JP4478636B2 - シリンダ装置並びにロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法 - Google Patents

シリンダ装置並びにロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、作業機械の作業用装置を駆動するのに用いて好適なシリンダ装置並びにロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法に関する。
従来より、油圧ショベル等の作業機械においては、ブーム装置やスティック装置等の作業用装置を駆動するアクチュエータとして、油圧を用いてシリンダチューブ内に挿通されたピストンロッドを伸縮させ、大きな駆動力を得ることができるようにした油圧シリンダ装置が用いられている。
一般に、油圧シリンダ装置は、中空円筒状のシリンダチューブの軸方向に沿って、シリンダチューブの外部から内部へピストンロッドが挿通されるとともに、ピストンロッドの一端部に、ロックナットを用いてピストンが締め付け固定され、シリンダチューブ内の空間がこのピストンによってロッド室とヘッド室とに分割されている。そして、ロッド室とヘッド室とへ供給される作動油の流量や油圧を制御することでピストンをシリンダチューブ内で往復摺動させ、油圧の大きさに応じた駆動力でピストンロッドを伸縮移動させるようになっている。
このような油圧シリンダ装置において、ロックナットは、ピストンロッドの一端部に形成された螺合部(ネジ山)に緩まないように螺合させて、ピストンをピストンロッドに確実に固定する必要がある。作業機械に適用される油圧シリンダ装置の場合、ピストンロッドやシリンダには、作業負荷に応じた非常に大きな駆動力が働くため、時にロックナットやピストンに緩みが生じるおそれがある。
上記の課題に対して、油圧シリンダ装置のロックナットに、ナイロンリングを備えたナイロンナットを用いるものがある。ナイロンナットをピストンロッドに締結させることで、ナイロンリングがピストンロッドの雄ネジ山に噛み込まれるため、ナイロンナットとピストンロッドとの摩擦抵抗を大きくでき、ナイロンナットを緩み難くすることができる。
また、特許文献1には、ピストンロッドの一端部に、ロックナットを螺合締結するための第1雄ネジ部と、ピストンを螺合締結するための雄ネジ部であって第1雄ネジ部とはピッチ又はネジ切り方向が相違する第2雄ネジ部とを形成した構成が開示されている。このような構成により、ピストン又はロックナットの緩み,供回りに対して互いの移動距離又は移動方向が相違するため、ピストン及びロックナット間の接触面に摩擦力を生じさせ、且つ、その摩擦力を増大させることができ、緩み,共回りの進行を抑制できるようになっている。
特開2005−172190号公報
このように、油圧シリンダ装置において、ロックナットやピストンの緩みを防止することを目的としたさまざまな技術が提案されている。
しかし、上述の何れの技術の場合であっても、一旦油圧シリンダ装置を組み立てた状態では、ロックナットやピストンの緩みを検出することができない。つまり、従来の油圧シリンダ装置においては、シリンダチューブを分解してその内部のロックナットやピストンを再度締め付け直す以外にこれらの緩みを確認する手だてがないのである。
そのため、油圧シリンダ装置の通常のメンテナンスの際(例えば定期点検時や日常点検時)に、ロックナットの締め付け直しを行うべきか否かの判定を行うことができない。結果として、油圧シリンダ装置に何らかの作動上の不具合が見られるようになって初めてシリンダチューブの分解及びロックナットの緩み確認を行うほかない。
特に、油圧シリンダ装置においては、ロックナットが緩むとヘッド端面(11b)とロックナットとが干渉し、金属破片(コンタミネーション)を生じさせるおそれがある。この場合、全油圧回路内の金属破片を取り除くフラッシング作業を行う必要が生じるため、その労力やコストを考慮すると、ロックナットに緩みが生じさせないことが最も望ましいが、万一ロックナットに緩みが生じた場合には、可能な限り早期にその緩みを発見したい。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、オペレータに対しロックナットの緩みを早期且つ容易に発見させることができ、メンテナンスの一助をなすシリンダ装置並びにロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のシリンダ装置(請求項1)は、中空円筒状のシリンダチューブと、該シリンダチューブの軸方向に沿って該シリンダチューブの内部へ挿通されたピストンロッドと、該シリンダチューブの内部側の該ピストンロッドの一端部において、該ピストンロッドの外周面に対し段差を有して縮径形成された縮径部と、該シリンダチューブの内周面に摺接するとともに、該縮径部の外周面に対して該軸方向へ摺動自在に環装されて、該シリンダチューブの内部をロッド室とヘッド室とに区画するピストンと、該ロッド室と該ヘッド室とを連通する通路と、該ピストンロッドの一端部に締結されて該ピストンに当接し、該縮径部に環装された該ピストンを該段差との間で該軸方向に挟んで固定するとともに、緩んだ時には該通路へ作動流体をリークさせるロックナットとを備え、該通路は、該ピストン及び該ロックナットの当接面上又は該ピストン及び該段差の接触面上に形成されて、該ロッド室又は該ヘッド室内の作動流体を該ピストン及び該縮径部間の環装面まで導入する第1通路と、該ピストン及び該縮径部間の環装面上に形成され、該第1通路により導入された該作動流体を該当接面及び該接触面のうちの該第1通路が形成されていない一方まで導入する第2通路と、を有し、該第1通路は、該当接面の該ピストン側において溝状の通路として形成され、該第2通路は、該環装面の該ピストン側において溝状の通路として形成されていることを特徴としている。
つまり、第1通路と第2通路とが連続するように繋がっている。
また、該ピストンロッド,該ピストン及び該ロックナットは、非弾性部材であることが好ましい。該非弾性部材とは、殆ど弾性変形しない材質(例えばセラミックや金属)からなる部材の総称であって、該ピストンロッド,該ピストン及び該ロックナットは、該シリンダ装置の通常作動時における該ロッド室,該ヘッド室内の圧力によって弾性変形しない強度及び剛性を備えている。
なお、上記構成に加えて、該シリンダ装置が第3通路を備えることが好ましい。すなわち、第3通路は、該ロックナットの該ピストンロッドに対する締結が緩んだときに、該当接面及び該接触面のうちの該第1通路が形成されていない一方の面上に形成されることを特徴とする。つまり、該ロックナットの該ピストンロッドに対する締結が緩んでいないときには、該第3通路が形成されず、該ヘッド室と該ロッド室とが連通されていない状態となるが、該ロックナットの該ピストンロッドに対する締結が緩んだときには、該ヘッド室と該ロッド室とが第1通路,第2通路及び第3通路によって連通されることになる。
た、該当接面上及び該環装面上において、該第1通路及び該第2通路が複数組設けられていることが好ましい(請求項)。
なお、該ロックナットの締結により該ピストンへ与えられる締結力よりも小さい力で該ピストンを該ロックナット側へ付勢する付勢部材を設けてもよい。この場合、該付勢部材は該ピストン及び該段差間に挟装されることが好ましい。
また、本発明のロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法(請求項)は、請求項1又は2記載のシリンダ装置における該ロックナットの緩み又は該ピストンロッドの伸び変形を検知する方法であって、該通路へ作動流体がリークしたことを以て、ロックナットが緩んだ又はロッドが伸び方向へ塑性変形したと検知することを特徴としている。
本発明のシリンダ装置(請求項1)によれば、ロックナットの締結が緩んだ場合に、ロッド室とヘッド室との間に通路を形成することができ、作動流体のリークを促すことができる。これにより、オペレータが容易に認識可能なシリンダドリフトを生じさせて、ロックナットの緩み又はピストンロッドの伸び方向への塑性変形を早期に発見させることができる。
また、ピストン及びピストンロッドの環装面、及び、ピストン及びロックナットの接触面又はピストンの段差への当接面といった、部材の端面において作動流体の通路を形成することができ、製品加工が容易であり、製造コストを低減させることができる。
また、ロックナットの締結時には、当接面又は接触面をメタルシールとして機能させることができ、ヘッド室及びロッド室間における作動流体の流通を遮断することができる。なお、当接面及び接触面のうち第1通路が形成されていない何れか一方の面がメタルシールとして機能する。
また、ピストン表面への溝加工により、ピストンロッド及びロックナットを加工することなく第1通路及び第2通路を形成することができる。また、通路を形成するための加工(すなわち、溝切り加工)がより容易であり、製造コストをさらに低減させることができる。
また、本発明のシリンダ装置(請求項)によれば、ロッド室とヘッド室とを連通する通路として複数の経路が確保されるため、ロックナットが緩んだ際に、第1及び第2通路を流通する作動流体量(すなわち、作動流体のリーク量)を増加させることができる。これにより、シリンダドリフトをより大きくすることができ、ロックナットの緩み又はピストンロッドの伸び方向への塑性変形の発見がより容易となる。
また、本発明のロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法(請求項)によれば、簡素な構成で、ロックナットの緩み又はロッドの伸び方向への塑性変形を早期且つ容易に発見することができる。
以下、図面により、本発明の一実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態としてのシリンダ装置を示すものであり、図1は本シリンダ装置の要部構成を示す断面図であって、(a)はロックナット締結時の状態を示す断面図、(b)はロックナット緩み時の状態を示す断面図、図2は図1のピストンの斜視図、図3は図1のピストンの断面図(図2のA−A断面図)、図4は図1の全体構成を示す断面図、図5はシリンダ装置が適用された油圧ショベルの斜視図である。
[油圧ショベル構成]
本シリンダ装置は、図5に示すような油圧ショベル20に適用されている。この油圧ショベル20は、上部旋回体22と下部走行体21と油圧駆動式の作業用装置26とを備えるとともに、作業用装置26としてブーム23,スティック(アーム)24,バケット25を備えて構成される。下部走行体21には無限軌道からなるクローラ装置が設けられており、その上部に上部旋回体22が水平方向へ旋回可能に載置されている。
ブーム23は上部旋回体22に対して上下方向へ回動可能に枢着され、ブーム23の先端には同じく鉛直面内に回動可能にスティック24が連結され、さらにスティック24の先端には鉛直方向へ回動可能にバケット25が連結されている。
また、上部旋回体22とブーム23との間には、ブーム23を上下方向へ揺動駆動するためのブームシリンダ(シリンダ装置)10が一対設けられるとともに、ブーム23とスティック24との間には、スティック24をブーム23に対して揺動駆動するためのスティックシリンダ30が設けられ、さらに、スティック24とバケット25との間には、バケット25をスティック24の先端で揺動駆動するためのバケットシリンダ40が設けられている。
[ブームシリンダ構成]
図4に示すように、ブームシリンダ10は、内部に作動油(作動流体)が充填された中空円筒状のシリンダチューブ1と、シリンダチューブ1の軸心線Cの方向(以下、単に軸方向Cという)に沿ってシリンダチューブ1の外部から内部へ挿通された軸状のピストンロッド(以下、単にロッドと呼ぶ)2とを備える。ロッド2は、シリンダチューブ1内の作動油圧に応じた駆動力をシリンダチューブ1の外部へ伝達する部材である。なお、図1(a),(b)及び図4におけるロッド2については、その外周面を図示している。
シリンダチューブ1の内部側のロッド2の一端部には、ロッド1の外周面18に対して段差9を有して縮径された形状の縮径部3と、螺旋状の雄ネジを有する螺合部17とが形成されている。縮径部3の外周面13は平滑な円筒面として形成されている。また、螺合部17の最外径(雄ネジの山の高さを含んだ最大の外径)は、縮径部3の外径と同一又は縮径部3よりも小径となっている。
ロッド2の縮径部3には、筒状のピストン4が環装されている。このピストン4の外周面は、シリンダチューブ1の内周面19に摺接し、その内周面は、縮径部3の外周面13に対して軸方向Cへ摺動自在に環装されている。なお、ピストン4の外周面には、シリンダチューブ1の内部の空間をピストン4の摺動方向に対して二分割するためのシールリング29が環装されている。これにより、ピストン4の外周面側における作動油の流通が封止されるようになっている。なお、ピストン4の内周面側には、後述する作動油通路27が形成されている。この作動油通路27は、ロックナット5の締結時には閉鎖されて作動油が流通しないようになっている。
ロックナット5の内周面には、螺合部17の雄ネジに螺合する雌ネジが形成されており、この雌ネジが螺合部17の雄ネジと螺合して、ロックナット5が締結固定される。なお、図4に示すように、ロックナット5は、ピストン4の端面(図4中における下端の着座面であってメタルシート面)に当接した状態で締結されており、ピストン4は、段差9とロックナット5との間で軸方向に挟んで固定される。つまり、ロックナット5の締結が緩んだ場合には、ピストン4の挟装固定が解除されて、ピストン4のメタルシート面からロックナット5が離れ、後述する作動油通路27が開放されて、作動油漏れが生じる(リークする)ようになっている。
シリンダチューブ1の内部は、ピストン4によって二つの空間に分割される。ピストン4よりも段差9側にはロッド室12が形成され、一方、ピストン4よりもロックナット5側にはヘッド室11が形成される。これらのヘッド室11の端面(ヘッド端面)11b,ロッド室12の端部12bにはそれぞれ、作動油の出入口としてのヘッド側ポート11a及びロッド側ポート12aが設けられている。
ヘッド側ポート11aからヘッド室11へ作動油が供給されると、ピストン4が図4中上方向へ押し出され、シリンダチューブ1に対してロッド2が伸長作動し、ブームシリンダ10が伸びる。このとき、ロッド室12内の作動油はロッド側ポート12aから排出される。
また、ロッド側ポート12aからロッド室12へ作動油が供給されると、ピストン4が図4中下方向へ押し出され、シリンダチューブ1に対してロッド2が縮小作動し、ブームシリンダ10が縮む。このとき、ヘッド室11内の作動油はヘッド側ポート11aから排出される。
本実施形態では、ピストン4に隣接して段差9側にクッションリング28が環装されている。クッションリング28は、シリンダチューブ1に対してロッド2が伸長したときに、ロッド側ポート12aから排出される作動油の通路を狭めてロッド室12内の作動油圧を上昇させることにより、ロッド2の伸長速度を緩和するための緩衝部材である。
なお、ロッド2,ピストン4及びロックナット5は、ブームシリンダ10の通常作動時において殆ど弾性変形しない材質の部材(ここでは表面強化加工等が施された一般的な鋼材)で形成されている。これにより、ロッド2,ピストン4及びロックナット5は、ブームシリンダ10の通常作動時におけるロッド室12及びヘッド室11内の圧力によって弾性変形しない強度及び剛性を備えている。
[ピストン構成]
図2,図3に、ピストン4の斜視図及び断面図を示す。ピストン4のロックナット5との当接面(メタルシート面)14上には、溝状の通路として第1通路6が切削形成される。この第1通路6は、図1(a)に示すように、ピストン4及び縮径部3間の環装面15(すなわち、ピストン4の内周面)とヘッド室11とを連通するように、ピストン4の径方向へ溝切りされている。
また、図2,図3に示すように、ピストン4の縮径部3への環装面15上には、第1通路6と連続した溝状の通路として、ピストン4及び段差9間の接触面16と第1通路6とを連通する第2通路7が切削形成されている。この第2通路7は、シリンダチューブ1の軸方向Cに沿ってピストン4の内周面に溝切りされている。
第1通路6,第2通路7及び後述する第3通路8は、ピストン4及び段差9間の接触面16とヘッド室11とを連通する作動油通路27として機能している。
ピストン4及び段差9間の接触面16において、ピストン4及び段差9の端面は、前述のロックナット5を螺合部17へ締結することによって互いに面接触して、メタルシールを形成する。これにより、ロックナット5の締結時には、接触面16におけるシール性能が確保されて、ロッド室12及びヘッド室11間の作動油リークが防止されるようになっている。ロックナット5が締結されている状態では、ヘッド室11側の作動油が、第1通路6及び第2通路7内へ導入され、上記のメタルシールによって封止されることになる。
なお、ロックナット5のピストン4側の端部外径は、ピストン4の当接面14における径(ここでは、ロックナット5の端部形状に対応した凹形状に形成された着座面の内径)よりも小径となっており、図1(a)に示すように、ロックナット5とピストン4との間に隙間31が形成されている。第1通路6は、この隙間31と第2通路7とを連通しており、ヘッド室11内の作動油は隙間31を介して第1通路6及び第2通路7へ導入されることになる。この時、ロックナット5により後述する第3通路8が閉鎖されていることになる。
一方、ロックナット5の締結が緩んだ場合には、図1(b)に示すように、ロックナット5によるピストン4の挟装固定が解除され、ロックナット5が当接面14から離れる。これにより、ピストン4及び段差9間に第3通路8が形成されるようになっている。したがって、ロックナット5の締結が緩むと、第1通路6,第2通路7及び第3通路8が繋がって、ヘッド室11とロッド室12とが連通し作動油が流通(すなわち、一方から他方へリーク)する。
また、第1通路6及び第2通路7の溝の断面積、すなわち、通路の太さは、ロックナット5の締結が緩んだ際に、ヘッド室11及びロッド室12間の作動油リークによって生じるシリンダドリフトの大きさがオペレータに認識可能であるような程度の太さ、且つ、ピストン4の強度,剛性に殆ど影響を与えない程度の太さに設定されている。
[作用]
本ブームシリンダ10は上記のように構成されて、以下のように作用する。
(A)ロックナットの締結時
まず、ロックナット5がロッド2の螺合部17にしっかりと締結されている状態では、ピストン4がロックナット5と段差9との間に挟装固定されるとともに、ピストン4と段差9の端面とによってメタルシールが形成される。このとき、図1(a)に示すように、ヘッド室11は第1通路6及び第2通路7へ連通しているが、第2通路7の終端(接触面16側の端部)においてメタルシールにより作動油流通が封止される。これにより、ヘッド室11及びロッド室12間において互いに作動油がリークすることがない。
(B)ロックナットの緩み時
一方、ロックナット5の締結が緩んだときには、ロックナット5によるピストン4の挟装固定が解除されて、ロックナット5が当接面14から離れ、図1(b)に示すように、ピストン4及び段差9間に第3通路8が形成される。これにより、第1通路6,第2通路7及び第3通路8が繋がり、ヘッド室11とロッド室12とが連通して、作動油漏れが生じる。
なお、作動油が流通する第1通路6及び第2通路7の流路断面積は、オペレータが認識可能な大きさのシリンダドリフトを発生させる大きさとなっているため、上記のようなヘッド室11及びロッド室12間の作動油リークにより生じるシリンダドリフトが、オペレータに発見されることになる。
[効果]
本実施形態にかかるブームシリンダ10は、以下のような効果を奏する。
まず、ロックナット5の締結時には、段差9の端面及びピストン4の接触面16をメタルシールとして機能させることができる。また、このメタルシールによりヘッド室11及びロッド室12間における作動油リークが防止されるため、各ヘッド室11,ロッド室12へ供給される作動油量を制御することによって、正確にブームシリンダ10を伸縮動作させることができる。
一方、ロックナット5の締結が緩んだときには、ヘッド室11とロッド室12とが連通するため、ヘッド室11及びロッド室12間において作動油のリークを促すことができる。
また、積極的に作動油をリークさせることによって、オペレータが認識可能なシリンダドリフトを生じさせることができる。つまり、オペレータは、ロックナット5の締結緩みによって生じるシリンダドリフトをブーム23の操作感(操作に対する反応)によって早期に発見することができる。
例えば、シリンダドリフトが無い又は極めて小さい場合には、ロックナット5の締結が緩んでいないと判断することができ、また、シリンダドリフトが大きい場合には、ロックナット5の締結が緩んでいるおそれがあると判断することができる。このように、シリンダドリフトの大きさを判定基準としてロックナット5の緩みを判定でき、ブームシリンダ10のメンテナンスの要否を判定できる。
なお、本実施形態では、ロッド2,ピストン4及びロックナット5には一般的な鋼材が用いられているため、構成が簡素であり、製造コストを低減させることができるとともに、強度,剛性を十分に確保することができる。また、本実施形態によれば、ピストン4表面への溝加工により、ロッド2及びロックナット5を加工することなく第1通路6及び第2通路7を形成することができる。また、これらの通路を形成するための加工(すなわち、溝切り加工)が容易であり、製造コストをさらに低減させることができる。
[その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、ピストン4の表面に第1通路6及び第2通路7が形成されているが、第1通路6は、ピストン4及びロックナット5の当接面14上に形成されていればよく、また、第2通路7は、ピストン4及び縮径部3間の環装面15上に形成されていればよい。つまり、第1通路6をロックナット5側に形成することができ、あるいは、第2通路7を縮径部3側に形成することも可能である。
また、上述の各実施形態では、ピストン4の表面に、第1通路6及び第2通路7が各一つずつ切削形成されているが、これらの通路6,7を複数組形成してもよい。この場合、ロックナット5が緩んだ場合にリークする作動油量を増加させることができ、シリンダドリフトを大きくして、オペレータがより容易にロックナット5の緩みを発見することができるようになる。
また、上述の実施形態では、ヘッド室11と環装面15とを連通する第1通路6と、第1通路6と接触面16とを連通する第2通路7との二つの通路が形成されているが、作動油通路は、ヘッド室11と接触面16とを連通するものであればどのような形状,経路を辿るものでも構わない。例えば、ロッド2の内部を貫通してヘッド室11と接触面16とを連通するような通路を設けてもよい。
なお、上述の実施形態では、第1通路6がピストン4及びロックナット5の当接面14上に形成されており、一方、ピストン4及び段差9間の間隙が第3通路8として機能するようになっているが、これらの通路の位置関係を逆にしてもよい。
また、上述の実施形態の構成に加えて、図6(a),(b)に示すようなスプリングワッシャ(付勢部材)41を設け、ピストン4をロックナット5方向へ付勢するよう構成することも考えられる。このスプリングワッシャ41は、厚み方向へ僅かに歪んだ環状に形成された座金である。図6(c)に示すように、スプリングワッシャ41を厚み方向へ押し付けるように、ピストン4及びピストンロッド2の段部9との間に組み付け、ロックナット5の締結によってピストン4へ与えられる力よりも小さい力(厚み方向への歪みによって生じる弾性的な復元力)でピストン4をロックナット5方向へ付勢させる。
これにより、ロックナット5の締結時には、スプリングワッシャ41が一般的な座金として機能し、ピストン4及びロックナット5を緩みにくくすることができる。一方、ロックナット5の締結に緩みが生じた時には、スプリングワッシャ41によって第3通路16が開放されたままの状態となるため、第3通路16を流通する作動油量を確保しやすくなり、オペレータにロックナット5の緩みを発見させやすくすることができる。
なお、本発明はロックナット5の緩みだけでなく、ロッド2自体の塑性変形による伸びに対しても、作動油リークを生じさせてシリンダドリフトを大きくできる。これにより、オペレータは容易にロッド2の伸びを発見することができる。
本発明の一実施形態としてのシリンダ装置の要部構成を示す断面図であって、(a)はロックナット締結時の状態を示す断面図、(b)はロックナット緩み時の状態を示す断面図である。 図1のピストンの斜視図である。 図1のピストンの断面図(図2のA−A断面図)である。 図1の全体構成を示す断面図である。 本シリンダ装置が適用された油圧ショベルの斜視図である。 上記実施形態の変形例を説明するための図であり、(a)はスプリングワッシャの正面図、(b)はその側面図、(c)はそのシリンダ装置への取付状態を示す断面図である。
符号の説明
1 シリンダチューブ
2 ピストンロッド(ロッド)
3 縮径部
4 ピストン
5 ロックナット
6 第1通路(作動油通路のひとつ)
7 第2通路(作動油通路のひとつ)
8 第3通路(作動油通路のひとつ)
9 段差
10 ブームシリンダ(シリンダ装置)
11 ヘッド室
11a ヘッド側ポート
11b ヘッド端面
12 ロッド室
12a ロッド側ポート
12b ロッド室端部
13 縮径部の外周面
14 ピストン及びロックナットの当接面
15 ピストン及び縮径部間の環装面
16 ピストン及び段差間の接触面
17 螺合部
18 ロッドの外周面
19 シリンダチューブの内周面
20 油圧ショベル
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 ブーム
24 スティック
25 バケット
26 作業用装置(通路)
27 作動油通路
28 クッションリング
29 シールリング
30 スティックシリンダ
31 隙間
40 バケットシリンダ
41 スプリングワッシャ(付勢部材)

Claims (3)

  1. 中空円筒状のシリンダチューブと、
    該シリンダチューブの軸方向に沿って該シリンダチューブの内部へ挿通されたピストンロッドと、
    該シリンダチューブの内部側の該ピストンロッドの一端部において、該ピストンロッドの外周面に対し段差を有して縮径形成された縮径部と、
    該シリンダチューブの内周面に摺接するとともに、該縮径部の外周面に対して該軸方向へ摺動自在に環装されて、該シリンダチューブの内部をロッド室とヘッド室とに区画するピストンと、
    該ロッド室と該ヘッド室とを連通する通路と、
    該ピストンロッドの一端部に締結されて該ピストンに当接し、該縮径部に環装された該ピストンを該段差との間で該軸方向に挟んで固定するとともに、緩んだ時には該通路へ作動流体をリークさせるロックナットとを備え、
    該通路は、
    該ピストン及び該ロックナットの当接面上又は該ピストン及び該段差の接触面上に形成されて、該ロッド室又は該ヘッド室内の作動流体を該ピストン及び該縮径部間の環装面まで導入する第1通路と、
    該ピストン及び該縮径部間の環装面上に形成され、該第1通路により導入された該作動流体を該当接面及び該接触面のうちの該第1通路が形成されていない一方まで導入する第2通路と、を有し、
    該第1通路は、該当接面の該ピストン側において溝状の通路として形成され、
    該第2通路は、該環装面の該ピストン側において溝状の通路として形成されている
    ことを特徴とする、シリンダ装置。
  2. 該当接面上及び該環装面上において、該第1通路及び該第2通路が複数組設けられている
    ことを特徴とする、請求項記載のシリンダ装置。
  3. 請求項1又は2記載のシリンダ装置における該ロックナットの緩み又は該ピストンロッドの伸び変形を検知する方法であって、
    該ロックナットの緩み又は該ピストンロッドの伸び変形が生じていない状態で該第1通路及び該第2通路に該作動流体を導入しておき、
    該通路の該作動流体が該ロッド室側又は該ヘッド室側へとリークしたことを以て、ロックナットが緩んだ又は該ピストンロッドが伸び方向へ塑性変形したと検知する
    ことを特徴とする、ロックナットの緩み及びロッドの伸び変形検知方法。
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