JP4489018B2 - 交流電動機の駆動システム - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の交流電動機を駆動する交流電動機の駆動システムに関するもので、特に複数の交流発電機を共通配電母線に接続し、この共通配電母線に複数の電力変換装置を接続し、この各電力変換装置から複数の交流電動機を駆動する交流電動機の駆動システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の交流電動機の駆動システムは、例えば国際特許公開WO02/100716A
1のFig.1およびS.IdenとW.Rzadkiによる「Mains Power Quality of Ships with Electrical Devices」と題する論文(EPE Conference Record, PP000099.pdf,2001)に開示されている。この先行技術に示されたものは、船舶推進用の複数の推進器(スクリュー)を駆動する複数の交流電動機の駆動システムである。この駆動システムは、原動機として複数のディーゼル機関を用いており、各ディーゼル機関によりそれぞれ対応する交流発電機を駆動することにより、複数の交流発電機を駆動している。複数の各交流発電機は、共通配線母線に接続され、この共通配線母線には、複数の電力変換装置が接続され、この複数の各電力変換装置のそれぞれに交流電動機を接続することにより、複数の交流電動機を駆動している。複数の各交流電動機はそれぞれ対応する負荷機械、例えば船舶推進用の推進器に連結されていて、船舶推進用の複数の推進器が複数の交流電動機によりそれぞれ駆動される。
【0003】
このような交流電動機の駆動システムを応用した電気式船舶推進装置は、ディーゼル機関により直接推進器を駆動する従来の船舶推進装置に比べて、振動が少なく、複数の各推進器の回転方向および回転数の調整が容易であって、しかも駆動効率がよいなどの利点があり、乗り心地を重視する豪華客船および前後進を繰り返す砕氷船などの用途に適用されている。
【0004】
またこの種の交流電動機の駆動システムを応用した電気式LNGプラントも出現している。この電気式LNGプラントは、複数の負荷機械として、複数の交流電動機によって駆動される複数のコンプレッサを用いて天然ガスを液化するプラントであり、天然ガス液化設備内の複数のコンプレッサをガスタービンまたはスチームタービンで直接駆動する従来のLNGプラントに比べて、排気ガスが少なく、しかも駆動効率がよいなどの利点がある。この電気式LNGプラントでは、共通配電母線に接続された複数の電力変換装置によって駆動される複数の交流電動機のそれぞれにコンプレッサが連結され、複数のコンプレッサが駆動される。
【0005】
【特許文献】
国際特許公開WO02/100716、とくにFIG. 1
【非特許文献】
S.IdenとW.Rzadkiによる「Mains Power Quality of Ships with Electrical Devices」と題する論文(EPE Conference Record, PP000099.pdf,2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし前述の従来の交流電動機の駆動システムは、システムダウンの問題を含んでいる。例えば複数のディーゼル機関の1台が故障した場合、残りのディーゼル機関の負荷が増加し、その回転数が低下し、そのディーゼル機関によって駆動される交流発電機の出力電圧、出力周波数の低下が起こり、共通配線母線でも母線電圧および母線周波数の低下が起こる。この共通配線母線の母線電圧および母線周波数の低下が、予め設定された下限値以下になるとシステム異常との判定が行なわれ、共通配線母線と各交流発電機との間に配置された回路遮断器が開放される。その結果、船舶推進装置では各推進器が、またLNGプラントでは各コンプレッサが停止するシステムダウンが起こる。このような共通配電母線の母線電圧および母線周波数の低下に伴なうシステムダウンは、複数の交流発電機の1台が故障した場合にも同様に起こる。
【0007】
また複数の電力変換装置の1台が故障した場合、その電力変換装置と共通配線母線との間に配置された回路遮断器が開放される。この場合、複数のディーゼル機関の負荷が減少し、それらの回転数が上昇するので、共通配電母線の母線電圧および母線周波数が上昇する。この母線電圧または母線周波数が、予め設定された上限値以上になると、システム異常と判定され、すべての交流発電機と共通配線母線との間の回路遮断器が開放され、すべての推進器またはコンプレッサが停止するシステム異常となる。この共通配電母線の母線電圧および母線周波数の上昇に伴なうシステム異常は、複数の交流電動機の1台が故障した場合にも同様に起こる。
【0008】
通常、ディーゼル機関では、ガバナ制御によりその燃料供給量が調整され、その回転数制御が行なわれ、また交流発電機では、その励磁電流調整による出力電圧制御が行なわれ、共通配線母線の母線周波数は各ディーゼル機関のガバナ制御により抑制され、またその母線電圧は各交流発電機の励磁電流調整により抑制される。しかし、これらのガバナ制御および励磁電流調整には秒オーダの応答遅れがあるので、複数のディーゼル機関、複数の交流発電機、複数の電力変換装置、および複数の交流電動機の1台が故障した場合に、共通配電母線の母線電圧または母線周波数を、それらの上下限値以内に納めるように制御するのが困難であり、前述のシステムダウンが生じ易い。
【0009】
とくに、電気式船舶推進装置または電気式LNGプラントでは、投資コストを低減するために、ディーゼル機関、交流発電機、電力変換装置および交流電動機の台数を少なくすることが望まれる傾向が強い。この傾向に従って、ディーゼル機関、交流発電機、電力変換装置および交流電動機の台数が少なくした場合には、それらの1台が故障した場合の負荷変動が大きくなり、システムダウンを回避するのがさらに困難となる。
【0010】
この発明は、このようなシステムダウンをより有効に回避することが可能な改良された交流電動機の駆動システムを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の観点に係る交流電動機の駆動システムは、原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令を補正した補正速度指令に基づいて、対応する前記電力変換装置に対する電流指令を発生し、前記複数の電力変換装置のそれぞれが、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記補正速度指令に対応した所定値に制御するように構成され、
前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または、前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配線母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記補正速度指令を出力する補正速度指令手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、この発明の第2の観点に係る交流電動機の駆動システムは、原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令の上限値を調整した速度上限値調整出力に基づいて、前記速度上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換装置に対する電流指令を発生し、前記電力変換装置のそれぞれが、対応する前記交流電動機に対する前記速度上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記速度上限値調整出力で規制される所定値に制御するように構成され、
前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配線母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記速度上限値調整出力を発生する速度上限値調整手段を有することを特徴とする。
【0013】
また、この発明の第3の観点係る交流発電機の駆動システムは、原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記電力変換装置に対する電流指令の上限値を調整した電流上限値調整出力に基づいて、前記電流上限値調整出力以下の範囲において、前記交流電動機に対する電流指令を発生し、前記複数の電力変換装置のそれぞれが、前記電流上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記電流上限値調整出力で規制される所定値に制御するように構成され、
前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または、前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配電母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記電流上限値調整出力を発生する電流上限値調整手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明の第1の観点に係る交流電動機の駆動システムでは、複数の電力変換装置のそれそれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令を補正した補正速度指令に基づいて、対応する前記電力変換装置に対する電流指令を発生するように構成されており、この電力変換制御回路からの補正速度指令は、母線周波数に即応して変化する。したがって、複数の電力変換装置は、それぞれ母線周波数に即応する前記電力変換制御回路からの前記補正速度指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記補正速度指令に対応した所定値に制御するので、複数の交流発電機、複数の電力変換装置および複数の交流電動機の1台が故障した場合にも、共通配電母線の母線周波数の変動を、その上下限値以内に容易に納めることができ、システム
ダウンを有効に回避できる。
【0015】
この発明の第2の観点に係る交流電動機の駆動システムでは、複数の電力変換装置のそれそれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令の上限値を調整した速度上限値調整出力に基づいて、前記速度上限値調整出力以下の範囲において、対応する電力変換装置に対する電流指令を発生するように構成されており、この複数の電力変換制御回路の速度上限値調整出力は、母線周波数に即応して変化する。したがって、複数の電力変換装置のそれぞれは、母線周波数に即応する前記電力変換制御回路の前記速度上限値調整出力以下に範囲において、対応する電力変換制御回路からの電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に即応して、母線周波数を前記速度上限値調整出力で規制される所定値に制御することができ、複数の交流発電機、複数の電力変換装置および複数の交流電動機の1台が故障した場合にも、共通配電母線の母線周波数の変動を、その上下限値以内に容易に納めることができ、システムダウンを有効に回避できる。
【0016】
この発明第3の観点に係る交流電動機の駆動システムでは、複数の電力変換装置のそれそれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記電力変換装置に対する電流指令の上限値を調整した電流上限値調整出力に基づいて、前記電流上限値調整出力以下の範囲において、対応する電力変換装置に対する電流指令を発生するように構成されており、この複数の電力変換制御回路の電流上限値調整出力は、母線周波数に即応して変化する。したがって、複数の電力変換装置のそれぞれは、母線周波数に即応する前記電力変換制御回路の前記電流上限値調整出力以下に範囲において、対応する電力変換制御回路からの電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に即応して、母線周波数を前記電流上限値調整出力で規制される所定値に制御することができ、複数の交流発電機、複数の電力変換装置および複数の交流電動機の1台が故障した場合にも、共通配電母線の母線周波数の変動を、その上下限値以内に容易に納めることができ、システムダウンを有効に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1.
図1はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態1を示す。この交流電動機の駆動システムは、船舶推進装置、LNGプラント、またはブロア駆動装置に応用される。
【0018】
図1に示す交流電動機の駆動システムは、5台の複数の原動機11〜15、5台の複数の交流発電機21〜25、共通配電母線30、4台の複数の変圧器41〜44、4台の複数の電力変換装置51〜54、4台の複数の交流電動機81〜84、および4台の複数の負荷装置91〜94を含んでいる。
【0019】
複数の原動機11〜15はそれぞれディーゼル機関である。これらのディーゼル機関11〜15は、ガソリンなどの液体燃料を燃焼させることにより、駆動力を発生する。しかし、液体燃料に代わってプロパンガスなどの気体燃料を燃焼させて駆動力を発生する原動機を用いることもできる。また、これらの原動機11〜15の台数は、5台に限らず、投資コストに応じた台数が設置される。通常船舶推進装置に応用される場合には、2台から10台程度とされる。原動機11〜15のそれぞれには、ガバナ制御装置が付設され、そのガバナ制御装置によって供給燃料量が制御され、その回転数が制御されるものとする。
【0020】
交流発電機21〜25の台数は原動機11〜15の設置台数と同じまたはそれ以下とされる。1台の原動機によって、例えば2台または3台の交流発電機を駆動することもできる。図1は、5台の原動機11〜15によってそれぞれ1台、都合5台の交流発電機21〜25を駆動するシステムを示している。これらの交流発電機21〜25は、例えば三相交流発電機であり、それぞれ三相交流出力を発生する。しかし、単相交流発電機も使用することができる。各交流発電機21〜25には、励磁電流調整装置が付設され、この励磁電流調整装置により励磁電流を調整することにより、三相交流出力の出力電圧の大きさが調整されるものとする。原動機11〜15のガバナ制御装置による回転数の制御に基づき、交流発電機21〜25の出力周波数が調整される。
【0021】
共通配電母線30は、例えば三相配電母線として構成される。しかし交流発電機21〜25が単相交流発電機として構成される場合には、単相配電母線として構成される。この共通配電母線30には、各交流発電機21〜25の三相出力端子が接続される。各交流発電機21〜25は、共通配電母線30対して互いに並列に接続される。共通配電母線30と各交流発電機21〜25との間には、図示していないが、それぞれ回路遮断器が配置される。加えて、共通配電母線30には、変圧器31、32を介して、低圧配線33、34も接続されており、低圧負荷への給電を行なうことができる。変圧器31、32は、この実施の形態1では、一次側がΔ結線、二次側がY結線された三相変圧器である。
【0022】
変圧器41〜44は、それぞれ図示しないが回路遮断器を介して共通配電母線30に互いに並列に接続されている。この変圧器41〜44は、この実施の形態1では一次側、二次側ともΔ結線された三相変圧器である。
【0023】
電力変換装置51〜54は、それぞれ変圧器41〜44の二次側に直接接続されている。これらの電力変換装置51〜54は互いに同じに構成されるので、図面では、電力変換回路51の内部回路だけを示し、他の電力変換装置52〜54の詳細は省略されている。電力変換装置51〜54は、それぞれ交流電力変換用の電力変換回路55とこの電力変換回路55に対する電力変換制御回路60を含んでいる。
【0024】
電力変換装置51〜54には、交流電動機81〜84がそれぞれ1台づつ接続される。各電力変換装置51〜54の電力変換回路55は、それぞれ対応する交流発電機81〜84との間で、有効電力と無効電力をやり取りするように構成され、各電力変換回路55はこの有効電力と無効電力両者を制御可能に構成される。
【0025】
電力変換回路55には、例えば交流電力を直流電力に変換する高効率のコンバータ56と、変換された直流電力を平滑化する平滑コンデンサ57と、直流電力を再び交流電力に変換する自励式インバータ58とで構成されるコンバータ/インバータ方式の電力変換回路が用いられる。しかし、マトリクスコンバータによる交流/交流方式の電力変換回路を用いることもできる。
【0026】
電力変換装置51〜54のそれぞれに含まれる電力変換制御回路60も、各電力変換装置51〜54のそれぞれで同じに構成される。この電力変換制御回路60は、図1の実施の形態1では、制御指令手段61と、交流電動機81〜84の速度検出出力を個別に出力する速度検出出力手段62と、速度指令出力手段63と、速度指令補正手段64と、母線周波数検出手段65とを含んでいる。
【0027】
制御指令手段61は、電力変換回路55に対して電流指令CIを供給するもので、電力変換回路55はこの電流指令CIに基づいて、対応する各交流電動機81〜84に対する駆動電流を発生し、それを駆動する。速度情報出力手段62は、交流電動機81〜84のそれぞれに付設された回転数検出手段85〜88からの回転数検出出力RDに基づいて、各交流電動機81〜84の回転数を演算し、各交流電動機81〜84の回転数に比例した速度検出出力SDを出力する。速度指令出力手段63は、外部からの指令に基づいて速度検出出力SDに対する基準値となる速度指令SSを発生する。この速度指令SSは、外部から設定されるか、または記憶した複数の指令値の中から、外部信号に基づいて選択される。
【0028】
速度指令補正手段64は補正速度指令ASを発生する。母線周波数検出手段65は、共通配電母線30に直接接続され、共通配電母線30における交流出力の母線周波数Fbに比例した母線周波数検出出力FDを出力する。速度指令補正手段64は、速度指令出力手段63からの速度指令SSと、母線周波数検出手段65からの母線周波数検出出力FDとを受けるように構成されていて、速度指令SSを母線周波数検出出力FDで補正した補正速度指令ASを発生し、この補正速度指令ASを制御指令手段61に供給する。
【0029】
制御指令手段61は、速度指令補正手段64からの補正速度指令ASと、速度情報出力手段62からの速度検出出力SDとを受け、速度検出出力SDを補正速度指令ASに等しくするような電流指令CIを電力変換回路55に供給する。電力変換回路55は、この電流指令CIに基づく電流で交流出力を発生する。
【0030】
交流電動機81〜84は、それぞれ電力変換装置51〜54の各電力変換回路55の出力に直接接続され、各電力変換回路55の交流出力により駆動される。各交流電動機81〜84には、それぞれの回転数を検出する回転数検出手段85〜88が付設され、この回転数検出手段85〜88が速度検出出力手段62に回転数検出出力RDを供給する。交流電動機81〜84のそれぞれには、負荷機械91〜94が連結されており、この負荷機械91〜94は交流電動機81〜84により、それぞれ直接駆動される。負荷機械91〜94は、船舶推進装置に応用される場合には、その推進器となり、またLNGプラントに応用される場合には、そのコンプレッサとなる。
【0031】
さて、この実施の形態1では、電力変換装置51〜54のそれぞれが、共通配電母線30の母線周波数Fbの変化に即応して、速度指令SSを母線周波数fbに応じて補正した補正速度指令ASを電流指令手段61に与える。各電力変換装置51〜54の制御指令手段61は母線周波数Fbの変化に即応して、各電力変換回路55の電流出力を変化させ、それに伴なって各電力変換回路55と各交流電動機81〜84との間でやり取りされる有効電力を変化させ、各交流電動機81〜84の回転速度を補正速度指令ASに対応した所定値に維持するように制御する。結果として、各交流電動機81〜84のそれぞれは、その回転速度が補正速度指令ASに対応した所定回転速度まで変化した後、この所定回転速度を維持するように制御され、また母線周波数Fbも補正速度指令ASに対応した所定値まで変化した後、この所定値を維持するように制御される。
【0032】
具体的には、5台の原動機11〜15の1台が故障した場合、または5台の交流発電機21〜25の1台が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が増大して母線電圧と母線周波数が低下するが、この母線周波数Fbの低下に即応して補正速度指令ASも低下する。この補正速度指令ASの低下に即応してすべての交流電動機81〜84の回転速度が補正速度指令ASに対応して低下し、全体としての負荷が低減されるので、各交流電動機81〜84の回転速度がある所定値まで低下したときに、交流電動機81〜84の回転速度および補正速度指令ASも所定値で安定し、この所定値を維持するように制御される。結果として、この補正速度指令ASに対応する所定回転速度ですべての交流電動機81〜84の運転が継続でき、母線周波数Fbもこの補正速度指令ASに対応した所定値に維持されるように、制御が行なわれる。
【0033】
4台の電力変換装置51〜54の中の1台の電力変換装置51が故障した場合、または
4台の交流電動機81〜84の中の1台の交流電動機81が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が減少し、母線電圧および母線周波数が上昇するが、この母線周波数の上昇に即応して補正速度指令ASも上昇し、電力変換装置52〜54が対応する交流電動機82〜84の回転速度を上昇させ、これが所定値まで上昇したときに、補正速度指令ASおよび交流電動機82〜84の回転速度は所定値に安定し、その所定値を維持するように制御が行なわれ、母線周波数Fbもそれに見合った所定値を維持するように制御が行なわれ、残る電力変換装置52〜54により交流電動機82〜84の運転を継続することができる。
【0034】
補正速度指令ASは母線周波数検出出力FDに即応し、各交流電動機の回転速度の補正もこの補正速度指令ASに追従して例えば0.5秒から1秒程度の短時間で安定するように制御され、この時間内にシステムダウンの判定が出ないように設定することにより、システムダウンを回避して交流電動機の運転を継続することが可能となる。
【0035】
負荷機械91〜94とされる船舶の推進器またはLNGプラントのコンプレッサは、風水力応用機械であり、2乗トルク負荷であって、その消費電力特性は、回転速度の3乗に比例して増減する。すなわち、回転速度の小さな変化でも、消費電力はその3乗に比例して大きく変化するので、交流電動機81〜84の回転速度を増減することにより、電力負荷は大きく変わる結果となり、この電力負荷の大きな変動を利用して、補正速度指令ASおよび交流電動機81〜84の回転速度を僅かに増減して、それを安定化できる。船舶の推進器、LNGプラントのコンプレッサ以外に、ブロアも風水力応用機械である。負荷機械として、ブロアにも応用できる。
【0036】
図2はこの実施の形態1による特性の変化の一例を示す。図2(a)は、母線電圧Vb、(b)は母線周波数Fb、(c)は共通配電母線30の負荷電流を示す。母線電圧Vbおよび負荷電流は、それぞれユニット単位[p.u.]で示され、母線周波数Fbは[Hz]で示される。横軸は何れも時間(秒)である。原点0から0.2秒経過した時点で、母線周波数Fbが+50[Hz]から低下する現象が見られるが、原点0から0.8秒経過した時点で母線周波数Fbは+49[Hz]にほぼ等しくなり、その後この周波数に安定する。
【0037】
実施の形態2.
図3はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態2を示す。この実施の形態2は、電力変換装置51〜54の各電力変換制御回路60に、さらに、無効電力指令手段66を追加し、制御指令手段61がこの無効電力指令手段66からの無効電力指令PIに基づき、電力変換回路55の無効電力調整を行なうようにしたものである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同じ部分を同じ符号で示し、説明を省略する。
【0038】
無効電力指令手段66は、各電力変換装置51〜54の電力変換制御回路60のそれぞれに含まれている。この無効電力指令手段66は、共通配電母線30に直接接続されており、共通配電母線30の母線電圧Vbを検出し、この母線電圧Vbに応じて、この母線電圧Vbを所定値に維持するのに必要な無効電力を演算し、無効電力指令PIを発生する。制御指令手段61はこの無効電力指令PIに基づき、電力変換回路55の無効電力の調整を行なう。この無効電力の調整は、母線電圧Vbを所定値に保つように、各電力変換回路55と交流電動機81〜84との間でやり取りされる無効電力を調整する。この無効電力指令手段66による無効電力の調整は、各電力変換装置51〜54のそれぞれにおいて実行される。
【0039】
原動機11〜15、交流発電機21〜25のいずれかが故障した場合、または電力変換回路51〜54、交流電動機81〜84のいずれかが故障した場合、共通配電母線30の負荷が変動し、母線電圧Vbは母線周波数Fbとともに変動する。この母線電圧Vbの変動が、発電機システムに付設される交流電圧調整手段によって抑制できる場合は、図2(a)に示すように、母線電圧Vbを維持しながら、故障した電力変換装置と、それに接続された交流電動機を除いた交流電動機の駆動を継続できるが、発電機システムに付設される交流電圧調整手段によって、母線電圧Vbの変動が抑制できない場合には、図4(a)に示すように、母線電圧Vbの変動が拡大し、やがてシステムの停止に至る。
【0040】
実施の形態2では、無効電力指令手段66によって母線電圧Vbを検出し、この母線電圧Vbの変動を抑制し、それを所定値に維持するのに必要な無効電力量が演算され、それに基づき無効電力指令PIが制御指令手段61に与えられるので、図5(a)に示すように、母線電圧Vbを所定値に維持することが可能となり、より安定して交流電動機の駆動を継続することができる。なお、図4、図5の(b)は母線周波数Fbを、またその(c)は負荷電流をそれぞれ示す。
【0041】
実施の形態3.
図6はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態3を示す。この実施の形態3は、共通の母線周波数検出手段71を設け、この共通の母線周波数検出手段71から各電力変換装置51〜54のそれぞれに、母線周波数検出出力FDを分配するようにしたものである。その他の構成は図1に示す実施の形態1と同じであり、同じ部分を同じ符号で示し、詳細な説明を省略する。
【0042】
この実施の形態3において、母線周波数検出手段71は、電力変換装置51〜54の外部に、それらに共通に設けられる。この母線周波数検出手段71は、共通配電母線30に直接接続され、母線周波数Fbを検出して、母線周波数検出出力FDを発生する。この母線周波数検出出力FDは、電力変換装置51〜54のそれぞれの速度指令補正手段64に分配される。この各速度指令補正手段64は、実施の形態1と同様に補正速度指令ASを発生し、制御指令手段61に供給する。
【0043】
この実施の形態3によっても、実施の形態1と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71を設けるので、母線周波数検出手段64を各電力変換装置51〜54のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64の特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また母線周波数検出手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【0044】
実施の形態4.
図7はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態4を示す。この実施の形態4は、共通の母線周波数検出手段71と共通の無効電力指令手段72を設け、共通の母線周波数検出手段71から各電力変換装置51〜54のそれぞれに、母線周波数検出出力FDを分配するとともに、共通の無効電力指令手段72から各電力変換装置51〜54のそれぞれに、無効電力指令PIを分配するようにしたものである。その他の構成は図1に示す実施の形態1と同じであり、同じ部分を同じ符号で示し、詳細説明を省略する。
【0045】
この実施の形態4において、母線周波数検出手段71および無効電力指令手段72は、電力変換装置51〜54の外部に、それらに共通に設けられる。母線周波数検出手段71は、共通配電母線30に直接接続され、母線周波数Fbを検出して、母線周波数検出出力FDを発生する。この母線周波数検出出力FDは、電力変換装置51〜54それぞれに対する電力変換制御回路60の速度指令補正手段64に供給される。この各速度指令補正手段64は、実施の形態1と同様に補正速度指令ASを発生し、制御指令手段61に供給する。
【0046】
無効電力指令手段72も共通配電母線30に直接接続され、母線電圧Vbを検出して、この母線電圧Vbを所定値に維持するための無効電力指令PIを発生する。この無効電力指令PIは、電力変換装置51〜54のそれぞれにおける電力変換制御回路の制御指令手段61に供給される。この各制御指令手段61は、実施の形態2と同様に無効電力指令PIに応じて、電力変換装置51〜54と交流電動機81〜84との間でやり取りされる無効電力を調整し、母線電圧Vbを所定値に維持する。
【0047】
この実施の形態4によっても、実施の形態2と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71と無効電力指令手段72を設けるので、母線周波数検出手段64と無効電力指令手段66を各電力変換装置51〜54の電力変換制御回路60のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64および無効電力指令手段66における特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また、母線周波数検出手段と無効電力指令手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【0048】
実施の形態5.
図8はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態5を示す。図1図3図6図7に示した実施の形態1〜4では、母線周波数検出手段65からの母線周波数検出出力FDにより、速度指令手段63からの速度指令SSを補正して、補正速度指令ASを出力する速度指令補正手段64を用いたが、この実施の形態5では、電力変換装置51〜54に対する各電力変換制御回路60のそれぞれにおいて、この速度指令補正手段64に代わって、速度指令SSの上限値を調整する速度上限値調整手段67が用いられる。
【0049】
速度上限値調整手段67は、その内部において、母線周波数検出手段65からの母線周波数検出出力FDに即応し、この母線周波数検出出力FDに応じて、速度指令手段63からの速度指令SSに対する速度上限値調整出力USを演算する。この速度上限値調整出力USは、母線周波数検出出力FDに比例した大きさとされ、母線周波数Fbが低下すればそれに即応して速度上限値調整出力USも低下し、また母線周波数Fbが上昇すればそれに即応して速度上限値調整出力USも上昇する。この速度上限値調整出力USは、速度上限値調整手段67を通過する速度指令SSに対する上限値となり、母線周波数Fbの変動に即応し、速度指令SSをこの速度上限値調整出力US以下の範囲に強制的に押さえ込む。速度上限値調整手段67は、速度上限値調整出力US以下に規制された速度指令LSを出力し、この規制された速度指令LSが制御指令手段61に供給される。
【0050】
速度指令SSが速度上限値調整出力USより小さければ、その速度指令SSはそのまま速度指令LSとして出力されるが、速度指令SSが速度上限値調整出力US以上の大きさとなれば、速度上限値調整出力USが規制された速度指令LSとして出力される。結果として、電力変換回路55は速度上限値調整出力USによって規制された電流を交流電動機81〜84に供給し、速度上限値調整出力USで規制された有効電力を交流電動機81〜84との間でやり取りして、交流電動機81〜84は速度上限値調整出力USによって規制された回転速度で駆動される。
【0051】
速度指令LSは、母線周波数Fbの変動に即応して速度上限値調整出力US以下に範囲に押さえ込まれ、対応する電力変換装置51〜54のそれぞれは、対応する交流電動機81〜84の回転速度を速度上限値調整出力USに対応した回転速度以下に押さえ込む。この速度上限値調整出力USが母線周波数検出出力FDに応じて調整されるので、実施の形態1と同様に、電力変換装置51〜54のそれぞれにおいて、共通配電母線30の負荷変動に即応し、母線周波数Fdを、その負荷状態の変化に対応した所定値に維持しながら、負荷機械91〜94への給電を継続できる。
【0052】
具体的には、5台の原動機11〜15の1台が故障した場合、または5台の交流発電機21〜25の1台が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が増大して母線電圧と母線周波数が低下するが、この母線周波数Fbの低下に即応して速度上限値調整出力USも低下する。この速度上限値調整出力USの低下に即応してすべての交流電動機81〜84の回転速度が速度上限値調整出力US以下に低下し、全体としての負荷が低減されるので、各交流電動機81〜84の回転速度がある所定値まで低下したときに、交流電動機81〜84の回転速度および速度上限値調整出力USも所定値で安定し、この所定値を維持するように制御される。結果として、この速度上限値調整出力US以下に規制された所定回転速度ですべての交流電動機81〜84の運転が継続でき、母線周波数Fbもこの速度上限値調整出力USで規制された所定値に維持されるように、制御が行なわれる。
【0053】
4台の電力変換装置51〜54の中の1台の電力変換装置51が故障した場合、または4台の交流電動機81〜84の中の1台の交流電動機81が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が減少し、母線電圧および母線周波数が上昇する。この母線周波数の上昇に即応して速度上限値調整出力USも上昇し、電力変換装置52〜54が対応する交流電動機82〜84の回転速度も上昇する。この交流電動機82〜84の回転速度が所定値まで上昇したときに、速度上限値調整出力USおよび交流電動機82〜84の回転速度は所定値に安定し、その所定値を維持するように制御が行なわれ、併せて母線周波数Fbもそれに見合った所定値を維持するように制御が行なわれ、残る電力変換装置52〜54により交流電動機82〜84の運転を継続することができる。
【0054】
速度上限値調整出力USは母線周波数検出出力FDに即応し、各交流電動機の回転速度もこの速度上限値調整出力USに追従して例えば0.5秒から1秒程度の短時間で安定するように制御され、この時間内にシステムダウンの判定が出ないように設定することにより、システムダウンを回避して交流電動機の運転を継続することが可能となる。
【0055】
実施の形態6.
図9はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態6を示す。この実施の形態6は、実施の形態5と同様に、速度指令SSに対する速度上限値調整出力USを調整設定する上限値調整手段67を使用するものであるが、この実施の形態6では、さらに、電力変換装置51〜54に対する各電力変換制御回路60のそれぞれに、図3に示す実施の形態2と同様に、無効電力指令手段66が付加される。
【0056】
この無効電力指令手段66は、実施の形態2の無効電力指令手段66と同じに、共通配電母線30に直接接続されており、共通配電母線30の母線電圧Vbを検出し、この母線電圧Vbに応じて、この母線電圧Vbを所定値に維持するのに必要な無効電力を演算し、無効電力指令PIを発生する。この実施の形態6でも、制御指令手段61はこの無効電力指令PIに基づき、電力変換回路55の無効電力の調整を行なう。この無効電力の調整は、母線電圧Vbを所定値に保つように、各電力変換回路55と交流電動機81〜84との間でやり取りされる無効電力を調整する。この無効電力指令手段66による無効電力の調整は、各電力変換装置51〜54のそれぞれにおいて実行され、母線電圧Vbを所定値に調整して、母線電圧Vbの安定化を図り、負荷機械91〜94の駆動を継続できる。
【0057】
実施の形態7.
図10はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態7を示す。この実施の形態7でも、実施の形態5と同様に、各電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに速度指令SSに対する速度上限値調整出力USを演算する速度上限値調整手段67が使用されるが、この実施の形態7では、各電力変換制御回路60の速度上限値調整手段67に対して共通に、母線周波数検出手段71が設けられる。
【0058】
この実施の形態7によっても、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71を設けるので、母線周波数検出手段64を各電力変換装置51〜54のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64の特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また母線周波数検出手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【0059】
実施の形態8.
図11はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態8を示す。この実施の形態8でも、実施の形態5と同様に、各電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに速度指令SSに対する速度上限値調整出力USを演算する速度上限値調整手段67が使用されるが、この実施の形態8では、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれの速度上限値調整手段67に対して共通に、図7に示す実施の形態4と同様に、母線周波数検出手段71が設けられ、また各電力変換制御回路60のそれぞれに対して共通に、無効電力指令手段72が設けられる。
【0060】
この実施の形態8によっても、実施の形態5と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71と無効電力指令手段72を設けるので、母線周波数検出手段64と無効電力指令手段66を各電力変換装置51〜54の電力変換制御回路60のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64および無効電力指令手段66における特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また、母線周波数検出手段と無効電力指令手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【0061】
実施の形態9.
図12はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態9を示す。この実施の形態9では、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに、電流指令手段68、電流上限値調整手段69A、および電流上限値制御出力手段69Cが設けられる。
【0062】
電流指令手段68は、速度検出手段62からの速度検出出力SDと、基準速度設定手段63からの基準速度出力SSとを受けて、速度検出出力SDと基準速度出力SSとの差を0にするような電流指令CJを発生する。電流上限値調整手段69Aは、母線周波数検出手段65からの母線周波数検出出力FDを受けて、この母線周波数検出出力FDに比例する電流上限値調整出力UCを演算し、出力する。電流上限値制御出力手段69Cは、電流上限値調整出力UCを受けて、この電流上限値調整出力UCで上限値が規制された電流指令LCを出力する。この実施の形態9では、母線周波数検出手段65は、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに設けられ、母線30における母線周波数Fbを個別に検出し、母線周波数検出出力FDを個別に出力する。
【0063】
電流指令CJに対する電流上限値調整出力UCは、母線周波数検出出力FDに応じて変化し、電流指令手段68からの電流指令CJは、電流上限値制御出力手段69Cにおいて、この電流上限値調整出力UC以下の範囲に強制的に押さえ込まれ、電流上限値制御出力手段69Cは、電流上限値調整出力UC以下に規制された電流指令LCを電流指令JCに基づいて発生する。制御指令手段61はこの規制された電流指令LCを受け、これに応じた電流指令CIを電力変換装置55に与える。電流指令JCが電流上限値調整出力UCより小さければ、その電流指令JCはそのまま電流指令LCとして出力されるが、電流指令JCが電流上限値調整出力UC以上の大きさとなれば、電流上限値調整出力UCが規制された電流指令LCとして出力される。結果として、電力変換回路55は電流上限値調整出力UCによって規制された電流を交流電動機81〜84に供給し、電流上限値調整出力UCで規制された有効電力を交流電動機81〜84との間でやり取りして、交流電動機81〜84は電流上限値調整出力UCによって規制された回転速度で駆動される。
【0064】
具体的には、5台の原動機11〜15の1台が故障した場合、または5台の交流発電機21〜25の1台が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が増大して母線電圧と母線周波数が低下するが、この母線周波数Fbの低下に即応して電流上限値調整出力UCも低下する。この電流上限値調整出力UCの低下に即応してすべての交流電動機81〜84の回転速度が電流上限値調整出力UC以下に低下し、全体としての負荷が低減されるので、各交流電動機81〜84の回転速度がある所定値まで低下したときに、交流電動機81〜84の回転速度および速度上限値調整出力UCも所定値で安定し、この所定値を維持するように制御される。結果として、この電流上限値調整出力UC以下に規制された所定回転速度ですべての交流電動機81〜84の運転が継続でき、母線周波数Fbもこの電流上限値調整出力UCで規制された所定値に維持されるように、制御が行なわれる。
【0065】
4台の電力変換装置51〜54の中の1台の電力変換装置51が故障した場合、または4台の交流電動機81〜84の中の1台の交流電動機81が故障した場合には、共通配電母線30の負荷が減少し、母線電圧および母線周波数が上昇する。この母線周波数の上昇に即応して電流上限値調整出力UCも上昇し、電力変換装置52〜54が対応する交流電動機82〜84の回転速度も上昇する。この交流電動機82〜84の回転速度が所定値まで上昇したときに、電流上限値調整出力UCおよび交流電動機82〜84の回転速度は所定値に安定し、その所定値を維持するように制御が行なわれ、併せて母線周波数Fbもそれに見合った所定値を維持するように制御が行なわれ、残る電力変換装置52〜54により交流電動機82〜84の運転を継続することができる。
【0066】
電流上限値調整出力UCは母線周波数検出出力FDに即応し、各交流電動機の回転速度もこの電流上限値調整出力UCに追従して例えば0.5秒から1秒程度の短時間で安定するように制御され、この時間内にシステムダウンの判定が出ないように設定することにより、システムダウンを回避して交流電動機の運転を継続することが可能となる。
【0067】
実施の形態10.
図13はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態10を示す。この実施の形態10でも、実施の形態9と同様に、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに、電流指令手段68、電流上限値調整手段69A、および電流上限値制御出力手段69Cが設けられるが、それに加えて、電力変換制御回路60のそれぞれに、実施の形態2と同様に、無効電力指令手段66が設けられる。
【0068】
この無効電力指令手段66は、実施の形態2の無効電力指令手段66と同じに、共通配電母線30に直接接続されており、共通配電母線30の母線電圧Vbを検出し、この母線電圧Vbに応じて、この母線電圧Vbを所定値に維持するのに必要な無効電力を演算し、無効電力指令PIを発生する。この実施の形態6でも、制御指令手段61はこの無効電力指令PIに基づき、電力変換回路55の無効電力の調整を行なう。この無効電力の調整は、母線電圧Vbを所定値に保つように、各電力変換回路55と交流電動機81〜84との間でやり取りされる無効電力を調整する。この無効電力指令手段66による無効電力の調整は、各電力変換装置51〜54のそれぞれにおいて実行され、母線電圧Vbを所定値に調整して、母線電圧Vbの安定化を図り、負荷機械91〜94の駆動を継続できる。
【0069】
実施の形態11.
図14はこの発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態11を示す。この実施の形態11でも、実施の形態9と同様に、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御
回路60のそれぞれに、電流指令手段68、電流上限値調整手段69A、および電流上限値制御出力手段69Cが設けられるが、それに加えて、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに共通に、母線周波数検出手段71が設けられる。
【0070】
この実施の形態11によっても、実施の形態9と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71を設けるので、母線周波数検出手段64を各電力変換装置51〜54のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64の特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また母線周波数検出手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【0071】
実施の形態12.
図15はこの発明による交流電動機の駆動システムに実施の形態12を示す。この実施の形態12でも、実施の形態9と同様に、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに、電流指令手段68、電流上限値調整手段69A、および電流上限値制御出力手段69Cが設けられるが、それに加えて、電力変換装置51〜54に対する電力変換制御回路60のそれぞれに共通に、母線周波数検出手段71と、無効電力指令手段72が設けられる。
【0072】
この実施の形態12によっても、実施の形態9と同じ効果を得ることができる。加えて、複数の電力変換装置51〜54に対して共通に、母線周波数検出手段71と無効電力指令手段72を設けるので、母線周波数検出手段64と無効電力指令手段66を各電力変換装置51〜54の電力変換制御回路60のそれぞれに配置するものに比べて、母線周波数検出手段64および無効電力指令手段66における特性のバラツキを解消し、各電力変換装置51〜54をより均一に制御することができ、また、母線周波数検出手段と無効電力指令手段の設置台数を低減し、構成の簡略化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明による交流電動機の駆動システムは、船舶における複数の推進器を複数の交流電動機によって駆動する用途、LPGプラントにおける複数のコンプレッサを複数の交流電動機によって駆動する用途、または複数のブロアを複数の交流電動機によって駆動する用途など、複数の風水力利用負荷を複数の交流電動機によって駆動するのに有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態1を示すシステム系統図、
【図2】図2は、実施の形態1の動作波形を示す線図、
【図3】図3この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態2を示すシステム系統図、
【図4】図4実施の形態2に対応する従来の動作波形を示す線図、
【図5】図5実施の形態2の動作波形を示す線図、
【図6】図6この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態3を示すシステム系統図、
【図7】図7この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態4を示すシステム系統図、
【図8】図8この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態5を示すシステム系統図、
【図9】図9この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態6を示すシステム系統図、
【図10】図10この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態7を示すシステム系統図、
【図11】図11この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態8を示すシステム系統図、
【図12】図12この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態9を示すシステム系統図、
【図13】図13この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態10を示すシステム系統図、
【図14】図14この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態11を示すシステム系統図、
【図15】図15この発明による交流電動機の駆動システムの実施の形態12を示すシステム系統図である。
【符号の説明】
【0075】
11〜15:原動機、21〜25:交流発電機、30:共通配電母線、
51〜54:電力変換装置、60:電力変換制御回路、81〜84:交流電動機、
91〜94:負荷装置、65:母線周波数検出手段、64:速度指令補正手段、
66:無効電力指令手段、67:速度上限値調整手段、67A:電流上限値調整手段。

Claims (11)

  1. 原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令を補正した補正速度指令に基づいて、対応する前記電力変換装置に対する電流指令を発生し、
    前記複数の電力変換装置のそれぞれが、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記補正速度指令に対応した所定値に制御するように構成され、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または、前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配線母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
    さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記補正速度指令を出力する補正速度指令手段を有することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  2. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、さらに、前記共通配電母線の母線電圧を個別に検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を有し、前記電力変換装置のそれぞれが、さらに、前記無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  3. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、さらに、前記共通配電母線の母線電圧を検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を備え、
    前記電力変換装置のそれぞれが、さらに前記無効電力指令手段からの無効電力指令を受け、この無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  4. 原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記交流電動機に対する速度指令の上限値を調整した速度上限値調整出力に基づいて、前記速度上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換装置に対する電流指令を発生し、
    前記電力変換装置のそれぞれが、対応する前記交流電動機に対する前記速度上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記速度上限値調整出力で規制される所定値に制御するように構成され、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配線母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
    さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記速度上限値調整出力を発生する速度上限値調整手段を有することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  5. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれがさらに、前記共通配電母線の母線電圧を個別に検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を有し、前記電力変換装置のそれぞれが、さらに、前記無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  6. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、さらに、前記共通配電母線の母線電圧を検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を有し、前記電力変換装置のそれぞれが、さらに、前記無効電力指令手段からの無効電力指令を受け、この無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  7. 原動機により駆動される複数の交流発電機と、この複数の交流発電機が接続された共通配電母線と、この共通配電母線に接続された複数の電力変換装置と、この複数の電力変換装置のそれぞれに対応して設けられた複数の電力変換制御回路と、前記複数の電力変換装置のそれぞれによって駆動される複数の交流電動機と、この複数の交流電動機のそれぞれによって駆動される複数の負荷機械とを備えた交流電動機の駆動システムであって、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記共通配電母線の母線周波数を検出した母線周波数検出出力により、対応する前記電力変換装置に対する電流指令の上限値を調整した電流上限値調整出力に基づいて、前記電流上限値調整出力以下の範囲において、前記交流電動機に対する電流指令を発生し、
    前記複数の電力変換装置のそれぞれが、前記電流上限値調整出力以下の範囲において、対応する前記電力変換制御回路からの前記電流指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる有効電力を制御することにより、前記共通配電母線の負荷変動に応じて、前記母線周波数を前記電流上限値調整出力で規制される所定値に制御するように構成され、
    前記複数の電力変換制御回路のそれぞれに、前記共通配電母線の母線周波数を個別に検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設けるか、または、前記複数の電力変換制御回路に共通に、前記共通配電母線の母線周波数を検出して前記母線周波数検出出力を出力する母線周波数検出手段を設け、
    さらに、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれが、前記母線周波数検出手段から出力される前記母線周波数検出出力に基づいて前記電流上限値調整出力を発生する電流上限値調整手段を有することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  8. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、前記複数の電力変換制御回路のそれぞれがさらに、前記共通配電母線の母線電圧を個別に検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を有し、前記電力変換装置のそれぞれが、さらに、前記無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  9. 請求項記載の交流電動機の駆動システムであって、さらに、前記共通配電母線の母線電圧を検出してその母線電圧に応じた無効電力指令を出力する無効電力指令手段を有し、前記電力変換装置のそれぞれが、さらに、前記無効電力指令手段から前記無効電力指令を受け、この無効電力指令に基づいて、対応する前記交流電動機との間でやり取りされる無効電力を制御し、前記母線電圧を所定値に制御することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  10. 請求項1、4、または記載の交流電動機の駆動システムであって、単数または複数の原動機を備え、この原動機が燃料の燃焼により駆動力を発生して、前記複数の交流発電機を駆動することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  11. 請求項1、4、または記載の交流電動機の駆動システムであって、前記複数の負荷機械が風水力応用機械であることを特徴とする交流電動機の駆動システム。
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