JP4494662B2 - 脚付きヒートシンクおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器部品に搭載された半導体素子(トランジスタやサイリスタ)などの発熱体の冷却に適したヒートシンクおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子などの発熱体の冷却には、板状体の表面に複数のフィンを立設したヒートシンクが用いられている。発熱体は、通常、前記板状体の裏面に取り付けられる。
ところで、近年、半導体素子などを搭載した電子機器部品は小型化の傾向にあり、それに伴い、前記半導体素子を冷却するヒートシンクを配置するスペースが狭くなり、そのため前記板状体に脚を設けてその高さを調節するなどの対策が講じられている。
【0003】
このような脚付きヒートシンクの製造は、図7に示すように、基板1の表面に複数のフィンA2が立設したヒートシンク本体4を押出加工し、このヒートシンク本体4の裏面に脚13を半田付けして設ける方法により行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来法は、半田付け作業が煩雑であり、また電子機器部品の組立て中に脚が外れたりすることがあった。
本発明は、脚を容易に設けることができ、また脚が外れたりしない半導体素子の冷却用ヒートシンク(以下、単に「ヒートシンク」ともいう)およびその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、基板の表面に複数のフィンが立設され、前記基板の裏面に脚がプレス加工により前記基板から延出して設けられており、前記複数のフィンの先端部に横断面コの字型伝熱板の中央部分が熱的に接続され、また前記基板の表面に前記コの字型伝熱板の両側部分の先端部が熱的に接続されていることを特徴とする半導体素子の冷却用ヒートシンクである。
【0008】
請求項記載の発明は、前記複数のフィンの先端部と横断面コの字型伝熱板の中央部分との間に変形自在な伝熱部材が介在していることを特徴とする請求項記載の半導体素子の冷却用ヒートシンクである。
【0009】
請求項記載の発明は、基板表面に複数のフィンが立設されたヒートシンク本体を押出加工し、次いで前記ヒートシンクの基板裏面に脚を、前記基板をプレス加工により延出して設けることを特徴とする半導体素子の冷却用ヒートシンクの製造方法である。
【0010】
請求項記載の発明は、基板表面に複数のフィンが立設されたヒートシンク本体を押出加工し、次いで前記ヒートシンクの基板裏面に脚を、前記基板をプレス加工により延出して設け、次いでフィンの先端部に横断面コの字型伝熱板の中央部分を熱的に接続し、また前記基板の表面に前記コの字型伝熱板の両側部分の先端部を熱的に接続することを特徴とするヒートシンクの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図を参照して具体的に説明する。
なお、本発明の実施形態を説明する全図において、同じ機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明のヒートシンクの第1の参考例を示す横断面図である。
このヒートシンクは、基板1の表面に複数のフィンA2が基板表面に対し直角に立設され、基板1裏面に脚3がプレス加工により基板1から延出して設けられている。
【0012】
このヒートシンクの製造は、図2(イ)に示すように、基板1表面に複数のフィンA2が立設したヒートシンク本体4を押出加工し、その後、図2(ロ)に示すように脚3を設ける箇所に相当する位置の基板1表面から裏面に向けて(図2イの矢印方向)基板1をプレス加工して、基板1から脚3を延出させて行う。
図2(イ)に示すように、脚3を設ける箇所を厚肉にしておくと、脚3を延出後にフィンAの高さが揃い(図2ロ参照)、風冷時の風通しが良好になる。
このヒートシンクは、脚3をプレス加工により延出させて設けるので、従来の半田付け法に較べて作業が容易である。また脚3は基板1に一体に設けられるので基板1から外れるようなことがない。
【0013】
図3は本発明のヒートシンクの第2の参考例を示す横断面図である。
基板1の表面に複数のフィンA2が基板表面に対し直角に立設され、基板1裏面に脚3がプレス加工により基板1から延出して設けられ、さらにフィンA2の先端部に平型伝熱板5が熱的に接続されている。
このヒートシンクは、図1に示したヒートシンクに較べて、平型伝熱板5の分だけ放熱面積が増加し冷却特性に優れる。
【0014】
図4は本発明のヒートシンクの第の実施形態を示す横断面図である。
このヒートシンクは、基板1表面に複数のフィンA2が立設して設けられているが、脚3を設けた箇所に相当する位置のフィンA2が欠落している。そして前記フィンA2の先端部6に、横断面コの字型伝熱板(以下、適宜コの字型伝熱板と略記する)7の中央部分8が熱的に接続され、前記基板1表面のフィンA2の欠落部にコの字型伝熱板7の両側部分(フィンB)9の先端部10が熱的に接続されている。
【0015】
このヒートシンクの製造は図5(イ)〜(ハ)に示すようにして行われる。
即ち、基板1の表面にフィンA2を設けたヒートシンク本体4を押出加工する。ここで脚3を設ける箇所に相当する位置のフィンA2は高さが低く形成されている(図5イ)。次にこのヒートシンク本体の低フィン11部分を基板1の表面から裏面に向けて(図5イの矢印方向)プレス加工して、基板1から脚3を延出させる(図5ロ)。次にコの字型伝熱板7の中央部分8をフィンA2の先端部6に熱的に接続し、またコの字型伝熱板7の両側部分(フィンB)9の先端部10を脚3を設けた箇所に相当する位置の基板1表面に熱的に接続する(図5ハ)。
【0016】
このヒートシンクは、脚3を設ける箇所に相当する位置のフィンA2の高さが低くなっているため、この部分は幅方向にスペースが広くなっていて脚3を延出させるプレス加工がし易い。
【0017】
本発明において、平型伝熱板またはコの字型伝熱板をフィンAの先端部や基板表面に熱的に接続する方法には、圧着法、接着剤法、半田付け法など任意の方法が適用できる。
【0018】
図6は本発明のヒートシンクの第の実施形態を示す横断面図である。
このヒートシンクは、図4に示したヒートシンクのフィンA2とコの字型伝熱板7の中央部分8との間に変形自在な伝熱部材12を介在させたものである。
【0019】
このヒートシンクの製造は、ヒートシンク本体4に脚を設けたのち(図5ロ参照)、フィンA2の先端部6に変形自在な伝熱部材12を配し、この伝熱部材12上にコの字型伝熱板7の中央部分8を配し、この中央部分8を下方に押圧しながら、コの字型伝熱基板7の両側部分(フィンB)9の先端部10を基板1表面に熱的に接続して行う。この場合は、伝熱部材12とフィンA2先端部6との間、および伝熱部材12とコの字型伝熱板7の中央部分8との間を熱的に接続しなくても伝熱部材12が両者間に密着して介在するのでフィンA2と前記中央部分8との間で良好な熱伝導が得られる。
【0020】
本発明において、ヒートシンク本体、平型伝熱板およびコの字型伝熱板には、銅(銅合金を含む)、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)などの熱伝導性に優れる任意の金属材料が適用できる。前記伝熱部材には、グリース、またはシリコンゴムやアクリルゴムなどにアルミナなどを配合した材料などが適用できる。 本発明において、伝熱経路となる部材間に隙間がある場合は、前記隙間にグリースを充填しておくと伝熱損失を小さくすることができる。
【0021】
本発明において、脚の個数は任意であり、またその形状は連続していても、スポット状でも良い。また脚を設ける箇所に相当する位置の基板1表面側を厚肉にしたり(図2イ参照)、フィンの高さを低くしたり(図5イ参照)しなくても、基板1表面をプレス加工して脚を設けることは可能であるが、そうすると、脚を設けたあとに凹みが生じる。この凹みは使用条件によっては支障とならない。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の脚付きヒートシンクは、脚をヒートシンク本体にプレス加工により一体に設けるので、従来の半田付けに較べて作業が容易であり、また部品組み立て中に脚が外れたりすることもない。コの字型伝熱板をフィンAの先端部や基板表面に熱的に接続しておくため、放熱面積が増加しヒートシンクの冷却特性が向上する。コの字型伝熱板を用いるとき、脚を設ける箇所に相当するフィンAの高さが低いまたはフィンAが無いためプレス加工がし易い。前記プレス加工する位置のフィンAが低くてもまた無くても、そこにはコの字型伝熱板の両端部分(フィンB)が配されるため冷却特性が低下するようなことはない。またコの字型伝熱板中央部分とフィンA先端部との間に変形自在な伝熱部材を介在させる場合はフィンA先端部における半田付けなどの熱的接続が不要になる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒートシンクの第1の参考例を示す横断面図である。
【図2】 (イ)、(ロ)は図1に示したヒートシンクの製造工程説明図である。
【図3】 本発明のヒートシンクの第2の参考例を示す横断面図である。
【図4】 本発明のヒートシンクの第の実施形態を示す横断面図である。
【図5】 (イ)〜(ハ)は図4に示したヒートシンクの製造工程説明図である。
【図6】 本発明のヒートシンクの第の実施形態を示す横断面図である。
【図7】 従来のヒートシンクの横断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 基板表面に立設されたフィンA
3 基板裏面に設けられた脚
4 ヒートシンク本体
5 平型伝熱板
6 フィンAの先端部
7 横断面コの字型伝熱板
8 コの字型伝熱板の中央部分
9 コの字型伝熱板の両側部分(フィンB)
10 コの字型伝熱板の両側部分(フィンB)の先端部
11 低フィン
12 変形自在な伝熱部材
13 基板裏面に設けられた脚

Claims (4)

  1. 基板の表面に複数のフィンが立設され、前記基板の裏面に脚がプレス加工により前記基板から延出して設けられており、
    前記複数のフィンの先端部に横断面コの字型伝熱板の中央部分が熱的に接続され、また前記基板の表面に前記コの字型伝熱板の両側部分の先端部が熱的に接続されていることを特徴とする半導体素子の冷却用ヒートシンク。
  2. 前記複数のフィンの先端部と横断面コの字型伝熱板の中央部分との間に変形自在な伝熱部材が介在していることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の冷却用ヒートシンク。
  3. 基板表面に複数のフィンが立設されたヒートシンク本体を押出加工し、次いで前記ヒートシンクの基板裏面に脚を、前記基板をプレス加工により延出して設けることを特徴とする半導体素子の冷却用ヒートシンクの製造方法。
  4. 基板表面に複数のフィンが立設されたヒートシンク本体を押出加工し、次いで前記ヒートシンクの基板裏面に脚を、前記基板をプレス加工により延出して設け、次いでフィンの先端部に横断面コの字型伝熱板の中央部分を熱的に接続し、また前記基板の表面に前記コの字型伝熱板の両側部分の先端部を熱的に接続することを特徴とする半導体素子の冷却用ヒートシンクの製造方法。
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