JP4479219B2 - 路面摩擦係数検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記諸問題を解決するために開発されたものであり、一定速度走行時にも路面摩擦係数を正確に検出することができる路面摩擦係数検出装置を提供することを目的とするものである。
図1は、本実施形態の路面摩擦係数検出装置を適用した車両の概略構成図であり、図中の1FL〜1RRは前左〜後右輪である。また、符号3は、自車両の前後方向への加速度を検出する前後加速度センサであり、符号4FL〜4RRは、前記各車輪1FL〜1RRの回転速度を検出する車輪速度センサである。また、符号2は、前記前後加速度センサ3で検出された前後加速度や前記車輪速度センサ4FL〜4RRで検出された車輪速度を用い、後述する演算処理を行って、自車両が走行している路面の摩擦係数を算出するためのコントロールユニットであり、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えている。なお、前記コントロールユニット2は、例えば車輪速度センサ4FL〜4RRの出力信号を用いる他のコントロールユニット、例えばアンチスキッド制御用のコントロールユニットと兼用してもよい。また、本実施形態の車両は後輪駆動車両であるものとする。
次にステップS2に移行して、前記ステップS1で算出された前右輪速度VFR、前左輪速度VFLを用いて、下記1式に従って、平均従動輪速度Vf、即ち車両の走行速度を算出すると共に、前記ステップS1で算出された後右輪速度VRR、後左輪速度VRLを用いて、下記2式に従って、平均駆動輪速度Vdを算出する。
また、前記ステップS11では、例えば前記従来の路面摩擦係数検出装置の手法を用いて、例えば前記フィルタ処理された前後加速度Af及びフィルタ処理されたスリップ率Sの回帰係数から路面摩擦係数μを算出してからメインプログラムに復帰する。ここで、従来の路面摩擦係数検出装置における路面摩擦係数算出の原理について簡潔に説明する。例えば車両の前後加速度とスリップ率とは、路面摩擦係数(図ではμ)をパラメータとして図4のように表れる。このうち、スリップ率が比較的小さい、通常の走行領域では、前後加速度とスリップ率とはリニアな関係にあり、前後加速度とスリップ率との比、即ちスリップ率に対する前後加速度の傾きは、路面摩擦係数が大きいほど大きいといった関係がある。この前後加速度とスリップ率とがリニアな領域の両者の傾き、即ち回帰係数を算出すれば、路面摩擦係数を算出することが可能となる。例えば前後加速度Afに対するスリップ率Sの1次の回帰係数K1 は下記9式で、スリップ率Sに対する前後加速度Afの1次の回帰係数K2 は下記10式で得られる。
また、摩擦係数が異なる路面を走行したときの走行速度とスリップ率との関係を予め二次曲線で近似しておき、その近似式に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することにより、マップ検索等に比してプログラム容量、演算量、演算時間を低減することが可能となる。
図8には、前記演算処理によって、自車両が一定又は略一定の走行速度で走行しているときの路面摩擦係数算出値の一例を示す。このタイミングチャートでは、高μから低μにμジャンプが生じているが、本実施形態の路面摩擦係数検出装置によれば、略正確に路面摩擦係数が算出されている。
次にステップS204に移行して、例えば図12に示すように、前記ステップS203で算出された複数のスリップ率を、例えば線形補間によって補間して、現在のスリップ率Sに対応する路面摩擦係数μを算出してからメインプログラムに復帰する。線形補間による路面摩擦係数μの算出手法そのものは、前記第1実施形態の図5の演算処理のステップS104と同様である。
また、予め計測された走行速度とスリップ率と路面摩擦係数と路面勾配との関係に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することにより、路面勾配による走行抵抗を含む全ての走行抵抗を除去した形で路面摩擦係数を直接的に算出することができる。
また、勾配及び摩擦係数が異なる路面を走行したときの走行速度とスリップ率との関係を予め二次曲線で近似しておき、その近似式に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することにより、マップ検索等に比してプログラム容量、演算量、演算時間を低減することが可能となる。
なお、前記実施形態では、各演算処理を行うためにマイクロコンピュータ等の演算処理装置を用いたが、同様の演算処理が可能であれば適宜の演算器を組み合わせて用いてもよい。
また、前記実施形態では後輪駆動車両を用いたが、主となる駆動輪速度と車両の走行速度が明確であれば、駆動の形態を問わない。
2はコントロールユニット
3は前後加速度センサ
4FL〜4RRは車輪速度センサ
Claims (7)
- 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、駆動輪の回転速度を検出する駆動輪速度検出手段と、前記走行速度検出手段で検出された走行速度及び駆動輪速度検出手段で検出された駆動輪速度に基づいて駆動輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、前記走行速度検出手段で検出された走行速度に基づいて自車両が一定又は略一定の走行速度で走行していると判定する一定速度走行判定手段と、前記一定速度走行速度判定手段で自車両が一定又は略一定の走行速度で走行していると判定されたときに、前記走行速度検出手段で検出された走行速度及びスリップ率算出手段で算出された駆動輪のスリップ率に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出する路面摩擦係数算出手段とを備え、前記路面摩擦係数算出手段は、予め計測された走行速度とスリップ率と路面摩擦係数との関係に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする路面摩擦係数検出装置。
- 前記路面摩擦係数算出手段は、摩擦係数が異なる路面を走行したときの走行速度とスリップ率との関係を予め二次曲線で近似しておき、その近似式に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の路面摩擦係数検出装置。
- 路面の勾配を検出する路面勾配検出手段を備え、前記路面摩擦係数算出手段は、前記路面勾配検出手段で検出された路面の勾配に基づいて、自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の路面摩擦係数検出装置。
- 前記路面摩擦係数算出手段は、前記路面勾配検出手段で検出された路面の勾配が所定値以下のときに、自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする請求項3に記載の路面摩擦係数検出装置。
- 前記路面摩擦係数算出手段は、予め計測された走行速度とスリップ率と路面摩擦係数と路面勾配との関係に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする請求項3に記載の路面摩擦係数検出装置。
- 前記路面摩擦係数算出手段は、勾配及び摩擦係数が異なる路面を走行したときの走行速度とスリップ率との関係を予め二次曲線で近似しておき、その近似式に基づいて自車両が走行している路面の摩擦係数を算出することを特徴とする請求項5に記載の路面摩擦係数検出装置。
- 前記一定速度走行判定手段は、自車両の走行速度の分散値及び自車両の加速度の平均値及び自車両の加速度の分散値及び駆動輪のスリップ率の分散値が夫々所定値以下であるときに自車両は一定又は略一定の走行速度で走行していると判定することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の路面摩擦係数検出装置。
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