JP4492500B2 - マイクロリアクタ及びマイクロリアクタの製造方法 - Google Patents

マイクロリアクタ及びマイクロリアクタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロリアクタ及びマイクロリアクタの製造方法に関する。
近年では、マイクロリアクタと呼ばれる小型反応器が開発・実用化されている。マイクロリアクタは、複数種類の原料や試薬、燃料などの反応物を互いに混合させながら反応させる小型反応器であって、マイクロ領域での化学反応実験、薬品の開発、人工臓器の開発、ゲノム・DNA解析ツール、マイクロ流体工学の基礎解析ツールなどに利用されている。マイクロリアクタを用いる化学反応には、ビーカ、フラスコなどを用いた通常の化学反応にはない特徴がある。例えば、反応器全体が小さいため、熱交換率が極めて高く温度制御が効率良く行えるという利点がある。そのため、精密な温度制御を必要とする反応や急激な加熱又は冷却を必要とする反応でも容易に行うことができる。
具体的にマイクロリアクタには、反応物を流動させるチャネル(流路)や反応物同士を反応させるリアクタ(反応槽)などが形成されている。特許文献1では、所定パターンの溝を形成したシリコン基板とガラス製のパイレックス(登録商標)基板とを互いに貼り合わせた状態で陽極接合し、2枚の基板の間の密閉領域にチャネルを形成している。
陽極接合とは、高温環境下(例えば、300℃〜400℃)で高電圧を印加してガラス基板内に電界を発生させ、ガラス基板とシリコン基板の界面で原子間結合させる接合技術であるが、大気中でも基板の接合を行えることなどから、基板の接合技術においては特に優れた技術とされている。
特開2001−228159号公報(段落番号0018〜0019参照)
ところで、このような陽極接合で使用する基板として、Si基板は熱伝導性が高いため、全体を均熱化させるうえでは大変都合が良いが、同一平面上で温度差をつけ、反応温度の異なる複数の反応を起こさせるには不都合である。そのような場合に、基板としてガラスのような熱伝導性の低い基材を使用することが好ましい。
そこで、ガラスを基板として使用し、ガラス基板同士を接合する場合には、Si基板とガラス基板とを陽極接合する場合の構造を応用して、ガラス基板の接合面にTa等の金属膜をスパッタリングなどで成膜し、その金属膜と対象となるガラス基板とを陽極接合させる。
従来の陽極接合の方法では、金属膜が成膜された一方のガラス基板の金属膜面を他方のガラス基板と接触させて、金属膜が成膜されたガラス基板の裏側を陽極側、他方のガラス基板側を陰極側として、両端に電圧を印加して行うが、この場合、陽極側となる金属膜にはガラス基板の裏側からガラス基板を通して電圧が印加されるために、ガラス基板内で電界のロスが発生し、接合するための電界の強度が小さくなる。また、金属膜が成膜されている側のガラス基板中でも、金属膜に向かって可動イオンの移動が起こるため、接合のための電界強度を確保するために電圧を大きくすると、移動してきた可動イオンが金属膜にダメージを与えるという問題があった。特に、ガラス基板に形成した流路構造が複雑な場合、加工による基板の反りなどの要因も重なり、接合精度の劣化が顕著に見られていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第一のガラス基板と第二のガラス基板との間に設けられた流路に原料系の流体を流し加熱等することによって流路内で反応を引き起こすマイクロリアクタ及びマイクロリアクタの製造方法において、第一のガラス基板と第二のガラス基板との接合精度を向上させることを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明のマイクロリアクタは、
反応物が流動する流路を有するマイクロリアクタにおいて、第一のガラス基板と、
前記第一のガラス基板の一方の面に形成された金属膜と、
前記膜に陽極接合された第二のガラス基板と、を備え、
前記第一のガラス基板のうち前記第二のガラス基板に対向する面及び前記金属膜に第一の溝が形成され、
前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対抗する面に少なくとも一部が前記第一の溝に対応する領域に形成され、前記第二のガラス基板の少なくとも端面まで通じる第二の溝を有し、
前記第一のガラス基板と前記第二のガラス基板とを互いに接合することによって、前記第一の溝及び前記第二の溝で形成された前記流路が形成され、
前記第一の溝は、前記金属膜の縁部から離間して形成され、
前記金属膜は、全体が連続して形成され、 前記第一のガラス基板は、前記第一のガラス基板の端部の一部が前記第二のガラス基板の縁部から突出した部分を有し、前記金属膜のうち前記突出した部分に対応する領域が露出していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第二のガラス基板は、前記第二のガラス基板の一部を切り欠く切欠部が形成されて、前記膜のうち前記切欠部に対応する領域が露出していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第二のガラス基板は、前記第二のガラス基板にその上下面を貫通する貫通孔が形成されて、前記膜のうち前記貫通孔に対応する領域が露出していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記第二の溝は、前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対向する面を複数の領域に分断するように形成されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のマイクロリアクタの製造方法は、第一のガラス基板及び第二のガラス基板を準備する基板準備工程と、
前記第一のガラス基板の一の面上に金属膜を形成する膜形成工程と、
前記金属膜の全体が連続してなるように、前記第一のガラス基板及び前記金属膜に第一の溝を前記金属膜の縁部から離間して形成する第一溝形成工程と、

前記第二のガラス基板の一の面上に第二の溝を形成する第二溝形成工程と、 前記金属膜が露出するように金属前記第一のガラス基板の一の面と前記第二のガラス基板の一の面とを互いに当接させる当接工程と、
露出した前記金属膜に陽極を接触させ、前記第二のガラス基板に陰極を接触させる接触工程と、
前記陽極及び前記陰極に電圧を印加して、前記第一のガラス基板と前記第二のガラス基板とを陽極接合して流路を形成する接合工程と、を含むことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記第二溝形成工程は、前記第二の溝を前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対向する面を複数の領域に分断するように形成することを特徴とする。
本発明によれば、第一のガラス基板と第二のガラス基板との間に設けられた流路に原料系の流体を流し加熱等することによって流路内で反応を引き起こすマイクロリアクタ及びマイクロリアクタの製造方法において、露出した膜に電極を直接接触させることにより、第二のガラス基板中の可動イオンに加わる電界強度が大きくなり、第一のガラス基板に余計な電界が加わることがないため、第一のガラス基板内の可動イオンが膜にダメージを与える現象も防ぐことができる。その結果、第一のガラス基板と第二のガラス基板との接合精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
[第一の実施の形態]
はじめに本発明に係る基板の接合方法について説明する。図1は、基板の接合方法を説明するための斜視図であり、図2(a)は、第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とを陽極接合する状態で、図1におけるii−ii矢視側面図、図2(b)は、図2(a)における平面図である。図3(a)は、第二のガラス基板2の平面図、図3(b)は、第一のガラス基板1の平面図である。
まず、第一のガラス基板1を準備する。具体的に第一のガラス基板1は、可動イオンとなるNaやLiを含有したガラス基板であって、例えばパイレックス(登録商標)基板を使用することが好ましい。第一のガラス基板1は、所定の厚みを有し、平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。
また、第一のガラス基板1の中央よりやや右側部分には、第一のガラス基板1の上下面を貫通する長方形状の開口部11が形成されている。この開口部11は、開口部11の左側と右側とに形成された後述の流路内に温度差をつけ、高温部と低温部を設けるために、高温部から低温部への熱伝導(熱の移動)を制限するためのものである。すなわち、高温部を設定温度に保つために必要な熱量を少なく抑えることができるとともに、低温部が設定温度以上に上昇することも抑えることができ、左側の流路と右側の流路との間で温度差を確実に発生させやすくすることができる。
第一のガラス基板1を準備したら、図1又は図2に示すように、第一のガラス基板1の一方の面(図中、上面)に、そのほぼ全域を覆うように金属又はシリコン等の半導体を含む膜を成膜する。成膜する膜としては、金属又はシリコン等の半導体でなくても、陽極接合条件時に酸化され結合するものであればよい。金属としては、常温常圧下では酸化されにくく安定なものが望ましい。合金や化合物であってもよい。なお、本実施形態では成膜レートの高い金属膜3を成膜した場合について述べる。
金属膜3の成膜方法としては、第一のガラス基板1を被膜対象物としてスパッタリング装置にセッティングし、その後、Ta、Ti、Al等で形成された板をターゲットとしてArガスとOガスからなる雰囲気下でスパッタリングを行う。スパッタリング工程では、上記ターゲットにイオンが衝突することによって当該ターゲットからスパッタされた原子や分子が放出され、放出された原子や分子が第一のガラス基板1の一方の面に衝突し、Ta等の金属膜3が第一のガラス基板1の一方の面に成膜される。この金属膜3の膜厚は1000Å〜3000Åとすることが好ましい。さらには基板に加わる膜の応力を考慮すると膜厚は1000Å〜2000Åとするのがさらに望ましい。また、シリコンを含む膜を成膜する場合も同様にスパッタリングにより成膜することができる。
金属膜3を成膜したら、図3(b)に示すように、金属膜3に葛折り状の溝4を形成する。具体的に、溝4は金属膜3の縁部から離間して、図中、開口部11の左側部分に形成された左側溝部41と、右側部分に形成された右側溝部42とを備えている。これら左側溝部41と右側溝部42とはともに各端部が連続しておらず孤立している。また、各溝部41,42の両端部は金属膜3の縁部に延在していないため、金属膜3が2つの溝部41,42によって複数の区画に分断されずに第一のガラス基板1に一体に連続して形成されている。
溝4の形成方法としては、第一のガラス基板1の金属膜3に対し周知のフォトリソグラフィー、サンドブラスト加工等を適宜施すことによって行う。
一方、第二のガラス基板2を準備する。第二のガラス基板2も第一のガラス基板1と同様に可動イオンとなるNaやLiを含有したガラス基板であって、例えばパイレックス(登録商標)基板を使用することが好ましい。第二のガラス基板2は第一のガラス基板1と同形状で同じ大きさのガラス基板において、4つの角部のうちの1つの角部が平面視扇形状に切り欠かれた切欠部21が形成されている。すなわち、この第二のガラス基板2は第一のガラス基板1よりも切欠部21が形成された分だけ小さい。第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とを互いに接合する際に、第二のガラス基板2側から平面視した際に、切欠部21のみに金属膜3が露出し、この露出する金属膜3に陽極5を接触させることができるようになっている。この際に、図2(b)に示すように切欠部21の除き、平面視した際に各辺が一致するように重ねる。
また、第二のガラス基板2の中央よりやや右側部分にも、第一のガラス基板1と同様に、第一のガラス基板1の開口部11に対向するように、上下面を貫通する長方形状の開口部22が形成されている。
第二のガラス基板2を準備したら、図3(a)に示すように、第二のガラス基板2の一方の面(図中、下面)に葛折り状の溝7を形成する。具体的に、溝7は第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とを当接させた際に、金属膜3の左側溝部41に対向する左側溝部71と、金属膜3の右側溝部42に対向する右側溝部72と、開口部22の周囲に左右に延在して左側溝部71と右側溝部72とを連結する連結溝部73とを備えている。左側溝部71の端部は、第二のガラス基板2の短手方向側面及び長手方向側面へと分岐し、各側面をそれぞれ第1の流入路開口部71a,第2の流入路開口部71bにて貫通している。そして、この左側溝部71の分岐した各流入路開口部71a,71bには、それぞれ異なる原料系の流体を溝4,7によって構成される流路内に流入させることができる。
また、右側溝部72の端部も、第二のガラス基板2の長手方向側面及び短手方向側面へと分岐し、各側面をそれぞれ第3の流入路開口部72a,流出開口部72bにて貫通している。そして、この右側溝部72の分岐した第3の流入路開口部72aから別の流体を流入させ、左側溝部71で反応させた流体に、さらに右側溝部72で別の反応を進めることができるようになっている。そして、最終的に流出開口部72bより生成物を取り出すことができる。
溝7の形成方法としては、第二のガラス基板2の金属膜3に対し周知のフォトリソグラフィー、サンドブラスト加工等を適宜施すことによって行う。
このようにして準備した第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とを、図1又は図2に示すように、第一のガラス基板1の金属膜3を成膜した面と、第二のガラス基板2の溝7を形成した面とを当接させ、これら第一のガラス基板1及び第二のガラス基板2を陽極接合装置にセッティングして陽極接合を行う。詳細には、第一のガラス基板1及び第二のガラス基板2を高温雰囲気に曝露することによりこれらを加熱し、さらに第二のガラス基板2の上面(第一のガラス基板1との接合面と反対側の面)に陰極6を接触させかつ第一のガラス基板1の、切欠部21に露出した金属膜3に陽極5を接触させて、第一のガラス基板1と第二のガラス基板2との間に高電圧を印加する。これにより、第二のガラス基板2中の可動イオンが陰極側へと移動する。その結果、第一のガラス基板1側の第二のガラス基板2中の酸素がO2−イオン等の酸素の陰イオンとなり、第一のガラス基板1の金属膜3と第二のガラス基板2とが化学結合し、第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とが接合する。
接合された第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とは、第一のガラス基板1に形成された溝4と第二のガラス基板2に形成された溝7とで構成された流路内に、例えば左側溝部41,71の分岐した各流入路開口部71a,71bからそれぞれ異なる原料系の流体を流し、この流路を例えば第二のガラス基板2の上面に形成した薄膜ヒータ(図示略)によって加熱することにより、流路内で化学反応を引き起こすことができ、第3の流入路開口部72aから別の流体を流入させ、右側溝部42,72で別の反応を進めて、最終的に流出開口部72bから反応後の流体が流出する。この接合基板は、例えばジメチルエーテルやメタノール等の炭化水素物を改質して水素を抽出するマイクロリアクタとして応用することができる。特に、炭化水素物を水素に改質する水素改質用マイクロリアクタ、一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去用マイクロリアクタとして用いるのに有効であり、水素を化学反応させて発電する燃料電池の小型化に寄与することができる。
以上のように、第二のガラス基板2側から平面視した際に切欠部21に第一のガラス基板1に成膜された金属膜3が露出するので、露出した金属膜3に陽極5を直接接触させることができる。そのため、第二のガラス基板2中の可動イオンに加わる電界強度が大きくなる。また、第一のガラス基板1に余計な電界が加わることがないため、第一のガラス基板1内の可動イオンが金属膜3にダメージを与える現象も防ぐことができる。その結果、接合精度を向上させることができる。
また、第二のガラス基板2の一つの角部を切り欠くことによって切欠部21を形成して切欠部21の除き、平面視した際に各辺が一致するように重ねて、金属膜3を露出させるようにしたので、露出する金属膜3を少なくすることができ、その分、デッドスペースを少なくすることができる。
また、金属膜3に形成された溝4は、金属膜3の縁部から離間して形成され、金属膜3が複数の区画に分断されないように第一のガラス基板1に一体に連続して形成されているので、金属膜3の一部のみに陽極5を接触させれば良く、電極の数を減らせ、その分デッドスペースを少なくすることができる。
なお、上記実施の形態において切欠部21の形状は平面視扇形状としたが、その他、四角形状であっても良いし、切欠部21の位置は角部でなくてもよい。さらに、切欠部21から第一のガラス基板1が露出している部分があればよいので、第一のガラス基板1の平面形状は第二のガラス基板2より小さい(内側に入る)部分があってもよい。
[第二の実施の形態]
図4(a)は、第一のガラス基板110と第二のガラス基板120とを陽極接合した状態における側面図、図4(b)は、図4(a)における平面図である。図5(a)は、第二のガラス基板120の平面図、図5(b)は、第一のガラス基板110の平面図である。
第二の実施の形態では第二のガラス基板120が、第一の実施の形態における第二のガラス基板2の形状と異なっており、その他の第一のガラス基板110や金属膜130は第一の実施の形態の第一のガラス基板1及び金属膜3と同様である。
まず、第一のガラス基板110を準備する。具体的に第一のガラス基板110は、第一の実施の形態の第一のガラス基板1と同様に可動イオンとなるNaやLiを含有したガラス基板であって、例えばパイレックス(登録商標)基板を使用することが好ましい。第一のガラス基板110は、所定の厚みを有し四角形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。また、第一のガラス基板110の中央よりやや右側部分に開口部111が形成されている。
第一のガラス基板110を準備したら、その下面に第一の実施の形態と同様に金属膜130を成膜する。さらに、金属膜130に第一の実施の形態と同様の葛折り状の溝140を形成する。すなわち、溝140は、金属膜130の縁部から離間して、図中、金属膜130の左側部分に形成された左側溝部141と右側部分に形成された右側溝部142とを備えている。そして、各溝部141,142の両端部は、金属膜130の縁部に延在していないため、金属膜130が2つの溝部141,142によって複数の区画に分断されずに第一のガラス基板110に一体に連続して形成されている。
一方、第二のガラス基板120を準備する。第二のガラス基板120は所定の厚みを有し第一のガラス基板110よりも小さな四角形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。すなわち、第二のガラス基板120は、第一のガラス基板110と当接したときに第二のガラス基板120側から平面視して第二のガラス基板120の縁部に対して第一のガラス基板110が突出する大きさであり、第一のガラス基板110に成膜された金属膜130が露出している。そして、露出する金属膜130に陽極5を接触させることができるようになっている。
また、第二のガラス基板120の中央よりやや右側部分に第一のガラス基板110の開口部111に対応する開口部122が形成されている。
第二のガラス基板120を準備したら、第二のガラス基板120の下面に葛折り状の溝170を形成する。この溝170は、第一の実施の形態の左側溝部71、右側溝部72、連結溝部73と、それぞれ同様の左側溝部171と、右側溝部172と、連結溝部173とを備えている。
このようにして準備した第一のガラス基板110と第二のガラス基板120とを、図4に示すように、第一のガラス基板110の金属膜130を成膜した面と、第二のガラス基板120の溝140,170を形成した面とを当接させ、これら第一のガラス基板110及び第二のガラス基板120を陽極接合装置にセッティングして、第二のガラス基板120側から平面視した際に、第二のガラス基板120の上面(第一のガラス基板110との接合面と反対側の面)に陰極6を接触させて、第二のガラス基板120の縁部から突出した部分の金属膜130に陽極5を接触させて、第一のガラス基板110と第二のガラス基板120との間に高電圧を印加することにより陽極接合を行う。
以上のように、第二のガラス基板120側から平面視した際に、第二のガラス基板120の縁部から金属膜130が突出し、露出するので、露出した金属膜130に陽極5を直接接触させることができる。そのため、第二のガラス基板120中の可動イオンに加わる電界強度が大きくなる。また、第一のガラス基板110に余計な電界が加わることがないため、第一のガラス基板110内の可動イオンが金属膜130にダメージを与える現象も防ぐことができる。その結果、接合精度を向上させることができる。
また、第一の実施の形態と同様に、金属膜130に形成された溝140は、金属膜130の縁部から離間して形成され、金属膜130が複数の区画に分断されないように第一のガラス基板110に一体に連続して形成されているので、金属膜130の一部のみに陽極5を接触させれば良く、電極の数を減らせ、その分デッドスペースを少なくすることができる。なお、第二のガラス基板120の縁部から金属膜130が突出し、露出している部分があればよいので、第一のガラス基板の平面形状は第二のガラス基板より小さい(内側に入る)部分があってもよい。
なお、上記各実施の形態において、金属膜3を露出させるために、第二のガラス基板2に切欠部21を形成したり、第二のガラス基板120の縁部から金属膜130が露出するように第一のガラス基板110の大きさを第二のガラス基板120の大きさより大きめに設定したりしたが、その他に、第二のガラス基板120の一部に上下に貫通する貫通孔(図示略)を形成し、この貫通孔から陽極5を挿入して、貫通孔に露出した金属膜130に接触させるように構成しても良い。
さらに、第二のガラス基板2,120に形成した溝7,170は、左側溝部71,171と右側溝部72,172と連結溝部73,173とを備えるとしたが、このパターンに限られるものではなく、開口部11,111を形成せずに、左側溝部71,171と右側溝部73,173をそのまま連続して葛折り状となるように形成しても良い。また、これに伴って第一のガラス基板1,110側に形成する溝4のパターンも変更可能である。
また、図6のように、第一のガラス基板110に連結溝部143をもつような流路構造であってもよいし、例えば、第二のガラス基板120の第3の流入路開口部172aとそこに通じる溝とに対向する第一のガラス基板110側の位置に、流入路開口部142aやそこに通じる溝を設けるようにしてもよい。
なお、上記各実施形態では、金属又はシリコンを含む膜は一体に形成されている例を示した。このように一体に形成されていることが望ましいが、例えば、なんらかの設計上の制約で、従来3区画に分断されていたような場合でも、溝の一箇所を膜の縁部から離間して形成できれば、分断数を2区画に減らすことができ、その場合も陽極5側の電極数を3本から2本に減らすことができ、同様な効果が得られる。
第一の実施の形態における第一のガラス基板1と第二のガラス基板2の接合方法を説明するための斜視図である。 (a)は、第一の実施の形態における第一のガラス基板1と第二のガラス基板2とを陽極接合する状態で、図1のII−II矢視側面図、(b)は、(a)の平面図である。 (a)は、第二のガラス基板2の平面図、(b)は、第一のガラス基板1の平面図である。 第二の実施の形態における第一のガラス基板110と第二のガラス基板120とを陽極接合する状態の側面図、(b)は、(a)の平面図である。 (a)は、第二のガラス基板120の平面図、(b)は、第一のガラス基板110の平面図である。 第二の実施の形態の変形例であり、(a)は、第二のガラス基板120の平面図、(b)は、第一のガラス基板110の平面図である。
符号の説明
1,110 第一のガラス基板
2,120 第二のガラス基板
3,130 金属膜
4,7,140,170 溝
5 陽極
6 陰極
11,22,111,122 開口部
21 切欠部
41,71 左側溝部
42,72 右側溝部
71a,171a 第1の流入路開口部
71b,171b 第2の流入路開口部
72a,142a,172a 第3の流入路開口部
72b,172b 流出路開口部
73,143,173 連結溝部

Claims (6)

  1. 反応物が流動する流路を有するマイクロリアクタにおいて、
    第一のガラス基板と、
    前記第一のガラス基板の一方の面に形成された金属膜と、
    前記金属膜に陽極接合された第二のガラス基板と、を備え、
    前記第一のガラス基板のうち前記第二のガラス基板に対向する面及び前記金属膜に第一の溝が形成され、
    前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対抗する面に少なくとも一部が前記第一の溝に対応する領域に形成され、前記第二のガラス基板の少なくとも端面まで通じる第二の溝を有し、
    前記第一のガラス基板と前記第二のガラス基板とを互いに接合することによって、前記第一の溝及び前記第二の溝で形成された前記流路が形成され、
    前記第一の溝は、前記金属膜の縁部から離間して形成され、
    前記金属膜は、全体が連続して形成され、
    前記第一のガラス基板は、前記第一のガラス基板の端部の一部が前記第二のガラス基板の縁部から突出した部分を有し、前記金属膜のうち前記突出した部分に対応する領域が露出していることを特徴とするマイクロリアクタ。
  2. 前記第二のガラス基板は、前記第二のガラス基板の一部を切り欠く切欠部が形成されて、前記膜のうち前記切欠部に対応する領域が露出していることを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ
  3. 前記第二のガラス基板は、前記第二のガラス基板にその上下面を貫通する貫通孔が形成されて、前記膜のうち前記貫通孔に対応する領域が露出していることを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ
  4. 前記第二の溝は、前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対向する面を複数の領域に分断するように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロリアクタ
  5. 第一のガラス基板及び第二のガラス基板を準備する基板準備工程と、
    前記第一のガラス基板の一の面上に金属膜を形成する膜形成工程と、
    前記金属膜の全体が連続してなるように、前記第一のガラス基板及び前記金属膜に第一の溝を前記金属膜の縁部から離間して形成する第一溝形成工程と、
    前記第二のガラス基板の一の面上に第二の溝を形成する第二溝形成工程と、
    前記金属膜が露出するように金属前記第一のガラス基板の一の面と前記第二のガラス基板の一の面とを互いに当接させる当接工程と、
    露出した前記金属膜に陽極を接触させ、前記第二のガラス基板に陰極を接触させる接触工程と、
    前記陽極及び前記陰極に電圧を印加して、前記第一のガラス基板と前記第二のガラス基板とを陽極接合して流路を形成する接合工程と、を含むことを特徴とするマイクロリアクタの製造方法。
  6. 前記第二溝形成工程は、前記第二の溝を前記第二のガラス基板のうち前記第一のガラス基板に対向する面を複数の領域に分断するように形成することを特徴とする請求項に記載のマイクロリアクタの製造方法。
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