JP4489527B2 - 炭素繊維の作製方法 - Google Patents

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本発明は、グラファイトナノファイバ、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、チューブ状グラファイト、先端が細く尖っているカーボンナノコーン、コーン状グラファイト等の極細炭素繊維、及び極細炭素繊維を有する電界放出素子の作製方法に関する。
近年、極細炭素繊維は、様々なデバイスへの応用が期待されている。このため、様々な極細炭素繊維の製造方法が検討されている。
代表的な極細炭素繊維の製造方法としては、アーク放電法、レーザ蒸発法、CVD(Chemical vapor deposition)法等が挙げられる(非特許文献1参照。)。
極細炭素繊維の代表例としては、カーボンナノチューブ(以下、CNT(Carbon Nanotube)と示す)、カーボンナノファイバ、グラファイトナノファイバ、チューブ状グラファイト、先端が細く尖っているカーボンナノコーン、コーン状グラファイトなどの極細炭素繊維、フラーレン等が挙げられる。
CNTは、ナノメートルサイズの円筒状グラファイトのことをいう。CNTとしては、単層ナノチューブと多層ナノチューブがある。単層ナノチューブは、一枚のグラフェンシート(単原子層の炭素六角網面)が円筒状に閉じたチューブであり、その直径はおよそ1〜10nm程度、長さは1〜100μmである。多層ナノチューブは、円筒状のグラフェンシートが多層に積み重なったもので、その外径が5〜50nm、中心空洞の直径が3〜10nm、長さは1〜100μmである。
CNTは、先鋭な先端及び針状の形状を有し、熱的及び化学的に安定であり、機械的に強靭であり、導電性を有する等の特性を有し、走査線型プローブ顕微鏡の探針(Scanning Probe Microscope;SPM)、電界放出表示装置(以下、FED(Field Emission Display)と示す。)の電界放出素子、FET(Field Effect Transistor)のチャネル領域に応用されている。また、チューブの中やチューブ間に本質的に大きな空間をもった一次元的細孔状という構造を生かして、リチウム電池の負極材料、ガス吸蔵物質等への研究が行われている。
また、極細炭素繊維は、低仕事関数であり負の電子親和力を持つため、電界放出表示装置の電界放出素子として応用されている。
FEDの電界放出素子に極細炭素繊維を用いた作製方法の例として、特許文献1に記載されているように、一部露出されたシリコン基板表面に金属ドットを形成し、電磁石により金属ドットにシリコン基板表面に対して垂直方向に磁場を印加して、金属ドットを吸引しながら金属ドットとシリコン基板の間にCNTを成長させて電子放出部を形成したものがある(特許文献1参照。)。
「カーボンナノチューブ−期待される材料開発」,株式会社シーエムシー, 2001年11月10日, p3−4 特開2000−86216号公報
しかしながら、従来の製造方法では極細炭素繊維の直径と長さを独立に制御する事が難しく、直径のばらつきが大きいという問題がある。一般に、金属膜を触媒としてCNT等の極細炭素繊維を形成する場合、これらの直径は、金属膜の直径に依存するといわれている。特許文献1では、金属ドットを触媒として、CNTを形成しているが、数nm〜数十nmの金属ドットを形成する工程は複雑であり、即ちCNTの直径を制御するのは困難であるという問題があった。
本発明は、上記問題点を鑑みなされたものであり、直径を制御することが可能な極細炭素繊維の作製方法を提供することを目的とする。また、電子放出部が極細炭素繊維で形成されており、且つこれらの密度及び直径を制御することが可能な電界放出素子の作製方法を提案することを目的とする。
本発明は、半導体膜の結晶粒界において金属元素又は金属珪化物の大きさ及び密度を制御して凝集させ、該金属元素又は金属珪化物を核として極細炭素繊維を形成することを特徴とする。
また、本発明は、絶縁性を有する表面上に形成された半導体膜の結晶粒の多重点の密度を制御し、該多重点の表面に金属元素又は金属珪化物を凝集した後、炭素を含む雰囲気で加熱処理又はプラズマ処理して、極細炭素繊維を形成し、該極細炭素繊維を結晶性半導体膜から解離することを特徴とする。
また、本発明は、半導体膜の結晶粒界に金属元素又は金属珪化物の大きさ及び密度を制御して凝集させ、該金属元素又は金属珪化物を核として、極細炭素繊維を電子放出部とする電界放出素子を形成することを特徴とする。
また、本発明は、絶縁性を有する表面上に形成された半導体膜の結晶粒の多重点の密度を制御し、該多重点の表面に金属元素又は金属珪化物を凝集した後、炭素を含む雰囲気で加熱又はプラズマ処理して、極細炭素繊維で形成される電子放出部を有する電界放出素子を形成することを特徴とする。
なお、本発明で形成される電子放出部は、電界放出素子のカソード電極表面に形成されている。カソード電極は、結晶性半導体膜で形成されており、電子放出部は、CNT、カーボンナノファイバ、グラファイトナノファイバ、チューブ状グラファイト、先端が細く尖っているカーボンナノコーン、コーン状グラファイトなどの極細炭素繊維で形成されている。
また、本発明において、結晶性半導体膜の多重点に、金属元素又は金属珪化物を形成する方法としては、非晶質半導体膜上に金属元素を添加した後、非晶質半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成すると共に、結晶粒の多重点に金属元素又は金属珪化物を形成する。
また、本発明において、結晶性半導体膜の多重点に金属元素又は金属珪化物を形成する方法としては、結晶性半導体膜上に金属元素を添加した後加熱して、結晶粒の多重点に金属元素又は金属珪化物を形成する。
また、本発明において、結晶性半導体膜の多重点に金属元素又は金属珪化物を形成する方法としては、非晶質半導体膜上に金属元素を添加した後、レーザ光を照射して、非晶質半導体膜を結晶化すると共に、結晶粒の多重点に金属元素又は金属珪化物を形成する。
本発明においては、金属元素は、非晶質半導体膜の結晶化を促進させるものであり、代表的には、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を適応することができる。
また、本発明においては、上記極細炭素繊維を用いて、走査線型プローブ顕微鏡の探針、リチウム電池の負極材料、ガス吸蔵物質、FET、及び該FETを有する半導体装置を作製することができる。
本発明の極細炭素繊維の作製方法により極細炭素繊維の直径を制御することが可能であり、この結果均一な直径を有する極細炭素繊維を形成することができる。また、均一な直径の極細炭素繊維を電子放出部として有する電界放出素子を形成することができる。また、電界放出素子の電子放出部の密度も制御することができる。このため、エミッション電流を各画素において均一に放出することが可能であり、ばらつきのない表示が可能なFEDを形成することが可能となる。
また、本発明により作製された極細炭素繊維は、均一な直径を有するため、信頼性の高い、走査線型プローブ顕微鏡の探針、FET、リチウム電池の負極材料、ガス吸蔵物質等を作製することができる。
また、本発明は、大面積基板を用いて電界放出素子を形成することが可能であるため、量産プロセスに適している。このため、極細炭素繊維、極細炭素繊維を用いた半導体装置及び表示装置を量産性高く製造することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、各図面において共通の部分は同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(第1実施形態)
極細炭素繊維の作製方法を図1及び図3を用いて述べる。図1は、非晶質半導体膜及び結晶性半導体膜が形成された基板の斜視図である。図3は、図1のイ−イ'の断面図である。
図1(A)及び図3(A)に示すように、基板100上に第1の絶縁膜101を介して非晶質半導体膜102を形成する。
第1の絶縁膜101は、公知の方法(CVD法(化学的気相反応法 Chemical Vapor Deposition)、PVD法(物理的気相成長法 Physical Vapor Deposition)等)により珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成する。第1の絶縁膜は、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。
第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜102を形成する。非晶質半導体膜としては、シリコンを有するものであり、シリコン膜又はシリコンゲルマニウム(Si1-xGex(0<x<1、代表的には、x=0.001〜0.05))で形成する。また、非晶質半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。
次に、図3(A)に示すように、非晶質半導体膜表面に結晶化を助長する金属元素を1ppm〜1000ppm含有する溶液103を塗布する。金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を適応することができる。
次に、図1(B)及び図3(B)に示すように、非晶質半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜111を形成する。結晶化方法は公知の方法(レーザ結晶化法、ラピッドサーマルアニール法(RTA)、ファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法等)を用いることができる。ここでは、ファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法により非晶質半導体膜を結晶化する。非晶質半導体膜の表面に、結晶化を助長する金属元素を含む溶液が塗布されているため、低温かつ短時間で結晶化を行う。代表的には、非晶質半導体膜を400〜1100度、好ましくは500〜650度で1分〜12時間加熱する。結晶化工程により、非晶質半導体膜が結晶化され結晶性半導体膜111が形成されると共に、結晶粒界(結晶粒の三重点)表面に、金属元素又は金属珪化物112が析出(凝集、偏析)する。なお、結晶粒界(結晶粒の三重点)の密度及び大きさは、結晶化条件、例えば結晶化温度、膜中の水素濃度、結晶化を助長する金属元素の量等によって制御することが可能である。すなわち、結晶粒界を制御することによって、結晶粒界(結晶粒の三重点)表面に形成される金属元素又は金属珪化物の密度及び面積を制御することができる。この結果、これらを核として形成される極細炭素繊維の密度及び直径を制御することができる。
次に、図1(C)及び図3(C)に示すように、結晶粒界(結晶粒の三重点)表面に形成される金属元素または金属珪化物112を触媒として極細炭素繊維を形成する。極細炭素繊維は、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して形成する。また、極細炭素繊維は原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。
この後、リフトオフ法等により結晶性半導体膜111から極細炭素繊維121を解離することにより、極細炭素繊維を形成することができる。
なお、ここでは、結晶性半導体膜として結晶粒界で三重点を形成する結晶性半導体膜を示したがこれに限られず、図2に示すような結晶粒界に四重点11を形成する結晶性半導体膜12、または、より多くの多重点を有する結晶性半導体膜を形成してもよい。なお、この結晶性半導体膜でも四重点又は多重点にて、金属元素又は金属珪化物が形成される。
(第2実施形態)
次に、本発明の上記とは異なる極細炭素繊維の作製方法を図1及び図4を用いて示す。
図4は、図3と同様に図1のイ−イ'の断面図である。第1実施形態と同様に基板100上に第1の絶縁膜101、非晶質半導体膜102を順次形成する。次に、この非晶質半導体膜を結晶化させる。本実施形態では、結晶化方法にレーザ結晶化法を用いる。気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、又は金属発振器を用いたレーザ光104を非晶質半導体膜102に照射して結晶性半導体膜を形成する。このときのレーザ光は、連続発振又はパルス発振のレーザ光を用いることができる。
次に、図4(B)に示すように、結晶性半導体膜131上に公知の手法(CVD法、PVD法等)により金属元素を有する薄膜132を形成する。この金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を用いることが可能である。ここでは、膜厚2〜5nmの金薄薄膜をスパッタ法により成膜する。なお、この工程に代えて、結晶性半導体膜上に上記の金属元素を含む溶液を塗布することも可能である。
次に、図1(B)及び図4(C)に示すように、代表的には、100〜1100度、好ましくは400〜600度で1〜5時間加熱し、結晶性半導体膜の結晶粒界(結晶粒の三重点)の表面に金属元素又は金属珪化物112を析出(凝集、偏析)させる。なお、レーザ光を用いて形成した結晶性半導体膜の結晶粒界は、図12に示すように、レーザ照射条件によって異なる。図12は、膜厚50nmの非晶質シリコン膜にXeClレーザを照射したときの三重点に密度を表す。レーザ光のエネルギー密度及びショット数によって三重点の密度が異なることが分かる。これらを制御することによって、三重点の密度及びそこに形成される金属元素又は金属珪化物の密度を制御することができる。また、結晶性半導体膜上に形成する金属薄膜の膜厚又は金属元素を含む溶液の濃度によって、三重点に凝集する金属元素又は金属珪化物の大きさを制御することができる。すなわち、これらを核として形成される極細炭素繊維の密度及び直径を制御することが可能である。
なお、金属元素を有する薄膜132を形成する前に、結晶性半導体膜131表面を水素化してもよい。この工程により、三重点に形成される金属元素又は金属珪化物の大きさを、より小さくすることができる。
次に、図1(C)及び図4(D)に示すように、金属元素または、金属珪化物を触媒として極細炭素繊維121を形成する。極細炭素繊維は、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して形成する。また、極細炭素繊維の原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。
この後、リフトオフ法等により結晶性半導体膜から極細炭素繊維を解離することにより、極細炭素繊維を形成することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の上記とは異なる極細炭素繊維の作製方法を示す。
図5は、図3及び図4と同様に図1のイ−イ'の断面図である。第1実施形態と同様に基板100上に第1の絶縁膜101、非晶質半導体膜102を順次形成する。
次に、図5(A)に示すように、非晶質半導体膜表面に金属元素を1ppm〜1000ppm含有する溶液103を塗布する。金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を適応することができる。
次に、非晶質半導体膜を結晶化させる。ここでは、結晶化方法にレーザ結晶化法を用いる。気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、又は金属レーザ発振器を用いたレーザ光104を非晶質半導体膜102に照射して結晶性半導体膜を形成すると共に、金属元素又は金属珪化物112を結晶性半導体膜の結晶粒界(三重点)の表面に析出(凝集、偏析)させる。このときのレーザ光は、連続発振又はパルス発振のレーザ光を用いることができる(図5(A))。
なお、結晶粒界(結晶粒の三重点)の密度及び大きさは、結晶化条件、例えばレーザ光のエネルギー密度、ショット数、膜中の水素濃度、結晶化を助長する金属元素の量等によって制御することが可能である。すなわち、結晶粒界を制御することによって、結晶粒界(結晶粒の三重点)表面に形成される金属元素又は金属珪化物の密度及び面積を制御することができる。すなわち、これらを核として形成される極細炭素繊維の密度及び直径を制御することが可能である。
次に、図1(C)及び図5(C)に示すように、金属元素または、金属珪化物を触媒として極細炭素繊維121を形成する。極細炭素繊維は、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して形成する。また、原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。
この後、リフトオフ法等により結晶性半導体膜から極細炭素繊維を解離することにより、極細炭素繊維を形成することができる。
(第4実施形態)
ここでは、電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置の構成及びその作製方法を示す。本発明の電界放出素子は、カソード電極とその表面に形成される電子放出部とで構成される。カソード電極は、結晶性半導体膜で形成され、電子放出部は、グラファイトナノファイバ、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、チューブ状グラファイト、先端が細く尖っているカーボンナノコーン、コーン状グラファイト等の極細炭素繊維を適応することができる。
本実施形態では、二極管型FEDの電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置の構成及びその作製方法を示す。具体的には、第1の基板上に形成されたストライプ状のカソード電極と、第2の基板に形成されたストライプ状のアノード電極とが交差している点において、極細炭素繊維で形成される電子放出部を有する電界放出表示装置について図6及び図7を用いて述べる。なお、ここでは、電子放出部の作製工程に、第2実施形態で示す極細炭素繊維の作製工程を適応している。この工程に代わって、第1実施形態又は第3実施形態で示す作製工程を適応してもよい。
図6は、表示パネルの一部の斜視図である。第1の基板200上に結晶性半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極202が形成されており、その上には、極細炭素繊維で形成される電子放出部205が形成されている。一方、第2の基板203にはストライプ状のアノード電極207、蛍光体層206が形成されている。第1の基板アノード電極と第2の基板のカソード電極とが、所定の間隔を介して交差している領域において電界が印加され、カソード電極の電子放出部からアノード電極へ電子を放出する。
図7は、図6の第1の基板200のロ−ロ'の断面図である。図7を用いて、カソード電極及び電子放出部の作製方法を示す。なお、図6と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
図7(A)に示すように、第1の基板200上に第1の絶縁膜201を形成し、公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜211を形成する。この後、気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、又は金属発振器を用いたレーザ光213を非晶質半導体膜211に照射して結晶性半導体膜を形成する。このときのレーザ光は、連続発振又はパルス発振のレーザ光を用いることができる。
次に、図7(B)に示すように結晶性半導体膜をエッチングしてストライプ状の結晶性半導体膜で形成されるカソード電極202を形成する。次に、結晶性半導体膜で形成されるカソード電極上に公知の手法(CVD法、PVD法等)により金属元素を有する薄膜を形成する。この金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を用いることが可能である。ここでは、膜厚2〜5nmの金薄薄膜をスパッタ法により成膜する。
次に、100〜1100度、好ましくは400〜600度で1〜5時間加熱して、金属薄膜の金属元素を結晶性半導体膜の結晶粒界(結晶粒の三重点)の表面に偏析させる(領域221)。この後、カソード電極202間に形成された金属薄膜を除去する。
なお、金属元素を有する薄膜を形成する前に、結晶性半導体膜表面を水素化してもよい。この工程により、三重点に形成される金属元素又は金属珪化物の大きさを、より小さくすることができる。
次に、図7(C)に示すように、金属元素または金属珪化物(領域221)を触媒として極細炭素繊維で形成される電子放出部205を形成する。ここでは、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気中で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して電子放出部205を形成する。また、原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により電子放出部205を形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。本実施形態の電子放出部の作製工程により、電子放出部の直径及び密度を制御することができるため、各画素においてエミッション電流を均一に放出することが可能な、FEDの基板を形成することが可能となる。
なお、導電性を高めるために結晶性半導体膜で形成されるカソード電極202にはn型を付与する不純物元素が添加されていることが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、図6に示すように、第2の基板203に公知の手法により蛍光体層206を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成したのち、ストライプ状のアノード電極207を形成する。該導電膜には、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜し、公知のパターニング技術を用いることができる。
蛍光体層206は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセルとなる。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクスを形成してもよい。アノード電極は、各蛍光体層上に形成されていてもよく、また、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、及び緑色蛍光体層からなるピクセル上に形成されていてもよい。
以上の工程で形成した第1の基板と第2の基板とを接着部材で封し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧することで、電界放出表示パネルを形成する。
ここでの電界放出表示装置は、パッシプ型駆動方法である。図6において、第1の基板200に形成されたカソード電極202は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板203に形成されたアノード電極207はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード電極に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。なお、カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。以上の工程により、電界放出表示装置を形成することができる。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に極細炭素繊維で形成される電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する表示装置を形成する。なお、ここでは、カソード電極をストライプ状のものとしたが、カソード電極及びアノード電極を面状のものとして、エリアカラー用の表示装置に用いることもできる。
(第5実施形態)
次に、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置の構造及び作製方法について、図8及び図9を用いて説明する。なお、ここでは、電界放出素子は、1)ストライプ状にエッチングされ、かつn型の導電性を有する半導体膜で形成されるカソード電極、2)層間絶縁膜を介してカソード電極に対向するゲート電極、3)ゲート電極及び絶縁膜の開口部であって、かつカソード電極の表面に極細炭素繊維で形成される電子放出部、を含む。なお、ここで、電子放出部の作製工程に、第2実施形態を用いて述べた極細炭素繊維の作製工程を適応している。この工程に代わって、第1実施形態又は第3実施形態を用いた工程を適応してもよい。
図8は、表示パネルの一部の斜視図である。第1の基板301上には、半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極302と、絶縁膜(図示しない。)を介して、ストライプ状のゲート電極303が形成されている。カソード電極302とゲート電極303とは、絶縁膜を介して直交している。カソード電極と、ゲート電極との交点には開口部307が形成されており、該開口部においてカソード電極の表面には極細炭素繊維で形成された電子放出部308が形成されている。第2の基板305には蛍光体層304とアノード電極306とが形成されている。
図9は、図8の第1の基板301のハ−ハ'の断面図である。図9を用いて、電界放出素子の作製方法を示す。
図9(A)に示すように、第1の基板301上に第1の絶縁膜311、その上に非晶質半導体膜を形成する。次に、非晶質半導体膜にレーザ光を照射して結晶性半導体膜312を形成する。
この後、図9(B)に示すようにカソード電極を形成する部分にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、露出している結晶性半導体膜をエッチングし、カソード電極であるストライプ状の結晶性半導体膜で形成されるカソード電極302を形成する。
次に、結晶性半導体膜で形成されるカソード電極302上に第2の絶縁膜321を形成する。第2の絶縁膜としては、公知の方法(CVD法、PVD法等)により形成された珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)、または塗布法により形成された有機樹脂膜を用いる。
次に、第1の導電性を高めるために結晶性半導体膜で形成されるカソード電極202にn型を付与する不純物元素を添加する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。なお、n型不純物を添加する工程は、第2の絶縁膜を形成する前でもよい。
次に、第1の導電膜322を形成する。第1の導電膜としては、タングステン(W)、
ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属又はこれらの金属元素を含む合金あるいは化合物(窒化チタン、窒化タンタル等の窒化物や、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、マンガンシリサイド等の珪化物、ITO、IZO等の透光性導電膜など)を用いることができる。第1の導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、不要な部分を除去し、ストライプ状のゲート電極を形成する。
次に、図9(C)に示すように、カソード電極とゲート電極とが第2の絶縁膜を介して交差する領域において、所望の形状に、レジストマスクを形成してパターニングを行った後、ゲート電極と第2の絶縁膜とを任意の形状にエッチングして半導体膜を露出させ、開口部307を形成する。
次に、結晶性半導体膜表面に膜厚2〜5nmのニッケル(Ni)、コバルト(Co)、白金(Pt)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、又はパラジウム(Pd)元素を有する金属薄膜331を公知の手法(CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等)により形成する。この後、100〜1100度、好ましくは400〜600度で1〜5時間加熱して、結晶粒界(結晶粒の三重点)に金属元素または金属珪化物341を析出させる(図9(D))。
次に、図9(E)に示すように、金属元素または金属珪化物を触媒として極細炭素繊維で形成される電子放出部308を形成する。極細炭素繊維は、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して形成する。また、極細炭素繊維の原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。
なお、金属元素を有する薄膜を形成する前に、結晶性半導体膜表面を水素化してもよい。この工程により、三重点に形成される金属元素又は金属珪化物の大きさを、より小さくすることができる。本実施形態の電子放出部の作製工程により、電子放出部の直径及び密度を制御することができるため、各画素においてエミッション電流を均一に放出することが可能な、FEDの基板を形成することが可能となる。
また、図8において、カソード電極とゲート電極との交点309においては、2×2個の開口部が記載されているがこれに限られるものはなく、一つの開口部又は多数の開口部が形成されていても良い。
以上の工程により、第1の基板上に極細炭素繊維で形成される電子放出部を有する電界放出素子を有する基板を形成することができる。
なお、図8においては、図9で示される第1の絶縁膜311、第2の絶縁膜321は省略している。
図8に示すように、第2の基板305に公知の手法により蛍光体層304を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの第3の導電膜を形成し、これを所望の形状(ストライプ状、マトリクス状)にエッチングしてアノード電極306を形成する。蛍光体層304は、図6で示される蛍光体層206と同様の材料及び構造で形成することができる。また、アノード電極306は、図6で示されるアノード電極207と同様の材料及び構造とすることができる。
以上の工程で形成した第1の基板と第2の基板とを接着部材で封し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し、電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
上記の工程で形成される電界放出表示装置の駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。図8に示されるように、カソード電極302は、カソード電極駆動回路に接続されており、ゲート電極303はゲート電極駆動回路に接続されており、アノード電極306はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極には、カソード電極駆動回路から相対的に負電圧(例えば、0kV)が印加され、ゲート電極には、ゲート電極駆動回路から相対的に正電圧(例えば、50V)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲート電極に印加される正電圧よりも高い電圧(例えば、1kV)が印加され、電界放出素子から放出された電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起され発光し表示を得ることができる。なお、第1の基板上に、電界放出素子を形成するのと同時に、カソード電極駆動回路及びゲート電極駆動回路形成することも可能である。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成することができる。
(第6実施形態)
次に、三極管型FEDの電界放出素子について、図10及び図11を用いて説明する。ここで述べる電界放出素子は、1)ソース領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体領域、2)半導体領域のソース領域に接するソース電極及びソース配線、3)層間絶縁膜を介して半導体膜に対向し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極及びゲート配線、4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部であって、かつ半導体領域のドレイン領域表面に極細炭素繊維で形成された電子放出部、を含む。
第2の基板405には、蛍光体層406とアノード電極407とが形成されている。
図11は、図10のニ−ニ'の断面図である。図11を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図11(A)に示すように第1の基板400上に第1の絶縁膜411形成する。次に図3で述べたような公知の手法により結晶性半導体膜を形成し、この一部をエッチングして所望の形状の半導体領域(図10の領域401)を形成する。
次に、第1の基板上に第2の絶縁膜412を公知の手法で形成する。第2の絶縁膜は、珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成する。
次に、第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、図9の第1の導電膜322と同様の材料で形成することができる。次に、第1の導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、不要な部分を除去し、ゲート電極及びゲート配線402を形成する。次に、ゲート電極をマスクとして結晶性半導体膜の一部に、n型を付与する不純物を添加してソース領域401a及びドレイン領域401bを形成する。
次に、図11(B)に示すように、第3の絶縁膜421を形成する。第3の絶縁膜としては、公知の方法(CVD法、PVD法等)により形成された珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)、または塗布法により形成された有機樹脂膜を用いる。
次に、第3の絶縁膜421及び第2の絶縁膜412の一部をエッチングし、第1の基板上に導電膜を成膜する。次に、この導電膜を所望の形状にエッチングしてソース配線及びソース電極403を形成する。
次に、図11(C)に示すように、第1の基板上に第4の絶縁膜431を成膜した後、第4の絶縁膜、第3の絶縁膜、及び第2の絶縁膜の一部をエッチングして、半導体領域の一部を露出する。この後、基板上に公知の手法(CVD法、PVD法等)により膜厚2〜5nmの金属薄膜432を形成する。この金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を用いることが可能である。
次に、100〜1100度、好ましくは400〜650度で1〜5時間加熱して、結晶粒界(多重点)に金属元素または金属珪化物を析出する。
次に、図11(D)に示すように、金属元素または金属珪化物を触媒として極細炭素繊維で形成される電子放出部404を形成する。極細炭素繊維は、1〜760torrに減圧したメタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度、好ましくは400〜650度に加熱して形成する。また、極細炭素繊維は、原料にメタンまたはアセチレン等の炭化水素を用い、1〜760torrとしてCVD法により形成することもできる。なお、この場合、基板側に負の電圧を印加してもよい。本実施形態の電子放出部の作製工程により、電子放出部の直径及び密度を制御することができるため、各画素においてエミッション電流を均一に放出することが可能な、FEDの基板を形成することが可能となる。
なお、図10においては、図11で示される第1の絶縁膜411、第2の絶縁膜412、第3の絶縁膜421、第4の絶縁膜431は省略している。また、図11において、第4の絶縁膜431を形成せず、金属薄膜432を形成した後、ソース領域及びドレイン領域を絶縁するようにエッチングしてもよい。
上記の工程により形成した第1の基板と、第5実施形態の図8で示される第2の基板305とを接着部材で封し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
この後、図8及び図9に示すように、電界放出表示装置を形成することができる。
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体領域、このソース領域に接するソース電極及びソース配線、ゲート電極、及び半導体領域のドレイン領域の表面に炭素で形成された電子放出部からなる電界放出素子を形成する。本実施の形態で形成された電界放出素子は、トランジスタ構造を有しているため、各々の電界放出素子においてスイッチング特性を有する。このため、画素ごとの表示を制御することができる。
また、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。
本実施形態では、電界放出素子をトップゲート構造を用いて記載したが、これに限られず、ボトムゲート構造でも同様に電界放出素子を形成することができる。
(第7実施形態)
ここでは、実施形態に示される極細炭素繊維の応用例を提案する。第1実施形態乃至第3実施形態のいずれかで形成した極細炭素繊維を、走査線型プローブ顕微鏡の探針(Scanning Probe Microscope;SPM)、FET(電界効果トランジスタ、Field Effect Transistor)のチャネル領域に応用することができる。なお、極細炭素繊維をチャネル形成領域に用いたFET(TUBEFETともいう。)は、シリコン基板や金属膜、金属基板等の導電層上に絶縁膜が形成され、その上に金や白金で形成されたソース電極ドレイン電極が形成され、該電極間を極細炭素繊維で橋架けして形成されたものである。また、極細炭素繊維は、チューブの中やチューブ間に本質的に大きな空間をもった一次元的細孔状という構造を生かして、リチウム電池の負極材料、ガス吸蔵物質等に応用することができる。
(第8実施形態)
ここでは、実施形態に示される極細炭素繊維を用いた半導体装置を提案する。第1実施形態乃至第3実施形態のいずれかで作製した極細炭素繊維をチャネル領域に有するFET(TUBEFET)を高集積した半導体装置、代表的には信号線駆動回路、コントローラ、CPU、音声処理回路のコンバータ、電源回路、送受信回路、メモリ、音声処理回路のアンプ、映像検波回路、映像処理回路、音声検波回路等の半導体装置を形成することができる。さらには、MPU(マイクロコンピュータ)、メモリ、I/Oインターフェースなどひとつのシステム(機能回路)を構成する回路がモノリシックに搭載され、高速化、高信頼性、低消費電力化が可能なシステムオンチップを形成することができる。これらの半導体装置又はシステムオンチップは、信頼性高く作製された極細炭素繊維を用いて形成されるため、歩留まり良く作製することができる。
(第9実施形態)
上記実施形態に示される半導体装置、システムオンチップ、表示装置等を筺体に組み込むことによって様々な電子機器を作製することができる。電子機器としては、テレビジョン装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。ここでは、これらの電子機器の代表例としてテレビジョン装置を図13に示す。
図13はテレビジョン装置を前面方向から見た斜視図であり、筐体1151、表示部1152、スピーカ部1153、操作部1154、ビデオ入力端子1155等を含む。
表示部1152は、映像系出力部の一例であり、ここで映像を表示する。
スピーカ部1153は、音声系出力部の一例であり、ここで音声を出力する。
操作部1154は、電源スイッチ、ボリュームスイッチ、選局スイッチ、チューナースイッチ、選択スイッチ等が設けられており、該ボタンの押下によりテレビジョン装置の電源のON/OFF、映像の選択、音声の調整、及びチューナの選択等を行う。なお、図示していないが、リモートコントローラ型操作部によって、上記の選択を行うことも可能である。
ビデオ入力端子1155は、VTR、DVD、ゲーム機等の外部からの映像信号をテレビジョン装置に入力する端子である。
本実施形態で示されるテレビジョン装置を壁掛け用テレビジョン装置の場合、本体背面に壁掛け用の部位が設けられている。
テレビジョン装置の表示部に本発明の半導体装置の一例である表示装置を用いることにより、ばらつきのない、高画質なテレビジョン装置を作製することができる。また、テレビジョン装置の映像検波回路、映像処理回路、音声検波回路、及び音声処理回路、並びにこれらを制御するCPU等に本発明の半導体装置を用いることにより、歩留まり高くテレビジョン装置を作製することができる。このため、テレビジョン装置は、壁掛けテレビジョン装置、鉄道の駅や空港などにおける情報表示板や、街頭における広告表示板など、様々な大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
本発明に係る極細炭素繊維の作製工程を説明する斜視図。 本発明に係る結晶性半導体膜を説明する断面図。 本発明に係る極細炭素繊維の作製工程を説明する断面図。 本発明に係る極細炭素繊維の作製工程を説明する断面図 本発明に係る極細炭素繊維の作製工程を説明する断面図。 本発明に係る電界放出表示装置の表示パネルを説明する斜視図。 本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図 本発明に係る電界放出表示装置の表示パネルを説明する斜視図。 本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。 本発明に係る電界放出表示装置の表示パネルを説明する斜視図。 本発明に係る電界放出素子の作製工程を説明する断面図。 三重点の密度を示す図。 電子機器を示す図。

Claims (8)

  1. 絶縁性を有する表面上に非晶質半導体膜を形成し、
    前記非晶質半導体膜にレーザ光を照射して結晶性半導体膜を形成し、
    前記結晶性半導体膜の表面に金属元素を有する薄膜を形成し、
    前記金属元素を有する薄膜を加熱して前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に金属又は金属珪化物を析出し、
    前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出した前記金属又は金属珪化物の表面に炭素繊維を形成し、
    前記レーザ光のエネルギー密度を制御することにより、前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出する前記金属又は金属珪化物の密度を制御することを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  2. 絶縁性を有する表面上に結晶性半導体膜を形成し、
    前記結晶性半導体膜の表面を水素化し、
    前記結晶性半導体膜の表面に金属元素を有する薄膜を形成し、
    前記金属元素を有する薄膜を加熱して前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に金属又は金属珪化物を析出し、
    前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出した前記金属又は金属珪化物の表面に炭素繊維を形成し、
    前記水素化により、前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出する前記金属又は金属珪化物の大きさを制御することを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  3. 絶縁性を有する表面上に結晶性半導体膜を形成し、
    前記結晶性半導体膜の表面に金属元素を含む溶液を塗布し、
    前記金属元素を含む溶液を加熱して前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に金属又は金属珪化物を析出し、
    前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出した前記金属又は金属珪化物の表面に炭素繊維を形成し、
    前記金属元素を含む溶液の濃度により、前記結晶性半導体膜の結晶粒界の表面に析出する前記金属又は金属珪化物の大きさを制御することを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項において、炭化水素を含む雰囲気で100〜1100度で加熱することによって、前記金属又は金属珪化物の表面に前記炭素繊維を形成することを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項において、炭化水素を原料とする化学気相成長法によって、前記金属又は金属珪化物の表面に前記炭素繊維を形成することを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項のいずれか一において、前記金属元素は、ニッケル、鉄、コバルト、又は白金であることを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項において、前記炭素繊維はリチウム電池の負極材料に用いられることを特徴とする炭素繊維の作製方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項において、前記炭素繊維は電界放出素子の電子放出部に用いられることを特徴とする炭素繊維の作製方法。
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