JP4484935B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents
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Description
さらに、高精細PDPでは書き込み動作を行なうセル数が増えるため、1セルの書き込みに割り当てられる時間が短くなり、放電の遅れ時間が問題となる。すなわち、アドレスパルスの印加時間内に書き込み放電が行われない場合がある。そのため、プライミング放電の効果を十分に生かす必要が生じる。
図1は本発明によるプラズマディスプレイパネルの駆動波形の第1の実施例を示す波形図であり、図に示す波形図を用いて、本発明のPDPの駆動方法の一実施例について後述する。
図6において、1フィールドを構成するサブフィールドはサステインパルス数が多い順に配置されているが、サブフィールドの並び順は任意でよい。
図7は発光表示期間の最終サステインパルスで放電が行われた後の第1の実施例におけるセル内の電荷の状態を示す模式図である。また、図8はXプライミングパルスで放電が行われた後の第1の実施例における電荷の状態を示す模式図である。図7に示すように、最終サステインパルス2の放電が終了すると、セル内には放電ガスが電離して正電荷38(プラスイオン)と負電荷39(電子)が生じる。最終サステインパルス2の電圧はX電極22に印加されるため、負電荷3
9はX電極22近傍の誘電体26上に集まり、正電荷38はY電極23近傍の誘電体26上に集まる。尚、誘電体26上には保護層27が設けられているが、この保護層27は厚さが1μm以下で有り、非常に薄いため、誘電体26の一部として説明を省略する。
誘電体26上に正電荷38が集まる。この電荷によって、放電空間に生じる電圧差が小さくなると放電は停止する。この後、Xプライミングパルス3の電圧がさらに上がると再び放電が起こり、X電極22近傍の誘電体26上に負電荷39、Y電極23近傍の誘電体26上に正電荷38が集まると共に放電も停止する。このように、Xプライミングパルス3によって、1回乃至数回のプライミング放電13が起こる。この放電13による電荷生成作用が、1回乃至数回繰り返されることによって、図8に示すように放電空間および誘電体26上に電荷が生成される。このうち、放電空間に残った電荷は続く書き込み期間のアドレス放電のきっかけとなり、電圧が印加されてから放電が始まるまでの遅れ時間(放電遅れ)を少なくする働きを持つ。以降、この効果をプライミング効果と呼ぶ。尚、この時の放電13は最小の電圧で起こる弱い放電であり、流れる電流は少なく、発生する紫外線量も少ない。また、この時の誘電体26上の電荷は図7に示す電荷状態と略同じである。
続いてY電極23には正電圧のY2消去パルス7が印加される。この際の誘電体26上の電荷状態とY2消去パルス7の波形は、Y1消去パルス6の場合と略同じである。従って、Y電極23にY2消去パルス7が印加されると、同様のメカニズムで1回乃至数回の消去放電14が発生して誘電体26上の電荷は中和消去される。
なお、規制パルス10はアドレス電極29側に正電荷が集まるのを防止するためにアドレス電極29に印加される。
以上のように黒表示のセルで発生する放電はXプライミングパルス3による放電とY2消去パルス7による放電だけであり、どちらも弱い放電であるため、発光量が少なく、コントラストが高くなる。また、放電電流が少なく、回路の負荷を低減することができる。
れているため、サステインパルスと略等しい電圧では放電することはなく、第1の実施例と同じ動作が得られる上、Xプライミングパルス51の幅を短くすることができる。
図11はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第3の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。図において、(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
尚、この休止期間54はサブフィールド毎にその直前のサステイン放電の回数に応じて長さを変えてもよい。
図12はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第4の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。図において、(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
図13はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第5の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加する電圧波形を示している。図13において、(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
図14はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第6の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。図において、(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
図15はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第7の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。図において(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
図16はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第8の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。図において、(a)は1本のX電極22に印加される電圧波形、(b)は1本のY電極23に印加される電圧波形、(c)は1本のアドレス電極29に印加される電圧波形である。また、(d)は放電による発光を示す。また、横軸は時間tを示す。
本実施例において、Y1消去パルス6及びY2消去パルス7をパルス64に示すように時間に対して直線的に立ち上がるように構成してもよい。
以上のように、本実施例1から8では表示に関係ない黒部の発光を低減すると
共に放電電流を低減できる。
図17はプラズマディスプレイパネルを駆動する電圧波形の第9の実施例を示す波形図であり、略1つのサブフィールドとその直前の発光表示期間に各電極に印加される電圧波形を示している。
図18はY2消去パルスによる放電後の第9の実施例におけるセル内の電荷状態を示す模式図である。
図に示すように、X電極は第1のX電極22a、第2のX電極22bの二つの群に分けられ、それぞれ、X駆動回路34a、34bに接続されている。Y電極も同様に第1のY電極23a、第2のY電極23bの二つの群に分けられ、それぞれ、Y駆動回路35a、35bに接続されている。尚、第1のX電極22aと第1のY電極23a、第2のX電極22bと第2のY電極23bはそれぞれ、同じセル内に配置され、これらの電極の間で放電を行なう。本実施例では第1の電極群は奇数行目のセルの電極であり、第2の電極群は偶数行目のセルの電極である。他の構成要素は図5に示す第1の実施例と同じであり、同一番号を付けて説明を省略する。
本実施例においては、Y2消去パルス7a、7bから最初のサステインパルス5aの前までの期間、すなわち、Y2消去パルス7a、第2の幅広消去パルス62a、及び書き込み放電期間のスキャンパルス8aを連続する期間の間に、第1電極群である奇数行目のセルの第1のY電極23aに印加し、第1のY電極23aにこれらのパルスを印加した後、Y2消去パルス7b、第2の幅広消去パルス62b、及び書き込み放電期間のスキャンパルス8bを第2のY電極23bに印加している。このように本実施例においては、第1の電極群である奇数行のセルの電極と第2電極群である偶数行のセルの電極とでパルスを印加する期間を変えている。
本実施例においては、X電極及びY電極を2群に分けているが、3群以上に別けてもよい。
Claims (13)
- 第一の電極と、前記第一の電極と対をなす第二の電極と、前記第一の電極及び第二の電極と交差する第三の電極とを有し、複数のサブフィールドを用いて画像を表示するプラズマディスプレイの駆動方法であって、
前記第三の電極にアドレスパルスを印加することによりセルを選択するアドレス期間と、前記セルを放電させる維持放電期間とを有し、
前記維持放電期間の後に前記第一の電極と前記第二の電極との間に時間とともに第1の方向に変化する第一のパルスを印加し、
前記第一のパルスの印加後に、前記第一の電極と前記第二の電極との間に時間とともに前記第一の方向とは異なる第二の方向に変化する第二のパルスを印加し、
前記第二のパルスの印加後に、前記第一の電極と前記第二の電極との間に時間とともに前記第一の方向に変化する第三のパルスを印加し、
前記第三のパルスの印加後に前記アドレス期間が配置され、
前記第二のパルスの印加時の第一の電極と第二の電極の電位差の絶対値は、前記第一のパルス印加時の第一の電極と第二の電極の電位差の絶対値および前記第三のパルス印加時の第一の電極と第二の電極の電位差の絶対値よりも大きく、
前記第一のパルス、前記第二のパルスまたは前記第三のパルスが印加されているときに、前記第三の電極に前記アドレスパルスと同じ極性の電圧を印加し、
前記第一のパルスが印加される期間と前記第二のパルスが印加される期間の間に前記第一の電極、前記第二の電極および前記第三の電極を全てグラウンド電位とする期間が設けられることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 前記維持放電期間の後、次のアドレス期間の間に前記第三の電極をグランド電位とする期間を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第三の電極に印加されるアドレスパルスと同じ極性の電圧は、前記第一の電極または前記第二の電極に印加される電圧と同じタイミングで印加されることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは壁電荷を形成し、前記第一のパルスおよび前記第三のパルスは形成された壁電荷を消去するパルスであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは、前記第一の電極と第二の電極の間に放電開始電圧を超える電圧を印加するパルスであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは、前記第一の電極と第二の電極の間に所定の電位を印加した後徐々に電位差を増加させるパルスであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは、前記第一の電極と第二の電極の間に印加される維持放電パルスと同じ電位まで立ち上がった後、徐々に電位差を増加させるパルスであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは、アドレス放電を起こりやすくする空間電荷を形成するパルスであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第二のパルスは、少なくとも1つのサブフィールドにおいて省略されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第一のパルスおよび前記第三のパルスは維持放電期間におけるパルスの電圧値を越えない電圧を前記第一の電極と前記第二の電極との間に印加することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 第一の電極と、前記第一の電極と対をなす第二の電極と、前記第一の電極及び第二の電極と交差する第三の電極とを有し、複数のサブフィールドを用いて画像を表示するプラズマディスプレイの駆動方法であって、
発光させるセルを選択するアドレス期間と、選択されたセルを放電させる維持放電期間とを有し、
前記維持放電期間の後であって、次のサブフィールドのアドレス期間の前に、前記第一の電極と前記第二の電極との間に時間とともに電圧値が変化する第一のパルス、第二のパルスおよび第三のパルスを順に印加し、
前記第一のパルスおよび第三のパルスは、電圧の変化する方向が同一であり、前記第二のパルスは、前記第一のパルスおよび第三のパルスとは電圧の変化する方向が異なり、
前記第二のパルス印加時に第一の電極と第二の電極に生じる電位差の絶対値は、前記第一のパルス印加時および前記第三のパルスの印加時に第一の電極と第二の電極に生じる電位差の絶対値よりも大きく、
前記第三の電極に、前記アドレス期間に印加されるアドレスパルスと同極性の電圧が印加され、
前記第一のパルスが印加される期間と前記第二のパルスが印加される期間の間に前記第一の電極、前記第二の電極および前記第三の電極を全てグラウンド電位とする期間が設けられることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 前記維持放電期間の後、次のサブフィールドのアドレス期間の間に前記第三の電極をグランド電位とする期間を有することを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記第三の電極に印加される電圧は、前記第一の電極または前記第二の電極に印加される電圧と同じタイミングで印加されることを特徴とする請求項11または12に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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