JP4494158B2 - ガス発生装置及びガス発生装置の配管温度調節方法 - Google Patents
ガス発生装置及びガス発生装置の配管温度調節方法 Download PDFInfo
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Description
図1のガス発生装置100において、1は電解槽、2は電解浴、3は陽極室、4は陰極室、5は陽極室3の電解浴2の液面レベルを検知する第1液面検知手段、6は陰極室4の液面レベルを5段階で検知する第2液面検知手段である。また、7は陽極室3の圧力を測定する圧力計、8は陰極室4の圧力を測定する圧力計である。そして、9,10は、これら圧力計7,8の圧力に応じて連動して開閉して陽陰極室の圧力を調整する圧力調整弁である。また、11は電解浴2の温度を測定する温度計、13は電解槽1の側面及び底部に設けられ、温度計11からの信号によって作動する電解浴加温ヒーターである。14は陰極室4から発生するガス中から不要なガスを除去するガス精製塔であり、15は陽極室3から発生するガス中から不要なガスを除去するガス精製塔である。51は陽極であり、52は陰極である。また、53、54は電解によってガスとともに発生する微粒子を除去するためのフィルターである(例えば、下記特許文献1参照)。
すなわち、本発明は、電解槽内のフッ化水素を含む電解浴を電気分解してガスを発生するガス発生装置であって、ガスの発生に随伴する電解浴の微粒子やミストを除去するフィルターを内部に有するガスの配管と、前記配管の一部の温度を調節する温度調節機構とを備え、前記フィルターが、前記配管全体のうち、前記温度調節機構により温度調節された部分で液化されたフッ化水素と接触する位置に配置されてなるものである。
本発明のガス発生装置の電解槽や配管中には、電解浴を溶解させている溶媒成分が蒸気の形で必ず存在しているので、例えば、配管の任意の場所を電解浴の溶媒成分の沸点以下に冷却すれば、フィルターの閉塞物質を洗浄するための溶媒が、配管中の任意の場所で連続的に得られる。つまり、配管の外部を溶媒成分の沸点以下かつ凝固点以上の温度で冷却すれば、配管内部の冷たい部分では、電解浴成分を溶かすことのできる溶媒が凝縮して流れ落ち、閉塞したフィルターの上に滴下できるので、閉塞物質が溶解してフィルターの機能を復活させることができる。
上記構成により、確実に液化されたフッ化水素と接触させることができる。
上記構成により、確実に配管の一部の温度調節ができる。
上記構成により、適度な濃度のフッ化水素ガスを配管内に供給できるので、配管内部の温度調節部分においてこのフッ化水素ガスが冷却されれば、電解浴成分を溶かすことのできる溶媒が確実に凝縮して流れ落ち、閉塞したフィルターの上に滴下できるので、閉塞物質が溶解してフィルターの機能を確実に復活させることができる。
上記構成により、フッ素ガスや水素ガスとともに発生するミストを確実に除去でき、圧力調整弁を長期間保護することができる。
上記構成により、十分かつ確実にフィルター洗浄用の溶媒を配管内で得ることができ、そのままフィルターを洗浄・乾燥できるので、フィルターを取り外すことなく長期にわたり使用することができる。
閉塞物質の除去作業の終了後、配管の温度を溶媒の沸点以上に復帰させれば、この溶媒のみが蒸発して閉塞の原因物質だけが廃液槽33に残留するので、他への影響が少なくて済むものである。
フッ素ガス配管の圧力調整弁を保護するフィルターには目開き0.4μmの1/2インチフィルター(日本ポール株式会社製USG6型)を装着し、さらに下流に電解槽の圧力を調整する圧力調整弁を配置したが、水素ガス配管にはフィルターを装着せず、下流に電解槽の圧力を調整する圧力調整弁のみを配置することにより、電解槽のフッ素側のみがフィルターの閉塞により圧力上昇をおこすので、フッ素側と水素側の圧力差が5kPaになるまでの時間を測定した。
新しいフィルターをフッ素ガス配管に装着して、電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、24時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、ガス発生装置を停止させた。次に、フィルターの上方に設置されている2重配管の外部配管に、温度が10℃の冷却水を10L/分の流量で、9時間循環して2重配管の内部でフッ化水素の凝縮をおこなった。
フィルター部分の温度が30℃に戻るのを待ってから、再び電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、25時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、フィルターは新品と同様の寿命に復活したものと判断できた。
新しいフィルターをフッ素ガス配管に装着して、電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、23時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、ガス発生装置を停止させた。次に、フィルターの上方に設置されている2重配管の外部配管に、ドライアイスにより温度を−70℃に冷却したメチルアルコールを1L/分の流量で、5時間循環して2重配管の内部でフッ化水素の凝縮をおこなった。
フィルター部分の温度が30℃に戻るのを待ってから、再び電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、20時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、フィルターは新品と同様の寿命に復活したものと判断できた。
新しいフィルターをフッ素ガス配管に装着して、電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、24時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、ガス発生装置を停止させた。次に、フィルターの下流側からフッ素ガスが流れる方向と逆方向に、窒素ガスを10L/分の流量で10秒間流し、5秒間の間隔を置いて再度10秒間流す操作を20回繰り返してフィルターの逆洗浄をおこなった。
その後、再び電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、5時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、フィルターは完全に洗浄できていないものと判断できた。
新しいフィルターをフッ素ガス配管に装着して、電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、25時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達したので、ガス発生装置を停止させた。次に、フィルターの上流側および下流側をバルブで閉鎖してから、フィルター部分を真空ポンプを用いて0.5Paまで減圧にして1時間保持した。
その後、窒素ガスで常圧に戻してから、再び電流を100A一定でガス発生装置を作動させたところ、3時間後にはフィルターが閉塞してフッ素側と水素側の圧力差が5kPaに達し、フィルターは完全に洗浄できていないものと判断できた。
2 電解浴
3 陽極室
4 陰極室
5 第1液面検知手段
6 第2液面検知手段
7、8、29、30、55、56 圧力計
9、10 圧力調整弁
11 温度計
13 加温ヒーター
14、15 除去塔
16 隔壁
17 上蓋
22、23 ガス発生口
31 配管
32 熱媒体ジャケット
33 廃液槽
51 陽極
52 陰極
53、54 フィルター
Claims (7)
- 電解槽内のフッ化水素を含む電解浴を電気分解してガスを発生するガス発生装置であって、
ガスの発生に随伴する前記電解浴の微粒子やミストを除去するフィルターを内部に有するガスの配管と、前記配管の一部の温度を調節する温度調節機構とを備え、
前記フィルターが、前記配管全体のうち、前記温度調節機構により温度調節された部分で液化されたフッ化水素と接触する位置に配置されてなるガス発生装置。 - 前記液化されたフッ化水素と接触する位置が、前記温度調節された部分の下部である請求項1に記載のガス発生装置。
- 前記温度調節機構が、前記配管の一部の外周に設けられた熱媒体ジャケットである請求項1又は2に記載のガス発生装置。
- 前記温度調節機構が、前記配管の一部の外周に設けられたペルチェ素子からなるものである請求項1又は2に記載のガス発生装置。
- 前記配管の温度調節された部分にフッ化水素供給用の配管をさらに有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス発生装置。
- 前記フィルターの目開きが0.4μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス発生装置。
- ガスの発生に随伴する電解浴の微粒子やミストを除去するフィルターと、前記フィルターに連通しているガスの配管と、前記配管の一部の温度を調節する温度調節機構とを備える電解槽内のフッ化水素を含む電解浴を電気分解してガスを発生するガス発生装置の配管温度調節方法であって、
前記配管のうち前記フィルターに接触するフッ化水素が通過する少なくとも一部を、前記温度調節機構によりフッ化水素を液化する温度に調節し、
前記温度調節機構により液化したフッ化水素が、前記フィルターに接触することを特徴とするガス発生装置の配管温度調節方法。
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