所要フレーム数を自分の好みに応じて可変設定することで、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間が可変設定される。そのため、例えば現在の設定では前後のつながりがわかりにくいときにはフレーム数を多くして通常再生または2倍速再生の時間を長くすることができ、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生においてより一層明確に前後のつながりを把握することが可能になる。
【0014】
更に、本発明のデジタル映像情報の再生装置は、前記設定手段が、前記操作部に設けられた設定キーであることを特徴としている。
【0015】
この場合、操作部の設定キーの操作により、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間を簡単に可変設定することができる。
【0016】
また、本発明のデジタル映像情報の再生装置は、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて、通常再生または2倍速再生のいずれかの再生を択一的に行うための選択手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
こうすることで、ユーザが選択手段を操作することにより、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続き、通常再生または2倍速再生のいずれを行うかを好みの応じて選択できる。そのため、例えば2倍速再生を選択している状態では前後のつながりがわかりにくいときには、通常再生を選択することによって、コマ飛ばし再生における前後のつながりをより明確に把握しやすいように調整できる。
【0018】
更に、本発明のデジタル映像情報の再生装置は、前記選択手段が、前記操作部に設けられた選択キーであることを特徴としている。
【0019】
こうすれば、操作部の選択キーの操作により、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続いて、通常再生または2倍速再生のいずれを行うかを簡単に選択できる。
【0020】
ところで、本発明のデジタル映像情報の再生方法は、動画の圧縮伸長の国際標準規格であるMPEGに準拠し所定フレーム数単位の映像情報ブロックの連続により構成され、記録媒体に記録された圧縮映像音声データを読み出し、読み出した前記圧縮映像音声データから映像データと音声データを分離し、分離した前記映像データ及び音声データをそれぞれ伸長し、伸長した前記映像データをモニタ画面に表示すると共に、伸長した前記音声データをスピーカから出力するデジタル映像情報の再生方法において、n(但し、n≧3)倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの前記圧縮映像音声データを再生する際に、前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生後これに続いて所要数のフレームの前記圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生することを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、記録媒体に記録された圧縮映像音声データをn(n≧3)倍速で高速再生する場合に、n倍速に対応する数フレーム毎に1フレームずつの圧縮映像音声データの飛び越し再生と、所要フレーム数の圧縮映像音声データの通常再生または2倍速再生とが連続して行われるため、従来のような極端なコマ飛ばし再生とはならず、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生となり、高速再生であっても前後のつながりを把握することが可能になる。
【0022】
また、本発明のデジタル映像情報の再生方法は、設定手段の操作時に、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて通常再生または2倍速再生する前記圧縮映像音声データの所要フレーム数を可変設定することを特徴としている。
【0023】
こうすることで、所要フレーム数を可変設定することにより、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間を可変設定できるため、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生においてより一層明確に前後のつながりを把握することが可能になる。
【0024】
また、本発明のデジタル映像情報の再生方法は、選択手段の操作により、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続く再生として、通常再生または2倍速再生のいずれかを択一的に行うことを特徴としている。
【0025】
こうすると、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続き、通常再生または2倍速再生のいずれを行うかを好みの応じて選択できるため、コマ飛ばし再生における前後のつながりをより明確に把握しやすいように調整することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明をDVDの再生装置(以下、これをDVDプレーヤと称する)に適用した場合の一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
【0027】
DVDプレーヤの構成を示す図1において、11は図示しない駆動系により回転駆動される記録媒体としてのDVD、12は光ピックアップから成る読出部、13は読出部12により読み出された圧縮映像音声データから圧縮映像データパケットと圧縮音声データパケットを分離する分離化部、14は伸長部であり、分離化部13により分離された圧縮映像データパケット及び圧縮音声データパケットをそれぞれ復号して元の映像音声信号に伸長する。ここで、読出部12、分離化部13及び伸長部14は、一般のデコーダICにより構成されている。
【0028】
更に図1において、15は伸長部14により伸長された映像データを例えばテレビ等のモニタ画面Mに表示させるべくNTSC或いはPAL方式のカラーテレビジョン信号に変換して出力する映像出力部、16は伸長部14により伸長された音声データをスピーカSから出力させる音声出力部、17は伸長部14により伸長されたデータの一時記憶用のRAM等から成るメモリ、18は後述の制御部による制御プログラムを格納したROM、19は制御部であり、操作部であるリモコン20のキー操作に応じて、DVD11の駆動系を始め、読出部12、分離化部13、伸長部14の動作制御を行う。尚、21はデータの一時記憶用のRAMであり、これら読出部12、分離化部13、伸長部14、映像出力部15、音声出力部16、メモリ17、ROM18、制御部19及びRAM21によりDVDプレーヤが構成されている。
【0029】
ところで、リモコン20には、通常速度での再生つまり通常再生するための再生キー、停止キー等のほか、n(n=4、8、16等)倍速で高速再生するための高速再生キー20aが設けられている。
【0030】
また、ROM18に格納された再生用制御プログラムとして、通常再生のほか、2倍速、4倍速、8倍速、10倍速、16倍速、20倍速等の高速再生やスロー再生のための制御プログラムが各々の制御コードに対応づけられて格納され、これらの各制御プログラムに従って制御部19により各部の制御が行われ、特に再生時において、伸長部14は制御部19から出力される制御プログラムの制御コードに応じたデコード処理を行うようになっている。尚、制御コードの例としては、通常再生であれば“0000”、10倍速再生であれば“0001”、2倍速再生であれば“0010”等の制御コードが各制御プログラムに対応づけられている。
【0031】
ここで、通常再生の場合であれば通常再生の制御プログラムに従い、伸長部14により上記した各GOP1の各ピクチャが順次に再生される。また、2倍速再生の場合であれば2倍速再生の制御プログラムに従い、基本的には伸長部14により上記した各GOP1の1フレーム毎の1ピクチャが再生され、10倍速再生の場合であれば10倍速再生の制御プログラムに従い、基本的には伸長部14により上記した各GOP1の例えば10フレーム毎の1ピクチャが再生されるのである。但し、このときn倍速再生する場合であっても、各GOP1の各ピクチャはすべてデコードされて一時メモリ17に格納され、必要なピクチャだけがメモリ17から読み出されて伸長部14から映像出力部15等に出力される。
【0032】
尚、上記したようにMPEGの場合、Iピクチャ単位で再生されるため、例えば10倍速再生において10フレーム先にIピクチャが存在しないときには、その先にあるIピクチャが再生されることになり、正確に10フレーム毎の1フレームが再生されているわけではなく、この場合の10倍速再生とは、ほぼ10倍に短縮された再生時間による再生ということになる。
【0033】
そして、例えば高速再生が通常速度の10倍速に設定されているとした場合に、リモコン20の高速再生キー20aを同時操作すると、制御部19により、ROM18に格納された“0001”の制御コードの10倍速再生の制御プログラム及び“0000” の制御コードの通常再生の制御プログラムの組み合わせによる10倍速の高速再生が行われる。
【0034】
即ち、“0001”の制御コードが制御部19から伸長部14に出力され、図2中のA1期間において、伸長部14により10倍速再生に対応する数フレーム毎の1フレームのIピクチャ(図3、図4参照)による映像情報の再生が行われた後、“0000”の制御コードが制御部19から伸長部14に出力され、図2中のB1期間において、先程再生されたピクチャに連続する例えば4フレーム等の所要フレーム数のピクチャが通常再生され、その後図2中のC1期間に示される一定時間だけコマ送り状態が続く。
【0035】
その後、再び“0001”の制御コードが制御部19から伸長部14に出力され、図2中のA2(=A1)期間において、伸長部14により10倍速再生に対応する数フレーム毎の1フレームのIピクチャによる映像情報の再生が行われた後、“0000”の制御コードが制御部19から伸長部14に出力され、図2中のB2(=B1)期間において、先程再生されたピクチャに連続する例えば4フレーム等の所要フレーム数のピクチャが通常再生され、以後これらの動作が繰り返し行われる。
【0036】
これにより、10倍速の高速再生であっても、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生を実現することが可能になる。尚、このような高速再生は早送りのほか、早戻し時にも適用することが可能である。
【0037】
従って、上記した実施形態によれば、リモコン20の高速再生キー20aを操作することによって、制御部19により伸長部14が制御されて、nフレーム毎に映像情報が再生された後これに続いて所要数のフレームの映像情報が順次に再生されるため、nフレーム毎の映像情報の飛び越し再生と所要フレーム数の映像情報の通常再生とを連続して行うことによって、従来のような極端なコマ飛ばし再生とはならず、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生を実現することができ、10倍速等の高速再生であっても前後のつながりを把握することが可能になり、画像の検索等を容易に行うことができる。
【0038】
なお、上記した実施形態では、n倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの飛び越し再生に連続して所要フレーム数の映像情報の通常再生を行う場合について説明したが、他の実施形態として、この1フレームの圧縮映像音声データの飛び越し再生後、これに続いて所要フレーム数の圧縮映像音声データの2倍速再生を行うようにしてもよく、この場合も上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記した実施形態では、ROM18に格納された“0001”の制御コードの10倍速再生の制御プログラム、及び“0000” の制御コードの通常再生の制御プログラムの組み合わせによって、10倍速の高速再生を実行するようにした場合について説明したが、異なる実施形態として、10倍速再生に対応する数フレーム毎の1フレームの圧縮映像音声データを再生した後、これに続いて所要数のフレームの圧縮映像音声データを通常再生(または2倍速再生)する高速再生を行う場合に、ひとつの制御コードでこのような高速再生を実行するようにプログラムしておいてもよいのは勿論である。
【0040】
更に、異なる実施形態として、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続いて通常再生または2倍速再生すべき圧縮映像音声データの所要フレーム数を可変設定するための設定手段を設け、この設定手段の操作により設定されたフレーム数の圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生するようにしてもよく、より具体的には、操作部であるリモコン20に設定手段としての設定キーを設け、ユーザがこの設定キーの操作により所望のフレーム数を設定したときに、制御部19により、この設定されたフレーム数の圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生するように構成するのが好ましい。
【0041】
この場合、図2に示すB1、B2といった通常再生または2倍速再生の時間が設定手段の操作によりユーザの好みに応じて可変設定されることになり、現在の設定では前後のつながりがわかりにくいときには、フレーム数を多くしてB1、B2といった通常再生または2倍速再生の時間を長くすればよく、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生において、より一層明確に前後のつながりを把握することが可能になる。
【0042】
また、異なる実施形態として、n倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの飛び越し再生に連続して所要フレーム数の映像情報の通常再生または2倍速再生を択一的に行うようにしてもよく、この場合には例えば操作部であるリモコン20に選択手段としての選択キーを設け、ユーザがこの選択キーを操作して通常再生または2倍速再生のいずれかを選択したときに、制御部19により選択された通常再生または2倍速再生のいずれかを択一的に実行するように構成するとよい。
【0043】
更に、上記した実施形態では、本発明をデジタル映像情報の再生装置であるDVDプレーヤに適用した場合について説明したが、特にDVDプレーヤに限定されるものではなく、その他のMPEGに準拠した圧縮映像音声データを格納した記録媒体の再生にも本発明を適用できるのは勿論であり、いずれの場合も上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0044】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、n(n≧3)倍速に対応する数フレーム毎に1フレームずつの圧縮映像音声データの飛び越し再生と、所要フレーム数の圧縮映像音声データの通常再生または2倍速再生とが連続して行われるため、従来のような極端なコマ飛ばし再生とはならず、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生となり、前後のつながりを把握することが可能な高速再生を実現でき、機能の優れたDVDプレーヤ等のデジタル映像情報の再生装置を提供することが可能になる。
【0046】
また、請求項2に記載の発明によれば、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間を任意に可変設定できるため、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生においてより一層明確に前後のつながりを把握することが可能になる。
【0047】
また、請求項3に記載の発明によれば、操作部の設定キーの操作により、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間を簡単に可変設定することができる。
【0048】
また、請求項4に記載の発明によれば、ユーザが選択手段を操作することにより、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続き、通常再生または2倍速再生のいずれを行うかを好みの応じて選択できるため、コマ飛ばし再生における前後のつながりをより明確に把握しやすいように調整することができる。
【0049】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作部の選択キーの操作により、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続いて、通常再生または2倍速再生のいずれを行うか簡単に選択することが可能になる。
【0050】
また、請求項6に記載の発明によれば、記録媒体に記録されたデジタル映像情報をn(n≧3)倍速で高速再生する場合に、n倍速に対応する数フレーム毎に1フレームずつの圧縮映像音声データの飛び越し再生と、所要フレーム数の圧縮映像音声データの通常再生または2倍速再生とが連続して行われるため、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生を実現することができ、高速再生であっても前後のつながりを把握することが可能になる。
【0051】
また、請求項7に記載の発明によれば、所要フレーム数を可変設定することにより、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続く通常再生または2倍速再生の時間を可変設定できるため、ある程度連続性のあるコマ飛ばし再生においてより一層明確に前後のつながりを把握することが可能になる。
【0052】
また、請求項8に記載の発明によれば、高速再生時における1フレームの圧縮映像音声データの再生に続き、通常再生または2倍速再生のいずれを行うかを好みの応じて選択できるため、コマ飛ばし再生における前後のつながりをより明確に把握しやすいように調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】一実施形態の動作説明図である。
【図3】従来例の動作説明図である。
【図4】従来例の動作説明図である。
【図5】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
11 DVD(記録媒体)
12 読出部
13 分離化部
14 伸長部
15 映像出力部
16 音声出力部
19 制御部
20 リモコン(操作部)
20a 高速再生キー
Claims (8)
- 動画の圧縮伸長の国際標準規格であるMPEGに準拠し所定フレーム数単位の映像情報ブロックの連続により構成され、記録媒体に記録された圧縮映像音声データを読み出す読出部と、前記読出部により読み出された前記圧縮映像音声データから映像データと音声データを分離する分離化部と、前記分離化部により分離された映像データ及び音声データをそれぞれ伸長する伸長部と、前記伸長部により伸長された映像データをモニタ画面に表示させる映像出力部と、前記伸長部により伸長された音声データをスピーカから出力させる音声出力部とから成るデジタル映像情報の再生装置において、
n(但し、n≧3)倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの前記圧縮映像音声データを再生するための高速再生キーを有する操作部を備え、
前記制御部が、前記高速再生キーの操作時に、前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生後これに続いて所要数のフレームの前記圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生すべく前記伸長部を制御することを特徴とするデジタル映像情報の再生装置。 - 高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて通常再生または2倍速再生すべき前記圧縮映像音声データの所要フレーム数を可変設定するための設定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデジタル映像情報の再生装置。
- 前記設定手段が、前記操作部に設けられた設定キーであることを特徴とする請求項2に記載のデジタル映像情報の再生装置。
- 高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて、通常再生または2倍速再生のいずれかの再生を択一的に行うための選択手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のデジタル映像情報の再生装置。
- 前記選択手段が、前記操作部に設けられた選択キーであることを特徴とする請求項4に記載のデジタル映像情報の再生装置。
- 動画の圧縮伸長の国際標準規格であるMPEGに準拠し所定フレーム数単位の映像情報ブロックの連続により構成され、記録媒体に記録された圧縮映像音声データを読み出し、読み出した前記圧縮映像音声データから映像データと音声データを分離し、分離した前記映像データ及び音声データをそれぞれ伸長し、伸長した前記映像データをモニタ画面に表示すると共に、伸長した前記音声データをスピーカから出力するデジタル映像情報の再生方法において、
n(但し、n≧3)倍速再生に対応する数フレーム毎に1フレームずつの前記圧縮映像音声データを再生する際に、前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生後これに続いて所要数のフレームの前記圧縮映像音声データを通常再生または2倍速再生することを特徴とするデジタル映像情報の再生方法。 - 設定手段の操作時に、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続いて通常再生または2倍速再生する前記圧縮映像音声データの所要フレーム数を可変設定することを特徴とする請求項6に記載のデジタル映像情報の再生方法。
- 選択手段の操作により、高速再生時における前記1フレームの前記圧縮映像音声データの再生に続く再生として、通常再生または2倍速再生のいずれかを択一的に行うことを特徴とする請求項6または7に記載のデジタル映像情報の再生方法。
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