JP4483311B2 - レンズ装置及びレンズホルダ用成形金型 - Google Patents
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Description
この携帯電話を概説すると、図8A及びBで100はデジタルカメラ付携帯電話を示し、本体101と蓋体102から構成され、一端の回動軸で開閉自在となされている。
図8Aにおいて、本体101の上面には複数の番号キー103とマイク(送話口)104などが設けられ、下面には図示しない電池パックが内蔵される。蓋体102の表面側には、図8Aに示すように、カメラのレンズ部107と近接撮影用のマクロスイッチ108などが設けられ、裏面側には、図8Bに示すように、レシーバー(受話口)105とメインディスプレイ106などが設けられる。
なお、本例の携帯電話100に内蔵されたデジタルカメラには、マクロスイッチ108によるマクロ機能、例えば焦点距離切り換え機能が備えられており、この焦点距離切り換え機能により、比較的近くから遠くまでの被写体に対して十分な画質で撮影できるようになっている。
ハウジング35は、図10の分解斜視図に示すように、プラスチック成型などで鏡筒11と一体に形成されている。また、実装基板41に設けられたパッケージを覆う面の中央に円形の孔を穿って鏡筒11が一体に設けられ、固体撮像素子43に対して鏡筒11の光軸調整ができるようになされている。
鏡筒組立10は、図10の分解斜視図に示すように、ハウジング35と一体に形成されている鏡筒11、バネワッシャ15、レンズが組み込まれたレンズホルダ13及びフォーカスリング14から構成されている。
バネワッシャ15は、高弾性の金属などで座金状とされたもので座面を波状に成形し、孔の中心軸方向に付勢力を付与したものである。そして、内周の一箇所に切欠き15aが設けられる。
そして、筒体13bの外周面には3本の係合ピン13a,13a,13aが、筒体13bの端面から略同一距離で、外周の中心軸に対して略120°のピッチとなる位置から、筒体13bの外周法線方向に設けられ、その長さは後述するフォーカスリング14の筒体の外径と略同じで、外径寸法が鏡筒11の切欠き11aの幅より小さくなるように形成される。
次に、鏡筒11の切欠き11a,11a,11aにレンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aを合わせるようにして鏡筒11内にレンズホルダ13を組み込む。このとき、係合ピン13a,13a,13aの先端部分が、鏡筒11の外周面から突出するようになされる。
最後に、このフォーカスリング14を反時計回りに回動して、外れ止め凸部14dを鏡筒11の係合溝11b,11b,11bと係合させ、所定角度の回動ではフォーカスリング14が外れないようにする。
このため、マクロレバー14bを操作してフォーカスリング14を回動すると、フォーカスリング14が鏡筒11の周りを回転するとともに、係合ピン13a,13a,13aの先端を鏡筒11の切欠き11a,11a,11aに沿って光軸方向に摺動させ、レンズの繰出し動作をさせることができる。これにより、レンズの焦点位置を変化させることができる。
しかし、例えば、プラスチック成形によるレンズ鏡筒の作製においては、鏡筒の内周を形成する金型の形状が真円であっても成形によって出来上がったプラスチック鏡筒の円周がわずかに変形し、特に、出来上がった製品が対称形状でないときには、成形時の「ひけ」の影響で変形が大きくなるという不都合があった。そして、この現象は、プラスチック成形によるレンズホルダなどの作製においても同様であった。
以下では、この図11及び図12を説明するに図10に対応する部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
レンズホルダ13は係合ピン13a,13a,13aが設けられる筒体13bの内側に、後レンズ16の載置面13c、前レンズ12の載置面13g、光学フィルタ17の載置面13fが、光軸に垂直となるように所定の段差をもって形成される。
なお、ここで用いられる前レンズ12と後レンズ16は、例えば光学ガラスの成形などにより形成されるものである。
略円柱形に形成される挿入金型23は、その中心軸が上下金型21,22の中心軸上の1点に略一致するように形成され、成形時には図13に示す位置まで矢印Bの方向に上昇し、成形品の取り出しのとき矢印Aの方向に下降するように動作する。
上金型21は、円柱状の金属で作製され、その上面の中心に大きな円形の穴21aを設ける。そして、その穴底に、中心を一致させて外径がこの穴より小さく厚さがこの穴の深さより少し小さい円板21bを載置する。さらに、この円板21bの上に、円板21bより小さい外径の底面をもつ円錐で下部のみを残してこの上に薄い円板を載せたような突起21dを形成する。
なお、円弧溝21fは、その円弧の中心が、この上金型21が組み合わされる、後述する下金型22の円弧溝22dの円弧の中心と一致するように形成される。
さらに、上金型21の上面には位置合わせ用の穴21g、21gが設けられる。
また、半円溝21eは、後述の下金型22の半円溝22c(図15参照)とともに係合ピン13aを形成するための空間をなし、円弧溝21fは、後述の下金型22の円弧溝22d(図15参照)とともに挿入ピン24の挿入孔を形成する。
なお、上金型21は、図17に示すように、成形時は上下を反転して成形装置に取付けられる。
下金型22は、円柱状の金属で作製され、中心から底面まで円形の穴22aが、上面から底面に到る途中で径を小さくして加工され段差22bを設けている。
ここで、この穴22aの上部での内径を、上金型21の穴21aの内径と略一致させ、下部の内径を、上金型21の円板21bの外径に略一致するように形成する。
また、下金型22の上面には、位置決めピン22e,22eが2箇所埋設される。
さらに、図15に示すように、下金型22の周りには挿入ピン24が円弧溝22dにおいて矢印の方向に、摺動自在に配設される。挿入ピン24は先端が滑らかな曲面をもつ山形をなし、軸部の径が下金型22の円弧溝22dと上金型21の円弧溝21fで形成される摺動孔より僅かに小さく形成されている。
挿入金型23は、図16に示すように、下部が太く上部をそれより細く段差をもつように加工した金属の円柱23aに、薄い円板23dを載せた板23bを、円柱の上面23a-1に載せ一体に形成したものである。図13に示すように、円柱上部の外径が下金型22の穴22aの下部の内径より僅かに小さく形成されている。
そして、板23bは、円柱23aの上面23a-1の径より小さく外周3箇所の円弧部分を弦状に削除した形状となっており、弦部とした側面23b-1と、円板の外周面(円弧部分)が残っている曲面23b-2が3箇所ずつ設けられている。
そして、図11及び図16に示すように、挿入金型23の上面23a-1がレンズホルダ13の前レンズ12の載置面13gを形成し、板23bの上面が後レンズ16の載置面13cを形成する。また、挿入金型23の上面23a-1に設けられている板23bの側面23b-1,23b-1,23b-1,23b-1が、図12A及びBに示す、レンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1,13e-1,13e-1を形成し、板23bの曲面23b-2,23b-2,23b-2が、図12A及びBに示す、レンズホルダ13の側壁13eの曲面領域13e-2,13e-2,13e-2を形成する。
さらに、上金型21、下金型22及び挿入金型23が組合されて、円板23dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成するようにしている。
それから、上金型21が下金型22に対して高圧で押し付けられた状態で、挿入ピン24,24,24が、円弧溝21fと22dとにより形成された孔を中心に向って所定位置まで摺動され挿入固定される。
また、特許文献1に開示されたものでは、鏡筒の外周部に全周にわたって一様な形状でない、例えばつば部のような膨出部を設けるとき、この膨出部を設けた部分に対応した内径が他の部分より「ひけ」の量が大きくなることから、少なくとも一つの膨出部に対応した部分の金型を予め切削して成形時に鏡筒の内部に突出部を設け、「ひけ」の量を補うようにしている。
これに対しては通常、外周面の形状にゆがみなどを生じさせないために、図11,図12A及びBに示す、筒体13bの外径部分に凹部13dを設けることが行われるが、これは金型構造の複雑化を招くことになる。
このため、複数の挿入ピン24,24,24が上金型21と下金型22の周りに配されるため、一回の成形作業で複数のレンズホルダ13を成形するような金型構造にすることは困難であった。このため、多数個を同時に成形することによる低コスト化にとって不都合であった。
さらに、後レンズ16をレンズホルダ13に圧入(押し込み)によって取り付けるとき、後レンズ16を変形させてしまい、光学性能を満足できなくなってしまうおそれもあった。これは、後レンズ16が押し込まれるレンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1における変形できる量が小さいため、後レンズ16の厚みが小さいものであるとき、後レンズ16のレンズホルダ13への圧入よって後レンズ16そのものが変形するためである。また、後レンズ16の厚みが大きいとき、レンズホルダ13の外形そのものが変形して鏡筒11との間で光軸方向に摺動させることができなくなるためである。
また、レンズの周りに配設される複数のリブが弾性を有するため、この弾性力によってリブに接するレンズをレンズホルダに確実に固定することができる。更に、弦部をなす複数のリブにレンズを圧入(押し込み)したときに、レンズが外接する複数のリブが弾性により変形して撓むので、レンズを筒体に容易に組み込むことができる。そして、その後は複数のリブの弾性によってレンズが支持及び固定されるので、レンズホルダの外周面にレンズ圧入に伴う変形を与えないようにでき、これにより、レンズ変形のおそれを大幅に低減することができる。
さらに、レンズホルダの、弾性変形大きい複数のリブにレンズが圧入(押し込み)されるため、圧入力が抑えられ、レンズを変形させたり破壊させることが減るので良品率が向上し、部品単価を抑制することができる。
ハウジング35は、図10の分解斜視図に示すように、プラスチック成型などで鏡筒11と一体に形成されている。また、実装基板41に設けられたパッケージを覆う面の中央に円形の孔を穿って鏡筒11が一体に設けられ、固体撮像素子43に対して鏡筒11の光軸調整ができるようになされている。
鏡筒組立10は、図10の分解斜視図に示すように、ハウジング35と一体に形成されている鏡筒11、バネワッシャ15、レンズが組み込まれたレンズホルダ13及びフォーカスリング14から構成されている。
バネワッシャ15は、高弾性の金属などで座金状とされたもので座面を波状に成形し、孔の中心軸方向に付勢力を付与したものである。そして、内周の一箇所に切欠き15aが設けられる。
また、レンズホルダ13は、図1に示すように、筒体13bの内周面13hに、3枚の板状のリブ13kを設け、肉逃げ部となる凹部13dを、3箇所設ける。
凹部13dの形状は、図1A及びB,図2に示すように、筒体13bの内周面13hと3枚の板状のリブ13kとが光軸と略平行に設けられ、凹部13dの底面が、図1Bに示すように、後レンズ16の載置面13cと略同一となるように形成される。
この筒体13bの外周面に設けられる3本の係合ピン13a,13a,13aは、筒体13bの端面から略同一距離で、中心軸に対して略120°のピッチとなるように、外周面から筒体13bの外周法線方向に設けられる。係合ピン13aの長さは、前述のフォーカスリング14(図9参照)の筒体の外径と略同じで、図10に示すように、外径寸法が鏡筒11の切欠き11aの幅より小さくなるように形成される。
次に、鏡筒11の切欠き11a,11a,11aにレンズホルダ13の係合ピン13a,13a,13aを合わせるようにして鏡筒11内にレンズホルダ13を組み込む。このとき、係合ピン13a,13a,13aの先端部分が、鏡筒11の外周面から突出するように設けられる。
最後に、このフォーカスリング14を反時計回りに回動して、外れ止め凸部14dを鏡筒11の係合溝11b,11b,11bと係合させ、所定角度の回動ではフォーカスリング14が外れないようにする。
このため、マクロレバー14bを操作してフォーカスリング14を回動すると、フォーカスリング14が鏡筒11の周りを回転するとともに、係合ピン13a,13a,13aの先端を鏡筒11の切欠き11a,11a,11aに沿って光軸方向に摺動させ、レンズの繰出し動作をさせることができる。これにより、レンズの焦点位置を変化させることができる。
レンズホルダ13は係合ピン13a,13a,13aが設けられる筒体13bの内側に、後レンズ16の載置面13c、前レンズ12の載置面13g、光学フィルタ17の載置面13fが、光軸に垂直となるように所定の段差をもって形成される。
また、レンズホルダ13の外周には3本の係合ピン13a,13a,13aのみが配設され、図11例の従来のレンズホルダに示すような凹部が外周面にないため、外周面を広く利用でき、鏡筒内面との嵌合長を長くすることができる。このため、外形寸法精度の緩和または取り付け精度の向上を図ることができ、必要に応じて、レンズホルダの外周部分に容易に所望の形状を追加できるようになる。
図3は、本例のレンズホルダ13を成形するための金型20の断面構造を示すものである。金型20は、第1の金型である上金型21と第2の金型である下金型22と第3の金型である挿入金型23から構成され、レンズホルダ13の光軸の方向に移動できる金型のみで構成され、従来の図13〜図17例の金型構造と比べ挿入ピンを配設する必要がないものとなっている。
上金型21は、円柱状の金属で作製され、その上面の中心に大きな円形の穴21aを設ける。そして、その穴底に、中心を一致させて外径がこの穴より小さく厚さがこの穴の深さより少し小さい円板21bを載置する。さらに、この円板21bの上に、円板21bより小さい外径の底面をもつ円錐で下部のみを残してこの上に薄い円板を載せたような突起21dを形成する。
さらに、上金型21の上面には位置合わせ用の穴21g、21gが設けられる。
また、半円溝21eは、後述の下金型22の半円溝22c(図15参照)とともに係合ピン13aを形成するための空間を形成する。
なお、上金型21は、成形時は上下を反転して成形装置に取付けられる。
下金型22は、円柱状の金属で作製され、中心から底面まで円形の穴22aが、上面から底面に到る途中で径を小さくして加工し段差22bを設けている。
ここで、この穴22aの上部での内径を、上金型21の穴21aの内径と略一致させ、下部の内径を、上金型21の円板21bの外径に略一致するように形成する。
また、下金型22の上面には、位置決めピン22e,22eが2箇所埋設されている。
挿入金型23は、図6に示すように、下部が太く上部をそれより細く段差をもつように加工した金属の円柱23aに、薄い円板23dを載せた板23bを、円柱23aの上面23a-1に載せ一体に形成したものである。図3に示すように、円柱上部の外径が下金型22の孔22aの下部の内径より僅かに小さく形成されている。
そして、板23bは、円柱23aの上面23a-1の径より小さく外周3箇所の円弧部分を弦状に削除した形状となっており、弦部とした側面23b-1と、円板の外周面(円弧部分)が残っている曲面23b-2が3箇所ずつ設けられている。
そして、板金23bの弦部の側面23b-1と、ブロック23cの平面とした側面23c-2間隙が、成型後のレンズホルダ13のリブ13k(図2参照)を形成するものとなる。
そして、図1及び図6に示すように、挿入金型23の上面23a-1がレンズホルダ13の前レンズ12の載置面13gを形成し、板23bの上面が後レンズ16の載置面13cを形成する。また、挿入金型23の板23bの側面23b-1,23b-1,23b-1が、図1A及びB,図2に示す、レンズホルダ13の側壁13eの平面領域13e-1,13e-1,13e-1を形成する。また、板23bの曲面23b-2,23b-2,23b-2が、図1A及びB,図2に示す、レンズホルダ13の側壁13eの曲面領域13e-2,13e-2,13e-2を形成する。
また、挿入金型23の上面23a-1に設けられた3個のブロック23c,23c,23cが、図1A及びB, 図2に示すレンズホルダ13の3箇所の凹部13d,13d,13dを形成する。
さらに、上金型21、下金型22及び挿入金型23が組合された図3に示す状態で、上金型21の円板21dと挿入金型23の円板23dがレンズホルダ13のレンズ開口孔を形成するようにしている。
すなわち、図17に示す従来例のような下金型22の上面に平行に移動してセッティングされる挿入ピン24が不要となり、3本の挿入ピンを上下金型21,22の周りに配する必要がなくなるので、金型構造が簡便とすることができる。
そして、複数の金型20を同一平面上に配設しても成形に支障をきたすことがないので、一回の成形作業で複数のレンズホルダ13を成形する、いわゆる多数個取りの金型を作製することが容易に実現でき、成形における低コスト化が達成できる。
また、金型20を複数配設して、容易に多数個取り化ができるため、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
この代わりに上金型21に対して下金型22と挿入金型23が上昇して所定位置とする、あるいは挿入金型23に対して上金型21と下金型22が下降して所定位置としてもよい。また、全ての金型が、上位置または下位置に移動して所定のセッティング状態としてもよい。さらに、上下の金型及び挿入金型のレイアウトを全く反転するものであってもよい。
さらに、金型を昇降移動させる例で説明したが、金型を横位置にセッティングし、本例の上金型と下金型の開閉動作を横方向としてよいことは勿論である。
さらに、上下の金型にヒーターを埋設して予備加熱して、1サイクル当たりの成形時間を短縮することができる。
Claims (3)
- 鏡筒に組み込まれ、同一光軸上に直径の異なる複数のレンズが固定される筒体を備えたレンズホルダを有するレンズ装置において、
前記筒体は、前記複数のレンズに対応して穴の直径を異ならせることにより段部を設けて連続された複数のレンズ収納部を有し、
前記段部に、前記光軸と略平行する方向に延在されて前記筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を設け、
前記複数の肉逃げ部を、前記筒体の内面に弦部をなすように接する複数のリブを設けることによって形成し、
前記複数のリブの側壁に、前記複数のレンズのうち、直径の小さいレンズを内接させるようにした
レンズ装置。 - 請求項1に記載のレンズ装置において、
前記筒体の外周に、前記鏡筒と係合する複数の係合ピンを径方向外側へ突出するように設け、
前記複数の係合ピンは、前記筒体の前記複数のリブの隣り合うリブ間に配置した
レンズ装置。 - レンズが固定される筒体を備えたレンズホルダの光軸方向の一側を形成する第1の穴を有する第1の金型と、
前記レンズホルダの光軸方向の他側を形成する第2の穴を有すると共に前記第1の金型と接合・分離可能とされた第2の金型と、
前記第2の金型側に配置されると共に先端部が前記第2の穴内に挿入可能とされた第3の金型と、を備え、
前記第3の金型の先端部に、前記光軸と略平行する方向に延在されて前記筒体の一面側に開口する複数の肉逃げ部を形成するための突起部を設けた
レンズホルダ用成形金型。
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