JP4496618B2 - プリンタ及びプリンタヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ及びプリンタヘッドに関し、特にインクジェット方式によるラインプリンタに適用することができる。本発明は、インク吐出機構をグループ化して駆動する際に、駆動用のタイミング信号を生成する信号生成回路をそれぞれ各グループに配置することにより、チップ面積の増大を防止することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット方式のラインプリンタにおいては、用紙送りしながら、この用紙送り方向とほぼ直交する方向に順次配置したノズルより選択的にインク液滴を飛び出させて用紙に付着させることにより、所望の画像、文字等を印刷するようになされている。
【0003】
このようなラインプリンタのうちサーマル方式のプリンタにおいては、インク液室に保持したインクをヒーターで加熱することにより、ノズルよりインク液滴を飛び出させるようになされており、このような複数ノズル分のヒーター等を1つの半導体基板上に作成し(すなわちヘッドチップである)、これを必要な個数だけ使用してヘッドを構成するようになされている。
【0004】
このようなプリンタにおいては、ヘッドチップに対して各ヘッドの駆動に供するデータをシリアル伝送することにより、全体構成を簡略化するようになされている。またこのような駆動に供するデータのシリアル伝送に対応するように、これらシリアルデータを各ヒーターに対応する駆動回路で順次ラッチするようになされ、このラッチ用のタイミング信号をヘッドチップの内部で生成することにより、このようなシリアル伝送による制御信号の伝送についても構成を簡略化するようになされている。
【0005】
また1つのヘッドチップに配置するヒーターをグループ化し、駆動に供するシリアルデータを各グループで同時並列的にラッチした後、各グループで振り分けることにより、このように駆動に供するデータをシリアル伝送する場合に十分な、処理時間を確保するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような構成のヘッドチップにおいては、1つのグループを構成するヒーターの数が増大すると、ラッチに使用するタイミング信号のバス幅が著しく増大し、チップ面積が大きくなる問題がある。
【0007】
すなわちこのような駆動回路の構成にあっては、図13に示すような構成が考えられる。この駆動回路1は、連続するヒーターを所定個数単位で区切ってヒーターブロック2A、2B、2Cによりグループ化した場合であり、駆動に供するデータD1をシリアル転送回路3によりシリアル転送すると共に、所定のタイミングでラッチすることにより、これら駆動に供するデータD1を各ヒーターブロック2A、2B、2Cに振り分ける。さらに続く振り分け回路4A、4B、4Cによりこの振り分けたデータD1をさらに各グループの対応するヒーターに分け、ヒーター駆動部5A、5B、5Cにより各グループのヒーターを駆動する。
【0008】
このようにすればシリアルデータによる1系統の駆動データD1の供給により多数のヒータを駆動でき、その分、駆動データD1の伝送を簡略化することができ、また一旦、駆動データを各グループに振り分けて処理することにより、処理に時間的な余裕も確保することができる。
【0009】
信号発生回路6においては、このように各グループに振り分けた駆動データD1を各ヒーター駆動部5A、5B、5Cの対応する処理部でラッチすることができるように、対応するタイミング信号を生成し、ヘッドチップにおいては、このような信号発生回路6を内蔵することにより、この種の制御信号の外部からの伝送についても、構成を簡略化することができる。
【0010】
しかしながらこのようにすると、信号発生回路6のタイミング信号を各振り分け回路4A、4B、4Cに供給するバスBUSのバス幅が、少なくとも各グループに割り当てたヒーターの数だけ必要になる。これにより各グループを構成するヒーターの数が増大すると、バス幅を無視し得なくなる。
【0011】
すなわち例えば1つのヘッドチップに300個のヒーターを配置し、これを22個単位でグループ化して14個のグループを作成した場合、信号発生回路6から各グループの振り分け回路に22本のバスを配線することが必要になる。これに対して1つのグループを例えば128個に増やすと、信号発生回路6から各グループの振り分け回路に128本のバスを配置することが必要になる。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、1つのヘッドチップに配置するヒーター等をグループ化して駆動する場合でも、チップ面積の増大を防止することができるプリンタ及びプリンタヘッドを提案しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1又は請求項3の発明においては、プリンタ又はプリンタヘッドに適用して、駆動回路が、半導体基板に割り当てられた複数のインク吐出機構をグループ化し、所定の駆動用タイミング信号を基準にしてインク吐出機構を駆動することにより、各グループの対応するインク吐出機構を同時並列的に駆動し、所定の基準信号から駆動用タイミング信号を生成する信号生成回路を各グループ毎に有するようにする。
【0014】
請求項1又は請求項3の構成によれば、駆動回路が、半導体基板に割り当てられた複数のインク吐出機構をグループ化し、所定の駆動用タイミング信号を基準にしてインク吐出機構を駆動することにより、各グループの対応するインク吐出機構を同時並列的に駆動し、所定の基準信号から駆動用タイミング信号を生成する信号生成回路を各グループ毎に有することにより、1つの信号生成回路で生成した駆動用タイミング信号を各グループに振り分ける場合の配線のスペースを省略することができる。これにより1つのグループを構成するインク吐出機構の数が増大した場合であっても、半導体基板の面積の増大を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るラインプリンタを示す斜視図である。このラインプリンタ11は、全体が長方体形状の筐体12に収納されて形成され、用紙14を収納した用紙トレイ13をこの筐体12の正面に形成されたトレイ出入口より装着することにより、用紙14を給紙できるようになされている。
【0017】
用紙トレイ13は、このようにトレイ出入口よりプリンタ11に装着されると、所定の機構により用紙14が給紙ローラー16に押し当てられ、この給紙ローラー16の回転により、矢印Aにより示すように、用紙14が用紙トレイ13より背面側に向かって送り出されるようになされている。ラインプリンタ11は、この用紙送りの側に反転ローラー17が配置され、この反転ローラー17の回転等により、矢印Bにより示すように、正面方向に用紙14の送り方向が切り換えられる。
【0018】
ラインプリンタ11は、このようにして用紙送り方向が切り換えられてなる用紙14が用紙トレイ13の上を横切るように拍車ローラー18等により搬送され、矢印Cにより示すように、正面側に配置された排出口より排出される。ラインプリンタ11は、この拍車ローラー18から排出口までの間に、矢印Dにより示すように、ヘッドカートリッジ20が交換可能に配置される。
【0019】
ヘッドカートリッジ20は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒色のラインヘッドを配置してなるヘッド21が所定形状によるホルダー22の下面側に配置され、このホルダー22に順次イエロー、マゼンタ、シアン、黒色のインクカートリッジY、M、C、Bを配置して形成されるようになされている。これによりラインプリンタ11は、これら各色のインクの液滴を対応するラインヘッドより用紙14に付着させて画像等を印刷できるようになされている。
【0020】
図3にこの図2と同一の方向より見た分解斜視図を示すように、ヘッド21は、例えば炭素系樹脂によるシート材にノズル等を作成してオリフィスプレート23が作成され、このオリフィスプレート23が図示しないフレームに保持される。ヘッド21は、同様の炭素系樹脂による所定形状のドライフィルム24がこのオリフィスプレート23上に配置され、その後ヘッドチップ25が順次配置される。
【0021】
ヘッド21は、このヘッドチップ25がイエロー、マゼンタ、シアン、黒色の印刷に対応するように、それぞれ用紙14を横切る方向に4列に配置されてラインヘッドが構成される。ヘッド21は、その後、このヘッドチップ25側の面に凹凸の加工が施され、かつインクカートリッジとの間でインクの流路が形成されてなる金属板材26が配置された後、各ヘッドチップ25が接続されて形成される。
【0022】
図4は、このようにしてヘッド21に組み立てられるヘッドチップ25を周辺構成と共に示す断面図である。ヘッドチップ25は、集積回路技術によりシリコン基板27を加工して形成され、インクを加熱するヒーター28が順次並ぶように、またこれらヒーター28を駆動する駆動回路29が形成される。ヘッド21は、これら各ヒーター28の上に断面円形形状による開口が配置されるようにオリフィスプレート23が加工され、またドライフィルム24により各ヒーター28の隔壁等が形成され、これにより各ヒーター28にそれぞれインク液室30が作成され、またオリフィスプレート23によりインク液滴を飛び出させるノズル31が作成される。
【0023】
ヘッドチップ25は、このようなヒーター28が側面近傍に配置され、ドライフィルム24は、このヒーター28が配置された側面側にあっては、インク液室30が露出するように、櫛の歯状に隔壁が作成される。ヘッド21は、この露出する側よりインクカートリッジY、M、C、Bのインクを導くように、金属板材26及びドライフィルム24によりインク流路33が形成される。これによりヘッド21では、ヘッドチップ25の長手方向のエッジ側より各ヒーター28のインク液室30にインクを導くようになされている。
【0024】
なおヘッドチップ25は、ヒーター28を配置した側とは逆側に、パッド34が形成され、このパッド34にフレキシブル配線基板35を接続して駆動できるようになされている。これらによりこのヘッド21においては、ノズル31よりインク液滴を飛び出させるインク吐出機構が、ヒーター28、インク液室30、ノズル31により構成され、このインク吐出機構の一部であるヒーター28を順次配列してヘッドチップ25が構成されるようになされている。
【0025】
このようにして配置されるヘッドチップ25は、用紙14側より一部を拡大して図5に示すように、各インクのインク流路33の両側に、交互に同一構成によるヘッドチップ25を配置して構成される。また各ヘッドチップ25においては、それぞれこのインク流路33側よりインクを導くように、インク流路33の上下で、向きを180度回転させた状態で配置される。これによりヘッド21は、それぞれ各色で1系統のインク流路33で各ヘッドチップにインクを供給できるようになされ、その分、簡易な構成により印刷精度を高解像度化することができるようになされている。
【0026】
またヘッドチップ25は、このようにして180度回転して配置した場合でも、ノズルの並ぶ方向にはパッド34の位置が変化しないように、これらノズルの並ぶ方向のほぼ中央にパッド34が配置され、これによりヘッド21では、パッド34に接続するフレキシブル配線基板の一部への集中を防止するようになされている。
【0027】
ヘッド21は、連続する所定個数のノズル31を単位にして、各ノズル31がグループ化され、各グループ内において、ノズル31が用紙送り方向にシフトするように、オリフィスプレート23が作成され、このオリフィスプレート23に対応するように、ヘッドチップ25のヒーター28が、これら所定個数を単位にして用紙送り方向にシフトした位置に形成される。なお図5においては、この用紙送り方向のシフト量を誇張して示す。また以下においては、説明の簡略化等のために、7個のノズルを単位にして3つのグループにグループ化した場合により説明する。
【0028】
これによりこのヘッドチップ25においては、このようにシフトさせた用紙送り方向のノズルの位置ずれを有効に利用して、グループ化したヒータを順次駆動するようになされている。なお、このようにしてノズルをシフトさせた場合、インク流路33の上方及び下方に配置されるヘッドチップ25においては、駆動信号に対してヒーターの駆動順序が逆転することになる。この実施の形態において、各ヘッドチップ25は、このような駆動順序に対応するように、駆動回路における駆動順序を切り換えることができるように構成される。
【0029】
かくするにつき図6及び図7に示すように、この実施の形態では、各グループを構成する7個のノズル31を、用紙14の進入側のノズル31より順次フェーズ1〜フェーズ7の段階により管理する。なおこの図6及び図7においては、各フェーズに対応する番号をノズルに付して示す。すなわち図6(A)に示すように、用紙14が送られると、始めのフェーズ1により、最も用紙進入側のノズル1を駆動してドットD1を作成する。さらに続くノズル2までの分だけ用紙14が送られると(図6(B))、この続くノズル2を駆動してドットD2を作成し、順次このような用紙送りに同期したノズル3〜7の駆動により順次ドットを作成する(図6(C)〜図7(G))。これによりこの実施の形態では、1つのグループ内のノズル31については、タイミングをずらして駆動できるようになされ、また各グループ間における対応するノズル31については、同時並列的に駆動できるようになされている。
【0030】
図1は、このようなヒーターの配置に対応する駆動回路を示すブロック図である。ヘッドチップ25は、それぞれこの駆動回路29が配置され、この駆動回路29によりヒーター28を駆動する。なおこの図1においては、グループ化したヒーターをヒーターブロック(Hブロック)により示す。また各グループのヒーターを符号A〜Hにより示し、インク流路33の上側に配置したヘッドチップにあっては、ヒーターA〜Hがそれぞれフェーズ1〜7により管理され、これとは逆にインク流路33の下側に配置したヘッドチップにあっては、ヒーターA〜Hがそれぞれフェーズ7〜1により管理されるようになされている。
【0031】
ここで駆動回路29において、フェーズ発生回路50A〜50Cは、各グループのヒーター駆動のタイミング信号PA〜PHを生成する信号発生回路である。すなわちフェーズ発生回路50A〜50Cは、図8に示すように、D−フリップフロップ49A〜49Hを所定個数直列接続したリングカウンタにより作成される。フェーズ発生回路50A〜50Cは、図9に示すように、上述した隣接するノズル31の駆動周期により繰り返されるフェーズクロックPCK(図9(A))を受け、このフェーズクロックPCKをカウントすることにより、タイミング信号PA〜PH(図9(C1)〜(C7))を生成し、またこのカウント値をリセット信号RST(図9(B))によりリセットすることにより、続くライン等についてのタイミング信号PA〜PHを生成する。
【0032】
このときフェーズ発生回路50A〜50Cは、切り換え信号SELの論理レベルに応じて、図示しない選択回路によりカウント値によるタイミング信号PA〜PHの出力を切り換える。すなわち切り換え信号SELの論理レベルがHレベルに保持されている場合には、インク流路33の上側に配置されて、図5において符号A〜Hにより示すノズルがそれぞれフェーズ1〜7に割り当てられている場合に対応するタイミング信号PA〜PHの出力する。またこれとは逆に、切り換え信号SELの論理レベルがLレベルに保持されている場合には、インク流路33の下側に配置されて、図5において符号H〜Aにより示すノズルがそれぞれフェーズ1〜7に割り当てられている場合に対応するタイミング信号PA〜PHに出力する。
【0033】
シリアル転送回路51は、インク液滴の吐出及び非吐出を指示する駆動データD1を各グループに振り分ける。すなわちシリアル転送回路51は、データ転送クロックDCKに同期したシリアルデータの形式により入力される駆動データD1を直列接続された3個のD−フリップフロップ(D−FF)51Aにより順次転送し、所定のラッチパルスLを基準にして、各D−フリップフロップ51Aの出力を各ブロックに対応するラッチ(L)51Bによりラッチする。これによりシリアル転送回路51は、シリアルデータにより入力される駆動データD1を各グループに振り分ける。
【0034】
スイッチング回路ブロック52A〜52Cは、このようにして振り分けられた駆動データと対応するタイミング信号PA〜PHにより各ヒーターを駆動する。すなわちスイッチング回路ブロック52A〜52Cにおいて、選択回路53A〜53Hは、共通のタイミング信号T1及びT2を受け、シリアル転送回路51より振り分けられた駆動データに応じてタイミング信号T1及びT2を選択出力する。なおここでタイミング信号T1及びT2は、それぞれインク液滴の吐出及び非吐出について、ヒーターを駆動する期間の間、信号レベルが立ち上がる信号の繰り返しであり、この実施の形態において、インク液滴の非吐出側のタイミング信号T2においては、ローレベルに維持される。これにより選択回路53A〜53Hは、シリアルデータにより入力される駆動データD1に対応して信号レベルが立ち上がる同一の選択出力を出力するようになされている。
【0035】
アンド回路54A〜54Hは、それぞれ対応する選択回路53A〜53Hの選択出力を、ストローブ信号SLが立ち上がっている期間の間、フェーズ発生回路50A〜50Cから出力される対応するタイミング信号PA〜PHを基準にして、それぞれトランジスタブロック(TRブロック)55A〜55Cに出力する。これによりアンド回路54A〜54Hは、それぞれ対応するヒーターA〜Hを駆動する駆動信号を生成する。
【0036】
トランジスタブロック55A〜55Cは、それぞれ電界効果型トランジスタ56A〜56Hのゲートにアンド回路54A〜54Hの出力信号を受け、それぞれこの出力信号に応じて対応するヒーターA〜Hを駆動する。
【0037】
これらによりこの駆動回路29では、図13について上述したバスBUSによるタイミング信号の各振り分け回路への供給に代えて、各振り分け回路であるスイッチング回路ブロック52A〜52Cに対してそれぞれ信号発生回路であるフェーズ発生回路50A〜50Cを配置して、駆動用のタイミング信号PA〜PHを供給するようになされている。
【0038】
かくするにつき図10にフリップフロップを半導体基板上に配置した場合に要する面積と、バスBUSの専有面積とを対比して示すように、フェーズ発生回路50A〜50Cにおいては、主にD−フリップフロップ49A〜49H(図8)により構成されることにより、図10(A)に示すように、バスBUSの本数が少ない場合には、バスBUSの配置に比してD−フリップフロップ49A〜49Hの配置の方がチップの上で大きな面積を占め、これによりこの実施の形態のように個々にフェーズ発生回路50A〜50Cを配置した場合の方がチップ面積が大ききなる。これに対して図10(B)に示すように、バスBUSの本数を増やした場合、逆に、バスBUSの配置に比してD−フリップフロップ49A〜49Hの配置の方がチップの上で小さな面積となり、これによりこの実施の形態のように個々にフェーズ発生回路50A〜50Cを配置した場合の方がチップ面積を小さくすることができる。これによりこの実施の形態では、1つのグループを構成するノズルの数を増大させた場合でも、チップ面積の増大を防止することができるようになされている。
【0039】
さらにこの実施の形態において、ヘッド21は、図11に示すように、1つのドットを複数の液滴により作成し、この1つのドットを作成する液滴の数を可変することによりドットの大きさを可変し、これにより階調を表現する。なおこの実施の形態では、1つのドットを最大で8個の液滴により作成するようになされている。これにより1つのドットを作成する液滴の繰り返し周期をt、各ラインの作成周期をTとして、図11との対比により図12に示すように、この実施の形態では、順次各フェーズのヒーターを駆動して高解像度であって、かつ高い階調数による印刷結果を得ることができるようになされている。
【0040】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、このラインプリンタ11は(図2)、用紙トレイ13に保持された用紙14が給紙ローラー16により引き出された後、反転ローラー17で送り方向が切り換えられ、正面側の排出口に向かって用紙送りされる。ラインプリンタ11は、このようにして排出口に用紙送りする際に、ヘッドカートリッジ20に保持された各イエロー、マゼンタ、シアン、黒色のインクカートリッジY、M、C、Bからヘッド21のラインヘッドにそれぞれ対応するインクが供給され、このインクが液滴により用紙14に付着して所望の画像が印刷される。
【0041】
すなわちヘッド21の各ラインヘッドにおいては(図4)、これらインクカートリッジY、M、C、Bからのインクがそれぞれ対応するインク流路33を介してインク液室30に導かれ、ここでヒーター28の加熱によって発生する気泡によりノズル31から飛び出し、用紙14に付着する。これによりラインプリンタ11では、このように用紙送りしながら所望の駆動回路によりこれらヒーター28を選択的に駆動することにより、所望の画像を印刷することができる。
【0042】
ヘッド21では、半導体基板27によりこのようなヒーター28が順次配置され、またこの半導体基板27にヒーター28の駆動回路29が配置されてヘッドチップ25が形成され、このヘッドチップ25の配列により作成される(図3及び図5)。
【0043】
さらにこのヘッドチップ25においては、所定個数のノズルを単位にして連続するノズルがグループ化され、各グループでノズルの位置が順次用紙送り方向にシフトするように形成される(図5〜図7)。これによりラインプリンタ11では、1つのグループ内で各ノズルを駆動するタイミングをずらして時間的な余裕を確保できるようになされ、またグループ間の対応するノズルについては、同時並列的に駆動して印刷に要する時間を短くすることができるようになされている。
【0044】
すなわちラインプリンタ11では(図1)、各ヘッドチップ25に配置した駆動回路29によりそれぞれヒーター28が駆動され、この駆動回路29に対してそれぞれインク液滴の吐出、非吐出を指示する駆動データD1がシリアルデータの形式により供給される。また隣接するノズルの吐出周期により繰り返されるフェーズクロックPCK等が各ヘッドチップ25に供給される。
【0045】
各ヘッドチップ25では、このシリアルデータによる駆動データD1がシリアル転送回路51におけるデータ転送及び一定周期のラッチにより、各グループに振り分けられてスイッチング回路ブロック52A、52B、52Cに出力される。またフェーズ発生回路50A〜50CにおけるフェーズクロックPCKのカウントにより、各グループの各ヒーターについて、それぞれ駆動のタイミングを示すタイミング信号PA〜PHが生成される。
【0046】
各ヘッドチップ25では、スイッチング回路ブロック52A、52B、52Cにおいて、インク液滴の吐出及び非吐出を示す基準信号T1及びT2がそれぞれシリアル転送回路51で振り分けられた駆動データにより順次選択される。さらにこの選択出力がタイミング信号PA〜PH及びストローブ信号SLにより各ヒーター毎に順次選択され、この選択出力により対応するヒーターが駆動される。これにより各ヘッドチップ25に対する接続を簡略化して、各ヒーターを駆動することができる。またシリアル転送した駆動データD1を各グループに振り分けて同時並列的に印刷に供することができ、その分、ヘッドチップ上における処理速度の増大を有効に回避して高解像度の印刷結果を得ることができる。
【0047】
このようにして処理するにつき、各ヒーターを駆動する駆動用のタイミング信号についても、フェーズクロックPCKを基準にして各ヘッドチップ内で作成することにより、その分、接続を簡略化することができる。
【0048】
このようにして各ヘッドチップ25においては、ノズルをグループ化して駆動するにつき、1つのフェーズ発生回路でタイミング信号を各グループに振り分ける代わりに、各グループ毎にフェーズ発生回路が配置される。これによりラインプリンタ11においては、1系統のタイミング信号を各グループに振り分ける配線(すなわちバスである)に代えて、複数のフェーズ発生回路が配置されることになり、1つのグループを構成するノズルの数を増やした場合に、チップ面積の増大を防止することが可能となる。
【0049】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、インク吐出機構をグループ化して駆動する際に、駆動用のタイミング信号を生成する信号生成回路をそれぞれ各グループに配置することにより、1つのグループを構成するインク吐出機構の数を増やした場合でも、チップ面積の増大を防止することができる。
【0050】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、用紙送り方向と直交する方向について、隣接するヘッドチップ間でノズルが一定のピッチとなるように、ヘッドチップを配置する場合について述べてが、本発明はこれに限らず、一部ノズルが重なり合うように配置する場合にも広く適用することができる。
【0051】
また上述の実施の形態においては、ノズル及びインク液室の隔壁を複数のヘッドチップで共用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、個々のチップヘッドでこれらを独立に構成する場合等にも広く適用することができる。
【0052】
また上述の実施の形態においては、サーマル方式によるラインプリンタに本発明を適用する場合について述べてが、本発明はこれに限らず、ヒーターの駆動に代えて圧電素子の駆動による方式のラインプリンタ等にも広く適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、インク吐出機構をグループ化して駆動する際に、駆動用のタイミング信号を生成する信号生成回路をそれぞれ各グループに配置することにより、1つのグループを構成するインク吐出機構の数を増やした場合でも、チップ面積の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヘッドチップの駆動回路を示すブロック図である。
【図2】図1のヘッドチップによるラインプリンタを示す斜視図である。
【図3】図2のラインプリンタに適用されるヘッドを示す分解斜視図である。
【図4】図3のヘッドを詳細に示す斜視図である。
【図5】図1のヘッドチップの配置を示す平面図である。
【図6】図5のヘッドチップの駆動の説明に供する略線図である。
【図7】図6の続きを示す略線図である。
【図8】図1の駆動回路のフェーズ発生回路を示すブロック図である。
【図9】図1の駆動回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図10】半導体基板上における面積の説明に供する平面図である。
【図11】図1の駆動回路によるヘッドチップの駆動の説明に供する略線図である。
【図12】図1の駆動回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図13】グループ化による駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、29……駆動回路、11……ラインプリンタ、14……用紙、21……ヘッド、25……ヘッドチップ、28……ヒーター、31……ノズル、50A〜50C……フェーズ発生回路
Claims (3)
- 所定のノズルよりインク液滴を飛び出させるインク吐出機構の少なくとも一部を半導体基板上に順次配置すると共に、所定の駆動回路を前記半導体基板に配置し、前記駆動回路により前記インク吐出機構を駆動するプリンタにおいて、 前記駆動回路は、 前記半導体基板に割り当てられた複数の前記インク吐出機構をグループ化し、 所定の駆動用タイミング信号を基準にして前記インク吐出機構を駆動することにより、各グループの対応する前記インク吐出機構を同時並列的に駆動し、 所定の基準信号から前記駆動用タイミング信号を生成する信号生成回路を前記各グループ毎に有し、前記各グループの前記信号生成回路は、前記各グループに共通の前記所定の基準信号から前記駆動用タイミング信号を生成する ことを特徴とするプリンタ。
- 前記半導体基板上に形成される前記インク吐出機構の一部がヒーターである ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 所定のノズルよりインク液滴を飛び出させるインク吐出機構の少なくとも一部を半導体基板上に順次配置すると共に、所定の駆動回路を前記半導体基板に配置し、前記駆動回路により前記インク吐出機構を駆動するプリンタヘッドにおいて、 前記駆動回路は、 前記半導体基板に割り当てられた複数の前記インク吐出機構をグループ化し、 所定の駆動用タイミング信号を基準にして前記インク吐出機構を駆動することにより、各グループの対応する前記インク吐出機構を同時並列的に駆動し、 所定の基準信号から前記駆動用タイミング信号を生成する信号生成回路を前記各グループ毎に有し、前記各グループの前記信号生成回路は、前記各グループに共通の前記所定の基準信号から前記駆動用タイミング信号を生成する ことを特徴とするプリンタヘッド。
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---|---|---|---|
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