JP4478002B2 - 下水処理方法および下水処理制御装置 - Google Patents

下水処理方法および下水処理制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、活性汚泥を用いた下水処理方法および下水処理制御装置に関する。
従来から、下水(汚水)の処理施設では、活性汚泥を利用して生物学的に窒素・りんを除去する方法が実施されている。この方法では、窒素・りんを除去するために有機物を利用するが、処理施設への流入水の水質により有機物の必要量が変化する。
ここで、生物学的に窒素・りんを除去する方法について簡単に説明する。
汚水中の窒素を生物学的に除去する場合、好気条件下で活性汚泥中の硝化菌がアンモニア態窒素を亜硝酸・硝酸態窒素に酸化する。そして、この硝酸態窒素を嫌気条件下で脱窒菌が還元し、窒素ガスにして大気中に放出する(硝化・脱窒プロセス)。
また、汚水中のりんを生物学的に除去する場合は、嫌気条件下で活性汚泥がりんをいったん放出し、その後、活性汚泥を好気条件にすると放出量以上にりんを摂取する過剰摂取現象を利用して、りんを除去する。
ここで、窒素除去の場合は、脱窒菌により硝酸態窒素を還元する際に有機物を必要とする。また、りん除去の場合は、活性汚泥がりんを放出する際に有機物を必要とする。
したがって、汚水中の窒素・りんの除去を安定して行うには、必要に応じて生物反応層に有機物を添加する必要がある。このとき、生物反応槽に有機物を過剰に投入してしまうと、処理水の有機物を増加させ、処理水水質が悪化するので、有機物は必要量を過不足なく添加する必要がある。
従来、この生物反応槽に添加する有機物として、最初沈殿池より引き抜かれた初沈汚泥を利用する方法がある。
特許文献1には、最初沈殿池による処理水(以下沈後水と略す)または脱窒槽の生物学的酸素要求量(Biological Oxygen Demand、以下BODと略す)あるいは硝酸性窒素(以下NOx−Nと略す)の測定値を用いて、BODやNOx−Nの脱窒槽流出水への残留量を所定の値以下に保つように初沈汚泥等の有機物を添加する方法が開示されている。
また、特許文献2には、脱窒槽のORP(酸化還元電位)が0mV以上のときに、有機物が不足していると判断し、初沈汚泥の添加を行う方法が開示されている。
特開2003−154392号公報 特開平10−323693号公報
しかし、従来の初沈汚泥の添加方法は、以下のような課題があった。
初沈汚泥は、固形分を5000〜20000mg/l程度含むため、投入量によっては、生物反応槽内ですべて分解できず、初沈汚泥が返送汚泥として各生物反応槽へ循環する。この未分解の初沈汚泥は、生物反応槽における平均汚泥滞留時間に相当する時間、生物反応槽に蓄積する。このため、汚水の処理施設において生物反応槽のMLSS(活性汚泥濃度、Mixed liquor suspended solids)一定制御で処理を行う場合、生物反応槽への初沈汚泥の投入量が増加すると、活性汚泥量の割合が減少する。
つまり、生物反応槽のMLSS測定装置は、活性汚泥量と初沈汚泥量との合計値をMLSSの値として測定するので、処理施設でMLSS一定制御を行ったとしても、実際の活性汚泥量が減少している場合がある。したがって、初沈汚泥を投入しつつMLSS一定制御を行っても、有機物・窒素・りんの除去量が減少するおそれがある。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載のいずれの方法も、生物反応槽における初沈汚泥の比率については考慮していない。つまり、前記した方法では、活性汚泥の菌体の比率が低下し、最低限必要な菌体量が維持できなくなり、りん・窒素・有機物の除去量が低下して処理水水質が悪化するおそれがある。
ちなみに、生物反応において一度菌体量が減少すると、回復に数日かかる。このため、菌体量の維持は、汚水処理を安定して行うために重要な問題である。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、生物反応槽に蓄積する初沈汚泥量を算出し、その値に基づいて初沈汚泥の投入量を適正に運転することで、活性汚泥の菌体量を、必要な反応速度を得られる量以上に維持し、安定した処理水水質が得られる生物学的水処理方法等を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、前段の沈殿池(最初沈殿池)と後段に配置され沈殿池における沈後水が供給される生物反応槽とを含み、前記最初沈殿池で沈降分離された初沈汚泥を前記生物反応槽に投入して生物学的処理を行う下水処理方法であって、前記生物反応槽への初沈汚泥の投入量の制御を行う制御装置が、前記初沈汚泥の投入量を、前記生物反応槽における活性汚泥量に対する初沈汚泥量との比率に基づいて決定するものとした。
なお、このときの初沈汚泥(初沈汚泥の固形分)の投入量は、例えば以下のようにして決定する。
(1)初沈汚泥の投入量(実測値)を計測する。
(2)活性汚泥量に対する初沈汚泥量の比率を算出する。なお、このときの初沈汚泥の比率は、生物反応槽における初沈汚泥の固形分投入量、初沈汚泥の分解率、MLSS(活性汚泥濃度、Mixed liquor suspended solids)および生物反応槽への流入量から算出する。
(3)算出した初沈汚泥量の比率に基づいて、窒素またはりんの除去速度を算出する。
(4)前記算出した除去速度が、管理者等が目標とする窒素またはりんの除去速度に満たない場合は、初沈汚泥の投入量を増加させる。一方、算出した除去速度が、管理者等が目標とする窒素またはりんの除去速度を超える場合は、初沈汚泥の投入量を減少させる。
その他の手段については、後記する実施の形態で述べる。
本発明によれば、初沈汚泥の過剰投入を防ぎ、生物反応槽の活性汚泥量の最低限の必要量を維持できるため、下水処理における処理水の処理水水質を安定して向上させることができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について、図面を参照して詳細に説明する。
《第1の実施の形態》
図1は、本発明の第1の実施の形態の下水処理施設の構成図である。図1に示すように本実施の形態の下水処理施設は、生物反応槽1、最初沈殿池2、最終沈殿池3およびこれらの制御を行う下水処理制御装置(制御装置)15を備える。
生物反応槽1は、微生物群である活性汚泥によって、沈後水中の有機物、窒素、りんなどを生物学的に処理・分解する施設であり、最初沈殿地2は、流入原水が最初に供給される施設である。
この最初沈殿池2では、原水の夾雑物を沈殿させ、沈後水を生物反応槽1へ供給する。最終沈殿地3は、生物反応槽1から供給された処理水を沈降分離させる施設である。最終沈殿地3で沈降分離された上澄み液は、処理水として放流される。
なお、最終沈殿地3の沈殿物(活性汚泥)の一部は、生物反応槽1へ返送され、再度生物学的処理が行われる。残りは余剰汚泥として外部に排出される。
制御装置15は、下水処理施設の全体の制御を司り、ここでは主として初沈汚泥の生物反応槽1への投入量を制御する。
本実施の形態では、生物反応槽1は複数の反応槽100(100a〜100d)で構成され、反応槽100aに、MLSS測定手段11が設置されるものとする。このMLSS測定手段11は、生物反応槽1のMLSSを測定する。
なお、本実施の形態では、MLSS測定手段11は、生物反応反応槽100aに設置されるものとするが、他の反応槽100b〜100dに設置するようにしてもよい。また、生物反応槽1は、2段嫌気−好気法を用いるものとし、反応槽100a,cは、嫌気槽であり、反応槽100b,dは、好気槽であるものとする。
なお、MLSS測定手段11による測定値は制御装置15(制御手段7)に送られる。
最初沈殿池2は、原水の夾雑物を沈殿させ、沈後水を生物反応槽1へ供給する。この最初沈殿池2には、ポンプ等を備える初沈汚泥移送手段4が設置され、この初沈汚泥移送手段4は、初沈汚泥を初沈汚泥供給口13経由で生物反応槽1へ供給する。
初沈汚泥移送手段4と初沈汚泥供給口13との間には、生物反応槽1へ供給される初沈汚泥のSS(Suspended Solids)濃度を計測するための初沈汚泥測定手段8と、弁14とが設置されている。
なお、このSS(Suspended Solids)とは、水中に懸濁している浮遊物質のことである。そして、初沈汚泥測定手段8が測定したSS濃度は、制御装置15に送る。弁14は、制御装置15の制御に基づき開閉される弁である。
また、最初沈殿池2には沈後水測定手段9が設置され、この沈後水測定手段9は、生物反応槽1への流量、有機物濃度、窒素濃度、りん濃度等を測定する。沈後水測定手段9の測定値は制御装置15(制御手段7)へ送られる。
最終沈殿池3には、余剰汚泥排出手段17、余剰汚泥測定手段10、汚泥返送手段16および返送汚泥測定手段12が設置される。余剰汚泥排出手段17は、ポンプ等を備え、最終沈殿地3から余剰汚泥を引き抜く。そして、余剰汚泥測定手段10は、この余剰汚泥排出手段17により引き抜かれた余剰汚泥の流量(余剰汚泥引き抜き流量)と、この余剰汚泥のMLSSとを測定する。また、汚泥返送手段16は、ポンプ等を備え、最終沈殿地3から引き抜いた汚泥を生物反応槽1(反応槽100a)へ返送する。返送汚泥測定手段12は、汚泥返送手段16により返送される汚泥の流量を測定する。
余剰汚泥測定手段10および返送汚泥測定手段12の測定値は、制御装置15(制御手段7)へ送られる。
制御装置15は、下水処理施設の制御を行う制御手段7と、この制御手段7へ各種パラメータ(演算条件)の設定を行うための目標値入力手段5および機器仕様入力手段6を備える。目標値入力手段5および機器仕様入力手段6は、請求項における入力手段に相当する。
制御手段7は、所定のプログラムを記憶するメモリおよびこのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)により構成される。CPUは、メモリに記憶されたプログラムに、初沈汚泥測定手段8、沈後水測定手段9、余剰汚泥測定手段10、MLSS測定手段11および返送汚泥測定手段12の測定値と、目標値入力手段5および機器仕様入力手段6から入力されたパラメータを代入して、生物反応槽1に投入する初沈汚泥量等を算出する。そして、制御手段7は、初沈汚泥移送手段4および弁14を制御して、算出した初沈汚泥量を生物反応槽1へ投入するようにする。
なお、この制御装置15は、入出力インタフェース、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を備えるコンピュータにより実現されるものとする。また、この制御装置15には、液晶モニタ等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置が接続されていてもよい。この制御装置15の動作の詳細は、後記する。
次に、本実施の形態における下水処理施設で流入原水の処理過程を説明する。
前記したとおり、下水処理施設の外部から供給された流入原水は、まず、最初沈殿池2に供給され、最初沈殿池2では、流入原水を沈降分離させて、粗大な夾雑物を除去する。このとき、沈降分離された汚泥(初沈汚泥)の一部は、初沈汚泥移送手段4が生物反応槽1(反応槽100c)に供給する。
このとき初沈汚泥移送手段4による初沈汚泥の移送量は、制御手段7によって制御される。初沈汚泥移送手段4と生物反応槽1との間に設置された初沈汚泥測定手段8は、初沈汚泥のSS濃度を測定する。そして、この測定値を制御装置15(制御手段7)へ送る。
ちなみに、生物反応槽1に供給される初沈汚泥以外の初沈汚泥は、ポンプ等(図示せず)により外部に排出される。
最初沈殿池2で粗大な夾雑物が除去された流入原水(沈後水)は、沈後水測定手段9によって、流量、有機物濃度、窒素濃度、りん濃度等が測定された後、生物反応槽1(反応槽100a)へ流入する。
生物反応槽1の反応槽100aでは、最初沈殿池2から流入した沈後水、汚泥返送手段12から返送された返送汚泥および反応液を攪拌する。
そして、反応槽100a(嫌気槽)では、主に活性汚泥中のりん蓄積菌によるりんの放出反応が進行する。活性汚泥中のりん蓄積菌は有機物を摂取し、菌体細胞内に蓄積していたりんを放出する。次に、反応槽100b(好気槽)では、りん蓄積菌によるりんの摂取反応(りんの除去)、硝化菌による硝化反応(NH4−NをNO3−Nに酸化)および有機物の酸化分解反応が進行する。続いて、反応槽100c(嫌気槽)では、主に脱窒菌による脱窒反応が進行する。脱窒菌は、反応槽100bから流入したNO3−Nを還元し、窒素ガスとして大気中に放出し、窒素を除去する。このとき、脱窒菌は有機物を消費する。そして、反応槽100d(好気槽)では、硝化反応と有機物の酸化分解反応とが進行する。
生物反応槽1(反応槽100a〜100d)を通過して処理された処理水は、最終沈殿地3に供給される。そして、汚泥返送手段16は、最終沈殿地3で沈降分離した活性汚泥を生物反応槽1(反応槽100a)へ返送し、再度生物学的処理を行う。
ここで、返送汚泥測定手段12は、汚泥返送手段16により返送される汚泥の流量を測定し、この測定値を制御装置15(制御手段7)へ送る。また、最終沈殿地3で沈降分離した活性汚泥の一部は、余剰汚泥として余剰汚泥排出手段17により外部に排出される(引き抜かれる)。このとき、余剰汚泥測定手段10は、排出される余剰汚泥の流量とMLSSとを測定し、測定値を制御装置15(制御手段7)へ送る。
次に、適宜図1を参照しつつ図2を用いて、各測定手段から送られた測定値に基づく制御装置15(制御手段7)の動作(下水処理方法)を説明する。図2は、図1の制御手段の動作を示すフローチャートである。
ステップS201のq設定工程では、制御手段7が機器仕様入力手段6から入力されたデータに基づき初沈汚泥の分解率qを決定する。
このときの分解率qは、例えば、生物反応槽1に初沈汚泥が投入された後、ある程度初沈汚泥が生物反応槽1を循環して定常状態に至ったときに、生物反応槽1から流出する初沈汚泥量から決定する。
ちなみに、発明者らの実験の結果、SRT(汚泥滞留時間、Sludge Retention Time)が5.5〜19日のとき、分解率qは60〜80%であった。このように分解率qの設定は、SRTを指標にするようにしてもよい。また、分解率qは、国際水協会から出ている活性汚泥モデルを用いたシミュレーションに基づき設定するようにしてもよい。
なお、本実施の形態におけるSRTとは、活性汚泥が生物反応槽1から余剰汚泥として引き抜かれるまでの時間をいう。
次に、ステップS202のrp算出工程では、制御手段7が、現状の生物反応槽1における初沈汚泥の比率rpを、以下の式(1)により算出する。
Figure 0004478002
式(1)のQrは、返送汚泥測定手段12が測定した返送汚泥流量、Qinは沈後水測定手段9が測定した流入水流量、Qpは初沈汚泥測定手段8が測定した初沈汚泥流量、Lpは初沈汚泥の固形分投入量(初沈汚泥流量×初沈汚泥測定手段8が測定したSS濃度)、MLSSはMLSS測定手段11が測定したMLSS値を用いる。
なお、初沈汚泥投入量は数日間の平均値を用いるとよい。
続いて、制御手段7が窒素除去速度の目標値ΔN目標と現在の窒素の除去速度との差分ΔNを求める。また、りん除去速度の目標値ΔP目標と現在のりんの除去速度との差分ΔPも求める。ここで、ΔPは、ΔNと同様の演算処理により求めることができるので、ここでは代表して制御手段7がΔNを求める場合について説明する。
ステップS203のΔN算出工程では、以下のようにしてΔNを算出する。
まず、制御手段7は、目標値入力手段5から入力された処理水の窒素濃度の目標値と、沈後水測定手段9が測定した流入水の窒素濃度と、好気槽の滞留時間あるいは流量とから窒素の除去速度の目標値ΔN目標[g/h]を設定する。
次に、菌体重量あたり窒素除去速度の最大値ΔNmax [g/ g-MLSS・h]を設定する。このΔNmaxの値は、生物反応槽1の槽容量、水温、DO値(溶存酸素)等に基づき設定し、状況に応じて変更する。例えば、ΔNmax=1.0 [g/g-MLSS・h]として設定する。
続いて、制御手段7は、以下の式(2)に基づき、窒素除去速度の目標値ΔN目標と現在の窒素の除去速度との差分ΔNを算出する。
Figure 0004478002
ちなみに、りん除去の場合には、式(2)の替わりに式(3)を用いる。このとき、ΔPmaxは菌体重量あたりのりん除去速度の最大値であり、例えば0.5 [g/g-MLSS・h]とする。
次に、制御手段7は、ステップS203で算出されたΔNが、ΔN>0か否かを判断する(ステップS204)。ここで、ΔNが、ΔN>0のとき(ステップS204のYes)、ステップS205へ進み、LPをΔLP増加させた値を算出する。一方、ΔNが、ΔN>0ではないとき、つまりΔN≦0のとき(ステップS204のNo)、ステップS206へ進み、LPをΔLP増加させた値を算出する。このときの、ΔLPは、例えばLPの5%程度にする。
ちなみに、りん除去の場合も同様にΔPがΔP>0か否かを判断し、ΔPがΔP>0のときには、LPをΔLP増加させた値を算出する。一方、ΔPがΔP≦0のときにはLPをΔLP減少させた値を算出する。
本実施の形態によれば、窒素またはりんの除去目標速度に必要な有機物量以上に初沈汚泥を投入している場合は、投入を停止し、不足する場合は投入量を増加させることができる。その結果、生物反応槽1に蓄積する初沈汚泥の影響による活性汚泥の反応速度の変化を考慮して現在の除去速度を算出し、目標の窒素またはりんの除去速度になるよう投入量が増減することができる。
また、前記した実施の形態では、式(1)に基づき初沈汚泥の比率rpを算出することとしたが、例えばSRT、初沈汚泥投入量、余剰汚泥量、生物反応槽1のMLSS濃度、返送汚泥量、初沈汚泥の有機物割合等の、分解率qに関連する情報を用いて算出してもよい。その際、rpの算出後は前記したステップS203以降と同様の処理を行う。
このようにすることで、生物反応槽1に蓄積する初沈汚泥量の比率を用い、目標の水質を得るために必要な活性汚泥の除去速度を維持するように投入量を制御するため、初沈汚泥の過剰投入を回避し、処理水水質を安定して向上できる。
《第2の実施の形態》
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態の下水処理施設の構成図である。前記した実施の形態と同様の構成要素は同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる点は、生物反応槽1a,bが並列設置され、最終沈殿池3を共有している点である。つまり、図3の領域Aに示す生物反応槽1b、沈後水測定手段9b、MLSS測定手段11b、返送汚泥測定手段12bおよび汚泥返送手段16bが追加されている。
ここで、生物反応槽1aは初沈汚泥を投入する生物反応槽であり、生物反応槽1bは初沈汚泥を投入しない生物反応槽である。沈後水は2つの生物反応槽1a,bに分配され、生物反応槽1a,bで窒素・りんが除去される。また、返送汚泥は最終沈殿池3から分配され、生物反応槽1a,bに送られる。
本実施の形態のように複数の生物反応槽1と、1つの最終沈殿池3とから構成される下水処理施設の場合、未分解の初沈汚泥が、初沈汚泥を投入しない生物反応槽1bへも循環する。したがって、第1の実施の形態の場合と比較して、生物反応槽1aにおける初沈汚泥の比率rpは小さくなり、初沈汚泥の投入量が増加する。
次に、適宜図1〜図3を参照しつつ、各測定手段から送られた測定値に基づく制御手段7の制御方法を説明する。
本実施の形態の制御方法の基本的手順は、第1の実施の形態の処理手順(図2参照)と同様であるので、図2を用いて説明する。本実施の形態の処理手順では、初沈汚泥の比率rpを算出する式(1)における返送汚泥量Qrが異なる。
第2の実施の形態のステップS201(q設定工程)は、第1の実施の形態のステップS201と同様に、制御手段7が、初沈汚泥の分解率qを設定する。
次に、ステップS202のrp算出工程で、制御手段7は、生物反応槽1a,bの初沈汚泥の比率rp1,rp2を、以下の式(4)のように算出する。ここで、添え字iは生物反応槽1の序数であり、本実施の形態では生物反応槽1a,bの2個であるので、1と2である。
本実施の形態では、初沈汚泥が生物反応槽1bにも蓄積するため,各生物反応槽1a,bへの流入水流量Qini、返送汚泥流量Qriおよび初沈汚泥投入流量Qpiから式(4)を用いて生物反応槽1a,bの初沈汚泥の比率rp1,rp2を算出する。
Figure 0004478002
次に、ステップS203のΔN算出工程では、制御手段7が初沈汚泥を投入する生物反応槽1aの初沈汚泥の比率rp1と、初沈汚泥を投入しない生物反応槽1bの初沈汚泥の比率rp2と、生物反応槽1a,bへの流入水流量Qin1,Qin2とから、生物反応槽1a,bでの窒素・りん除去速度を算出する。そして、前記した式(2)および式(3)より、生物反応槽1a,bごとの現状の窒素の除去速度ΔN1,ΔN2およびりんの除去速度ΔP1,ΔP2が得られる。
ステップS204では、初沈汚泥を投入する生物反応槽1aの窒素除去を目的とする場合、式(2)中のΔNをΔN1と設定して、第1の実施の形態と同様にLPを算出する。また、生物反応槽1bの窒素除去を目的とする場合は、式(2)中のΔNをΔN2と設定する。
生物反応槽1a,bの反応液は最終沈殿池3で合流し、上澄みが処理水となるため、この生物反応槽1a,bの窒素・りん除去量を考慮してもよい。この場合、ΔN1およびΔN2、またはΔP1およびΔP2が0以上であれば、投入量を増加し、いずれか1つでも0よりも小さい値であれば、初沈汚泥の投入を停止する。この制御により、初沈汚泥の蓄積による初沈汚泥を投入しない生物反応槽1bにおける除去量の低下を避けることができる。
または、生物反応槽1a,bの除去目標量をそれぞれ設定し、少なくとも処理水の合計値が目標値を達成するように初沈汚泥投入量を算出してもよい。
なお、下水処理施設が3つ以上の生物反応槽1を含む場合も、本実施の形態と同様に運転制御を行えばよい。
本実施の形態によれば、複数の生物反応槽1が最終沈殿池3を共有し、その一部の生物反応槽1aにのみ初沈汚泥を投入する場合でも、初沈汚泥を投入しない生物反応槽1bに蓄積した初沈汚泥の比率rpを把握することで、処理水水質の維持に必要な最低限の除去速度を得るための生物反応槽1の菌体量を維持でき、処理水水質を安定して向上できる。
《第3の実施の形態》
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態の下水処理施設の構成図である。前記した実施の形態と同様の構成要素は同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、2つの系列(生物反応槽1および最終沈殿池3)が同じ流入水を並列で処理している点である。つまり、第1の実施の形態に、生物反応槽1bおよびこの生物反応槽1bからの処理水を受ける最終沈殿地3bを含む系(図3の領域B)が追加されている。
本実施の形態における制御手段7の制御方法を説明する。本実施の形態の制御方法の基本的手順は、第1の実施の形態の処理手順(図2)と同様であるのが、分解率qの設定方法が異なる。
ステップS201のq算出工程では、制御手段7が初沈汚泥の分解率qを、初沈汚泥を投入する系列の余剰汚泥量Lex投入と、投入しない系列の余剰汚泥量Lex無投入と、初沈汚泥の投入量Lsと、初沈汚泥固形分中のBOD含有率Bssと初沈汚泥のBODに対する菌体増殖率Ysを用いて、以下の式(5)から算出する。ここでのBOD含有率Bssおよび菌体増殖率Ysは、下水処理装置(下水処理場)に設定するとよい。また、初沈汚泥投入量および余剰汚泥量は、例えば数日間の履歴を参照して設定する。添え字の「投入」は、初沈汚泥を投入する系列を表し、「無投入」は初沈汚泥を投入しない系列を表す。
Figure 0004478002
本実施の形態では、第1の実施の形態では設定していた初沈汚泥の分解率qを、初沈汚泥を投入する系列と投入しない系列とから得た情報を用いて算出する。このため、運転条件や初沈汚泥の組成に応じて、分解率qを設定できる。例えば、初沈汚泥固形分中のBOD含有率Bssは0.275、初沈汚泥のBODに対する菌体増殖率Ysは0.63という値を用いて分解率qを設定する。
次にステップS202で、制御手段7が、この分解率qを用いて式(1)よりrpを算出する。そして、菌体量を維持できる値になるよう、ステップS203およびステップS204で、第1の実施の形態と同様にLpを算出する。
《その他の実施の形態》
本発明は前記した実施の形態に限定されず、変形可能である。
図5は、本発明のその他の形態の下水処理施設の構成図である。本発明は、前記した第2の実施の形態の下水処理装置に初沈汚泥を投入しない系(領域C)を付加した構成としてもよい。このときの分解率qは前記した実施の形態のように式(5)を用いて算出し、rpは式(4)を用いて算出する。
なお、余剰汚泥量Lexは、各最終沈殿池3(3`)ごとの余剰汚泥量を用いるようにすればよい。
本実施の形態によると、初沈汚泥を投入する系列と、その系列と同じ構成を持ち初沈汚泥を投入しない系列の運転情報とを用いて流入水による菌体増殖量を把握し、初沈汚泥による菌体増殖量を求め、初沈汚泥の分解率qを算出する。この分解率qを用いて生物反応槽1に蓄積した初沈汚泥の比率rpを把握することで、投入する系列全体での菌体量と除去量とを把握して初沈汚泥投入量を決定するため、安定した処理水水質を向上を可能にする。
本実施の形態に係る制御装置15は、前記したような処理を実行させる下水処理制御プログラムによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供することが可能である。また、そのプログラムを、ネットワークを通して提供することも可能である。
本発明の第1の実施の形態の下水処理施設の構成図である。 図1の制御手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の下水処理施設の構成図である。 本発明の第3の実施の形態の下水処理施設の構成図である。 本発明の他の実施の形態の下水処理施設の構成図である。
符号の説明
1(1a,b) 生物反応槽(後段の生物反応槽)
2 最初沈殿池(前段の沈殿池)
15 制御装置(下水処理制御装置)
5 目標値入力手段(入力手段)
6 機器仕様入力手段(入力手段)

Claims (4)

  1. 前段に配置された沈殿池と後段に配置され前記沈殿池における沈後水が供給される生物反応槽とを含む下水処理施設について、前記沈殿池で沈降分離された初沈汚泥を前記生物反応槽に投入して生物学的処理を行う下水処理方法であって、
    前記生物反応槽への初沈汚泥の投入量の制御を行う制御装置は、
    前記初沈汚泥の投入量を、前記生物反応槽における活性汚泥量に対する初沈汚泥量の比率に基づき決定することを特徴とする下水処理方法。
  2. 前記制御装置が、
    前記生物反応槽における活性汚泥に対する初沈汚泥の比率を、前記生物反応槽に投入した初沈汚泥の分解率を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の下水処理方法。
  3. 前記下水処理施設の生物反応槽は、前記沈殿池における沈後水が供給され、前記初沈汚泥が投入される第1の生物反応槽および前記初沈汚泥が投入されない第2の生物反応槽を含み、
    前記制御装置が、
    前記第1の生物反応槽および前記第2の生物反応槽における余剰汚泥量を用いて、前記初沈汚泥の分解率を算出することを特徴とする請求項2に記載の下水処理方法。
  4. 前段に配置された沈殿池と後段に配置された前記沈殿池における沈後水が供給される生物反応槽とを含む下水処理施設について、前記前段に配置された沈殿池で沈降分離された初沈汚泥の前記生物反応槽への投入量を制御する下水処理制御装置であって、
    前記初沈汚泥の投入量の算出に用いる各種データの入力を受け付ける入力手段と、
    前記入力手段から入力された処理水水質目標値および前記生物反応槽に投入した初沈汚泥の分解率である初沈汚泥分解率と、
    前記生物反応槽への流入水流量、過去の初沈汚泥投入量、活性汚泥量および余剰汚泥排出量の測定値に基づいて前記生物反応槽の活性汚泥と初沈汚泥との比率を算出し、前記算出した前記生物反応槽の活性汚泥と初沈汚泥との比率を用いて初沈汚泥の投入量を算出する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする下水処理制御装置。
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