JP4483311B2 - レンズ装置及びレンズホルダ用成形金型 - Google Patents

レンズ装置及びレンズホルダ用成形金型 Download PDF

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Description

本発明は、鏡筒などに組み込まれる、レンズを収納固定するためのレンズホルダを有するレンズ装置及びレンズホルダ用成形金型に係り、特に、携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)あるいはパーソナルコンピュータに内蔵されるような超小型のデジタルカメラのレンズホルダに関する。
銀塩フィルムを用いるコンパクトカメラの代替商品として普及してきたデジタルカメラは、プリンターの高性能化とともに、今やA4サイズ程度までの拡大プリントを行っても、銀塩フィルム、例えばカラーリバーサルフィルムによる印画紙へのプリントと遜色ないまで高画質化が進んでいる。また、デジタルカメラでは、上手く写っていない画像ファイルは即、小型のディスプレイ画面上で「ごみ箱」へ捨てることができ、無駄なプリントをしなくて済み、パーソナルコンピュータとの連携によりサムネイル画像での一覧が行えるため画像ファイルの管理がし易いなどの使い勝手の良さから急速に普及している。
一方、携帯電話、携帯情報端末などではデジタルカメラの内蔵が標準とさえいえるような状況となっており、手の平に収まるサイズという限られた大きさに種々の機能が組み込まれ、その高機能化が著しく進展している。そして、携帯電話会社各社にあっては、インターネット関連の情報提供サービスに加え、写真(画像)付電子メールのサービスなども標準的なものとなっている。これに応じてデジタルカメラ付携帯電話で、カメラ有効画素数が100万画素を越えるような撮像素子を搭載したものも市場に投入されるようになっている。
図8A及びBは、このようなデジタルカメラ付携帯電話の例を示したものであり、図8Aは本体に対して蓋体を起こすようにして開いたときの斜視図、図8Bは図8Aの状態からさらに蓋体を開いたときの斜視図である。
この携帯電話を概説すると、図8A及びBで100はデジタルカメラ付携帯電話を示し、本体101と蓋体102から構成され、一端の回動軸で開閉自在となされている。
図8Aにおいて、本体101の上面には複数の番号キー103とマイク(送話口)104などが設けられ、下面には図示しない電池パックが内蔵される。蓋体102の表面側には、図8Aに示すように、カメラのレンズ部107と近接撮影用のマクロスイッチ108などが設けられ、裏面側には、図8Bに示すように、レシーバー(受話口)105とメインディスプレイ106などが設けられる。
そして、通常の通話だけでなく、電子メールの送受信、また、レンズ部107とその内部に設けられている撮影装置による撮影とこのときの撮影画像の保存、さらには電子メールの添付ファイルの送信などを行うことができる。
なお、本例の携帯電話100に内蔵されたデジタルカメラには、マクロスイッチ108によるマクロ機能、例えば焦点距離切り換え機能が備えられており、この焦点距離切り換え機能により、比較的近くから遠くまでの被写体に対して十分な画質で撮影できるようになっている。
このような携帯電話100、携帯情報端末などに内蔵されるデジタルカメラを構成する撮像装置50の例を、図9及び図10を参照して説明する。図9は、撮像装置50の全体外観を示す斜視図であり、図10は撮像装置50を構成するレンズ装置1の構成を示す分解斜視図である。
図9は、マクロ機能を有する撮像装置50の全体構成を示し、撮像装置50はレンズ装置1と実装基板40から構成されている。実装基板40は、図10に示すように、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子43が実装された図示しないパッケージが搭載された多層配線板による実装基板41、及び携帯電話内での配線引きまわしの自由度を確保するため可撓性を有するフレキシブル配線基板などからなる配線基板42から構成される。
レンズ装置1は、図9に示すように、鏡筒組立10及びハウジング35から構成される。
ハウジング35は、図10の分解斜視図に示すように、プラスチック成型などで鏡筒11と一体に形成されている。また、実装基板41に設けられたパッケージを覆う面の中央に円形の孔を穿って鏡筒11が一体に設けられ、固体撮像素子43に対して鏡筒11の光軸調整ができるようになされている。
鏡筒組立10は、図10の分解斜視図に示すように、ハウジング35と一体に形成されている鏡筒11、バネワッシャ15、レンズが組み込まれたレンズホルダ13及びフォーカスリング14から構成されている。
鏡筒11は、図10に示すように、ハウジング35とプラスチックなどで一体に成形された筒体であり、この筒体の先端面から筒体の途中まで筒中心に対して、略120°ピッチで3箇所の切欠き11a,11a,11aを略同じ長さに設ける。また、筒体の円周部でハウジング35との接合部に、後述するフォーカスリング14の外れ止め凸部14dと係合して固定するための係合溝11b,11b,11bを3箇所設ける。さらに、1つの切欠き11aに対応して筒体の外周でハウジング35との接合部に、バネワッシャ15の回り止めとなる突起11cが設けられる。
バネワッシャ15は、高弾性の金属などで座金状とされたもので座面を波状に成形し、孔の中心軸方向に付勢力を付与したものである。そして、内周の一箇所に切欠き15aが設けられる。
フォーカスリング14は、筒体の一端の外周にフランジを一体に設けた形状をしており、筒体に螺旋状の3箇所のガイド長孔14a,14a,14a、筒体の外周面にマクロレバー14b、筒体の一端の内周面に3箇所の凹部14c,14c,14c及び3箇所の外れ止め凸部14d,14d,14dをプラスチック成形により一括形成する。
レンズホルダ13は、図11に示すように、筒体13bの、内径を前レンズ12より大きく、外径を鏡筒11の内径よりも僅かに小さくプラスチック成形などによって形成される。
そして、筒体13bの外周面には3本の係合ピン13a,13a,13aが、筒体13bの端面から略同一距離で、外周の中心軸に対して略120°のピッチとなる位置から、筒体13bの外周法線方向に設けられ、その長さは後述するフォーカスリング14の筒体の外径と略同じで、外径寸法が鏡筒11の切欠き11aの幅より小さくなるように形成される。
このように構成される鏡筒組立10は、図10に示すように、先ず鏡筒11の突起11cにバネワッシャ15の切欠き15aを合わせ鏡筒11にバネワッシャ15を組み込む。
次に、鏡筒11の切欠き11a,11a,11aにレンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aを合わせるようにして鏡筒11内にレンズホルダ13を組み込む。このとき、係合ピン13a,13a,13aの先端部分が、鏡筒11の外周面から突出するようになされる。
次に、図10に示すように、フォーカスリング14の凹部14c、14c,14cを鏡筒11の切欠き11a,11a,11aと合わせてから、レンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aの先端部に被せるようにして押し込む。
最後に、このフォーカスリング14を反時計回りに回動して、外れ止め凸部14dを鏡筒11の係合溝11b,11b,11bと係合させ、所定角度の回動ではフォーカスリング14が外れないようにする。
このように組み込まれた鏡筒組立10は、図9に示すように、バネワッシャ15でハウジング30に対してフォーカスリング14が、がたがないように光軸方向に付勢される。そして、螺旋状に設けられたフォーカスリング14のガイド長孔14a,14a,14aの中に係合ピン13a,13a,13aが配され、さらにこの係合ピン13a,13a,13aの先端部が鏡筒11の切欠き11a,11a,11aと係合するものとなっている。
このため、マクロレバー14bを操作してフォーカスリング14を回動すると、フォーカスリング14が鏡筒11の周りを回転するとともに、係合ピン13a,13a,13aの先端を鏡筒11の切欠き11a,11a,11aに沿って光軸方向に摺動させ、レンズの繰出し動作をさせることができる。これにより、レンズの焦点位置を変化させることができる。
上述のように、鏡筒組立10の構成部品は、レンズ鏡筒の小型軽量化、低コスト化のためにプラスチック成形で作製されている。
しかし、例えば、プラスチック成形によるレンズ鏡筒の作製においては、鏡筒の内周を形成する金型の形状が真円であっても成形によって出来上がったプラスチック鏡筒の円周がわずかに変形し、特に、出来上がった製品が対称形状でないときには、成形時の「ひけ」の影響で変形が大きくなるという不都合があった。そして、この現象は、プラスチック成形によるレンズホルダなどの作製においても同様であった。
以下、従来のレンズ装置1において、後レンズが圧入で組み込まれるレンズホルダ13について図11及び図12を参照して説明する。図11は、従来のレンズホルダ13の例でレンズ及び光学フィルタが組み込まれた状態の側断面図を示し、図12は、レンズホルダ13の斜視図を示している。
以下では、この図11及び図12を説明するに図10に対応する部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
図11は、従来のレンズホルダ13を示し、前レンズ12、後レンズ16、光学フィルタ17が組込み済みの断面を示し、後レンズ16を取り付ける際に「がた」を避けるため圧入を用いたものである。
レンズホルダ13は係合ピン13a,13a,13aが設けられる筒体13bの内側に、後レンズ16の載置面13c、前レンズ12の載置面13g、光学フィルタ17の載置面13fが、光軸に垂直となるように所定の段差をもって形成される。
特に、後レンズ16の載置面13cの形状は、図12の斜視図に示すように、後レンズ16の固定を載置面13cの周囲の側壁13eのうちの3箇所の平面領域13e-1で行い、それ以外の非ストレート領域13e-2で後レンズ16と接することがないようにしている。さらに、レンズホルダ13の平面領域13e-1での弾性変形によって後レンズ16を固定している。
なお、ここで用いられる前レンズ12と後レンズ16は、例えば光学ガラスの成形などにより形成されるものである。
次に、レンズホルダ13の筒体13bの外径部分に凹部13dを設けるようにしたレンズホルダ13の成形金型構造の例を図13〜図17を参照して説明する。
図13は、レンズホルダ13を成形するための金型20の断面構造を示すものである。金型20は、上金型21、下金型22、挿入金型23及び凹部13d(図11参照)を形成するための3本の挿入ピン24,24,24から構成される。上金型21と下金型22は、レンズホルダ13の係合ピン13aの軸中心を通る面で上下に2分割して作製される。
略円柱形に形成される挿入金型23は、その中心軸が上下金型21,22の中心軸上の1点に略一致するように形成され、成形時には図13に示す位置まで矢印Bの方向に上昇し、成形品の取り出しのとき矢印Aの方向に下降するように動作する。
さらに、3本の挿入ピン24,24,24は、3本の軸中心が上下金型21,22の中心軸の一点に略一致し、挿入ピン24の軸中心が下金型22の上面よりも僅か下となる位置で、係合ピン13a,13a,13aと略対向するように設けられる。そして、挿入ピン24の先端形状は、「ひけ」の影響がないように、例えば図13に示す山形状の凸などに決められる。
図14は、図13に示す金型20を開放した状態の上金型21を斜め下方から見た一部断面斜視図の上下を反転して示した図である。
上金型21は、円柱状の金属で作製され、その上面の中心に大きな円形の穴21aを設ける。そして、その穴底に、中心を一致させて外径がこの穴より小さく厚さがこの穴の深さより少し小さい円板21bを載置する。さらに、この円板21bの上に、円板21bより小さい外径の底面をもつ円錐で下部のみを残してこの上に薄い円板を載せたような突起21dを形成する。
また、上金型21の上面の円形の穴21aの周りには、図14に示すように、上金型21の外周面から円形の穴21aまで通して円弧溝21f、及び上面の途中から円形の穴21aまで半円溝21eが、3箇所ずつ設けられている。そして、半円溝21e,21e,21eと円弧溝21f,21f,21fが120°ピッチで、上金型21の中心に対して対向し半径方向に設けられる。
なお、円弧溝21fは、その円弧の中心が、この上金型21が組み合わされる、後述する下金型22の円弧溝22dの円弧の中心と一致するように形成される。
さらに、上金型21の上面には位置合わせ用の穴21g、21gが設けられる。
上金型21は、大きな円形の穴21aと円板21bとで構成される円環状溝21cが、図11及び図13に示すように、レンズホルダ13の筒体13b-1を形成し、円板21bの上面が、図11に示すように、レンズホルダ13の光学フィルタ17の載置面13fを形成する。そして、突起21dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成する。
また、半円溝21eは、後述の下金型22の半円溝22c(図15参照)とともに係合ピン13aを形成するための空間をなし、円弧溝21fは、後述の下金型22の円弧溝22d(図15参照)とともに挿入ピン24の挿入孔を形成する。
なお、上金型21は、図17に示すように、成形時は上下を反転して成形装置に取付けられる。
図15は、図13に示す下金型22を斜め上方から見た一部断面斜視図と挿入ピン24の斜視図である。
下金型22は、円柱状の金属で作製され、中心から底面まで円形の22aが、上面から底面に到る途中で径を小さくして加工され段差22bを設けている。
ここで、この22aの上部での内径を、上金型21の穴21aの内径と略一致させ、下部の内径を、上金型21の円板21bの外径に略一致するように形成する。
そして、上金型21と同様に、下金型22の上面の円形の穴22aの周りには、図15に示すように、下金型22の外周面から円形の穴22aまで通して円弧溝22d、及び上面の途中から円形の穴21aまで半円溝22cが、3箇所ずつ設けられている。そして、半円溝22c,22c,22cと円弧溝22d,22d,22dが120°ピッチで、下金型22の中心に対して対向し半径方向に設けられる。
また、下金型22の上面には、位置決めピン22e,22eが2箇所埋設される。
さらに、図15に示すように、下金型22の周りには挿入ピン24が円弧溝22dにおいて矢印の方向に、摺動自在に配設される。挿入ピン24は先端が滑らかな曲面をもつ山形をなし、軸部の径が下金型22の円弧溝22dと上金型21の円弧溝21fで形成される摺動孔より僅かに小さく形成されている。
図16は、レンズホルダ13を形成するための挿入金型23を示す斜視図である。
挿入金型23は、図16に示すように、下部が太く上部をそれより細く段差をもつように加工した金属の円柱23aに、薄い円板23dを載せた板23bを、円柱の上面23a-1に載せ一体に形成したものである。図13に示すように、円柱上部の外径が下金型22の22aの下部の内径より僅かに小さく形成されている。
そして、板23bは、円柱23aの上面23a-1の径より小さく外周3箇所の円弧部分を弦状に削除した形状となっており、弦部とした側面23b-1と、円板の外周面(円弧部分)が残っている曲面23b-2が3箇所ずつ設けられている。
成形のとき、図13に示すように、この挿入金型23が、下金型22の中央の22aに挿入され、さらに、挿入ピン24,24,24が下金型22の上面に形成された円弧溝22d,22d,22dに挿入された状態でレンズホルダ13の成形が行われる。
そして、図11及び図16に示すように、挿入金型23の上面23a-1がレンズホルダ13の前レンズ12の載置面13gを形成し、板23bの上面が後レンズ16の載置面13cを形成する。また、挿入金型23の上面23a-1に設けられている23bの側面23b-1,23b-1,23b-1,23b-1が、図12A及びBに示す、レンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1,13e-1,13e-1を形成し、板23bの曲面23b-2,23b-2,23b-2が、図12A及びBに示す、レンズホルダ13の側壁13eの曲面領域13e-2,13e-2,13e-2を形成する。
そして、挿入金型23が下金型22に挿入された状態で、下金型22の22aの上部の内周面と段差22b及び挿入金型23の外周面によって、図11に示すレンズホルダ13の筒体13b-2が形成される。
さらに、上金型21、下金型22及び挿入金型23が組合されて、円板23dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成するようにしている。
図17は、図12に示す従来のレンズホルダ13を形成するための金型20(図13参照)の分解斜視図である。成形のとき、挿入金型23は、下金型22の孔22aを所定位置まで上昇して位置決め固定され、その後上金型21が下降し位置決め穴21g,21gが、下金型22の位置決めピン22e,22eと嵌合して上金型21が位置決め固定される。
それから、上金型21が下金型22に対して高圧で押し付けられた状態で、挿入ピン24,24,24が、円弧溝21fと22dとにより形成された孔を中心に向って所定位置まで摺動され挿入固定される。
その後、金型20が所定温度まで昇温されてから、適宜設けられた樹脂注入用の孔から成形樹脂が、上金型21、下金型22、挿入金型23及び挿入ピン24,24,24で形成された空間に注入される。そして、所定温度まで冷却されてから、下金型22から各金型が解除(図17に示す退避状態)され、成形されたレンズホルダ13が取り出される。
また従来のこの種の成形後の部品形状の適正化に関しては、例えば特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1に開示されている形状適正化策においては、「ひけ」は製品の形状が変わらなければ多数個作っても同じように現れるため、金型を予め補正しておくことにより「ひけ」の影響をなくすようにしている。
また、特許文献1に開示されたものでは、鏡筒の外周部に全周にわたって一様な形状でない、例えばつば部のような膨出部を設けるとき、この膨出部を設けた部分に対応した内径が他の部分より「ひけ」の量が大きくなることから、少なくとも一つの膨出部に対応した部分の金型を予め切削して成形時に鏡筒の内部に突出部を設け、「ひけ」の量を補うようにしている。
特開昭22−2219号公報(第2頁,左上欄)
しかしながら、図11及び図12に示すように、後レンズ16の載置面13cの周りに配設される側壁13eにおいて、後レンズ16が圧入される平面領域13e-1とそれ以外の曲面領域13e-2では、筒体13bの外周面から見たときに肉厚の差が生じることになる。このため、成形部品において、「ひけ」が発生し、レンズホルダ13の筒体13bにゆがみなどを生じさせるおそれがある。
これに対しては通常、外周面の形状にゆがみなどを生じさせないために、図11,図12A及びBに示す、筒体13bの外径部分に凹部13dを設けることが行われるが、これは金型構造の複雑化を招くことになる。
また、従来のレンズホルダ13成形用の金型20では、図13及び図17に示すように、下金型22に対して上下方向に移動してセッティングされる上金型21及び挿入金型23と、上金型21下面及び下金型22の上面に略平行(レンズホルダ13の光軸と直角方向)に移動してセッティングされる複数の挿入ピン24が必要となる。
このため、複数の挿入ピン24,24,24が上金型21と下金型22の周りに配されるため、一回の成形作業で複数のレンズホルダ13を成形するような金型構造にすることは困難であった。このため、多数個を同時に成形することによる低コスト化にとって不都合であった。
すなわち、成形部品を設計する場合においては、極力肉厚を均等に行うことが、各部の寸法を安定させることにつながるが、成形樹脂の圧入を行う場合、圧入後の外形に膨らみが出易いため、圧入後の寸法が安定しないケースがある。そして、レンズホルダの筒体の外周面や後レンズ16の載置面の形状安定化などのための肉抜き部を形成する場合、金型構造が複雑化し金型費用が増加し、特に一つの金型によって多数個の部品を同時に成形する際の妨げを招くものとなっていた。
また、図11に示すように、レンズホルダ13の筒体13bの外周部分に凹部13dを設けなければならないため、この凹部13dの周辺は他形状の突起などを追加係合して他の用途に用いることができなかった。
さらに、後レンズ16をレンズホルダ13に圧入(押し込み)によって取り付けるとき、後レンズ16を変形させてしまい、光学性能を満足できなくなってしまうおそれもあった。これは、後レンズ16が押し込まれるレンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1における変形できる量が小さいため、後レンズ16の厚みが小さいものであるとき、後レンズ16のレンズホルダ13への圧入よって後レンズ16そのものが変形するためである。また、後レンズ16の厚みが大きいとき、レンズホルダ13の外形そのものが変形して鏡筒11との間で光軸方向に摺動させることができなくなるためである。
また、特許文献1に開示されている成形後の部品形状適正化も、上述図11〜図17例と同様の不具合のおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑み、レンズを押し込みにより固定するレンズホルダで、レンズが精度よく位置決めされ外形寸法精度が良好なレンズホルダをもつレンズ装置及びレンズホルダ用成形金型を提案することを目的とする。
上記課題を解決し本発明の目的を達成するため、本発明のレンズ装置は、鏡筒に組み込まれ、同一光軸上に直径の異なる複数のレンズが固定される筒体を備えたレンズホルダを有するレンズ装置において、筒体は、複数のレンズに対応して穴の直径を異ならせることにより段部を設けて連続された複数のレンズ収納部を有し、その段部に、光軸と略平行する方向に延在されて筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を設け、その複数の肉逃げ部を、筒体の内面に弦部をなすように接する複数のリブを設けることによって形成し、その複数のリブの側壁に、複数のレンズのうち、直径の小さいレンズを内接させるようにした
このように構成した本発明のレンズ装置によれば、レンズホルダの外周に「ひけ」対策用の凹部(図11に示す13d)が不要となるので、レンズホルダの成形用の複数の金型を、それぞれ光軸方向にだけ移動できる構成とすることができる。
また、レンズの周りに配設される複数のリブが弾性を有するため、この弾性力によってリブに接するレンズをレンズホルダに確実に固定することができる。更に、弦部をなす複数のリブにレンズを圧入(押し込み)したときに、レンズが外接する複数のリブが弾性により変形して撓むので、レンズを筒体に容易に組み込むことができる。そして、その後は複数のリブの弾性によってレンズが支持及び固定されるので、レンズホルダの外周面にレンズ圧入に伴う変形を与えないようにでき、これにより、レンズ変形のおそれを大幅に低減することができる。
さらに、本発明は、上記記載のレンズ装置において、筒体の外周に、鏡筒と係合する複数の係合ピンを径方向外側へ突出するように設け、複数の係合ピンは、筒体の複数のリブの隣り合うリブ間に配置した
このように構成した本発明のレンズ装置によれば、レンズホルダの外周面に設けられる複数の係合ピンを成形する際の「ひけ」の影響を肉逃げ部が設けられていない部分で吸収するものとなり、レンズホルダの筒体及び複数のリブの寸法精度が確保されるため、固定されるレンズの位置精度とレンズホルダの繰り出し精度を確保でき光学性能を満足させることができる。
本発明のレンズホルダ用成形金型は、レンズが固定される筒体を備えたレンズホルダの光軸方向の一側を形成する第1の穴を有する第1の金型と、レンズホルダの光軸方向の他側を形成する第2の穴を有すると共に第1の金型と接合・分離可能とされた第2の金型と、第2の金型側に配置されると共に先端部が第2の穴内に挿入可能とされた第3の金型と、を備え、第3の金型の先端部に、光軸と略平行する方向に延在されて筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を形成するための突起部を設けた。
このように構成した本発明のレンズホルダ用成形金型によれば、レンズホルダとその肉逃げ部の一体成形が、複数の金型をそれぞれ光軸方向に移動させるだけで実施することができる。さらに、外周面に設けられた係合ピンの成形の際の「ひけ」の影響が低減され、レンズホルダの外径及びレンズ装置部分の寸法精度を向上させることができる。
本発明のレンズ装置およびレンズホルダ用成形金型によれば、金型構造が簡単となるので金型費用を抑えることができる。さらに、上下の金型の外周に挿入ピンを配置する必要がないので、1回の成形作業で多数個取りを行うことができる金型構造を採用することができ、金型費用及び部品費用の抑制と、部品製作(成形)時間の短縮化を図ることができる。
また、レンズホルダの外周には係合ピンのみが配設されるため外周面を広く利用でき、必要に応じて、レンズホルダの外周部分に容易に所望の形状を追加できるようになる。また、鏡筒内面との嵌合長を長くすることができるので、外形寸法精度の緩和または取り付け精度の向上を図ることができる。
さらに、レンズホルダの、弾性変形大きい複数のリブにレンズが圧入(押し込み)されるため、圧入力が抑えられ、レンズを変形させたり破壊させることが減るので良品率が向上し、部品単価を抑制することができる。
以下、本発明のレンズ装置を実施するための最良の形態の例を、図1及び図2、図9及び図10を参照して説明する。以下では、この図1及び図2を説明するに従来例で説明した図11及び図12に対応する部分には同一の符号を付して説明する。
本発明のレンズ装置は、図9〜図12で説明した従来例のレンズ装置と略同一の構成であり、組み込まれるレンズホルダの外形形状は略同一である。ただ、肉逃げ部の構成は、図11及び12に示すように、従来のレンズ装置では、外周面に凹部が設けられているのに対し、本発明のレンズ装置では、レンズホルダ筒体の内部に設けられている点が異なる。
レンズ装置1は、図9に示すように、鏡筒組立10及びハウジング35から構成される。
ハウジング35は、図10の分解斜視図に示すように、プラスチック成型などで鏡筒11と一体に形成されている。また、実装基板41に設けられたパッケージを覆う面の中央に円形の孔を穿って鏡筒11が一体に設けられ、固体撮像素子43に対して鏡筒11の光軸調整ができるようになされている。
鏡筒組立10は、図10の分解斜視図に示すように、ハウジング35と一体に形成されている鏡筒11、バネワッシャ15、レンズが組み込まれたレンズホルダ13及びフォーカスリング14から構成されている。
鏡筒11は、図10に示すように、ハウジング35とプラスチックなどで一体に成形された筒体であり、この筒体の先端面から筒体の途中まで筒中心に対して、略120°ピッチで3箇所の切欠き11a,11a,11aを略同じ長さに設ける。また、筒体の円周部でハウジング35との接合部に、後述するフォーカスリング14の外れ止め凸部14dと係合して固定するための係合溝11b,11b,11bを3箇所設ける。さらに、1つの切欠き11aに対応して筒体の外周でハウジング35との接合部に、バネワッシャ15の回り止めとなる突起11cが設けられる。
バネワッシャ15は、高弾性の金属などで座金状とされたもので座面を波状に成形し、孔の中心軸方向に付勢力を付与したものである。そして、内周の一箇所に切欠き15aが設けられる。
フォーカスリング14は、筒体の一端の外周にフランジを一体に設けた形状をしており、筒体に螺旋状の3箇所のガイド長孔14a,14a,14a、筒体の外周面にマクロレバー14b、筒体の一端の内周面に3箇所の凹部14c,14c,14c及び3箇所の外れ止め凸部14d,14d,14dをプラスチック成形により一括形成する。
図1及び図2は本例のレンズホルダを示し、図1Aは正面図、図1Bは側断面図、図2は斜視図である。
本例のレンズホルダ13は、図1に示すように、筒体13bの、内径を図10に示す前レンズ12より大きく、外径を鏡筒11の内径よりも僅かに小さくプラスチック成形などによって形成している。
また、レンズホルダ13は、図1に示すように、筒体13bの内周面13hに、3枚の板状のリブ13kを設け、肉逃げ部となる凹部13dを、3箇所設ける。
凹部13dの形状は、図1A及びB,図2に示すように、筒体13bの内周面13hと3枚の板状のリブ13kとが光軸と略平行に設けられ、凹部13dの底面が、図1Bに示すように、後レンズ16の載置面13cと略同一となるように形成される。
そして、3枚のリブ13kが内周面13hと接続され、筒体13bの3箇所の凹部13d,13d,13dに対向させて、筒体13bの外周面に3本の係合ピン13a,13a,13aが配設される。
この筒体13bの外周面に設けられる3本の係合ピン13a,13a,13aは、筒体13bの端面から略同一距離で、中心軸に対して略120°のピッチとなるように、外周面から筒体13bの外周法線方向に設けられる。係合ピン13aの長さは、前述のフォーカスリング14(図9参照)の筒体の外径と略同じで、図10に示すように、外径寸法が鏡筒11の切欠き11aの幅より小さくなるように形成される。
このように構成される鏡筒組立10は、図10に示すように、先ず鏡筒11の突起11cにバネワッシャ15の切欠き15aを合わせ鏡筒11にバネワッシャ15を組み込む。
次に、鏡筒11の切欠き11a,11a,11aにレンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aを合わせるようにして鏡筒11内にレンズホルダ13を組み込む。このとき、係合ピン13a,13a,13aの先端部分が、鏡筒11の外周面から突出するように設けられる。
次に、図10に示すように、フォーカスリング14の凹部14c、14c,14cを鏡筒11の切欠き11a,11a,11aと合わせてから、レンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aの先端部に被せるようにして押し込む。
最後に、このフォーカスリング14を反時計回りに回動して、外れ止め凸部14dを鏡筒11の係合溝11b,11b,11bと係合させ、所定角度の回動ではフォーカスリング14が外れないようにする。
このように組み込まれた鏡筒組立10は、図9に示すように、バネワッシャ15でハウジング30に対してフォーカスリング14が、がたがないように光軸方向に付勢される。そして、螺旋状に設けられたフォーカスリング14のガイド長孔14a,14a,14aの中に係合ピン13a,13a,13aが配され、さらにこの係合ピン13a,13a,13aの先端部が鏡筒11の切欠き11a,11a,11aと係合するものとなっている。
このため、マクロレバー14bを操作してフォーカスリング14を回動すると、フォーカスリング14が鏡筒11の周りを回転するとともに、係合ピン13a,13a,13aの先端を鏡筒11の切欠き11a,11a,11aに沿って光軸方向に摺動させ、レンズの繰出し動作をさせることができる。これにより、レンズの焦点位置を変化させることができる。
図1Bは、本例のレンズホルダ13の断面図を示し、後レンズ16、光学フィルタ17を2点鎖線で示している。
レンズホルダ13は係合ピン13a,13a,13aが設けられる筒体13bの内側に、後レンズ16の載置面13c、前レンズ12の載置面13g、光学フィルタ17の載置面13fが、光軸に垂直となるように所定の段差をもって形成される。
このように構成された本例のレンズホルダ13では、内部に設けられる載置面13cの周りの側壁13eをなす3つのリブ13kの光軸側の平面領域13e-1で後レンズ16を固定及び保持することができる。
また、レンズホルダ13の外周には3本の係合ピン13a,13a,13aのみが配設され、図11例の従来のレンズホルダに示すような凹部が外周面にないため、外周面を広く利用でき、鏡筒内面との嵌合長を長くすることができる。このため、外形寸法精度の緩和または取り付け精度の向上を図ることができ、必要に応じて、レンズホルダの外周部分に容易に所望の形状を追加できるようになる。
さらに、後レンズ16が固定されるレンズホルダ13のリブ13kの平面領域13e-1は、図11例の従来のレンズホルダにおける平面領域と比べて弾性変形を大きくすることができるので、圧入力を抑えることができ、レンズを変形させたり破壊させることが減らせ、また、レンズホルダ13の外形形状を変形させるようなことも減らせるたり良品率を向上させることができる。
本例のレンズホルダ13を用いたレンズ装置は、図9〜図10に示した従来のレンズ装置と同様に構成することができる。また、このレンズ装置によれば、薄いレンズを圧入しても後レンズ16自体の変形を生じさせることがなくなり、例え後レンズ16が厚いものであっても、圧入によるレンズホルダ13の変形がその筒体13bの外周面の形状にまで影響を及ぼすことがなくなる。このため、光学的精度を向上させることができるとともに、良品率を向上させることができ、レンズ装置を低コスト化することができる。
次に、本発明のレンズホルダ13(図1及び図2参照)の成形金型構造を実施するための最良の形態の例を、図3〜図7を参照して説明する。以下では、この図3〜図7を説明するに図13〜図17例に対応する部分には同一の符号を付して説明する。
すなわち、本例の金型で成形するレンズホルダ13は、このレンズホルダ13の筒体内の、内周面とレンズの固定部との間に、光軸と略平行な複数の肉逃げ部を設けた形状のものである。
図3は、本例のレンズホルダ13を成形するための金型20の断面構造を示すものである。金型20は、第1の金型である上金型21と第2の金型である下金型22と第3の金型である挿入金型23から構成され、レンズホルダ13の光軸の方向に移動できる金型のみで構成され、従来の図13〜図17例の金型構造と比べ挿入ピンを配設する必要がないものとなっている。
上金型21と下金型22は、レンズホルダ13の係合ピン13aの軸中心を通る面で上下に2分割して作製される。略円柱形に形成される挿入金型23は、その中心軸が上下金型21,22の中心軸に略一致するように形成され、成形ときには図3に示す位置まで矢印Bの方向に上昇し、成形品の取り出しのとき矢印Aの方向に下降するように動作する。
図4は、図3に示す金型20を開放した状態の上金型21を斜め下方からみた一部断面斜視図の上下を反転して示した図である。
上金型21は、円柱状の金属で作製され、その上面の中心に大きな円形の穴21aを設ける。そして、その穴底に、中心を一致させて外径がこの穴より小さく厚さがこの穴の深さより少し小さい円板21bを載置する。さらに、この円板21bの上に、円板21bより小さい外径の底面をもつ円錐で下部のみを残してこの上に薄い円板を載せたような突起21dを形成する。
また、上金型21の上面の円形の穴21aの周りには、図4に示すように、上面の途中から円形の穴21aまで半円溝21eが3箇所設けられている。そして、半円溝21e,21e,21eが120°ピッチで、上金型21の中心に対して半径方向に設けられる。
さらに、上金型21の上面には位置合わせ用の穴21g、21gが設けられる。
上金型21は、大きな円形の穴21aと円板21bとで構成される円環状溝21cが、図1及び図3に示すように、レンズホルダ13の筒体13b-1を形成し、円板21bの上面が、図1に示すように、レンズホルダ13の光学フィルタ17の載置面13fを形成する。そして、突起21dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成する。
また、半円溝21eは、後述の下金型22の半円溝22c(図15参照)とともに係合ピン13aを形成するための空間を形成する。
なお、上金型21は、成形時は上下を反転して成形装置に取付けられる。
図5は、図3に示す下金型22を斜め上方から見た一部断面斜視図である。
下金型22は、円柱状の金属で作製され、中心から底面まで円形の22aが、上面から底面に到る途中で径を小さくして加工し段差22bを設けている。
ここで、この22aの上部での内径を、上金型21の穴21aの内径と略一致させ、下部の内径を、上金型21の円板21bの外径に略一致するように形成する。
そして、上金型21と同様に、下金型22の上面の円形の穴22aの周りには、図5に示すように、上面の途中から円形の穴21aまで半円溝22cが3箇所設けられている。そして、半円溝22c,22c,22cが120°ピッチで、下金型22の中心に対して半径方向に設けられる。
また、下金型22の上面には、位置決めピン22e,22eが2箇所埋設されている。
図6は、図2に示すレンズホルダ13を形成するための挿入金型23を示す斜視図である。
挿入金型23は、図6に示すように、下部が太く上部をそれより細く段差をもつように加工した金属の円柱23aに、薄い円板23dを載せた板23bを、円柱23aの上面23a-1に載せ一体に形成したものである。図3に示すように、円柱上部の外径が下金型22の孔22aの下部の内径より僅かに小さく形成されている。
そして、板23bは、円柱23aの上面23a-1の径より小さく外周3箇所の円弧部分を弦状に削除した形状となっており、弦部とした側面23b-1と、円板の外周面(円弧部分)が残っている曲面23b-2が3箇所ずつ設けられている。
そして、挿入金型23の円柱23aの上面23a-1には、さらに凹部13dを形成するための突起部である3個のブロック23c,23c,23cが、円柱23aの上面23a-1の23bの3箇所の弦部の側面23b-1に対向するように一体に突設されている。
ブロック23cは、上面が板金23bの上面と略同じ高さで、側面23c-1が円柱23aの外周面23a-2から延設され、この側面23c-1と対向する面23c-2が平面をなし、これら曲面と平面をより曲率の小さい2つの曲面で滑らかに形成したような形状としている。
そして、板金23bの弦部の側面23b-1と、ブロック23cの平面とした側面23c-2間隙が、成型後のレンズホルダ13のリブ13k(図2参照)を形成するものとなる。
成形のとき、図3に示すように、この挿入金型23が上述の下金型22の中央の22aに挿入された状態でレンズホルダ13の成形が行われる。
そして、図1及び図6に示すように、挿入金型23の上面23a-1がレンズホルダ13の前レンズ12の載置面13gを形成し、板23bの上面が後レンズ16の載置面13cを形成する。また、挿入金型23の板23bの側面23b-1,23b-1,23b-1が、図1A及びB,図2に示す、レンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1,13e-1,13e-1を形成する。また、23bの曲面23b-2,23b-2,23b-2が、図1A及びB,図2に示す、レンズホルダ13の側壁13eの曲面領域13e-2,13e-2,13e-2を形成する。
そして、図3に示すように、挿入金型23が下金型22に挿入された状態で、下金型22の22aの上部の内周面と段差22b及び挿入金型23の外周面によって、図1A及びBに示すレンズホルダ13の筒体13bを形成する。
また、挿入金型23の上面23a-1に設けられた3個のブロック23c,23c,23cが、図1A及びB, 図2に示すレンズホルダ13の3箇所の凹部13d,13d,13dを形成する。
さらに、上金型21、下金型22及び挿入金型23が組合された図3に示す状態で、上金型21の円板21dと挿入金型23の円板23dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成するようにしている。
図7は、図1A及びB,図2に示す本例のレンズホルダ13を形成するための金型20(図3参照)の分解斜視図である。成形のとき、挿入金型23は、下金型22の22aを所定位置まで上昇して位置決め固定され、その後上金型21が下降し位置決め穴21g,21gが、下金型22の位置決めピン22e,22eと嵌合して上金型21が位置決め固定される。
それから、上金型21が下金型22に対して高圧で押し付けられた状態で、金型20が所定温度まで昇温される。そして、適宜設けられた樹脂注入用の孔から成形樹脂が、上金型21、下金型22、挿入金型23及び挿入ピン24,24,24で形成された空間に注入される。そして、所定温度まで冷却されてから、下金型22から各金型が図7に示す矢印とは逆方向に駆動されて図7に示す退避状態にされ、成形されたレンズホルダ13が取り出される。
このように構成されたレンズホルダ13の金型20では、図3及び図7に示すように、下金型22に対して上下方向に移動してセッティングされる上金型21及び挿入金型23だけで構成できる。
すなわち、図17に示す従来例のような下金型22の上面に平行に移動してセッティングされる挿入ピン24が不要となり、3本の挿入ピンを上下金型21,22の周りに配する必要がなくなるので、金型構造が簡便とすることができる。
そして、複数の金型20を同一平面上に配設しても成形に支障をきたすことがないので、一回の成形作業で複数のレンズホルダ13を成形する、いわゆる多数個取りの金型を作製することが容易に実現でき、成形における低コスト化が達成できる。
この場合、上金型21を複数固定した上金型固定ベース、下金型22を複数固定した下金型固定ベース、及び挿入金型23を複数固定した挿入金型固定ベースを設け、成形樹脂の注入口を分岐し配設する。そして、所定位置にセッティングされた、樹脂を充填するための複数の金型の空間に、同時に樹脂を注入して複数のレンズホルダ13を一括で成形を行うことができる。
また、ほかの多数個取りの金型構造として、上金型21と同じ内部形状を複数刻設した大きな上型金属プレートと、下金型22と同じ内部形状を複数刻設した別の大きな下型金属プレートと、挿入金型23が複数取付けられた挿入金型固定ベースとを設ける。そして、上金型と下金型用の金属プレートと挿入金型固定ベースを、レンズホルダ13の中心軸の方向に移動できるように構成する。さらに、成形樹脂の注入口を分岐して金型内部の複数の樹脂充填空間と接続することで、複数個のレンズホルダ13を一括で成形することができる。
このように構成された本例のレンズホルダの成形金型構造によれば、金型20を構成する上金型21、下金型22及び挿入金型23を、図7に示す上下方向にのみに移動させて成形することができるため、金型構造を複雑にすることなく成形樹脂の「ひけ」に起因する外形寸法への影響を大幅に抑制できる。
また、金型20を複数配設して、容易に多数個取り化ができるため、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
さらに、従来は、レンズホルダの外周面に凹部を設けて「ひけ」による影響の低減化を図っていたため、外周に、係合ピンのほかに凹または凸の形状を設けることはできなかったが、本例の成形金型構造では、外周面には係合ピン13a以外の凹凸部はないため、レンズホルダの外周面に必要に応じて新たに凹または凸の形状を追加して機能を付加することができる。
なお、上述の金型構造の例では、下金型22に対して上金型21が下降し、挿入金型23が上昇して所定の組合わせ状態にして成形樹脂を注入する例で説明した。
この代わりに上金型21に対して下金型22と挿入金型23が上昇して所定位置とする、あるいは挿入金型23に対して上金型21と下金型22が下降して所定位置してもよい。また、全ての金型が、上位置または下位置に移動して所定のセッティング状態としてもよい。さらに、上下の金型及び挿入金型のレイアウトを全く反転するものであってもよい。
さらに、金型を昇降移動させる例で説明したが、金型を横位置にセッティングし、本例の上金型と下金型の開閉動作を横方向としてよいことは勿論である。
また、上述では金型の表面処理について述べていないが、金型内面を鏡面処理した後、浸炭などの表面硬化処理をおこない、耐磨耗性の向上を図ってもよい。
さらに、上下の金型にヒーターを埋設して予備加熱して、1サイクル当たりの成形時間を短縮することができる。
本発明のレンズ装置及びレンズホルダの成形金型構造は、上述例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとりうることは勿論である。
本発明のレンズ装置のレンズホルダの例を示し、A図は正面図、Bは側断面図である。 本発明のレンズホルダの斜視図である。 本発明のレンズホルダの成形金型構造の例を示す側断面図である。 本発明の成形金型のうち、上金型の形状の一部断面斜視図である。 本発明の成形金型のうち、下金型の形状の一部断面斜視図である。 本発明の成形金型のうち、挿入金型の形状の斜視図である。 本発明の成形金型の分解斜視図である。 カメラ付携帯電話の例を示す外観斜視図である。 従来及び本発明に共通するレンズ装置の例の説明に供する斜視図である。 従来及び本発明に共通するレンズ装置の例の説明に供する分解斜視図である。 従来のレンズ装置のレンズホルダの例を示す側断面図である。 従来のレンズホルダの斜視図で、A図は僅か傾けた図、B図は大きく傾けた図である。 従来のレンズホルダの成形金型構造の例を示す側断面図である。 従来の成形金型のうち、上金型の形状の一部断面斜視図である。 従来の成形金型のうち、下金型と挿入ピンの形状の一部断面斜視図である。 従来の成形金型のうち、挿入金型の形状の斜視図である。 従来の成形金型の分解斜視図である。
符号の説明
1・・・・レンズ装置、10・・・・鏡筒組立、13・・・・レンズホルダ、13a・・・・係合ピン、13b・・・・筒体、13d・・・・凹部、13h・・・・内周面、13k・・・・リブ、16・・・・後レンズ

Claims (3)

  1. 鏡筒に組み込まれ、同一光軸上に直径の異なる複数のレンズが固定される筒体を備えたレンズホルダを有するレンズ装置において、
    前記筒体は、前記複数のレンズに対応して穴の直径を異ならせることにより段部を設けて連続された複数のレンズ収納部を有し、
    前記段部に、前記光軸と略平行する方向に延在されて前記筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を設け
    前記複数の肉逃げ部を、前記筒体の内面に弦部をなすように接する複数のリブを設けることによって形成し、
    前記複数のリブの側壁に、前記複数のレンズのうち、直径の小さいレンズを内接させるようにした
    レンズ装置。
  2. 請求項に記載のレンズ装置において、
    前記筒体の外周に、前記鏡筒と係合する複数の係合ピンを径方向外側へ突出するように設け、
    前記複数の係合ピンは、前記筒体の前記複数のリブの隣り合うリブ間に配置した
    レンズ装置。
  3. レンズが固定される筒体を備えたレンズホルダの光軸方向の一側を形成する第1の穴を有する第1の金型と、
    前記レンズホルダの光軸方向の他側を形成する第2の穴を有すると共に前記第1の金型と接合・分離可能とされた第2の金型と、
    前記第2の金型側に配置されると共に先端部が前記第2の穴内に挿入可能とされた第3の金型と、を備え、
    前記第3の金型の先端部に、前記光軸と略平行する方向に延在されて前記筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を形成するための突起部を設けた
    レンズホルダ用成形金型。
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