JP4482741B2 - 鋼材自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、鋼材の自動溶融亜鉛めっき装置において、溶融亜鉛めっきのめっきやけを防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、長尺鋼材の溶融亜鉛めっき処理は、工程の複雑さから人手で行うことが多く、人手による作業効率を向上させるため、細長い長方形の各処理槽を横向き平行に配置していた。一般的に、溶融亜鉛めっき処理される鋼材は、処理槽真上に取り付けたレールとホイストを用いて各処理槽間を平行で移動させるため、処理槽間の間隔は短くされていた。そのため、溶融亜鉛めっき処理後、水冷槽への移動が短時間ですみ、めっき処理によるめっきやけを起こすことが少なかった。しかし、この方法では、2つ以上のホイストを同時に使う必要があり、それらを制御するための自動化は困難であり、人手に頼ることが多かった。
【0003】
自動溶融亜鉛めっき処理装置では、細長い長方形の各処理槽間を、処理槽真上に取り付けたレール上をホイストが走行しながら自動制御によりめっき処理を行う。このとき、ホイストの制御および自動化を容易にするため、鋼材は各処理槽上を、長手方向へ一直線に移動する方法が取られる。しかし、鋼材を処理する各処理槽の長さは幅に比べて何倍もあり、それらが縦向きに配置されているため、溶融亜鉛めっき処理を施した鋼材を水冷槽へ移動するためには、ホイストが十数m以上の距離を移動しなくてはならず、その間に鋼材がめっきやけを起こす問題があった。
【0004】
めっきやけとは、めっき処理後、鋼材を高温で放置する時間が長いと、溶融亜鉛めっきの光沢が無くなり、表面がつや消しや暗灰色になる現象である。めっきやけは、溶融亜鉛めっきの耐食性に影響をおよぼさないものの、美観上の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、鋼材自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明である鋼材自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止方法は、めっき処理槽上のレールがめっき処理槽の長手方向へ直線状に配置され、処理槽上には1本のレールとそのレールを移動する複数のホイストを備えた鋼材の自動溶融亜鉛めっき装置において、水冷槽をめっき処理槽の長手方向と平行横に隣接させて配置するとともに、めっき処理槽上から水冷槽上へ複数全てのホイストが移動できるサブレールを備えるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の手段により、本発明であるめっきやけ防止方法は、水冷槽をめっき処理槽の長手方向と平行横に隣接させて配置する場合に、作業上や維持管理上最も差し障りのない範囲で、できるだけめっき処理槽に近づけることが望ましい。
【0008】
めっき処理槽上に備えられ、めっき処理槽の長手方向へ直線上に配置されたレールは、めっき処理槽から水冷槽の間に備えられたサブレールと連結する。このとき、サブレールは、ホイストの数に対応させて備える。これにより、1本のレール上を移動する複数のホイストは、めっき処理槽から水冷槽へサブレールを介して移動することができ、長尺鋼材も安定して運搬できる。
【0009】
鋼材は、複数のホイストに吊り下げられて移動する。そこで、1本のレール上を移送してきた複数のホイストは、めっき処理槽上でサブレールを渡れるように、ターンテーブルなどを用いて、レール方向からサブレール方向へ方向転換することが望ましい。このとき、鋼材のめっきやけを防ぐため、ターンテーブルによる複数のホイストの移動方向変換は、鋼材のめっき処理中に行う。
【0010】
めっき処理が終わり、めっき処理槽から引き上げられた鋼材は、複数のホイストに吊り下げられた状態でサブレール上を移動し、水冷槽へ至る。この移動距離は、めっき処理槽と水冷槽が平行横向きに隣接されているため、縦一列に配置した場合の移動距離よりも、十分短くなる。従って、めっき処理後の鋼材を水冷槽へ浸積させるまでの時間が短くなる。
【0011】
さらに、水冷槽上のレールとサブレールの交点にターンテーブルを備えることで、鋼材の水冷中に、複数のホイストの移動方向をサブレール方向からレール方向へ変換して、再び水冷槽の長手方向へ直線的に配置されたレール上を移動することになる。これにより、ホイストの制御が容易になると同時に、装置全体の制御が容易になり、自動化しやすい。
【0012】
【実施例】
図1は、本発明の1実施例であり、鋼材自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止方法を施した状態の斜視図である。鋼材自動溶融亜鉛めっき装置は、溶融亜鉛めっき処理に必要な各処理槽を長手方向縦向きへ直線状に配置するとともに、各処理槽上を通る1本のレールを備えている。鋼材を吊り下げる複数のホイストは、このレールを走行し、鋼材を各処理槽に浸積させるためのウィンチを備えている。
【0013】
図1に示すように、水冷槽は、めっき処理槽と平行して隣接するように配置されている。めっき処理槽と水冷槽の間をホイストが移動するために、レールと直角方向にサブレールが連結されている。サブレールは、ホイストの数に応じて備えられ、レールとサブレールの交点にはターンテーブルが備えられる。
【0014】
図1に示すように、鋼材は、各処理槽上の1本のレールを移動する複数のホイストに吊り下げられて運搬される。そのため、複数のホイストは、移動や鋼材の上げ下げなどの操作を同調し制御されている。これにより、複数のホイストの制御を自動化することが容易になる。
【0015】
図2は、めっき処理槽Eと水冷槽Fの詳細図である。めっき処理槽まで鋼材の各処理を行いながら1本のレール上を移動する複数のホイストは、めっき処理槽上のレールGとサブレールHの交点に達すると、ターンテーブルにセットされる。ホイストがウインチでワイヤを降ろし、鋼材1をめっき処理槽Eへ浸積させている間に、レールGとサブレールHの交点に備えてあるターンテーブルJが90゜回転して、複数全てのホイストの移動方向を、レール向きからサブレール向きへ変える。鋼材のめっき処理が終了し、複数全てのホイストがウインチを使って鋼材をめっき処理槽から引き上げると、ホイストはサブレール上を移動して水冷槽へ達する。このときのホイストの移動距離は、各槽間を長手方向に移動する距離に比べて十分短い。従って、めっき処理後の鋼材を、水冷槽へ浸積するまでの時間も短くできる。
【0016】
図2に示すように、複数のホイストがサブレールを移動して水冷槽上に達すると、ホイストがウインチでワイヤを降ろし、めっき処理後の鋼材を素早く水冷槽へ浸積させる。この間に、水冷槽上のサブレールとレールの交点に備えられたターンテーブルが90゜回転して、ターンテーブルにセットされた複数全てのホイストの移動方向をサブレール向きからレール向きへ変える。鋼材の水冷が終了し、複数全てのホイストがウインチを使って鋼材を水冷槽から引き上げると、複数全てのホイストは再び1本のレールを移動する。
【0017】
図3は、従来の自動溶融亜鉛めっき装置である。従来の自動溶融亜鉛めっき装置は、めっき処理槽Eと水冷槽Fが長手方向へ一直線に配置され、レールGを移動するホイスト2につるされた鋼材1は、各槽の長手方向に移動して、めっき処理ならびに水冷処理が施される。このとき、めっき処理を施した鋼材1が,めっき処理槽Eから水冷槽Fへ移動する距離が長いため、鋼材1にはめっきやけが生じる。
【0018】
図4、図5は鋼材自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止に用いられるターンテーブルの詳細図で、図4にターンテーブルの平面図を、図5にターンテーブルの側面図を示す。レールGから移動してきたホイスト2は、めっき処理槽Eの上に達すると、ターンテーブルJにセットされ、鋼材1のめっき処理が施されている間に、ターンテーブルのモータKがターンテーブルに備えられた車輪Lを回し、ホイスト2の向きをレールGからサブレールHに90°変換する。めっき処理が終わり、ホイスト2がサブレールJを移動して水冷槽F上に達すると、ホイスト2は冷却槽上のターンテーブルにセットされ、鋼材の冷却が行われている間に、ターンテーブルのモータKがターンテーブルに備えられた車輪Lを回し、ホイスト2の向きをサブレールHからレールG向きに90°変換する。
【0019】
【発明の効果】
「請求項1」の処理槽が長手方向へ直線状に配置され、処理槽上には1本のレールとそのレールを移動する複数のホイストを備えた鋼材の自動溶融亜鉛めっき装置において、鋼材を運搬する複数のホイストをめっき処理まで直線的に移動しながら処理できて自動化が容易になり、さらに水冷槽のみめっき処理槽の長手方向と平行横に隣接させて配置するとともに、めっき処理槽上から水冷槽上に複数のホイストが移動できるサブレールを備えているため、ホイストの移動距離が短くなり、それに伴いめっき処理後の鋼材の水冷までの時間を短縮できるため、鋼材のめっきやけを防止できる。さらに、複数のホイストの制御が容易にるため、鋼材の溶融亜鉛めっき処理の全工程を自動化することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融亜鉛めっきやけ防止装置の全体図。
【図2】溶融亜鉛めっきやけ防止装置のめっき槽と処理槽の詳細図。
【図3】従来の鋼材自動溶融亜鉛めっき装置。
【図4】ターンテーブルの平面図
【図5】ターンテーブルの側面図
【符号の説明】
E めっき処理槽
F 水冷槽
G メインレール
H サブレール
J ターンテーブル
K モータ
L 車輪
1 鋼管
2 ホイスト
3 ワイヤ
Claims (1)
- 各処理槽が長手方向へ直線状に配置され、処理槽上には1本のレールとそのレールを移動する複数のホイストを備えた鋼材の自動溶融亜鉛めっき装置において、水冷槽のみめっき処理槽の長手方向と平行横に隣接させて配置するとともに、めっき処理槽上から水冷槽上へ複数全てのホイストが移動できるサブレールを備えることを特徴とする、自動溶融亜鉛めっき装置のめっきやけ防止方法。
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2000
- 2000-04-27 JP JP2000127323A patent/JP4482741B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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