JP4486600B2 - パス設定システムおよびパス設定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パス設定システムおよびパス設定方法に関する。
ネットワークシステムは、ノードおよびリンクにより構成される。ノードは、交換機能を有する通信装置である。リンクは、ノード間を接続して情報転送の媒体となる通信回線である。
ドメインは、ノードを集合としてまとめた論理的なネットワーク単位である。ネットワークシステムは、1つのドメインから構成されていてもよいし、複数のドメインから構成されていてもよい。リンクは、ドメイン内リンク、または、ドメイン間リンクに分類される。ドメイン内リンクは、リンクが接続する2つのノードが同じドメインに属するときのリンクである。ドメイン間リンクは、リンクが接続する2つのノードが異なるドメインに属するときのリンクである。
経路計算装置は、1つのドメインに属し、属するドメイン(自ドメイン)内の経路計算を行う。経路計算装置は、経路計算を行うために、ドメイン内部のネットワーク情報、ドメイン間リンク情報、および、各ノードおよびリンクヘの到達情報を把握する。
パスは、複数のリンクを経由して2つのノード間に設定される通信路である。パスは、始点から終点までの区間で設定される。始点ノードはパスの始点となる装置であり、終点ノードはパスの終点となる装置である。始点ドメインは始点ノードが属するドメインであり、終点ドメインは終点ノードが属するドメインであり、中継ドメインは始点ドメインから終点ドメインまでの中継地点に位置するドメインである。始点経路計算装置は始点ドメインに属し、中継経路計算装置は中継ドメインに属し、終点経路計算装置は終点ドメインに属する。そして、複数ドメインをまたがるパスは、始点ドメインと終点ドメインとが異なるドメインとなるパスである。
複数のドメインをまたがるパス設定を行う場合、ドメインごとに経路計算装置を設け、ノードと経路計算装置、および、経路計算装置間が通信を行うことで、パス計算を行い、パスを設定する方法がある(非特許文献1、2)。また、この時の、ノードと経路計算装置、および、経路計算装置間の通信プロトコルがある(非特許文献3)。
なお、自ドメインに関する詳細な情報を他ドメイン(自ドメインとは異なるドメイン)に知らせることは、不正アクセスの手がかりを与える恐れがあるため、セキュリティの観点から推奨されていない。一方、複数のドメインをまたがるパス設定では、自ドメインと他ドメインとの協調動作を行う必要があり、他ドメインに関する情報が必要となる。そこで、非特許文献1〜3に記載の手法では、自ドメインに関する情報の一部を他ドメインに通知しないことにより、自ドメインに関する詳細な情報を他ドメインに対して隠蔽する。
情報の隠蔽は、具体的には、自ドメインと他ドメインとのドメイン間リンクは他ドメインに通知するが、自ドメインのドメイン内リンクは他ドメインに通知しない。これにより、自ドメインは、始点から終点までの経由するドメインのリストを把握するが、経由するドメインが他ドメインのときには、その内部の経路情報(他ドメインのドメイン内リンク)を把握しない。
また、パス設定時に、経由すべきリンク情報を指定するが、この時、自ドメインに属するノードは、自ドメインのドメイン内リンク、および、自ドメインまたは他ドメインのドメイン間リンクは、隠蔽されていないので、経路として指定できる。しかし、他ドメインのドメイン内リンクは、隠蔽されているので、指定できない。
IETF、"Path Computation Element(PCE)Architecture"、[online]、[平成17年12月1日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-pce-architecture-03.txt>、4.2章、5.4章、5.6章 Vasseur著、"Path Computation Element(PCE) models Architecture and Applications"、MPLS2005、2005年10月 IETF、"Path Computation Element(PCE) communication Protocol(PCEP)-Version 1-"、[online]、[平成17年12月1日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-pce-pcep-00.txt>
前記した従来の情報の隠蔽では、経路計算装置の計算した経路が隠蔽する情報として削除されているため、パス設定において活用されていなかった。そのため、パス設定を行うノード(ドメイン間リンクの端点となるノード)は、経路計算装置ではなく、自らパスの経路を計算することとなる。その結果、パス設定を行うノードが、経路計算装置で事前に計算した経路とは異なる経路を計算する可能性がある。
通常、経路計算装置は、自ドメインの詳細な情報を元に経路を計算する装置なので、自ドメインの一部であるパス設定を行うノードが計算する経路よりも、効率的な経路(帯域が広い経路、ホップ数が少ない経路など)を計算できる。しかし、パス設定に使用される経路は、ノードが計算する経路となってしまうため、非効率な経路が選択されてしまう場合がある。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、複数のドメインをまたがるパス設定において、パスの経路として効率的な経路を活用することを主な目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、パスの始点となる始点ノードが属する始点ドメイン、および、パスの終点となる終点ノードが属する終点ドメインが異なるドメインとなるネットワークシステムにおいて、各ドメインの経路計算装置が計算する経路計算結果に基づいてパスを設定するパス設定システムであって、各ドメインの前記経路計算装置が、自ドメインのネットワーク構成を参照して、前記自ドメインのパスの前記経路計算結果を計算する経路計算手段と、前記経路計算結果を前記自ドメインのノードに利用させるとともに、他ドメインのノードに対して隠蔽する経路隠蔽手段とを有し、各ドメインの前記ノードが、前記経路隠蔽手段により前記他ドメインの前記ノードに隠蔽された前記経路計算結果をもとに、パスを設定するパス設定手段を有することを特徴とする。
これにより、経路計算装置が計算した経路計算結果が使用されるので、複数のドメインをまたがるパス設定において、パスの経路として効率的な経路を活用することができる。また、ノードは、自ら経路計算をする必要がなくなるため、パスの設定時間を短縮化できる。
本発明は、経路隠蔽手段が、前記経路計算結果を暗号化する暗号化手段を有し、前記パス設定手段が、前記暗号化手段により暗号化された前記自ドメインの前記経路計算結果を復号化する復号化手段を有することを特徴とする。
これにより、隠蔽された情報は記憶手段に記憶し続けることがなくなる。
本発明は、前記経路隠蔽手段が、前記経路計算結果を記憶手段に格納するパス格納手段を有し、前記パス設定手段が、前記パス格納手段により格納された前記経路計算結果を前記経路計算装置に問い合わせることにより取得する経路問い合わせ手段を有することを特徴とする。
これにより、パス設定のメッセージに隠蔽する情報を含めなくてすむので、実装が容易になる。
本発明は、前記経路隠蔽手段が、前記経路計算結果をもとに、パスの一部となる事前設定パスを前記自ドメイン内で前記ノードに設定させるパス設定指示手段を有し、前記パス設定手段が、前記パス設定指示手段からの指示により事前設定パスを設定するパス設定指示処理手段を有し、前記事前設定パスをもとにパスを設定することを特徴とする。
これにより、事前設定パスがあらかじめ設定されることで、パスの設定時間を短縮化することができる。また、事前のパス計算時に計算した経路上のリソースが、パス設定時になくなってしまい、パス設定が成立しないというようなことを防ぐことができる。
本発明は、前記パス設定指示処理手段が、設定した事前設定パスについてタイマを設定し、一定時間経過後に利用しない事前設定パスを削除することを特徴とする。
これにより、管理者の明示的な指示がなくても不要な事前設定パスが削除されるので、高効率のパス管理を実現することができる。
本発明は、前記始点ノードから前記終点ノードまで設定されるパスが、互いに中継する前記ノードを共有しない冗長パスとして複数本設定されることを特徴とする。
これにより、冗長パスを構成する片方のパスが通信不能となったときに、もう片方のパスに切り替えることができるので、高信頼のネットワークを構築できる。
本発明は、同一のドメインに属する前記経路計算装置および前記ノードを、1台の筐体として構成することを特徴とする。
これにより、ネットワークシステムの構成台数を少なくできるので、導入コストを抑えることができる。
本発明は、パスの始点となる始点ノードが属する始点ドメイン、および、パスの終点となる終点ノードが属する終点ドメインが異なるドメインとなるネットワークシステムにおいて、各ドメインの経路計算装置が計算する経路計算結果に基づいてパスを設定するパス設定方法であって、各ドメインの前記経路計算装置が、自ドメインのネットワーク構成を参照して、前記自ドメインのパスの前記経路計算結果を計算して記憶手段に格納する手順と、前記経路計算結果を前記自ドメインのノードに利用させるとともに、他ドメインのノードに対して隠蔽する手順とを実行し、各ドメインの前記ノードが、前記経路計算装置により前記他ドメインの前記ノードに隠蔽された前記経路計算結果をもとに、パスを設定する手順を実行することを特徴とする。
これにより、経路計算装置が計算した経路計算結果が使用されるので、複数のドメインをまたがるパス設定において、パスの経路として効率的な経路を活用することができる。また、ノードは、自ら経路計算をする必要がなくなるため、パスの設定時間を短縮化できる。
本発明により、経路計算装置が計算した経路計算結果が使用されるので、複数のドメインをまたがるパス設定において、パスの経路として効率的な経路を活用することができる。また、ノードは、自ら経路計算をする必要がなくなるため、パスの設定時間を短縮化できる。
図1は、本発明の各実施形態に共通するパス設定システムを示す構成図である。
パス設定システムは、3つのドメイン1(ドメイン1a,ドメイン1b,ドメイン1c)から構成される。ドメイン1は、ノード3の集合により構成される。例えば、ドメイン1aは、2つのノード3(ノード3a,ノード3b)を含む。ドメイン1は、リンク4を有する。例えば、ドメイン1aは、ドメイン内リンク4(リンク4a)およびドメイン間リンク4(リンク4b,リンク4c)を有する。
ドメイン1は、経路計算装置2を有する。例えば、ドメイン1aの経路計算装置2aは、ドメイン1aの内部の経路を計算する。経路計算装置2aは、リンク情報(リンク4a,リンク4b,リンク4c)を把握しており、また、リンク4d〜リンク4k、さらに、ノード3c〜ノード3iに到達するには、中継ドメイン1bを経由すべきであることを把握している。
なお、本実施形態の装置(ノード3および経路計算装置2)は、それぞれ演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで、実現される。本実施形態は、装置に加え、装置に演算処理を実行させるためのプログラム、および、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。
パス5aは、パス設定システムにおいて、複数のドメイン1をまたがるパス5である。パス5aは、始点ノード3aから終点ノード3iまで、経路<リンク4a→リンク4c→リンク4f→リンク4j→リンク4k>により設定されている。
各ノード3は、パス5の経路として、該ノード3が属するドメイン内に属するリンク4、および、異なるドメイン1を含めドメイン間のリンク4は把握できる。各ノード3は、自ノード3が属するドメイン以外に属するリンク4については、把握できない。パスDB18の経路も同様に把握できるリンク4のみ格納される。また、パス設定要求情報に含む経路情報としても同様に把握できるリンク4のみである。
例えば、図1では、始点ノード3aは、パス5の経路として、<リンク4a→リンク4c→リンク4j>は把握できるが、その他のリンク4は把握できない。つまり、始点ノード3aが属する始点ドメイン1aに着目すると、始点ドメイン1aのドメイン内リンク4(リンク4a)、および、ドメイン間リンク4(リンク4c,リンク4j)は、把握できる。
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。第1実施形態は、自ドメイン1のノード3が、自ドメイン1の経路計算装置2の経路計算結果を取得する方法として、暗号化された経路計算結果を復号化することを特徴とする。
図2は、ノード3を示す構成図である。ノード3は、パス設定手段12、経路計算要求手段14、復号化手段16、および、パスDB18を含めて構成される。
パス設定手段12は、パス設定要求情報、パス設定応答情報を隣接ノード3と交換することで、パス5を設定するものである。設定されたパス5の情報は、パスDB18に格納される。パス設定手段12としては、例えば、RFC3473(Generalized Multi-Protocol Label Switching(GMPLS)Signaling Resource ReserVation Protocol-Traffic Engineering(RSVP-TE)Extensions)で規定されるものが相当する。なお、パス設定手段12が、パス設定要求情報を送信すべきノード3はパスDB18の経路情報に格納されるが、該ノード3がどのリンク4を介して接続されているかを示すためのDBが別にあっても構わない。
経路計算要求手段14は、始点ノードID、終点ノードID、および、帯域を含む経路計算要求情報を生成し、経路計算装置2に対して送信するとともに、経路計算装置2から、経路計算応答情報を受信する。問い合わせ先となる経路計算装置2は、例えば、事前設定しておく。
復号化手段16は、パス設定要求情報に含まれる経路が暗号化されている場合、復号化を行う。
パスDB18とは、パス5の情報を格納するものである。始点ノードIDとは、パス5の始点となっている装置を一意に示す識別子である。終点ノードIDとは、パス5の終点となっている装置を一意に示す識別子である。パス識別子とは、例えば、始点ノード3aおよび終点ノード3iのペアについて、パス5を一意に示す識別子である。経路とは、パス5が経由するリンク4のリストを示す情報である。帯域とは、パス5の帯域を示す情報である。
図3は、経路計算装置2を示す構成図である。経路計算装置2は、経路計算要求処理手段32、経路計算手段34、経路計算要求手段36、暗号化手段38、経路隠蔽手段40、リンクDB42、および、到達性DB44を含めて構成される。
経路計算要求処理手段32は、ノード3または他の経路計算手段34から経路計算要求情報を受信するとともに、ノード3または他の経路計算手段34に対して、経路計算結果を返す経路計算応答情報を送信する。また、到達性DB44を検索することで、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDを示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあるかどうか、また、始点ノードIDを示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあるかどうか判断する。経路計算装置2が属するドメイン内にない場合は、該ノード3が属するドメイン情報を取得する。
経路計算要求手段36は、到達性DB44とパス設定要求情報をもとに、他の経路計算装置2に、経路計算要求情報を送信するとともに、他の経路計算装置2から、経路計算結果を返す経路計算応答情報を受信する。経路計算応答情報は、経路のコストを含む隠蔽情報から構成される。
例えば、図1では、始点経路計算装置2aが、終点ノード3iという経路計算要求情報を受信すると、到達性DB44により、中継ドメイン1bを経由すべきことを判断し、中継ドメイン1bの中継経路計算装置2bに経路計算要求情報を送信する。情報を送信すべき他のドメイン1の経路計算装置2の情報は、例えば、事前に設定しておく。
経路計算手段34は、経路計算要求情報および経路計算応答情報と、リンクDB42をもとに、パス5の経路を計算する。パス計算方法としては、既知の制約付Dijkstra法などにより、経路計算を行う。経路計算手段34は、以下4つのケースそれぞれで、経路計算を行う。
ケース1は、経路計算要求処理手段32により、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあると判断され、かつ、経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあると判断された場合である。このケース1では、経路計算手段34は、パスDB18を用い、始点ノード3aから、終点ノード3iに、経路計算を行う。
ケース2(終点経路計算装置2c)は、経路計算要求処理手段32により、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあると判断され、かつ、経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にないと判断された場合である。このケース2では、経路計算手段34は、リンクDB42を利用して、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2が属するドメイン1と接続されるノード3と、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3の間の経路計算を行う。例えば、図1では、終点経路計算装置2cは、ノード3hから終点ノード3iの経路計算を行う。
ケース3(中継経路計算装置2b)は、経路計算要求処理手段32により、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にないと判断され、かつ、経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にないと判断された場合である。このケース3では、経路計算手段34は、経路計算応答情報に含まれる終点ノード3iへのコストと、リンクDB42を利用して、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2が属するドメイン1と接続されるノード3と、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3の間の経路計算を行う。例えば、図1では、中継経路計算装置2bは、ノード3dおよびノード3cから、終点ノード3iの経路計算を行う。
ケース4(始点経路計算装置2a)は、経路計算要求処理手段32により、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にないと判断され、かつ、経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3が、経路計算装置2が属するドメイン内にあると判断された場合である。このケース4では、経路計算手段34は、経路計算応答情報に含まれる終点ノード3iへのコストと、リンクDB42を利用して、経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3から終点ノード3iが示すノード3の間の経路計算を行う。例えば、図1では、経路計算装置1は、ノード3aから、終点ノード3iの経路計算を行う。
経路隠蔽手段40は、経路計算結果のうち、一部の情報のみ抽出することで、他のドメイン1に属する経路計算装置2に対して、ドメイン内部の情報を隠蔽する。具体的には、経路計算結果を、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2が属するドメイン1に属するノード3と接続するリンク4を経由して、終点ノード3iに到達する最短コストを計算する。
例えば、図1の例では、終点経路計算装置2cは、リンク4jを経由して、終点ノード3iに到達するコスト(リンクコストを1とすれば、2)、および、リンク4iを経由して、終点ノード3iに到達するコスト(リンクコストを1とすれば、2)、を計算する。この計算結果が、経路計算要求処理手段32により、中継経路計算装置2bに送信される。
暗号化手段38は、経路計算結果のうち、ドメイン内部の経路情報を暗号化することにより、他のドメイン1に属する経路計算装置2に対して、ドメイン内部の情報を隠蔽する。具体的には、ドメイン内部の経路の暗号化情報を計算する。例えば、図1の例では、終点経路計算装置2cは、経路(リンク4k)の暗号化情報を計算する。この計算結果が、経路計算要求処理手段32により、中継経路計算装置2bに送信される。
リンクDB42は、リンク4の情報を格納するものである。A端ノードIDとは、リンク4の一方の端となっている装置を一意に示す識別子である。Z端ノードIDとは、リンク4のもう一方の端となっている装置を一意に示す識別子である。A端IF−IDとは、A端装置で、該リンク4を一意に示す識別子である。Z端IF−IDとは、Z端装置で、該リンク4を一意に示す識別子である。帯域とは、該リンク4の最大利用可能帯域を示す情報である。残余帯域とは、該リンク4の残余帯域を示す情報である。ドメインIDとは、該リンク4が、該経路計算装置2が属するドメイン1に属するノード3と、異なるドメイン1に属するノード3を接続する場合に設定され、異なるドメイン1を一意に識別する情報が格納される。
例えば、図1の例では、始点経路計算装置2aは、リンクDB42に、リンクcのリンク情報として、ドメイン3i「中継ドメイン1b」を格納する。リンクDB42の情報は、例えば、RFC3630に規定されるOSPF-TE(Traffic Engineering extension to Open Shortest Path First)により取得することも考えられる。
到達性DB44は、到達できる装置およびリンク4の情報を格納する。すなわち各ノード3およびリンクヘ到達するにはどのドメイン1を経由すべきかを示す。IDとは、ノード3またはリンク4を一意に識別する識別子である。ドメインIDとは、経由すべきドメイン1の識別子である。到達性DB44に格納されるドメインIDとしては該経路計算装置2が属するドメイン1に隣接するドメイン1が指定される。
到達性DB44の情報は、例えば、RFC1771に規定されるBGP(Border Gateway Protocol)により取得することも考えられる。この方法では到達できる装置およびリンク4が経由すべきドメイン1の決定方法としてドメイン1ごとの優先度などを利用する。
図4は、パス設定処理を示すフローチャートである。パス5の経路計算結果は、<リンク4a→リンク4c→リンク4f→リンク4j→リンク4k>となる。なお、リンク4fおよびリンク4kの情報は、暗号化されている。
以下、経路計算の動作を説明する。始点ノード3aは、経路計算要求手段14により、例えば、オペレータからの指示を契機として、自ドメイン1aの経路計算装置2aに経路計算要求情報を送信する(S1)。なお、経路計算要求情報には、始点ノード3aおよび終点ノード3iの特定情報(アドレスなど)が含まれる。
経路計算装置2aは、経路計算要求処理手段32により、受信した経路計算要求情報の終点ノード3iが、自ドメイン1aに属するか否かを、到達性DB44を検索して判断する。今回は終点ノード3iが自ドメイン1aに属さないので、経由すべきドメイン1bを取得する旨の経路計算処理となる(S2)。
経路計算装置2aは、経路計算要求手段36により、経由すべきドメイン1bの経路計算装置2bに、経路計算要求情報を送信する(S3)。
経路計算装置2bは、経路計算要求処理手段32により、受信した経路計算要求情報の終点ノード3iが、自ドメイン1bに属するか否かを、到達性DB44を検索して判断する。今回は終点ノード3iが自ドメイン1bに属さないので、経由すべきドメイン1cを取得する旨の経路計算処理となる(S4)。
経路計算装置2bは、経路計算要求手段36により、経由すべきドメイン1cの経路計算装置2cに、経路計算要求情報を送信する(S5)。
経路計算装置2bは、経路計算要求処理手段32により、受信した経路計算要求情報の終点ノード3iが、自ドメイン1cに属するか否かを、到達性DB44を検索して判断する。今回は終点ノード3iが自ドメイン1cに属する旨の経路計算処理となる(S6)。
経路計算装置2cは、経路計算手段34により、経路計算を行う(S7)。
経路計算装置2cは、経路隠蔽手段40により、経路計算結果を隠蔽する(S8)。経路計算装置2cは、経路計算要求処理手段32により、S8で求めた隠蔽された経路計算結果に関する経路計算応答情報を、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2bに対して送信する(S9)。
経路計算装置2bは、経路計算要求手段36により、経路計算応答情報を受信すると、経路計算手段34は、経路計算を行う(S10)。
経路計算装置2bは、経路隠蔽手段40により、経路計算結果を隠蔽する(S11)。経路計算装置2bは、経路計算要求処理手段32により、S11で求めた隠蔽された経路計算結果に関する経路計算応答情報を、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2aに対して送信する(S12)。
経路計算装置2aは、経路計算要求手段36により、経路計算応答情報を受信すると、経路計算手段34は、経路計算を行う(S13)。
経路計算装置2aは、経路計算要求処理手段32により、経路計算要求情報を送信した始点ノード3aに対して、経路計算応答情報を送信する(S14)。
以下、パス設定手段12によるパス設定の動作を説明する。始点ノード3aは、ノード3bに、パス設定要求情報を送信する(S15)。ノード3bは、ノード3dに、パス設定要求情報を送信する(S16)。ノード3dは、パス設定要求情報のパス5についての経路を特定する(S17)。ノード3dは、ノード3fに、パス設定要求情報を送信する(S18)。ノード3fは、ノード3hに、パス設定要求情報を送信する(S19)。
ノード3hは、パス設定要求情報のパス5についての経路を特定する(S20)。ノード3hは、終点ノード3iに、パス設定要求情報を送信する(S21)。終点ノード3iは、ノード3hに、パス設定応答情報を送信する(S22)。ノード3hは、ノード3fに、パス設定応答情報を送信する(S23)。
ノード3fは、ノード3dに、パス設定応答情報を送信する(S24)。ノード3dは、ノード3bに、パス設定応答情報を送信する(S25)。ノード3bは、始点ノード3aに、パス設定応答情報を送信する(S26)。
以下、図5を参照して、本実施形態における図4の経路隠蔽処理(S8,S11)および経路特定処理(S17,S20)を具体的に説明する。図5は、ドメイン1b(ノード3d、経路計算装置2b、ノード3f)に着目した動作(S11,S17)の説明である。なお、ドメイン1cに着目した動作(S8,S20)は、動作の内容は同じであり、動作の主体がノード3d→ノード3h、経路計算装置2b→経路計算装置2c、ノード3f→ノード3iに置き換わっている。
図5(a)は、経路隠蔽処理(S11)の詳細を示すフローチャートである。経路計算装置2bは、暗号化手段38により、経路計算結果の暗号化を行う(S101)。経路計算装置2bは、経路計算応答情報に、暗号化された経路計算結果を含める(S102)。
図5(b)は、経路特定処理(S17)の詳細を示すフローチャートである。経路計算装置2bは、パス設定要求情報からS101で暗号化された情報を抽出し(S111)、抽出した情報を復号化手段16により復号化することで経路計算結果を取得し(S112)、取得した情報をもとに、パス5の経路を特定する。図1の例では、ノード3dで、リンク4fの暗号化情報が復号化され、また、ノード3hでリンク4kの暗号化情報が復号化される。なお、暗号方式における暗号鍵と復号鍵は、同一ドメイン1に属する装置間であらかじめ対応づけて管理しておく。
以下、本発明の第2実施形態について、図6から図8を参照して説明する。第2実施形態は、自ドメイン1のノード3が、自ドメイン1の経路計算装置2の経路計算結果を取得する方法として、経路計算装置2への経路問い合わせを送信することを特徴とする。
図6は、ノード3を示す構成図である。ノード3は、パス設定手段12、経路計算要求手段14、経路問い合わせ手段20、および、パスDB18を含めて構成される。なお、第1実施形態と比較すると、復号化手段16がなく、経路問い合わせ手段20が追加される。
経路問い合わせ手段20は、パス設定要求情報に含まれる経路が示すリンク4が、該ノード3に接続されるリンク情報でない場合、または、パス設定要求情報に含まれる経路が空である場合、該ノード3が属するドメイン1の経路計算装置2に、パス設定要求情報に含まれるリンク4に到達するための経路を問い合わせるための経路問い合わせ情報を送信するとともに、該ノード3が属するドメイン1の経路計算装置2から、経路問い合わせ応答情報を受信する。
経路問い合わせ情報としては、始点ノードID、終点ノードID、パス識別子が含まれる。また、経路問い合わせ応答情報としては、経路が含まれる。図1の例では、ノード3dが、経路を示すリンク4が「リンク4j」であるパス設定要求情報を受け取ると、中継経路計算装置2bに、経路問い合わせ情報を送信する。
経路問い合わせ手段20は、経路計算要求手段14と同じ構成としてもよい。また、経路計算要求手段14が送信する経路計算要求情報が、パス識別子を含むように拡張される。
図7は、経路計算装置2を示す構成図である。経路計算装置2は、経路計算要求処理手段32、経路計算手段34、経路計算要求手段36、経路隠蔽手段40、経路問い合わせ処理手段46、パス格納手段48、リンクDB42、到達性DB44、および、パスDB18(図6参照)を含めて構成される。なお、第1実施形態と比較して、暗号化手段38がなく、経路問い合わせ処理手段46、パス格納手段48、パスDB18が追加されるとともに、経路計算要求手段36が送信する経路計算要求情報が、パス識別子を含むように拡張される。
経路問い合わせ処理手段46は、ノード3からの経路問い合わせ情報を受信し、始点ノードID、終点ノードID、パス識別子を検索キーとしてパスDB18から該当するパス5を検索し、ノード3に対して検索された経路を含む経路問い合わせ応答情報を送信する。
パス格納手段48は、経路計算結果のうち、ドメイン内部の経路情報を、経路計算要求情報に含まれる始点ノードID、終点ノードID、パス識別子、帯域とともに、パスDB18に格納する。請求項1で暗号化手段38により暗号化される区間が相当する。
図8は、図4のパス設定処理の一部を示すフローチャートである。パス5の経路計算結果は、<リンク4a→リンク4c→リンク4f→リンク4j→リンク4k>となる。リンク4fおよびリンク4kは、隠蔽されている。
以下、図8を参照して、本実施形態における図4の経路隠蔽処理(S8,S11)および経路特定処理(S17,S20)を具体的に説明する。図8は、ドメイン1b(ノード3d、経路計算装置2b、ノード3f)に着目した動作(S11,S17)の説明である。なお、ドメイン1cに着目した動作(S8,S20)は、動作の内容は同じであり、動作の主体がノード3d→ノード3h、経路計算装置2b→経路計算装置2c、ノード3f→ノード3iに置き換わっている。
図8(a)は、経路隠蔽処理(S11)の詳細を示すフローチャートである。経路計算装置2bは、パス格納手段48により、経路計算結果のパス格納を行う(S121)。
図8(b)は、経路特定処理(S17)の詳細を示すフローチャートである。ノード3dは、パス設定手段12にて、パス設定要求情報に含まれる経路として「リンク4j」を受け取り、その「リンク4j」がノード3dに接続していないことを判断すると、経路問い合わせ手段20により、経路計算装置2bに経路問い合わせ情報を送信する(S131)。
経路計算装置2bは、経路問い合わせ情報を受信すると、経路問い合わせ処理手段46により、パスDB18を検索し、経路計算結果として、「リンク4f」を取得する(S132)。経路計算装置2bは、取得した経路計算結果を含む経路問い合わせ応答情報を、ノード3dに送信する(S133)。ノード3dは、送信された情報をもとに、パス5の経路を特定する。
以下、本発明の第3実施形態について、図9から図12を参照して説明する。第3実施形態は、自ドメイン1のノード3が、自ドメイン1の経路計算装置2の経路計算結果を取得する方法として、経路計算装置2からの経路計算結果の通知を受信することを特徴とする。
図9に示すように、第3実施形態は、始点ノード3aから終点ノード3iまでのパス5aが、事前設定パス6a,6b,6cを利用して構成される。ただし、事前設定パスは,始点ノードが属するドメインにはなくても構わない(図の例では6a)。事前設定パス6とは、始点から終点までのパス5(全体のパス5)の経路上に設定され、全体のパス5の一部分となるパス5であり、全体のパス5の設定時刻より前(事前)に設定される。
図10は、ノード3を示す構成図である。ノード3は、パス設定手段12、経路計算要求手段14、パス設定指示処理手段22、パスDB18、および、事前設定パスDB24を含めて構成される。なお、第2実施形態と比較すると、経路問い合わせ手段20がなく、パス設定指示処理手段22、事前設定パスDB24が追加される。
パス設定指示処理手段22は、経路計算装置2から、パス設定指示情報を受信するとともに、パス設定指示応答情報を送信することで、設定すべきパス5の途中区間であるドメイン1のエッジからエッジに、事前設定パス6を設定し、設定したパス情報を、事前設定パスDB24に格納する。具体的には、始点ノードID、終点ノードID、パス識別子、到達リンクID、事前設定パス6の始点ノードID、事前設定パス6の終点ノードID、経路、帯域、を含むパス設定指示情報を受信すると、事前設定パス6の始点ノードID、事前設定パス6の終点ノードID、経路、帯域をパス設定手段12に渡すことでパス設定を依頼し、パス設定手段12が、設定されたパス5をパスDB18に格納し、その結果を受け、パス設定指示処理手段22が、事前設定パスDB24に、パス設定指示情報に含まれる始点ノードID、終点ノードID、パス識別子、到達リンク4を格納し、経路計算装置2にパス設定指示応答情報を送信する。
事前設定パスDB24は、パス設定指示処理手段22がパス設定指示情報を受信することにより、ドメイン1のエッジとエッジの間に事前に設定したパス情報を格納する。始点ノードID、終点ノードID、パス識別子は、事前設定パス6の設定後に複数ドメイン1をまたがって設定されるパス5の始点ノードID、終点ノードID、パス識別子である。到達リンクIDとは、事前設定パス6を利用して到達できるリンク4の識別子である。
図9の例では、ノード3dは、中継経路計算装置2bから、始点ノードID=「始点ノード3a」、終点ノードID=「終点ノード3i」、パス識別子=「X」、到達リンクID=「リンク4j」、事前設定パス6の始点ノードID=「ノード3d」、事前設定パス6の終点ノードID=「ノード3f」、経路=「リンク4f」、を含むパス設定指示情報を受信し、ノード3dからノード3fに事前設定パス6を設定し、事前設定パスDB24に、始点ノードID=「始点ノード3a」、終点ノードID=「終点ノード3i」、パス識別子=「X」、到達リンクID=「リンク4j」、とする情報を格納する。
図11は、経路計算装置2を示す構成図である。経路計算装置2は、経路計算要求処理手段32、経路計算手段34、経路計算要求手段36、経路隠蔽手段40、パス設定指示手段52、リンクDB42、および、到達性DB44を含めて構成される。なお、第2実施形態と比較して、経路問い合わせ処理手段46、パス格納手段48、パスDB18が削除され、パス設定指示手段52が追加される。
パス設定指示手段52は、経路計算結果のうち、ドメイン内部の経路区間を、事前に設定するように、ノード3にパス設定指示情報を送信し、また、ノード3からパス設定指示応答情報を受信する。パス設定指示手段52により事前にパス5を設定する区間は、第1実施形態において、暗号化手段38により暗号化される区間が相当する。パス設定指示手段52は、以下3つのケースにおいてパス設定処理を実行する。
ケース1(始点経路計算装置2a)は、受信した経路計算要求情報に含まれる始点ノードIDが示すノード3が、自ドメイン内にある場合である。このケース1では、パス設定指示手段52は、処理をしない。
ケース2(終点経路計算装置2c)は、ケース1以外で、受信した経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、自ドメイン内にある場合である。このケース2では、パス設定指示手段52は、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2が属するドメイン1に属するノード3に接続される自ドメイン1に属するノード3を事前設定パス6の始点ノードID、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDを事前設定パス6の終点ノードIDとする。例えば、図9の例では、事前設定パス6cの始点ノードID=「ノード3h」、事前設定パス6cの終点ノードID=「終点ノード3i」、となる。
ケース3(中継経路計算装置2b)は、ケース1とケース2以外で、受信した経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDが示すノード3が、自ドメイン内にない場合である。このケース3では、パス設定指示手段52は、経路計算要求情報を送信した経路計算装置2が属するドメイン1に接続される自ドメイン1に属するノード3を事前設定パス6の始点ノードID、経路計算要求情報に含まれる終点ノードIDに到達するために経由すべきドメイン1に属するノード3に接続する自ドメイン1のノード3を事前設定パス6の終点ノードIDとする。事前設定パス6bの始点ノードID=「ノード3d」、事前設定パス6bの終点ノードID=「ノード3f」、また、図示省略した事前設定パス6の始点ノードID=「ノード3c」、事前設定パス6の終点ノードID=「ノード3g」、となる。
パス設定指示情報は、前記事前設定パス6の始点ノードID、事前設定パス6の終点ノードID加え、経路計算要求情報に含まれる始点ノードID、終点ノードID、パス識別子、帯域、および経路計算手段34でもとめた経路のうちドメイン内部の経路、を含むパス設定指示情報を、事前設定パス6の始点ノードIDが示すノード3に対して、送信する。
図12は、図4のパス設定処理の一部を示すフローチャートである。パス5の経路計算結果は、<リンク4a→リンク4c→リンク4f→リンク4j→リンク4k>となる。リンク4a、リンク4f、および、リンク4kは、事前設定パス6となる。
以下、図12を参照して、本実施形態における図4の経路隠蔽処理(S8,S11)および経路特定処理(S17,S20)を具体的に説明する。図12は、ドメイン1b(ノード3d、経路計算装置2b、ノード3f)に着目した動作(S11,S17)の説明である。なお、ドメイン1cに着目した動作(S8,S20)は、動作の内容は同じであり、動作の主体がノード3d→ノード3h、経路計算装置2b→経路計算装置2c、ノード3f→ノード3iに置き換わっている。
図12(a)は、経路隠蔽処理(S11)の詳細を示すフローチャートである。経路計算装置2bは、パス設定指示手段52により、経路計算結果をもとに、事前設定パス設定指示情報をノード3dのパス設定指示処理手段22に送信する(S141)。ノード3dは、パス設定手段12により、事前設定パス設定要求情報をノード3fに送信し(S142)、その応答として事前設定パス設定応答情報を受信する(S143)。ノード3dは、パス設定手段12により、パスDB18に設定したパス情報を格納するとともに、パス設定指示処理手段22が、事前設定パスDB24に情報を格納する。ノード3dは、パス設定指示処理手段22により、経路計算装置2bに、パス設定指示応答情報を送信する(S144)。
図12(b)は、経路特定処理(S17)の詳細を示すフローチャートである。ノード3dは、パス設定手段12により、パス設定要求情報を受信すると、該当するパス情報を事前設定パスDB24から検索する。ノード3dは、該当するパス情報を発見すると、パス設定要求情報に含まれる経路のリンク4が、事前設定パスDB24で検索されたパス情報の到達リンク4と一致しているか確認を行う。一致している場合は、該当するパス5を利用することとするので、事前設定パス6をもとにパス設定要求情報を作成する(S151)。
以上、本発明の各実施形態を説明した。図13は、本発明の実施形態と、比較例とを比較するためのネットワーク構成図である。この構成図は、始点ノード3aから終点ノード3iまで経由する2本のパス5(パス5b,パス5c)を示している。2本のパス5は、始点終点を共有しているが、中継するリンク4が一部異なっている。ノード3dは、リンク4iに到達するために、2通りのルートを選択することとなる。そこで、本発明の実施形態では、経路計算装置2bが計算した最適なルート(パス5b)を選択するが、比較例では、ノード3dが計算した非効率なルート(パス5c)を選択する。
以上説明した本発明は、以下のようにその趣旨を逸脱しない範囲で広く変形実施することができる。
例えば、ノードIDとしては、IPアドレスなどが相当する。また、IF−ID(Interface-ID)としては、例えば、単なる番号や、IPアドレスが相当する。パス識別子は、オペレータが設定する場合もあれば、動的に払いだされる場合も考えられる。
また、経路計算装置2の装置構成は、ノード3とは異なる物理的な装置(筐体)であっても構わないし、ノード3と同じ(一体化した)物理な装置(筐体)であっても構わない。また、冗長化や負荷分散のために、1つのドメイン1に経路計算装置2が複数存在する構成としてもよい。
さらに、ノード3は、例えば、レイヤ2スイッチ、TDMクロスコネクト、波長クロスコネクト、MPLS(Multi Protocol Label Switching)のLSR(Label Switching Router)、などで構成される。リンク4は、光ファイバなどで構成される。
また、第3実施形態において、事前に各ドメイン1のエッジからエッジにパス5を設定したが、実際には利用しないケースもあるため、例えば、ノード3の事前設定パスDB24にタイマを設定し、一定時間経過後に利用しない事前設定パス6は削除してもよい。
さらに、本実施形態は、プロバイダ網とカスタマ網の間にUNI−IF(User Network Interface)を設け、プロバイダ網の情報をカスタマ網に隠蔽するネットワークにおいて、第1のカスタマ装置と第2のカスタマ装置の間に、パス5を設定するシステムにも同様に適用できる。
また、パス5の冗長化構成を構築し、障害への信頼性を向上してもよい。例えば、始点ノード3aと終点ノード3iの間に、現用パスと、現用パスと中継ノードを共用しない予備パスを設定することができる。
本発明の一実施形態に関するパス設定システムを示す構成図である。 本発明の第1実施形態に関するノードを示す構成図である。 本発明の第1実施形態に関する経路計算装置を示す構成図である。 本発明の第1実施形態に関するパス設定処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に関するパス設定処理の経路隠蔽処理(a)および経路特定処理(b)を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に関するノードを示す構成図である。 本発明の第2実施形態に関する経路計算装置を示す構成図である。 本発明の第2実施形態に関するパス設定処理の経路隠蔽処理(a)および経路特定処理(b)を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に関する事前設定パスが設定されるパス設定システムを示す構成図である。 本発明の第3実施形態に関するノードを示す構成図である。 本発明の第3実施形態に関する経路計算装置を示す構成図である。 本発明の第3実施形態に関するパス設定処理の経路隠蔽処理(a)および経路特定処理(b)を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関するパスの設定の比較を示す説明図である。
符号の説明
1 ドメイン
2 経路計算装置
3 ノード
4 リンク
5 パス
6 事前設定パス
12 パス設定手段
14 経路計算要求手段
16 復号化手段
18 パスDB
20 経路問い合わせ手段
22 パス設定指示処理手段
24 事前設定パスDB
32 経路計算要求処理手段
34 経路計算手段
36 経路計算要求手段
38 暗号化手段
40 経路隠蔽手段
42 リンクDB
44 到達性DB
46 経路問い合わせ処理手段
48 パス格納手段
52 パス設定指示手段

Claims (8)

  1. パスの始点となる始点ノードが属する始点ドメイン、および、パスの終点となる終点ノードが属する終点ドメインが異なるドメインとなるネットワークシステムにおいて、各ドメインの経路計算装置が計算する経路計算結果に基づいてパスを設定するパス設定システムであって、
    各ドメインの前記経路計算装置は、
    自ドメインのネットワーク構成を参照して、前記自ドメインのパスの前記経路計算結果を計算する経路計算手段と、
    前記経路計算結果を前記自ドメインのノードに利用させるとともに、他ドメインのノードに対して隠蔽する経路隠蔽手段とを有し、
    各ドメインの前記ノードは、
    前記経路隠蔽手段により前記他ドメインの前記ノードに隠蔽された前記経路計算結果をもとに、パスを設定するパス設定手段を有すること
    を特徴とするパス設定システム。
  2. 経路隠蔽手段は、前記経路計算結果を暗号化する暗号化手段を有し、
    前記パス設定手段は、前記暗号化手段により暗号化された前記自ドメインの前記経路計算結果を復号化する復号化手段を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のパス設定システム。
  3. 前記経路隠蔽手段は、前記経路計算結果を記憶手段に格納するパス格納手段を有し、
    前記パス設定手段は、前記パス格納手段により格納された前記経路計算結果を前記経路計算装置に問い合わせることにより取得する経路問い合わせ手段を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のパス設定システム。
  4. 前記経路隠蔽手段は、前記経路計算結果をもとに、パスの一部となる事前設定パスを前記自ドメイン内で前記ノードに設定させるパス設定指示手段を有し、
    前記パス設定手段は、前記パス設定指示手段からの指示により事前設定パスを設定するパス設定指示処理手段を有し、前記事前設定パスをもとにパスを設定すること
    を特徴とする請求項1に記載のパス設定システム。
  5. 前記パス設定指示処理手段は、設定した事前設定パスについてタイマを設定し、一定時間経過後に利用しない事前設定パスを削除することを特徴とする請求項4に記載のパス設定システム。
  6. 前記始点ノードから前記終点ノードまで設定されるパスは、互いに中継する前記ノードを共有しない冗長パスとして複数本設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパス設定システム。
  7. 同一のドメインに属する前記経路計算装置および前記ノードを、1台の筐体として構成することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のパス設定システム。
  8. パスの始点となる始点ノードが属する始点ドメイン、および、パスの終点となる終点ノードが属する終点ドメインが異なるドメインとなるネットワークシステムにおいて、各ドメインの経路計算装置が計算する経路計算結果に基づいてパスを設定するパス設定方法であって、
    各ドメインの前記経路計算装置は、
    自ドメインのネットワーク構成を参照して、前記自ドメインのパスの前記経路計算結果を計算して記憶手段に格納する手順と、
    前記経路計算結果を前記自ドメインのノードに利用させるとともに、他ドメインのノードに対して隠蔽する手順とを実行し、
    各ドメインの前記ノードは、
    前記経路計算装置により前記他ドメインの前記ノードに隠蔽された前記経路計算結果をもとに、パスを設定する手順を実行すること
    を特徴とするパス設定方法。
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