JP4490006B2 - 自動配線方法,自動配線処理装置および自動配線処理プログラム - Google Patents

自動配線方法,自動配線処理装置および自動配線処理プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,計算機によるLSIやプリント板の配線設計において,今まで配線できなかった回路でも配線可能にしたり,時間がかかっていた回路を速く配線するための自動配線方法,自動配線処理装置および自動配線処理プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動配線においては,特に大規模な配線問題において配線領域全体を一度に正確に処理することが,計算機のメモリ使用量の制約から不可能になってしまったため,全体的な配線経路を決定する概略配線と,正確に細かい経路を決定する詳細配線という2つの段階に分けて配線を行うのが一般的である。
【0003】
概略配線では,配線領域全体を一度に処理するが,例えば細かい配線禁止の形状は考慮しない,各層毎に決められている主配線方向しか配線しない,小さな領域を単純化した一つの代表点にする,といったモデルの簡単化を行い,一度に使用できるメモリ使用量に抑えて処理を進める。
【0004】
詳細配線では,正確に配線を行うが,配線領域を分割して少しずつ配線を行うことで,一度に使用できるメモリ使用量に抑えて処理を行う。
【0005】
各配線層は,主配線方向と呼ばれる好ましい配線方向を持っており,配線は,できるだけその方向に沿って行う。ここでは,主配線方向以外の方向を従配線方向と呼ぶことにする。従配線方向へ長く配線することは,主配線方向への多くの配線を阻害することになるので,通常は短い距離しか従配線方向へは配線しないようにする。これによって配線密度を上げる。
【0006】
特に概略配線では,短い配線を表現できない簡単化したモデルを用いるので,従配線方向の配線を行わないのが普通である。このため,一般的に概略配線では,プログラムのアルゴリズムやデータ構造として,従配線方向の配線を行うことができないようにしているものが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図14は,従来の概略配線方式による配線結果の例であって,図14の(a)は第2配線層,(b)は第3配線層を示している。図中のA点とB点とを配線でつなぐものとする。101は電源リングの配線禁止領域,102はマクロセルの配線禁止領域である。第2配線層において,A−B間を配線するためには,電源リングの配線禁止領域101を通らないように配線を行う必要があるため,第2配線層から第3配線層を経由した配線が必要になる。ここで,第2配線層の主配線方向はx軸方向であり,第3配線層の主配線方向はy軸方向である。
【0008】
従来の概略配線方式による配線では,一般に主配線方向の配線処理だけを行うので,第2配線層のA点からビア201を経由して第3配線層へ移り,第3配線層ではビア201からビア203,次に第2配線層へ戻ってビア203からビア204,さらに第3配線層では,ビア204からビア202,第2配線層へ戻ってビア202からB点へと配線が行われていた。
【0009】
したがって,従来の技術では,次のような問題があった。
1.概略配線の最中は,従配線方向の配線を通常は行わないので,図14のような場合に,長い迂回経路の解しか見つけることができなかった。
2.また,概略配線中は,電源リングの配線領域101やマクロセルの配線禁止領域102の間の細い領域などのような特定の領域(例えば図14のHの領域)が非常に混雑することが多く,その混雑は,従配線方向に配線しない限り解消できないにもかかわらず,無駄に配線解消の計算をして,計算時間が長くかかってしまうことがあった。
3.また,概略配線で従配線方向を許す方式もあるが,この場合には,処理速度が著しく悪化する傾向があった。
4.また概略配線で従配線方向を許しても,従配線方向の配線はそこを走る主配線方向の多くの線分に邪魔されて配線できないことが多かった。
5.また,詳細配線の際に,配線領域が大きく配線経路全体が入るような場合には,図14のようなケースにおいて,第2配線層ではAからビア201と,ビア202から点Bへの配線,第3配線層ではビア201からビア202への配線というような短い経路を見つけられることがあったが,詳細配線において配線領域を広くすることは,メモリ使用量を増やし,配線速度を悪化させる原因になった。
【0010】
本発明は上記問題点の解決を図り,概略配線で主配線方向と異なる方向の配線を,少ないプログラムの変更で,処理速度をほとんど落すことなく実現し,従来配線できなかった回路を配線し,配線できても時間がかかっていた回路を速く配線できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は,LSIやプリント板の概略配線において,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層とは主配線方向が異なる他の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない層に移動することにより,配線禁止領域を移動した移動先の領域を,移動元の配線禁止領域を乗り越えて配線するための配線領域として確保して概略配線を実施し,詳細配線時に元の配線層に戻すことで,主配線方向とは異なる方向の配線を,容易に発生させることができるようにする。
【0012】
移動対象の配線禁止領域を求める場合,例えば配線禁止領域の外接矩形における従配線方向の長さと主配線方向の長さとの比,または従配線方向の長さが,所定の値よりも大きい形状の配線禁止領域を最初に見つけ,例えば主配線方向の配線を著しく阻害する形状の配線禁止部分を最初に見つける。見つけたならば,それを他の層へ移動する。
【0013】
また,移動する配線禁止領域をビア敷設可能な幅だけ大きくしてから,他の層に,配線禁止が一切ないことを調べて,それを他の層へ移動する。移動する配線禁止領域をビア幅の分太らせて,移動可否を検査することにより,詳細配線時に元の配線層に戻したときにビアを敷設できなくなるようなことを回避できる。
【0014】
また,配線禁止領域を移動した層の反対側の層との間にビアのみの禁止を行うことにより,配線できないパターンの発生を抑える。
【0015】
また,移動してきた配線禁止領域が,配線に必要な領域を塞ぐことのないように,配線に必要な領域にはあらかじめマークを付けておき,そのマークを付けた部分への移動を禁止する。
【0016】
また,配線禁止領域が移動していった先の配線層の領域の情報を詳細配線に引き継ぎ,詳細配線で配線する際に,配線禁止領域が移動してきた元の領域の主配線方向の配線アルゴリズムや配線コストを詳細配線に用いる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明の実施の形態に係るシステム構成例を示す。自動配線処理装置10は,CPUおよびメモリなどからなり,配線対象の配線データ17を入力し,自動配線した結果の配線結果データ18を出力する。
【0018】
自動配線処理装置10は,自動配線を行うためのソフトウェアプログラムを利用した手段として,配線データ17を入力する配線データ入力部11,禁止の移動処理部12,概略配線処理部13,移動した禁止の後処理と詳細配線の前処理部14,詳細配線処理部15,および配線結果データ18を出力する配線結果出力部16を備える。以上の手段は,計算機と,その計算機にインストールされ実行されるソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムは,計算機が読み取り可能な可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスク等の適当な記録媒体に格納することができる。
【0019】
これらのうち,配線データ入力部11,概略配線処理部13,詳細配線処理部15および配線結果出力部16は,概略配線と詳細配線を行う2段階の配線処理を行うシステムと同様な処理を行う。詳細配線処理部15では,配線可能な線をグリッドで表した配線領域に対して詳細な配線を行う。概略配線処理部13では,全体の配線領域を,詳細配線における何個かのグリッドを集めたグリッド群で分割し,例えば一つのグリッド群内に縦・横方向にそれぞれ8個のグリッドが並ぶ場合には,一つのグリッド群内に縦・横方向にそれぞれ8本の配線が可能であるとして,おおまかな配線処理を行う。配線層ごとに主配線方向と従配線方向とが定められており,概略配線処理部13では,原則として主配線方向のみの配線処理を行うことにより,配線密度を上げるとともに,配線処理速度を向上させることを図っている。これらの概略配線処理部13および詳細配線処理部15の処理については,従来から種々の方式が知られているので,ここでのこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0020】
本発明に特有の部分は,特に禁止の移動処理部12と移動した禁止の後処理と詳細配線の前処理部14の処理に関する部分であるので,以下ではこの部分を中心に詳しく説明する。
【0021】
図2は,本発明の配線方式による配線結果の例を示す。図3は,図2におけるA,Bの周辺を拡大して示した図である。
【0022】
図2の(a)は第2配線層,(b)は第3配線層を示し,図中のA点とB点とを配線でつなぐものとする。ここでは配線禁止として,電源リングの配線禁止領域101,マルロセルの配線禁止領域102がある。A−B間を配線するためには,電源リングの配線禁止領域101を通らないように配線する必要があるため,第2配線層から他の層(例えば第3配線層)を経由した配線が必要になる。ここで,第2配線層の主配線方向はx軸方向であり,第3配線層の主配線方向はy軸方向である。
【0023】
従来の概略配線方式による配線では,図14で説明したように,長い迂回経路の解しか見つけることができなかった。好ましい配線経路は,図2に示すように,第3配線層の主配線方向がy軸方向であっても,第3配線層において,ビア201とビア202とを配線303によってつなぐことである。すなわち,図3(b)に示すように,A点→配線301→ビア201→配線303→ビア202→配線302→B点というような配線経路が望ましい。
【0024】
そこで 本発明では,概略配線を開始する前に,他の層へ移動するべき配線禁止領域(以下,単に「禁止」ともいう)を求めて,それを他の層へ移動した配線モデルを生成する。これは,移動先の配線領域を,移動元の配線禁止を乗り越えて配線するための配線領域として確保することを意味している。
【0025】
図3(a)のA点とB点とを配線する場合に,図3(b)のような配線経路が望ましいが,この経路は,第3配線層で従配線方向に配線を行う必要がある。従来の多くの概略配線では,従配線方向の配線ができないため,この(b)の配線経路を見つけるのは難しい。本発明では,図3(c)に示す配線モデルのように,第2配線層における配線禁止領域101を第3配線層に移動するモデル化を行い,これに対して概略配線を行い,概略配線が終了して,詳細配線を行う段階で第3配線層に移動した配線禁止領域101’を元の第2配線層の配線禁止領域101に戻し,図3(b)に示す配線を実現する。
【0026】
第3配線層に,第2配線層の配線禁止領域101を移動することによって,移動後の配線禁止領域101’を第3配線層での概略配線に使用させないように確保している。
【0027】
詳細配線では,図3の(c)のように行われた概略配線結果を,従来のようにそのまま普通に再配線しても,図3の(b)のように配線される可能性は高いが,どの領域を図3の(c)のように変換したかはわかっているので,その部分を詳細配線の前に図3の(b)のように変換することは,通常の経路探索の計算量に比べて遥かに少ない計算量で行うことができる。
【0028】
本発明の方式では,概略配線時は,依然主配線方向の配線しか行わないにもかかわらず,結果として従配線方向を許した配線を実現していることになる。主配線方向の配線しか行わないため,既存のプログラムを大きく変更する必要がない。従配線方向の探索を行うことは経路探索の計算量を増やすため配線速度の低下を招くが,本方式では経路探索の計算量は一切増加しない。従来,従配線方向の探索を行っても,そこに先に配線された主配線方向の線分が障害物となって,従配線方向に配線することができないことが多かったが,本方式では概略配線において主配線方向の配線しかないので,そのようなことも起きない。
【0029】
本実施の形態では,概略配線終了後に,本方式により移動した禁止のあった領域を通過している線分をすべて,その禁止の移動先の配線層へ移動し,両端をビアで接続する。すなわち,図3の(c)の状態を,(b)の状態へ変換する。これを行うことで,行わない場合に比べ,詳細配線の配線時間を短縮したり,図3(b)の配線結果を確実に発生することができるようになる。
【0030】
なお,本実施の形態では,概略配線の前に配線禁止の移動を行っているが,概略配線の中で行われるマップと呼ばれる配線禁止位置の計算の際に,配線禁止の移動を行ってもよい。
【0031】
以下,本発明の実施の形態をさらに詳しく説明する。
【0032】
〔第1の実施の形態〕
図4は,第1の実施の形態の処理フローチャートである。ステップS1では,各配線禁止(領域)について,主配線層の配線を著しく阻害する形状の禁止を調べる。
【0033】
図5は,主配線層の配線を著しく阻害する形状の例を説明する図である。主配線層の配線を著しく阻害する形状の禁止かどうかの判断は,例えば配線禁止領域103が矩形にて定義されている場合には,主配線方向の長さをL1,従配線方向の長さをL2としたとき,従配線方向の長さL2が主配線方向の長さL1に比べてかなり長いときに,配線を著しく阻害する形状の禁止であると認定することによって行う。配線禁止領域103が矩形にて定義されていない場合には,例えばその配線禁止領域の外接矩形における主配線方向の長さL1と従配線方向の長さL2とを比較することや,配線禁止領域を矩形に近い形状に分割して,主配線方向の長さL1と従配線方向の長さL2とをそれぞれ分割した配線禁止領域に対して定め,それらを比較することが考えられる。また,主配線方向の長さL1は考慮しないで,従配線方向の長さL2だけで判断してもよい。
【0034】
具体的には,主配線方向の長さL1と従配線方向の長さL2に対して,
L1<10×L2
を満たす場合や,
L2>定数K
を満たす場合などに,その配線禁止は主配線層の配線を著しく阻害する形状の禁止であると判断する。定数Kは,判定のためのあらかじめ定められた設定値である。
【0035】
ステップS2の判定により,主配線層の配線を著しく阻害する形状の禁止の場合に他の層に移動すべき禁止としてステップS3へ進み,そうでない場合には,ステップS6に進む。
【0036】
ステップS3では,移動するべき禁止に相当する他の層の領域に配線禁止等の障害物がないかどうかを調べる。配線禁止等の障害物がある場合には,ステップS5の禁止の移動処理を行わない(ステップS4)。障害物がない場合には,ステップS5において,ステップS1で検出した主配線層の配線を著しく阻害する形状の禁止を他の層の領域に移動し,その移動した情報を記憶する。
【0037】
ステップS6では,処理中の配線層にまだ配線禁止があるかどうかを調べ,まだある場合にはステップS1へ戻り,同様に処理を繰り返す。すべての配線禁止について調べたなら,ステップS7へ進み,配線禁止移動後の配線モデルについて,概略配線の処理を行う。ここでの概略配線の処理については周知の技術を用いることができるので説明を省略する。
【0038】
ステップS8では,概略配線の結果について,移動する前の配線禁止領域を通過している線分を,移動先の層へ移動し,移動先の層の線分の両端と,現在処理している層の対応する配線の線分とをビアで接続する。
【0039】
ステップS9では,他の層へ移動した配線禁止領域を元に戻す。ステップS10では,概略配線を行った後の配線禁止領域を元に戻した結果について詳細配線を行う。詳細配線の詳しい説明については,周知の技術を用いることができるので説明を省略する。詳細配線が終了したならば,配線終了となる。
【0040】
〔第2の実施の形態〕
図6は,第2の実施の形態の処理フローチャートである。図7は,第2の実施の形態を説明するための図である。
【0041】
第2の実施の形態において,第1の実施の形態と異なる点は,ステップS13の処理が加わっていることである。他は,第1の実施の形態で説明した処理と同様である。ステップS13では,他の層へ移動すべき配線禁止があった場合,禁止の主配線方向に直交するすべての辺を,ビアの幅と必要なクリアランスの分だけ拡大する。
【0042】
例えば図7(a)に示す配線例において,好ましい配線結果は図7(b)のとおりであるが,第2配線層から第3配線層を経由して,第2配線層に配線するには,ビア201,202とクリアランス分の領域が必要になる。そこで,本実施の形態では,移動前の配線禁止領域101を,図7(c)および(d)に示すように,移動先の主配線方向と直交する辺だけは,ビアを打つのに必要な大きさ分だけ拡大して移動する。ビアを打つのに必要な大きさは,ビアの直径の他にビアを禁止から決められた間隔だけ離すためのクリアランス等を含む。図7では,x軸方向の幅は拡大してあるが,y軸方向の幅は拡大していない。この拡大により,確実に図7(b)のような好ましい配線経路に必要な領域を確保することができるようになる。
【0043】
〔第3の実施の形態〕
図8は,第3の実施の形態の処理フローチャートである。図9は,第3の実施の形態を説明するための図である。
【0044】
第3の実施の形態において,第1の実施の形態と異なる点は,ステップS36の処理が加わっていることである。他は,第1の実施の形態で説明した処理と同様である。ステップS36では,他の層へ配線禁止を移動した後,その配線禁止を移動した先と逆側の層間にビア禁止を発生する。
【0045】
すなわち,図9(a)に示すように,例えば第2配線層から第3配線層へ配線禁止領域101を移動させたときに,移動させた方向の反対側の第1配線層と第2配線層との間に,ビアだけを禁止するビア禁止領域401を発生させる。もし,このビア禁止を発生させない場合には,図9(b)のように,移動させた方向の反対側の第1配線層から,移動させる前の領域の配線へビア205を使って接続する配線経路が生成されることがある。ところが,これは図9(c)のように,移動先の第3配線層へビア205’,206’を使って接続することを意味しており,これではビア205’が配線禁止領域101’を貫通しなければならなくなる。配線禁止領域は一般にビアも禁止されているため,図9(c),すなわち図9(b)の配線は実際には配線することができない。
【0046】
そこで,第3の実施の形態では,ビア禁止を移動先と逆側の層間に生成することにより,このような実際には配線できない配線経路の発生を回避することを可能としている。
【0047】
〔第4の実施の形態〕
図10は,第4の実施の形態の処理フローチャートである。図11は,第4の実施の形態を説明するための図である。
【0048】
第4の実施の形態において,第1の実施の形態と異なる点は,配線禁止を移動させたときに,端子の引き出し部分などをブロックしてしまい配線ができなくなるような事態を抑制するために,あらかじめ端子の引き出し方向などにマークを付けておき,禁止を移動する際にマークを障害物と同様に扱い,マークを避けるようにしている点である。
【0049】
例えば図11(a)に示すように,マクロセル105の端子が特定の層だけにしかない場合には,その層から必ず端子を引き出す必要がある。もし,そこに他の層から禁止が移動してきて,引き出し方向を完全に塞いでしまうと,配線することができなくなってしまう。それを防ぐために,図11(b) に示すように,あらかじめ禁止が移動してこないようにするためのマーク110を付ける。マーク110を付けるのは,引き出した配線が,他の層へ移動するのに最低限必要な領域だけでもよい。
【0050】
そのための処理手順は,以下のとおりである。まず,ステップS51では,端子の引き出し方向のようにその領域を使わなければ配線できない場所にマークを付ける。その後のステップS52,S53は,第1の実施の形態における図4のステップS1,S2と同様である。続くステップS54では,移動するべき禁止に相当する他の層に配線禁止等の障害物がないかを調べるだけでなく,マークも付けられていないかを調べる。換言すれば,マークが付けられた領域も配線禁止と同様な障害物として扱う。
【0051】
ステップS55では,移動先の層に配線禁止等の障害物やマークがあった場合に,ステップS56をスキップし,禁止の移動を取り止める。以降の処理については,第1の実施の形態と同様である。
【0052】
〔第5の実施の形態〕
図12は,第5の実施の形態の処理フローチャートである。図13は,第5の実施の形態を説明するための図である。
【0053】
第5の実施の形態において,第1の実施の形態と異なる点は,ステップS80の処理が加わっていることである。他は,第1の実施の形態で説明した処理と同様である。ステップS80では,概略配線処理をして,他の層へ移動した配線禁止領域を元の層に戻した後,禁止が移動してきた前記他の層の領域の主配線方向と従配線方向を反転する。ステップS81の詳細配線では,その移動してきた配線禁止領域に相当する領域だけ,主配線方向が直交することになる。
【0054】
例えば図13は,配線禁止領域104を第2配線層から第3配線層へ移動して概略配線を行い,その後で詳細配線を行った様子を示している。第2配線層の主配線方向はx軸方向であり,第3配線層の本来の主配線方向はy軸方向である。しかし,図13(c)に示すように,第3配線層の禁止が移動してきた領域104’では,その層の従配線方向(x軸方向)の配線が多く行われ,それ以外の場所では,本来の主配線方向(y軸方向)の配線が多く行われることになる。
【0055】
詳細配線では,配線方向をできるだけ主配線方向に向かせるために,主配線方向と従配線方向では,配線コストが違ったり,アルゴリズムが異なったりする。そのため,図13(c)のような,従配線方向の多い領域は効率よく配線できないことがある。
【0056】
そこで,第5の実施の形態では,禁止が移動してきた領域を詳細配線処理部15に知らせ,詳細配線処理部15では,その領域だけ主配線方向と従配線方向とを反転させた配線を行う。これにより,詳細配線において,禁止が移動してきた領域104’についてもアルゴリズムや配線コストは効率のよいものが選択される。
【0057】
以上,本発明の各種の実施の形態を説明したが,これらの実施の形態のいくつかを任意に組み合わせて本発明を実施できることは言うまでもない。
【0058】
以上説明した本発明の実施の形態の特徴を,以下に列挙する。
【0059】
(付記1) 概略配線を行った後,概略配線の結果をもとに詳細配線を行う自動配線方法において,
概略配線の際に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層の上または下の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動して配線を行い,
概略配線の後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻して詳細配線を行う
ことを特徴とする自動配線方法。
【0060】
(付記2) 付記1記載の自動配線方法において,
概略配線の前に,主配線方向の配線を著しく阻害する形状の配線禁止領域を最初に見つけ,それを他の配線層へ移動する前記特定の配線禁止領域とする
ことを特徴とする自動配線方法。
【0061】
(付記3) 付記1または付記2記載の自動配線方法において,
前記特定の配線禁止領域を他の配線層へ移動する場合に,移動する配線禁止領域をビア敷設可能な幅だけ大きくしてから,他の配線層に配線禁止が一切ないことを調べて,それを他の配線層へ移動する
ことを特徴とする自動配線方法。
【0062】
(付記4) 付記1,付記2または付記3記載の自動配線方法において,
前記禁止を移動した配線層の反対側の配線層との間にビアのみの禁止を行うことにより,配線できないパターンの発生を抑える
ことを特徴とする自動配線方法。
【0063】
(付記5) 付記1から付記4までのいずれかに記載の自動配線方法において,
移動してきた配線禁止領域が,配線に必要な領域を塞ぐことのないように,配線に必要な領域にはあらかじめマークを付けておき,そこへの移動を禁止する
ことを特徴とする自動配線方法。
【0064】
(付記6) 付記1から付記5までのいずれかに記載の自動配線方法において,
禁止が移動して行った先の領域の情報を詳細配線に引き継ぎ,詳細配線で配線処理する際に,禁止が移動してきた元の領域については主配線方向と従配線方向とを反転させて配線処理を行う
ことを特徴とする自動配線方法。
【0065】
(付記7) 計算機を用いて自動配線する自動配線処理装置において,
配線対象の配線データを入力する手段と,
概略配線の前に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層の上または下の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動させた配線モデルを生成する手段と,
前記生成した配線モデルについて概略配線処理を行う手段と,
前記概略配線処理を行った後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻す手段と,
前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻したものについて詳細配線処理を行う手段と,
詳細配線処理を行った配線結果を出力する手段とを備える
ことを特徴とする自動配線処理装置。
【0066】
(付記8) 計算機を用いて自動配線するための自動配線処理プログラムであって,
配線対象の配線データを入力する処理と,
概略配線の前に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層の上または下の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動させた配線モデルを生成する処理と,
前記生成した配線モデルについて概略配線を行う処理と,
前記概略配線処理を行った後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻す処理と,
前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻したものについて詳細配線を行う処理と,
詳細配線を行った配線結果を出力する処理とを,
計算機に実行させるための自動配線処理プログラム。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,配線禁止領域を他の層へ移動した配線モデルで概略配線を行うことにより,概略配線で主配線方向と異なる方向の配線を,少ないプログラムの変更で,処理速度をほとんど落すことなく実現することができるようになり,従来配線できなかった回路を配線し,配線できても時間がかかっていた回路を速く配線することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明による配線結果の例を示す図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】第1の実施の形態の処理フローチャートである。
【図5】主配線層の配線を著しく阻害する形状の例を説明する図である。
【図6】第2の実施の形態の処理フローチャートである。
【図7】第2の実施の形態を説明するための図である。
【図8】第3の実施の形態の処理フローチャートである。
【図9】第3の実施の形態を説明するための図である。
【図10】第4の実施の形態の処理フローチャートである。
【図11】第4の実施の形態を説明するための図である。
【図12】第5の実施の形態の処理フローチャートである。
【図13】第5の実施の形態を説明するための図である。
【図14】従来技術による配線結果の例を示す図である。
【符号の説明】
10 自動配線処理装置
11 配線データ入力部
12 禁止の移動処理部
13 概略配線処理部
14 移動した禁止の後処理と詳細配線の前処理部
15 詳細配線処理部
16 配線結果出力部
17 配線データ
18 配線結果データ

Claims (5)

  1. 概略配線を行った後,概略配線の結果をもとに詳細配線を行う,計算機が実行する自動配線方法において,
    概略配線の際に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層とは主配線方向が異なる他の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動することにより,配線禁止領域を移動した移動先の領域を,移動元の配線禁止領域を乗り越えて配線するための配線領域として確保して概略配線を実施し,
    概略配線の後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻して詳細配線を行う
    ことを特徴とする自動配線方法。
  2. 請求項1記載の自動配線方法において,
    前記計算機が,概略配線の前に,配線禁止領域の外接矩形における従配線方向の長さと主配線方向の長さとの比,または従配線方向の長さが,所定の値よりも大きい形状の配線禁止領域を最初に見つけ,それを他の配線層へ移動する前記特定の配線禁止領域とする処理を実行する
    ことを特徴とする自動配線方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の自動配線方法において,
    前記計算機が,前記特定の配線禁止領域を他の配線層へ移動する場合に,移動する配線禁止領域をビア敷設可能な幅だけ大きくしてから,他の配線層に配線禁止が一切ないことを調べて,それを他の配線層へ移動する処理を実行する
    ことを特徴とする自動配線方法。
  4. 計算機を用いて自動配線する自動配線処理装置において,
    配線対象の配線データを入力する手段と,
    概略配線の前に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層とは主配線方向が異なる他の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動することにより,配線禁止領域を移動した移動先の領域を,移動元の配線禁止領域を乗り越えて配線するための配線領域として確保した配線モデルを生成する手段と,
    前記生成した配線モデルについて概略配線処理を行う手段と,
    前記概略配線処理を行った後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻す手段と,
    前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻したものについて詳細配線処理を行う手段と,
    詳細配線処理を行った配線結果を出力する手段とを備える
    ことを特徴とする自動配線処理装置。
  5. 計算機を用いて自動配線するための自動配線処理プログラムであって,
    配線対象の配線データを入力する処理と,
    概略配線の前に,特定の配線禁止領域を,その配線禁止領域の定義された配線層とは主配線方向が異なる他の配線層であって,その配線禁止領域に相当する領域に配線禁止が一切ない配線層に移動することにより,配線禁止領域を移動した移動先の領域を,移動元の配線禁止領域を乗り越えて配線するための配線領域として確保した配線モデルを生成する処理と,
    前記生成した配線モデルについて概略配線を行う処理と,
    前記概略配線処理を行った後に,前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻す処理と,
    前記移動した配線禁止領域を元の配線層に戻したものについて詳細配線を行う処理と,
    詳細配線を行った配線結果を出力する処理とを,
    計算機に実行させるための自動配線処理プログラム。
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