JP4491899B2 - 架橋粒子、その製造方法および組成物 - Google Patents

架橋粒子、その製造方法および組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料あるいは無機材料の表面処理、練り混みなどにより、親水性、吸水性、防曇性、イオン交換性、イオン導電性、イオン捕捉性などを付与することのできる架橋粒子およびその組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などの、極性基を有する重合体(ポリマー)が知られており、界面活性剤、乳化剤、分散剤などといった様々な用途に使用されている。一方、近年、このような極性基の分散性、親水性、イオン捕捉性、イオン導電性、基材への密着性といった特徴を活かして、バインダー樹脂、コーティング材、帯電防止剤、表面処理剤、電池材料などへの応用が検討されている。特に、スルホン酸基含有ポリマーは、スルホン酸基の有する強イオン性のため、上記特徴が発現しやすく、その応用性が注目されている。
例えば、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属、コンクリート、スレートなどの無機物、プラスチック、木材、紙などの有機物からなる基材が、建築材料、電化製品、電子材料、光学、精密材料、自動車、通信機器、計測機器、電池材料、事務機器、医療材料、一般家庭製品などに広く利用されている。
これらの基材表面には、その表面保護や表面改質を目的として、様々なコーティング材でコートされて使用される場合が多い。一般に、コーティング材として、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル、スチレン系樹脂、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコン樹脂などが知られている。
【0003】
これらのコーティング材は、どちらかといえば、疎水性コーティング材であり、特に基材表面の保護を主目的としている場合が多い。基材表面を親水化あるいは吸湿化したり、汚れの付着防止、あるいは、水中、空気中に浮遊するイオン性物質などを捕捉するといった表面改質機能を付与するために、極性基含有ポリマーが使用されている。
しかしながら、これまで知られている極性基含有ポリマーは、基材表面へのコーティング、各種材料への練り混みなどに使用された場合、親水性、吸湿性、イオン捕捉性など、本来、極性基の有する特性を十分発揮できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記種々の問題点を解決すべく、分散性、親水性、吸水性、イオン捕捉性、イオン導電性などにおいて、高い効果を付与できる架橋粒子およびその組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)親水性重合体ブロックおよび疎水性重合体ブロックを有するブロック共重合体ならびに(b)ラジカル重合性単量体重合物の架橋物からなり、親水性基を /g以上含むことを特徴とする架橋粒子、その製造方法および組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる親水性重合体ブロックおよび疎水性重合体ブロックとを有するブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体」という)について説明する。
ここで、疎水性重合体ブロックとしては、炭化水素系の単量体を主成分とする重合体もしくは共重合が挙げられる。
炭化水素系の単量体を主成分とする重合体もしくは共重合体としては、ジエン系単量体を主体とする(共)重合体、芳香族ビニル化合物やオレフィンなどのオレフィン系単量体を主体とする(共)重合体あるいはこれらを水素添加した(共)重合体が好ましいものとして挙げられる。
本発明において、ジエン系単量体としては、炭素数4〜12のジエン系単量体が好ましく、さらに好ましくは炭素数4〜8、特に好ましくは炭素数4〜6のジエン系単量体である。
これらジエン系単量体の具体例としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのほか、分岐した炭素数4〜7の各種脂肪族あるいは脂環族ジエン類が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。これらのうち特に好ましいのは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0007】
また、芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、o−メチルスチレン、p―メチルスチレン、m―メチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。また、オレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。これらモノマーは1種単独で用いても、2種以上併用して用いてもよい。これらのうちで好ましいのは、芳香族ビニル化合物であり、特に好ましくはスチレンである。
【0008】
また、前記ジエン系単量体、芳香族ビニル化合物やオレフィンなどのオレフィン系単量体以外に、他の単量体を併用することもできる。
他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノあるいはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これら他の単量体は、1種単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
【0009】
ジエン系単量体を主体とする重合体ブロックには、他の単量体として前記芳香族ビニル化合物やオレフィンを劣位量共重合してもよい。また、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックには、前記ジエン系単量体やオレフィンを劣位量共重合してもよい。また、オレフィンを主体とする重合体ブロックには、他の単量体として前記ジエン系単量体や芳香族ビニル化合物を劣位量共重合してもよい。
これら他の単量体を併用する場合の使用量は、重合体ブロック中、通常60%以下であり、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
【0010】
疎水性重合体ブロックにスルホン酸基などの親水性基を導入する方法としては、▲1▼2種の疎水性重合体ブロックからなるベースポリマーを製造し、得られたベースポリマーの一つのブロックをスルホン化する方法、▲2▼重合体ブロックの重合時にスルホン酸基などの親水性基を含有する単量体を共重合する方法などが挙げられる。
親水性基としては、スルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)基(カルボキシル基)、リン酸(塩)基、アミン基、アミド基、水酸基、アルキルエステル基、酸無水物基等が挙げられる。これらの中ではスルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)基(カルボキシル基)、リン酸(塩)基、アミン基、アミド基、水酸基が好ましく、さらに好ましいのはスルホン酸基およびカルボン酸基(カルボキシル基)、特に好ましいのはスルホン酸基である。
本発明において、親水性基がスルホン酸基の場合、スルホン酸含量は、0.2mmol/g以上、好ましくは0.5mmol/g、さらに好ましくは1.0mmol/g以上である。
スルホン酸基の量が0.2mmol/g未満では親水性などの親水性基の効果が十分発揮されず好ましくない。
なお、本発明においてスルホン酸基量は、本発明の架橋粒子のイオウ含量を元素分析から求め、イオウ原子をスルホン酸基に換算することにより架橋粒子のスルホン酸含量(mmol/g)を求めた。
【0011】
本発明において、ブロック共重合体は、それぞれのブロックを構成する単量体を開始剤および必要に応じて溶剤を用いて共重合することにより製造することができる。
かかる開始剤としては、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤、あるいはn−ブチルリチウム、ナトリウムナフタレン、金属ナトリウムなどのアニオン重合開始剤が挙げられる。
また、重合温度は、通常、−100〜150℃、好ましくは0〜130℃である。
重合方式としては、ブロック共重合体を得るという意味から、特に、アニオン重合が好ましく用いられる。
【0012】
また、上記ブロック共重合体について、ジエン系単量体に基づく残存二重結合の一部あるいは全部を水素添加(水添)して使用することもできる。この場合、公知の水添触媒が使用可能で、例えば、特開平5―222115号公報に記載されているような触媒、方法が挙げられる。ベースポリマーである上記ブロック共重合体を水添後、後述する方法で親水性基を導入することもできるが、該共重合体に親水性基を導入したのち、水添してもよい。
【0013】
本発明に使用されるベースポリマーとして好ましいものは、ジエン系単量体を含むモノマーを重合してなるブロックA(以下「ブロックA」という)とオレフィン系単量体を含むモノマーを重合してなるブロックB(以下「ブロックB」という)を含有するブロック共重合体である。このブロック共重合体の好ましい構造としては、AB型あるいはA(BA)n型あるいはB(AB)n型あるいは(AB)n型(ただし、nは好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1)である。ブロック共重合体において、ブロックAとブロックBの割合A/Bは、好ましくは5〜95/95〜5であり、さらに好ましくは10〜90/90〜10、特に好ましくは20〜80/80〜20である。また、ブロックAおよびBの重合度は、好ましくはAが5以上、Bが5以上であり、さらに好ましくはAが10以上、Bが10以上であり、特に好ましくはAが50以上、Bが50以上である。
【0014】
これらのうちで好ましいのは、AB型、ABA型、およびBAB型のブロック共重合体である。具体的に好ましいベースポリマーとしては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレンースチレンーイソプレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエンースチレンーブタジエン三元ブロック共重合体およびこれらブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
ブロックAには、前記芳香族モノマーあるいは他のモノマーが一部共重合されていても良く、また、ブロックBに前記ジエン系単量体あるいは他のモノマーが一部共重合されていても良い。
【0015】
これらベースポリマーあるいはその水添物のポリスチレン換算の重量平均分子量(以下「Mw」という)は、好ましくは500〜1,000,000、さらに好ましくは1,000〜500,000、特に好ましくは2,000〜200,000である。Mwが500未満であると、親水性基のもつ親水性等の特徴が十分発現されない場合があり、一方、1,000,000を超えると、親水性基を導入する際にゲル化する等の問題が生じる場合がある。
【0016】
ベースポリマーに親水性基を付加などの方法により含有させる方法としては、公知の方法が使用できる。例えばスルホン基を導入する場合、例えば日本科学会編集、新実験講座(14巻III、1773頁)あるいは、特開平2―227403号公報などに記載された方法でスルホン化することにより製造することができる。
【0017】
この方法によれば、上記ベースポリマー中のジエン系単量体に基づく二重結合部分あるいは芳香族部分のどちらか一方を、スルホン化剤を用いて、優先的にスルホン化することより製造することができる。
なお、スルホン化する場合は次の方法が好ましい。
(1)水素添加していないベースポリマーあるいはブロックAが部分的に水素添加されたベースポリマーを使用する場合には、ブロックAを優先的にスルホン化することが好ましく、一方、(2)ブロックAが完全に水素添加されたベースポリマーでは、ブロックBを優先的にスルホン化することが好ましい。
上記(1)のように、ブロックAを優先的にスルホン化する場合には、スルホン化剤としては、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体あるいは亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)、アセチル硫酸などを使用することが好ましい。また、(2)のように、ブロックBを優先的にスルホン化するためには、スルホン化剤として、前記錯体の他、無水硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、濃硫酸、アセチル硫酸などを使用することが好ましい。
【0018】
ここで、電子供与性化合物としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル化合物などが挙げられ、このうちでもN,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好ましい。
【0019】
水素添加していないベースポリマーあるいは部分的に水素添加されたベースポリマーを使用する場合には、スルホン化剤の量は、ベースポリマー中のブロックA1モルに対して、0.2モル以上1.2モル以下、好ましくは、0.5モル以上1.1モル以下であり、0.2モル未満では十分な親水性が得られない場合があり、また1.2を超えると、未反応スルホン化剤が不純物として残るので好ましくない。また、水素添加したベースポリマーを使用する場合には、通常、スルホン化剤の量は、ベースポリマー中のブロックB1モルに対して、0.2モル以上1.2モル以下、好ましくは、0.5モル以上1.1モル以下であり、0.2モル未満では十分な親水性が得られない場合があり、また1.2を超えると、未反応スルホン化剤が不純物として残るので好ましくない。
【0020】
このスルホン化の際には、無水硫酸、硫酸などのスルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもでき、この溶媒としては例えばクロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、水などが挙げられる。
これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用することができる。
このスルホン化の反応温度は、通常、−70〜200℃、好ましくは−30〜50℃であり、−70℃未満ではスルホン化反応が遅くなり経済的でなく、一方200℃を超えると副反応を起こし、生成物が黒色化あるいは不溶化する場合がある。
【0021】
本発明に使用されるブロック共重合体のスルホン化物は、このスルホン化生成物に水または塩基性化合物を作用させたものが好ましい。
この塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、アニリン、ピペラジンなどのアミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。これらの塩基性化合物の中では、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0022】
塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、好ましくは1.5モル以下、さらに好ましくは1.2モル以下であり、2モルを超えると、未反応アルカリが多く、製品の純度が低下する。
この反応の際には、上記塩基性化合物を水溶液の形で使用することもでき、あるいは塩基性化合物に不活性な有機溶媒に溶解して使用することもできる。
この有機溶媒としては、上記各種の有機溶媒のほか、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用することができる。
【0023】
塩基性化合物を水溶液または有機溶媒溶液として使用する場合には、塩基性化合物濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%程度である。
また、この反応温度は、通常、−30〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは+50〜100℃で行われ、また常圧、減圧あるいは加圧下のいずれでも実施することができる。さらに、反応時間は、通常、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間である。
また、スルホン酸基以外の親水性基を導入する場合は、例えばカルボキシル化、リン酸エステル化、アミン化、アミド化、ヒドロキシル化等の方法を適宜行うことにより製造することができる。
【0024】
また、親水性基を含有する単量体を共重合する場合は、例えばスルホン酸基を含有する単量体や、カルボン酸基(カルボキシル基)、アミノ基、アミド基、リン酸基や水酸基などを含有する単量体を適宜共重合することにより製造することができる。
スルホン酸基を有する単量体としては、前記ジエン系単量体またはオレフィン系単量体にスルホン酸(塩)基が付加したものが好ましい例として挙げられる。これらの具体例としては、スルホン酸(塩)基含有ブタジエン、スルホン酸(塩)基含有イソプレン、スルホン酸(塩)基含有スチレン、スルホン酸(塩)基含有エチレン、スルホン酸(塩)基含有プロピレンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、スルホン酸(塩)基含有イソプレン、スルホン酸(塩)基含有スチレンである。
また、スルホン酸基以外の親水性基を有する単量体としては(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノあるいはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリルホフェート、アミノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどを共重合することによって製造することができる。
【0025】
本発明において、ブロック共重合体の親水性基の含有量は特に制限はないが、通常、親水性基を含有したモノマー単位の数がブロック中の構成モノマー単位の50(モル)%以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上である。50%以上にすることにより、後述する架橋粒子の親水性などの期待特性が向上するので好ましい。
なお、疎水性重合体ブロック中に親水性基を含有していてもよいが、親水性基を含有したモノマー単位の数が疎水性重合体ブロック中の構成モノマー単位の10(モル)%以下が好ましく、さらに好ましくは5%以下である。
【0026】
本発明においてブロック共重合体は、通常、水などの媒体に溶解した状態、あるいは水などの媒体中に乳化分散した状態で、架橋粒子の製造に使用する。
ブロック共重合体を乳化分散する方法としては、特に制限はないが、好ましくは、特開平10―306250などに記載された方法で、ブロック共重合体の有機溶剤溶液を、水と混合し、乳化させたのち、水を残したまま有機溶剤を除去することにより行うことができる。
【0027】
このようにして得られる本発明のブロック共重合体乳化物の粒径は、通常、0.1〜500nm、好ましくは0.5〜300nm 、さらに好ましくは1〜200nmである。
また、得られるポリマー乳化物の固形分濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であり、これは、使用条件、保存条件などにより、適宜選択することができる。
【0028】
本発明の架橋粒子は、前記ブロック共重合体の存在下、架橋性単量体含むラジカル重合性単量体を重合することにより製造することができる。
架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの炭化水素系単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3―ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体、その他、1分子に2個以上の重合性二重結合を有する単量体が上げられる。
また、他の単量体としては、前記したジエン系モノマー、芳香族ビニルモノマー、オレフィン系モノマー、他の単量体などが挙げられる。
ブロック共重合体の存在下、これら架橋性単量体を含む単量体を重合して架橋粒子を製造する方法としては、ブロック共重合体の水溶液あるいは乳化分散液と、架橋性単量体を含む単量体、および重合開始剤を混合し、熱重合させることが好ましい。
【0029】
重合開始剤としては、前記ラジカル重合開始剤以外に、過硫酸塩、ハイドロパーオキサイドなどの公知の水溶性の開始剤およびこれら開始剤と還元剤を組み合わせた公知のレドックス系重合開始剤を使用することができる。
ブロック共重合体、単量体および開始剤は、一括添加で重合しても良いが、必要に応じて各成分をインクレして重合してもよい。
また、合に使用する溶剤は通常水であるが、架橋粒子の粒径、粒径内の細孔径などを調製するために、前記水溶性あるいは水不溶性有機溶媒を併用することが可能である。
架橋性単量体を含むモノマーの重合時の固形分濃度は通常、1〜70重量%、好ましくは、10〜50重量%であり、重合時の固形分濃度を変えることにより、架橋粒子の粒径をコントロールすることが可能である。
重合温度は、通常20〜150℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは、60〜110℃である。
【0030】
ブロック共重合体と架橋性単量体を含むモノマーの割合は、通常、重量比で、90/10〜2/98、好ましくは、70/30〜10/90、特に好ましくは50/50〜20/80である。ブロック共重合体が90重量%を超えると、架橋粒子の架橋が十分に進まない場合があり好ましくなく、一方、2重量%未満では、親水性などの期待特性が十分に発現されず好ましくない。
本発明の架橋粒子の粒径は、通常、0.1nm〜10μmであり、使用する目的に併せて適宜選択することができる。
【0031】
本発明の架橋粒子は用途に応じて単独で用いることもできるが、コーティングなどの目的で、結着性を有するポリマーと併用して使用することも可能である。結着性を有するポリマーとしては、水系の乳化ポリマーが好ましく、公知のポリマーの乳化物が使用される。好ましい乳化物としては、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリオエフィンエマルジョン、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョン、脂肪族ジエン/芳香族モノマー共重合体スルホン化物エマルジョンなどが挙げられ、これらは、単独で使用しても、2種以上併用して使用してもかまわない。
【0032】
結着性を有するポリマーの割合は、固形分換算で、通常、全組成物中の90重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。90重量%を超えると架橋粒子の有する親水性などの期待性能が発現されず好ましくない。
また、本発明の架橋粒子およびその組成物には、必要に応じて潤滑剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を混ぜて使用することができる。
【0033】
本発明の架橋粒子およびその組成物の一つの用途として、コーティング材が挙げられるが、使用できる基材に特に制限はない。基材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの高分子材料、アルミニウム、銅、ジュラルミンなどの非鉄金属、ステンレス、鉄などの鋼板、ガラス、木材、紙、セッコウ、アルミナ、無機質硬化体などが挙げられる。基材の形状には特に制限はなく、平面タイプでも、織物・編物・不織布などの布帛などの多孔質材料などでもよい。
【0034】
また、本発明の架橋粒子およびその組成物をコーティングする際のコーティング方法には特に制限はなく、刷毛塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、バーコーター、ディッピング処理などを使用することができる。塗布膜厚は、用途によって異なるが、乾燥膜厚で、通常、0.01〜1000μm、好ましくは0.1〜100μmである。乾燥条件は、特に限定されないが、例えば、乾燥器中で50〜150℃、好ましくは70〜130℃で実施される。
【0035】
本発明の架橋粒子およびその組成物は、特に基材表面の改質に効果がある。特に、疎水性表面にコーティングすることにより、親水性、吸湿性の発現、あるいはその維持が可能となる。また、静電気などによる汚れ、埃などの付着防止に効果がある。
また、不織布などの多孔質材料にコーティングした場合、例えば、空気中あるいは水中に存在するアンモニア、アミンなどの弱塩基、またはイオン性物質の捕捉作用を示す。
また、電池用セパレータの表面にコーティングすることにより、電池用電解質との親和性が向上し、サイクル特性、自己放電特性など電池特性の向上につながるといった効果も期待できる。さらには、種々の基材に対して密着力が高く、コーティング膜が基材から剥離し難く、安定した性能を長期間維持できるという優れた特徴をも有する。
【0036】
本発明の架橋粒子およびその組成物は、種々の用途に応用可能である。例えば、繊維用染色助剤、吸水性不織布、ウエットティッシュ用不織布、シール材用不織布、(不)織布用防汚材、イオン交換繊維、電池セパレータ親水化処理剤、空気清浄フィルター、水清浄フィルターなどのフィルター処理剤、消臭繊維、消臭塗料、消臭性紙、抗菌材料、防曇剤、インクジェット用記録媒体、結露防止材料、帯電防止剤、汚れ防止機能を有する塗料あるいはコーティング材、フロアポリッシュ用、マスキング材、吸水樹脂、紙用サイズ材、紙力増強材、接着剤、ハロゲン化銀写真感光材料などの写真材料などが挙げられる。また、表面保護用のコーティング材として、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属、コンクリート、スレートなどの無機物、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料、木材、紙などへの応用も可能である。
また、上記以外の用途として、液体クロマトグラフ用の充填剤、電気粘性流体、有機顔料、スペーサ、分離材料、生化学用担体、ウィルス濃縮試薬、化粧品用充填剤、印刷版の親水化材料、各種添加剤、配合剤などが挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り、重量基準である。
また、実施例における各種の、評価、測定は、下記方法により実施した。
(1) 架橋粒子の粒径
大塚電子(株)製、LPA−3100 LASER PARTICLE ANALYZERを用いて、乳化物の平均粒径を測定した。
(2) 重量平均分子量(Mw)
ベースポリマーの重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により、標準サンプルとしてポリスチレンを用いて測定した。
【0038】
(参考例1)
(1)ガラス製反応容器にジオキサン500gを入れ、これに無水硫酸50gを内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
(2)別のガラス製反応容器に、ポリイソプレン−ポリスチレンAB型ブロック共重合体(スチレン/イソプレン=50/50(重量比)、重量平均分子量1万)85gをテトラヒドロフラン400gに溶解させた。この中に上記▲1▼で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続け、ほぼポリイソプレンブロックのみがスルホン化されたスルホン化ポリマーを得た。
(3)別のフラスコに、水500g、水酸化ナトリウム26gを入れた。この溶液に、上記でスルホン化した溶液全量を、攪拌しながら、内温を50℃に保ちつつ添加した。添加後1時間攪拌した後、1000gの水を加え、全溶剤および水の一部を共沸により除去することにより、乳化物を得た。この乳化物の固形分濃度は、20%であった。この乳化物を乳化物X1と称する。
【0039】
(参考例2)
参考例1において、ポリイソプレン-ポリスチレンAB型ブロック共重合体(スチレン/イソプレン=50/50(重量比)、重量平均分子量1万)85gに代えて、ポリブタジエン−ポリスチレンAB型ブロック共重合体(スチレン/ブタジエン=80/20(重量比)、重量平均分子量1万)169gを使用した以外は同様にして実施し、ほぼポリブタジエンブロックのみがスルホン化されたスルホン化ポリマー乳化物を得た。この乳化物の固形分濃度は、20%であった。この乳化物を乳化物X2と称する。
(参考例3)
参考例1において、ポリイソプレン−ポリスチレンAB型ブロック共重合体(スチレン/イソプレン=50/50(重量比)、重量平均分子量1万)85gに代えて、ポリイソプレン−ポリスチレン−ポリイソプレンABA型ブロック共重合体(イソプレン/スチレン/イソプレン=35/30/35(重量比)、重量平均分子量5000)61gを使用した以外は同様にして実施し、ほぼポリイソプレンブロックのみがスルホン化されたスルホン化ポリマー乳化物を得た。この固形分濃度は、20%であった。この生成物を乳化物X3と称する。
(参考例4)
(1)ガラス製反応容器に1,2―ジクロルエタン500gを入れ、これに無水硫酸50gを内温を25℃に保ちながら添加した。
別のガラス製反応容器に、ポリブタジエン−ポリスチレンAB型ブロック共重合体の水添物(ブタジエン/スチレン=50/50(重量比)、重量平均分子量2万、ポリブタジエンブロックの水添率:99%)130gを1,2―ジクロルエタン800gに溶解させた。この中に上記▲1▼で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続け、ほぼポリスチレンブロックのみがスルホン化されたスルホン化ポリマーを得た。
(3)別のフラスコに、水500g、水酸化ナトリウム26gを入れた。この溶液に、上記でスルホン化した溶液全量を、攪拌しながら、内温を50℃に保ちつつ添加した。添加後1時間攪拌した後、1000gの水を加え、全溶剤および水の一部を共沸により除去することにより、乳化物を得た。この乳化物の固形分濃度は、20%であった。この乳化物を乳化物X4と称する。
【0040】
実施例1
窒素置換した500ccフラスコに、乳化物X1を100g、ジビニルベンゼン20g、水250g、過硫酸ナトリウム0.2gをいれ、2000rpmで10分間攪拌した。その後、80゜cで5時間重合を実施し、架橋粒子Y1を得た。Y1の粒径は20nm、スルホン酸含量は1.9mmol/gであった。
実施例2
窒素置換した500ccフラスコに、乳化物X2を100g、トリメチロールプロパントリアクリレート10g、スチレン10g、水250g、過硫酸ナトリウム0.2gをいれ、2000rpmで10分間攪拌した。その後、80゜cで5時間重合を実施し、架橋粒子Y2を得た。Y2の粒径は25nm、スルホン酸含量は1.2mmol/gであった。
実施例3
窒素置換した500ccフラスコに、乳化物X3を100g、ジビニルベンゼン5g、2−エチルヘキシルアクリレート15g、水250g、過硫酸ナトリウム0.2gをいれ、2000rpmで10分間攪拌した。その後、80゜cで5時間重合を実施し、架橋粒子Y3を得た。Y3の粒径は15nm、スルホン酸含量は2.3mmol/gであった。
実施例4
窒素置換した500ccフラスコに、乳化物X4を100g、トリメチロールプロパントリアクリレート5g、スチレン5g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、水300g、過硫酸ナトリウム0.2gをいれ、2000rpmで10分間攪拌した。その後、80゜cで5時間重合を実施し、架橋粒子Y4を得た。Y4の粒径は20nm、スルホン酸含量は1.3mmol/gであった。
実施例5
窒素置換した500ccフラスコに、乳化物X1を100g、ジビニルベンゼン20g、水60g、過硫酸ナトリウム0.2gをいれ、2000rpmで10分間攪拌した。その後、80゜cで5時間重合を実施し、架橋粒子Y5を得た。Y5の粒径は180nm、スルホン酸含量は1.9mmol/gであった。
【0041】
試験例
得られた架橋粒子(Y1〜Y5)を用いて、以下に示す性能評価を実施した。結果を表1に示す。
a)帯電防止性
本発明の表1に示す架橋粒子15g(固形分換算)、バインダー5g(固形分換算)および水を混合し、固形分濃度10%の乳化分散液を調整した。この乳化分散液をPET表面にバーコーターを用いて塗布した。塗布後、105℃で15分間乾燥し、架橋粒子およびバインダーがコーティングされたPETフィルムを得た。このフィルムを、23℃、湿度50%の雰囲気下で一晩放置した。
ヒューレットパッカード社の同心円型電極である16008A、および同社の高抵抗計である4329Aを用い、23℃、湿度50%の雰囲気下で、100Vの電圧を印加して、このフィルムの表面固有抵抗を測定した。
【0042】
b)水およびアルカリ水溶液に対する濡れ性
a)で調整した架橋粒子およびバインダーがコーティングされたPETフィルム上に、スポイトで水または30%水酸化カリウム水溶液を1滴垂らした。水滴等がしみ込もの度合いが、良好なものを○、不良のものを×、中間的な場合を△として評価した。
表1にしめすとおり、本発明の架橋粒子およびその組成物は、帯電防止性あるいは水濡れ性に優れていることから、極性基が表面に出やすく、極性基の有する種々特性を発現しやすいものであることが判る。
【0043】
【表1】
Figure 0004491899
1 バインダー種:
A;ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレン(10/80/10wt、Mw5万)ブロック共重合体のスルホン化物のポリイソプレンブロックの10%をスルホン化したものの乳化物
B;アクリルエマルジョン(AE343、JSR(株)製)
C;スチレン−ブタジエンゴムエマルジョン(JSR0561、JSR(株)製)
D;エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーエマルジョン(ケミパールS−650、三井化学(株)製)
【0044】
【発明の効果】
本発明の架橋粒子およびその組成物は、帯電防止性あるいは水濡れ性に優れていることから、極性基が表面に出やすく、極性基の有する分散性、親水性、吸水性、イオン捕捉性、イオン導電性などの種々特性を発現しやすい、優れた架橋粒子および組成物である。

Claims (5)

  1. (a)イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレン−スチレン−イソプレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレン−ブタジエン三元ブロック共重合体およびこれらブロック共重合体の水素添加物から選ばれた疎水性重合体ブロックをスルホン化剤を用いて、該疎水性重合体ブロック中のジエン系単量体に基づく二重結合部分あるいはスチレン部分のどちらか一方をスルホン化することにより得られる、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を含有する親水性重合体ブロックおよび疎水性重合体ブロックを有するブロック共重合体の存在下に、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、およびメチレンビス(メタ)アクリルアミドから選ばれた1分子に2個以上の重合性二重結合を有する架橋性単量体からなるラジカル重合性単量体、あるいは、該架橋性単量体ならびにスチレンおよび/または2−エチルへキシルアクリレートからなるラジカル重合性単量体を重合してなる重合架橋物からなることを特徴とする架橋粒子。
  2. スルホン酸含量が0.2mmol/g以上であることを特徴とする請求項1記載の架橋粒子。
  3. 粒径が0.1nm〜10μmであることを特徴とする請求項1または2記載の架橋粒子。
  4. (a)イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレン−スチレン−イソプレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレン−ブタジエン三元ブロック共重合体およびこれらブロック共重合体の水素添加物から選ばれた疎水性重合体ブロックをスルホン化剤を用いて、該疎水性重合体ブロック中のジエン系単量体に基づく二重結合部分あるいはスチレン部分のどちらか一方をスルホン化することにより、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を含有する親水性重合体ブロックおよび疎水性重合体ブロックを有するブロック共重合体を得て、次いでこの親水性重合体ブロックおよび疎水性重合体ブロックを有するブロック共重合体の存在下に、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、およびメチレンビス(メタ)アクリルアミドから選ばれた1分子に2個以上の重合性二重結合を有する架橋性単量体からなるラジカル重合性単量体、あるいは、該架橋性単量体ならびにスチレンおよび/または2−エチルへキシルアクリレートからなるラジカル重合性単量体を重合することを特徴とする架橋粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の架橋粒子と、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョン、および脂肪族ジエン/芳香族モノマー共重合体スルホン化物エマルジョンから選ばれたポリマー乳化物からなる結着性を有するポリマーを含有する組成物であって、該結着性を有するポリマーを全組成物中に固形分換算で90重量%以下含有する組成物。
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