JP4486369B2 - 空気調和機の室外ユニットおよびこれを備えた空気調和機 - Google Patents

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本発明は、空気熱交換器に水を散布する散水手段を備えた空気調和機の室外ユニットに関する。
従来より、空気調和機の室外ユニットに設けられた空気熱交換器に水を散布する散水装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
この散水装置は、冷房運転時において凝縮器として用いられる空気熱交換器に、水を散布することによって冷媒の凝縮圧力を低下させて冷凍機の性能を向上させるものである。
特開2000−205665号公報(第4頁、図1)
しかしながら、従来の技術は、空気熱交換器に対して単に散水するだけであって、散布水と外気との物質移動についてあまり考慮されておらず、期待されたほどの性能が得られるものではなかった。
また、空気熱交換器の伝熱面に十分に水が行き渡らず、散水することによる利点が十分に生かされていなかった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、空気熱交換器に水を散布する湿式熱交換器の能力を十分に引き出した室外ユニットおよびこれを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の空気調和機の室外ユニットは、圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、該空気熱交換器に水を散布する散水手段と、を備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、前記散水手段に供給する水の系統には、該水が流過する間に外気と接触させて該水を冷却する散布水冷却手段を備えていることを特徴とする。
散布水冷却手段によって水を冷却することにより、散布水の温度が低下し、この散布水によって冷却される空気熱交換器における冷媒凝縮温度を更に低下させることができる。
散布水冷却手段は、水が流過する間に外気と接触させて水を冷却する方式としており、
水と外気との間の熱移動力(物質移動係数)を用いて、外気温度と露点温度とのエンタルピー落差を最大限利用して冷却するようになっている。これにより、低い散水温度が得られ、好ましくは、外気温度よりも低い冷媒凝縮温度が実現される。
また、本発明の参考例の空気調和機の室外ユニットの前記空気熱交換器には、外気が直接導入されることを特徴とする。
前記散布水冷却手段を通過した空気をそのまま空気熱交換器に導入する構成も考えられる。しかし、散布水冷却手段を通過することによって相対湿度が上昇した外気は、乾いた空気に比べ、エンタルピー落差が小さく空気熱交換器に散布された水から蒸発潜熱を奪う能力に欠ける。そこで、空気熱交換器には、外気を直接導入することとして、外気が本来有するエンタルピー落差を十分に生かすこととした。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットは、前記空気熱交換器を通過した水と前記散布水冷却手段を通過した水とを合流させる貯水部と、該貯水部に貯留された水を汲み上げるポンプと、該ポンプによって汲み上げられた水を前記空気熱交換器および前記散布水冷却手段のそれぞれに分岐する分岐部と、を備えていることを特徴とする。
空気熱交換器および散布水冷却手段のそれぞれに分岐する分岐部を設けたことにより、
空気熱交換器および散布水冷却手段のそれぞれに対して水を供給するポンプを2台必要とすることなく、1台のポンプで空気熱交換器および散布水冷却手段に水を供給することができる。
また、本発明の参考例の空気調和機の室外ユニットは、前記空気熱交換器を通過した水を前記散布水冷却手段に直接導入することを特徴とする。
空気熱交換器を通過して加熱された水を散布水冷却手段に直接導入することとしたので、散布水冷却手段によって冷却された水に合流させる場合に比べて、より冷却された水を得ることができる。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットにおいて、前記空気熱交換器は、略鉛直方向に複数枚立設された板状のフィンと、前記冷媒を流すとともに前記フィンの略法線方向に貫通配置された複数のパイプとを備え、前記散水手段は、前記空気熱交換器の上方に配置され、該散水手段の下部には、水を流下する孔部が前記フィンの積層方向に所定間隔で複数形成されているとともに、これら孔部は、隣接する前記各フィン間のすべてに水を流下するように前記積層方向に直交する方向に複数列設けられていることを特徴とする。
各フィン間のすべてに水が流下するように孔部が形成されているので、フィン全体に水が供給され、外気と水とが接触する面積が増大させられる。これにより、効率的に冷媒を冷却することができる。
なお、フィン表面には、濡れ性を確保するために、例えば水ガラス系親水性樹脂コーティング等の親水性処理をするのが好ましい。
また、前記孔部は、前記積層方向に延在する長孔とされていることを特徴とする。
長孔とすることにより、孔の面積を増大させて孔が詰まり難いようにした。また、フィンの積層方向に延在する長孔としたので、複数枚のフィンにわたって水が確実に供給されることとなる。
また、前記孔部は、前記フィンの上端面に対して近接する位置に設けられていることを特徴とする。
孔部とフィン上端面との距離が大きい場合、隣り合う孔部から流下する水が合流してしまい、大きな液滴となって特定の位置のみから水が滴下され、フィン全体に水が行き渡らないという不具合が生じる。
本発明は、孔部がフィン上端面に対して近接して配置されているので、孔部から流下する水は、隣接する孔部から流下する水と合流してしまう前にフィン上端部と接触してフィンへと流下して行く。したがって、すべてのフィンについて万遍なく水を供給することができる。
ここで、「近接」とは、孔部がフィン上端部に接触していても良いし、接触していなくても孔部から流下する水が液滴に成長する前にフィン上端部に接触する程度の間隔が設けられていることを意味する。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットにおいて、前記空気熱交換器へ導入される外気の状態が、各外気温度に対して散水を行う露点または湿球温度の範囲が示された散水領域にない場合に、前記散水手段から前記空気熱交換器への水の供給を停止する散水停止手段が設けられていることを特徴とする。
空気熱交換器へ導入される外気の状態(例えば乾球温度や湿度)が、当該温度における露点または湿球温度に近い場合には、外気と散水との物質移動がそれほど期待できない。
このような場合には、空気熱交換器に散水をしても低い凝縮温度を得ることができず、散水する必要がない。そこで、各外気温度に対して、散水を行うのに適切な露点または湿球温度の範囲を散水領域として予め得ておき、空気熱交換器へ導入される外気の状態が散水領域にない場合に、空気熱交換器への散水を停止する散水停止手段を設けることとした。
また、外気(乾球)温度が低い場合には、そもそも冷房運転として低い凝縮温度を得る必要性に乏しいので、このような領域を散水領域から外すようにしてもよい。
なお、散水による効果が期待できる散水領域を示すマップは、空気調和機の制御部に記憶させておいてもよい。この場合、制御部から散水停止手段に対して散水供給停止指令が出力されることになる。
また、前記散水停止手段は、前記散布水冷却手段への水の供給を停止した後に、前記散水手段から前記空気熱交換器への水の供給を停止することを特徴とする。
まず散布水冷却手段への水の供給を停止して、散布水冷却手段から散水手段へ供給される水の温度上昇を行なって、凝縮器における冷媒圧力を徐々に上げる。その後、散水手段への水供給を停止させる。これにより、凝縮器における冷媒圧力が急激に上昇するのを防止する。
なお、散水手段によって空気熱交換器に水を再び供給する復帰運転の場合は、必要な冷媒凝縮圧力が即座に得られるように、まず空気熱交換器への散水を行なった後に、散布水冷却手段への水供給を開始する。
また、本発明の参考例の空気調和機の室外ユニットは、蒸発器から冷熱を得て冷却された冷水を外部へ供給する冷水取得手段と、該冷水取得手段によって流される水の流量と、該水の前記蒸発器に対する入口温度および出口温度とによって冷凍能力を算出する冷凍能力算出手段と、前記空気熱交換器に外気を送る1又は複数のファンと、前記散水手段によって前記空気熱交換器に水を供給しているとき、前記冷凍能力算出手段によって得られた冷凍能力に基づいて、前記ファンの運転台数および/または回転数を制御するファン制御手段と、を備えていることを特徴とする。
空気熱交換器に外気を送るファンの消費電力は、システムにもよるが、おおよそ全体消費電力の1割程度を占める。したがって、このファン消費電力を抑えることにより、空気調和機全体の消費電力を効果的に低減することができる。
本発明の参考例は、散水手段が空気熱交換器に水を供給しているときは冷凍能力に基づいてファンの運転台数および/または回転数を制御するファン制御手段を設けることとしたので、散水時においても必要最小限のファン動力が消費されることとなり、ファンの使用電力を低減できる。例えば、冷凍能力算出手段から得られる冷凍能力が所定値を下回った場合には、ファンの運転台数を低減させ、または、ファンの回転数を低減させる。
冷凍能力は、蒸発器に接続された冷水取得手段内を流れる冷水の流量、蒸発器に対する水の出入口の温度に基づいて算出される。
なお、散水を停止した後は、冷凍能力に基づくファン制御から外気温に基づくファン制御に切り替えて、ファンの運転台数および/または回転数を制御する。
また、前記ファン制御手段は、前記散水手段による水の供給が停止された後に、すべての前記ファンを運転させる、または、すべての前記ファンを非散水時の定格回転数で運転させることを特徴とする。
空気熱交換器に水を供給する散水時では、冷媒は散水の蒸発潜熱によって冷却されるので、ファンから送風される外気の顕熱によって対流冷却される非散水時に比べて交換熱量が多く、冷媒をより冷却することができる。したがって、同一の冷凍能力を得ようとする場合、散水時の方が非散水時に比べてファンによって送り込まれる外気の量は少なくて済む。このように、散水時と非散水時では、ファンの定格運転台数や定格回転数が異なる。
そこで、本発明は、散水手段による散水停止後に、ファンを全台運転あるいは非散水時における定格回転数運転とすることで、散水停止した場合に凝縮器冷媒圧力が急上昇するのを抑える。
また、前記ファン制御手段は、再び前記散水手段による水の供給が開始された後に、散水時における定格ファン運転台数または定格回転数で前記ファンを運転することを特徴とする。
散水が開始されると、散水時における定格ファン運転台数または定格回転数とするので、散水時に応じた適切なファン運転が行なわれ、ファン消費電力を抑えることができる。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットは、暖房運転時には、前記散布水冷却手段の外気に対する前面を覆う散布水冷却手段用カバーが設けられていることを特徴とする。
暖房運転時には、散布水冷却手段は使用されないので、散布水冷却手段に外気を導入する必要はない。かえって、暖房運転時に散布水冷却手段に外気が導入されると、暖房時に用いる他の空気熱交換器に導入すべき風量が減少することになる。
そこで、本発明は、暖房時には前面を覆う散布水冷却手段用カバーを設けることとした。もちろん、この散布水冷却手段用カバーは、冷房運転時には散布水冷却手段の前面から退避されるようになっている。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットは、暖房運転時に外気と熱交換を行なう暖房専用空気熱交換器を備え、冷房運転時には、前記暖房専用空気熱交換器の外気に対する前面を覆う暖房専用空気熱交換器用カバーが設けられていることを特徴とする。
本発明の室外ユニットは、空気熱交換器に散水する散水手段を設けているので、冷房運転時において凝縮器となる空気熱交換器の伝熱面積を小さくすることができる。これに対して、暖房運転時には、外気との熱交換に頼るしかないので、伝熱面積が多く必要とされる。このため、暖房運転時に外気と熱交換する暖房専用空気熱交換器が設けられる。
この暖房専用空気熱交換器は、暖房運転時にのみ用いられるものであるため、冷房運転時に外気が導入されてしまっては、他の空気熱交換器や散布水冷却手段に導入すべき風量が減少する上、無駄なファン電力を消費することになる。
そこで、本発明は、冷房運転時には前面を覆う暖房専用空気熱交換器用カバーを設けることとした。もちろん、この暖房専用空気熱交換器用カバーは、暖房運転時には暖房専用空気熱交換器の前面から退避されるようになっている。
また、本発明の空気調和機の室外ユニットは、前記散布水冷却手段と前記暖房専用空気熱交換器とは、これらを収納する筐体の同一面に設けられ、前記散布水冷却手段用カバーと前記暖房専用空気熱交換器用カバーとは、同一のカバーとされ、該カバーは、冷房運転時には前記散布水冷却手段の前面から退避して前記暖房専用空気熱交換器の前面を覆い、暖房運転時には前記暖房専用空気熱交換器の前面から退避して前記散布水冷却手段の前面を覆うことを特徴とする。
散布水冷却手段用カバーと暖房専用空気熱交換器用カバーとを同一のカバーとすることにより、構造を簡便化することができる。
なお、暖房専用空気熱交換器の前面面積が散布水冷却手段の前面面積に比べて大きい場合、カバーは、散布水冷却手段の前面を覆うときは重ねられて小面積となった状態とされ、暖房専用空気熱交換器の前面を覆うときは重ねられた状態が展開して大面積となった状態とされるような構成とするのが好ましい。
また、本発明の空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する空気熱交換器を備えた空気調和機の前記室外ユニットと、前記空気熱交換器において凝縮された冷媒を膨張させる膨張手段と、該膨張手段において膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えたことを特徴とする。
本発明の空気調和機の室外ユニットおよびこれを備えた空気調和機は、以下の効果を奏する。
散布水冷却手段によって水を冷却することにより、散布水の温度が低下し、この散布水によって冷却される空気熱交換器における冷媒凝縮温度を更に低下させることとしたので、空気調和機の冷凍能力を増大させるとともに、消費電力を飛躍的に削減することができる。
空気熱交換器のフィン間のすべてに水が流下するように、フィンの積層方向に直交する方向に複数列設けられた孔部を散水手段の下面に形成したので、フィン全体に水が供給され、外気と水とが接触する面積が増大させられる。これにより、効率的に冷媒を冷却することができる。
散水手段の下面に形成された孔部がフィン上端面に対して近接して配置されているので、孔部から流下する水は、隣接する孔部から流下する水と合流してしまう前にフィン上端部と接触してフィンへと流下して行く。これにより、すべてのフィンについて万遍なく水を供給することができる。
次に、本発明の実施形態および参考例について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の第1実施形態および参考例1を示した室外ユニットを備えた空気調和機の概略構成図が示されている。
空気調和機1は、ガス冷媒を圧縮する例えばターボ圧縮機等の圧縮機3と、圧縮機3で圧縮されたガス冷媒を外気と熱交換させて凝縮させる空気熱交換器5と、空気熱交換器5において凝縮された液冷媒を膨張させる膨張弁7と、膨張弁7において膨張させられた液冷媒を蒸発させる蒸発器9とを備えている。
圧縮機3は、インバータ制御された電動機11によって回転駆動されている。
蒸発器9には、チラー(冷水取得手段)13が設けられている。このチラー13は、内部に水が流通する配管13aを備えており、この配管13aの一部が蒸発器9内に配置されている。これにより、蒸発器9において得られる冷熱によって配管13a内を流れる水が冷却されることにより、冷水が得られるようになっている。
チラー13の配管13aには、配管13a内を流れる水の流量Qを計測する流量計14と、蒸発器9に対する入口に配置されて水温Tinを計測する入口温度計15と、蒸発器9に対する出口に配置されて水温Toutを計測する出口温度計16とが設けられている。
これら流量計14、入口温度計15及び出口温度計16の出力は、それぞれ、制御部18に入力される。
なお、装置構成を簡略化してより廉価とするために、流量計14を省略した構成としても良い。この場合、流量は予め所定値に調整され、一定流量で運転するようにする。制御部18は、この所定値(定数)を仕様値として記憶している。
空気熱交換器5の冷媒出口と膨張弁7との間には、冷媒圧力Pcを検出する圧力センサ19が設けられている。この圧力センサ19の出力は、制御部18に入力される。
空気熱交換器5の外部には、空気熱交換器5に導入される外気の温度を測定する外気温センサ61と、当該空気の湿度を測定する湿度センサ62とが設けられている。これら外気温センサ61及び湿度センサ62の出力は、制御部18に入力される。制御部18は、これらセンサ61,62から得られる外気温度および湿度に基づいて、露点(又は湿球温度)を算出する機能を備えている。
空気熱交換器5は、室外に配置された室外ユニット20の筐体22内に設けられている。
室外ユニット20は、さらに、空気熱交換器5に水を散布する散水手段24と、散水手段24に水を供給するポンプ26と、散水手段24に供給される水を冷却するシート積層体(散布水冷却手段)28と、空気熱交換器5及びシート積層体28に外気Aを導入するファン29とを備えている。
空気熱交換器5は、鉛直方向に複数枚積層して立設された板状のフィン30,30・・・と、内部に冷媒を流すとともに複数のフィン30の法線方向に貫通配置された複数のパイプ32,32・・・とを備えている。この空気熱交換器5は、冷房運転時において、外気Aとの間で冷媒を冷却して凝縮させる。
フィン30の基材にはアルミ合金が用いられている。アルミ合金としては、熱伝導率を良くするために、アルミ含有率が高いものを用いるのが好ましい。
フィン30の表面には、濡れ性を確保するために、水ガラス系親水性樹脂コーティングがなされており親水性処理が施されている。
空気熱交換器5の下方には、散布された水を回収する回収トレイ31が設けられている。回収トレイ31によって回収された散布後の水は、シート積層体28の下方に位置する貯留トレイ(貯留部)46に導かれる。
散水手段24は、空気熱交換器5の上方に設置されている。図2に示すように、散水手段24は、水を貯留するトレイ34を備えている。トレイ34は、その底面に対してフィン30の上端が近接するように配置されている。
なお、トレイ34の底面は、フィン30上端に厳密に接触している必要はなく、散水孔36から流下する水が液滴に成長する前にフィン30上端に接触する程度の間隔を有していれば良い。
トレイ34底面には、複数の散水孔(孔部)36a(図3(a)参照)が設けられている。この散水孔36aは、図3(a)に示されているように、フィン30の積層方向に延在する長孔となっている。この長孔とされた散水孔36aの長手方向の寸法は、フィン30の複数枚(本実施形態において3枚)にわたって形成された大きさとなっている。
散水孔36aは、フィン30の積層方向に複数設けられており、この散水孔36の列がフィン30の延在方向(積層方向に直交する方向)に複数設けられている。この複数設けられた散水孔36aの列は、千鳥状に配置されており、すべてのフィン30に水が流下するようになっている。
なお、図3(b)に示すように、散水孔36bを丸穴として、千鳥状に配置しても良い。ただし、丸穴の場合、孔径が小さくなるので、目詰まりを考慮する必要がある。
トレイ34には、図2(b)に示すように、堰38が設けられている。この堰38により、供給された水が一旦堰38内に貯留され、貯留された水のうち上澄み分だけが堰38を越えてトレイ34底面側へと流れ込む。これにより、供給水中の異物を除去することができ、散水孔36a,bの目詰まりを防ぐことができる。これに加えて、堰38の上端にフィルタを追設して更に異物を除去するようにしても良い。
散水手段24から空気熱交換器5に供給される水は、ポンプ(散水停止手段)26の起動・停止によって行なわれる。ポンプ26は、制御部18からの指令によって起動・停止が行われるようになっている。
シート積層体28は、筐体22の側面に配置されており、この側面は空気熱交換器5が配置された側面とは別の側面とされている(図4参照)。
シート積層体28は、表面に凹凸を有する凹凸シートを鉛直方向に複数枚立設した構成とされている。シート積層体28は、凹凸シートの表面を水が流下する間に多くの外気Aと接触させることにより水から外気への物質移動係数を増大させて、十分にエンタルピー落差を利用して水を蒸発させ、水を自己冷却するものである。
シート積層体28の上方には、シート積層体に水を供給するシート積層体用水供給手段42が設けられている。このシート積層体用水供給手段42による水の供給は、バルブ44の開閉によって行なわれる。バルブ44には、制御部18からの指令によって開閉動作が行なわれるようになっている。
シート積層体28の下方に位置する貯留トレイ46には、シート積層体28を流下した水が貯留されるようになっている。さらに、この貯留トレイ46には、上述のように、空気熱交換器5を流下した散布水も貯留されるようになっている。
貯留トレイ46に貯留された水は、ポンプ26によって汲み上げられ、分岐部48を介して、空気熱交換器5側およびシート積層体28側に導かれるようになっている。空気熱交換器5側およびシート積層体28側に導かれる水の流量比は、各機器の性能にもよるが、本実施形態では1:1としている。
ファン29は、室外ユニット20の上面に設けられており、電動モータ50によって駆動されている。
ファン29は、図4に示すように複数台設置されており、本実施形態では6台設置されている。
各ファン29を駆動する電動モータ50は、制御部(ファン制御手段)18によって駆動・停止が行なわれるようになっている。なお、電動モータ50をインバータ制御とし、回転数を可変制御できるようにしても良い。あるいは、直流モータを採用して回転数制御を行うようにしても良い。
図4には、室外ユニット20の外観を示した斜視図が示されている。
筐体22の正面52には、上方に配置された暖房専用空気熱交換器54と、下方に配置されたシート積層体28とが設けられている。図示しないが、同様の構成が筐体22の背面にも設けられている。
暖房専用空気熱交換器54は、暖房運転時にのみ用いられるものであり、空気による熱交換にのみ頼らざるを得ない暖房時の交換熱量を確保するために、冷房運転時に用いる空気熱交換器5に加えて追設されたものである。
筐体22の両側面56には、ほぼ側面全体に設けられた空気熱交換器5が設けられている。
このように、シート積層体28および空気熱交換器5には、外気が直接導入されるようになっている。
なお、同図から、室外ユニット20の上面には、複数台のファン29が配置されていることがわかる。
図5には、暖房専用空気熱交換器54及びシート積層体28が設置される筐体22の正面および背面にカバー58を設けた構成が示されている。
カバー58は、上下にスライドするようになっており、下方のシート積層体28の前面を塞ぐ場合には、図5(a)に示すように、2つの面58a,bが重なった状態で配置されている。上方の暖房専用空気熱交換器54の前面を塞ぐ場合には、重なった状態の2つの面58a,bが展開されて、大面積の暖房専用空気熱交換器54を塞ぐようになっている。カバー58の前面58aの上部には、手で掴んでカバー58を上下に移動させるための把持部60が二つ設けられている。
このようなカバー58を用いることにより、冷房時には暖房専用空気熱交換器54のみを塞ぎ、暖房時にはシート積層体28のみを塞ぐことができる。
次に、上記構成の空気調和機1の動作について説明する。
まず、冷房運転について説明する。
冷房運転時は、室外ユニット20のカバー(図5参照)58は、暖房専用空気熱交換器54を覆うように位置している(図5(b)の位置)。これは、冷房運転時に使用しない部分を塞いで、必要な部分のみから外気を取り込んで、有効に外気を利用するためである
冷媒は、圧縮機3によって圧縮され、室外ユニット20内に設けられた空気熱交換器5に送られる。空気熱交換器5では、ファン29から導入される外気Aに熱を与えることによって冷媒が凝縮する。
空気熱交換器5には、散水手段24によって水が流下させられるようになっている。流下させられた水は、空気熱交換器5のフィン30表面を膜状に流れるに伴い、パイプ32内を流れる冷媒から熱を奪う。冷媒から奪う熱量は、冷媒と水との温度差に基づく熱伝達にもよるが、主として水の蒸発潜熱が大きく寄与する。ただし、散布される水の温度が低いほど、冷媒から水への熱伝導量が大きくなることから、散布水を冷却することが有効である。
散布水を冷却するために、シート積層体28が設けられている。以下、散布水の冷却系統について説明する。
シート積層体用水供給手段42から供給された水は、シート積層体28を構成する凹凸シートの表面を流れるに従い、外気Aとのエンタルピー差に基づく物質移動によって冷却される。これにより、外気温35℃とされた夏場において、シート積層体28を通過した冷却水は27〜28℃まで冷却され、この冷却水を用いた湿式熱交換器によって外気温度よりも低い冷媒凝縮温度が得られることが本発明者等の試験により確認されている。
シート積層体28によって冷却された水は、貯留トレイ46に貯留される。この貯留トレイ46には、空気熱交換器5を流下した水も合流するようになっている。貯留トレイ46に貯留された水は、ポンプ26によって汲み上げられ、分岐部48において分岐され、散水手段24およびシート積層体28のそれぞれに流される。
以上のような循環を繰り返すことによって、空気熱交換器5に散布される水は冷却される。
空気熱交換器5において外気温よりも低い凝縮温度となった冷媒は、膨張弁7によって膨張させられ、蒸発器9へと送られる。蒸発器9へと送られた冷媒は、蒸発器9において蒸発する。冷媒が蒸発する際に持ち去る熱量によって冷熱が得られる。この冷熱は、チラー13aの配管13a内を流れる水に与えられ、この水は冷却されることになる。チラー13によって得られる冷水は、7℃程度の温度である。
蒸発器9において蒸発した冷媒は、圧縮機3へと戻り再び圧縮される。
次に、散水手段24の停止動作について説明する。
本実施形態では、空気熱交換器5に導入される外気の状態に基づいて散水手段24の停止を判断する。
外気(乾球)温度よりも低い凝縮温度が得られる本発明では、湿度センサー62から得られる湿度が高い条件では十分に本発明の効果が期待できない。このことは、外気温センサ61からの外気温度と湿度センサー62からの湿度とに基づいて制御部18で得られる露点(又は湿球温度)と、外気温センサ61から得られる乾球温度とが近い場合と同じことを意味する。この状態は、図6に示すように、外気温度と露点(又は湿球温度)とが同じ値となる傾き45°の線L上の近傍にあることを示す。
また、外気(乾球)温度が低い領域において、露点(又は湿球温度)があらかじめ設定された温度以下となる場合も、冷房運転時に得られる本発明の効果が少なくなる。
そこで乾球温度と露点(又は湿球温度)との関係で、散水による効果が期待できる散水領域Sを示すマップを予め作成しておき、この散水領域Sを示したマップを制御部18に記憶させておく。この散水領域Sは、図6に示されているように、外気温度と露点とが同じ値となる傾き45°の線Lよりも一定量離れた領域とし、かつ、外気温度が低い領域を除外したものとする。
制御部18は、空気熱交換器に導入される外気の温度および湿度によって示される外気の状態が散水領域S外となると判断した場合に、散水手段24の停止を指令する。
散水停止の指令があると、まずシート積層体18へ水を供給するシート積層体水供給手段42のバルブ44を閉めることによってシート積層体18への給水を停止する。その後、ポンプ26を停止することによって空気熱交換器5への散水を停止する。このように、まずシート積層体18への給水を停止した後に、空気熱交換器5への散水を停止するのは、先にシート積層体18への給水を止めて水冷却を停止し、徐々に水温を上げることによって、空気熱交換器5における冷媒温度が急激に上がってしまうことを回避するためである。
再び散水を行う場合は、散水領域Sに基づいて散水運転に復帰する。散水運転に復帰する場合は、まずポンプ26を起動することによって空気熱交換器5への散水を開始した後に、バルブ44を開いてシート積層体28への給水を開始する。これは、制御部18から散水運転復帰指令があったときは、即座に空気熱交換器5を冷却する必要があるからであり、仮に、先にシート積層体28に給水を開始しても冷凍サイクルには何ら影響を及ぼさず無意味だからである。
なお、散水運転に復帰する場合、散水領域Sに基づかずに、所定時間経過した後に自動的に復帰する制御を行っても良い。
また、雨天の場合、湿度が100%に近いので、シート積層体28に散水してもエンタルピー落差が得られず物質移動は行われない。したがって、雨天の場合はシート積層体28に水を散水する動作は行わない。
次に、ファン29の運転台数の制御について説明する。
ファン29に消費される動力は、空気調和機1が消費する動力の10%程度に及ぶ。したがって、ファン29の消費動力を抑えることは省エネルギー運転を行う上で効果的である。
本実施形態および参考例では、空気熱交換器5に散水を行っている間に、冷凍能力に基づいてファン台数制御を行う。
具体的には、制御部18において、各時刻における冷凍能力が算出される。冷凍能力は、チラー13に設けた流量計14から得られる流量Qと、入口温度計15から得られるチラー水入口温度Tinと、出口温度計16から得られるチラー水出口温度Toutと、水の比熱Cvとから得られる。すなわち、出入口温度差(Tout−Tin)に流量および比熱Cvを乗じることによって冷凍能力が得られる。このように得られる冷凍能力に基づいて、ファン台数を制御する。つまり、制御部18において得られた冷凍能力が所定値よりも大きい場合は、ファン台数は定格台数とする。冷凍能力が所定値を下回った場合には、ファン台数を減じる。
また、凝縮圧力Pcに基づいてファン台数の制御を行っても良い。
具体的には、凝縮圧力Pcが所定の圧力Pc1を下回った場合に、ファン台数を減じる制御を行う。その後、さらに凝縮圧力Pcが下がって、上述の基準圧力P0(チラー13にとって必要な最低必要冷凍能力Q0に対応する圧力P0)を下回った場合には、ファン29の全台数を運転して定格運転となるようにする。つまり、基準圧力P0を下回って空気熱交換器5への散水が停止されると、外気Aとの伝熱による空気熱交換器の運転となる。したがって、ファン29は外気温に基づいて、非散水時の定格運転を行う。この定格運転は、非散水時では散水時のように低い冷媒凝縮温度を得ることができないので、ファン台数の全てを運転させることを意味する。
さらに、冷媒圧力Pcが下がる場合には、ファン台数をさらに減じる制御を行っても良い。
なお、ファン29がインバータ制御による場合は、ファン回転数を制御することによって、同様に風量制御を行う。
空気熱交換器5に散水を再び行う散水復帰運転を行う場合のファン29の台数制御は次の通りである(図7参照)。
上述のように、非散水時では、外気温を基準として非散水時の運転が行われる。しかし、散水復帰運転を行う場合、非散水時と同様にファン台数を制御していたのでは、過剰の風量を流すことになる。したがって、散水復帰運転に移行する際には、ファン台数は散水時の定格運転台数となるように制御される。本実施形態の場合、例えば、ファン6台の全台運転から、ファン4台の減台運転に台数制御される。
次に、暖房運転時について説明する。
暖房運転時は、室外ユニット20のカバー(図5参照)58は、シート積層体28を覆うように位置している(図5(a)の位置)。これは、暖房運転時に使用しない部分を塞いで、必要な部分のみから外気を取り込んで、有効に外気を利用するためである。
暖房運転では、冷媒の流れは冷房運転時とは逆になる。つまり、圧縮機3において圧縮された冷媒は、蒸発器9に導入されてチラー13に熱を与えた後に、室外ユニット20の空気熱交換器5に流れ込む。空気熱交換器5において、冷媒は外気Aから熱を受け取り蒸発する。つまり、暖房運転時には空気熱交換器5は蒸発器として動作する。
空気熱交換器5にて蒸発したガス冷媒は、圧縮機3へと流れ込み再び圧縮される。
以上説明した本実施形態および参考例にかかる空気調和機の室外機によれば、以下の作用効果を奏する。
シート積層体28によって水を冷却することにより、散布水の温度が低下し、この散布水によって冷却される空気熱交換器5における冷媒凝縮温度を更に低下させることができる。
シート積層体28は、水が流過する間に外気と接触させて水を冷却する方式としており、水と外気との間の熱移動力(物質移動係数)を用いて、外気温度と露点温度とのエンタルピー落差を最大限利用して冷却するようになっている。これにより、外気温度よりも低い冷媒凝縮温度が実現される。これにより、空気調和機の冷凍能力を増大させるとともに、消費電力を飛躍的に削減することができる。本発明者等の試験によれば、5.0のCOP(成績係数)を達成することができた。
空気熱交換器5に外気を直接導入することとしたので、外気が本来有するエンタルピー落差を十分に生かすことができる。
空気熱交換器5およびシート積層体28のそれぞれに分岐する分岐部48を設けたことにより、空気熱交換器5およびシート積層体28のそれぞれに対して水を供給するポンプを2台必要とすることなく、1台のポンプ26で空気熱交換器5およびシート積層体28に水を供給することができる。これにより、ポンプに消費する動力を抑えることができる。
空気熱交換器5のフィン30間のすべてに水が流下するように散水孔36a,bを形成したので、フィン30全体に水が供給され、外気と水とが接触する面積が増大させられる。これにより、効率的に冷媒を冷却することができる。
また、フィン30の積層方向に延在する長孔となる散水孔36aとし、孔の面積を増大させて孔が詰まり難いようにした。また、複数枚のフィンにわたって水が確実に供給されるという利点も有する。
散水孔36a,bがフィン30の上端面に対して近接して配置されているので、散水孔36a,bから流下する水は、隣接する散水孔36a,bから流下する水と合流してしまう前にフィン30上端部と接触してフィン30へと流下して行く。したがって、すべてのフィン30について万遍なく水を供給することができる。
必要な冷凍能力Q0が得られる空気熱交換器5における冷媒圧力の所定値P0を予め得ておき、この所定値を下回った場合に空気熱交換器5への散水を停止する散水停止手段を設けることとしたので、空気熱交換器5内の冷媒圧力Pcが上昇し、蒸発器9に流れ込む冷媒量が確保され、所望の冷凍能力を得ることができる。
散水を停止するときは、まず、シート積層体28への水の供給を停止して、シート積層体28から散水手段24へ供給される水の温度上昇を行なって、凝縮器である空気熱交換器5における冷媒圧力Pcを徐々に上げるようにした。その後、散水手段24への水供給を停止させることとした。これにより、凝縮器である空気熱交換器5における冷媒圧力が急激に上昇するのを防止することができる。
散水手段24が空気熱交換器5に水を供給しているときは冷凍能力に基づいてファン29の運転台数を制御する制御部18を設けることとしたので、散水時においても必要最小限のファン動力が消費されることとなり、ファン29の使用電力を低減することができる。
散水手段24による散水停止後に、ファン29を全台運転とすることで、散水停止した
場合に凝縮器である空気熱交換器5 の冷媒圧力が急上昇するのを抑えることができる。
散水が開始されると、散水時における定格ファン運転台数とするので、散水時に応じた適切なファン運転が行なわれ、ファン消費電力を抑えることができる。
暖房運転時にはシート積層体28の前面を覆い、冷房運転時には暖房専用空気熱交換器54の前面を覆うカバー58を設けることとしたので、外気を有効に必要な熱交換器へと導くことができる。
なお、本実施形態において、空気熱交換器の冷媒圧力として、空気熱交換器5の出口圧力すなわち空気熱交換器5の液ヘッダー配管と膨張弁7との間の圧力Pcを用いることとしたが、空気熱交換器5の入口圧力すなわち圧縮機3の吐出側と空気熱交換器5のガスヘッダー配管との間の圧力を用いても良い。
次に、上述した本実施形態の室外ユニット20の他の実施形態および参考例について説明する。
図8には、室外ユニット20の参考例が示されている。
本参考例は、第1実施形態にかかる室外ユニット20に対して、給水系統が異なる。
すなわち、ポンプ26a,bを2台設け、空気熱交換器5を流下した散布水は、第一ポンプ26aを介してシート積層体28に直接供給される。また、シート積層体28を流下した冷却水は、第二ポンプ26bを介して空気熱交換器5に直接供給される。
このように、空気熱交換器5を流下して温まった水とシート積層体28を流下して冷却された冷却水とを混合せず、シート積層体28を流下した冷却水を直接空気熱交換器5に供給することとしたので、より低い冷媒凝縮温度が得られるという利点がある。ただし、ポンプを2台用いることになるので、総消費エネルギーを考慮して本実施形態の妥当性を判断する必要がある。
図9には、第2実施形態にかかる室外ユニット20が示されている。
本実施形態は、外気Aがシート積層体28を通過した後に、そのまま空気熱交換器5を通過する構成とされている点で、第1実施形態と異なる。
本実施形態では、シート積層体28に導入した外気Aをそのまま空気熱交換器5に導くこととしたので、設計に自由度が増しコンパクトな構成が可能になるという利点がある。
ただし、シート積層体28を通過することによって相対湿度が上昇した空気を空気熱交換器5に導くこととなるので、空気熱交換器5に散布された散布水から蒸発した水を多く取り込めず、十分に低い冷媒凝縮温度が得られない場合がある。
図10を用いて、空気熱交換器5の他の実施形態を説明する。
同図には、空気熱交換器5が上下に分割されたものが示されている。つまり、空気熱交換器5は、上側空気熱交換器5aと、下側熱交換器5bとに分割されている。
上側空気熱交換器5aと下側空気熱交換器5bとの間には、中間トレイ35が設けられている。中間トレイ35には、ポンプ26からバルブ37を介して貯留トレイ46からの水が供給されるようになっている。
本実施形態では、例えば空気熱交換器5の高さが2mを超える場合、製造が困難なのに比べて、空気熱交換器5が分割されているので、容易にかつ安価に製造できるという利点がある。
また、空気熱交換器を上下に分割することによって、空気熱交換器5a,bのフィン30の表面全体を濡らすことが容易になり、より低い凝縮冷媒温度が得られるという利点がある。
本発明である空気調和機の第1実施形態および参考例1を示した概略構成図である。 (a)は散水手段と空気熱交換器の位置関係を示した側面図であり、(b)はトレイに堰が設けられた状態を示した断面図である。 空気熱交換器のフィン上端を平面視して散水孔の位置を示しており、(a)は散水孔が長孔とされている場合、(b)は丸孔とされている場合を示した平面図である。 室外ユニットの外観を示した斜視図である。 室外ユニットの正面にカバーを設けた場合を示し、(a)はシート積層体の前面を覆った状態、(b)は暖房専用空気熱交換器の前面を覆った状態を示した側面図である。 外気(乾球)温度と露点との関係で散水を行うのに適した散水領域を示した図である。 散水時と非散水時におけるファン出力を示した図である。 室外ユニットの参考例を示した概略構成図である。 室外ユニットの第2実施形態を示した概略構成図である。 空気熱交換器の他の実施形態を示した側面図である。
1 空気調和機
3 圧縮機
5 空気熱交換器
7 膨張弁
9 蒸発器
13 チラー(冷水取得手段)
18 制御部(ファン制御手段、散水停止手段)
20 室外ユニット
24 散水手段
26 ポンプ
28 シート積層体(散布水冷却手段)
29 ファン
30 フィン
32 パイプ
36 散水孔(孔部)
46 貯留トレイ(貯留部)
48 分岐部
54 暖房専用空気熱交換器

Claims (10)

  1. 圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、該空気熱交換器に水を散布する散水手段と、を備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、
    前記散水手段に供給する水の系統には、該水が流過する間に外気と接触させて該水を冷却する散布水冷却手段を備え、
    前記空気熱交換器を通過した水と前記散布水冷却手段を通過した水とを合流させる貯水部と、
    該貯水部に貯留された水を汲み上げるポンプと、
    該ポンプによって汲み上げられた水を前記空気熱交換器および前記散布水冷却手段のそれぞれに分岐する分岐部と、
    を備えていることを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  2. 前記空気熱交換器は、略鉛直方向に複数枚立設された板状のフィンと、前記冷媒を流すとともに前記フィンの略法線方向に貫通配置された複数のパイプとを備え、
    前記散水手段は、前記空気熱交換器の上方に配置され、
    該散水手段の下部には、水を流下する孔部が前記フィンの積層方向に所定間隔で複数形成されているとともに、
    これら孔部は、隣接する前記各フィン間のすべてに水を流下するように前記積層方向に直交する方向に複数列設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室外ユニット。
  3. 前記孔部は、前記積層方向に延在する長孔とされていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室外ユニット。
  4. 前記孔部は、前記フィンの上端面に対して近接する位置に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の空気調和機の室外ユニット。
  5. 圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、該空気熱交換器に水を散布する散水手段と、を備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、
    前記散水手段に供給する水の系統には、該水が流過する間に外気と接触させて該水を冷却する散布水冷却手段を備え、
    前記空気熱交換器へ導入される外気の状態が、各外気温度に対して散水を行う露点または湿球温度の範囲が示された散水領域にない場合に、前記散水手段から前記空気熱交換器への水の供給を停止する散水停止手段が設けられ、
    前記散水停止手段は、前記散布水冷却手段への水の供給を停止した後に、前記散水手段から前記空気熱交換器への水の供給を停止することを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  6. 蒸発器から冷熱を得て冷却された冷水を外部へ供給する冷水取得手段と、
    該冷水取得手段によって流される水の流量と、該水の前記蒸発器に対する入口温度および出口温度とによって冷凍能力を算出する冷凍能力算出手段と、
    前記空気熱交換器に外気を送る1又は複数のファンと、
    前記散水手段によって前記空気熱交換器に水を供給しているとき、前記冷凍能力算出手段によって得られた冷凍能力に基づいて、前記ファンの運転台数および/または回転数を制御するファン制御手段と、
    を備え、
    前記ファン制御手段は、前記散水手段による水の供給が停止された後に、すべての前記ファンを運転させる、または、すべての前記ファンを非散水時の定格回転数で運転させて、再び前記散水手段による水の供給が開始された後に、散水時における定格ファン運転台数または定格回転数で前記ファンを運転することを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  7. 暖房運転時には、前記散布水冷却手段の外気に対する前面を覆う散布水冷却手段用カバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機の室外ユニット。
  8. 暖房運転時に外気と熱交換を行なう暖房専用空気熱交換器を備え、
    冷房運転時には、前記暖房専用空気熱交換器の外気に対する前面を覆う暖房専用空気熱交換器用カバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機の室外ユニット。
  9. 前記散布水冷却手段と前記暖房専用空気熱交換器とは、これらを収納する筐体の同一面に設けられ、
    前記散布水冷却手段用カバーと前記暖房専用空気熱交換器用カバーとは、同一のカバーとされ、
    該カバーは、冷房運転時には前記散布水冷却手段の前面から退避して前記暖房専用空気熱交換器の前面を覆い、暖房運転時には前記暖房専用空気熱交換器の前面から退避して前記散布水冷却手段の前面を覆うことを特徴とする請求項に記載の空気調和機の室外ユニット。
  10. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する空気熱交換器を備えた請求項1〜9のいずれかに記載の空気調和機の室外ユニットと、
    前記空気熱交換器において凝縮された冷媒を膨張させる膨張手段と、
    該膨張手段において膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
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