JP4487564B2 - フェロコークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭及び鉄鉱石からフェロコークスを製造し、該フェロコークスを冶金用コークスとして使用するフェロコークスの製造方法に関する。
原料石炭に粉鉄鉱石を配合し、この混合物を通常の室炉式コークス炉で乾留してフェロコークスを製造する技術としては、1)石炭と粉鉄鉱石との粉体混合物を室炉式コークス炉に装入する方法、2)石炭と鉄鉱石を冷間、すなわち室温で成型し、その成型物を室炉式コークス炉に装入する方法などが検討されてきた(非特許文献1など)。しかし通常の室炉式コークスは、珪石煉瓦で構成されているので、鉄鉱石を装入した場合に鉄鉱石が珪石煉瓦の主成分であるシリカと反応し、低融点のファイヤライト(2FeO・SiO2)が生成して珪石煉瓦の損傷を招く。このため室炉式コークス炉でフェロコークスを製造する技術は、工業的には実施されていない。
近年室炉式コークス製造法に替わるコークス製造方法として、連続式成型コークス製造法が開発されている。連続式成型コークス製造法では、乾留炉として、珪石煉瓦ではなくシャモット煉瓦にて構成される竪型シャフト炉を用い、石炭を冷間で所定の大きさに成型後、シャフト炉に装入し、循環熱媒ガスを用いて加熱することにより成型炭を乾留し、成型コークスを製造する。資源埋蔵量が豊富で安価な非微粘結炭を多量に使用しても、通常の室炉式コークスと同等の強度を有するコークスが製造可能なことが確認されているが、使用する石炭の粘結性が高い場合にはシャフト炉内で成型炭が軟化融着し、シャフト炉操業が困難になると共に変形や割れ等のコークスの品質低下を招く。このため、原料となる石炭中の成型炭の配合比率は最大でも35%程度を超えることができない。
連続式コークス製造法でのシャフト炉内での融着抑制のために、石炭に鉄鉱石を全体量の15〜40%となるように添加し、冷間で成型物を製造し、シャフト炉に装入する方法が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、高炉操業においては、高価なコークスの使用量を削減するために、微粉炭吹込み量を増加させる操業を指向している。コークス比を削減すると高炉内でコークスへの負荷が大きくなり、滞留時間が長くなるので、コークスの粉化が増大し、通気性が悪化する。このため、コークス強度の上昇や粒径を拡大させて装入コークスの品質を向上させることが求められている。例えば石炭配合で高価な良質の強粘結炭を多く配合してコークス強度を上昇させる方法や、コークス炉の乾留温度を下げ、稼動率を低下させてコークス粒径を拡大する方法が採用されているが、このような方法ではコークス製造コストの上昇や生産性の低下などを生じさせる。通常のコークス強度を維持しながら高炉内での粉化を抑制する方法として、高反応性コークスの使用が検討されている。例えば通常の石炭の配合構成を変更することで反応性を30%以上にしたコークスを使用する方法が提案されている(特許文献2参照)。
燃料会編「コークス技術年報」1958,p38 特開平6-65579号公報 特開昭64-36710号公報
しかし特許文献1に記載の、石炭に鉄鉱石を添加し、冷間で成型物を製造し、シャフト炉に装入する連続式コークス製造法にあっては、鉄鉱石には粘結性がないので、冷間の状態で成型物を製造するために高価なバインダを添加する必要がある。また室温の成型物をシャフト炉の上部から装入するため、高温ガスとの接触により成型物の内部と表面の温度差により熱応力が発生し、熱割れが起こり、粉化し、製品歩留りが低下してしまう。
特許文献2に記載の高反応性コークスを使用する方法では、石炭の配合構成の変更に限界がある。
そこで本発明の目的は、従来のフェロコークス製造技術の上述の問題点を解消できると共に、フェロコークスを高反応性コークスとして使用する新たなフェロコークスの製造方法を提供することにある。
また、上記連続式成型コークス法で用いられるシャフト炉で発生する副生ガスは、非微粘結炭を多量に使用するため、室炉式コークス炉に比較し、水素ガス濃度が増加するが、クリーンなガスとして更なる水素ガス濃度の向上が求められている。
上記課題を解決するために、本発明のフェロコークスの製造方法は、原料としての石炭及び鉄鉱石を加熱した熱間の状態で塊成型物に成型する工程と、前記塊成型物をシャフト炉型熱処理炉で熱風を用いた直接加熱法にて乾留する工程とを備え、一部還元された粉状鉄源を内包したフェロコークスを製造することを特徴とする。
本発明では、石炭を加熱処理した場合に粘結性が発現することを利用し、石炭を加熱した熱間の状態で成型することにより、バインダ添加量を低減又はバインダを使用しないで成型物を製造する。また熱間成型物を高温の状態にてシャフト炉に装入することで、シャフト炉での加熱過程において成型物に発生する熱応力が低減し、このため粉化を抑制することができ、製品歩留りを向上させることができる。
また鉄鉱石はCO2反応の触媒作用効果を有しているので、原料に高反応性の鉄鉱石を添加することにより、フェロコークスの反応性を高めることができ、したがって高炉内でのフェロコークスの粉化を抑制することができる。またフェロコークスは高反応性のため焼結鉱の還元を促進すると共に、一部還元された鉄鉱石が含まれているので、高炉内での熱保存帯の温度を下げることができ、したがってコークス比を低減することができる。
前記石炭及び前記鉄鉱石以外にバイオマスを原料として用いてもよい。
鉄鉱石の他に粘結性を示さない木材などのバイオマスを配合することで、乾留過程で成型物がシャフト炉内で融着するのを抑制することができる。
前記石炭及び前記鉄鉱石以外に廃プラスチックを原料として用いてもよい。
廃プラスチックの熱可塑性を利用し、廃プラスチックを加熱した熱間の状態で成型することにより、バインダ添加量を低減又はバインダを使用しないで成型物を製造することができる。
前記塊成型物に成型する工程では、前記石炭の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度と同等、又は前記石炭の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度とし、混合した後、前記塊成型物に成型してもよい。また前記塊成型物に成型する工程では、(1)前記石炭の予熱温度及び(2)前記バイオマス及び前記廃プラスチックの少なくとも一方の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度と同等、又は(1)前記石炭の予熱温度及び(2)前記バイオマス及び前記廃プラスチックの少なくとも一方の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度にて加熱し、混合した後、前記塊成型物に成型してもよい。
石炭は急速加熱すると粘結性が高くなる性質がある。石炭の予熱温度を鉄鉱石の予熱温度と同等、又は石炭の予熱温度を鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度にて加熱し、混合することで、石炭を急速加熱することができるので、石炭の粘結性を向上させることができ、したがって塊成型物の強度を向上させることができる。また石炭、バイオマス、廃プラスチックに比較して、鉄鉱石の方が予熱時の熱効率が高い(比重が大きいこと等に起因する)ので、鉄鉱石の予熱温度を石炭、バイオマス、廃プラスチックよりも高くすることで省エネルギを図ることもできる。
前記塊成型物に成型する工程では、予熱処理された原料にバインダを添加し、混合後に熱間の状態で前記塊成型物に成型してもよい。
バインダ添加により成型物の歩留りや圧潰強度が高くなり、またフェロコークスのドラム強度や圧潰強度が向上する。
また上記課題を解決するために本発明は、原料としての石炭、バイオマス及び鉄鉱石を塊成型物に成型する工程と、前記塊成型物をシャフト炉型熱処理炉で熱風を用いた直接加熱法にて乾留する工程とを備え、一部還元された粉状鉄源を内包したフェロコークスを製造することを特徴とする。
シャフト炉の中で加熱したときに成型物同士が互いに融着すると、熱風が流れなくなったり、成型物がシャフト炉内で荷下がりしなくなったりするが、鉄鉱石の他に粘結性を示さない木材などのバイオマスを配合することで、乾留過程において成型物がシャフト炉内で融着するのを抑制することができる。
本発明により製造した前記フェロコークスを、高炉に投入することが望ましい。
また、原料としての石炭及び鉄鉱石を塊成型物に成型する工程と、前記塊成型物をシャフト炉型熱処理炉で熱風を用いた直接加熱法にて乾留する工程と、前記シャフト炉から発生する乾留ガスを回収する工程と、を備えても良い。
このようにすると、乾留過程における鉄鉱石の触媒効果を利用して石炭から水素を含むガスを多量に回収することができる。
フェロコークス製造における副生ガス利用方法において、前記成型する工程では、前記石炭及び前記鉄鉱石以外にバイオマス及び廃プラスチックの少なくとも一方を原料として用いてもよい。
乾留過程における鉄鉱石の触媒効果を利用して、バイオマス及び廃プラスチックの少なくとも一方から水素を含むガスを多量に回収することができる。
前記鉄鉱石は気孔率が高い多孔質の鉄鉱石を含むことが望ましい。
鉄鉱石の中でも多孔質(すなわち高結晶水)の鉄鉱石を使用すると、分解触媒効果を向上させることができ、水素の収率を上げることができる。
より水素リッチなガスを得るためには、回収した前記乾留ガスを水蒸気改質又は部分酸化により改質し、CO2を除去することが望ましい。
本発明によれば、シャフト炉を用いて石炭及び鉄鉱石を原料として高歩留りで高強度、高反応性のフェロコークスの製造が可能になり、高い水素濃度の副生ガスの製造が可能になる。また高炉操業において、コークス比を大幅に低減することもできることから、本発明は工業的な意義も大きい。
以下本発明の一実施形態におけるフェロコークス製造方法について説明する。図1はフェロコークス製造方法が実施されるシステムの全体構成図を示す。原料としては鉄鉱石、石炭、バイオマスを使用する。石炭には、冶金用ではなく、一般炭である非微粘結炭を使用する。バイオマスの代わりに又はバイオマスと併用して廃プラスチックを使用してもよい。ここでバイオマスとは、すべての生物、すなわちエネルギ資源として再生可能な全有機体をいい、例えば木材、パルプ廃液、紙、油が挙げられる。また廃プラスチックとは、あらゆる産業分野、日常生活分野で利用されているプラスチックが使用後に廃棄物として排出されたものをいう。廃プラスチックは、主に家庭から排出される一般廃棄物、及び事業所から排出される産業廃棄物の双方に含まれて排出される。また廃プラスチック以外にも、汚泥、タイヤ等の有機系廃棄物を原料として使用してもよい。
原料の鉄鉱石、石炭及びバイオマスは粉砕機15にて所定の粒度以下に粉砕された後、予熱器1にて加熱される。予熱器1には流動層炉やキルンが用いられる。原料を予熱する方法としては、原料の鉄鉱石、石炭及びバイオマス全てを同じ温度に予熱するパターンと、それぞれに温度差をつけるパターンが考えられる。この実施形態では2種類の予熱器を用意して、石炭、バイオマス、廃プラスチックの温度を200℃から300℃程度に予熱し、また鉄鉱石を400℃から500℃に予熱し、その後、混練機2にて混合することにより平均350℃程度の混合物を製造する。石炭、バイオマス、廃プラスチックを200℃以上に加熱処理すると熱分解ガスが発生するので、ハンドリングが難しくなってしまう。このため、石炭、バイオマス、廃プラスチックの予熱温度は低く抑えることが望ましい。一方鉄鉱石は加熱処理してもガス発生がないので、予熱温度を高くすることが可能である。
石炭は急速加熱すると粘結性が高くなる性質がある。石炭の予熱温度を鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度にて加熱し、混合することで、石炭を急速加熱することができるので、石炭の粘結性を向上させることができる。
次に熱間成型機3で原料の鉄鉱石、石炭及びバイオマスを塊成型物に熱間成型する。石炭は予熱により350℃程度になると軟化溶融する。この石炭の軟化溶融性を利用すると、バインダ添加量を低減又はバインダを使用しなくても原料を塊成型物に成型することができる。また廃プラスチックの熱可塑性を利用し、廃プラスチックを加熱した熱間の状態で成型しても、バインダ添加量を低減又はバインダを使用しないで成型物を製造することができる。なお350℃よりも高い温度で原料を成型しようとすると、石炭から発生するガスにより成型できないおそれがある。
次に塊成型物をシャフト炉17で熱風を用いた直接加熱法にて乾留する。図中4は成型物装入装置、5はシャフト炉上部乾留室、6はシャフト炉中部乾留室、7はシャフト炉下部冷却室、8はフェロコークス排出口、9は低温加熱ガス吹込み羽口、10は高温加熱ガス吹込み羽口、11は冷却ガス吹込み羽口、12は昇温ガス吹き出しダクト、13は炉頂部ガス吹き出しダクト、14は熱風炉をそれぞれ示す。シャフト炉17の上部には低温ガスが吹込まれ、中部には高温ガスが吹き込まれ、また熱効率を高めるために中部から上部にガスが循環される。シャフト炉の下部には冷却ガスが吹き込まれ、室温ベースの成型フェロコークスが取り出される。
シャフト炉内で塊成型物は例えば900℃程度の温度になるので、石炭と接触している鉄鉱石が還元される。鉄鉱石の還元率としては例えば80%以上も可能である。成型されたフェロコークスは高炉で粉化しないように圧潰強度が例えば200kgf以上あるのが望ましい。
本実施形態によれば、熱間成型物を高温の状態にてシャフト炉に装入するので、シャフト炉での加熱過程において成型物に発生する熱応力が低減され、このため粉化を抑制することができ、製品歩留りを向上させることができる。また鉄鉱石の他に粘結性を示さない木材などのバイオマスを配合することで、乾留過程において成型物がシャフト炉内で融着するのを抑制することができる。
シャフト炉から発生する乾留ガスは、一部熱風炉14を介して循環されるが、残部は水素系クリーンガスとして回収される。乾留過程における鉄鉱石の触媒効果により、石炭、バイオマス及び廃プラスチックから水素を含むガスが多量に発生する。鉄鉱石の中でも多孔質(すなわち高結晶水)の鉄鉱石を使用すると、分解触媒効果を向上させることができ、水素の収率を上げることができる。また回収した乾留ガスを水蒸気改質又は部分酸化により改質し、CO2を除去して、ガスの水素濃度を向上させることが望ましい。これにより水素濃度が70%以上の水素リッチなガスを得ることができる。なお近年水素ガスは、燃料電池用の需要も見込まれている。
一部還元された粉状鉄源を内包したフェロコークスは高炉16に投入される。鉄鉱石はCO2反応の触媒作用効果を有しているので、原料に高反応性の鉄鉱石を添加することにより、フェロコークスの反応性を高めることができ、したがって高炉内でのフェロコークスの粉化を抑制することができる。またフェロコークスは高反応性のため焼結鉱の還元を促進すると共に、一部還元された鉄鉱石が含まれているので、高炉内での熱保存帯の温度を下げることができ、したがってコークス比を低減することができる。さらに粉化を抑制することができると、それだけ通気性を改善することができるので、コークス比も下げることができる。
高炉16で低燃料比を図ろうとすると、二通りの方法がある。一つは高炉での還元平衡温度を制御し、熱保存帯の温度を下げる方法であり、コークスとしては高反応性コークスに指向する。もう一つは、事前に鉄鉱石を部分還元して高炉に投入するという方法である。フェロコークスの製造及び使用方法は、二つの考え方を組み合わせている。すなわちコークスの中に鉄鉱石を入れ、鉄鉱石を還元すると同時に鉄鉱石の触媒効果で反応性を高めている。
図2は、フェロコークスの製造方法の構成図を示す。粉鉄鉱石の一部を石炭に混ぜてコークス炉の中で乾留してフェロコークスを製造し、該フェロコークスを高炉に投入している。高炉ではフェロコークスのみが投入されるのではなくて、焼結鉱、コークス、フェロコークスの3種類の原料が投入される。
図3は、比較として従来のコークス製造方法及び部分還元法を示す構成図である。従来のコークス製造方法では、石炭及び粉鉄鉱石を別々に処理する。すなわち、石炭をコークス炉で乾留してコークスを製造し、該コークスを高炉に投入する一方、粉鉄鉱石を焼結プロセスにより塊成化し、高炉に投入する。従来の部分還元法では、一部鉄鉱石を焼結プロセスで還元し、還元したものを高炉に投入する。石炭の処理は従来のコークス製造方法と同一である。
図4はシミュレーションモデルから算出した高炉操業燃料比の比較を示す。フェロコークスを利用すると、例えば燃料比を81kg/pig-t低減することができる。事前に鉄鉱石が還元されていることと、フェロコークスが高反応性のため高炉の中でのガス利用率を高められることが、燃料比を低減できる理由だと思われる。
非微粘結炭のマッコリー炭とバイオマスの木材と高結晶水鉱石のナマルディー鉱石を配合して、フェロコークスの製造試験と高炉での使用試験を行なった。
石炭とバイオマスを混合後、流動層予熱機にて350℃まで予熱し、また同様な方法で350℃まで予熱された鉄鉱石を均一に混合した。そして成型圧力1000kg/cm2でマセック型(I:43,H:43,t:18mm)の成型物を製造した。シャフト炉内での加熱条件は、雰囲気温度650℃までは10℃/minの緩速加熱とし、雰囲気温度600℃から900℃までは3℃/minの低速加熱にて乾留し、フェロコークスを製造した。製造したフェロコークスの性状について、コークス強度、圧潰強度及び鉄鉱石の還元率を測定し、評価した。また3000m3級の高炉にて通常コークスの代替にて60%まで使用した操業試験を行なった。
表1に使用した原料の粒度分布を示す。また表2に石炭、バイオマスと鉄鉱石の配合条件と、それにより製造されたフェロコークスの性状測定結果を示す。
Figure 0004487564
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図5は、バイオマスの配合割合とフェロコークスの性状の関係を示す。バイオマスは低嵩密度であるので、石炭へのバイオマス添加比率を上昇させると、コークスドラム強度、圧潰強度が低下する傾向にある。このためバイオマスの配合割合は20%以下、好ましくは10%以下が望ましい。
図6は、鉄鉱石配合割合とフェロコークスの性状の関係を示す。鉄鉱石の配合比率が40%程度までは強度の低下は少ないが、50%以上では急激に強度が低下する。接着剤のような役割をなす石炭の配合割合が減少することが原因だと思われる。鉄鉱石の配合比率は、40%以下好ましくは30%以下が望ましい。
鉄鉱石の配合割合が少ないほど石炭と接触するようになるので、還元率は高くなる。また鉄鉱石を配合しない場合に比べ、鉄鉱石を配合するとコークスドラム強度、圧潰強度が高くなる。還元率が80%程度と高くなっていることが原因だと思われる。
表3は副生ガス組成を示す。表3中のFCPは、比較例として連続式成型コークスを製造した場合のガス組成を示す。フェロコークスを製造する際に水素濃度が高いガスが生成するのがわかる。なおこのガス組成は、改質する前の値を示している。
Figure 0004487564
表4は、表2のケース2の最適条件にて製造したフェロコークスを高炉で使用した時の燃料比を示す。フェロコークスの使用によりコークス比は低下するが、通常コークスとの代替比率60%以上では、燃料費の低下効果は小さくなり、50%以下で操業することが望ましいと考えられる。
Figure 0004487564
多孔質(高結晶水)の鉄鉱石、廃プラスチック、石炭及びバインダを配合したフェロコークスを製造し、該フェロコークスの強度を調べた。表5は各原料の配合条件とフェロコークスの強度の測定結果を示す。図7は、表5に基づいて鉄鉱石比率とフェロコークスの強度との関係を示し、図8は、表5に基づいて廃プラスチックの比率とフェロコークスの強度との関係を示す。これらの図から成型物の強度の低下を少なくするには、廃プラスチックを20%以下、鉄鉱石を50%以下の比率にて混合し、成型すればよいことがわかる。
Figure 0004487564
表6は、各原料の配合条件から発生する水素を算出した結果を示す。多孔質の鉄鉱石(表中ROB-Fと示す)を用いると、通常の鉄鉱石(表中NEW-Fと示す)を用いた場合に比べ、発生水素量を大幅に向上させることができるのがわかる。また廃プラスチックを混合すると、より一層発生水素量を向上させることができるのがわかる。
Figure 0004487564
図1に示されるようなフェロコークス製造プロセスを前提にして、非微粘結炭のマッコウリー炭とバイオマスの木材と高結晶水鉱石のナマルディー鉱石を配合したフェロコークスの製造試験を行った。石炭とバイオマスを混合後、流動層予熱機にて所定温度まで予熱し、また同様な方法で予熱された鉄鉱石にバインダを添加し、均一に混合後、成型圧力1000kg/cm2でマセック型(I:43,H:43,t:18mm)の成型物を製造した。シャフト炉内での加熱条件は、雰囲気温度650℃までは10℃/minの緩速加熱とし、雰囲気温度600℃から900℃までは3℃/minの低速加熱にて乾留し、フェロコークスを製造した。製造したフェロコークスの性状について、コークス強度、圧潰強度及び鉄鉱石の還元率を測定し、評価した。
表7及び表8に使用した原料の粒度分布及び性状を示す。
Figure 0004487564
Figure 0004487564
図9及び図10は、バインダの添加率を変化させた場合の成型物性状及びフェロコークス性状への影響を示すグラフである。バインダ添加により成型物の歩留りや圧潰強度が高くなり、フェロコークスのドラム強度や圧潰強度が向上することから、添加率は少なくとも1%以上、10%以下が好ましい。
図11及び図12は、石炭性状を変更した場合の成型物性状及びフェロコークス性状への影響を示すグラフである。非微粘結炭の中でも予熱処理しても粘結性を発現しないような、例えば非粘結炭のホンゲイ炭を使用すると成型歩留り、圧潰強度が低下し、フェロコークスの強度も低下する。しかし、バインダを添加することにより、非粘結炭を使用しても成型物及びフェロコークスの品質が向上し、非微粘結炭などの予熱処理しても粘結性を示さない石炭が使用可能になる。
図13及び図14は、鉄鉱石、バイオマス配合比率を変化させた場合の成型物性状及びフェロコークス性状への影響を示すグラフである。鉄鉱石又はバイオマスの配合比率を変化させても、バインダを添加することで、基本配合と同程度の成型物歩留り、圧潰強度を確保することができた。
図15及び図16は、成型温度を変更した場合の成型物性状及びフェロコークス性状への影響を示すグラフである。成型温度を低下させると、予熱処理による石炭の粘結性の発現が抑制され、成型物の歩留りや圧潰強度が低下し、フェロコークスの強度も低下した。しかし、バインダを添加することにより、高温成型条件とほぼ同程度のフェロコークスの強度が維持され、フェロコークスの製造条件の範囲を広げることが可能になる。
フェロコークス製造方法が実施されるシステムの全体構成図。 フェロコークスの製造方法の構成図。 比較として従来のコークス製造方法及び部分還元法を示す構成図。 シミュレーションモデルから算出した高炉操業燃料比の比較を示す。 バイオマスの配合割合とフェロコークスの性状の関係を示すグラフ。 鉄鉱石配合割合とフェロコークスの性状の関係を示すグラフ。 鉄鉱石比率とフェロコークスの強度との関係を示すグラフ。 廃プラスチックの比率とフェロコークスの強度との関係を示すグラフ。 バインダの添加率を変化させた場合の成型物性状への影響を示すグラフ。 バインダの添加率を変化させた場合のフェロコークス性状への影響を示すグラフ。 非粘結炭配合時の成型物性状への影響を示すグラフ。 非粘結炭配合時のフェロコークス性状への影響を示すグラフ。 鉄鉱石、バイオマス配合比率を変化させた場合の成型物性状への影響を示すグラフ。 鉄鉱石、バイオマス配合比率を変化させた場合のフェロコークス性状への影響を示すグラフ。 成型温度を変更した場合の成型物性状への影響を示すグラフ。 成型温度を変更した場合のフェロコークス性状への影響を示すグラフ。
符号の説明
1…予熱器
2…混練機
3…熱間成型機
16…高炉
17…竪型シャフト炉(シャフト炉型熱処理炉)

Claims (5)

  1. 原料としての石炭及び鉄鉱石を加熱した熱間の状態で塊成型物に成型する工程と、前記塊成型物をシャフト炉型熱処理炉で熱風を用いた直接加熱法にて乾留する工程とを備え、前記鉄鉱石の一部が還元された粉状鉄源を内包したフェロコークスを製造するに際し、前記塊成型物に成型する工程では、前記鉄鉱石の配合比率を、10wt%以上、50wt%以下とし、前記石炭の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度とし、これらを混合することで、前記石炭を350℃以下の粘結性が発現する温度として、バインダとしても機能させることを特徴とするフェロコークスの製造方法。
  2. 前記石炭及び前記鉄鉱石以外に、塊成型物のシャフト炉内での融着抑制のため、バイオマスを20wt%以下の比率で原料として用いることを特徴とする、請求項1に記載のフェロコークスの製造方法。
  3. 前記石炭及び前記鉄鉱石以外に、廃プラスチックを20wt%以下の比率で、原料として用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のフェロコークスの製造方法。
  4. 前記塊成型物に成型する工程では、(1)前記石炭の予熱温度及び(2)前記バイオマス及び前記廃プラスチックの少なくとも一方の予熱温度を前記鉄鉱石の予熱温度よりも低い温度とし、混合した後、前記塊成型物に成型することを特徴とする、請求項2または3に記載のフェロコークスの製造方法。
  5. 前記塊成型物に成型する工程では、予熱処理された原料に1〜10wt%のバインダを添加し、混合後に熱間の状態で前記塊成型物に成型することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1つに記載のフェロコークスの製造方法。
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