JP4491922B2 - 表面欠陥検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面欠陥検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1、図2、図3は、本発明を示すとともに、従来方法をも示している。
従来の表面欠陥検出方法は、白黒パターン1を有した照明2を検査表面(たとえば、塗装面)3に写し出し、カメラ4を通してコンピュータに画像取込みし(図2のaに示す画像)、該画像を微分処理し(図2のbに示す画像)、ついで2値化し、白膨張後(白膨張後の画像を図2のcに示す)白黒反転するかまたは白黒反転後黒を膨張し、ラベリングを行い、ヒストグラムをとって所定面積以上を欠陥と判定する方法からなる。
上記方法では、取り込まれた画像は、図2のaに示すように白黒パターン5を有する。検査表面上の表面欠陥(塗装面のブツなどの欠陥)6は乱反射するので画像では灰色となり、また白黒パターンの境界部7もぼけて(コントラストが悪い)灰色となる。これを微分処理すると、灰色の部分6、7だけが白黒の勾配を有するので図2のbのように抽出され、これを予め定めた一定値からなるしきい値との大小で2値化すると、欠陥6と白黒パターンの境界部7のうちしきい値を越えた部分のみが抽出される。この画像で白を膨張させると白黒パターンの境界部7が除去されて欠陥6のみの画像(図2のc)が得られる。ついで白黒反転してラベリングに備える。上記で白膨張工程と白黒反転工程を逆にしてもよいが、逆にする場合は、白黒反転して黒を膨張させ、境界部を除去する。ついで、画像cの白黒反転画像において、画素を追いながら欠陥画素にラベリングを行い、連続欠陥画素に番号1を、ついで次の連続欠陥画素に番号2を、付していく。そして、横軸がラベリング番号、縦軸が画素数のヒストグラムをとり、所定画素数以上(所定面積以上)のものを欠陥と判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の表面欠陥検出方法にはつぎの問題があった。
図2の取込み画像の白黒パターンのコントラストが、塗色によって変わり、かつ被検査面3と照明2の白黒パターン1との距離(図1のL)によって変わる。
たとえば、塗色がシルバー、白等の場合は画像がぼけやすく(コントラストが悪い)、黒や濃青の場合はぼけにくい(コントラストがいい)。また、被検査面3と照明2の白黒パターン1との距離Lが大になるとぼけてくる。
たとえば、被検査面3と照明2の白黒パターン1との距離Lが変わる場合の画像のぼけで説明する。図2は、aの1−1線、2−2線、3−3線に沿った明るさ分布、bの1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線に沿った明るさ微分値分布を示している。ただし、図2のa、b、cの画像の上部が図1の被検査面3と照明2の白黒パターン1との距離Lが小に対応し、図2のa、b、cの画像の下部が図1の被検査面3と照明2の白黒パターン1との距離Lが大に対応する。 aの1−1線、2−2線(欠陥である灰色の部分は明るさが黒、白の中間にある)は明るさが大であるが、aの3−3線はaの1−1線、2−2線よりも明るさが低下している。これを微分した値でみても、bの1’−1’線、2’−2’線(欠陥である灰色の部分は明るさが黒、白の中間にある)は明るさ微分値が大であるが、bの3’−3’線はbの1’−1’線、2’−2’線よりも明るさ微分値が低下している。
したがって、微分値をしきい値と比較する時、bの1’−1’線、2’−2’線では灰色部分の微分値がしきい値より大であるから欠陥や境界部を抽出できるが、bの3’−3’線では灰色部分の微分値がしきい値より小になると欠陥や境界部を抽出できなくなるという問題が起こる。
また、塗色の場合も、白やグレーでは上記と同様の問題が生じやすく、明るさの濃淡差が小になって、bの1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線の全てで明るさ微分値が低下し、しきい値の設定が難しくなり、しきい値によっては欠陥や境界部を抽出できなくなるという問題が起こる。
本発明の目的は、被検査面の色または被検査面と照明間の距離などの外乱に影響されずに、安定して欠陥を検出できる表面欠陥検査方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 白黒パターンを有した照明を検査表面に写し出し、画像取込みし、微分処理し、ついで2値化を行う工程を含む画像処理を行って欠陥を抽出する表面欠陥検査方法であって、
塗色に応じてK 1 、K 2 を決める工程と、
微分処理した画面を複数個に分割する工程と、
複数個に分割した分割画面の分割画面番号nを、照明と検査表面との間の距離が大きい側より小さい側に順に0〜Nとして、それぞれの分割画面に対し、式(K 1 ×n)+K 2 を算出する工程と、
を有し、
前記式によって算出された値をそれぞれの分割画面に対する前記2値化のしきい値とすることにより、前記2値化のしきい値を検査表面の塗色、および、照明と検査表面との間の距離、に応じて変えるようにし、かつ、照明と検査表面との間の距離が大きい側より小さい側ほど前記しきい値を増大させた、表面欠陥検査方法。
【0005】
上記()の表面欠陥検査方法では、従来塗色および照明と被検査面間距離の如何にかかわらず一定とされていた微分後の2値化のしきい値を、塗色および照明と被検査面間距離によって変えるようにしたので、確実に欠陥検出ができるようになった。その結果、白やグレー等の塗色を含む全ての色に対して、かつ、照明と被検査面間距離が大に対応する画像部分にある欠陥も、確実に欠陥検出ができるようになった。
また、(K1 ×n)+K2 でしきい値を決めるので、K1 、K2 で塗色を、nで照明と被検査面間距離を、しきい値決定に取り入れることができる。
上記()の表面欠陥検査方法では、図4で、下の方(照明と検査表面との間の距離が大きい側)がコントラストが悪く(ぼけている)、上の方(照明と検査表面との間の距離が小さい側)がコントラストが良い(ぼけていない)画像となっている。本発明では図2のbの1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線でしきい値が上下されて、微分値の方がしきい値より上にあるようにされるので、bの3’−3’線のようにぼけた部位でも微分値がしきい値より大となり、欠陥や境界部が確実に抽出できるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の表面欠陥検査方法を、図1〜図を参照して、説明する。
本発明実施例の表面欠陥検査方法は、図1、図2に示すように、白黒パターン1を有した照明2を検査表面(たとえば、塗装面)3に写し出し、画像取込みし、微分処理し、ついで2値化を行う工程を含む画像処理を行って欠陥を抽出する表面欠陥検査方法である。
さらに詳しくは、本発明実施例の表面欠陥検査方法は、図1、図2に示すように、白黒パターン1を有した照明2を検査表面(たとえば、塗装面)3に写し出し、写し出した白黒パターンをカメラ4を通してステップ101でコンピュータに画像取込みし、ステップ102で該画像を微分処理し、ついでステップ103で2値化し、ステップ104で白膨張後、ステップ105で白黒反転するか、またはステップ104と105を逆にして白黒反転後黒を膨張し、ステップ106でラベリングを行い、ステップ107でヒストグラムをとってステップ108で所定面積以上を欠陥と判定する方法である。ステップ104、105は、白黒パターンの境界部を画像から除去するステップであるが、ステップ104、105の代わりに境界部のマスク画像を作成し欠陥および境界画像とマスク画像を合成した後ラベリングによってマスク画像を除去することにより白黒パターンの境界部を画像から除去してもよい。
【0007】
取り込まれた画像は、図2のaに示すように白黒パターン5を有する。図2のaの画像では、検査表面3上の表面欠陥(塗装面のブツなどの欠陥)は乱反射するので欠陥に対応する部分6は画像では灰色となり、また白黒パターンの境界部7は白黒の勾配を有する。これを微分処理すると、白黒パターン5の白の部分も黒の部分も灰色の部分6も境界部を除き色の変化が無いので微分値はほぼ0となり、境界部7だけが白黒の勾配を有するので図2のbのように抽出される。これを予め定めた一定値からなるしきい値との大小で2値化(しきい値を越えた画素の明るさを100、越えなかった画素の明るさを0とする操作)すると、欠陥6と白黒パターンの境界部7のうちしきい値を越えた部分のみが抽出される。この画像で白を膨張(黒を縮小)させると、白黒パターンの白と黒の部分が除去され、縮小されてもなお残った欠陥6のみの画像(図2のc)が得られる。ついで白黒反転してラベリングに備える。上記で白膨張ステップと白黒反転ステップを逆にしてもよいが、逆にする場合は、白黒反転して黒を膨張させ、白と黒の部分を除去する。ついで、画像cの白黒反転画像において、画素を走査しながら欠陥部分の画素にラベリングを行い、連続している欠陥部の画素にラベル1を、ついで次の連続欠陥画素にラベル2を、付していく。そして、横軸がラベリング番号、縦軸が画素数のヒストグラムをとり、所定画素数以上(所定面積以上)のものを欠陥と判定する。
【0008】
上記において、微分後の2値化(ステップ103)のしきい値を、2値化のしきい値を検査表面の塗色、および、照明と検査表面との間の距離、に応じて変える。
【0009】
以下では、上記の方法によりしきい値を決定する方法は種々あるが、そのうちの一例を第1実施例として図4〜図7に示す。
【0010】
第1実施例を説明する。図4は、図3のステップ102の微分処理後の画像を示す。下の方がコントラストが悪く(ぼけている)上の方がコントラストが良い(ぼけていない)画像となっている。このコントラスト度合いは、塗色毎に、かつ照明と検査表面との間の距離L等によって、決まるものである。そこで、塗色毎におよび照明と検査表面との間の距離L(画像の上下位置に対応)に対応して、しきい値を決定するようにしておく。図7は、しきい値決定のフローチャートであり、式(1)は図7のしきい値決定で用いられる式である。
(K1 ×n)+K2 ・・・・・・・・・・・ (1)
ただし、
1 :塗色に応じて決めた値
2 :塗色に応じて決めた値
n :画面を複数個に分割した時の分割画面番号
=0、1、2、・・・・、N
【0011】
図7において、ステップ201で塗色に応じて係数K1 、K2 を決めておく。ついで、ステップ202で画面を下から+1)分割する。+1)分割後の画像を図5に示す。ついで、ステップ203で、各分割された領域毎に式(1)でしきい値を求める。従来と異なり、しきい値は一定値でなくなり、各領域において変わる。ついで、図3のステップ103で、画面が複数に分割された領域にてそれぞれの領域のしきい値を用いて2値化する。図6は、2値化後の画像を示す。従来は2値化後の画像が切れることがあったが(微分値がしきい値を越えない所では欠陥や境界部が消滅して切れる)、本発明では、しきい値を各領域で変えて適正なしきい値を用いるので、画像全域で微分値画像が得られる。本発明では図2のbの1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線でしきい値が上下されて、微分値の方がしきい値より上にあるようにされるので、bの3’−3’線のようにぼけた部位でも微分値がしきい値より大となり、欠陥や境界部が確実に抽出できるようになる。
0012
【発明の効果】
請求項1の表面欠陥検査方法によれば、従来塗色および照明と被検査面間距離の如何にかかわらず一定とされていた微分後の2値化のしきい値を、塗色および照明と被検査面間距離によって変えるようにしたので、確実に欠陥検出ができる。その結果、白やグレー等の塗色を含む全ての色に対して、かつ、照明と被検査面間距離が大に対応する画像部分にある欠陥も、確実に欠陥検出ができるようになった。
また、(K1 ×n)+K2 でしきい値を決めるので、K1 、K2 で塗色を、nで照明と被検査面間距離を、しきい値決定に取り入れることができる。
請求項の表面欠陥検査方法によれば、図4で、下の方(照明と検査表面との間の距離が大きい側)がコントラストが悪く(ぼけている)、上の方(照明と検査表面との間の距離が小さい側)がコントラストが良い(ぼけていない)画像となっている。本発明では図2のbの1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線でしきい値が上下されて、微分値の方がしきい値より上にあるようにされるので、bの3’−3’線のようにぼけた部位でも微分値がしきい値より大となり、欠陥や境界部が確実に抽出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の表面欠陥検査方法を実施している装置の構成図である。
【図2】 本発明実施例の表面欠陥検査方法における取込み画像、微分処理画像、白膨張後画像と、各画像における1−1線、2−2線、3−3線、1’−1’線、2’−2’線、3’−3’線における明るさ、明るさ微分値の分布図である。
【図3】 本発明実施例の表面欠陥検査方法のフローチャートである。
【図4】 本発明のしきい値決定の第1実施例における、微分処理画像である。
【図5】 図4の画像の分割図である。
【図6】 図5の画像の2値化後の画像である。
【図7】 本発明のしきい値決定の第1実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
1 白黒パターン
2 照明
3 検査表面(塗装面)
4 カメラ
5 白黒パターン画像
6 灰色部分(欠陥に対応する)
7 灰色部分(白黒パターンの境界部に対応する)

Claims (1)

  1. 白黒パターンを有した照明を検査表面に写し出し、画像取込みし、微分処理し、ついで2値化を行う工程を含む画像処理を行って欠陥を抽出する表面欠陥検査方法であって、
    塗色に応じてK 1 、K 2 を決める工程と、
    微分処理した画面を複数個に分割する工程と、
    複数個に分割した分割画面の分割画面番号nを、照明と検査表面との間の距離が大きい側より小さい側に順に0〜Nとして、それぞれの分割画面に対し、式(K 1 ×n)+K 2 を算出する工程と、
    を有し、
    前記式によって算出された値をそれぞれの分割画面に対する前記2値化のしきい値とすることにより、前記2値化のしきい値を検査表面の塗色、および、照明と検査表面との間の距離、に応じて変えるようにし、かつ、照明と検査表面との間の距離が大きい側より小さい側ほど前記しきい値を増大させた、表面欠陥検査方法。
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