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軟磁性薄膜、その製造方法及び磁気ヘッド Download PDF

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本発明は、VCR(Video Cassette Recorder)、磁気ディスク記録装置などに用いる磁気ヘッド用の軟磁性薄膜、その製造方法及び磁気ヘッドに関するものである。
近年、記録装置の小型化、大容量化への要請から磁気記録の高密度化を図るために、記録媒体の高保磁力化と磁気ヘッドの狭トラック化が推し進められ、それに伴う高転送レート化のために、磁気ヘッドの動作周波数の広帯域化が進められている。高保磁力媒体を飽和記録するためには高飽和磁束密度を持つ記録ヘッド磁極用の軟磁性薄膜が必要である。実際に、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置においては、記録密度の向上とともに、記録ヘッド磁極材料は、飽和磁束密度Bsが5kGのフェライトから10kGのNi81Fe19、16kGのNi50Fe50へと変遷してきた。
今後、記録密度の向上を図るためには、より大きな飽和磁束密度Bsをもつ軟磁性薄膜が必要である。Fe−Co薄膜は25〜35at%Co組成において24.5kGという高い飽和磁束密度Bsを持つが、磁歪が3〜8x10−5と大きく軟磁気特性の導出が容易ではない。スタンフォード大学のS.X.Wangらは、Ni−Fe薄膜を下地膜とし、かつFe−Co成膜中に窒素を添加することによって、飽和磁束密度Bs=24.5kG、強磁性共鳴周波数fr=1.5GHzが実現できることを報告している(例えば、非特許文献1参照。)。
この報告を契機として、Ni−Fe薄膜を下地膜とすることによって高い飽和磁束密度Bsを持つFe−Co軟磁性薄膜材料の研究が精力的に行われてきた。富士通の池田らは、Fe80Co20とAlとで構成されるターゲットを用い飽和磁束密度Bs=22kG、保持力Hc=1Oeの磁気特性を持つ軟磁性薄膜を開発した(例えば、非特許文献2参照。)。秋田県高度技術研究所の新宅らは、Fe−Co材料に微量のAlを添加し、さらに下地膜としてNi−Fe薄膜あるいはCo−Zr−Nb薄膜からなる軟磁性下地膜を用いることによって、飽和磁束密度Bsが24kGと大きく保持力Hcが1Oe以下の軟磁性薄膜を開発することに成功している(例えば、非特許文献3参照。)。
磁気ヘッドの動作周波数の広帯域化に関しては、磁気ヘッド材料の有効透磁率μ'の周波数特性を改善することが必要である。理論的には、飽和磁束密度Bsと異方性磁界Hkとを大きくすることによって、共鳴周波数frを大きくし共鳴損失を小さくでき、優れたμ'の周波数特性を実現できる。電気磁気材料研究所の大沼らは、Co−Al−Oグラニュラー構造膜が、1GHz以上の共鳴周波数frを示し、500MHzにおけるμ'が100という特性を有することを報告しているが、飽和磁束密度Bsが10kG程度と小さい(例えば、非特許文献4参照。)。
エス.エックス.ワン、エヌ.エックス.サン、エム.やまぐち、エス.やぶかみ著:ネイチャー、第407巻、頁150−151、2000(S.X.Wang,N.X.Sun,M.Yamaguchi and S.Yabukami:Nature,Vol.407,pp.150−151,2000) エス.いけだ、アイ.たがわ、ワイ.うえはら、ティー.くぼみや、ジェイ.かね、エム.かけい、エイ.ちかざわ著:アイイーイーイー、トランザクションズ オン マグネティックス、第38巻、5号、頁2219-2221,2002(S.Ikeda,I.Tagawa,Y.Uehara,T.Kubomiya,J.Kane,M.Kakei,A.Chikazawa:IEEE Tran Magn.,Vol.38,No.5,pp.2219-2221,2002) 新宅、山川、大内著:電子情報通信学会技術研究報告,MR2002−20,2002 大沼、三谷、藤森、増本著:日本応用磁気学会誌,第20巻,2号,頁489−492,1996
しかしながら、このような従来の軟磁性薄膜の製造技術では、記録ヘッド用の軟磁性薄膜として高い飽和磁束密度Bsと高い共鳴周波数frを有するものが必要であるが、非磁性下地膜上にFe−Co−Al−O磁性膜を成膜しても高い飽和磁束密度Bsと高い共鳴周波数frを有する軟磁性薄膜を製造することは困難であるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度Bsが23kG以上、共鳴周波数frが1GHz以上の特性を実現することが可能な軟磁性薄膜、その製造方法及び磁気ヘッドを提供するものである。
以上の点を考慮して、請求項1に係る発明は、基板上に下地膜としてAl膜を形成し、前記Al膜上にFe−Co−Al−O磁性膜が形成されている構成を有している。
この構成により、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度Bsが23kG以上、共鳴周波数frが1GHz以上の特性を有することが可能な軟磁性薄膜を実現することができる。
また、請求項に係る発明は、請求項1において、前記下地膜の膜厚が、0.5nm以上5nm以下の範囲のいずれかの厚さである構成を有している。
この構成により、請求項1の効果に加え、軟磁性特性を好適にすることが可能な軟磁性薄膜を実現することができる。
また、請求項に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記Fe−Co−Al−O磁性膜が、Al膜を中間層として複数層分離されて積層されている構成を有している。
この構成により、請求項1または請求項2の効果に加え、Al膜を中間層とすることによって、Ni−Fe膜では不可能な磁区制御ができると共に、中間層を構成する元素Alが非磁性体であるため、隣り合う磁性膜の端部の漏れ磁束を減らすことができ、透磁率の低下、ノイズの発生といった磁区構造に起因する課題を回避することが可能な軟磁性薄膜を実現することができる。
また、請求項に係る発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項において、前記軟磁性薄膜が、250℃から420℃までの温度範囲内で磁場中熱処理して製造された構成を有している。
この構成により、請求項1ないし請求項のいずれか1項の効果に加え、成膜時又は熱処理時に印加する磁界方向によって、その磁化容易軸方向を所望の方向に設定することが可能な軟磁性薄膜を実現することができる。
また、請求項に係る発明は、磁気ヘッドの軟磁性薄膜として、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の軟磁性薄膜を用いた構成を有している。
この構成により、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度Bsが23kG以上、共鳴周波数frが1GHz以上の特性を有する高性能の軟磁性体を有する磁気ヘッドを実現することができる。
また、請求項に係る発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の軟磁性膜を、250℃から420℃までの温度範囲内で磁場中熱処理する方法である。
この方法により、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度Bsが23kG以上、共鳴周波数frが1GHz以上の特性を有する軟磁性薄膜を生成することができると共に、成膜時又は熱処理時に印加する磁界方向によって、その磁化容易軸方向を所望の方向に設定することができる。
本発明は、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度が23kG以上、共鳴周波数が1GHz以上の特性を実現することができるという効果を有する軟磁性薄膜、その製造方法及び磁気ヘッドを提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の断面構造を概念的に示す図である。図1において、軟磁性薄膜は、基板110上に成膜された、下地膜120及び磁性膜130によって構成される。ここで、下地膜120としては、Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを用い、磁性膜130としては、Fe−Co−Al−O磁性膜を用いるものとする。基板110としては、表面酸化膜付のシリコンウェハー、コーニング7059(商標)又はアルミナチタンカーバイトなどを用いることができる。なお、下地膜120として、前述のもの以外にNi−Fe膜、Ta膜、W膜、Mg膜、Cr膜、Ti膜、Zr膜、V膜、Hf膜等を用いてもよい。
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の製造方法について説明する。
成膜には、米国IonTech.社製、ホローカソード型イオンソースを用いた。ターゲットには純度99.99%の(Fe75Co2599(Al[at.%]を使用し、装置内を2x10−8Torr以下まで真空排気した後、ビーム電圧を1200V、ビーム電流を120mAに設定し、クリプトンガス圧を0.8x10−4Torrとなるように導入して成膜した。また、成膜に用いる基板をターゲットと平行に設置し、毎分5回転で自転させた。また、マグネットを基板上に設置し150Oeの磁界を基板に印加しながら成膜した。堆積した膜の膜厚は10〜600nmとし、成膜後、5x10−7Torr以下の真空中において1kOeの磁界を印加しながら250〜500℃で1時間熱処理した。
作製した軟磁性薄膜の飽和磁束密度Bsと保磁力Hcとを、振動試料型磁力計を使用して測定した。なお、本実施の形態では飽和磁束密度Bsを磁界250Oeにおける磁束密度B250で評価した。また、高周波透磁率は、パーミアンスメータを使用して10MHzから2GHzにおける複素透磁率μ'−jμ"(μ'実部、μ"虚部)として測定した。また、以上の磁気特性は、いずれも磁化容易軸方向と直交する方向すなわち磁化困難軸方向について測定した。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の実施例1〜26の製造情報及びその諸特性を示す図である。図3は、軟磁性薄膜の実施例に対する比較例27〜46の諸特性を示す図である。ここで、軟磁性薄膜におけるFe−Co−Al−O薄膜の膜厚は、100nmである。なお、図2及び図3中の「下地膜」の欄内の右側の欄に示す数字は、下地膜の膜厚であり、その単位はnmである。また、μ'300MHzとして示された数値は、300MHzにおける複素透磁率の実部μ'の値である。さらに、図2及び図3中の記号「−」は測定不能を示し、「熱処理温度」の欄における「なし」という記載は、熱処理がないことを示す。
図2及び図3に示す結果に基づいて、概ね以下の事実が示される。
(1)Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを膜厚0.5nmから5nmの下地膜とすることによって、Fe−Co−Al−O薄膜はB250>22kG、Hc<6.0Oe、fr>1.6GHzの特性が熱処理なしで得られる(実施例1〜15参照)。
(2)Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを膜厚0.5nmから5nmの下地膜とするFe−Co−Al−O薄膜に対して、250℃から420℃の熱処理を施すことによって、Hcは3.5Oe以下に低下し、μ'300MHzは1000以上に増大する(実施例16〜20、22〜26参照)。
(3)膜厚2nmのNi−Fe膜を下地膜とすることによって、Fe−Co−Al−O薄膜はB250=22kG、Hc=4.6Oe、fr=1.7GHzの特性が熱処理なしで得られる(比較例29参照)。
(4)膜厚2nmのNi−Fe膜を下地膜とするFe−Co−Al−O薄膜に対して、250℃から420℃の熱処理を施すことによって、Hcは2.5Oe以下に低下し、μ'300MHzは850以上に増大する(比較例30〜34参照)。
(5)Ta、Mg、W、Cr、Ti、Zr、V及びHfのうちのいずれかを下地膜とするFe−Co−Al−O薄膜は、熱処理によってHcが低下するが25Oe以上と大きい(比較例27、28、35〜48参照)。
以上のことから、Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを下地膜とする場合に、Ni−Fe薄膜と同様、軟磁気特性が改善されることが明らかである。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の特性のAg膜の膜厚依存性を示す図である。図4に示すAg膜厚依存性は、軟磁性薄膜を構成するFe−Co−Al−O薄膜の膜厚が100nmのものである。図4に示すように、0.5nm以上のAg薄膜を堆積することによってFe−Co−Al−O薄膜の磁気特性が大幅に改善され、Hc<6Oe、μ'300MHz>430といった軟磁気特性が得られることがわかる。なお、これらAg薄膜を下地膜とするFe−Co−Al−O薄膜の飽和磁束密度Bsは、23kG以上であり、共鳴周波数frは1.6GHz以上であった。
図5は、図4に示す特性を有する上記の試料を350℃で1時間熱処理した後の特性を示す図である。図4及び図5から、350℃で1時間熱処理することによって軟磁気特性は改善され、膜厚0.5nmから5nmのAg下地膜を用いたときにHc<2.2Oe、μ'300MHz>1170といった特性が得られることがわかる。なお、これらAg薄膜を下地膜とするFe−Co−Al−O薄膜の熱処理後の飽和磁束密度Bsは、23kG以上であり、共鳴周波数frは1.8GHz以上であった。
図6は、図2に示す本発明の実施例20の複素透磁率μ'−jμ"の周波数特性を示す図である。図6に示す複素透磁率は、1mOe0−pの磁場を印加して計測されたものである。複素透磁率の実部μ'は、10MHzから1.5GHzの周波数において1000〜1500の範囲内にあり、虚部μ"が極大となる周波数すなわち強磁性共鳴周波数は、1.7GHz程度であることがわかる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜及びその製造方法は、Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを下地膜として用いることとしたため、非磁性下地膜を用いた場合でも飽和磁束密度Bsが23kG以上、共鳴周波数frが1GHz以上の特性を実現することができる。
また、Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかの下地膜の膜厚を0.5nmから5nmとすることによって、軟磁性薄膜の軟磁性特性を好適にすることができる。
さらに、本発明の軟磁性薄膜は、250℃から420℃までの温度範囲内で熱処理を施すことによって軟磁気特性が改善され、ヘッド作製プロセス時の処理温度、例えば約280℃に対する耐熱性を有する。
(第2の実施の形態)
図7(a)に示すように、磁性膜130が単層の磁性膜によって形成される場合、磁束の漏れが最小となるように磁性膜130の面内で磁束のループが形成され、磁性膜の端部で磁化の向き701の異なる磁区が形成される。特に、磁性膜のサイズが小さくなって、磁性膜の幅と膜厚が同じオーダーになると、反磁場すなわち形状磁気異方性は磁気特性を決める支配的な要因となる。
このような場合に、磁性膜130を非磁性体、例えばAu膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかを中間層702とする多層構造とすることによって、非磁性の中間層702を介して隣り合う2層のFe−Co−Al−O磁性膜703a、703bの端部では、お互いの磁化方向を反対にして静磁的に結合し、漏れ磁束すなわち反磁場エネルギーを減らすことが可能となる(図7(b))。このように、多層膜では磁区構造が簡単になり、容易軸に平行な磁化を持つ領域が大幅に増える。一般に、単層膜に対して多層膜の方が高い透磁率を持ち、周波数特性も優れている。
本発明の軟磁性薄膜の磁化容易軸方向は、成膜時の磁場印加方向あるいは熱処理時の磁場印加方向に対して平行である。したがって、磁化容易軸方向を所望の方向に設定可能である。実施例26の試料は、成膜時の磁化容易軸方向に対して直交する方向に磁界を設定して熱処理を施して、磁化容易軸方向を90度回転させたものである。なお、磁場印加における熱処理の温度としては、本発明の第1の実施の形態において示した熱処理温度、すなわち250℃から420℃までの温度範囲内の温度とすることができる。
前述の実施例26の試料においてもB250=23.5kG、Hc=2.8Oe、fr=1.7GHzの特性が得られている。この様な特性を有することは、本発明を磁気ヘッドに適用する場合に非常に有用なものである。以下では、図8に概念的に示す垂直磁気記録ヘッドを例にとり説明する。図8に示す垂直磁気記録ヘッドでは、垂直記録媒体801、リターンヨーク803及び記録磁極804から磁気回路が構成され、垂直記録媒体801に磁化802が記録されるようになっている。ここで、図8においてWで示されたトラック幅方向を磁化容易軸に平行とすることによって、記録磁極804からの磁界強度を大きくでき、垂直記録媒体801への記録感度を向上することが可能となる。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る軟磁性薄膜、その製造方法及び軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッドは、Au膜、Ag膜、Al膜及びRu膜のうちのいずれかの非磁性体膜を中間層とすることによって、Ni−Fe膜では不可能な磁区制御が可能となる。
また、本発明の多層膜は、中間層を構成する元素であるAu、Ag、Al及びRuのうちのいずれかが非磁性体であるため、隣り合う磁性膜の端部の漏れ磁束を減らすことができ、透磁率の低下、ノイズの発生といった磁区構造に起因する課題を回避することができる。
また、本発明の軟磁性薄膜は、成膜時又は熱処理時に印加する磁界方向によって、その磁化容易軸方向を所望の方向に設定できる。これによって、軟磁性薄膜を垂直磁気ヘッドの磁極に使用する場合、その磁化容易軸方向をトラック幅方向と平行とすることによって、記録磁極からの磁界強度を向上でき、垂直媒体への記録感度を高めることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の断面構造を概念的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の実施例等の製造情報及びその諸特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の比較例等の製造情報及びその諸特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る軟磁性薄膜の特性の、Ag膜の膜厚依存性を示す図である。 図4に示す特性を有する試料を350℃で1時間熱処理した後の特性を示す図である。 図2に示す本発明の実施例20の複素透磁率μ'−jμ"の周波数特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁性膜130の概念的な構造及びその効果を説明するための図である。 垂直磁気記録ヘッドの概念的な構造を示す図である。
符号の説明
110 基板
120 下地膜
130 磁性膜
701 磁化の向き
702 中間層
703a、703b Fe−Co−Al−O磁性膜
801 垂直記録媒体
802 磁化
803 リターンヨーク
804 記録磁極

Claims (6)

  1. 基板上に下地膜としてAl膜を形成し、前記Al膜上にFe−Co−Al−O磁性膜が形成されていることを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 前記下地膜の膜厚は、0.5nm以上5nm以下の範囲のいずれかの厚さであることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性薄膜。
  3. 前記Fe−Co−Al−O磁性膜は、Al膜を中間層として複数層分離されて積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟磁性薄膜。
  4. 250℃から420℃までの温度範囲内で磁場中熱処理して製造されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の軟磁性薄膜。
  5. 軟磁性薄膜として、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軟磁性薄膜を用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の軟磁性膜を、250℃から420℃までの温度範囲内で磁場中熱処理することを特徴とする軟磁性薄膜の製造方法。
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