JP4487898B2 - 車両用シートパッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートパッド及びその製造方法に関する。詳しくは、異種のポリウレタン樹脂同士を一体化して構成された車両用シートパッドの反発弾性や硬さ等を好適に保つことが可能な車両用シートパッド及びその製造方法に関する。
従来、車両用シートの背もたれ部(シートバック)や着座部(シートクッション)のクッション構造としては、例えば、ポリウレタン樹脂原料を発泡成形させたいわゆるモールドフォームに、ファブリックから成る表皮カバーを被せ付けたり、塩化ビニルから成る表皮を減圧一体成形したりしたものが知られている。この種の関連技術として、特許文献1に開示された技術を挙げることができる。
特開2000−311564号公報
しかし、上記したクッション構造では、例えば塩化ビニルの使用自体が環境に与える影響が大きいとして問題視されていたり、クッション性や意匠性を向上させることが難しいとして技術的な問題点が指摘されていた。
そこで、本発明者は、先に、上記課題を解決するものとして、ポリウレタンエラストマー原料により形成した皮膜層(表皮カバー)の上にポリウレタンフォーム原料を発泡させることでこれらを一体に成形してシートパッドを形成する技術を提案している(特願2004−188252、本出願時未公知)。この提案技術によれば、環境に与える影響の小さいポリウレタン樹脂のみを使用してシートパッドを形成することができると共に、表皮カバーの張り具合やモールドフォームとの相乗的に発揮されるクッション性を好適に調整することができるようになる。
ところで、近年の車両用シートには、シートへの着座の有無を検出するためにいわゆる着座センサが配設されている(例えば上記特許文献1参照)。この着座センサは普通には冷間時等においても検出が良好に行えるようにするためにシートクッションの表皮カバーとパッドとの間に設置される。上記特許文献1の場合には、着座センサは当該位置で両面テープ等の接着手段によってパッドの着座面側に貼り付けられている。
従って、本発明者が先に提案したシートパッドを形成する技術においても、当該提案技術を実用化する観点から着座センサを備えたクッション構造が求められている。
而して、本発明が解決しようとする課題は、本発明者が先に提案した異種のポリウレタン樹脂が積層されて成る車両用シートパッドとした場合においても、着座センサを好適に備えさせることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートパッド及びその製造方法は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、異種のポリウレタン樹脂が積層されて成る車両用シートパッドであって、ポリウレタンエラストマー原料により成形された第1の皮膜層と、第1の皮膜層積層された面状の着座センサと、着座センサの上面全体とその周囲の第1の皮膜層の上面とに跨って積層されるようにこれらと一体接着された状態となって成形されたポリウレタンエラストマー原料より成る第2の皮膜層と、第2の皮膜層が積層された部分についてはその上面に積層されるように第1の皮膜層の上面にポリウレタンフォーム原料が発泡成形されて一体接着されて積層されたモールドフォームと、を有する。第2の皮膜層は、第1の皮膜層との間に着座センサの形状全体を包み込んだ状態となるように着座センサの上面全体を覆った状態となって設けられている。
ここで、着座センサとしては、メンブレンスイッチのよう着座感損なわれない程度の可撓性を備え薄型面状のセンサなどが挙げられる。
この第1の発明によれば、着座センサがポリウレタンエラストマー原料より成る第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態となって第2の皮膜層に一体接着された状態で設けられていることにより、着座センサの配設位置がずれ難く安定する。また、着座センサは、上記のように第2の皮膜層によってその上面及びその周囲の面全体が覆われていることにより、モールドフォームの発泡成形時における発泡成形圧の負荷を受けにくいように第2の皮膜層によって保護されるようになる。また、ポリウレタンエラストマー原料により成形された第1及び第2の皮膜層は、共に、成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難い性質を有するため、着座センサに、これらの収縮変形に伴う負荷をかけることがない
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、着座センサと第2の皮膜層との間には、車両用シートパッドのクッション硬さを調整するものとして所望の硬さを備えて形成されたインサート部材が積層されて設けられてい
この第2の発明によれば、インサート部材が、着座センサと第2の皮膜層との間に積層されて設けられることにより、インサート部材も着座センサと共に第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態となって、その配設位置がずれ難く安定した状態となって設けられる。また、インサート部材が着座センサの裏側(着座面側とは反対側)の面上に積層状に設けられることにより、インサート部材を設けても着座センサのセンサ感度が損なわれなくなる。
次に、第の発明は、異種のポリウレタン樹脂が積層されて成る車両用シートパッドの製造方法であって、第1皮膜層成形工程と、センサ設置工程と、第2皮膜層成形工程と、モールドフォーム成形工程と、を有する。第1皮膜層成形工程は、成形型内にポリウレタンエラストマー原料をスプレー或いは塗布して第1の皮膜層を成形する工程である。センサ設置工程は、第1の皮膜層の上面に面状の着座センサを積層状に設置する工程である。第2皮膜層成形工程は、着座センサの上面全体とその周囲の第1の皮膜層の上面とに跨るようにポリウレタンエラストマー原料をスプレー或いは塗布してこれらに一体的に接着させた状態として第2の皮膜層を成形する工程である。モールドフォーム成形工程は、第2の皮膜層が積層された部分についてはその上面に積層されるように第1の皮膜層の上面にポリウレタンフォーム原料を注入して発泡成形させてこれらと一体接着させた状態としてモールドフォームを積層成形する工程である。第2皮膜層成形工程では、第2の皮膜層が第1の皮膜層との間に着座センサの形状全体を包み込んだ状態となるように第2の皮膜層を成形する
ここで、着座センサとしては、メンブレンスイッチのよう着座感損なわれない程度の可撓性を備え薄型面状のセンサなどが挙げられる。
この第の発明によれば、上記各工程により、着座センサがポリウレタンエラストマー原料より成る第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態となって第2の皮膜層に一体接着された状態で設けられることにより、着座センサの配設位置がずれ難く安定する。また、着座センサは、上記のように第2の皮膜層によってその上面及びその周囲の面全体が覆われていることにより、モールドフォーム成形工程において、モールドフォームの発泡成形圧の負荷を受けにくいように第2の皮膜層によって保護されるようになる。また、ポリウレタンエラストマー原料により成形された第1及び第2の皮膜層は、共に、成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難い性質を有するため、着座センサに、これらの収縮変形に伴う負荷をかけることがない
次に、第の発明は、上述した第の発明において、更に、センサ設置工程と第2皮膜層成形工程との間に、車両用シートパッドのクッション硬さを調整するものとして所望の硬さを備えて形成されたインサート部材を着座センサの上面に設置するインサート部材設置工程を有するものである
この第の発明によれば、インサート部材設置工程により、インサート部材が着座センサと第2の皮膜層との間に積層されて設けられることにより、インサート部材も着座センサと共に第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態となって、その配設位置がずれ難く安定した状態となって設けられる。また、インサート部材が着座センサの裏側(着座面側とは反対側)の面上に積層状に設けられることにより、インサート部材を設けても着座センサのセンサ感度が損なわれなくなる。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、着座センサをポリウレタンエラストマー原料より成る第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって包み込んだ状態とし、かつ、第2の皮膜層に一体接着させた状態として設けたことにより、着座センサの配設位置がずれないように安定して保持することができる。また、モールドフォームの発泡成形時の発泡成形圧が着座センサにかかりにくくなるように保護することができる。また、上記第1及び第2の皮膜層が成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難い性質によって、着座センサに収縮変形に伴う負荷がかからないようにすることができる。したがって、着座センサのセンサ機能を良好に発揮させることができる。
更に、第2の発明によれば、車両用シートパッドのクッション硬さを調整するインサート部材を着座センサの着座面側とは反対側の面上に積層状に設けたことにより、インサート部材も着座センサと共に第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態として、その配設位置がずれ難く安定した状態となるように設けることができると共に、インサート部材を設けても着座センサのセンサ感度が損なわれないようにすることができる。
更に、第3の発明によれば、各工程によって、着座センサをポリウレタンエラストマー原料より成る第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって包み込んだ状態とし、かつ、第2の皮膜層に一体接着させた状態として設けたことにより、着座センサの配設位置がずれないように安定して保持することができる。また、モールドフォームの発泡成形時の発泡成形圧が着座センサにかかりにくくなるように保護することができる。また、上記第1及び第2の皮膜層が成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難い性質によって、着座センサに収縮変形に伴う負荷がかからないようにすることができる。したがって、着座センサのセンサ機能を良好に発揮させることができる。
更に、第4の発明によれば、インサート部材設置工程によって、車両用シートパッドのクッション硬さを調整するインサート部材を着座センサの着座面側とは反対側の面上に積層状に設けたことにより、インサート部材も着座センサと共に第1の皮膜層と第2の皮膜層とによって形状全体が包み込まれた状態として、その配設位置がずれ難く安定した状態となるように設けることができると共に、インサート部材を設けても着座センサのセンサ感度が損なわれないようにすることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートパッド1について、図1〜図7を用いて説明する。図1はシートパッド1の概略構成を側面視して表した断面図、図2はシートパッド1の概略構成を表した平面図、図3は第1皮膜層成形工程を示す工程図、図4はセンサ設置工程及びインサート部材設置工程を示す工程図、図5は第2皮膜層成形工程を示す工程図、図6はモールドフォーム成形工程を示す工程図、図7はモールドフォーム成形工程における発泡成形状態を示す工程図である。なお、図1で示されるシートパッド1は、シートへの組み付け姿勢状態に対して上下が反転した状態で表されている。
本実施例のシートパッド1は、例えばフォークリフトなどの屋外で使用される車両の着座部(シートクッション)に適用されるものである。このシートパッド1は、図1に良く示されるように、軟質ポリウレタンフォーム原料が発泡成形されたモールドフォーム30の表面側(着座面側)に、熱硬化性脂肪族系ポリウレタンエラストマー原料が成形された第1の皮膜層10が一体接着された構成となっている。ここで、軟質ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール(三井武田ケミカル社製、MHR−2289)と、トリレンジイソシアネート系及びメチレンジイソシアネート系イソシアネートの混合物(三井武田ケミカル社製、コスモネートTM20)とを主成分として、その他の発泡剤、整泡剤、触媒、及び着色剤などとを反応させた公知の混合液が使用される。
また、本実施例では、上記の如く成形された第1の皮膜層10によって、乗員の着座荷重を直接接触して支持する表皮面が構成されている。ここで、表皮面には、意匠性を向上させるべく、成形時にシボ形状が付与されている。また、このシートパッド1には、表皮となる第1の皮膜層10とパッド部たるモールドフォーム30との間に、シートへの着座の有無を検出するための着座センサSや、シートパッド1のクッション性を調整するためのインサート部材Tが一体に組み込まれている。
前者の着座センサSは、図2に良く示されるように、乗員の着座を検出し易い尻下部付近に当て交われるように、略コ字状に形成されて設置されている。この着座センサSは、比較的低廉にシステムを構成することができるとして公知のメンブレンスイッチによって構成されている。ここで、メンブレンスイッチの概略構成を説明すると、一対の可撓性シートを絶縁スペーサを介して重合させた面状に形成されている。このメンブレンスイッチにより構成された着座センサSによれば、その面状の厚さ方向に入力される負荷荷重を検出することができる。
後者のインサート部材Tは、発泡スラブフォーム(密度:20kg/m、硬さ:100N、厚さ:10mm)により形成されており、図2に良く示されるように、乗員の尻下部に当て交われるように設置されている。したがって、この設置されるインサート部材Tの材質特性(粘弾性や硬さ)によって、シートパッド1のクッション感、触感(表面触感)、底付き感及び安定感を広範囲に調整することができる。なお、インサート部材Tの材質は、発泡スラブフォーム(発泡ウレタン材)のようにリサイクル性に優れた材料を使用することが好ましいが、その他にも公知のゴム材(ゴム系エラストマ−)やオレフィン系樹脂材等から成る部材を使用することができる。また、これらの材料を組合わせたものを使用しても良い。また、インサート部材Tを設置する部位も、乗員の尻下部に当て交われる部位に限られず、大腿部付近など他の部位に設置してもよい。また、シートパッドが背もたれ部(シートバック)に適用される場合には、乗員の腰部や肩甲骨の付近に当て交われる部位にインサート部材を設置してもよい。この場合、インサート部材Tは、設置される部位に適した材質特性(粘弾性や硬さ)を備えたものが適宜選択されて使用される。なお、本実施例では、図1を参照して、表皮となる第1の皮膜層10とパッド部たるモールドフォーム30とが互いに硬度の異なる構成となっているため、これらの厚み寸法等の組合わせを変化させることによってもシートパッド1のクッション性を調整することができる。
次に、シートパッド1の製造方法を、図3〜図7の各図に示される工程順に従って説明する。なお、以下の説明において、シートパッド1について示す場合には、図1を適宜参照するものとする。
先ず、図3に良く示されるように、シートパッド1の表面側(着座面側)を成形する下型41は、65±4℃に加熱されて保温された状態とされている。ここで、下型41の成形面41aは、シートパッド1の意匠面(着座面)を直接形成する部位面となるため、この成形面41aにシボ形状を付与した構成としてもよい。これにより、成形面41aに設定されたシボ形状をシートパッド1の表面側(着座面側)に転写することができる。なお、下型41の成形面41aには、予め離型剤を塗布しておくことが好ましい。
次いで、図3に良く示されるように、スプレーノズル50により、熱硬化性脂肪族系ポリウレタンエラストマー原料を下型41の成形面41aに向けてスプレー塗布し、60秒間加熱放置して硬化させる。これにより、図4に良く示されるように、第1の皮膜層10が成形される(第1皮膜層成形工程)。
次いで、図4に良く示されるように、第1の皮膜層10の上に面状の着座センサSを積層状に設置する(センサ設置工程)。更に、この着座センサSの上、詳しくは乗員の尻下部に当て交われる部位にインサート部材Tを積層状に設置する(インサート部材設置工程)。なお、着座センサS及びインサート部材Tは、第1の皮膜層10が硬化した後に設置しても良いが、硬化する前に設置すると良い。これにより、例えば、第1の皮膜層10の硬化に伴って、その成形に伴う接着強度によって第1の皮膜層10と着座センサS或いはインサート部材Tとを一体接着することができる。
次いで、図5に良く示されるように、前述した第1皮膜層成形工程(図4参照)と同様にして、スプレーノズル50により、熱硬化性脂肪族系ポリウレタンエラストマー原料を第1の皮膜層10の上に全体に亘ってスプレー塗布し、例えば60秒間加熱放置して硬化させる。これにより、図6に良く示されるように、第2の皮膜層20が、第1の皮膜層10、着座センサS及びインサート部材Tと一体接着した状態として堆積されて成形される(第2皮膜層成形工程)。
次いで、図6に良く示されるように、注入ノズル51により、前述した混合液より成る軟質ポリウレタンフォーム原料を先の成形された第2の皮膜層20の上に注入し、直ちに上型42を閉鎖する(図7参照)。そして、金型40を前述の温度(65±4℃)にて6分間加熱放置する。これにより、軟質ポリウレタンフォーム原料は発泡し、下型41と上型42との間に形成された空間内に充填する。そして、発泡すると共に第2の皮膜層20の裏面に一体接着する形で、モールドフォーム30が成形される(モールドフォーム成形工程)。このモールドフォーム30の発泡成形時には、軟質ポリウレタンフォーム原料より成る第1の皮膜層10や第2の皮膜層20の良好な形状追従性により、これらが下型41の成形面41aから浮き上がったりシワを寄せるなどの不具合を生じることはない。したがって、シートパッド1は、上型42の成形面42aと下型41の成形面41aとに挟まれた形状に良好に仕上られる。また、ポリウレタンエラストマー原料を成形した第2の皮膜層20に対して軟質ポリウレタンフォーム原料を発泡成形させて一体接着させているため、その発泡成形時において接着部位となる界面には含浸を伴い難い。したがって、成形後の接着部位となる界面が局所的に硬化することもない。
そして、モールドフォーム30が成形された後には、上型42を離し、一体成形されたシートパッド1を金型40から取り出せば、作業は終了する。したがって、シートパッド1の離型を円滑に行うために、上型42の成形面42aにも、予め離型剤を塗布しておくことが好ましい。
なお、着座センサSに接続されているワイヤーハーネスWは、金型40の下型41と上型42との嵌め合い形状に形成された逃がし溝42bから型外に逃がすことができる。したがって、シートパッド1の成形時には、例えばワイヤーハーネスWを着座センサSの設置位置と逃がし溝42bとの間に垂れ掛けた状態で各工程処理を行うことにより、第2の皮膜層20やモールドフォーム30の成形に伴って、ワイヤーハーネスWの配索位置を固定しておくことができる。
次に、上記の如く成形されたシートパッド1の実用性について評価した。その評価結果を表1に示す。この評価試験では、表1に良く示されるように、比較品(a)〜(c)及び発明品(d)〜(f)について、センサー設置コスト、センサー耐久性、センサー検知試験(常温・−40℃)に関する評価試験を行った。そして、この評価試験によって得られた評価結果を、○△×を用いて3段階で示した。表中、○で示されたものは結果が良好のものであり、△で示されたものがやや劣るものであり、×で示されたものが劣るものである。ここで、センサー検知試験は、シート天板部(着座面)に鉄研盤によって50kgの負荷を与えた際に、着座センサSの検知する荷重を測定するものである。例えば、この検知荷重が2〜20kg内の範囲にあれば、評価結果は○となる。
ここで、比較品(a)は、一般ジャージ(ラミパッド付き)から成る厚さ5.5mmの表皮を、軟質ポリウレタンフォーム原料を発泡成形させたモールドフォーム(パッド)に被せ付けた構成のものである。この比較品(a)では、パッドに表皮を被せ付ける前に、着座センサを両面テープによってパッドの着座面側に貼り付けた構成となっている(薄型貼り付け)。ここで、着座センサは、前述した着座センサSと同じ面状のメンブレンスイッチにより構成されている。
次いで、比較品(b)は、塩化ビニル(PVC)から成る厚さ1.8mmの表皮に対し、軟質ポリウレタンフォーム原料を一体に発泡成形させることにより、モールドフォーム(パッド)を一体接着させた構成のものである。この比較品(b)では、パッドの下部位置(シートクッションの下部位置)に、乗員の着座荷重を受けてスイッチのON/OFFが切換えられるタイプの着座センサが備え付けられている(ON/OFFスイッチ)。
次いで、比較品(c)は、比較品(b)と同じ塩化ビニル(PVC)から成る厚さ1.8mmの表皮に対し、軟質ポリウレタンフォーム原料を一体に発泡成形させることにより、モールドフォーム(パッド)を一体接着させた構成のものである。この比較品(c)では、比較品(a)と同じ面状のメンブレンスイッチにより構成された着座センサが、表皮とパッドとの間に一体接着された状態で設置されている(薄型貼り付け)。すなわち、比較品(c)は、表皮上に着座センサを設置した状態でモールドフォームの発泡成形を行うことにより、モールドフォームの成形により発揮される接着強度でもって接着されている。
一方、発明品(d)〜(f)は、共に、前述したシートパッド1の製造方法によって成形されたものであるが、第1の皮膜層10や第2の皮膜層20より成るポリウレタンエラストマー原料が成形された層の厚みが発明品(d):0.8mm、発明品(e):1.2mm、発明品(f):1.8、とそれぞれ異なっている。
なお、モールドフォーム30の構成は、比較品(a)〜(c)及び発明品(d)〜(f)で、いずれも、密度:62kg/m、反発弾性率:76%として共通である。
Figure 0004487898

この評価結果によれば、各評価項目において、発明品の方が比較品よりも良好な結果が得られた。
例えば、センサー設置コストについて見てみると、比較品(a)のように着座センサを両面テープで貼り付ける構成の場合には、かかる貼り付け作業が手間のかかるものとなる。また、比較品(b)のようにON/OFFスイッチの着座センサを使用する場合には、装置自体のコストが高くなる。それに比べて、発明品(d)〜(f)では、前述した製造方法によって、比較的コストの低廉な着座センサSを簡単に接着することができる。
次いで、センサー耐久性について見てみると、比較品(a)のように着座センサを両面テープで貼り付ける構成の場合には、パッドの着座側面に付着した離型剤によって着座センサが貼り付き難くなる。また、比較品(b)や比較品(c)のように塩化ビニルから成る表皮に軟質ポリウレタンフォーム原料を一体に発泡成形させる構成の場合には、成形後の温度低下に伴って表皮が収縮し易くなる。また、比較品(b)のように着座センサが露呈した構成では、冷間時等において気候変化に伴う負荷の影響を受け易くなる。これらの要因により、着座センサの耐久性が充分に発揮されなくなる。それに比べて、発明品(d)〜(f)では、前述した製造方法によって、各層の成形により発揮される接着強度でもって着座センサSを安定してホールドすることができる。また、着座センサSを接着する第1の皮膜層10や第2の皮膜層20は成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難いため、着座センサSの耐久性が充分に発揮される。
また、センサー検知試験(常温・−40℃)についても、上記と同様の要因により、発明品(d)〜(f)で良好な結果を得ることができた。
このように、本実施例のシートパッド1は、簡単な製造方法によって、異種のポリウレタン樹脂が積層されて成るシートパッド1に対して、着座センサSを好適に設置することができる。すなわち、成形した第1の皮膜層10上に着座センサSを設置してその上に第2の皮膜層20やモールドフォーム30を一体成形するという方法により、着座センサSを簡単に接着することができると共に、これらの成形により発揮される接着強度でもって着座センサSを安定してホールドすることができる。また、着座センサSを接着する第1の皮膜層10や第2の皮膜層20は成形後に使用環境まで温度が低下しても収縮し難いため、着座センサSのセンサ機能を安定して発揮させることができる。この着座センサSの接着には、揮発性有機化合物(VOC)を排出する接着剤が不要であるため、環境に与える影響が少なくて済む。
更に、本実施例のような簡単な製造方法によって、インサート部材Tと着座センサSとを安定してホールドすることができる。そして、このインサート部材Tの設置により、シートパッド1のクッション性を、乗員の着座荷重を支持する支持部位に応じて、より好適に調整することができる。更に、第1の皮膜層10を表皮として使用することにより、シートパッド1に表皮を被せ付ける作業を合理化することができると共に、表皮を良好な設置状態及び意匠面に仕上げることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例によって説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、シートパッド1は、モールドフォーム30に一体接着した第1の皮膜層10を表皮として使用するものを示したが、これに更に別の表皮を被せ付ける構成としても良い。
また、上記実施例で示した構成のシートパッドを、背もたれ部たるシートバックに適用しても良い。この場合には、乗員の腰部や肩甲骨の付近に当て交われる部位にインサート部材を設置するなどして、シートパッドのクッション性を好適に調整することができる。
また、第1の皮膜層や第2の皮膜層の原料として、熱硬化性脂肪族系ポリウレタンエラストマー原料を示したが、室温硬化性のものや芳香族系のものであっても構わない。ただし、耐候性が要求される使用の場合には、芳香族系のものは黄変し易い傾向にあるため、脂肪族系のものを使用することが好ましい。
また、第2の皮膜層は、第1の皮膜層上の全面に成形される必要はなく、少なくとも着座センサやインサート部材の設置された部位を覆い隠せる程度に成形されていれば足りる。また、第2の皮膜層を設けない構成、すなわち、第1の皮膜層上に設置された着座センサやインサート部材がモールドフォームによって接着される構成であってもよい。この場合には、モールドフォームのクッション性によって、着座センサやインサート部材のホールド性が低下することがあるので留意が必要である。また、成形時に、インサート部材とモールドフォームとが含浸を伴って硬化することがあるので留意が必要である。
また、インサート部材は、必ずしも必要ではなく、シートパッドの要求性能に応じて適宜設定すればよい。このようなインサート部材の設置されない構成の場合には、上記実施例で示したシートパッドの製造方法のうち、インサート部材設置工程が省略されてシートパッドが成形される(図8参照)。
シートパッドの概略構成を側面視して表した断面図である。 シートパッドの概略構成を表した平面図である。 第1皮膜層成形工程を示す工程図である。 センサ設置工程及びインサート部材設置工程を示す工程図である。 第2皮膜層成形工程を示す工程図である。 モールドフォーム成形工程を示す工程図である。 モールドフォーム成形工程における発泡成形状態を示す工程図である。 別の実施例のシートパッドの製造方法を表した工程図である。
符号の説明
1 シートパッド
10 第1の皮膜層
20 第2の皮膜層
30 モールドフォーム
40 金型
41 下型
41a 成形面
42 上型
42a 成形面
42b 逃がし溝
50 スプレーノズル
51 注入ノズル
T インサート部材
S 着座センサ
W ワイヤーハーネス

Claims (4)

  1. 異種のポリウレタン樹脂が積層されて成る車両用シートパッドであって、
    ポリウレタンエラストマー原料により成形された第1の皮膜層と、
    第1の皮膜層面に積層された面状の着座センサと、
    該着座センサの上面全体とその周囲の前記第1の皮膜層の上面とに跨って積層されるようにこれらと一体接着された状態となって成形されたポリウレタンエラストマー原料より成る第2の皮膜層と、
    該第2の皮膜層が積層された部分についてはその上面に積層されるように前記第1の皮膜層の上面にポリウレタンフォーム原料が発泡成形されて一体接着されて積層されたモールドフォームと、を有し、
    前記第2の皮膜層は前記第1の皮膜層との間に前記着座センサの形状全体を包み込んだ状態となるように前記着座センサの上面全体を覆った状態となって設けられていることを特徴とする車両用シートパッド。
  2. 請求項1に記載の車両用シートパッドであって、
    前記着座センサと前記第2の皮膜層との間には、当該車両用シートパッドのクッション硬さを調整するものとして所望の硬を備えて形成されたインサート部材が積層されてけられていることを特徴とする車両用シートパッド。
  3. 異種のポリウレタン樹脂が積層されて成る車両用シートパッドの製造方法であって、
    成形型内にポリウレタンエラストマー原料をスプレー或いは塗布して第1の皮膜層を成形する第1皮膜層成形工程と、
    前記第1の皮膜層の上面に面状の着座センサを積層状に設置するセンサ設置工程と、
    前記着座センサの上面全体とその周囲の前記第1の皮膜層の上面とに跨るようにポリウレタンエラストマー原料をスプレー或いは塗布してこれらに一体的に接着させた状態として第2の皮膜層を成形する第2皮膜層成形工程と、
    前記第2の皮膜層が積層された部分についてはその上面に積層されるように前記第1の皮膜層の上面にポリウレタンフォーム原料を注入して発泡成形させてこれらと一体接着させた状態としてモールドフォームを積層成形するモールドフォーム成形工程と、を有し、
    前記第2皮膜層成形工程では前記第2の皮膜層が前記第1の皮膜層との間に前記着座センサの形状全体を包み込んだ状態となるように前記第2の皮膜層を成形することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法
  4. 請求項3に記載の車両用シートパッドの製造方法であって、
    更に、前記センサ設置工程と前記第2皮膜層成形工程との間に、当該車両用シートパッドのクッション硬さを調整するものとして所望の硬さを備えて形成されたインサート部材を前記着座センサの上面に設置するインサート部材設置工程を有することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法
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