図1は、この発明による画像蓄積装置における第一の実施の形態を示す斜視図である。この発明の画像蓄積装置はデジタルカメラで撮影された画像を蓄積することを主な目的とするが、第一の実施の形態では電話機一体型画像蓄積装置として構成されている。 図1における第一の実施の形態は、表示画面つきのファックス電話機とほぼ同様の形状をしており、本体1に受話器2が接続されている。この受話器2はいわゆるコードレスのものであってもよい。通常の電話と同じように、着信があったときは受話器2を取り外すことによって電話が接続状態となり通話が可能となる。5インチ程度のカラー高精細液晶表画面3aを有する大画面表示部3は、本体1に対して回転可能であって、本体1に沿わせて倒すことも、図1の状態のように立てることもできる。大画面表示部3の上端中央には着脱可能なカメラ部4が設置されている。カメラ部4は小型のデジタルカメラであるが、画像蓄積装置での蓄積の対象とする画像を撮影するデジタルカメラに比べ画素数の小さなものであり、主に後述のテレビ電話を目的とするものである。
図1における電話機一体型画像蓄積装置は、通常のファックス電話と同様、モジュラージャック5によって接続される電話回線を介し、音声通話及びファックス通信が可能である。さらに、この電話回線を介して、パソコン通信や携帯電話で提供されているような種々のサービスを受けることができる。たとえば、テンキー6と大画面表示部3を使って電子メールのやりとりを行ったり、音楽コンテンツの配信を受けてステレオのスピーカ7でこれを再生したりすることなどが可能である。また、カメラ部4で撮影した顔の画像を送信したり、カメラ部4、内蔵のマイク8、及びスピーカ7によりテレビ電話を楽しんだりすることもできる。なお、テレビ電話における音声のやりとりは受話器2によっても可能である。受話器2を置いたまま、マイク8とスピーカ7で通話を行うときは、着信時又は送信時に送受信ボタン9を押す。ステレ−スピーカー7は電話の着信音も発生する。
充電コード10はプラグ11により商用電源ラインに接続されると共にACアダプター10aを有する。本体1はバッテリーを内蔵しているので、充電済み状態であればプラグ11を外して任意の場所に持ち運びできる。
着信待ち状態では、大画面表示部3の表示はなされず、画像蓄積装置全体も最低限の電力消費状態におかれる。この状態から、受話器2を取り上げるか、又は送受信ボタン9を押すか、又はテンキー6のいずれかを押すか、又はスクロールダイヤル12、左シフトボタン13及び右シフトボタン14のいずれかを操作するかすると、画像蓄積装置は直ちに立上がって能動状態になり、大画面表示部3の表示が始まる。いずれの場合も、大画面表示部3には初期メニュー画面が表示される。
スクロールダイヤル12は上下方向に回転可能になっており、これを回転させることにより、上下方向の画面スクロール、上下方向のメニュー選択、上下方向のアイコン選択などを行う。またスクロールダイヤル12を押し込むことにより選択の決定などが行われる。左シフトボタン13は、ワンプッッシュ毎に、所定量の左方向への画面スクロール、左方向へのメニューシフト、左方向へのアイコンシフトなどを行う。また、右シフトボタン14は、ワンプッッシュ毎に、所定量の右方向への画面スクロール、右方向へのメニューシフト、右方向へのアイコンシフトなどを行う。
終了ボタン15は画像蓄積装置を立上がり状態から着信待ち状態に戻すためのものである。着信待ち状態への復帰は、スクロールダイヤル12によるメニューの操作からも可能である。また、挙げていた受話器2を降ろすことによっても、画像蓄積装置は立上がり状態から着信待ち状態に戻る。
ヘルプボタン16は画像蓄積装置の操作がわからなくなったときに押すことにより、音声によるナビゲーションを受けることが出来る。
以上、電話機としての機能を中心に説明したが、図1における第一の実施の形態は電話機一体型の画像蓄積装置であり、メモリーカードを外部のデジタルカメラから取り出し、カードスロット17に挿入することにより、このデジタルカメラで撮影した画像データをメモリーカードから吸上げ、ハードディスクを有する電話機一体型画像蓄積装置の本体1内で蓄積する。吸上げた画像データは大画面表示部3で表示したり、ファックスのプリント機能によって印刷したり、電話機能により他の電話機一体型画像蓄積装置、又は画像サーバなど画像の保管サービスを行う外部の画像保管装置に送信したりすることが可能である。
なお、デジタルカメラからの画像データの吸上げは、上記のようなメモリーカードの挿脱によらず、デジタルカメラとデジタル端子18との間をデジタルコードで接続して、デジタルカメラから直接画像を吸上げることも可能である。
また、本体1が、特開2000−341614に開示されているようなデジタルカメラの充電兼データ吸上げステーションを兼ねている場合は、本体1の上部にデジタルカメラの載置部を設け、この載置部内にデジタルカメラのための充電端子とともにデジタル端子18を配するようにする。このようにすれば、デジタルカメラを載置部に置けば、デジタル端子18と充電端子が直接デジタルカメラの対応する端子にそれぞれ接触し、画像の吸上げ及び充電が可能となる。
図2は、上記のような第一の実施の形態におけるシステム全体の構成を示すブロック図であり、図1で言及した部分については、同一番号を付す。なお、送受話部20は 図1の受話器2を含んでおり、操作部21は、図1のテンキー6、送受信ボタン9、スクロールダイヤル12、左シフトボタン13、右シフトボタン14、終了ボタン15、ヘルプボタン16などを含んでいる。また、オーディオ処理部22はスピーカ7とマイク8の信号を処理する。さらに、充電コード10に接続している電源部23は、バッテリー24を有し、電話機一体型画像像蓄積装置25全体に電力を供給する。
さて、図2の電話機一体型画像蓄積装置25において、カードスロット17内のメモリーカードにおけるすべての画像データ、又はデジタル端子18を介してアクセスされるデジタルカメラにおけるすべての画像データからは、まずそれらの画像に付属しているサムネイルデータが吸上げられ、制御/処理部内26内のメモリに一時保管される。
これらのサムネイルデータは、大画面表示部3に並べて表示されるが、操作部21によってこれらサムネイルの一つを選択し、これを鑑賞する旨の操作をすると、選択されたサムネイルに対応する画像データがメモリーカード又はデジタルカメラから吸上げられる。この状態の画像データ(以下、「オリジナル画像データ」と称する)は圧縮状態にあるが、制御/処理部26はこのオリジナル画像データを伸張し、これを大画面表示部3全面に表示する。同時に制御/処理部26は伸張されたオリジナルデータを大画面表示部3全面での表示に充分な解像度まで画素を間引くとともにこれを圧縮して蓄積用画像データを作成する。なお、オリジナル画像データが同一画像に対して複数の解像度の画像データを用意しているようなファイル構造であれば、この動作は省略できる。この場合は、複数の解像度デ用意されている画像データのうち、大画面表示部3全面での表示に充分な解像度のものを蓄積用画像データとする。
この蓄積用画像データは記憶部27のハードディスク28に記憶される。記憶部27はさらに、後述する種々の操作の履歴を記憶する。一方、対応するオリジナル画像データは、通信部29より画像サーバ30の通信部31に送信され、大容量記憶部32の画像部33に記憶される。このようにして、オリジナル画像データを大画面表示部3に表示するための操作部21の操作によりオリジナル画像データが吸上げられるとともに、自動的に蓄積用画像データが作成されて記憶部27に記憶され、さらにオリジナル画像データが画像サーバ30に送信されて大容量記憶部32に記憶される。なお、画像サーバ30の大容量記憶部32には、画像部33の他に、後に説明する履歴部32がある。
また、操作部21によって大画面表示部3に表示されるサムネイルの一つを選択し、これを印刷部35で印刷する旨の操作をしたときも、上記と同様の動作となる。つまり、制御/処理部26は選択されたサムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード又はデジタルカメラから吸上げるとともにこれを伸張し、印刷部35に送って印刷を実行させる。同時に制御/処理部26は伸張されたオリジナルデータを大画面表示部3全面での表示に充分な解像度まで画素を間引くとともにこれを圧縮して蓄積用画像データを作成する。そして、この蓄積用画像データを記憶部27のハードディスク28に記憶する一方、対応するオリジナル画像データを通信部29より画像サーバ30の通信部31に送信し、大容量記憶部32に記憶する。このようにして、オリジナル画像データを印刷部35で印刷するための操作部21の操作によりオリジナル画像データが吸上げられるとともに、自動的に蓄積用画像データが記憶部27に記憶され、さらにオリジナル画像データが画像サーバ30に送信されて大容量記憶部32に記憶される。
さらに、操作部21によって大画面表示部3に表示されるサムネイルの一つを選択し、これを画像サーバ30における銀塩プリンターなどの高画質印刷部36で印刷する旨の依頼の操作をしたときも、上記と同様の動作となる。つまり、制御/処理部26は選択されたサムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード又はデジタルカメラから吸上げるとともにこれを伸張し、印刷依頼対象の確認のために大画面表示部3に送って表示させる。同時に制御/処理部26は伸張されたオリジナルデータを大画面表示部3全面での表示に充分な解像度まで画素を間引くとともにこれを圧縮して蓄積用画像データを作成する。そして、この蓄積用画像データを記憶部27のハードディスク28に記憶する一方、対応するオリジナル画像データを通信部29より画像サーバ30の通信部31に送信し、大容量記憶部32に記憶する。そして、大容量記憶部32のオリジナルデータを伸張して高画質印刷部36による印刷が行なわれる。このようにして、オリジナル画像データを画像サーバ30の高画質印刷部36で印刷してもらうための操作部21の操作によりオリジナル画像データが吸上げられるとともに、自動的に蓄積用画像データが作成されて記憶部27に記憶され、さらにオリジナル画像データが画像サーバ30に送信されて大容量記憶部32に記憶される。
図2において、第二の電話機一体型画像蓄積装置37は、上記に説明してきた第一の電話機一体型画像蓄積装置25と全く同様の構成のものである。従って、煩雑を避けるため、通信部38以外の構成は図示を省略している。
上記の動作は、操作部21によって大画面表示部3に表示されるサムネイルの一つを選択し、第二の電話機一体型画像蓄積装置37に送る旨の操作をしたときも、実行される。つまり、制御/処理部26は選択されたサムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード又はデジタルカメラから吸上げるとともにこれを伸張し、大画面表示部3全面での表示に充分な解像度まで画素を間引くとともに圧縮して蓄積用画像データを作成する。そして、この蓄積用画像データを記憶部27のハードディスク28に記憶するとともに、通信部29から第二の電話機一体型画像蓄積装置37の通信部38にも送信する。送信された蓄積用画像データは、第二の電話機一体型画像蓄積装置37における記憶部のハードディスクに記憶される。その一方で、対応するオリジナル画像データを通信部29より画像サーバ30の通信部31に送信し、大容量記憶部32に記憶する。このようにして、所望の画像を他の電話機一体型画像蓄積装置に送信するための操作部21の操作によりオリジナル画像データが吸上げられるとともに、自動的に蓄積用画像データが作成されて記憶部27に記憶され、さらにオリジナル画像データが画像サーバ30に送信されて大容量記憶部32に記憶される。このように、電話機一体型画像蓄積装置同士の画像送信はオリジナル画像データではなく、蓄積用画像データが用いられる。
テレビ出力端子39は伸張されたオリジナル画像データをデジタルテレビによる鑑賞のために出力するデジタル端子であり、大画面表示部3への出力と同様のデジタル信号が出力される。上記の動作は、操作部21によってテレビ出力端子39に接続されたデジタルテレビに表示されるサムネイルの一つを選択する操作をしたときも、実行される。つまり、制御/処理部26は選択されたサムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード又はデジタルカメラから吸上げるとともにこれを伸張し、テレビ出力端子39に出力する。さらに、制御/処理部26は伸張されたオリジナル画像データを大画面表示部3全面での表示に充分な解像度まで画素を間引くとともに圧縮して蓄積用画像データを作成する。そして、この蓄積用画像データを記憶部27のハードディスク28に記憶するとともに、対応するオリジナル画像データを通信部29より画像サーバ30の通信部31に送信し、大容量記憶部32に記憶する。このようにして、所望の画像をテレビ出力端子39に接続されたデジタルテレビで鑑賞するための操作部21の操作により、オリジナル画像データが吸上げられるとともに、自動的に蓄積用画像データが作成されて記憶部27に記憶され、さらにオリジナル画像データが画像サーバ30に送信されて大容量記憶部32に記憶される。
以上説明してきたように、この発明によれば、画像の鑑賞、印刷、送信などのために操作部21を操作することにより、いずれも自動的にオリジナル画像データの吸上げがおこなわれるとともに、蓄積用画像データが電話機一体型画像蓄積装置25内部の記憶部27におけるハードディスク28に記憶される。従って、特に意識しなくても何らかの関心を持って操作した画像は必ず記憶部27に蓄積され、以後画像が必要な場合は、記憶部27の中だけを探せばよく、撮影した画像が散逸することがない。このようにして画像データの蓄積という観点からみて、怠慢によりデータベースの構築が破綻することがない。
また、記憶部27に存在する画像に対しては、そのバックアップとして対応するオリジナル画像データが必ず画像サーバ30に記憶されるので、万一ユーザサイドにおいて電話機一体型画像蓄積装置25のハードディスク27が破損しても、オリジナル画像データが安全に保存される。
なお、操作部21により、どの画像にどんな操作をしたかの履歴はすべて画像サーバ30の大容量記憶部32における履歴部34に自動的に記憶される。従って、画像サーバにアクセスし、履歴部34の記憶を検索のキーとして記憶部27に記憶されている画像を検索することが可能となる。また、履歴部34の記憶については、関与する履歴であれば第二の電話機一体型画像蓄積装置37にも共有される履歴なので、第二の電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30の履歴部34にアクセスし、その記憶を検索のキーとして第二の電話機一体型画像蓄積装置37における記憶部の中から、第一の電話機一体型画像蓄積装置25によって送信された画像を検索することも可能となる。なお、一度履歴部34にアクセスして得た履歴は、電話機一体型画像蓄積装置25又は37の記憶部27にも保存されるので、更新の必要がない限り、いちいち画像サーバ30にアクセスしなくても、これを検索のキーとして利用することができる。
上記において説明した、画像の鑑賞、印刷、送信などの操作に伴う蓄積用画像データ及びオリジナル画像データの自動記憶は、他の操作によって同じ画像に関する自動記憶が既に実行済みである場合は省略される。例えば、先に画像の鑑賞を行った結果、蓄積用画像データが及びオリジナル画像データがそれぞれ記憶部27と大容量記憶部32に既に自動記憶されている場合において、引き続いて同じ画像を印刷部35で印刷するよう指示したとしても、伸張されたオリジナルデータに基く印刷の実行が行なわれるだけで、蓄積用画像データ及びオリジナル画像データの自動記憶が繰り返されることはない。但し、その画像印刷を指示したという履歴だけは、通信部29から通信部31に送られ、大容量記憶部32の履歴部34に記憶される。
なお、電話機一体型画像蓄積装置25の記憶部27には、ファイルサイズの小さい蓄積用画像データを蓄積するとともに、バックアップとなる画像サーバ30の方にオリジナル画像データを蓄積するようにしているが、これは、記憶部27のコストアップを招くことなしにその容量の限界を実質的になくす意味がある。さらに、画像サーバ30と電話機一体型画像蓄積装置25との交信機会を少なくするとともに、電話機一体型画像蓄積装置同士の画像通信データ量を少なくして交信コストを下げる意味もある。すなわち、電話機一体型記憶装置25における画像利用で最も頻度の高いのは大画面表示部3による鑑賞であるが、記憶部27の蓄積用画像データは大画面表示部3全面での表示に充分な解像度なので、鑑賞における画質としては問題がなく、画像サーバ30にアクセスしてオリジナル画像データを求める必要がない。また、電話機一体型記憶装置同士の画像通信においても、受信相手に必要なのは相手側の大画面表示部3全面での表示に充分な解像度なので、蓄積用画像データを送信すれば足り、画像サーバ30にアクセスしてオリジナル画像データを求める必要がないので、通信コストが小さくて済む。
なお、印刷部35によって高画質印刷を行う場合や、テレビ出力端子39に接続されたデジタルテレビで画像を鑑賞する場合は、蓄積用画像データでは解像度が不足するので、画像サーバ30にアクセスして大容量記憶部32のオリジナル画像データを制御/処理部26のバッファメモリにダウンロードし、これを印刷部35又はテレビ出力端子に供給する。
電話機一体型画像蓄積装置25は、記憶部27に記憶した画像の編集を行うことも可能である。編集を行う際には、まず、編集対象の画像を記憶部27から呼び出して大画面表示部3に表示する。同時に画像サーバ30にアクセスし、大画面表示部3に表示されている蓄積用画像データに対応する画像サーバ30側のオリジナル画像データを指定する。そして、オリジナル画像データを電話機一体型画像蓄積装置25にダウンロードすることなく、画像サーバ30との常時接続状態で、画像サーバ30の機能によりその結果を大画面表示部3でモニターしながら操作部21の操作によって編集を行う。編集が完了した画像は、新たなオリジナル画像データとして画像サーバ30に登録するとともに、対応する新たな蓄積用画像データを作成して記憶部27のハードディスク28に記憶する。このように、見かけ上の編集操作は電話機一体型画像蓄積装置25側において大画面表示部3をリアルタイムでモニターしながら操作部21で行うが、操作部21の編集操作に応答して実際にオリジナル画像データに編集効果をかけているのは画像サーバ30側のソフトウエアの機能である。
図3は、電話機一体型画像蓄積装置25のメインフローチャートである。ステップS1で電源スイッチが入ると、ステップS2で電話機一体型画像蓄積装置25がサーバセンターに登録済みかどうかのチェックが行われる。電話機一体型画像蓄積装置25を新たに購入して初めて電源スイッチを入れた場合、又は、所定の登録処理が未完の場合はステップS3に進んで画像サーバ30への接続が自動的に行われる。接続が完了するとステップS4で所定の登録/初期化処理が行われ、完了するとステップS5で画像サーバ30との接続を切断する。ここで、登録/初期化とは、電話機一体型画像蓄積装置25を画像サーバ30に登録するとともに一連の機能の初期化を行い、両者が画像の蓄積及び検索において連携するために必要なものである。例えば、電話機一体型画像蓄積装置25が登録/初期化済みであっても、電話機一体型画像蓄積装置37の登録/初期化が済んでいないと、電話機一体型画像蓄積装置25及び37が画像サーバ30を介して画像データ及び履歴データを共有する際に支障が出る。このため、ステップS2からステップS5は、個々の電話機一体型画像蓄積装置を初めて使用する際に、この登録/初期化がそれぞれ確実に行なわれるようにする意味を持つ。
一方、ステップS2において電話機一体型画像蓄積装置25が登録済みであることが判断されると、ステップS6からステップS11において、各種の割込みを可能にしてステップS12で待機状態に入る。
図4は、蓄積割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。蓄積割込みは、カードスロット17にメモリーカードが挿入されたとき、又は、デジタル端子18がデジタルカメラに接続されたとき、又は、第二の電話機一体型画像蓄積装置37などの他の電話機一体型画像蓄積装置から画像を受信したときにかかり、ステップS21からスタートする。
ステップS22では、メモリーカード又はデジタルカメラ内部にある画像データのサムネイルが制御/処理部26に吸上げられ、大画面表示部3に並べて表示される。また、第二の電話機一体型画像蓄積装置37などから蓄積用画像データを受信した場合における蓄積割込みであれば、受信した蓄積用画像データのサムネイルが大画面表示部3に表示される。
ステップS23では、他の電話機一体型画像蓄積装置から蓄積用画像データを受信したことによる蓄積割込みであるかどうかがチェックされ、画像受信による割込みであったときは、ステップS24で直ちに受信した蓄積用画像データを記憶部27に記憶する。また、ステップS25で、その蓄積用画像データがいつ誰から受信してものであるかなどの受信履歴が記憶部27に記憶される。これらの処理が終わると、ステップS26で受信した蓄積用画像データを伸張し、今まで表示していたサムネイルに換えて大画面表示部3で表示するとともに、ステップS27に進んで次の操作を待ち、待機する。なお、複数の蓄積用画像データを受信していた場合は、ステップS26において所定のルールに従いその一つを選択して全画面表示する。
一方、ステップS23で画像受信による割込みでなかったときは、カードスロット17にメモリーカードが挿入されたか、又は、デジタル端子18がデジタルカメラに接続されたより蓄積割込みがかかったことを意味する。この場合は、直接ステップS27に飛び、サムネイルの表示を維持したまま次の操作を待って待機する。
図5は、鑑賞割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。鑑賞を目的としてサムネイルの一つを選択する旨の操作を操作部21で行うと鑑賞割込みがかかり、フローはステップS31からスタートする。ステップS32では、選択されたサムネイルに該当する蓄積用画像データが記憶部27のハードディスク28に蓄積済みかどうかがチェックされる。蓄積済みでなければ、選択されたサムネイルは、カードスロット17に挿入されているメモリーカード、又はデジタル端子18に接続されているデジタルカメラ内にある未蓄積のオリジナル画像データに対応するものであることを意味する。そこで、ステップS33でメモリーカード又はデジタルカメラから該当するオリジナル画像データを制御/処理部26のバッファメモリに吸上げる。この状態ではオリジナル画像データは圧縮されている。ステップS34では、オリジナル画像データの伸張を行うとともに、ステップS35で間引き処理を行うことによって蓄積用画像データを作成する。さらに、これをステップS36で圧縮するとともに、ステップS37で記憶部27のハードディスク28に記憶する。ステップS37では、併せて記憶された蓄積用画像データが電話機一体型画像蓄積装置25において鑑賞された旨の履歴データも記憶部27に記憶される。
ステップS38では、ステップS33で吸上げたオリジナル画像データを圧縮されたままの状態で通信部29から画像サーバ30の通信部31に送信し、大容量記憶部32に記憶するための一連の処理をスタートする。ステップS38の送信処理では、併せて、送信された画像データが電話機一体型画像蓄積装置25において鑑賞された旨の履歴データも画像サーバ30に送信され、履歴部34に記憶される。
そして、ステップS39において、ステップS35で作成された蓄積用画像データを大画面表示部3で表示する。なお、上記において、ステップS38は、画像サーバへの送信処理がスタートすることを意味しており、以後送信処理自体は、ステップS39以降の処理と並行して行われる。従って、ステップS38の処理が完了してからステップS39に進むわけではなく、ステップS38の処理がスタートすると直ちにステップ39に移行し、大画面表示部3での表示が実行される。
一方、ステップS32において、選択されたサムネイルに該当する蓄積用画像データが記憶部27にのハードディスク28に蓄積済みのものであった場合は、ステップS41で該当する蓄積用画像データを記憶部27から制御/処理部26に読出す。その際、記憶部27に、その蓄積用画像データを鑑賞のために読み出した履歴を記憶する。ステップS42では、読出した蓄積用画像データを伸張し、ステップS38に進む。この場合、ステップS38の送信処理では、記憶部27から読出された蓄積用画像データが電話機一体型画像蓄積装置25において鑑賞された旨の履歴データだけが画像サーバ30に送信され、履歴部34に記憶される。以上の処理の後、ステップS42で伸張した蓄積用画像データをステップS39において大画面表示部3で表示する。
図6は、画像サーバへのデータ送信処理のフローチャートであり、図5のステップS38における処理の詳細な内容をなすとともに、後述の「間欠発呼」がセットされている場合において所定時間毎に実行される処理でもある。ステップS51でフローがスタートすると、ステップS52で電話機一体型画像蓄積装置25が画像サーバ30に接続中であるかどうかがチェックされる。接続中でなければ,ステップS53で画像サーバ30に電話をかけるための発呼が行なわれる。
ステップS54では、発呼後、所定時間が経過したかどうかがチェックされ、経過していなければ、ステップS55で電話が接続されたかどうかがチェックされる。電話が接続されないときは、ステップS54に戻り、以後、所定時間が経過するまではステップS54とステップS55を繰り返す。
ステップS55で電話が接続されれば、ステップS56で送信用データの送信が実行される。送信用データは場合によっては、、メモリカード又はデジタルカメラから吸上げて制御/処理部26に保持していたオリジナル画像データ及び操作の履歴データであり、場合によっては操作の履歴データのみである。ステップS57では、送信用データの送信が完了したかどうかを見る。送信が完了していないときはステップS56に戻り、以後、送信が完了するまでステップS56とステップS57を繰り返す。送信が完了するとステップS58に進み、送信用データを制御/処理部26から消去する。また、ステップS59で「間欠発呼」をリセットし、ステップS60で処理を終了する。なお、ステップS59は「間欠発呼」がセットされていた場合のみ作用し、これがセットされていない場合は何の作用もなしに、ステップS60に至る。
一方、ステップS52で電話機一体型画像蓄積装置25が画像サーバ30に接続中であったときは、ステップS56に飛び、直ちに送信用データの送信を開始する。
また、ステップS54において電話の接続が不成功に終わって所定時間が経過してしまったときは、ステップS61に進み、送信用データを制御/処理部26に保持する。さらに、ステップS62で「間欠発呼」をセットしてステップS60で処理を終了する。なお、ステップS61において、既に該当する送信用データの保持が指示されていた場合は、ステップS61では何の作用も行わない。同様に、既に「間欠発呼」がセットされていた場合は、ステップS62では何の作用も行わない。このようなケースは、以前に接続に失敗した後に再び接続に失敗してステップS54からステップS61に至ったときに生じる。
さて、「間欠発呼」がセットされると、電話機一体型画像蓄積装置25は所定時間毎に自動的にステップS51からのフローを実行する。従って、ステップS55からステップS56以降のステップに進んで送信用データの送信、同データの消去、及び「間欠発呼」のリセットが実行されない限り、ステップS51からステップS55及びステップS61からステップS60の動作が所定時間毎に繰り返される。そして、この間、ステップS61の作用により、未送信のオリジナル画像データがあればこれを蓄積用画像データとともに電話機一体型画像蓄積装置25内で保持する。この保持は、まず制御/処理部26内のバッファメモリによって行われ、所定時間毎に記憶部27でバックアップされる。なお、この場合において、ステップS58でオリジナル画像データの消去が指示されたときは、制御/処理部26内のバッファメモリ及び、記憶部27でのバックアップがともに消去される。
以上説明した図6の画像サーバへの送信処理は、以下に説明する印刷割込み、及び送信割込みのフローにおいても適用される。
図7は、印刷割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。印刷の指示を操作部21で行うと印刷割込みがかかり、フローはステップS71からスタートする。なお、印刷の指示においては、オリジナル画像データに基いて画像サーバ30の高画質印刷部36による外部印刷を依頼するのか、又は電話機一体型画像蓄積装置25の印刷部35において内部印刷をするのか、さらには、内部印刷の場合においてオリジナル画像データによる内部高画質印刷をするのか又は蓄積用画像データによる簡易画像印刷をするのかについても、操作部21で予め設定しておく。
ステップS72では、大画面表示部3において何らかの画像を全画面表示して鑑賞中に印刷指示の操作をしたのかどうかがチェックされる。鑑賞中でなければ、大画面表示部3にサムネイルが表示されている状態でその一つを選択し、印刷を指示したことを意味する。この場合は、ステップS73に進み、選択されたサムネイルに該当する蓄積用画像データが記憶部27に蓄積済みかどうかをチェックする。蓄積済みでなければ、選択されたサムネイルは、カードスロット17に挿入されているメモリーカード、又はデジタル端子18に接続されているデジタルカメラ内にある未蓄積のオリジナル画像データに対応するものなので、ステップS74でメモリーカード又はデジタルカメラから該当するオリジナル画像データを制御/処理部26のバッファメモリに吸上げる。ステップS75では、オリジナル画像データの伸張を行う。ステップS76では、蓄積用画像データ処理を行うが、その内容は図5におけるステップS35の間引き処理、ステップS36の圧縮処理、及びステップS37の記憶処理と同様である。
ステップS77では、ステップS74で吸上げたオリジナル画像データ及びこの画像データに対して印刷を指示した旨の履歴データを画像サーバに送信する処理を行う。その内容は図6のとおりである。なお、印刷の指示としては、外部印刷、内部高画質印刷、及び簡易画質印刷のいずれかが選択可能なので、上記履歴データにはこのいずれを選択したかも併せて画像サーバに送信する。また、これらの履歴データは、ステップS76の蓄積用画像データ処理において記憶部27にも記憶される。
ステップS78における印刷処理では、内部高画質印刷が選択されていた場合、ステップS75で伸張したオリジナル画像データに基き印刷部35で印刷処理がスタートする。一方、簡易画質印刷が選択されていた場合は、蓄積用画像データに基き印刷部35で印刷処理がスタートする。さらに外部印刷が選択されていた場合は、画像サーバ30の高画質印刷部36で印刷処理がスタートする。いずれの場合においても、印刷処理がスタートするとフローはステップS79に進み、待機状態となる。なお、上記において、一般にステップS77は、画像サーバへの送信処理がスタートすることを意味しており、以後送信処理自体は、ステップS78以降の処理と並行して行われる。但し、上記のケースのようにステップS73からステップS74を経由してステップS77に至った場合は、オリジナル画像データが画像サーバ30に送信され、画像部33への記憶が完了してからステップS78に進む。
一方、ステップS72において、大画面表示部3において何らかの画像を全画面表示して鑑賞中に印刷指示の操作をした場合は、既に鑑賞割込みに基く処理が行われた後の印刷の指示であることが明白である。すなわち、既に図5の処理が実行され、対応するオリジナル画像データの画像サーバへの送信処理及び蓄積用画像データ処理の手配は済んでいる。従って、ステップS80に移行し、吸上げたオリジナル画像データがまだ電話機一体型画像蓄積装置25内に保持されているかどうかをチェックする。保持されていなければ、オリジナル画像データの画像サーバ30への送信処理が完了し、電話機一体型画像蓄積装置25内ではそれが消去されていることを意味する。そこで、ステップS81に進んで内部高画質印刷が選択されているかどうかをチェックする。そして、内部高画質印刷の場合はステップS82で画像サーバ30に発呼してこれに接続することにより、オリジナル画像データを受信する処理を行う。そして、受信したオリジナル画像データをステップS83で伸張する。この場合、ステップS77では、受信したオリジナル画像データについて印刷を指示した旨の履歴データのみが画像サーバ30に送信される。なお、履歴部34に印刷指示の旨の履歴を記憶させることは、画像サーバ30と交信しているステップS82の段階でも可能であり、その場合は、ステップS77での履歴データ送信処理は省略できる。ステップS78では、ステップS82で伸張されたオリジナル画像に基き、印刷部35で印刷処理が行なわれる。
一方、ステップS81で内部高画質印刷が選択されていなかったときは外部印刷又は簡易画質印刷であるから、いずれもオリジナル画像データを画像サーバ30から電話機一体型画像蓄積装置25に送信する手続きは不要であり、直接ステップS77に進み、指示に従って、高画質印刷部36又は印刷部35において印刷処理が行なわれる。
また、ステップS72で鑑賞中に印刷指示の操作をし、かつ、ステップS80に進んで吸上げデータが保持されていると判断された場合は、蓄積用画像データ処理は済んでいるが、電話の不通などでオリジナル画像データの画像サーバへの送信処理が完了していなかったことを意味する。この場合は、内部高画質印刷が指示されていたときは電話機一体型画像蓄積装置25内で伸張されているオリジナル画像データを利用すればよいので、直接ステップS77に至る。そして、鑑賞の対象となっている画像に基いて印刷を指示した旨の履歴データの送信処理が図6に従って試みられる。この場合、ステップS55で画像サーバ30への接続が成功すれば、ステップS56において、送信用データとして保持されていたオリジナル画像データ及び鑑賞履歴が印刷履歴とともに一括して送信データとして送信されることになる。また、この場合において、外部印刷が指示されていたときは、画像サーバ30へのオリジナル画像データの送信完了を待って、ステップS78の印刷処理が開始される。
さらに、ステップS73において、蓄積用画像データが記憶部27に蓄積済みであった場合も、ステップS80に進む。この場合、吸上げデータが制御/処理部26に保持されているのはレアケースであり、ほとんどの場合、ステップS81でのチェックの結果が内部高画質印刷であればステップS82及びステップS83の処理を行うことが必要になるが、念のためステップS80のチェックを行い、画像サーバ30からの無用なオリジナル画像データの受信処理を避けてステップS77における履歴データの送信のみに留めることを可能にする。
図8は、送信割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。第二の電話機一体型画像蓄積装置37などへの送信の指示を操作部21で行うと送信割込みがかかり、フローはステップS91からスタートする。ステップS92では、大画面表示部3において何らかの画像を全画面表示して鑑賞中に送信指示の操作をしたのかどうかがチェックされる。鑑賞中でなければ、大画面表示部3にサムネイルが表示されている状態でその一つを選択し、送信を指示したことを意味する。この場合は、ステップS93に進み、選択されたサムネイルに該当する蓄積用画像データが記憶部27に蓄積済みかどうかをチェックする。蓄積済みでなければ、選択されたサムネイルは、カードスロット17に挿入されているメモリーカード、又はデジタル端子18に接続されているデジタルカメラ内にある未蓄積のオリジナル画像データに対応するものなので、ステップS94でメモリーカード又はデジタルカメラから該当するオリジナル画像データを制御/処理部26のバッファメモリに吸上げる。ステップS95では、オリジナル画像データの伸張を行う。ステップS96では、蓄積用画像データ処理を行うが、その内容は図5におけるステップS35の間引き処理、ステップS36の圧縮処理、及びステップS37の記憶処理と同様である。
ステップS97では、送信先の電話機一体型画像蓄積装置37などに対する送信条件の設定処理を行う。送信条件としては、蓄積用画像データを受信した電話機一体型画像蓄積装置37による画像サーバ30の対応するオリジナル画像データへのアクセス権、ダウンロード権、印刷権、編集権、転送権などがあり、これらは送信の指示に先だって操作部21で設定されている。ステップS97は、これらの指示が正しく電話機一体型画像蓄積装置37及び画像サーバ30に伝達されるための送信条件データの作成処理を行う。
ステップS98では、ステップS94で吸上げたオリジナル画像データ、及びこの画像データについての送信指示に関する履歴データを画像サーバに送信する処理を行う。その内容は図6のとおりである。なお、上記履歴データには第二の電話機一体型画像蓄積装置37などの送信先を特定するデータ及び送信条件データも含まれる。なお、上記履歴データは、ステップS96の蓄積用画像データ処理において記憶部27にも記憶される。
画像サーバ30への送信処理が完了すると、引き続きステップS99において、ステップS96の蓄積用画像データ処理における間引き処理図5のステップS35に相当)で作成した蓄積用画像データ及び送信条件データを送信先の第二の電話機一体型画像蓄積装置37などへ送信する処理を開始し、ステップS100で待機する。この送信処理は送信先が異なるだけで、大略において図6の画像サーバへの送信処理と同様である。
なお、ステップS98からステップS99への移行は、ステップS98において画像サーバ30への送信処理が完了した場合だけでなく、ステップS98において画像サーバ30への接続がうまくいかず、ステップS62で「間欠発呼」がセットされた場合においても行なわれる。すなわち、「間欠発呼」がセットされて、次に画像サーバ30への発呼が行なわれるまでの待ち時間を活用して、ステップS99の処理が実行される場合もある。
一方、ステップS92において、大画面表示部3において何らかの画像を全画面表示して鑑賞中に送信指示の操作をした場合は、既に鑑賞割込みに基く処理が行われた後の送信の指示であることが明白である。すなわち、既に図5の処理が実行され、対応するオリジナル画像データの画像サーバへの送信処理及び蓄積用画像データ処理の手配は済んでいる。さらに、制御/処理部26には図5のステップS36で圧縮された蓄積用画像データが存在する。従って、直接ステップS97に飛ぶ。そして、ステップ98では送信条件を含む送信に関する履歴データのみが画像サーバ30送信される。履歴データに関しては、新たな履歴を画像サーバ30に送信する際、常に同一内容の履歴を記憶部27にも記憶させる。これはこの発明においてすべての場合に共通の事項である。ステップS98が完了すると、ステップS99で圧縮された蓄積用画像データを送信条件とともに第二の電話機一体型画像蓄積装置37などに送信する。
一方、全画面表示による鑑賞中ではないことがステップS92で判明し、かつ、選択されたサムネイルに該当する蓄積用画像データが記憶部27に蓄積済みであることがステップS93で判明したときは、ステップS101でその蓄積用データを記憶部27から読出してステップS97に進む。また、記憶部27には読出した蓄積用データを送信する旨の指示をした履歴が送信先のデータや送信条件とともに記憶される。さらに、ステップS98においては、同様の送信指示に関する履歴データが画像サーバ30にも送信される。またステップS99では、ステップS101で読出された蓄積用画像データが圧縮されたまま第二の電話機一体型画像蓄積装置37などに送信条件とともに送信される。
図9は、図8のステップS97における送信条件設定の詳細を示すフローチャートであり、送信に先だつ操作部21での設定に基き、画像サーバ30及び送信先の電話機一体型画像蓄積装置に送信すべき使用条件に関する送信用データを作成する。以下、電話機一体型画像蓄積装置25から第二の電話機一体型画像蓄積装置37に蓄積用画像データを転送する場合を例にとって図9を説明する。
図9において、ステップS106でフローがスタートすると、ステップS107で、受信した蓄積用画像データに基き電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30の対応するオリジナル画像データにアクセスが可能なように設定されているかどうかをチェックする。設定されていれば、ステップS108でアクセス権データを作成する。このデータは送信用データとして画像サーバ30及び電話機一体型画像蓄積装置37に送信されるとともに、画像サーバ30の履歴部34にも記憶される。このアクセス権データなしに電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30に電話しても、対応するオリジナルデータへのアクセスは拒絶される。
アクセス権がある場合はステップS109に進み、受信した蓄積用画像データに基き電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30の対応するオリジナル画像データの印刷を依頼ことが可能なように設定されているかどうかをチェックする。設定されていれば、ステップS110で高画質印刷権データを作成し、ステップS111に進む。作成された高画質印刷権データは、送信用データとして画像サーバ30及び電話機一体型画像蓄積装置37に送信され、さらに、画像サーバ30の履歴部34にも記憶される。ステップS109で印刷が可能である旨の設定がされていないことが判明すれば、直接ステップS112に進む。なお、高画質印刷権データが作成されなかった場合、電話機一体型画像蓄積装置37は受信した蓄積用画像データに基き自身で簡易画質印刷をすることしかできない。
ステップS111では、受信した蓄積用画像データに基き電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30の対応するオリジナル画像データにアクセスして画像サーバの機能によりこれを編集することが可能なように設定されているかどうかをチェックする。設定されていれば、ステップS112で高画質印刷権データを作成し、ステップS113に進む。作成された編集権データは、送信用データとして画像サーバ30及び電話機一体型画像蓄積装置37に送信され、さらに、画像サーバ30の履歴部34にも記憶される。この編集権データがある場合、電話機一体型画像蓄積装置37は編集後の画像を新たなオリジナル画像データとして画像サーバ30の画像部33に記憶することができる。一方、ステップS111で編集が可能である旨の設定がされていないことが判明すれば、直接ステップS113に進む。なお、編集権データが作成されなかった場合、電話機一体型画像蓄積装置37からは、受信した蓄積用画像データに対応するオリジナル画像データを改変することはできない。
ステップS113では、受信した蓄積用画像データに基き電話機一体型画像蓄積装置37から画像サーバ30の対応するオリジナル画像データにアクセスしてこれをダウンロードすることが可能なように設定されているかどうかをチェックする。設定されていれば、ステップS114で高画質印刷権データを作成し、ステップS115に進む。作成されたダウンロード権データは、送信用データとして画像サーバ30及び電話機一体型画像蓄積装置37に送信され、さらに、画像サーバ30の履歴部34にも記憶される。このダウンロード権データがある場合、電話機一体型画像蓄積装置37はオリジナル画像データそのものを入手することが可能となり、以後これを自由に利用できる。一方、ステップS113でダウンロードが可能である旨の設定がされていないことが判明すれば、直接ステップS115に進む。なお、ダウンロード権データが作成されなかった場合、電話機一体型画像蓄積装置37は、データとしてのオリジナル画像データを入手することはできない。
ステップS115では、受信した蓄積用画像データを電話機一体型画像蓄積装置37からさらに他の電話機一体型画像蓄積装置に転送する場合において、電話機一体型画像蓄積装置37に対して設定されている上記種々の権利とともに転送できるよう設定されているかどうかをチェックする。なお、この設定は個々の権利についてそれぞれ独立に設定できる。上記の権利の少なくとも一つについてこの権利付転送が可能である旨設定されていれば、ステップS116で個々の権利について権利付転送権データを作成し、ステップS117でフローを終了する。なお、作成された権利付転送権データは、送信用データとして画像サーバ30及び電話機一体型画像蓄積装置37に送信され、さらに、画像サーバ30の履歴部34にも記憶される。この権利付転送権データを伴って転送が行なわれたときは、転送先の電話機一体型画像蓄積装置においても、電話機一体型画像蓄積装置37と同様にして画像サーバにアクセスし、設定された権利に基いてオリジナル画像データが利用できる。一方、ステップS115でいずれの権利についても権利付転送が可能である旨の設定がされていないことが判明すれば、直接ステップS117に進み、フローを終了する。なお、権利付転送権データが作成されなかった場合、電話機一体型画像蓄積装置25で設定された権利は、電話機一体型画像蓄積装置37限りのものとなる。
以上のような諸権利の設定は、個人的な知人間の画像送信においても有用であるが、デジタル画像を商品として有償で顧客に提供する場合において特に有用であり、種々のビジネスモデルにおいて、様々な権利の組合せを設定することによりデジタル画像の円滑な流通を図ることができる。
図10は、編集割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。鑑賞中の画像に対し編集を行う旨の指示を操作部21で行うと編集割込みがかかり、ステップS121からフローがスタートする。編集操作は画像サーバ30の機能を利用して行われるので、ステップS122で電話機一体型画像蓄積装置25と画像サーバ30とを常時接続とするための処理が行なわれる。この処理の詳細は、図6のステップS51からステップS55に準じたものである。画像サーバへの接続が行なわれるとステップS123で編集対象の画像が電話機一体型画像蓄積装置25自身から画像サーバ30に提供した自己画像かどうかがチェックされる。自己画像でなければ他の電話機一体型画像蓄積装置から受信した蓄積用画像データに対応するオリジナル画像データを編集しようとしていることになるので、ステップS124で編集権までの設定を受けているかどうかをチェックし、編集権があればステップS125に進む。一方、ステップS123において、編集対象が自己画像であれば当然に編集権があるので直接ステップS125に進む。
ステップS125では、電話機一体型画像蓄積装置25と画像サーバ30との常時接続状態に基いて、操作部21の操作と大画面表示部3におけるモニタ、及び画像サーバ30の編集機能に基いて、画像サーバ30のオリジナル画像データに編集効果がおよぼされる。ステップS126では編集結果を保存する指示を操作部21で行ったかどうかがチェックされる。保存指示が行なわれればステップS127の保存処理に進む。保存処理では編集結果が新たなオリジナル画像データとして画像サーバ30の画像部33に記憶されるとともに、電話機一体型画像蓄積装置25において大画面表示部3に表示された対応する編集結果が対応する新たな蓄積用画像データとして記憶部27に記憶される。保存処理が終わるとステップS128に進む。なお、ステップS126の段階で保存指示をしていなかったときは直接ステップS128に進む。
ステップS128では編集処理完了の操作が操作部21で行なわれたかどうかがチェックされ、完了であればステップS129に進む。一方、完了でなければステップS125に戻り、以後、編集処理が完了するまでは,ステップS125からステップS128が繰り返される。
ステップS129では、編集履歴の記憶処理が行なわれる。この処理では、編集履歴が画像サーバ30の履歴部に記憶されるとともに、同様の履歴が電話機一体型画像蓄積装置25の記憶部27にも記憶される。編集履歴記憶処理が完了するとステップS130に進み、画像サーバ30との常時接続を断ってステップS131で待機状態となる。なお、ステップS124で編集権がないことが判明した場合は、直接ステップS130に飛んで直ちに画像サーバ30との常時接続を断つ。
図11は、画像サーバ30の大容量記憶部32における画像部33のデータ構造を示す表であり、「画像ID」、「ヘッダ部データ」、「オリジナル画像データ」及び「サムネイルデータ」からなる。「画像ID」は画像サーバ30における内部管理のために画像の受付け順に付与されるものである。因みに、図11は、画像サーバ30の履歴部33における2001年10月15日から同年10月23日までの分の記録を抜き出して例示している。
「ヘッダ部データ」における「ファイルNo.」は受付けた画像に対し自動的に付与され、最初の四桁は、画像を提供した電話機一体型画像蓄積装置の登録番号を示し、例えば「1234」は図2の電話機一体型画像蓄積装置25の登録番号である。従って「ID4」は、最初の四桁が「1234」であるから、電話機一体型画像蓄積装置25から提供された画像データであることを意味する。また、「ID1」のデータにおける「1231」は図2の第二の電話機一体型画像蓄積装置37における登録番号を意味する。さらに、「ID7」における「1237」は、図示されない第三の電話機一体型画像蓄積装置の登録番号である。
また、「ファイルNo.」の次の六桁は日付を意味し、例えば、「ID1」における「011015」は「2001年10月15日」を示す。「ファイルNo.」のさらに次の二桁はその日付で受付けた何番目の画像であるかを示し、例えば、「ID1」における「01」は電話機一体型画像蓄積装置37より2001年10月15日に受付けられた一番目の画像であることを示す。
以上のようなナンバリングのルールに基き、画像サーバによってオリジナル画像データに付与された「ファイルNo.」は、即座に画像サーバから電話機一体型画像蓄積装置に返信され、対応する蓄積用画像データにも付与されて記憶部27に記憶され、以後の取扱いや履歴の管理における画像の特定に用いられるなお、図11では、上記のように電話機一体型画像蓄積装置の登録番号、画像の受付け日付、及び画像の番号を一つに組合せて「ファイルNo.」としたが、電話機一体型画像蓄積装置の登録番号や画像の受付け日付は「ファイルNo.」とは別のヘッダ部データとし、これら別データを組み合わせて画像データを特定するような管理も可能である。
既に述べたように、画像サーバ30では、あるオリジナル画像データを編集した結果の画像データも新たな「オリジナル画像データ」として記憶する。そして編集の対象となった元の画像の「ファイルNo.」が「ヘッダ部データ」における「編集対象」の欄に情報として入力される。「ID10」及び「ID11」はその例である。「ID10」は、電話機一体型画像蓄積装置25が提供した画像データであるが、元は電話機一体型画像蓄積装置37から提供された「ID1」の画像データを編集し改変したものである。一方、「ID11」は、電話機一体型画像蓄積装置25が自ら提供した「ID4」の画像データを編集したものである。なお、「ID1」から「ID9」及び「ID12」から「ID21」は編集によって作成されたものではなく、真のオリジナル画像なので「ヘッダ部データ」の「編集対象」の欄には「オリジナル」を意味する「O」が入力されている。
「ヘッダ部データ」の「その他」の欄には、その他管理に必要なヘッダ部情報が入力されるとともに、「オリジナル画像データ」の欄には圧縮されたオリジナル画像データが、「サムネイルデータ」の欄にはサムネイル画像データが、それぞれ入力される。
図12は、画像サーバ30の大容量記憶部32における履歴部34のデータ構造を示す表であり、「履歴ID」、「操作日」、「ファイルNo.」、「区分」、「操作者」、「関与者」、及び「条件」からなる。因みに、図12は、画像サーバ30の履歴部34における2001年10月16日から同年10月18日までに操作した分の記録を抜き出して例示している。
履歴IDのうち、イタリックで示した「ID3」から「ID6」、「ID8」、「ID11」、「ID12」、「ID17」及び「ID18」は、それぞれ図11の画像IDにおける「ID3」から「ID11」の画像サーバ30への新規記憶に対応している。従ってこれらの操作日は「ファイルNo.」における日付と一致している。さらに、「区分」欄において、これらの画像データがどのような履歴を契機として記憶されたかが示されている。例えば、「ID4」から「ID6」は操作部21による鑑賞の操作を契機として画像サーバ30に送信され、画像部33に記憶されたことを示す。また、「ID11」は簡易画質印刷、「ID17」は編集のために操作部21を操作したことを契機として画像サーバに送られたものである。「操作者」の欄には、誰が操作を行ったことによるかの履歴が記録されており、例えば「ID3」は電話機一体型画像蓄積装置25による操作が履歴として記録されている。
さらに、「ID8」のように送信操作を契機として新規記憶されたものは「関与者」の欄に送信相手が履歴として記録されており、この例の場合は、第三の電話機一体型画像蓄積装置から電話機一体型画像蓄積装置25への送信であることが示されている。また、「条件」の欄には送信条件が記録されており、この例の場合の「不可」は、画像サーバ30におけるオリジナル画像データへのアクセス権が一切認められていないことを示す。
図12において、イタリックで示されていない履歴IDは既に記憶済みの画像データに対してその後行なわれた操作の履歴である。例えば「ID1」は、2001年10月15日に既に画像部に記憶されている「12301101501」というオリジナル画像データについて、2001年10月16日に電話機一体型画像蓄積装置37で鑑賞が行なわれたことを示す履歴である。また、「ID2」は、同日、これに引き続いて同画像データが電話機一体型画像蓄積装置25に送信されたことを示す履歴である。この「ID2」では、送信に際し、電話機一体型画像蓄積装置37から電話機一体型画像蓄積装置25に対して高画質印刷権及び編集権が与えられている。
図12における履歴の内、電話機一体型画像蓄積装置25が関与する履歴、すなわち、「ID1」及び「ID3」以外の履歴は、電話機一体型画像蓄積装置25自身の記憶部27にも記憶される。
一方、図12における履歴の内、電話機一体型画像蓄積装置37が関与する履歴、すなわち、「ID1」から「ID3」、「ID9」、「ID10」及び「ID17」の履歴は、電話機一体型画像蓄積装置37の記憶部にも記憶されている。「ID9」及び「ID10」は電話機一体型画像蓄積装置25における操作の履歴ではあるが、対象が電話機一体型画像蓄積装置37から提供された画像であるからである。また、「ID17」は電話機一体型画像蓄積装置25から提供された画像を対象とする履歴ではあるが、この画像は 図11の「ID10」から明らかなように、元々電話機一体型画像蓄積装置37から提供された画像を編集したものであるからである。
このようにして、画像サーバ30を介し、複数の電話機一体型画像蓄積装置は互いに遣り取りした画像データだけでなく、それらの取扱履歴についても情報を共有できる。これは、画像データベース及び履歴データが共有できることを意味する。そして、自身が関与するデータである限り、電話機一体型画像蓄積装置同士で直接遣り取りしたデータでなく他の電話機一体型画像蓄積装置の操作によるのものであっても、画像サーバ30の履歴部34にアクセスすることで、最新の取扱履歴の情報を入手することができる。
画像サーバ30の履歴部32又は電話機一体型画像蓄積装置自身の記憶部に記憶される履歴は画像の検索に有用である。図13は、検索割込みがかかったときの動作を示すフローチャートである。記憶部27の中から所望の蓄積用画像データを検索する旨の指示を操作部21で行うと検索割込みがかかり、ステップS136からフローがスタートする。ステップS137では、と大画面表示部3を見ながら操作部21で検索条件の設定処理を行う。
検索条件の設定が完了するとステップS138で電話機一体型画像蓄積装置25が画像サーバ30に接続中であるかどうかがチェックされる。接続中でなければ,ステップS139で画像サーバ30に電話をかけるための発呼が行なわれる。ステップS140では、発呼後、所定時間が経過したかどうかがチェックされ、経過していなければ、ステップS141で電話が接続されたかどうかがチェックされる。電話が接続されないときは、ステップS140に戻り、以後、所定時間が経過するまではステップS140とステップS141を繰り返す。
ステップS141で電話が接続されれば、ステップS142で画像サーバ30の履歴部34から最新履歴を受信し、記憶部27の履歴を更新する。なお、このとき電話機一体型画像蓄積装置25が提供した画像データに関連する画像データがあれば、少なくともそのヘッダ部データもあわせて受信し、記憶部27に記憶する。そしてステップS143で画像サーバ30との接続を断つ。
ステップS144では、記憶部27の画像データのヘッダ部データ及び履歴データとステップS137で設定した検索条件に基き、検索実行処理が行なわれ、結果が大画面表示部3に表示される。また、ステップS145において検索結果を含む検索履歴の記憶処理が行なわれる。具体的には、上記の新たな検索履歴が電話機一体型画像蓄積装置25の記憶部27にも記憶されとともに、画像サーバ30への発呼が行なわれの履歴部に記憶されるとともに、同様の検索履歴が送信用データとして図6に準じた処理に基き画像サーバ30に送信されて、履歴部34の履歴を更新する。そしてステップS146で待機状態となり、検索結果に対する操作部21からの操作を待つ。
一方、ステップS140において電話の接続が不成功に終わって所定時間が経過してしまったときは、ステップS147に進み、画像サーバ30からの最新履歴データによる更新を諦めるとともに、現時点で記憶部27に記憶されているG像データのヘッダ部データ及び履歴データを検索対象として採用する。そしてこれに基き、ステップS144で検索の実行を行う。
図14は、検索に関する履歴データの例を示す表であり、図13のステップS137で設定された「検索条件」とステップS144で実行された「検索実行結果」を含むとともに、個々の検索についての「検索ID」、「検索日」及び「検索者」の情報を持っている。
検索IDの「ID1」は、2001年10月19日に電話機一体型画像蓄積装置25によって検索された例である。そして、検索条件としては2001年10月16日付の履歴データがあること、履歴は「印刷」ではないこと、及び電話機一体型画像蓄積装置25の操作による履歴であること、が設定されている。このような検索条件により、図11における画像情報のヘッダ部データ及び図12における履歴データを検索した結果、ファイルNo.「123401101601」及び「123401101603」の二つの画像データが抽出されている。図12の履歴データにおいて2001年10月16日付の履歴IDは「ID1」から「ID8」までであるが、このうち電話機一体型画像蓄積装置25の操作によるものは「ID4」から「ID7」で、その対象の画像は三つに絞られる。さらに、その内の「123401101602」は「印刷」の履歴があるので除外され、最終的は検索実行結果が確定している。
図14における検索IDの「ID2」及び「ID3」は、電話機一体型画像蓄積装置25及び電話機一体型画像蓄積装置37のいずれから検索しても、編集前後の関連する二つの画像が抽出されることを示した例である。
図14における検索IDの「ID4」は、電話機一体型画像蓄積装置25が受信したか又は電話機一体型画像蓄積装置25で編集した画像であって、2001年8月1日から同年10月21日までに何らかの履歴を持っている画像データを検索した例である。
図14における検索IDの「ID5」は、電話機一体型画像蓄積装置25が第二又は第三の電話機一体型画像蓄積装置から受信した画像であって、印刷権が付与されている画像データを検索した例である。従って、送信条件において画像サーバ30におけるオリジナル画像データへのアクセス権が一切認められていない「123701101601」は除外されている。
図14における検索IDの「ID6」は、電話機一体型画像蓄積装置25が簡易画質印刷を行った画像を検索した例であって、2001年10月18日以降の操作日を持つ履歴に限定されている結果、それより前に操作した「123101101501」は除外されている。
図14における検索IDの「ID7」は、1998年12月31日以前において電話機一体型画像蓄積装置25から外部印刷をしたという記憶に基いて、画像データを検索した例である。
図14における検索IDの「ID8」は、電話機一体型画像蓄積装置37が鑑賞しかつ送信した画像データを検索した例であり、鑑賞のみしか行なわれていない「123101101601」は除外されている。
以上のように、過去の操作の曖昧な記憶などに基いて、図11における画像データのヘッダ部データ及び図12の履歴データに対し、適当な検索条件を設定することによって、所望の画像データの抽出を援助することが可能となる。
さらに、検索を行ったこと自体も履歴データとして後日利用可能である。例えば、 図14における検索IDの「ID1」の検索を行った結果、ファイルNo.「123401101601」及び「123401101603」の二つの画像データが抽出され多という履歴は、図12における履歴IDの「ID13」及び「ID14」として記録されている。従って、例えば、「何日から何日の間で電話機一体型画像蓄積装置25で検索したもの」などという記憶に基いて後日検索を行うことが可能であるとともに、図14の検索履歴にける詳細な検索条件の設定を新たな検索における検索条件として設定することで、さらに細かな検索を行うことも可能である。
このようにして、この発明によれば、特別の検索キーや分類を画像データに付与しなくても、過去の操作履歴が自動的に検索キーとして蓄積されていくので、データ蓄積時の怠慢によってデータベースの検索機能の前提が破綻することはない。
図15は、この発明による第二の実施の形態におけるシステム全体の構成を示すブロック図であり、図2における第一の実施の形態と共通する部分には共通の番号を付し、それらの説明は省略する。また、図15の画像サーバ30は図2におけるものと全く同様の構成であるので、通信部31を除き、内部の詳細は図示を省略している。さらに、 図15の蓄積入力部51は、図2におけるカードスロット17及びデジタル端子18をまとめて図示したものであり、その内容は同一である。
図15における第二の実施の形態は、事業サーバ52を有し、通信部53によって画像サーバ30、電話機一体型画像蓄積装置37、及び電話機一体型画像蓄積装置54と接続可能である。事業サーバ52は、業務用の画像55を蓄積しているとともに、画像55の利用などに関するコマーシャルメッセージ56を記憶している。一方、電話機一体型画像蓄積装置54のコマーシャルメッセージ記憶部57は事業サーバ52からのコマーシャルメッセージ56を通信部29から受信して記憶し、制御/処理部58の制御により大画面表示部3、及び場合に応じてスピーカ7でも、コマーシャルメッセージを再生する。
以上の構成において、事業サーバ52は、例えば週一回など、CM契約に従って定期的に電話機一体型画像蓄積装置54などに接続し、CM記憶部57のコマーシャルメッセージを更新する。また、後述する電話機一体型画像蓄積装置54からの接続によってもCM記憶部57のコマーシャルメッセージを更新する。さらに、事業サーバ52は電話機一体型画像蓄積装置54と接続した際、後述の支払い請求処理に基き、電話機一体型画像蓄積装置54へのCM受信料の支払い処理を行う。
図16は、上記第二の実施の形態におけるCM割込みのフローチャートであり、コマーシャルメッセージの取扱いに関する制御/処理部58の機能を説明するものである。 図16のCM割込みは、次のような場合にかかる。まず、操作部21により手動でCM割込み操作をした場合である。この操作はユーザが望む限り任意に行ってよいが、特に誰かに電話をかけて電話料金を課金されている最中において相手に電話を保留にされた場合などに有効である。後述のように、電話課金中にCM割込みをかけてCMを再生した場合、その再生時間に対応する電話料金に応じて事業サーバ52から電話機一体型画像蓄積装置54にCM受信料が支払われる。これは、電話課金中に相手に保留にされたときの待ち時間を事業サーバに買上げてもらうことを意味し、電話代が無駄にならない。このようなビジネスモデルの構築により、事業サーバ52は、コマーシャルメッセージ受信のインセンティブを電話機一体型画像蓄積装置54に与えることになる。
また、上記のような手動操作のほか、電話中の無音状態、又は相手から送信される保留中チャイム音により電話の保留状態を自動検知してCM割込みをかけるよう構成してもよい。
CM割込みがかかると、フローはステップS151からスタートし、ステップS152でCM記憶部に記憶されている多数のコマーシャルメッセージをシャッフルしてその都度順序を決定し、その一番目のものからCM再生を開始する。シャッフルを行うのは、順序をランダムに変えることで意外性を演出し、同じコマーシャルメッセージを何度も見てもらうためである。
ステップS153ではCM割込みが電話課金中にかかったかどうかをチェックする。電話課金中であればステップS154で通話先に応じた電話課金の時間単価をチェックして記録する。一方ステップS154で電話課金中でなければ、ステップS154はスキップする。
ステップS155ではCM再生の終了指示があったかどうかをチェックする。この終了指示は、相手が電話口に出て保留が終わったときに通話者が操作部21を手動で操作することによって行われる。また、電話が無音状態でなくなるか、又は相手から送信される保留中チャイム音がなくなることを検出して自動的に終了指示がなされるよう構成してもよい。
ステップS155で終了指示がなければステップS156に進み、コマーシャルメッセージの変更指示があったかどうかをチェックする。この変更指示は、通話者の意志により操作部21を手動で操作することによって行われる。ステップS156で変更指示がなければ、通話者が同じCMを見続けたいという意思を持っていることを意味するので、ステップS155に戻り、以下、終了指示又は変更指示がなされるまでステップS155とステップS156を繰り返す。
ステップS156で変更指示があれば、ステップS157に進み、そのコマーシャルメッセージの再生が開始されてから所定時間以内に変更指示が行われたのかどうかをチェックする。この所定時間は例えば2秒程度とする。所定時間以内に変更指示が行われたということは、初出のコマーシャルメッセージであっても通話者に関心がないか、又は既に再生したコマーシャルメッセージであって通話者が二度と見たくないと思っているものであることを意味し、いずれにしても通話者は以後そのコマーシャルメッセージの再生を望んでいない。従ってステップS158に進み、そのコマーシャルメッセージに「廃止マーク」を付与した後、ステップS159で次のコマーシャルメッセージの再生へ移行する。なお、「廃止マーク」が付与されたコマーシャルメッセージは、以後、その電話機一体型画像蓄積装置54に関する限り、ステップS152におけるコマーシャルメッセージの順序決定の際に、再生対象から除外される。一方、ステップS157において変更指示が所定時間内でなかったときは「廃止マーク」を付与せず、ステップS159に進む。また繰り返し見てもらえる可能性があるからである。
ステップ160では、終了指示がなされたかどうかをチェックし、終了指示がなければステップS155に戻り、以下、終了指示がなされるまでステップS155からステップS160を繰り返す。そして、終了指示があればステップS161に移行し、CM割込みの開始から終了指示までのCM時間をカウントし、記録する。なお、ステップS156の変更指示を待ってステップS155とステップS156を繰り返している状態において、ステップS155で終了指示があれば、速やかにステップS161に飛ぶ。
ステップS161で時間カウントの情報が得られると、ステップS162に進み、廃止要求処理が行われる。廃止要求処理では、ステップS158によって廃止マークが付与されたコマーシャルメッセージがあるかどうかをチェックし、該当があれば速やかに事業サーバ52に接続して廃止マークのあるコマーシャルメッセージを新しいコマーシャルメッセージへの更新を求める処理である。この処理は事業サーバ側52に必要なものなので、このための電話料金は事業サーバ52の着信側払いで処理される。
ステップS162の処理の手配が終わるとステップS163で支払請求処理が行われる。支払請求処理では、ステップS154で記録した時間単価の情報とステップS161で記録したCM時間から支払請求額を算出する。そして、次回の事業サーバとの接続の機会に、この支払い処理を事業サーバ52に請求する。コマーシャルメッセージを見てもらうことの対価としては、かけている電話の時間単価が高かろうと低かろうと関係がないが、上記のようなビジネスモデルとすることにより、CM割込みへのインセンティブを心理的に高める。支払請求処理の手配が終わるとフローはステップS164で待機状態となる。なお、CM割込みは任意にかけることができるので、電話が相手からかかってきたときや、電話中でないときでも可能であり、そのようなときはステップS154での時間単価の記録がない。この場合は、時間単価をゼロとみなしてステップS163での支払請求処理はおこなわないものとする。
なお、事業サーバ52の立場からすれば、いかなる理由にせよ、コマーシャルメッセージを見てくれさえすれば目的が達成できるので、電話課金中以外でもCM受信料を支払うようにしてCM割込みへのインセンティブをつけるビジネスモデルも可能である。この場合は、上記とは異なる実施の形態とし、ステップS154で時間単価の記録がなかった場合でも所定額の時間単価が記録されているものとみなし、ステップS163で支払請求処理を行うようにする。ただし、この「所定額」は、CMを見ることで事業サーバに電話課金中の無駄な保留時間を買上げてもらうという本来のインセンティブの意味が曖昧になるのを避けるため、電話料金の最低時間単価よりも明らかに低くなるよう設定する。
事業サーバ30は、コマーシャルメッセージの効果によって業務用の画像55の利用申し込みがあったとき、これを有料で電話機一体型画像蓄積装置54に提供する。このように、電話機一体型画像蓄積装置54の利用者は一般ユーザだけでなく、画像利用事業者であってもよい。また、業務用画像の流通に関しては、画像サーバ30と事業サーバ52が連携し、画像サーバ30から事業サーバ52に画像を提供するビジネスモデルも可能である。この場合、画像サーバ30は一般ユーザからの画像を保管するだけでなく、業務用画像作家の画像を保管する役割を担ってもよい。そして、このときの電話機一体型画像蓄積装置54の利用者は業務用画像作家となる。なお、事業サーバ52のコマーシャルメッセージ56は画像商品に関するものに限られるものではなく、広く一般の商品に適用可能である。
図17は、この発明による第三の実施の形態におけるシステム全体の構成を示すブロック図であり、図2における第一の実施の形態と共通する部分には共通の番号を付し、それらの説明は省略する。また、図2のカメラ部4、オーディオ部22、スピーカ7、マイク8及び電源部23は第三の実施の形態においても設けられるが、図17では図示と説明を省略する。なお、第二の電話機一体型画像蓄積装置103は、電話機一体型画像蓄積装置101と全く同様の構成なので、煩雑を避けるため、通信部38以外の構成は図示を省略する。
この第三の実施の形態は、基本的には第一の実施の形態と同様の構成であるが、蓄積用画像データの記憶、送信、及びオリジナル画像データとの関連付けなどにインターネットにおける電子メール用のメールソフトウエアを利用したことを特徴とするものである。
電話機一体型画像蓄積装置101の記憶部104のハードディスク105には、メールソフトウエア106が格納されており、蓄積用画像データはこのメールソフトウエア106におけるメールファイルの添付ファイルとしてハードディスク105に記憶される。ハードディスク105はさらに履歴ソフトウエア107を格納しており、大画面表示部3に表示されたメールファイルを操作部21で操作した際の履歴などを記憶管理する。これらのメールソフトウエア106及び履歴ソフトウエア107などの機能は、制御/処理部108で処理される。
画像サーバ102の大容量記憶部109は大容量のハードディスク110を有し、オリジナル画像データなどを記憶管理する画像記憶ソフトウエア111、電話機一体型画像蓄積装置101の履歴ソフトウエア107と共通形式の履歴ソフトウエア112、及び編集ソフトウエア113を格納している。画像サーバ102のハードディスク110は、さらに電話機一体型画像蓄積装置101の履歴ソフトウエア107と共通形式のメールソフトウエア114を有し、オリジナル画像データを画像記憶ソフトウエア111に格納したとき、これに対応する蓄積用画像データを作成してメールに添付し、電話機一体型画像蓄積装置101に送信する。このように、第三の実施の形態では、画像サーバ102が蓄積用画像データの作成機能を有するが、その他の機能については、第一の実施の形態と基本的に同一である。
なお、上記のような電話機一体型画像蓄積装置101において、ユーザが直接操作するのは画像蓄積装置の基本ソフトウエア115であり、個々のメールファイルを除き、メールソフトウエア106や履歴ソフトウエア107の画面が大画面表示部3に現れることはない。従って、実際の操作において、ユーザはメールソフトウエア106や履歴ソフトウエア107をその都度開いて操作する必要はなく、見かけ上は、画面に現れる基本ソフトウエア107に基く操作を行うだけでよい。これによって、基本ソフトウエアがその裏でメールソフトウエア106や履歴ソフトウエア107を自動的に動作させる。
図18から図20は、第三の実施の形態において大画面表示部3に表示される表示画面レイアウトを示す。以下、メモリーカードをカードスロット17に挿入することで蓄積割込みがかかった場合をモデルケースにして第三の実施の形態における表示画面レイアウトの変化を説明する。
図18(A)は、図17の基本ソフト115による初期画面であり、画像蓄積機能を手動で起動した場合の他、モデルケースのように図4における蓄積割込みにより、自動的にこの画面が表示される。図18(A)において大画面表示部3は情報画面201と操作画面202からなり、情報画面201にはサムネイル203が表示されている。サムネイル203の数が多いときは、スクロールボタン204を操作部21で選択操作することで、画面を上下にスクロールできる。
モデルケースではメモリカード挿入による蓄積割込みにより図18(A)の初期画面が表示されているから、操作画面202のデータソース表示部205はか「カード」と表示されている。操作画面202には鑑賞ボタン206、印刷ボタン207、メールボタン208、編集ボタン209及び検索ボタン210が表示されており、これらのボタンを操作部21で選択操作することにより、所望の動作の割込みがかかる。また、操作部21によりサムネイルの一つを選び、削除ボタン211を操作することにより、データソース表示部205に表示されているデータソースから対応する画像データが削除される。この場合、表示は「カード」であるから、挿入されているメモリーカードから対応する画像データが削除される。以下、大画面表示部3に表示される各種のボタンは操作部21によって選択操作されるので、逐一の言及は省略する。なお、このような操作部21による操作に代えて、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)をタッチパネル形式とすることにより、直接大画面表示部3上のボタンに直接指でタッチして操作できるようにしてもよい。
図18(A)において、操作部21によりサムネイルの一つを選び、鑑賞ボタン206を操作すると、鑑賞割込みがかかり、図18(B)の画面となる。 図18(B)では、選択されたサムネイルに対応する画像データがメモリーカードから吸上げられ、伸張間引きなど所要の処理を経て拡大画面212として情報画面201に表示される。あわせて、吸上げたオリジナル画像データの画像サーバ102への送信、及び蓄積用画像データの電話機一体型画像蓄積装置101への蓄積が行われる。
図18(B)の画面において、画面送りボタン213により次画面への送り操作を行うと、図18(A)の配列における次のサムネイルに対応する画像データがメモリーカードから吸上げられ、伸張間引きなど所要の処理を経て拡大画面211として表示されるとともに、オリジナル画像データの送信及び蓄積用画像データの蓄積が行われる。なお、サムネイルボタン214を操作して一旦図18(A)の画面に戻り、任意のサムネイルを選択するとともに鑑賞ボタンを操作することによって、所望の拡大画面212が表示された 図18(B)に至ることができる。
図18(B)における鑑賞中の画面レイアウトでは、鑑賞ボタン206の表示が消えている以外、図18(A)と同様であり、これらのボタンの一つを操作することによって鑑賞中の画像を印刷したり、メールしたり、編集したりすることが可能である。また、検索ボタン211の操作で鑑賞画面から直接検索画面に飛ぶことや、削除ボタン211の操作で拡大画面212に対応する画像データを削除することもできる。
図19(A)は、画像サーバ102のメールソフト114によって作成され、電話機一体型画像蓄積装置101に送信されるメールファイルの表示レイアウトである。このメールファイルは、蓄積割込みにより画像サーバ102に送信されたオリジナル画像データに基いて大容量記憶部109で作成された蓄積用画像データが添付されており、画像サーバ102へのオリジナル画像データの返送に応答して直ちに作成され、電話機一体型画像蓄積装置101に返信される。
メールファイル216は、送信ボタン217、宛名欄218及び件名欄219、メッセージ欄220などからなり、宛名欄は空欄とされているとともに、件名欄219には画像サーバ102によってオリジナル画像データ対して付与されたファイルNo.が自動入力されている。
また、メッセージ欄220には、メールファイル216に添付されている蓄積用画像データに対応するサムネイル221が表示されているとともに、簡易印刷ボタン222、精細印刷ボタン223、編集ボタン224、ダウンロードボタン225及び転送ボタン226が表示されている。これらメッセージ欄220内の表示は単なる画像ではなく、それぞれがリンクボタンとなっている。すなわち、サムネイル221はメールファイルに添付されている蓄積用画像データのリンクボタンにもなっており、このサムネイル221をクリックすると蓄積用画像データが開いて拡大表示される。
その他の各ボタンのリンク機能は下記のとおりである。まず、簡易印刷ボタン222をクリックするとメールファイルに添付されている蓄積用画像データに基いて簡易印刷がスタートする。精細印刷ボタン223をクリックした場合は、画像サーバ102に接続し、画像記憶ソフト111中の対応するオリジナル画像データに基いて高画質印刷部36での印刷がスタートする。さらに、編集ボタン224をクリックしても画像サーバ102に接続し、画像記憶ソフト111において対応するオリジナル画像データに対する編集ソフトが起動する。また、ダウンロードボタン225をクリックした場合でも画像サーバ102に接続し、画像記憶ソフト111中の対応するオリジナル画像データのダウンロードが始まる。一方、転送ボタン226をクリックした場合は、電話機一体型画像蓄積装置101のメールソフト106がメールファイルをコピーして転送ファイルを作成する。
図19(A)における以上のようなメールファイルは受信後直ちにメールソフト106によってハードディスク105に格納される。従って、その後、手動操作によって 図18(A)の初期画面が立ちあがった時には、データソース表示部205が「蓄積装置」となるとともに、メールソフト106に格納された最新のメールファイルから順に、メールファイルのサムネイル221が図18(A)のレイアウトに従って表示される。なお、ハードディスク105に格納済みの画像データについて図18(A)の状態からサムネイルの一つを選択して鑑賞ボタン206を操作したときは、メールファイル形式での格納であるにもかかわらず、図19(A)のメール形式のレイアウトではなく、図18(B)の形式で拡大画面が表示される。従って、データソース表示部205が「蓄積装置」となっていることを除き、表示形式は同一である。
なお、第二の電話機一体型画像蓄積装置103から送信される蓄積用画像データも図19(A)と同様のメールファイルと同様の形式であり、受信後直ちにメールソフト106によってハードディスク105に格納される。そして格納後の鑑賞は、上記と同様、図18(A)及び図18(B)の表示形式で行われる。
以上のように、画像サーバ102からの受信の場合でも、電話機一体型画像蓄積装置103からの受信の場合でも、基本ソフトを操作している限り、表面上は、生のままの 図19(A)のレイアウトが表示されることはない。
図19(B)は、図18(B)で鑑賞している画像を、例えば、電話機一体型画像蓄積装置103にメールしようとして、メールボタン208を操作したときの表示画面のレイアウトである。このとき大画面表示部3の情報画面201には、図18(B)で鑑賞中であった画像データに対応するメールファイルをコピーしたものが新規メールとして図9(A)のメールレイアウトどおりに表示される。そして、情報画面201内を操作する限りはメールソフト106が機能する。
そこで、宛先に電話機一体型画像蓄積装置38のメールアドレスを入力し、送信条件の設定を行う。送信条件の設定は、許可したくない機能に対応するボタンをメッセージ欄220から削除することによって行う。例えば、今回送信する画像について、印刷権までは認めるが、編集権、ダウンロード権及び権利付転送権は認めないとすると、編集ボタン224、ダウンロードボタン225及び転送ボタン226をメッセージ欄220から削除する。これによって、単にメッセージ欄におけるボタン表示が消えるだけでなく、これらのボタンからのリンクも解除されるので、受信画像のオリジナル画像データをダウンロードしようと思っても、操作は不可能となる。
メールに必要な入力及び条件設定が完了すると、操作画面202の確定ボタン227を操作する。確定ボタン227の操作がないと送信ボタン217の操作ができない。これは、意図しない権利が設定されたまま不用意に画像データを送信してしまわないためである。送信ボタン217を操作すると、メールの送信を開始するとともに、送信が終わるとメールモードを終了し、一つ前の画面に戻る。この場合は、図18(B)に戻る。なお、送信を行うことなく操作画面202の取消ボタン228を操作してもメールモードを終了する。作成中のメールを保存するかどうかの処理はメールソフトウエアに従う。
送信の実行により、図19(B)の情報画面201の部分、すなわち、図19(A)の部分がメールソフト106により通信部29を介して電話機一体型画像蓄積装置103に電子メールとして送信される。しかしながら、電話機一体型画像蓄積装置103も基本ソフト115を有するので、受信した画像は、図18(A)、図18(B)又は図19(B)のようなレイアウトで表示され、図19(A)のレイアウトが生のままで表示されることはない。そして、この場合、受信した画像に対して設定される権利に制限があるので、電話機一体型画像蓄積装置103においては、図19(B)の表示レイアウトにおける編集ボタン224、ダウンロードボタン225及び転送ボタン226が表示されないとともに、図18(B)の表示レイアウトにおいても編集ボタン209が表示されない。
なお、受信側に基本ソフトがない場合であっても、画像の添付及びそのリンクボタンの設定は汎用メールソフトの形式に従って行われる表示及び各種のリンクの機能を利用することができる。この場合は受信側に図19(A)の生のメールファイルが表示される。そして、権利が設定されている限り、メッセージ欄220にリンクボタンが表示されるので、例えばダウンロードが認められているなら、図19(A)のダウンロードボタン225をクリックしてオリジナル画像データを入手することができる。
さらに、上記のように受信側に基本ソフトがない場合であっても、画像の送信は一つのメールに一つの画像を添付した形で行われるので、一つの画像ごとに汎用メールソフトの形式に従ったメールの件名、送信者、送信日、受信者、受信日が自動付与される。しがたがってこれらのデータを元に、汎用メールソフトのメール検索機能を利用して画像検索を行うことも可能である。
図20(A)は、図18(B)で鑑賞している画像を印刷するために印刷ボタン207を操作したときの表示画面のレイアウトである。情報画面201の拡大画面231には図18(B)で鑑賞中であった拡大画面212と同一の画像データが表示される。また、件名欄232には画像サーバ102によって付与されたファイルNo.が自動入力されている。
操作画面202には、まず、印刷の種類の選択を行うための三つのボタンが表示される。すなわち、蓄積用画像データに基く印刷を選択する簡易印刷ボタン233、オリジナル画像データに基く電話機一体型画像蓄積装置内部での印刷を選択する高画質印刷ボタン233及びオリジナル画像データに基く画像サーバ102での印刷を選択する外部印刷ボタン233である。但し、対象画像についてアクセス権が設定されていない場合は簡易印刷しかできないので、これらの三つのボタンは表示されず、簡易印刷のみの設定となる。また、ダウンロード権が設定されていない場合、高画質印刷ボタン234が、高画質印刷権が設定されていない場合は外部印刷ボタン235が表示されない。
操作画面202には、他に、印刷部数設定ボタン236、印刷用紙サイズ設定ボタン237及びさらに詳細な印刷条件を設定する画面を開くための詳細設定ボタン238が設けられている。
操作画面202における諸設定が完了すると実行ボタン239を操作して印刷を開始する。また、印刷を取消すときは取消ボタン240を操作する。
図20(B)は、図18(B)で鑑賞している画像を編集するために編集ボタン209を操作したときの表示画面のレイアウトである。情報画面201の拡大画面241には図18(B)で鑑賞中であった拡大画面212と同一の画像データが表示される。さらに、電話機一体型画像蓄積装置101が画像サーバ102と常時接続状態となり、大画面表示部3で行う編集機能の遂行は画像サーバ102に委ねられる。
操作画面202には、画像サーバ102の編集ソフトウエア113の機能に基く種々の編集ボタン243〜248が表示される。また、より詳細な編集を行うための操作画面を開くための詳細設定ボタン249が設けられている。編集が完了し、確定ボタン250を操作すると編集後の画像が新たなオリジナル画像データとして画像記憶ソフト111により記憶され、画像サーバ102との常時接続が断たれる。また、取消ボタン251を操作しても画像サーバ102との常時接続が断たれる。この場合、編集中の画像は新たなオリジナル画像データとしては保存されない。
図18から図20の各ボタンの操作はすべて履歴データとして電話機一体型画像蓄積装置101の履歴ソフト107に記憶される。また、画像サーバ102と連携して行った操作は、履歴ソフト112にも記憶される。さらに、履歴ソフト107と履歴ソフト112は定期的に情報交換を行い、相互の履歴を共有する。すなわち、電話機一体型画像蓄積装置101の履歴はほぼリアルタイムで画像サーバ102にアップロードされる。一方、例えば電話機一体型画像蓄積装置103の操作に由来して画像サーバ102が把握した電話機一体型画像蓄積装置101の画像に関連する履歴、又は画像サーバ102自身の機能に基く電話機一体型画像蓄積装置101の画像に関連する履歴についても、ほぼリアルタイムに履歴ソフト112から履歴ソフト107にダウンロードされる。
図21は、この発明による第四の実施の形態におけるシステム全体の構成を示すブロック図であり、操作履歴の活用を含め、基本的には図2における第一の実施の形態と同様である。但し、電話機一体型画像蓄積装置301や第二の電話機一体型画像蓄積装置302において蓄積用画像データを用いず、すべてオリジナル画像データの形で取扱うところが第一の実施の形態と異なる。このことを表現するため、図21の図示において図2と異なる形式を採用しているが、対応する構成が異なるわけではない。
なお、第四の実施の形態における電話機一体型画像蓄積装置301は、図2の送受話部20、テレビ出力端子39、デジタル端子18、カメラ部4、オーディオ部22、スピーカ7、マイク8、及び電源部23に対応する構成を有するが、図21では図示と説明を省略する。また、画像サーバ303も、図2における大容量記憶部32や高画質印刷部36に対応する構成を有するが、図21では、通信インターフェース304以外の図示と説明は省略する。さらに、第二の電話機一体型画像蓄積装置302は、電話機一体型画像蓄積装置301と全く共通の構成なので、通信インターフェース305以外の図示と説明を省略する。
図21に基いて第四の実施の形態における鑑賞時の動作を説明すると、まずメモリーカード306がカードスロットに挿入されるとカードスロット内のカードドライブ307からメモリーカード内のサムネイルデータが多重化バス308に所定のタイミングで出力され、制御/処理部309に取りこまれる。なお、多重化バス308では、アドレスバスとデータバスが多重化されている。制御/処理部309で処理されたサムネイルデータは、所定のタイミングで多重化バス308に出力され、表示用バッファ310に取りこまれて表示部311で表示される。
操作部312で、サムネイルを選択して鑑賞する旨の操作をすると対応するデータが操作部インターフェース313から多重化バス308に所定のタイミングで出力され、制御/処理部309で取りこまれる。これに応答して、制御/処理部309はカードドライブ307に指示し、サムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで出力させ、これを取り込む。そして取り込んだオリジナル画像データを伸張して多重化バス308に所定のタイミングで出力し、表示用バッファ310にこれを取り込ませて表示部311で表示させる。
制御/処理部309は、引き続いて同じオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで再度出力させるとともに、画像記憶部314に指示してこれを取り込ませ、記憶させる。制御/処理部309は、さらに引き続いて同じオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで再々度出力させるとともに、通信用バッファ315に指示してこれを取り込ませる。通信用バッファ315に取り込まれたオリジナル画像データは制御/処理部309からの指示で通信インターフェース316を介して画像サーバ303の通信インターフェース304に送信される。
なお、上記においては、オリジナル画像データがメモリーカード306から三度連続して多重化バス308に出力されているが、これを一度で行ってもよい。すなわち、制御/処理部309に取り込むためにオリジナル画像データがメモリーカードから多重化バス308に出力されたタイミングで、同時に画像記憶部313及び通信用バッファ314に取り込むよう構成してもよい。このことは、以下に述べる画像の印刷及び画像の送信においても同様である。
次に、第四の実施の形態における印刷時の動作を説明すると、サムネイルが表示部311に表示されている状態において、操作部312で、その一つを選択して印刷する旨の操作をすると、対応するデータが操作部インターフェース313から多重化バス308に所定のタイミングで出力され、制御/処理部309で取りこまれる。これに応答して制御/処理部309はカードドライブ307に指示し、サムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで出力させ、これを取り込む。そして取り込んだオリジナル画像データを伸張して多重化バス308に所定のタイミングで出力し、印刷用バッファ317にこれを取り込ませて印刷部318で印刷させる。
制御/処理部309は、引き続いて同じオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで再度出力させるとともに、画像記憶部314に指示してこれを取り込ませ、記憶させる。制御/処理部309は、さらに引き続いて同じオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングでまた出力させるとともに、通信用バッファ315に指示してこれを取り込ませる。通信用バッファ315に取り込まれたオリジナル画像データは制御/処理部309からの指示で通信インターフェース316を介して画像サーバ303の通信インターフェース304に送信される。
さらに、第四の実施の形態における送信時の動作を説明すると、サムネイルが表示部311に表示されている状態において、操作部312で、その一つを選択して電話機一体型画像蓄積装置305に送信する旨の操作をすると、対応するデータが操作部インターフェース313から多重化バス308に所定のタイミングで出力され、制御/処理部309で取りこまれる。これに応答して制御/処理部309はカードドライブ307に指示し、サムネイルに対応するオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで出力させるとともに、画像記憶部314に指示してこれを取り込ませ、記憶させる。
制御/処理部309は、引き続いて同じオリジナル画像データをメモリーカード306から多重化バス308に所定のタイミングで再度出力させるとともに、通信用バッファ315に指示してこれを取り込ませる。通信用バッファ315に取り込まれたオリジナル画像データは制御/処理部309からの指示で通信インターフェース316を介し、送信先の電話機一体型画像蓄積装置305の通信インターフェース305、及び画像サーバ303の通信インターフェース304にそれぞれ送信される。
なお、上記において、操作部312による印刷の操作が表示部311によるオリジナル画像データの鑑賞中に行われ、画像記憶部314及び通信用バッファ315へのオリジナル画像データの取り込み、並びに通信インターフェース316から画像サーバ303へのオリジナル画像データの送信が既に完了しているときは、これらの動作は省略される。また、操作部312による送信の操作が同様の状況下で行われたときは、画像記憶部314へのオリジナル画像データの取り込みが省略されるとともに、画像の送信は電話機一体型画像蓄積装置305に対してのみ行われ、画像サーバ303への送信は省略される。このことは第一の実施の形態と同様である。
図22は、上記第四の実施の形態において画像サーバへの送信割込みがかかったときの制御/処理部309の動作を示すフローチャートである。図21の多重化バス308に新たにオリジナル画像データが出力される度に画像サーバへの送信割込みがかかる。また、後述のステップS181で言及するタイマーの時間カウントの結果、前回の送信から所定時間が経過したときも、画像サーバへの送信割込みがかかる。この所定時間を例えば12時間とすると、後述のステップS174で一括送信処理に回されたオリジナル画像データは、累積データ量又は累積件数にかかわらず、少なくとも1日二回は画像サーバ303に送信されることになる。
さて、画像サーバへの送信割込みがかかり、ステップS171でフローがスタートすると、ステップS172で電話機一体型画像蓄積装置301が画像サーバ303に接続中であるかどうかがチェックされる。接続中でなければステップS173で電話機一体型画像蓄積装置301に対する通信システムからの課金契約が通信対象のデータ量に応じて行われるデータ量課金であるかどうかがチェックされる。データ量課金でなければ通信時間に応じた課金を行う契約であるので通信料をセーブするため、ステップS174で一括送信処理が行われる。一括送信処理ではオリジナル画像データをその都度直ちには送信せず、何件かまとめて送信するために制御/処理部309で一時保管するものである。
ステップS175は今回の送信割込みによって一時保管されるオリジナル画像データの累積データ量が所定量に達したかどうかがチェックされる。所定量に達していなければ、オリジナル画像データの累積件数が所定件数に達したかどうかがステップS176でさらにチェックされる。所定件数に達していなければさらにステップS177で、今回の画像サーバへの送信割込みがタイマーによる所定時間経過によってかかったのかどうかがチェックされる。
ステップS177で送信割込みが所定時間経過によってかかったことが分かるとステップS178で一括送信処理されたオリジナル画像データが多重化バス308を介して制御/処理部309から通信用バッファ315にまとめて移送される。そしてステップS179で画像サーバ303への接続処理が行われる。接続ができると、ステップS180でオリジナル画像データの送信が開始される。また、ステップS181では、タイマーのリセットスタートが行われ、今回の送信から所定時間が経過したときに画像サーバへの送信割込みをかけるため、今までの時間カウントをリセットするとともに新たな時間カウントをスタートする。そして、ステップS182で待機する。
一方、ステップS172において、送信割込みがかかったときに電話機一体型画像蓄積装置301が画像サーバ303に接続中であった場合は、直ちにステップS180に飛んで送信を開始する。また、ステップS173においてデータ量課金であったときは、一括送信処理をしても通信料のセーブする意味はないから、直ちにステップS179に飛んで画像サーバ303への接続処理を開始する。
また、ステップS175においてオリジナル画像データの累積データ量が所定量を超えたとき、又はステップS176でオリジナル画像データの累積件数が所定数を越えたときは、直ちにステップS178に飛んで一括送信処理されたオリジナル画像データを通信用バッファ315に移送し、ステップS179における画像サーバ303への接続処理を開始する。
なお、上記第四の実施の形態における画像サーバへの送信割込みは、さらに所定時刻(例えば通信の込み合わない毎日早朝5時など)になったときにもこれがかかるよう構成することが可能である。この場合、ステップS177では所定時刻になったことにより画像サーバへの送信割込みがかかったのかどうかもあわせてチェックし、そうであったならばステップS178に進むようにする。
図23は、この発明による第五の実施の形態におけるシステム全体の構成を示すブロック図である。図2における第一の実施の形態と共通する部分には共通の番号を付し、それらの説明は省略する。また、図2のカメラ部4、オーディオ部22、スピーカ7、マイク8及び電源部23は第五の実施の形態における電話機一体型画像蓄積装置401にも設けられるが、図23では図示と説明を省略する。なお、第二の電話機一体型画像蓄積装置402は、電話機一体型画像蓄積装置401と全く同様の構成なので、煩雑を避けるため、通信部38以外の構成は図示を省略する。また、画像サーバ403において、記憶部404は図2の大容量記憶部32と同一の構成であるが、単に「記憶部」と略称するとともに、その内部の画像部33及び履歴部34について図示を省略する。さらに、印刷部405も図2の画像サーバ30における高画質印刷部36と同一の構成であるが、単に「印刷部」と略称する。画像サーバ403は、図2との通信部31と同様の通信部406を介して電話機一体型画像蓄積装置401及びその他のシステム内器機と通信する。
この第五の実施の形態は、基本的には第一の実施の形態と同様の構成であるが、電話機一体型画像蓄積装置401からは画像サーバ403だけでなく、他の画像サーバにも画像を送信する。他の画像サーバの例として、第二の画像サーバ407及び第三の画像サーバ408を図示する。第二の画像サーバ407は、第一の画像サーバ403と同様の通信部409、及び第一の画像サーバ403と共通の規格により画像を管理するをもつ記憶部410を持つが、印刷部は設けられていないタイプのものである。一方、第三の画像サーバ408は、第一の画像サーバ403と同様の通信部411を持つが、記憶部412は独自規格に基づく画像管理を行うとともに、印刷部413は、例えばカレンダー作成などの独自サービスの提供が可能なタイプのものである。
電話機一体型画像蓄積装置401の記憶部414におけるハードディスク415は、統括ソフトウエア416を格納している。統括ソフトウエア416は、電話機一体型画像蓄積装置401からどの画像サーバにオリジナル画像が送ったかを気にすることなく、あたかもすべての画像データが記憶部414に蓄積されているような使い勝手を実現する。また、履歴ソフトウエア417は、どの画像サーバを相手にした操作であるかの情報も含め、操作の履歴を記憶して行く。これらハードディスク415内のソフトウエアは制御/処理部418によって機能する。
電話機一体型画像蓄積装置401が複数の画像サーバを利用する場合としては次のようなものが考えられる。まず、各画像サーバが容量制限枠をつけて画像の無料保管サービスを行っているとき、無料の枠内で複数の画像サーバを併用する場合である。また、料金を支払うことにより容量を充分確保している場合でも、多様なサービスを求めて複数の画像サーバを使い分けることもある。さらに電話機一体型画像蓄積装置401を家族で共用している場合は、家族の構成員の好みによって異なる複数の画像サーバを利用することがある。第五の実施の形態はこのようにして複数の画像サーバを利用する場合においても、統括ソフトウエア416によって一元的な画像の管理ができるようにする。
図24は、電話機一体型画像蓄積装置401の記憶部414において統括ソフトウエア416で管理される画像データのデータ構造を示す表であり、「統括ID」、「管理データ」、「蓄積用画像データ」及び「サムネイルデータ」からなる。「統括ID」は電話機一体型画像蓄積装置401に関連する画像データを一元的に管理するために付されるもので、電話機一体型画像蓄積装置401における画像の蓄積順に付与されるものである。
「管理データ」は、「入力日」「発信者」「サーバ名」「サーバファイルNo.」「共通規格」の各項目を有する。例えば、「統括ID1」におけるこれらの項目は次のようになっている。まず、「入力日」より、この画像データは2001年10月16日に蓄積されたものであり、「発信者」の欄が空欄なので、外部から受信して蓄積された画像ではなく、電話機一体型画像蓄積装置401自身によって蓄積された画像であることがわかる。また、「サーバ名」より、対応するオリジナル画像が第一の画像サーバ403に保管されていることがわかる。なお、第一の画像サーバ403は共通規格に基づいて保管されたオリジナル画像データに対して「サーバファイルNo.」を付与している。例えば、図11における「画像ID4」の「ファイルNo.」の頭にさらに第一の画像サーバに割り当てられたコード「01」を付加した「01123401101601」が図24における「統括ID1」に対する「サーバファイルNo.」となっている。この第一の画像サーバに割り当てられたコード「01」は、システム共通の識別情報として登録され、共通規格に従う限り、システム内のどこであってもこのコードが通用する。
「サーバファイルNo.」の3桁目以降の「123401101601」は、図11の「ファイルNo.」で説明したのと同じ意味を持つ。なお、図11で説明したのと同様、複数の情報を一つにまとめて「サーバファイルNo.」とせず、情報ごとに分けて管理する規格としてもよい。「共通規格」の欄の「Yes」は「統括ID1」が共通規格によって管理されていることを示す。
電話機一体型画像蓄積装置401は、上記の「統括ID1」によってオリジナル画像データを特定し、図24における対照表に基づいてこれを「サーバファイルNo.」に変換して画像サーバ403、407、408などにアクセスする。アクセスを受けた画像サーバ403、407、408などは「サーバファイルNo.」によって特定されたオリジナル画像データについて、電話機一体型画像蓄積装置401からの指示どおりの処理を行う。
図24の「統括ID4」は、「発信者」が第二の電話機一体型画像蓄積装置402となっており、外部から受信して蓄積された画像である。また「サーバ名」より、この画像が第一の画像サーバ403によって保管されているものであることがわかる。「サーバファイルNo.」も、最初の二桁が第一の画像サーバ403のコードである「01」となっているとともに、次の四桁が第二の電話機一体型画像蓄積装置402の登録番号である「1231」となっている。このようにシステムの共通規格に従う器機同士の場合は、画像の登録者以外の者による転送がない限り、「サーバファイルNo.」には「発信者」と「サーバ名」の情報も重複して含まれることになる。
「サーバファイルNo.」と別に「発信者」と「サーバ名」の項目を設けている理由は、上記のように転送の場合に対応する他、共通規格に従わない画像サーバもシステム内に取り込み、統括ソフトウエア416で管理するためである。例えば、図24の「統括ID5」は第一の電話機一体型画像蓄積装置401が第三の画像サーバ408にオリジナル画像データを送信した場合であるが、第三の画像サーバ408は、共通規格によらず、独自の「サーバファイルNo.」を付与してくる。このような場合でも電話機一体型画像蓄積装置401による「統括ID」の付与及び図24のデータ構造で統括管理を可能とする。
図24の「統括ID12」は、第一の電話機一体型画像蓄積装置401が自身で吸上げて蓄積した画像データであるが、対応するオリジナル画像は第二の画像サーバ407に保管している。第二の画像サーバ407は共通規格に従った管理を行っているので「サーバファイルNo.」の最初の二桁は第二の画像サーバ407のコードである「05」となっている。また、次の四桁は第一の電話機一体型画像蓄積装置401の登録番号である「1234」である。このように、共通規格に従う限り、どの画像サーバに画像を保管する場合でも、第一の電話機一体型画像蓄積装置401の登録番号である「1234」が一貫して使用される。この登録番号はシステム共通の識別情報として登録され、システム内の画像サーバである限り、この登録番号が通用する。
図24の「サーバファイルNo.」は、画像サーバ側で付与するものとして説明したが、これを電話機一体型画像蓄積装置側で付与するような実施の形態も可能である。ただし、この場合、共通規格に基づく「サーバファイルNo.」のナンバリングルールの情報及び共通規格によって管理されているシステム内の各画像サーバの最新のコード(例えば第一の画像サーバ403なら「01」)の情報が必要である。また、「サーバファイルNo.」の末尾二桁は、画像サーバ毎の受付けの順ではなく、電話機一体型画像蓄積装置401からの発送の順を意味することになる。さらに共通規格に基づかない第三の画像サーバ408などに対しては、次の処理が必要である。すなわち、上記のようにして共通規格に基づいて電話機一体型画像蓄積装置401側で付与した「サーバファイルNo.」と第三の画像サーバが独自に付与するファイルナンバーとの対照表を統括ソフト416に設け、第三の画像サーバ408などとの通信の際にはファイルナンバーの変換を行う。
図25は、第五の実施の形態において、画像の検索を行い、その結果表示されたサムネイルの一つを選んで対応するオリジナル画像データに基づき印刷処理を行う場合の電話機一体型画像蓄積装置401のフローチャートである。
印刷を前提に検索を行い検索結果が出るとステップS191からフローがスタートし、検索の結果ヒットしたすべての画像データに対応するサムネイルがステップS192で表示される。なお、検索対象は統括IDの付与されたすべての画像である。換言すれば、検索範囲は複数の画像サーバにまたがる。また、特に検索条件をつけない限り、オリジナル画像データの検索はそれらのがどの画像サーバに保管されているかは問わずに行われる。従ってステップS191で表示される検索結果のサムネイルに対応するオリジナル画像データの保管先も複数の画像サーバにわたっている可能性がある。
なお、どの画像サーバに保管されているかがわかっていれば、画像サーバを検索キーに加えて検索を行ってもよい。この場合は当然、ステップS191で表示される検索結果のサムネイルに対応するオリジナル画像データの保管先は検索条件に合致する画像サーバに限られる。
ステップS193で、サムネイルの表示後所定時間が経過したがどうかがチェックされ、経過していなければステップS194でサムネイルの選択が行われたかどうかがチェックされる。選択が行われなければステップS193に戻り、以下所定時間が経過するまではステップS193とステップS194を繰り返す。なお、サムネイルの選択にあたっては、それらがどの画像サーバのものかは全く気にせず所望のものを選べばよい。
ステップS194でサムネイルの選択が行われると、ステップS195で対応するオリジナル画像データを保管している画像サーバの特定処理が行われ、特定結果が保存される。続いてステップS196で、システムに可能な印刷機能のメニューが表示される。この印刷メニューはステップS195で特定された画像サーバによって提供されるサービスに限らず、システムに参加している全ての画像サーバが提供している全てのサービスが表示される。但し、ステップS194で選択されたサムネイルに対応するオリジナル画像データに対して提供不可能なサービスは表示から除かれる。例えば、オリジナル画像データの解像度が低かった場合において、これを大幅に上回る高解像度の印刷サービスを表示しても意味がないのでメニューから除かれる。また、高画質印刷権のない画像に対して高画質印刷サービスを表示しても意味がないのでこのような場合もステップS196の表示メニューから除かれる。
ステップS197で、メニューの表示後所定時間が経過したがどうかがチェックされ、経過していなければステップS198でメニューの選択が行われたかどうかがチェックされる。選択が行われなければステップS197に戻り、以下所定時間が経過するまではステップS197とステップS198を繰り返す。なお、メニューの選択にあたっては、それらがどの画像サーバによって提供されているかは全く気にせず所望のものを選べばよい。従ってオリジナル画像データを保管している画像サーバでは提供できないサービスも選択肢の一つになりうる。
ステップS198でメニューの選択が行われると、ステップS199で選択されたメニューに従った印刷が実行可能な画像サーバの特定処理が行われ、特定結果が保存される。選択されたメニューを実行可能な画像サーバが複数あるときはあわせて優先順位がつけられる。この優先順位は、ユーザが予め設定した希望、オリジナル画像データの転送などの都合、プリントの配送の都合、サービスの混み具合などによって自動的に決められる。
ステップS200では、ステップS195およびステップS199で特定された画像サーバがすべて共通規格に従ったものかどうかがチェックされる。共通規格に従っていれば、ステップS201でアクセス先整理処理が行われる。この処理は、例えばオリジナル画像データを保管している画像サーバと印刷を実行する画像サーバが異なっていた場合その一方を代表のアクセス先として指定する処理である。この実施の形態では、共通規格に従っていれば、関連する画像サーバ同士で印刷実行に必要な連絡をとって印刷を実行してくれるので、電話機一体型画像蓄積装置401からは、一つの画像サーバにアクセスするだけで済む。ステップS201のアクセス先サーバ整理処理では、電話機一体型画像蓄積装置401が窓口となる画像サーバを予め指定している場合には、常にこの窓口画像サーバがアクセス先として指定され、窓口画像サーバは注文内容に応じて関連する画像サーバに注文内容の実行を全て手配する。一方、窓口画像サーバが予め指定されていない場合は、印刷を実行する画像サーバがアクセス先の窓口として指定される。これは、最終処理を行う画像サーバが窓口となる方が課金の回収から見て合理的だからである。
ステップS202では、決定されたアクセス先へのアクセスおよび注文内容の送信の処理をスタートし、ステップS203で待機する。なお、ステップS200で共通規格でない画像サーバが関与していた場合はシステムとしての印刷実行の手配ができないので、ステップS201をスキップし、ステップS195およびステップS199で特定された関連する画像サーバがすべてにアクセスして注文内容の送信処理をおこなう。この場合画像印刷の実行全体の差配は統括ソフトウエア416が行う。
なお、ステップS193で、サムネイルの選択が行われないまま所定時間が経過したときは、ステップS203に飛んで待機状態に入る。また、ステップS197で、メニューの選択が行われないまま所定時間が経過したときは、ステップS204に進み、ステップS195の画像保管サーバ特定処理を取消すとともにステップS203に飛んで待機状態に入る。
図26は、第五の実施の形態において共通規格に基づく第一の画像サーバ403又は第二の画像サーバ403における動作のフローチャートである。画像サーバが電話機一体型画像蓄積装置からの印刷注文を受けるとステップS211からフローがスタートし、ステップS212で適正注文かどうかがチェックされる。「適正注文」のチェックとはその画像に対して印刷権のある注文者からの注文か否か、又は、著作権上印刷の認められている画像を対象とする印刷かどうかなどのチェックである。併せて、解像度の低いオリジナル画像データに対する高解像度印刷の注文など、実行が不適な印刷の注文でないかどうかも念のためチェックされる。
適正注文であれば、次にステップS213で窓口受注かどうかがチェックされる。「窓口受注」とは、受注画像サーバがその注文の窓口として指定されている形での受注である。窓口受注であればステップS214に進み、受注画像サーバに実行可能な注文かどうかがチェックされる。これは、窓口受注の場合、受注画像サーバ自身では実行できない注文である可能性があるからである。注文が実行可能であればステップS215に進み、印刷対象のオリジナル画像データが、受注画像サーバ自身による保管画像であるかどうかがチェックッされる。
ステップS215で印刷対象が保管画像でなければ、ステップS216に進み、印刷対象のオリジナル画像データを保管している他の画像サーバに対し、データの移送依頼処理を行う。そして、オリジナル画像データが入手できればステップS217で印刷実行処理を行い、ステップS218で待機する。一方、ステップS215で印刷対象が保管画像であれば、自身がオリジナル画像データを保持しているから、直ちにステップS217の印刷実行処理に入る。
ステップS212で適正注文でなければステップS219の不適通知処理を行う。不適通知書には二種類あり、その一つは注文に応じられない旨の通知を注文主本人に対し行う処理である。他の一つは著作権侵害など違法行為に該当する場合の取締り機関など第三者への通報である。不適正通知処理が終わると、以下、注文への対応は何も行わず、ステップS218に飛んで待機する。
また、ステップS213で窓口受注でなければ、印刷を実行できる画像サーバという立場で受注したのであるから直ちにステップS215に飛ぶ。つまり、窓口受注でなければ、実行できない注文が来ることはないからである。
窓口受注の場合に戻って、ステップS214で受注画像サーバに実行可能な注文でなかったときは、ステップS220で、システム内において注文を実行できる他の画像サーバに対して印刷委託処理を行う。併せて、ステップS221で印刷委託先の画像サーバが印刷対象のオリジナル画像データを保管しているかどうかをチェックする。そして保管していなければ、ステップS222でそのオリジナル画像データを受注画像サーバ自身が自己保管しているかどうかをチェックする。自己保管していれば、ステップS223で、そのオリジナル画像データを印刷委託先の画像サーバに移送するための移送実行処理を行う。一方、印刷対象のオリジナル画像データを自己保管していなければステップS224に移行し、印刷対象のオリジナル画像データを保管しているさらに他の画像サーバに対し、印刷委託先への移送を求める移送依頼処理を行う。一方、ステップS221で印刷委託先の画像サーバ自身が印刷対象のオリジナル画像データを保管している場合には、これ以上の手配は不要であるので直接ステップS218に飛ぶ。窓口受注を受け、自身で印刷を実行できない場合はシステム内の他の画像サーバに以上のような手配をして窓口の責務を全うする。
図27は、図25のステップS202におけるアクセス/送信処理の詳細を示すフローチャートであり、複数の画像について印刷を依頼する場合にも対応可能なものである。 図25においてステップS202に至ると図27のフローがステップS231からスタートし、ステップS232でアクセス先を累積記憶する。「累積」の意味は後述する。さらにステップS233において、ステップS198で行われたメニューの選択内容を累積記憶する。このメニューの選択内容には、画質、用紙サイズ、印刷枚数、色調調整の指示なども含まれている。
ステップS234では、印刷対象となる画像のサムネイル選択が全て完了した旨の指示がなされたかどうかをチェックする。そして、完了であればステップS235で累積記憶整理を行った上でステップS236で一括送信処理を行い、ステップS237でアクセス/送信処理を終了する。「累積記憶整理」および「一括送信」の意味も後述する。
ステップS234でサムネイル選択完了の旨の指示がされていない場合は、まだ他に印刷のために選択したいサムネイルがあることを意味する。従ってステップS238で印刷処理の再スタートを指示する。これによって図25の印刷処理がステップS191から再スタートする。そしてステップS192の検索結果サムネイル表示が再び行われる。この表示は最初にステップS192でなされたものと同一である。
このようにして、図27のステップS234においてサムネイル選択完了の旨の指示がなされないかぎり、図25のステップS191からステップS202が繰り返され、ステップS194で次々とサムネイルが選択されていく。そして、この繰り返しの度に、ステップS194で選択される異なった画像についてステップS232とステップS233でそれぞれアクセス先とそのアクセス先への送信内容が累積して記憶されて行く。
「累積」の意味は以上のとおりであるが、ステップS235ではこれを整理し、同一の送信先の画像をまとめたり、同一の送信内容をまとめたりする。また、ステップS236では、これら複数の画像に対する複数の異なったアクセス先への送信を一括して行う。これによって、異なったアクセス先への送信操作を個別に行わなくても、サムネイル選択完了の旨の操作を一つしておくだけで、ステップS234からステップS236に至り、一括して送信が行われる。
なお、図25におけるステップS191からステップS202の繰り返しにおいて、ステップS195からステップS202における大画面表示部3の表示としては次の二つの形態がある。その一つは、ステップS194でサムネイルの選択が行われれば対応する画像を大画面表示部3一杯に拡大表示し、ステップS196でメニューを重畳表示するものである。第二の表示の形態としては、ステップS194でサムネイルの選択が行われたときもサムネイルの表示を維持するとともに、選択されたサムネイルを他と識別可能に表示する。そしてステップS196でそのサムネイルの下にメニューを表示する。この第二の表示の形態によれば、ステップS191からステップS202の繰り返しにおいて、各画像の選択およびこれに対応するメニューの選択の結果が常に一覧できる。また、この一覧の結果、選択を訂正することができるよう構成してもよい。
図28は、図27のステップS236における一括送信処理の一部を成す指示手配のフローチャートである。共通規格に従う画像サーバでは、各種の指示についても共通化された信号及び命令が用いられるので、電話機一体型画像蓄積装置401から出された信号にそのまま応答して指示どおりの動作が可能である。しかしながら、独自規格の画像サーバでは信号や命令のルールも異なる場合があるので、共通規格の信号を送っても対応できない。図28はこのような独自規格に基づく画像管理を行う画像サーバに対しても支障なく指示を行うことを可能にするものである。
一括送信処理の初期において、対象になっている画像それぞれについて図28の指示手配処理のフローが実行される。従って、指示手配未完の画像がある限りステップS241からステップS250が繰り返され、一括送信の対象になっている全ての画像について指示手配処理が完了すると、一括送信処理における次のステップに進む。
ある画像についてステップS241からスタートするフローは、ステップS242で指示対象の画像データを確認するとともに、ステップS243でその画像データに対する指示内容を確認する。これらに基づき、ステップS244ではその画像への指示に関与する画像サーバを明らかにするとともにそのチェック順を決定する。
ステップS245では、まず最初の画像サーバについて共通規格に基づくものかどうかチェックする。共通規格に基づくサーバでなければステップS246に進み、そのサーバ固有の信号変換表を準備する。そしてステップS247で共通規格の指示信号をそのサーバ固有の指示信号に変換する。これによって、共通規格の指示信号によって操作をするにもかかわらず、画像サーバにはその画像サーバ固有の指示信号が送信されることになる。ステップS246の信号変換表は、画像サーバ側のバージョンアップがあって信号が変更されたときは、電話機一体型画像蓄積装置401のメンテナンスサービスにインターネットなどでコンタクトし、新しいバージョンのものをダウンロードすることができる。
ステップS248では全ての関与サーバについてのチェックが完了したかどうかが判別され、他にチェックすべき画像サーバがなければ、ステップS249に進んで指示信号による関与サーバへの指示を手配し、ステップS250でその画像についての指示手配処理を終わる。
一方、ステップS245においてチェック対象の画像サーバが共通規格に従うものであった場合は、信号を変換する必要がないのでステップS248に飛ぶ。また、ステップS248で他にチェックすべき画像サーバがあった時はステップS245にもどり、以下全ての画像サーバがチェックされるまでステップS245からステップS248を繰り返す。
上記第五の実施の形態において、図25から図28では印刷の場合について具体的に説明したが、第五の実施の形態における利点は印刷サービスに限らず、複数の画像サーバが提供する多種多様なサービスについて応用可能である。そして、これら印刷以外のサービスにおいても、複数の画像サーバの協業における共通規格の採用、また共通規格以外のサービスをも含めた統括ソフト416による管理による利点が享受できる。
図29は、この発明による第六の実施の形態における画像蓄積装置の大画面表示部3に表示される表示画面レイアウトを示す。第六の実施の形態は、基本的には第五の実施の形態と同様であり、そのシステム全体も図23と共通なので暖めての図示を省略し、図23を援用して説明する。第六の実施の形態における電話機一体型画像蓄積装置401も、複数の画像サーバ403、407、408などに画像を送信するものであるが、統括ソフトウエア416の機能が第五の実施の形態と異なる。すなわち、第五の実施の形態では、統括ソフトウエア416に従うレイアウトの画面が大画面表示部3に表示されるとともに共通規格の管理手法によって操作を行うので、個々の画像サーバ独自の画面レイアウトは表面に出てこない。これに対し、第六の実施の形態では、個々の画像サーバ固有の画面構成や管理手法を尊重している。図29はこの点を説明するためのものである。
図29(A)は、電話機一体型画像蓄積装置401の画像管理機能に置いて最初に表示される画面レイアウトであり、複数の画像サーバのアイコン501、502、503及び504が表示されている。アイコンデザインも各画像サーバ毎に異なっている。ユーザが第一の画像サーバにアクセスしたい場合はそのアイコン501を操作すると第一の画像サーバ特有の操作画面が開き、その指示に従って操作を行うことができる。開かれる操作画面の構成や指示も画像サーバ毎に異なっている。
なお、大画面表示部3に表示されているアイコンは、電話機一体型画像蓄積装置401がそのオリジナル画像データにアクセス可能な画像情報を保管している画像サーバに限られる。従って、アクセス可能な画像情報が初めて生じた画像サーバのアイコンがあればそのアイコンの表示が大画面表示部3に自動的に追加される。例えば、ある画像サーバについて、初めて画像を送信して保管を依頼するか、又は他人からアクセス件のある蓄積用画像データを初めて受信して場合など、その画像サーバのアイコン表示が自動追加される。一方、画像の削除どによってアクセス可能な画像情報がなくなった画像サーバのアイコンの表示は大画面表示部3から自動的に削除される。このようにして、アクセスの可能な画像サーバのみを大画面表示部3に一覧表示することによって、個々の画像サーバ固有の画面構成や管理手法を尊重しながらも、確実かつ効率のよい画像管理が可能になる。つまり、外部の画像サーバに保管を依頼した画像データは大画面表示部に一覧表示される画像サーバのいずれかの中に必ず存在することが保証される。また、無用な画像サーバが混在して表示されることがないので、操作に無駄がなくなる。
なお、画像アイコンを表示するか否かに換えて、次のような実施の形態も可能である。すなわち、利用可能な画像サーバを全て大画面表示部に一応表示するとともに、アクセス可能な画像情報を保管している画像サーバの表示色を変えるなどしてその表示形態を他の画像サーバと異ならしめるよう表示制御する。この場合は、必要な画像サーバが識別できるとともに、初めての画像サーバに画像を送信する操作をする場合などにおいて、画面を切換えることなく、同じ画面から操作することができる。この実施の形態においても、アクセス可能な画像情報が初めて生じたり、全くなくなったりしたときはその画像サーバについて表示形態を自動的に以前と異ならしめる。
さらに、別の実施の形態として、利用可能な画像サーバを全て大画面表示部に一応表示する場合において、表示画面からグラフィカルユーザインターフェース(GUI)によって操作が可能なようにし、アクセス可能な画像情報を保管している画像サーバのアイコンへの指示のみを可能とするよう構成することもできる。このようにアイコンの表示を変えるのではなく、機能を変えることによっても同様の使い勝手が可能となる。なお、この実施の形態においても、アクセス可能な画像情報が初めて生じた画像サーバのアイコンへの指示を自動的に可能とするとともに、アクセス可能な画像情報が全くなくなった画像サーバのアイコンへの指示を自動的に不能とする。
上記第六の実施の形態において、画像サーバ毎にアクセス可能な画像情報が初めて生じたことや、それらが全くなくなったことの検出は、履歴ソフトウエア417における画像の送受信や削除操作の履歴に基づいて行う。
図29(B)は、基本的には図29(A)と同様の実施の形態であるが、指示信号の信号の変換により、アイコン505、506、507及び508のデザインを統一するとともに、開かれる操作画面の構成や指示も統一し、画像サーバ毎に異なっる指示の仕方を個別に覚えなくてもよいようにしたものである。
以上の各実施の形態における機能は、コンピュータのアプリケーションプログラムによって実現することが可能であり、その場合はこのアプリケーションプログラムをインストールしたコンピュータ及び必要に応じ接続されるその周辺器機が上記に説明してきた装置となる。従って、この発明の機能を実現するためにインターネットなどにより流通するアプリケーションプログラム自体又はそれを記録したCD−ROMなどの記録媒体もこの発明の対象である。