JP4478048B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
そして送風装置が駆動されると、吸気口から吸気ダクトを通って外気(冷却風)が吸引され、冷凍装置の構成機器に当たることでこれを冷却し、冷却に供した後の排熱は、排気ダクトを通って排気口から吐出されるようになっている。特に、排気口を吸気口よりも後方に控えて設けたことで、排気口から吐出された排熱が吸気口に引き続いて入り込む、いわゆるショートサイクルが生じるのを防ぐようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、排熱のショートサイクルをより確実に防止するところにある。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記排気パネルは、前記排気口が前方の斜め上方を指向する斜め姿勢で設けられているところに特徴を有する。
排気口の下部側の領域から吐出された排熱は、仮に直進したとしても前面パネルを越える前に同前面パネルの上縁の折り返し部に添えられた風向板に当たることにより上方に向きを変えられ、上部側の領域から吐出された排熱も、上記の上方に向けられた風の影響を受けて、斜め上向きの流れに変えられる。その結果、排気口から吐出された排熱全体が、吸気口から離れるような流れとなり、同排熱が吐出することに続いて吸気口に吸引される、いわゆるショートサイクルを起こすことが防止される。
前面パネルの折り返し部の先端と吸気ダクトの上面との間に隙間があると、吐出された排熱が同隙間から前面パネルの裏側に入って吸気ダクトに吸引される可能性があるが、風向板は上記の隙間を閉鎖する機能を併せて持っているから、前面パネルの裏側に排熱が直接に入ることも防止される。
冷却風は前面パネルの幅方向の中央部の吸気口から吸気ダクトを通って吸引されて、冷凍装置の構成機器に当たることでこれらが冷却され、冷却に供した後の排熱は、機械室の全幅に亘って設けられた上部側の排気ダクトに回り込んだのち、排気パネルの排気口から吐出される。
<請求項4の発明>
排気パネルは、排気口が前方の斜め上方を指向する斜め姿勢で設けられているから、排熱は全体的に前方の斜め上向き、すなわち吸気口から次第に離れる方向に向けて吐出されるから、ショートサイクルがより確実に回避される。また、排気パネルが斜め姿勢で設けられているから、排気ダクトの高さが同じで排気パネルが垂直姿勢で設けられている場合と比較すると、排気口の面積を大きく取ることができ、排気効率ひいては冷却風の流通効率を向上させることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
図1ないし図3において、符号10は断熱箱体からなる貯蔵庫本体であって、内部が貯蔵室11とされており(図6参照)、この貯蔵庫本体10の上面に、冷凍装置13等を収納した閉鎖型の機械室20が設けられている。
冷凍装置13は、圧縮機14、凝縮器15等を備え、断熱性のユニット台17上に、前方から凝縮器15、凝縮器ファン16及び圧縮機14が順次に載置されているとともに、ユニット台17の下面側に冷却器(図示せず)が装備されてユニット化され、冷却器と冷凍装置13とが冷媒配管で循環接続されることで、冷凍サイクルが構成されている。なお、ユニット台17の正面から見た右端の手前側の位置には、電装箱18が装備されている。
このユニット台17が、貯蔵庫本体10の天壁10Aに形成された開口部(図示せず)を覆うようにして載せられる一方、冷却器が貯蔵室11の天井部に収容され、冷凍装置13の駆動により、冷却器を介して貯蔵室11内が冷却されるようになっている。
この前面パネル30の幅方向の中央部、すなわち上記した吸気ダクト28の前面開口部と対応する位置には、吸気口33が形成されている。この吸気口33は、多数の横長のスリット33Aが、縦横に整列して切られることによって形成されている。
前面パネル30は、その内面下部の左右両端部に突設した保持突部36を、支柱21の下部位置に設けられたホルダ37に弾性的に嵌めることで、上記した垂直な閉鎖姿勢に保持されるようになっている。そのとき、前面パネル30の上縁部31は、吸気ダクト28を形成した上仕切板25Aの前縁側の上面に覆い被さるように位置し、また、前面パネル30の裏面が、吸気ダクト28の前端開口縁のシール材26に押し付けられるようになっている。
また、風向板45の下縁は、前面パネル30が閉鎖姿勢を取った場合に、吸気ダクト28の上仕切板25Aの上面に接触し、前面パネル30の上縁部31の折り返し面31Aと、上仕切板25Aとの間の隙間を塞ぐようになっている。
冷却運転は、冷凍装置13(圧縮機14)と凝縮器ファン16とが駆動されることで行われ、外気(冷却風)が前面パネル30の吸気口33から吸気ダクト28を通って吸引され、凝縮器15さらには圧縮機14に当たることでこれらが冷却され、冷却に供した後の排熱は、上部側の排気ダクト40に回り込んだのち、排気パネル41の排気口42から吐出される。
ここで、排気口42が前方の斜め上方を指向する姿勢で設けられているから、排熱は全体的に前方の斜め上向きに吐出される傾向にある。そして、排気ダクト40の下部側を通ってほぼ直進して吐出された排熱は、前面パネル30の上縁部31に設けられた風向板45に当たって上方に向きを変えられ、上部側の領域から吐出された排熱も、上記の上方に向けられた風の影響を受けて、さらに斜め上向きに向きを変えられる。その結果、排気口42から吐出された排熱全体が、吸気口33から離れるような流れとなり、同排熱が吐出することに続いて吸気口33に吸引される、いわゆるショートサイクルを起こすことが防止される。もって、凝縮器15を効率良く冷却でき、冷却性能を上げることができる。
また、風向板45の下縁が吸気ダクト28の上仕切板25Aの上面に当接していて、前面パネル30の折り返し面31Aと上仕切板25との間の隙間を塞いでいるから、排気口42から風向板45に向けて吐出された排熱が、前面パネル30の裏側に入り込むことが規制される。そのため、吸気ダクト28の前端がシール材26を介して前面パネル30の裏面に当てられていることと相俟って、前面パネル30の裏側からショートサイクルが生ずることも防止される。
なお、風向板45は前面パネル30に後付けされているが、前面パネル30と同じ素材で形成され、高さが極力抑えてあるとともに、その背面にある排気口42が横長のスリット42Aを整列させて形成されているから、正面から見た場合に、風向板45を設けたことに伴う外観上の違和感はほとんど無い。
図8は、参考例1を示す。前面パネル30が、実施形態1のような回動開閉式ではなく、前面側から脱着するような形式のものでは、風向板50として、基部51の前側に、前上がりの傾斜部52を設けた形状とし、傾斜部52を、前面パネル30の折り返し面31Aの角部に当てた状態で、基部51を、吸気ダクト28の上仕切板25Aの上面に固定するようにしてもよい。
係る構造においても、前面パネル30の開閉を許容する一方で、排気ダクト40の下部側から直進して吐出された排熱を、風向板50の傾斜部52によって上方に向きを変え、上部側の領域から吐出された排熱にも風の影響を与えて、排気口42から吐出された排熱全体を、吸気口33から離れるような流れとすることに機能し得る。
参考例2を図9によって説明する。
この参考例2では、実施形態1、参考例1に示したように、前面パネル30の上縁部31に風向板を設ける構造に代えて、排気パネル41の下端部が後方に直角曲げされることにより、前方に向けて上り勾配となった風向板55が形成されている。
この参考例2によれば、排気ダクト40内の上側の大部分を流通した排熱は、排気口42の指向方向に倣って前方の斜め上方に吐出される傾向にあり、一方、排気ダクト40内の下部に流通した排熱は、排気パネル41の下端部の風向板55に当たってその傾斜に倣うことにより、比較的急な上り勾配で前方に吐出される。そのため、上側の大部分の排熱は、下側の急な上り勾配の風の影響を受けてさらに斜め上向きに向けられ、排気口42から吐出された排熱全体が、吸気口33からさらに離れるような流れとなる。その結果、同排熱が吐出することに続いて吸気口33に吸引される、いわゆるショートサイクルを起こすことが防止される。
なお、排気パネル41の下端部に風向板55が曲げ形成されていることで、排気パネル41自身の増強にも寄与し得る。
図10は、本発明の関連技術を示す。この関連技術では、機械室60の前面において、前面パネル61(吸気パネル)と排気パネル62とが前後にずれることなく同じ位置に設けられている。
ただし、排気口64は左右2つに分けられてそれぞれルーバー状に形成されており、左右の排気口64では、それぞれフィン65が、上端が外側に傾いた斜め姿勢で、かつ正面を向くよりも外側に開くように切り起こされて形成されている。
これにより、排気ダクトに回り込んだ排熱は、左右の排気口64から、フィン65で案内されつつ、前方の斜め上方で、かつ外側に離れるようにして吐出される。これはすなわち、排熱が吸気口63から離れるように吐出されることを意味し、同じように、排熱が吐出することに続いて吸気口63に吸引される、いわゆるショートサイクルを起こすことが防止される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1において、排気ダクトの前面に設けられる排気パネルは、傾斜姿勢でなく鉛直姿勢であってもよい。
Claims (4)
- 貯蔵庫本体の上面に設けられた機械室内には、凝縮器等の冷凍装置の構成機器とこれらに冷却風を供給する送風装置とが設けられるとともに、前記機械室内の前部における下側には吸気ダクトが、上側には排気ダクトが区画形成され、前記吸気ダクトの前端には、吸気口を備えた前面パネルが配される一方、前記排気ダクトの前端は、前記吸気ダクトの前端よりも後方に控えた位置に設けられて、この排気ダクトの前端には、排気口を備えた排気パネルが配された冷却貯蔵庫において、
前記前面パネルは、上端側を支点として下端を手前側に突出させた水平姿勢を取るように揺動開放可能とされているとともに、
前記前面パネルの上縁が上方に延出したのち前記吸気ダクトの上面に向けて折り返され、この折り返し部に風向板を添えることにより前記排気口における下部側の領域から吐出された排気を受けてその向きを上方に導く風向部が形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記風向板が前記折り返し部の先端と前記吸気ダクトの上面との間を閉鎖していることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記吸気ダクトは前記機械室内の下部側における幅方向の中央部に形成される一方、前記排気ダクトは前記機械室内の上部側の全幅に亘って形成されており、前記前面パネルは、前記機械室の下部側の前面開口の全幅に亘って装着され、前記吸気ダクトの前面開口部と対応する位置のみに前記吸気口が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記排気パネルは、前記排気口が前方の斜め上方を指向する斜め姿勢で設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷却貯蔵庫。
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