JP4496149B2 - 寸法測定装置 - Google Patents
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一例として、寸法測定装置では、被測定物を撮像した画像に基づいて、画素−感度特性を取得し、最大感度レベルVMAXを100パーセント(%)とし最小感度レベルVMINを0パーセントとした場合における50パーセントの感度レベルをスライスレベルSLとして、当該スライスレベルSLに相当する2点の傾斜部を検出し、これら2点の画素間の位置の差から寸法を測定することが行われる。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、微小寸法を精度良く測定することができる寸法測定装置を提供することを目的とする。
すなわち、光学顕微鏡が、前記被測定物の画像を映す。撮像手段が、 前記光学顕微鏡により映された画像を撮像する。特性取得手段が、前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、画素位置に対する感度レベルの特性を取得する。幅測定手段が、前記特性取得手段により取得された特性に基づいて、感度レベルの最大値と最小値との中間(つまり、50パーセント)のレベル(又は、それに近いレベル)をスライスレベルとして設定し、当該スライスレベルに相当する感度レベルを有する2つの画素位置の間の幅を測定する。記憶手段が、前記幅測定手段により測定される幅と用いるべきスライスレベルとの対応が予め行われた実験の結果に基づいて設定された情報を記憶する。寸法測定手段が、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記幅測定手段により測定された幅に対応した用いるべきスライスレベルを設定し、当該スライスレベルを用いて前記被測定物に関する寸法を測定する。
また、測定対象となる寸法としては、種々な所の寸法が用いられてもよく、例えば、ICウエハの線幅や、ICウエハに存在する傾斜部の幅などを用いることができる。
また、画素位置に対する感度(輝度)レベルの特性としては、例えば、画像における水平方向或いは垂直方向の特性が用いられる。
また、予め行われた実験の結果に基づく情報としては、スライスレベルを適切なレベルへ変更するための情報が用いられ、種々な情報が用いられてもよい。
また、幅測定手段では、必ずしも中間(50パーセント)のレベルに相当するスライスレベルばかりでなく、それに近いレベルに相当するスライスレベルが用いられてもよく、例えば、実用上で有効であれば、厳密に中間のレベルに同一でなくとも多少のずれがあってもよい。
また、例えば、或る幅を測定する際にその左側の位置と右側の位置をそれぞれ測定するような場合には、左側の位置と右側の位置とで、同一のスライスレベルが用いられてもよく、或いは、異なるスライスレベルが用いられてもよい。
図1には、本発明の一実施例に係る寸法測定装置の構成例を示してある。
本例の寸法測定装置は、落射照明部1と、光学顕微鏡2と、TVカメラ3と、寸法測定演算処理装置4と、TVモニタ5を備えている。
また、本例の寸法測定装置には、被写体となる試料に相当するICウエハなどの被測定物11が設置される。
落射照明部1により被測定物11に対して光を照射し、光学顕微鏡2により投影された被測定物11の空間像をTVカメラ3により撮像し、撮像された画像(映像)に基づいて寸法測定演算処理装置4により所望部分の寸法を電気的に測定し、TVモニタ5により被測定物11の画像と寸法測定値を表示する。
図2(a)には、被測定物11を側面方向から見た一例を示してある。本例の被測定物11は、平らな下地22の上にほぼ平らな上地21を形成して構成されており、上地21の縁の部分は傾斜していて傾斜部を構成している。本例では、被測定物11が2層膜である場合を示してあり、上地21の横方向(左右方向)の寸法を測定する。
図2(a)に示される被測定物11の上方から落射照明が当てられ、下地22の平らな面ではその反射率Dで光が反射され、上地21の平らな面部分ではその反射率Uで光が反射され、上地21の傾斜部では光が斜め方向に反射される。そして、図2(a)に示される被測定物11の上方から、光学顕微鏡2を介してTVカメラ3により画像が撮像される。
また、図2(b)には、画面内に、i(iは任意の数値)番目の水平走査線Liを示してある。
TVカメラ3により撮像された被測定物11のモニタ画像31において、或る1つの水平走査線Li上の感度分布として、当該水平走査線Liに対応する水平方向の画像信号(映像信号)を複数であるN個に分解することで、水平方向の各画素位置と当該各画素位置における感度(輝度)とを対応付けた特性(画素−感度特性)が得られる。
図2(c)に示される感度分布(画素−感度特性)において、最大の感度レベルVMAXと最小の感度レベルVMINを検出し、最大感度レベルVMAXを100パーセント(%)として最小感度レベルVMINを0パーセントとした場合における50パーセント(つまり、中間)の感度レベルをスライスレベルSLとする。次いで、測定された感度がスライスレベルSLに相当する2点の画素の位置として、最も左側にあるa番目の画素位置と最も右側にあるb番目の画素位置を検出し、これら2つの画素位置の間の位置の差Nabを求める。
そして、この位置差Nabに、測定時における光学顕微鏡2の測定倍率とTVカメラ3から被測定物11までの距離(被写体距離)により決まる予め求められた係数kを乗じて、当該乗算の結果を対応する被測定物11の寸法値Xとして求める。つまり、X=k×Nabとなる。なお、係数kの値は、例えば、予め寸法測定演算処理装置4のメモリなどに記憶されて設定される、或いは、測定時などに寸法測定演算処理装置4により算出される。
また、下地輪郭間の位置差Nabだけでは、被測定物11の測定対象の実寸法が光学顕微鏡2の分解能α近辺にあるときには真の値からずれる。光の波長をλとし、光学顕微鏡2の対物のレンズの開口数をNAとすると、分解能αは、α=λ/(2×NA)と表される。
代表的な光学顕微鏡の一例では、λ=0.55μm、NA=0.9であり、α=0.3μmが寸法測定の限界である。
図4〜図9には、α=0.55μmである場合におけるシミュレーションによる実験結果の例として、被測定物11の傾斜部の幅(スロープ幅)W、下地22の反射率D、上地21の反射率Uと分解能αの関係を示してある。
本例では、図2(d)に示されるように、画素位置bの側の傾斜部についての実験結果を示してあり、スロープ幅Wなどに関して測定値と理想値(実際の値)とを比較している。
図5(a)〜(e)には、W=0.75μmである場合を示してある。また、図5では、(a)U=1、D=1の場合、(b)U=0.25、D=1の場合、(c)U=0.5、D=1の場合、(d)U=1、D=0.5の場合、(e)U=1、D=0.25の場合を示してある。
図7(a)〜(e)には、W=0.35μmである場合を示してある。また、図7では、(a)U=1、D=1の場合、(b)U=0.25、D=1の場合、(c)U=0.5、D=1の場合、(d)U=1、D=0.5の場合、(e)U=1、D=0.25の場合を示してある。
図9(a)〜(d)には、W=0.15μmである場合を示してある。また、図9では、(a)U=1、D=1の場合、(b)U=0.8、D=1の場合、(c)U=0.9、D=1の場合、(d)U=1、D=0.9の場合を示してある。
また、他のそれぞれの表についても、同様に読み取れる。
そこで、本例では、このような実験により得られた情報を寸法測定装置に記憶しておき、この情報に基づいて測定に用いるスライスレベルを変更することにより、精度の良い寸法測定を実現する。
本例のテーブルでは、図4〜図9に示されるような実験結果に基づいて、50パーセントの感度レベルに相当するスライスレベルSLを用いた場合に測定されたスロープ幅の測定値と、左側と右側のそれぞれについて測定位置と理想位置との差と、実際のスロープ幅Wと、上地21の反射率Uと、下地22の反射率Dと、左側についての理想のスライスレベルSL1及び右側についての理想のスライスレベルSL2と、を対応付ける情報を格納している。なお、本例では、数値としては、近似値を用いているところもあるが、例えば、実験値とテーブル値とは同一であってもよく、或いは、実験値から得られた近似値などがテーブル値として用いられてもよい。
まず、50パーセントの感度レベルに相当するスライスレベルSLを用いて、当該スライスレベルSLに一致する位置として、傾斜部における左側の位置と右側の位置を測定する。
なお、傾斜部としては、図2(a)、(b)、(c)に示される2つの傾斜部(左側の傾斜部と、右側の傾斜部)のそれぞれについて測定する。ここでは、図2(d)に示される右側の傾斜部について測定する場合を示すが、左側の傾斜部についても同様な測定を行う。
この比較の結果、U=Dであるときには、47パーセントの感度レベルに相当する左側のスライスレベルSL1及び47パーセントの感度レベルに相当する右側のスライスレベルSL2を用いて測定する。これにより、傾斜部における左側の位置や右側の位置を正確に測定することができ、実際のスロープ幅である0.75μm(=1.36α)という寸法を測定することが可能である。
なお、例えば、0.52μmや0.49μmについて正確に特定することができないような場合には、大幅な誤差になるので、光学顕微鏡2の分解能αまでが限界であるとする。
光学顕微鏡2の分解能αは、使用波長λを短くすることや、対物レンズの開口数NAを大きくすることにより、小さくすることができる。例えば、現状において市販で入手することが可能な光学顕微鏡では、使用波長λ=0.248μm、NA=0.9であり、分解能α={0.248/(2×0.9)}=0.13μmとなる。この場合、α=0.13μmまでの、傾斜部を正しく測定することが可能である。
なお、被測定物11に関して測定する対象となる寸法としては、種々な所の寸法が用いられてもよく、また、その寸法を求める方法としても種々な方法が用いられてもよく、例えば、それぞれの傾斜部における左側の位置や右側の位置やスロープ幅Wのうちの一部又は全部に基づいて寸法を求めるようなことが可能である。
従って、例えば、光の分解能α近辺の測定値についても絶対値に近い値を検出することが可能であり、また、予め設定されたテーブルに基づいて処理が行われることから、高速に測定処理を行うことが可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る寸法測定装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (1)
- 平らな下地の上にほぼ平らな上地を形成して構成された被測定物の前記上地の線幅寸法を測定する寸法測定装置において、
前記被測定物に対して上方から光を照射する照明と、
前記照明により光を照射された前記被測定物の画像を映す光学顕微鏡と、
前記光学顕微鏡により映された画像を上方から撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に基づいて各画素位置に対する輝度レベルの特性を取得する特性取得手段と、
前記特性取得手段により取得された特性に基づいて輝度レベルの最大値と最小値との中間の輝度レベル又はそれに近い輝度レベルをスライスレベルとして設定し、当該スライスレベルに相当する輝度レベルを有する2つの画素位置の間のスロープ幅を測定する幅測定手段と、
予め行われた実験の結果に基づいて、前記幅測定手段により測定された前記スロープ幅と、前記上地の反射率と、前記下地の反射率と、理想のスライスレベルとを対応付けた情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記幅測定手段により測定された前記スロープ幅及び前記輝度レベルに基づく前記上地の反射率と前記下地の反射率との比較結果に対応する前記理想のスライスレベルを用いて前記被測定物に関する線幅寸法を測定する寸法測定手段と、
を備えたことを特徴とする寸法測定装置。
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