JP4494352B2 - 電力系統安定化装置 - Google Patents
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Description
電力系統安定化装置はこのような負荷の急変によるシステムダウンを回避するために設けられるもので、従来のこの種の系統安定化装置として特許文献1に記載されるものが知られている。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、系統安定化のために使用した蓄電池を、使用後短時間で充放電して元の状態に復帰させることができ、これにより、蓄電池の容量を従来より小さくすることができる電力系統安定化装置を提供することにある。
なお、負荷4、抵抗19は、空充電用蓄電装置18に蓄電された電力を放電させる放電用負荷でもある。
蓄電装置17、18は、長時間充放電可能な蓄電池(例えば、鉛蓄電池、レドックスフロー電池、NaS電池など)であり、初期状態において、蓄電装置17は満充電、蓄電装置18は空充電とされる。負荷4(抵抗)は双方向電力変換部15の蓄電装置側端子に接続された実負荷である。なお、この負荷4はなくてもよいが、系統安定化装置13に負荷4として実負荷を接続することで、電力を有効に利用することができる。21、22は各々蓄電装置17、18の電流を検出する電流検出器である。
最初に、図2を参照し、負荷1〜3が急増する場合について説明する。まず、制御部16は、電流検出器12の出力に基づいてラインLの電流を検出し(ステップSa1)、次に、負荷1〜3の急変量が設定値以上であるか否かを判定する(ステップSa2)。この判定は、例えば、負荷電流をCTで検出してラインLの平均電流値を常時計算し、瞬時電流値と平均電流値との差分が設定値を超えたかどうかに基づいて行なう。そして、設定値以下であった場合はステップSa1へ戻る。また、設定値以上であった場合は、負荷1〜3の急増量を検出し(ステップSa3)、回生動作によって系統安定化が可能か否かを判定する(ステップSa4)。この判定は、電流変化量(上記の差分)が蓄電装置の最大放電電流より小さい場合に安定可能(YES)となる。そして、判定結果が「NO」(安定化不可能)であった場合は、遮断器CBへ切断指令を出力する(ステップSa5)。これにより、遮断器CBが切断され(ステップSa6)、系統安定化装置13が停止し(系統から解列され)、負荷4へは蓄電装置17から給電される(ステップSa7)。
初回:上記判定で演算された差分を交流系統に出力するように、双方向電力変換部15へ指令を出す。
2回目以降:電流変化量の傾き(ΔI/Δt)を常時把握し、その変化量に合わせ、双方向電力変換部15の回生量を制御する。
双方向電力変換部15はこの指令を受け、蓄電装置17の出力を交流に変換し、変圧器14および遮断器CBを介して負荷1〜3へ出力する(ステップSa9)。次に、制御部16は蓄電装置17が過放電状態にあるか否かを判定する(ステップSa10)。この判定は、制御部16が常時電流検出器21の出力に基づいて蓄電装置17の出力電流を検出し、検出した電流値を積算することによって放電電力量を求め、その値に基づいて行なう。そして、過放電状態にあった場合は、制御部16がスイッチSW1を断とし(ステップSa11)、次いで、双方向電力変換部15へ通常動作指令を出力する(ステップSa12)。以後、装置が通常運転を行い、負荷4へ給電が継続される(ステップSa13)。
ステップSa17の判定において満充電が検出された場合は、通常運転に移行する(ステップSa18)。
なお、図2では、ステップSa16の判定結果が「NO」の場合に、ステップSa17の処理を行わずに、ステップSa18へ進むようにしてもよい。
すなわち、制御部16は、まず、蓄電装置18の充電のみでよいか、あるいは、抵抗19による電力消費をも必要とするかを判定する(ステップSb8)。この判定は、電流変化量(上記差分)が蓄電装置18の最大充電電流より大きい場合に、抵抗19が必要(YES)となる。そして、判定結果が「YES」(抵抗19も必要)であった場合は、制御部16が充電量を演算し、次いで、双方向電力変換部15へ充電指令を出力し、また、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオン、スイッチSW3をオンとする(ステップSb9)。この処理は、例えば、次のように行う。
初回:増加電力を直流出力電圧で割ると充電する直流出力電流値が演算される。現在の出力電流値からその演算値を引いた電流値を出力するように制御する。
2回目以降:電流変化量の傾き(ΔI/Δt)を常時把握し、その変化量に合わせ、双方向電力変換部15の充電量を制御する。
以後、双方向電力変換部15が変圧器14を介して供給される交流電力を直流に変換し、蓄電装置18および抵抗19へ出力する。これにより、蓄電装置18が充電され、また、抵抗19による電力消費が行われる。またこの場合、制御部16はラインLの電流の変化量の傾き(ΔI/Δt)を常時把握し、その変化量に合わせて双方向電力変換部15の充電量を制御する。
初回:増加電力を直流出力電圧で割ると充電する直流出力電流値が演算される。現在の出力電流値からその演算値を引いた電流値を出力するように制御する。
2回目以降:電流変化量の傾き(ΔI/Δt)を常時把握し、その変化量に合わせ、双方向電力変換部15の充電量を制御する。
以後、双方向電力変換部15が遮断器CBおよび変圧器14を介して供給される交流を直流に変換し、蓄電装置18の充電を行う(ステップSb22)。
一方、満充電になっていない場合は、次に、負荷1〜3の変動量が変化しているか否かを判定する(ステップSb24)。そして、まだ変化している場合はステップSb21へ戻り、以後、ステップSb21〜Sb24の処理を繰り返す。一方、負荷1〜3の変動量が変化しなくなった場合は、しばらくの間(例えば、10秒)現状を維持(ステップSb25)した後、再び、負荷1〜3の変動量が変化しているか否かを判定する(ステップSb26)。そして、まだ変化している場合はステップSb21へ戻る。また、変化しなくなった場合は、この段階で双方向電力変換部15による蓄電装置18の充電制御がほぼ終了したと判定し、ステップSb14へ進み、以後、前述したステップSb14〜Sb17の処理を行う。
11…分散電源
12、21、22…電流検出器
13…系統安定化装置
14…変圧器
15…双方向電力変換部
16…制御部
17、18…蓄電装置
19…抵抗
Claims (2)
- 電源装置から交流側負荷へ交流電力を供給するラインに接続された電力系統安定化装置において、
満充電用蓄電装置と、
空充電用蓄電装置と、
直流側負荷と、
前記満充電用蓄電装置から供給される直流電圧を交流電圧に変換して前記ラインへ出力し、また、前記ラインから供給される交流電圧を直流電圧に変換して前記満充電用蓄電装置または前記空充電用蓄電装置へ出力する双方向電力変換部と、
前記ラインの電流を検出する検出器と、
前記検出器の検出電流値に基づいて、前記交流側負荷が急増したと判定した場合に、前記満充電用蓄電装置の直流電圧を前記双方向電力変換部において交流電圧に変換して前記ラインへ出力させ、前記交流側負荷が安定したと判定したときに、前記ラインの交流電圧を前記双方向電力変換部において直流電圧に変換して前記満充電用蓄電装置を充電させる一方、前記交流側負荷が急減したと判定した場合に、前記ラインの交流電圧を前記双方向電力変換部において直流電圧に変換して前記空充電用蓄電装置を充電させ、前記交流側負荷が安定したと判定したときに、前記双方向電力変換部の直流側の充電電流値を減少させて前記空充電用蓄電装置の直流電圧を前記直流側負荷で放電させる制御手段と、
備えることを特徴とする電力系統安定化装置。 - 前記双方向電力変換部の直流側に抵抗を更に備え、
前記制御手段は、前記交流側負荷が急減したと判定した場合に、前記抵抗による電力消費が必要か否かを判定し、必要であると判定した場合に、前記ラインの交流電圧を前記双方向電力変換部において直流電圧に変換して前記空充電用蓄電装置を充電させると共に、前記抵抗にも供給することを特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化装置。
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