JP4484851B2 - 合板デッキパネル - Google Patents
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Description
通常、このようなデッキフロアの施工では、各根太材は互いに平行に配置し、床板を根太材に直交する方向に敷設する(特許文献1)。
床板の敷設の際、床板の端部が根太材同士の間(根太材がない位置)に位置しているときには、この部位の下に新たに床支持脚を配置し、これに新たに補強根太材を架設して、上記床板の端部を固定する方法がとられるか、または、手前の根太材の位置で一方の床板の端部を切断し、床板の端部を切断した根太材の位置で他方の床板の端部を繋ぎ固定する方法がとられている。
そして、この時に使用される床板は、1枚の細長い板材に形成されているため、予定された平面に根太材の上で順に1枚ずつ手作業で敷き詰めることになる。
ジョイントを用いて床板を施工する場合、あらかじめ床板の両側端縁に厚さ方向の中央部に床板の全長にわたり、ジョイント係合用の溝を刻設し、隣合う床板の各溝に挿入可能な厚みを有する結合片を備えた側面形状が十文字あるいはエ文字等の形状に形成されたジョイント具によって、特別に釘打ちすることなく、床板を根太材に配置することができるようになる。
このジョイント具はアルミニウムあるいは合成樹脂等の軽量な材料で形成し、エ文字形のジョイント具の場合では、下側の座を形成する板片に孔を設けておき、床板の位置が確定したときにはクギや木ネジ等を用いて根太材に固定することができる。
この場合には、下地面の不陸に対応するため、複数の短冊状板体を等間隔に並べて固定する樹脂製ベース体を用いて、スノコ状床敷ユニットを形成している。
樹脂製ベース体としては、柔軟性を有し、適度な形状保持性を備え、しかも下地面の不陸に応じて変形および屈曲するものであって、押出成形可能で成形性に優れ、材料費も安く、リサイクルが行われて資源の有効利用ができ、工業材料として好適に使用される軟質塩化ビニル樹脂が例示されている。
そして、各スノコ状床敷ユニットは、樹脂製ベース体の両端部に穿設された孔に挿入係止できる突起を四隅に設けた基板を有する連結体を用いて、最大4個連結することができ、スノコ状床敷ユニットを多数敷設しても分離を阻止することができる。
例示の樹脂製ベース体は、裏面より塩化ビニル樹脂の下方からビス等でデッキ材裏面に留め付けるもので、デッキ表面にビスが突出しないように留め付けるため、表面デッキ材のクルイやアバレにより支持力が弱くなり、時間経過に伴い形状に変化を生じ、使用に耐えなくなる。
このような従来の技術におけるスノコ状床敷ユニットのように標準化パネルを形成し、この標準化パネルを使用したデッキフロア構造およびその施工方法では、軟質塩化ビニル樹脂等からなる樹脂製ベース体を使用すると、その柔軟性が逆に形状安定性に欠ける結果を招き、デッキフロア構造としては不向きとなる。
また、多くのデッキフロアでは、水平な平面を形成することが求められるから、下地面の不陸または水勾配の傾斜等に対しては、高低差が大きくても施工性を良くすることができるようにするためには、連結体の柔軟性が施工性を悪くすることになり、剛性の高い根太材と何らかの高さ調節容易な支持脚が必要となる。
このため、根太材と一体化した剛性の高い木質材料の床板を、支持脚に載置することにより、容易に施工できると共に施工時の作業効率を高めることが望まれていた。
本発明における合板デッキパネルに係る第1の課題解決手段は、繊維方向が長手方向である薄板と交差方向である薄板との組合せを1層とし、全体で5層以上の貼合せとした、デッキフロアを形成するための合板製床板からなり、この合板製床板には周縁部に支持台と結合するための結合部品を挿通する丸孔を穿設し、上面には側辺に平行な長手方向の全長に至る浅い溝を、各溝の間が同一幅となるように多数本刻設し、上記各溝には溝幅と同一幅の裏面に達する深さの長孔を長手方向へ等間隔で断続的に穿設したことを特徴とするものである。
ただし、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
この実施形態における合板デッキパネルは、高耐久なウッドデッキ材の合板によりデッキパネルを形成して敷設する場合について図示説明する。
合板デッキパネル10の材料としては、セランガンバツ、マニルカラー、イベ、ジャラ等が高耐久なウッドデッキ材として好ましく用いられ、このうちセランガンバツが強度、耐久性ともに優れているので特に好ましい。
薄板の貼り合せに使用される合成樹脂接着剤には、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の接着剤が用いられ、このうち特に接着力および耐候性が優れている点でフェノール樹脂接着剤が好ましい。
合板デッキパネル10の上面には、長手方向に延設する直線的な溝13を擬似床板間の隙間(=目地)として、擬似床板の幅に相当する間隔をあけて擬似床板の数よりも1少ない本数だけ平行に刻設する。
このように仕上げられた合板デッキパネル10は、根太材を具備したパネル以上の曲げ強度を有し、そのまま支持台21の上に載置して、丸孔11に挿通したねじ部品12を支持台21にねじ込むことにより、支持台21に合板デッキパネル10を固着する。
L=L1+L2+L3 … (1)
ここに、L1=W+M/2 … (2)
L2=W+M … (3)
L3=W+M/2 … (4)
従って、Lは式1に式2〜式4を代入すると、
L=W+M/2+W+M+W+M/2
よって、L=3W+2M … (5)
となり、パネル長さLはパネル幅Wの3倍に目地寸法Mの2倍を加えた長さに等しい。
W=nw+(n−1)m=n(w+m)−m … (6)
となり、擬似床板20の幅wと各擬似床板間の隙間mを加えたものに取付枚数nを乗じた値に擬似床板間の隙間mを1つ分引いたものに等しくなる。
このパネル幅Wと擬似床板20の幅wとの関係から
w=(W+m)/n−m … (7)
と変形でき、パネルの大きさから1枚分の擬似床板20の幅wか取付枚数nの何れかを決めると他方が確定する。
丸孔11は角部では各端面から20mmの位置に穿設し、この丸孔11から長手方向へ577.5mm中央側に寄せた位置に、側端面からの距離を20mmに統一して次の丸孔11を穿設すると、中央部に長手方向で600mmの丸孔間の間隔があき、1つのパネルに各側端部に4個づつ計8個の丸孔が穿設されることになる。
また、擬似床板間の隙間としての溝13には、端面から長手方向の72.5mmの位置から長さ150mmの長孔14を150mmの間隔で穿設すると、1本の溝13に長孔14を6個穿設することができる。
このような寸法の製品を標準寸法の合板デッキパネル10として製作する。
規格外の大きさになる部分では、必要に応じて長さや幅の異なる寸法のパネルを製作することになるが、基本的には標準的な大きさの合板デッキパネル10を利用して切り貼りして用いるようにする。
例えば、標準的な長さよりも短くする場合、ねじ部品12を挿入する丸孔11の取付間隔の1ピッチ分よりも短くするパネル長さに対しては、切落し部分を確定し、加工側の端部に設定している切落し部分よりも内側に定規をずらして線引きし、線引きに従い、先端側の長さ超過分を切り除く。
このように構成した合板デッキパネル10は、以下のような作用効果を奏する。
(1) 合板によって1枚の厚板を形成して、床板と根太材を結合した部材と同様の機能を有する外部デッキフロア形成用の部材を得ることができる。
(2) 支持台にねじ部品を用いて固定でき、必要な大きさのデッキが効率良く形成できる。
(3) パネルを標準化できるため、パネルの製造工期が短縮でき、製造コストを低減することができる。
(4) 床板と根太材との形状および結合方法を考慮する必要がないため、様々な形状のパネルの形成が容易にでき、設置場所に応じた対応がし易くなる。
(6) 上面に刻設された溝により、多数の床材を取り付けているように見せることができ、パネルを複数敷設する時には、同じ目地寸法で同じように敷設でき、従来型のデッキパネルとも見栄え良く接続することができて、新設および部分的補修のどちらにも効果的に使用できる。
(7) 長手方向に刻設した溝には、同一溝内で長手方向へ等間隔に穿設した長孔を多数設けたことにより、上面に降りかかった水を各長孔から効果的に下面側へ流出させることができて、パネル全体の水はけを良くし、耐水性が効果的に維持されて、デッキの耐久性を向上することができ、このためデッキ利用者の歩行性を良くし、すべりや転倒を防止することができる。
(9) 合板を形成する薄板を貼り合せる接着剤として合成樹脂接着剤、特に好ましくはフェノール樹脂接着剤を用いたことにより、接着剤を硬化するとともに貼合せ側に圧縮力を与えて硬く締め固めることができ、固着後の板材の強度を向上させることができて、耐久性や耐候性を向上することができる。
このような実施の形態は、発明の趣旨を理解しやすくするため具体的に説明しているが、発明内容を限定するものではないから、特に説明されていない別の態様を制限するものではなく、適宜変更しても良い。このような意味で発明の趣旨に沿ういくつかの別態様を以下に示す。
ウッドデッキの表面に塗装することは、特に実施形態では述べていないが、周囲の環境や依頼者の意向に従って表面に塗装しても良い。
上面に刻設した溝は、実施形態では直線状に形成したが、必要に応じて形状を変えて、溝形状を曲線状に形成しても良い。
同様に、溝内に穿設した長孔に変えて、漏斗状の孔に形成し、周縁部が溝からはみ出すようになっても良い。
11 丸孔
12 ねじ部品
13 溝
14 長孔
21 支持台
L パネル長さ
L1,L3 パネル端部から丸孔穿設位置の中心位置までの長さ
L2 パネル端部を含まない位置における丸孔穿設位置の中心位置から隣の丸孔穿設位置の中心位置までの長さ
M (目地の)幅
W パネル幅
m 擬似床板間の隙間
w 擬似床板の幅
Claims (2)
- 繊維方向が長手方向である木製薄板と交差方向である木製薄板との組合せを1層とし、全体で5層以上の貼合せとした、デッキフロアを形成するための合板製床板からなり、
この合板製床板には周縁部に支持台と結合するための結合部品を挿通する丸孔を穿設し、
上面には側辺に平行な長手方向の全長に至る浅い溝を、各溝の間が同一幅となるように多数本刻設し、
上記各溝には溝幅と同一幅の裏面に達する深さの長孔を長手方向へ等間隔で断続的に穿設した
ことを特徴とする合板デッキパネル。 - 前記合板を形成する薄板を貼り合せる接着剤をフェノール樹脂接着剤としたことを特徴とする請求項1記載の合板デッキパネル。
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