JP4495393B2 - 物品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大きさの異なる物品を製造する製造方法及び製造装置に関し、特に、紙おむつ、失禁用パンツ又は生理用パンツなどの使い捨てパンツや生理用ナプキンなどの使い捨て着用物品を製造する製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米国特許3,828,367は使い捨てパンツの製造方法を開示している。
一般に、使い捨てパンツ等では、同じ商品であっても、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズなどの、複数のサイズが存在する場合がある。それらのパンツの構成は基本的には同じであるため、1つの機械で、複数のサイズのパンツ等を製造することは可能である。
しかし、サイズによってパンツ等の大きさが異なるため、一部のユニットを交換する必要があり、そのため、稼働率が低下するなどの問題がある。かかる問題は着用物品以外の他の物品についても同様に生じる。
したがって、本発明のある目的は、ユニット等の交換が極力不要となる物品の製造方法及び装置を提供することにある。
【0019】
参考例の原理:
以下に、本発明の理解に役立つ参考例の原理について説明する。
従来、連続した吸収体を切断するマットカッタユニットなどは、製造される物品のサイズに応じて、交換されていた。例えば、Lサイズ,Mサイズ,Sサイズの物品のマットの全長を、それぞれ、L3,L2,L1とすると、一般に、Lサイズ,Mサイズ,Sサイズで、それぞれ、L3,L2,L1に対応する周長を持つカッタロールが用いられ、これらのロールは略一定の回転速度(回転数/分)で回転させていた。
しかし、カッタロールが回転する速度を変化させることにより、任意の長さのマットを生産することが可能になる。
【0020】
図1(a)は、加工部1を有する回転体2を示す図である。回転体2は、回転することにより、物品の材料又は半製品(以下、それらを総称して「半製品」という)に加工を加えることができる。例えば、回転体2が、刃を有するカッタロールである場合、物品の半製品を切断するという加工を加えることができる。
例えば、図1(a)に示す加工部1が半製品に加工を施す際、つまり、加工部1が作業領域α(α=x−Δa〜x+Δb:ただし、xは加工部1が半製品を切断する切断点の位相)に位置する時には、加工部1の周速度(加工時の周速度)がウェブWの流れ速度VW と略同じか所定の割合だけ大きくなるように設定し、一方、他の領域β=(0〜x−Δa及びx+Δb〜2π)つまり非作業領域βに加工部1が位置する時には、加工部1の周速度を物品のサイズに応じた速度に設定すれば、半製品に加工を加える間隔が物品のサイズに合致する。
なお、Mサイズ用のカッタロールを用いて、ウェブの流れ速度をそのままにし、単にカッタロールの回転速度を小さくして、Lサイズの物品を製造すると、刃先(加工部)の周速度がウェブの流れ速度Vよりも遅くなるため、連続マットを切断することが困難となる場合がある。
【0021】
Mサイズの回転体2を用いてLサイズの物品を製造する場合、図2(a)に示すように、加工部1の周速度v(θ)を、作業領域αでは、流れ速度VW に近似した速度とし、一方、非作業領域βでは加工部1の平均周速度を流れ速度VW よりも小さな値に設定する。しかし、制御方法によっては、図2(b)のように、非作業領域βにおいて加工部1の周速度v(θ)が、連続マットの流れ速度VW を一時的に超えてもよい。
今、図1(b)に示すように、径rを回転体2の回転中心から加工部1の先端までの距離、つまり径rを加工部1の回転半径とすると、図2(d)に示す式(1) が導出される。つまり、1回転に要する時間TL が一定であれば、非作業領域βにおいて回転体2の周速度はどのように変化してもよい。例えば、図2(c)のように、作業領域αにおいて、加工部1の周速度v(θ)が若干変化してもよい。
また、作業領域αにおいて、加工部1の周速度v(θ)は、流れ速度VW の1以上の定数倍としてもよい。
なお、回転体2の回転中心から加工部1の先端までの距離rは、その距離rと回転体2の半径との差が小さい場合には、回転体2の半径と考えてもよい。
【0022】
一方、Mサイズの回転体2を用いてSサイズの物品を製造する場合、図3(a)に示すように、作業領域αでは流れ速度VW に近似した周速度v(θ)に設定し、一方、非作業領域βでは平均周速度を流れ速度VW よりも大きな値に設定する。すなわち、図3(c)の(2) 式に示す1回転に要する時間TS が一定であれば非作業領域βにおいて回転体2の周速度はどのように変化してもよい。
作業領域αにおいて、周速度v(θ)は、流れ速度VW の1以上の定数倍としてもよいが、例えば、図3(b)のように、作業領域αにおいて、周速度v(θ)が若干変化してもよい。
【0023】
なお、Mサイズの回転体2でMサイズの加工を行う場合には、周速度v(θ)は流れ速度VW よりも大きな一定値となってもよく、1回転に要する時間をTM とすると、TS <TM <TL となる。
【0024】
なお、図1(c)のように、1つの回転体2に複数個の加工部1A,1Bが等しく設けられていてもよい。
この場合、加工部1Aが加工した後、次の加工部1Bが加工するまでの1サイクルのサイクルタイムTi は、図4(b)の(3) 式に示すように、サイズごとに概ね一定であればよい。この場合、図4(a)に示すように、ロールが1回転する間に複数のサイクルが実行され、2πを加工部の数Nで除算した角度Pが1サイクルとなる。すなわち、図1(c)の(第1の)加工部1Aによる加工後、次に(第2の加工部1Bによる)加工がなされるまでが1サイクルとなる。このように、加工部1A,1Bの周速度を物品のサイズに応じて変化させる(サイズに応じた所定の速度曲線に沿って加工部の周速度を変化させる)ように制御することで、サイズの異なる物品を製造することができる。すなわち、加工部が回転することにより、その位相が変化し、その位相に応じて加工部の周速度が変化してもよい。また、加工部の周速度は加工部の極座標上の位置により変化し、これにより、サイズの異なる物品が製造されてもよい。
【0025】
なお、回転体2が一方向に回転する場合、稼動中に回転体2が停止する(v (θ)が0になる)ことは想定しにくいが、仮にv(θ)=0になることがあれば、回転体の停止時間Δtを前記Ti に加算して、1サイクルに要する時間を求めてもよい。また、v(θ)=0となる区間を除いて前述の(1) 〜(3) 式が適用されてもよい。
【0026】
また、ウェブWの流れ速度VW が変動することもある。この場合、回転体2の1サイクルにおける回転速度を変化させることにより、前記流れ速度VW の変動を吸収することができる。この場合には、ウェブWの速度を検出する検出器を設け、検出したウェブの速度VW に比例するように、加工部の周速度v(θ)を制御してもよい。また、図4(c)のように、ある物品の半製品が連続している場合、そのサイズは半製品の流れ方向の長さにより決定されるが、図4(d)のように、半製品が不連続である場合、半製品のサイズは、半製品の境界間の距離により決定されてもよい。
【0027】
なお、マットカッタユニット、シールユニット、トリムカットユニットなどは、加工部1を持つ回転体とそれに対向するロールを有し、対向するロールは半製品と略同じ速度で回転し、作業領域において加工部1の周速度v(θ)は、対向するロールの周速度と同期していてもよい。また、非作業領域βにおいて、加工部1の周速度v(θ)が変化する場合、周速度v(θ)は1以上の変極点又は極値を持つ。
【0028】
このような製造装置としては、例えば、加工部の位相と、当該位相に対応する加工部の周速度との関係を物品のサイズごとに記憶する記憶部と、サイズが指定されると当該サイズについての前記関係を読み出して、当該サイズに応じて前記ロールの回転制御を行う制御手段とを備えた物品の製造装置を採用することができる。
【0029】
前記目的を達成するために、本発明のある物品の製造方法は、複数のサイズの物品を製造する方法であって、吸収体を生成する工程と、物品のサイズごとのレッグホールの形状に応じて、サーボモータの回転によって案内部がウェブの幅方向に往復動を繰り返すことで弾性部材をウェブの幅方向に動かしながら、ウェブに弾性部材を導入する工程と、前記吸収体を前記ウェブの上に配置する工程と、前記物品のレッグホールの形状に応じて、前記ウェブにレッグホールとなる穴を切断手段により開ける工程と、前記穴が開けられ、前記吸収体が配置されたウェブを、前記物品のサイズに応じて物品ごとに切り分ける工程と、前記物品の半製品に記された半製品の基準点をセンサで検知するごとに間隔信号を出力する工程と、基準の速度信号および前記間隔信号の間に測定される速度信号に基づいて前記半製品の伸縮情報を求める工程と、を包含し、前記案内部の1往復を1周期とした場合における前記案内部のウェブの幅方向についての位相と当該位相における前記案内部のウェブの幅方向についての移動速度との関係が、物品のサイズごとに記憶され、サイズが指定されると、当該サイズに応じた前記移動速度により前記案内部が動作すると共に、前記半製品が伸びたり縮んだりして生じる前記半製品の遅れや進みを補正するために、前記伸縮情報に基づいて前記サーボモータの回転速度を補正する。
【0030】
サイズが指定されると、当該サイズに応じた移動速度により案内部が弾性部材をウェブの幅方向に動かしてウェブ上に配置したり、あるいは、当該サイズに応じた移動速度により切断手段が幅方向に移動しながらウェブに穴を形成するので、サイズを変更してもユニットを交換する必要がない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の理解に役立つ参考例を図面にしたがって説明する。
第1参考例:
図5〜図8および図13〜図15は第1参考例を示す。
図5は、物品を製造する製造装置の一例を示す図である。具体的には、この製造装置は、着用物品の一種であるオムツを製造することができる。この製造装置は、少なくとも1つの、加工部を有する回転体を備えている。
前記製造装置は、上流から下流に向かって、プレスユニット3、エンボスユニット4、カッタユニット5、テープ取付けユニット70、アッセンブリドラム8、シールユニット9、 シールユニット10、トリムカッタユニット11およびファイナルカットユニット12を備えている。
【0032】
以下、前記製造装置を構成する各ユニットについて説明する。
プレスユニット3は、プレスロール3aとアンビルロール3bとを有している。図5に示すプレスユニット3は、連続するマットWmをプレスするため、通常凸部を有していない。しかし、マットWmの特定の位置をプレスする場合、あるいはサイズによってプレスする位置が変化する場合、本発明の原理に基づいて、回転体として働くプレスロール3aが制御されてもよい。プレスユニット3に送られた液を吸収することが可能なマットWmは、プレスロール3aによって所定の厚みに成形される。なお、アンビルロール3bの周速度は、マットWmの流れ速度と略同じであることが好ましい。
【0033】
エンボスユニット4は、圧力、熱、又はその両方を部材等に与えることが可能なエンボスロール4aと受けロール4bとを有している。エンボスロール4aの表面には、複数のピンが配置され、所定の厚みに押し固められたマットWmに、エンボスユニット4はくぼみをつける。このくぼみによって、マットWmの強度が増したり、吸収性が向上したりする効果が期待できる。
前記受けロール4bの表面は滑らかな曲面であってもよいが、受けロール4bには、エンボスロール4aのピンに対応する穴が設けられていてもよい。図5に示すエンボスユニット4は、連続するマットWmにエンボス加工を施すため、エンボスユニット4の表面全体に均等にピンが配置されている。
なお、エンボスユニット4は、ピンエンボスを実施するものに限られない。例えば、エンボスロール4aの表面には、一条刃が配置されていてもよいし、網状又は格子状の凸部や、ハート、クラブ、ダイヤ、スペード、丸、又は三日月等の型をした凸部が配置されていてもよい。
ここで、マットWmの特定の位置にエンボス加工を施し、サイズによってエンボス加工する位置が変化する場合、本発明の原理に基づいて、回転体として働くエンボスロール4aが制御されてもよい。なお、受けロール4bに、ピンに対応する穴が設けられていている場合、受けロール4bは、エンボスロール4aの回転に応じて回転する。
【0034】
カッタユニット5は、カッタロール5aとアンビルロール5bとを有している。カッタユニット5は、前記エンボス加工が施されたマットWmを所定の長さに切断する。前記所定の長さは、物品のサイズに依存する。本発明の原理に基づいて、回転体として働くカッタロール5aが制御される。なお、マットWmが連続ではなく個別に形成される場合、カッタユニット5を必要とはしない。
【0035】
所定の長さに切断されたマットWmの上にはカフ部材Wcが導入される。カフ部材WcはマットWmに接着剤又はシールにより固定されてもよい。接着剤は、少なくともカフ部材WcとマットWmの一方に塗布されるが、その塗布は連続であってもよいし、間欠であってもよい。接着剤としてホットメルトを使用する場合、ビード、コータ、スパイラル、カーテン、スプレー又は転写ロール等の方式で塗布が行われてもよい。ホットメルトの種類としては、合成ゴム系又はオレフィン系等が用いられてもよい。所定の加工が施されたマットWmは、アッセンブリドラム8に送られる。また、カフ部材Wcは、バックシートWrに配置されてもよい。
一方、マットWmが積層されるべきバックシートWbには、テープ取付けユニット70により、フロンタルテープWtが取付けられる。
【0036】
図6(a)は、テープ取付けユニット70の一例を示す図である。
前記テープ取付けユニット70は、フロンタルテープWtを所定の長さを押し出すことができる一対のピンチロール71,71と、少なくとも1つの刃を有するテープWtを切断するカッタロール72と、切断されたテープWtを運搬する運搬ロール73と、テープWtとバックシートWbとを圧着する圧着ロール74とを備えている。
【0037】
例えば、前記ピンチロール71,71は、連続してテープWtを押し出しても、間欠にテープWtを押し出してもよい。
前記運搬ロール73は回転しながら、その吸引部76がテープWtを吸引するため、運搬ロール73とテープWtが擦れる。つまり、連続してテープWtが押し出される場合、運搬ロール73の周速度は、ピンチロール71,71がテープWtを送り出す速度より速い。また、間欠にテープWtが押し出される場合であっても、それらの平均速度を比べた場合、運搬ロール73の周速度の方が、ピンチロール71,71がテープWtを送り出す速度より速い。
テープWtは、所定の長さでカッタロール72の少なくとも1つの刃75と運搬ロール73の台77に挟まれ、切断される。台77は刃75を受けるため、吸引部76のような吸引孔を有していない。また、吸引部76の回転方向の長さは、テープWtの所定の長より長い。また、刃75と台77がテープWtを介して当接する際、刃75の刃先の周速度は、運搬ロール73と同等あるいは速い。
【0038】
ところで、通常、カッタロール72は所定の周速度を維持しながら回転している。しかし、本発明の原理で示したように、カッタロール72の周速度を1サイクルの間に変化させてもよい。この場合、1サイクルとは、一のテープWtが切断されてから次のテープWtが切断されるまでの期間である。従って、この1サイクルは、カッタロール72に配置された刃75の数等によっても変化する。
【0039】
前記運搬ロール73は切断されたテープWtを作業領域α1(x−Δa〜x+Δb)へ運搬する。一方、圧着ロール74の凸部78が作業領域α2(x−Δc〜x+Δd)に移動し、テープWtが運搬ロール73及び圧着ロール74によってそれらの作業領域の重なり領域でバックシートWbに固定される。具体的には、圧着ロール74は少なくとも1つの凸部78を有し、凸部78が、バックシートWbとテープWtとを運搬ロール73に押し付けることにより、バックシートWbにテープWtが接着される。
テープWtをバックシートWbに接着するために、テープWtが接着領域を有していてもよい。また、テープWtがピンチロール71,71から送り出され、カッタロール72にて切断されるまでの期間に、接着剤がテープWtに塗布されてもよい。また、接着剤に対して剥離性の強い材料(例えば、シリコン、テフロン(登録商標)等)が少なくとも1つのピンチロール71の表面にコーティングされている場合、接着剤は、テープWtがピンチロール71,71から送り出される前に、塗布されていてもよい。
【0040】
ここで、物品のサイズの変更がなければ、運搬ロール73の周速度及び圧着ロール74の凸部78の周速度は、バックシートWbの速度と略同じになる。しかし、物品のサイズが変更され、バックシートWbにテープWtを取付ける間隔が変更された場合であっても、運搬ロール73の作業領域α1における、運搬ロール73等の周速度がバックシートWbの速度と略同じになるように、本発明の原理に基づいて、運搬ロール73等が制御されてもよい。圧着ロール74についても、その作業領域α2において、凸部78の周速度がバックシートWbの速度と略同じになるように、圧着ロール74が制御されてもよい。つまり、運搬ロール73の作業領域α1において、テープWtを保持している吸引部76の周速度がバックシートWbの速度と略同じになるように、運搬ロール73が制御されてもよい。また、前記両作業領域α1,α2が重なる領域において、吸引部76と凸部78が、バックシートWbにテープWtを押し付けることができるように、それぞれの作業領域に突入する時刻が制御される。
【0041】
図5に示すように、アッセンブリドラム8においては、弾性部材Wfが導入されたバックシートWbと、カフ部材Wcが導入されたマットWmが重ねられ、隣接する物品との境界付近をシールするためのシールユニット9や物品のサイドをシールするためのシールユニット10により、マット等がシールされ、複合体W1が生成される。なお、弾性部材Wfを導入する方法については後述する。
【0042】
図6(b)は、シールユニット9の一例を示す図である。
シールロール92は少なくとも1つの凸部91を有し、凸部91とアッセンブリドラム8の間の半製品、例えばマットWmとバックシートWbとをシールする。
シールの種類は、ヒートシール、又はウルトラソニック等であってよい。また、一度に、部材をシールするだけの熱量を与えられない場合、複数回に分けてシールを行ってもよい。また、シールする前に、シールすべき個所に予備加熱を行ってもよい。また、複数回に分けてシールする場合、シールユニット9が複数個アッセンブリドラム8に配置されてもよい。また、予備加熱は、アッセンブリドラム8に配置されたヒータ、又はシールされるべき部材に向かって排出される温風あるいはそれらの組み合わせによって行われてもよい。
ヒートシールが行われる場合、マット及びバックシートを接着し複合体W1を生成するために、シールロール92の凸部91はマットやバックシートの接着 (熱シール)すべき部分に少なくとも圧力及び熱を加える。
なお、シールロール92の構成は、図1(a)に示す回転体2の加工部1をシール刃に置き換えたものと実質的に同じである。つまり、シールロール92を一定の周速度で回転させることにより、あるサイズの物品を製造することが可能となる。また、本発明の原理に基づき、シールロール92を交換しなくても、他のサイズの物品を製造することも可能である。
【0043】
図5に示すように、複合体W1にレッグホールを開けるために、複合体W1はトリムカッタユニット11に送られ、該トリムカッタユニット11によって、レッグホールに相当する部分が切り取られる。
【0044】
図7はトリムカッタユニット11の一例を示す。
前記トリムカッタユニット11は、少なくとも1つのループ状の刃11cが配置されたトリムロール11aとアンビルロール11bとを備えている。後述するように、前記刃11cとアンビルロール11bの間の部材が切り抜かれる。
【0045】
つぎに、トリムロール11aの制御方法について説明する。
Lサイズのレッグホール形成用のトリムロール11aを用いて、Mサイズのレッグホールを有する着用物品を製造する場合、トリムロール11aの作業領域αでは、トリムロール11aの周速度v(θ)が複合体W1の流れ速度VW よりも所定の割合R1だけ速くなるように、トリムロール11aを回転させる。これにより、刃11cが複合体W1と接する距離は、Lサイズのレッグホールを製造する場合に比べて短くなる。このため、Lサイズのレッグホールよりも、面積の小さいレッグホールを複合体W1に開けることができる。
一方、Lサイズのレッグホール用のトリムロール11aを用いて、Sサイズのレッグホールを有する着用物品を製造する場合、トリムロール11aの作業領域αでは、同様に、トリムロール11aの周速度v(θ)が複合体W1の流れ速度より所定の割合R2だけ速く回転させればよい。ここで、R1<R2となる。
【0046】
図5に示すように、最後に複合体W1は、ファイナルカットユニット12によって1つ1つに分配される。前記ファイナルカットユニット12は、カッタロール12aとアンビルロール12bとを有している。ファイナルカットユニット12は、前記カッタロールユニット5と同様に、カッタロール12aを一定の周速度で回転させることにより、あるサイズの物品を製造することが可能である。ファイナルカットユニット12は、本発明の原理に基づき、カッタロール12aを交換しなくても、本発明の原理に基づき、他のサイズの物品を製造することも可能である。
なお、図5に示す製造装置は、接着剤供給機13を備えている。接着剤としてホットメルトが使用される場合、前述した方式で塗布が行われてもよい。また、物品のサイズによって接着剤供給機13が接着剤を塗布する間隔を変化させてもよい。また、接着剤が塗布されるタイミングが、後述する、速度信号、間隔信号又はタイミング信号CAT又はCCTに同期していてもよい。
【0047】
以下に、回転体を制御するための制御システムの一例について説明する。
図8(a)に示す制御システム59は、モータモジュールM1 〜Mn と、CPU(中央演算ユニット)51及びメモリ52を有する制御部50とを備え、さらに表示部53と、入力操作部54と、データリンク部55と、エンコーダ56とを備えていてもよい。
【0048】
前記モータモジュールMは、図8(c)に示すように、回転体を回転させるサーボモータ61と、サーボモータ61に与えられる回転信号を増幅するアンプ62とを有している。ここで増幅とは、アナログ的な増幅に限られず、例えば回転信号がデジタル信号である場合、そのデジタル信号の表す値に基づいて、サーボモータが回転できるような信号に変換することも含まれる。
【0049】
前記メモリ52には、例えば、図2(a)〜(c)に示す回転体の周速度と回転体の位相との関係情報が記憶されている。
前記関係情報は、データ形式であってもよいし、前述の(1) 〜(3) 式等で与えられていてもよい。CPU51等の計算回数を減らす観点から、関係情報がデータで与えられていることが好ましい。例えば、回転体の位相とそれに対応する回転体の周速度が一対のデータとして記憶されていてもよい。また、関係情報は、メモリ52等に物品のサイズと関連付けて記憶されていてもよい。例えば、関係情報と物品のサイズは表として記憶され、表の縦方向に回転体の位相をとり、表の横方向に物品のサイズをとり、表には、回転体の位相と物品のサイズとに対応する回転体の周速度が書き込まれていてもよい。また、メモリ52等に関係情報を記憶させる場合は、関係情報が入力操作部54から操作者により入力されてもよいし、ノート型パソコンのような小型携帯端末を前記データリンク部55とリンクさせることにより、それらの関係が小型携帯端末からメモリ52に転送されてもよい。なお、関係情報と物品のサイズがメモリ52等に関連付けて記憶されている場合、操作者が入力操作部54を操作することにより、物品のサイズに該当する関係情報がメモリ52から読み出され、CPU51が当該式又はデータに応じてサーボモータ61を制御し、回転体の回転制御を行ってもよい。
【0050】
前記データリンク部55とインターネットをリンクすることにより、本製造装置の外部にあるコンピュータと双方向の通信が可能となる。このため、本製造装置は、インターネットを介してバージョンアップした関係情報を容易に受取ることができる。
なお、外部にあるコンピュータが、後述するエンコーダ及びセンサSの情報をインターネットを介して得ることにより、前記外部のコンピュータから本製造装置を直接制御してもよい。
【0051】
前記エンコーダ56は、図5に示すような製造ラインのライン速度に関する速度情報をCPU51に送る。エンコーダ56は、製造ラインの速度情報を得られるならば、どこに取付けられていてもよい。例えば、エンコーダ56は、マットカッタユニット5、ファイナルカッタユニット12、又はアセンブリドラム8の回転情報を検知し、当該回転情報に基づいて速度情報を生成してもよい。
このエンコーダ56からの速度情報に同期して、複数又は全てのサーボモータ61が回転する。つまり、前記速度情報により、所定の基準点における回転体の位相が同期する。CPU51は、関係情報と速度情報に基づいて、サーボモータ61の回転信号を生成し、モータモジュールM1 〜Mn に固有の回転信号をそれぞれに送る。モータモジュールMでは、アンプ62が回転信号を増幅し、増幅された信号により、サーボモータ61が回転する。このような構成は、制御部50のCPU51への負担が大きいため、比較的低速度で稼動する製造ラインに適用されてもよい。
【0052】
前記制御システム59は、モータモジュールMの代わりに図8(d)に示すようなモータモジュールLを備えていてもよい。モータモジュールLは、回転体を回転させるサーボモータ61と、サーボモータ61に与えられる回転信号を増幅するアンプ62と、回転体の周速度と回転体の位相との関係情報を記憶することができるメモリ63と、回転信号を生成することができるCPU64とを有していてもよい。モータモジュールLは前述のデータリンク部55を有していてもよい。
前記制御部50が有する関係情報は、モータモジュールLのメモリ63に送られ、記憶される。また、制御部50は、エンコーダ56からの速度情報をモータモジュールLに送る。モータモジュールLは、送られた速度情報と関係情報に基づき、回転信号を生成する。アンプ62は回転信号を増幅し、増幅された信号により、サーボモータ61が回転する。
【0053】
なお、関係情報と物品のサイズとが関連付けて記憶されている場合、操作者が前記入力操作部54を操作し、物品のサイズを指定することにより、物品のサイズに該当する関係情報がメモリ52から読み出され、モータモジュールLのメモリ63に送られてもよいし、メモリ63に記憶されている関係情報が操作者により選択されてもよい。なお、モータモジュールLが入力操作部を有していてもよい。
【0054】
前記回転体を制御するための制御システムは、図8(b)に示す制御システム69であってもよい。制御システム69は、制御システム59に比べて、配線数を減らすことができる。このため、制御システム69の制御部50から出力される情報は、図13に示すように、ヘッダ部とデータ部とを備えていてもよい。ヘッダ部には、制御指令又はアドレス情報あるいはそられの両方が書き込まれている。
【0055】
ここで、制御指令とは、例えばメモリ63に対してデータ部の情報を書き込む指令であったり、メモリ63に格納されているデータを消去する指令であったりする。また、アドレス情報とは、モータモジュールLが複数ある場合、どのモータモジュールLが制御指令またはデータ部の情報、あるいは、その両方を受取ったらよいかを示す。データ部には、関係情報、速度情報又はその両方が書き込まれていてもよい。ただし、速度情報は、ある回転体が他の回転体と同期をとるために重要な情報であるため、制御部50は、速度情報を図13に示すヘッダ部及びデータ部を有する信号とは位相をずらして、独立して配線68に送信してもよい。あるいは、速度情報は、ヘッダ部及びデータ部を有する信号とは異なる周波数でモータモジュールLに送られてもよい。速度情報は、ヘッダ部及びデータ部を有する信号と位相及び周波数が異なっていてもよいし、誤り訂正のための符号を有していてもよい。ここで配線とは、ワイヤや同軸ケーブルだけでなく光ファイバ等を含み、データ等を通信できるものであれば、無線であってもよい。
【0056】
以下に、制御システム59又は69のモータモジュールLに、センサSが接続されている場合の制御方法の一例について説明する。
半製品の流れ速度は、基本的には、エンコーダ56から得られる速度情報と一致する。前記速度情報が、半製品が所定の距離動くごとに出力されるパルスからなる速度信号で表されているとすると、図14に示すように、速度信号(パルス)が所定の数になると、CPU51又はCPU64がタイミング信号AT1 ,AT2 を発生し、関係情報及びタイミング信号AT1 ,AT2 又はタイミング信号AT1 ,AT2 及び関係情報に基づいて、回転体の位相及び速度が所定の値になるように、回転信号が生成される。
例えば、CPU51(又はCPU64)はタイミング信号に応じて加工部が作業領域に所定の周速度で到達するように制御する。
【0057】
ところで、前記半製品が伸びたり縮んだりする場合、半製品の流れ速度が、局所的には速度情報と一致しない場合もある。このような局所的なずれに対応するため、半製品の伸縮情報に基づき、回転体の位相及び速度が制御されてもよい。そのような半製品の遅れや進みを補正して回転体を制御する方法の一例を説明する。
この方法は、センサSが生成した間隔信号から所定の数の速度信号が発せられたとき又は間隔信号から所定の時間が経過したときにタイミング信号を発生することにより、遅れや進みを補正するものである。
【0058】
前記センサSは、半製品に記された半製品の基準点を検知することができる。基準点は、予め半製品に等間隔でマークされてもよいし、カットされた半製品のエッジ、又は取付けられた部品、例えばテープ等を基準点としてもよいし、製造工程中で切り落とされた部分又は最終的に物品とはならない部分に書き込まれていてもよい。最終的には物品にマークを残さないためである。また、マークは、可視光以外で認識されてもよい。
本製造装置の所定の場所に配置されたセンサSが基準点を検知すると、間隔信号T1 ,T2 ,T3 をCPU64に送る。一方、制御部50はエンコーダ56からの速度情報である速度信号をCPU64に送る。CPU64は、間隔信号T1 ,T2 ,T3 を受けてから、所定の数Gの速度信号を計数すると、タイミング信号CAT1 ,CAT2 を発生する。少なくともこのタイミング信号CAT1 ,CAT2 に応じて加工部が作業領域に所定の周速度で到達するように回転体の位相及び速度が所定の値になるように、回転信号が生成される。
なお、ライン速度が一定である場合、間隔信号T1 ,T2 ,T3 を受取ってから所定の期間Dが経過した後、タイミング信号CAT1 ,CAT2 が生成されてもよい。
なお、CPU64は、サーボモータ61の回転速度及び回転位置(位相)を知ることができる。例えば、サーボモータ61がエンコーダを有していてもよいし、CPU64が回転信号をモニターし、その回転信号からサーボモータ61の回転速度及び回転位置を推定してもよいし、CPU64がサーボモータ61に加えられる増幅された信号をモニターしてもよいし、その信号からサーボモータ61の回転速度および回転位置を推定してもよい。
【0059】
次の方法は、半製品の伸縮情報に基づいて、前記タイミング信号CAT1 ,CAT2 を補正し、補正されたタイミング信号CCT1 ,CCT2 によって、半製品に加工を加える位置又はタイミングを補正するものである。
前記半製品の伸縮情報は、間隔信号T1,T2,T3の間に測定される速度信号と、該間隔信号T1,T2,T3の間に発せられる基準の速度信号に基づいて生成されてもよい。例えば、半製品の伸縮情報は、間隔信号の間に測定される速度信号と基準値に基づいて生成されてもよい。具体的には、伸縮情報は、間隔信号の間に測定される速度信号のパルス数と、基準のパルス数との比によって、求められてもよい。
【0060】
間隔信号の間に発生する速度信号の平均パルス数をSTPとする。前記平均パルス数STPは、予め決定されていてもよいし、実際に測定した値が用いられていてもよい。図15では、間隔信号T1 ,T2 の間に発生する速度信号の数をCP1 とし、間隔信号T2 ,T3 の間に発生する速度信号の数をCP2 とする。前述の方法では、間隔信号T1 ,T2 から所定の数Gの速度信号を計数していたが、この方法では、所定の数Gが伸縮情報によって補正される。
例えば、間隔信号T1 からG×CP1 /STPの速度信号を計数した後、タイミング信号CCT1 が生成される。同様に、間隔信号T2 からG×CP2 /STPの速度信号を計数した後、タイミング信号CCT2 が生成される。なお、G×CP1 /STPが整数でない場合には、G×CP1 /STPを四捨五入、切り上げ又は切り下げ等行って整数にしてもよいし、速度信号間のG×CP1 /STPに対応する時刻がCPU64によって計算され、その時刻にタイミング信号が生成されてもよい。
同様に、所定の期間Dが伸縮情報によって補正されてもよい。例えば、間隔信号T1 ,T2 を受取ってから所定の期間D×CP1 /STPが経過した後、タイミング信号CCT1 ,CCT2 が生成されてもよい。
【0061】
次に、半製品が縮んでいる状態で、回転体によって所定の回転数で半製品に穴が開けられ、穴が開けられた半製品を通常の状態にした場合、半製品に開けられた穴は、半製品が縮んでいない状態で開けられた穴に比べて大きくなる。このため、穴の大きさがなるべく正しくなるように補正することが好ましい。
以下に、半製品が流れ方向に伸びたり縮んだりする場合、作業領域における加工部の周速度v(θ)が、前述の伸縮情報に基づいて補正される一例を説明する。
【0062】
回転体がトリムカッタであり、加工部がループ状の刃である場合、トリムカッタで流れ方向に切り取る長さを、伸縮情報に応じて変化させる。例えば、間隔信号間に発生する速度信号の数が、間隔信号間に発生する速度信号の平均数STPより少ない場合、間隔信号T1,T2,T3に対応する半製品の区間は縮んでいると考えられる。そのような場合、トリムカッタが通常の半製品に穴を開ける速度v(θ)よりも速い速度で回転することにより、トリムカッタが半製品と接触する時間が短くなり、半製品が縮んだ状態でトリムカッタは流れ方向に短い穴を開けることが可能となる。
【0063】
ここで、前記間隔信号T1,T2,T3間の速度信号の数をCPとし、平均数をSTPとすると、作業領域におけるトリムカッタの周速度は、v(θ)×CP/STPであってもよい。逆に、間隔信号に対応する区間が伸びている場合も同様である。
なお、なんらかの原因により、センサSから間隔信号が発せられない場合、又はCPU64等が間隔信号を受取らない場合、従前の間隔信号に基づいて、最小二乗法又は最尤推定法等の推定方法によって間隔信号が生成されてもよい。また、以前の間隔信号の間隔を現在の間隔信号の間隔として使用してもよい。また、センサSの間隔信号がオブザーバによって観測されてもよい。このような信号の補償は、センサS以外の信号発生源、例えばエンコーダ等によって生成される信号に適用されてもよい。
【0064】
前記センサSからの信号は、センサSに直接接続されていないモータモジュールLに伝達されてもよい。伸縮情報等を他のモータモジュールLと共有化することができるからである。このような情報の共有化が図れると、モータモジュールLにたとえセンサSが直接接続されていなかったとしても、モータモジュールLは半製品のある区間が伸縮していることを知ることができる。また、センサSが直接接続されているモータモジュールLとセンサSが直接接続されていないモータモジュールLとの距離(例えば、速度信号の数)は、予め決められているため、センサSが直接接続されていないモータモジュールLであって、前述の方法を行うことができる。例えば、センサSが配置されている位置と、センサSの情報が必要なモータモジュールLとの距離が既知であり、予めメモリ52又は63に登録されており、製造ラインのライン速度、センサSが情報を得た時刻等の情報に基づき、センサSが直接接続されていないモータモジュールLであっても、伸縮情報等を用いて、回転体の加工部の位相、周速度、又はその両方を補正することができる。
【0065】
なお、回転体は直接サーボモータ等によって回転させなくてもよい。例えば、メインモータを概ね一定の回転速度で回転させ、その動力を差動装置を介して回転体に伝達してもよい。つまり、サーボモータ等が差動装置を介して回転体の位相、回転体の回転速度又はその両方を変化させてもよい。
【0066】
差動装置の一例としては、遊星歯車装置がある。遊星歯車装置は、太陽ギヤ、複数の遊星ギヤ、インターナルギヤ及びキャリアを備えている。インターナルギヤの内部には、太陽ギヤ及び複数の遊星ギヤが配置され、複数の遊星ギヤとインターナルギヤとが互いに歯合し、複数の遊星ギヤは、インターナルギヤによっても回転する。複数の遊星ギヤの中心軸はキャリアに回転可能に取付けられ、複数の遊星ギヤが太陽ギヤの周囲を回ることにより、キャリアも回転する。ここで、太陽ギヤには、メインモータの動力が伝達され、キャリアの回転により、回転体が回転する。サーボモータがウォーム及びウォームホイルを介してインターナルギヤの回転を制御することにより、回転体の周速度が変更されてもよい。
【0067】
実施形態
以下に、本発明にかかる一実施形態を説明する。図9〜図12は実施形態を示す。
図9は、物品を製造する製造装置の一例を示す図である。具体的には、この製造装置29は、着用物品の一種であるパンツ型オムツを製造することができる。
製造装置29は、マットWm を切断する第1カッタユニット20、切断されたマットに別のウェブが配置され、合成された合成体のエンドをシールする第1シールユニット21、そのシール部の間を切断する第2カッタユニット22、ウェブW間に弾性部材Wfを案内して導入する案内ユニット23を備えている。
【0068】
さらに、製造装置29は、弾性部材Wfが導入されたウェブWと合成体とをシールする第2シールユニット24、シールされたウェブにレッグ用の穴等を開けるトリムカッタユニット25、穴を開けたものを2つに折る折りユニット26、半製品の境をシールする第3シールユニット27、シール部の間を切断し、物品に切り分ける第3カッタユニット28を備えている。
第1〜第3カッタユニット20,22,28、第1〜第3シールユニット21,24,27及びトリムカッタユニット25のうちの少なくとも1つは、前述したような変速可能な回転体を備えている。このため、速度変更可能な回転体を有するユニットにおいては、物品のサイズを変更する場合であっても、回転体を交換する必要がない。
【0069】
図10に、案内ユニット23の一例を示す。図10の案内ユニット23は、ガイドシャフト32に沿って移動可能な第1及び第2スライダ33,34、前記第1スライダ33に設けられた第1案内部35、及び前記第2スライダ34に設けられた第2案内部36を備えている。前記第1スライダ33には第1シャフト38が固定されており、第2スライダ34には第2シャフト39が固定されている。
【0070】
前記第1シャフト38が往復運動することにより、第1スライダ33がガイドシャフト32に沿って運動し、第2シャフト39が往復運動することにより、第2スライダ34がガイドシャフト32に沿って運動する。なお、第1シャフト38が中空であって、該第1シャフト38の中を第2シャフト39が往復運動してもよい。
前記シャフト38,39を往復運動させるためには、モータの回転運動を往復運動に変換する必要がある。例えば、クランク機構により回転運動を往復運動に変換してもよい。また、ボールネジのような機構を用いて、回転運動を往復運動に変換してもよい。
【0071】
案内部35,36は、ニップロール31の回転軸の略軸線方向に、往復運動を行い、弾性部材Wfをウェブの所定位置に配置する。つまり、案内部35,36の動作により、所望の位置に弾性部材Wfを配置することができる。
一対のニップロール31,31は、少なくとも1つのウェブWと、第1及び第2案内部35,36の略先端に位置する導出部35a,36aから導出される弾性部材Wfを挟み込む。導出部35a,36aは、一対のニップロール31,31の近傍に配置されることが好ましい。ニップロール31,31の少なくとも一方の半径は、10mm〜50mmであってもよい。少なくとも一方のウェブWには、接着剤が間欠又は連続に塗布されている。
【0072】
なお、図10に示す案内ユニット23では、スライダ33,34は同一軌道上を移動するため、それらは交差することはできない。しかし、導出部35a,36aは、案内部35,36によって別の軌道を運動することができるため、導出部35a,35bを交差させることが可能となる。
【0073】
スライダ33,34の往復動作をカム機構などの機械要素にて行うと、物品のサイズが変更される度にカムを交換しなければならない。しかし、前述したように、スライダ33,34はモータによって往復運動することが可能なため、制御システム59,69によって、スライダ33,34の位置を制御することが可能となり、物品のサイズが変更されても、カムの交換が不必要となる。
また、図10に示す案内ユニット23の代わりに、図11に示す案内ユニット40が用いられてもよい。
【0074】
前記案内ユニット40は、第1取付手段43及び第2取付手段44を備えている。
第1取付手段43は、一対のプーリ45a間に掛け渡されたベルト45、及び少なくとも1つの弾性部材Wfをニップロール31,31が接している近傍部に案内する第1案内部35を有している。
第2取付手段44は、一対のプーリ46a間に掛け渡されたベルト46、及び少なくとも1つの弾性部材Wfをニップロール31,31が接している近傍部に案内する第2案内部36を有している。
前記一対のプーリ45aの少なくとも一方は、図示しないサーボモータによって回転駆動される。同様に、一対のプーリ46aの少なくとも一方は、図示しないサーボモータによって回転駆動される。サーボモータの回転によって、第1及び第2移動装置43,44は、第1及び第2案内部35,36をウェブWを横切る方向に往復運動させる。
【0075】
第1案内部35の速度と、第1案内部35が1つの区画に弾性部材Wfを配置する1サイクルとの関係の一例を図12に示す。すなわち、案内部の1往復を1周期とした場合における前記案内部のウェブの幅方向についての位相と当該位相における前記案内部のウェブの幅方向についての移動速度との関係が図12に示されている。図12において、第1及び第2案内部35,36の最大及び最小速度は、約±10m/sである。最高及び最低速度はサーボモータの種類によって変化するため、サーボモータ等の種類によっては、最大及び最小速度を、約±20m/sにすることも可能である。
かかる制御により、案内ユニット40であっても、制御システム59,69によって、第1及び第2移動装置43,44を制御することが可能となり、物品のサイズが変更されても、カムの交換が不必要となる。なお、案内ユニット23,40において前述伸縮情報によってサーボモータの回転速度及び位相が補正されてもよい。1枚のウェブに弾性部材Wfを固定する場合、一方のニップロールの表面が剥離性のよいものでコーティングされていてもよい。
【0076】
第2参考例
以下に、第2参考例を説明する。図16および図17は第2参考例を示す。
図16は、物品を製造する製造装置の一例を示す図である。
製造装置130は、弾性部材WfをウェブW1 ,W2 の間に案内する案内部134と、ウェブW1 ,W2 の間に弾性部材Wfを挟み込み接着するニップロール131及びアセンブリドラム8と、搬送部133からのマットWmを受け取り、マットWmの間隔を変更することが可能なリピッチドラム132とを備えている。アセンブリドラム8では、弾性部材Wfが所定の形状に配置されたウェブW1 ,W2 の上にマットWmが配置される。ウェブW1 ,W2 の少なくとも一方に、接着剤が間欠又は連続に塗布されている。なお、ニップロール131は、ウェブW2 が巻き付いたアセンブリドラム8に比べて径が小さい。また、ニップロール131が接着剤に対して剥離性を有しているものであれば、ウェブW1 を省略することにより、物品のコストを下げるとも可能である。また、前述の第1及び第2実施形態においても、一のウェブに弾性部材が配置されてもよい。その場合、少なくとも一方のニップロールには接着剤に対して剥離性を有していることが好ましい。また、ニップロールには、ゴム等の弾性体が巻かれていてもよい。
【0077】
アセンブリドラム8の周速度はv1 とし、搬送部133の周速度はv2 とすると、リピッチドラム132は、マットWmを略速度v2 で受け取り、マットWmを略速度v1 でリリースすることが好ましい。リピッチドラム132または搬送部133、あるいは、これらの両方は、吸引によりマットWmをドラムの表面に吸着してもよい。
【0078】
図17に、リピッチドラム132が一回転する間に、リピッチドラム132の速度が変化する一例を示す。リピッチドラム132は、搬送部133付近に位置する第2作業領域(リピッチドラムが部材を受取る領域)で、マットWmを受取る際、リピッチドラム132の周速度を略速度v2 とし、アセンブリドラム8付近に位置する第1作業領域(リピッチドラムが部材を受渡す領域)で、マットWmを受け渡す際、リピッチドラム132の周速度を略速度v1 とする。図17に示す例では、リピッチドラム132が一回転する間に、3サイクルの作業が行われる。
このようなリピッチドラム132を使用することにより、部材の間隔を変更することができる。このため、物品のサイズが変わったとしても、所定の位置にマットWm等を配置することが可能となる。
なお、リピッチドラム132は、前述した制御システム59,69によって制御されてもよい。また、案内部134は、物品のサイズが変わったとしても、制御システム59,69によって制御されることにより、任意のサイズに適用することができる。また、半製品の1つであるマットが縮んでいる場合、リピッチドラム132が搬送部133の周速度より若干速い速度でマットを受け取ってもよい。これにより、マットの縮みを補正することも可能である。
【0079】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。
例えば、回転体は、ギアなどの減速器又は増速器を介して回転体と結合されていてもよい。
また、前記レッグホールを形成するカッタとして、レーザカッタを案内部に設け、これらのカッタを前記案内部のようにサイズに応じて駆動制御してもよい。 この場合、1つの案内部に設けられたレーザカッタはウェブの幅方向について往復運動を行う。レーザカッタの1往復を1周期とした場合におけるレーザカッタのウェブの幅方向についての位相と当該位相におけるレーザカッタのウェブの幅方向についての移動速度との関係は図12を参照に理解される。
つまり、レーザカッタは、例えば、図10や図11のアーム35,36の代わりに取付けられてもよい。このような2つの案内部を利用してウェブに穴を開ける場合、切り始めや切り終わりの位置合わせが問題となる。例えば、切り始めや切り終わりがクロスするように、レーザカッタを動作させることにより、ウェブに穴を開けることが可能となる。また、所定の大きさの穴を予め開けておき、その穴を切り始めや切り終わりの位置とすることにより、切り損じを防止することが可能となる。ここで、所定の大きさの穴は、レーザで切り取られる穴よりも小さく、2つのレーザカッタが一点に照射されたときの誤差よりも大きい穴とするのが好ましい。レーザカッタについて前述したが、ウォータジェットカッタや温風カッタについても前記レーザカッタと同様な構造を採用することができる。
したがって、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サイズごとのレッグホールの形状に応じて、案内部の幅方向の位相に対する移動速度を変更できると共に、レッグホールのカッタユニットを交換する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の理解に役立つ第1参考例にかかるロールの動作を説明するためのロールの概念図である。
【図2】 加工部の動作特性の例を示す数式および特性図である。
【図3】 加工部の動作特性の例を示す数式および特性図である。
【図4】 (a),(b)は加工部の動作特性の例を示す数式および特性図、(c),(d)は半製品のサイズを示す平面図である。
【図5】 本発明の理解に役立つ第1参考例にかかる製造装置の概略レイアウト図である。
【図6】 加工ユニットの一例を示す概略側面図である。
【図7】 レッグホールのカッタユニットの一例を示す側面図である。
【図8】 制御構成を示す概略構成図である。
【図9】 本発明の一実施形態にかかる製造装置の概略斜視図である。
【図10】 弾性部材の配置をするための装置を示す正面図である。
【図11】 同装置の他の例を示す斜視図である。
【図12】 第1案内部の速度の変化を示す特性図である。
【図13】 本発明の第1参考例にかかる製造装置の記憶部の構造の一部を示す図表である。
【図14】 同装置による制御方法を示すタイミングチャートである。
【図15】 製造装置の他の制御方法を示すタイミングチャートである。
【図16】 本発明の第2参考例にかかる製造装置の概略側面図である。
【図17】 同リピッチドラムの速度変化を示す特性図である。
Claims (2)
- 複数のサイズの物品を製造する方法であって、
吸収体を生成する工程と、
物品のサイズごとのレッグホールの形状に応じて、サーボモータの回転によって案内部がウェブの幅方向に往復動を繰り返すことで弾性部材をウェブの幅方向に動かしながら、ウェブに弾性部材を導入する工程と、
前記吸収体を前記ウェブの上に配置する工程と、
前記物品のレッグホールの形状に応じて、前記ウェブにレッグホールとなる穴を切断手段により開ける工程と、
前記穴が開けられ、前記吸収体が配置されたウェブを、前記物品のサイズに応じて物品ごとに切り分ける工程と、
前記物品の半製品に記された半製品の基準点をセンサで検知するごとに間隔信号を出力する工程と、
基準の速度信号および前記間隔信号の間に測定される速度信号に基づいて前記半製品の伸縮情報を求める工程と、を包含し、
前記案内部の1往復を1周期とした場合における前記案内部のウェブの幅方向についての位相と当該位相における前記案内部のウェブの幅方向についての移動速度との関係が、物品のサイズごとに記憶され、サイズが指定されると、当該サイズに応じた前記移動速度により前記案内部が動作すると共に、
前記半製品が伸びたり縮んだりして生じる前記半製品の遅れや進みを補正するために、前記伸縮情報に基づいて前記サーボモータの回転速度を補正する物品の製造方法。 - 請求項1において、
前記切断手段はレーザカッタ又はウォータジェットカッタを含み、
前記穴を開ける工程は、レーザカッタ又はウォータジェットカッタがウェブの幅方向に往復動を繰り返すことにより、物品のサイズごとのレッグホールの形状に応じた穴を開け、
前記切断手段の1往復を1周期とした場合における前記切断手段のウェブの幅方向についての位相と当該位相における前記切断手段のウェブの幅方向についての移動速度との関係が、物品のサイズごとに記憶され、サイズが指定されると、当該サイズに応じた前記移動速度により前記切断手段が動作する物品の製造方法。
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