以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図13は本発明の一実施形態にかかり、図1は関節駒製造装置の概略構成を説明する平面図、図2は関節駒製造装置の構成を説明する作業者側から見た側面図、図3は給材ハンドユニットの構成を説明する図、図4は加工ユニットの構成を説明する図、図5は回転用モータ部の概略構成を説明する模式図、図6は回転用モータ部の正面図、図7は加工ユニット内に配置されるチャンバーと回転用モータ部、レーザ発振器、ストッパユニット、芯調整チャックユニットの関係を説明する図、図8はチャンバーの構成を説明する図、図9はチャンバーに対するレーザ発振器、回転軸ユニット、ストッパユニット、芯調整チャックユニット、アンローダパイプ、破材回収箱の関係を具体的に説明する図、図10は排出ユニットの構成を説明する図、図11はパイプ部材をレーザ加工している状態を説明する図、図12は回収ユニットの構成を説明する図、図13は吸引孔ドロス除去ユニットの構成を説明する図である。
図1に示すように関節駒製造装置1は、関節駒加工用パイプ部材供給ユニット(以下、給材ユニットと略記する)2と、関節駒加工ユニット(以下、加工ユニットと略記する)3と、関節駒排出ユニット(以下、排出ユニットと略記する)4と、アンローダパイプドロス除去ユニット(以下、ドロス除去ユニットと略記する)5と、第1集塵機6と、第2集塵機7と、レーザ用電源8と、定電圧装置9等とを備えて構成されている。
なお、関節駒製造装置1には操作盤20が設けられている。操作盤20は、給材ユニット2、加工ユニット3、排出ユニット4等の動作をシーケンス制御する制御装置である図示しない例えばPLC(プログラマブルコントローラー)に接続されている。また、関節駒製造装置1には図示しないパソコン(以下、PCと略記する)が設けられている。PCは、関節駒製造装置1で加工する品目、加工数、加工日の入力や、事前に登録されている品目に対応する各種条件の選択等を行えるとともに、関節駒製造工程中の稼働状況を集中管理する。
給材ユニット2、加工ユニット3及び排出ユニット4の構成を順に説明する。
まず、図1ないし図3を参照して給材ユニット2の構成を説明する。
給材ユニット2においては直径寸法が例えば6mmから15mmまでの範囲の、所定形状の関節駒(例えば図15で示した関節駒201a参照)を形成するための部材である、ステンレス製のパイプ部材10を加工ユニット3に供給する。
給材ユニット2は、ピッチコンベアで構成されるストッカ21と、パイプ部材直径計測部22と、パイプ部材送り機構部23とで主に構成されている。
ストッカ21には複数のパイプ部材10が配置される。そのため、ストッカ21の所定位置には、パイプ部材10を安定した状態で配置することを可能にするV字形状の図示しないV溝が所定ピッチで形成されている。パイプ部材10には図示しない治具が配設され、この治具が図1中の右側に形成されたV溝に配置されるようになっている。
パイプ部材直径計測部22には例えば図示しないレーザ測長器が備えられている。レーザ測長器によってパイプ部材10の径寸法の計測が行われる。
パイプ部材送り機構部23は、図示しない例えば複数段階(例えば3段階)で構成された給材エレベータと、給材ハンドユニット24と、送り込み用モータ25と、チェーン26とで主に構成されている。
なお、図1及び図2中の矢印に示す方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とする。X軸方向はいわゆるパイプ部材供給方向であり、Y軸方向は、X軸方向に直交して図に示す作業者に対して直交する方向であり、Z方向はいわゆる上下方向である。
給材エレベータは、ストッカ21のV溝に配置された状態で所定位置まで移動されたパイプ部材10をパイプ部材送り機構部23でZ軸方向に移動させる。給材ハンドユニット24には、パイプ部材送り機構部23の所定位置に移動されたパイプ部材10に配設されている治具を把持する把持部27が設けられている。給材ハンドユニット24は、細長な案内部材28に摺動自在に配設されている。送り込み用モータ25のモータ軸にはスプロケット29が固設されている。スプロケット29にはチェーン26が噛合して配置されている。パイプ部材送り機構部23を構成する機構部本体30にはチェーン26が噛合するスプロケット31が設けられている。
したがって、送り込み用モータ25が、制御装置からの制御信号に基づいて、回転駆動されてモータ軸が回転を開始することによって、モータ軸に固設されているスプロケット29が回転を開始して、スプロケット29、31に噛合して設けられているチェーン26が回動移動される。そして、チェーン26の回動移動に伴って、給材ハンドユニット24が案内部材28上をX軸方向に対して進退移動する構成になっている。
次に、図1及び図2と、図4ないし図9を参照して加工ユニット3について説明する。
加工ユニット3においては、給材ユニット2によって供給されたパイプ部材10を所定形状及び所定寸法の関節駒に連続して加工/切断する。
図1、図2及び図4に示すように加工ユニット3は、回転軸ユニット41と、レーザユニット42と、芯出しユニット43と、チャンバー44とで主に構成されている。これら回転軸ユニット41、レーザユニット42、芯出しユニット43及びチャンバー44は、加工ユニット3の外装を構成する加工ユニット外装部材45の内部である第1内部空間46内に配設されている。加工ユニット外装部材45には、関節駒製造装置1を集中管理するPCに接続された操作盤20が設けられている。この操作盤20には、前記PCで登録或いは選択された加工する品目、加工数や、条件等の各種データが送信される。なお、操作盤20は、図1の矢印Aに示すように回動自在に構成されている。
なお、符号45aは扉である。扉45aは例えば透明部材で形成され、開閉自在である。
回転軸ユニット41は、給材ユニット2によって供給されたパイプ部材10を把持し、そのパイプ部材を把持した状態で、パイプ部材10を回転させたり、パイプ部材10をX軸方向に進退移動させる。回転軸ユニット41は、パイプ部材回転用モータ部(以下、回転用モータ部と略記する)51と、回転用モータ部51のに配設されるチャック機構部52と、回転用モータ部51が固設されるX軸移動テーブル53とで主に構成されている。
図5及び図6に示すように回転用モータ部51は、モータ部54を構成するステータ55及びロータ56と、チャック機構部52のパイプ部材把持部を構成するチャック爪58a及びチャック本体58bと、回転軸ロータ57と、一対の軸受部59と、エンコーダ60とで主に構成されている。
ステータ55はコイルが巻回して構成されている。ロータ56はステータ55内に配設された回転体である。回転軸ロータ57は前記パイプ部材10が挿通する中央貫通孔であるパイプ部材挿通孔57aを備えた中空部品であり、ロータ56に対して同軸に一体的に固定されている。
チャック機構部52はチャック本体58bと例えば3つのチャック爪58aとで構成されている。チャック本体58bは回転軸ロータ57の先端側に図示しないビスによって一体的に連結固定されている。チャック本体58bにはパイプ部材挿通孔57aに対向する貫通孔58cが形成されている。パイプ部材挿通孔57a、貫通孔58c内を通過してチャック爪58aより前方に突出したパイプ部材10の外周面はチャック爪58aの把持面58dによって把持される。チャック本体58bには、制御装置からの制御信号に基づいて、チャック爪58aを中心軸方向に対して進退移動させて、径寸法の異なるパイプ部材10の把持を可能にする例えば空圧装置が設けられている。
軸受部59は回転軸ロータ57の細径外周面を回動自在に支持する。エンコーダ60は位置検出器であり、回転軸ロータ57の回転量を検出する。符号61はモータ台である。
上述のように構成した回転用モータ部51は、チャック機構部52の中心軸とモータ部54の回転中心とが同一軸上に位置することによって、チャック機構部52によって把持されたパイプ部材10の中心軸と回転用モータ部51の中心軸とが一致した状態になる。また、チャック機構部52を構成するチャック本体58bがロータ56に一体固定された回転軸ロータ57の先端面に配設されていることによって、ロータ56と回転軸ロータ57とチャック本体58bとチャック爪58aとが直結された状態である。
したがって、回転用モータ部51を構成するチャック機構部52によってパイプ部材10を把持させた状態で、モータ部54を構成するロータ56を回転させることによって、ロータ56の回転がチャック機構部52に直接的に伝達されて、パイプ部材10もロータ56の回転に伴った回転状態になる。
X軸移動テーブル53にはテーブル62及びこのテーブル62をX軸方向に対して進退移動させるX軸制御モータ63が設けられている。テーブル62にはモータ台61が一体に固定される。X軸制御モータ63が、制御装置からの制御信号に基づいて駆動されることによって、テーブル62がX軸方向に進退移動する。
つまり、テーブル62がX軸制御モータ63によって直接的にX軸方向に対して進退移動される一方、チャック機構部52がモータ部54によって直接的に回転されるので、チャック機構部52によって把持されているパイプ部材10は制御装置からの制御信号に基づいて同期制御される。
前記図1、図2及び図4に示すようにレーザユニット42は主に、レーザ発振器65と、Y軸方向移動機構部66と、Z軸方向移動機構部67とで主に構成されている。レーザ発振器65は、制御装置からの制御信号に基づいて所定のレーザ光をパイプ部材10の外表面に向けて出射して、パイプ部材10を加工/切断する。Y軸方向移動機構部66は、制御装置からの制御信号に基づいて、テーブル62をY軸方向の所定位置に移動させる。Z軸方向移動機構部67は、制御装置からの制御信号に基づいて、レーザ発振器65をZ軸方向に対して所定距離だけ上下動させる。
前記図1、図2及び図7に示すように芯出しユニット43は主に、ストッパユニット71と、芯調整チャックユニット72とで構成されている。ストッパユニット71には前記給材ユニット2によって供給されたパイプ部材10の先端部が当接する当接部73と、当接部73にパイプ部材10が当接したことを検出する当接検出部74とが設けられている。芯調整チャックユニット72には、一対の位置調整用チャック部材(以下、調整用チャックと略記する)75が設けられている。調整用チャック75の間隔は給材ユニット2によって供給されたパイプ部材10が衝突することなく通過する幅寸法である。パイプ部材10を挟んで配置された調整用チャック75は、制御装置からの制御信号に基づいて動作され、具体的には図示しない駆動機構部によって閉動作されることによってパイプ部材10を把持する。
図1、図4及び図7ないし図9に示すようにチャンバー44は、第1内部空間46内にさらに別な空間部である第2内部空間80を形成する、いわゆるケース体である。チャンバー44には、破材排出開口81、回転軸ユニット側開口82、パイプ部材突出開口83、レーザ発振器挿抜開口84、吸引用開口85が形成されている。回転軸ユニット側開口82とパイプ部材突出開口83とは略同軸上に位置して形成されている。
破材排出開口81の直下には破材回収箱86が配設されるようになっている。回転軸ユニット側開口82には、制御装置からの制御信号に基づいて、回転軸ユニット41のチャック機構部52が挿抜されるようになっている。パイプ部材突出開口83からは給材ユニット2によって供給されたパイプ部材10の先端側部が突出するとともに、後述するアンローダパイプ(符号101と記載)が挿抜されるようになっている。レーザ発振器挿抜開口84には、制御装置からの制御信号に基づいてレーザ発振器65が上下動することによって挿抜されるようになっている。吸引用開口85には第2集塵機7から延出する第2ダクト7aに連結された集塵パイプ87が連結されるようになっている。吸引用開口85には比較的大きな破材が集塵パイプ87内に侵入することを防止する網目状のカバー部材88が設けられている。
したがって、第2集塵機7を吸引状態にすることによって、レーザ加工によって溶融されてパイプ部材10の外周面より周囲に飛散するドロスの一部が、吸引用開口85、集塵パイプ87、第2ダクト7aを介して吸引されるようになっている。
なお、符号89はエアーブローである。エアーブロー89は、パイプ部材10を加工/切断している際に形成される破材が、パイプ部材10とアンローダパイプ101との間の隙間に侵入することを防止するためのエアーを噴出する。このエアーブロー89の噴出方向を作業者の立つ位置方向に調整して、破材が扉45aを備えた開口の形成されていない壁側に向かって吹き飛ばされるようにしている。
次いで、図1及び図10から図12までを参照して排出ユニット4について説明する。
排出ユニット4においては加工ユニット3で加工/切断して形成された関節駒を収納箱まで移動して収納する。
図に示すように排出ユニット4は、アンローダユニット91と、取り出しユニット92と、回収ユニット93とで主に構成されている。アンローダユニット91、取り出しユニット92及び回収ユニット93は、排出ユニット外装部94内に配設されている。
排出ユニット外装部94内には、排出ユニット4に加えて前記ドロス除去ユニット5を構成する吸引孔ドロス除去ユニット(以下、第1ドロスユニットと略記する)95a及び貫通孔内面ドロス切除ユニット(以下、第2ドロスユニットと略記する)95bが設けられている。
アンローダユニット91は、摺動テーブル96と、アンローダ本体97と、回転保持部98と、例えば4つのアンローダパイプ取付け部材(以下、取付け部材と略記する)99と、着脱部であるコレットチャック100に着脱されるアンローダパイプ101とで主に構成されている。なお、取付部材99には予め、加工するパイプ部材10の径寸法に対応するアンローダパイプ101が取り付けられるようになっている。
アンローダ本体97は、摺動テーブル96上のX軸方向に対して摺動自在に配設され、図示しない駆動機構によってX軸方向に進退移動されるようになっている。アンローダ本体97は初期状態においては例えば図10中に二点鎖線で示す関節駒取り出し位置に配置され、制御装置からの制御信号に基づいて、関節駒取り出し位置から関節駒加工位置まで及びその逆方向に移動する。
回転保持部98はアンローダ本体97に固設されている。回転保持部98には図示しない回転テーブルが設けられており、この回転テーブルに取付部材99が等間隔で固定されている。本実施形態においては、回転保持部98の回転テーブルが90度ずつ回動される構成である。したがって、制御装置からの制御信号に基づいて回転テーブルの回転が停止された状態において、所定の取付部材99がZ軸に平行な状態又はX軸に平行な状態になる。
アンローダパイプ101は、取付部材99にコレットチャック100を介して取り付けられる。アンローダパイプ101には、外周面の所定位置に所定の径寸法の吸引孔101aが形成されている。吸引孔101aは、アンローダパイプ101の貫通孔に連通する連通孔であって、レーザ光の光路中に位置するように形成され、レーザ加工中に発生するドロスを吸引する。
アンローダパイプ101は、レーザ光の透過を防止するとともに、レーザ光によってパイプ部材10を加工中に発生する溶融した一般的にドロスと呼ばれる、溶融物を吸引する管路を構成する。そのため、アンローダパイプ101は、レーザ光の透過を防止するため、反射率が高く、かつ孔のあきにくい、例えばりん脱酸銅で形成されている。
なお、取付部材99の後部には第1集塵機6から延出する第1ダクト6aに連結された図示しないドロス吸引用ホースが連結されている。
アンローダパイプ101はパイプ部材10の貫通孔内に配置される。このため、アンローダパイプ101の径寸法は、貫通孔の内径寸法より小径である。本実施形態において、アンローダパイプ101は、パイプ部材10の径寸法に対応させて、異なる径寸法のものが例えば4種類、用意してある。
図11に示すようにドロス吸引孔(以下、吸引孔と略記する)101aを有するアンローダパイプ101は、パイプ部材10にレーザ光を照射して関節駒を形成する際、パイプ部材10の貫通孔内の所定位置に配置される。アンローダパイプ101は、レーザ発振器65からパイプ部材10の外表面に向けてレーザ光が照射された際、このレーザ光がパイプ部材10の照射面と対向した面側の外表面まで到達することを防止するとともに、レーザ光によって溶融されてパイプ部材10から飛散するドロスの吸引を行う。
具体的に、レーザ発振器65からパイプ部材10に向けて照射されたレーザ光は、まずパイプ部材10の外表面を貫通する。その後、レーザ光は、吸引孔101aを通過してアンローダパイプ101の内周面に到達し、この内周面で反射される。このことによって、パイプ部材10の一方向側から照射されたレーザ光が、アンローダパイプ101を通過してパイプ部材の他方向側の外表面まで到達することが防止される。
また、レーザ発振器65から照射されたレーザ光がパイプ部材10に到達することによって、パイプ部材10が溶融される。この状態において、溶融物を除去することによって、パイプ部材10の加工及び切断を行える。このため、レーザー光を照射した際、溶融物が除去されるように、レーザ光照射面にアシストガスを吹き付けるとともに、第1集塵機6を吸引状態にしておく。このことによって、アシストガスによって飛散されたドロスの一部は、パイプ部材10の貫通孔側に落下して、レーザ照射面の略直下に配置されている吸引孔101a、取付部材99の貫通孔、第1ダクト6aに連結されたドロス吸引用ホースを介して吸引される。
取り出しユニット92は、関節駒回収ハンド(以下、ハンドと略記する)111と、ハンド上下移動機構部112と、ハンド旋回機構部113と、関節駒落とし口(以下、落とし口と略記する)114とで主に構成されている。符号115は支柱であり、支柱115にはハンド上下移動機構部112及び落とし口114が配設されるようになっている。
ハンド111は、例えばエアシリンダで構成されるハンド上下移動機構部112によって上下動され、例えばエアシリンダとロータリアクチュエータとで構成されるハンド旋回機構部113によって旋回動作される。ハンド111にはハンド開状態(以下、開状態と略記する)とハンド閉状態(以下、閉状態と略記する)とを適宜切り替える図示しない開閉機構部が設けられている。ハンド111は、制御装置からの制御信号に基づいて、開閉機構部が動作されて、開閉状態が切り替えられる。取付部材99が関節駒取り出し位置に配置されている状態のとき、ハンド111をアンローダパイプ101に遊嵌配置されている関節駒に対して閉状態にすることによって関節駒を把持することができるようになっている。一方、開閉機構部を動作させて前記ハンド111が閉状態から開状態に動作されることによって、例えばハンド111によって把持されていた関節駒を落下させることができる。なお、ハンド111は、関節駒の径寸法の違いに応じて、大きな径寸法の関節駒に対応した大径用ハンドと径寸法が小さな関節駒に対応した小径用ハンドとに切替え可能である。
回収ユニット93は、図12に示すように上段コンベア121と、下段コンベア122と、収納箱用エレベータ123と、収納箱プッシャー124とで主に構成されている。上段コンベア121及び下段コンベア122にはベルト125a、125b及びこのベルト125a、125bを所定量移動させるモータ126a、126bがそれぞれ設けられている。
収納箱127は、ベルト125a、125b上に例えば7個設置されるようになっている。回収口128の直下には収納箱127の開口部分が配置されるようになっている。
収納箱用エレベータ123は、下段コンベア122のベルト125bと上段コンベア121のベルト125aとの間を上下動して、下段コンベア122に載置されている空の収納箱127を上段側に移動させる。収納箱プッシャー124は、収納箱用エレベータ123によって下段コンベア122から上段コンベア121に隣り合う位置まで移動された空の収納箱127を回収口128の直下に配置させる。
次に、ドロス除去ユニット5について説明する。
図10及び図13に示す、ドロス除去ユニット5を構成する第1ドロスユニット95aは、アンローダパイプ101の吸引孔101aの縁部に固着したドロスを除去する。
第1ドロスユニット95aは、アンローダパイプ101の先端部を保持する先端保持機構部130と、吸引孔101aに固着したドロスを除去するドロス除去機構部140とで構成される。
先端保持機構部130は、当接面131を有する先端保持部材132と、先端保持部材132が配設される摺動ブロック133と、保持用摺動テーブル134と、摺動ブロック133をY軸方向に進退移動させる保持機構用エアシリンダ135とで主に構成されている。
当接面131は、Z軸に平行な状態のアンローダパイプ101の先端部側面に当接する。当接面131には、アンローダパイプ101の径寸法の違いに対応する当接部131a、131b、131c、131dが段階的に設けられている。保持用摺動テーブル134には、摺動ブロック133が摺動自在に配置される。このことによって、摺動ブロック133が摺動移動した際、先端保持部材132のY軸方向の移動ぶれが防止される。
なお、4種類のアンローダパイプ101が、先端保持部材132の当接面131に設けられている対応する当接部131a、131b、131c、131dに確実に配置されるように、先端保持部材132と摺動ブロック133との連結固定部には、位置調整を行うための図示しない配置位置調整部が設けられている。配置位置調整部は、例えば摺動ブロック133が最もアンローダパイプ101側に移動されたとき、先端保持部材132の位置を付勢力によって調整する図示しない付勢部材である。
したがって、取付部材99に最も太径なアンローダパイプ101が配置されている場合、先端部側面に最先端側に設けられた当接部131aが当接し、径寸法が細径なアンローダパイプ101が配置されている場合には先端部側面に当接部131dが当接する。
また、符号136、137は保持機構用固定枠であり、保持機構用エアシリンダ135及び保持用摺動テーブル134が固設される。
一方、ドロス除去機構部140は、ポンチ部141を設けた先端構成部142と、この先端構成部142をX軸方向に進退移動させる除去機構用エアシリンダ143とで主に構成されている。
ポンチ部141を設けた先端構成部142は、アンローダパイプ101の先端部側面が当接面131の当接部131a、131b、131c、131dのいずれかによって保持されている状態で、吸引孔101aに向かって移動される。
除去機構用エアシリンダ143によって先端構成部142が、最もアンローダパイプ101側に移動された突出状態になったとき、ポンチ部141の先端がアンローダパイプ101に設けられている吸引孔101aの略中心位置に配置される。このことによって、縁部に固着したドロスがポンチ部141によって破壊除去される。
なお、符号144は支柱115に固定された除去機構用固定枠であり、除去機構用エアシリンダ143が固設される。
図10に示す、ドロス除去ユニット5を構成する第2ドロスユニット95bは、アンローダパイプ101の貫通孔内面に固着したドロスを切除する。
第2ドロスユニット95bは多軸ドリル151として構成され、例えば2種類のドリル152が配置されている。第2ドロスユニット95bは、ドリル進退機構153によって、X軸方向に対して進退移動される構成である。ドリル152は、アンローダパイプ101の貫通孔の径寸法に対応する径寸法であり、制御装置からの制御信号に基づいて交換配置されるようになっている。
ドリル152は、回転状態でアンローダパイプ101の貫通孔内に配置される。このことによって、吸引孔101aを介して貫通孔内に吸引して貫通孔内面に固着したドロスは、回転するドリル152によって切除される。
前記制御装置は、上述したように制御信号を出力することによって例えば、送り込み用モータ25の動作制御、チャック機構部52の把持制御、モータ部54の回転制御及びX軸制御モータ63の動作制御を含む同期制御、レーザ発振器65からのレーザ光の照射制御、Z軸方向移動機構部67の動作制御、調整用チャック75の開閉制御、アンローダ本体97の移動制御、回転保持部98の回動位置制御、ハンド111の開閉制御、ハンド上下移動機構部112の移動制御、ハンド旋回機構部113の旋回制御、コンベア121、122に設けられているモータ126a、126bの駆動制御、収納箱用エレベータ123の移動制御、収納箱プッシャー124の押し出し制御、保持機構用エアシリンダ135の進退移動制御及び除去機構用エアシリンダ143の進退制御等を行う。
なお、摺動テーブル96の所定位置にはアンローダ本体97の移動位置を検出する移動位置検出センサ105が設置されている。移動位置検出センサ105は、後述するパイプ部材引き抜き動作時において、加工ユニット3側に位置しているアンローダパイプ101が加工ユニット外装部材45に衝突しない位置であるか否かを読み取る。また、落とし口114と回収口128とは例えば透明の樹脂パイプ部材129によって連結されている。したがって、落とし口114に落下された関節駒は、樹脂パイプ部材129、回収口128を介して収納箱127内に落下する。そして、回収口128には収納箱127内に落下する関節駒の個数をカウントする通過センサ(不図示)が設けられている。
上述のように構成されている関節駒製造装置1の作用を説明する。
連続運転(自動運転)工程開始前の段取り作業について説明する。
まず、関節駒製造装置1のメイン電源をON状態にする。次に、所望の関節駒の連続生産を開始するに当たって、加工する品目、加工数、加工日等の必要事項を入力し、予め登録されている加工品目に対応するNCプログラムを集中管理するPCにて操作盤20に送信するための処理を行った後、関節駒製造装置1に設けられている操作盤20をON状態にする。すると、操作盤20にPCから送信された情報である品目、加工数、各種条件、NCプログラム等の読み込みが自動的に行われる。また、第1集塵機6及び第2集塵機7が作動状態に切り替えられて集塵を開始する。
次いで、作業者が操作盤20に設けられている図示しない加工位置移動指令ボタンを操作する。すると、アンローダ本体97、ストッパユニット71の当接部73、回転軸ユニット41が載置されているX軸移動テーブル53、Y軸方向移動機構部66、Z軸方向移動機構部67、給材エレベータ等の周辺装置が加工開始位置に移動して、装置側の準備は完了となる。
最後に、作業者は、給材ユニット2のストッカ21のV字溝に、治具が装着されている所定径寸法のパイプ部材10を配置する。また、排出ユニット4の下段コンベア122のベルト125b上に空の収納箱127を最大7個までセットする。このことによって、開始前の段取り作業が完了する。
ここで、作業者は操作盤20に設けられている図示しない運転モードスイッチを「連続」に切替設定し、その後、起動ボタンを操作する。すると、制御装置からPCへ連続運転開始時間の情報が書き込まれ、以下に説明する連続運転工程が開始される。
連続運転工程を工程毎に具体的に説明する。
パイプ部材供給位置設置工程を説明する。
給材ユニット2のストッカ21が図1中の作業者側に向かって1ピッチずつ移動を開始する。これと同時に、加工ユニット3に設けられている回転軸ユニット41を構成するチャック機構部52のチャック爪58aが対応するパイプ部材10が通過可能な開状態に切り替えられるとともに、芯調整チャックユニット72の調整用チャック75もパイプ部材10が通過可能な開状態に切り替えられる。
ストッカ21の移動によってパイプ部材10が、パイプ部材送り機構部23の1つ手前である待機位置に到達すると、パイプ部材直径計測部22によってパイプ部材10の径寸法の計測が行われる。ここで、パイプ部材10の径寸法が予め設定した値に一致していた場合には、パイプ部材10をパイプ部材送り機構部23に向けて移動する。そして、パイプ部材10がパイプ部材送り機構部23の所定位置に移動されたことが図示しないセンサによって検出されることによって、パイプ部材10の供給位置への設置が完了する。
なお、パイプ部材10のパイプ部材径が予め設定した値から外れていた場合には、アラーム表示がされるとともに、ストッカ21が停止状態に切り替えられる。
パイプ部材送り込み工程を説明する。
パイプ部材10がパイプ部材送り機構部23の所定位置に移動されたことが検出されると、給材エレベータが上昇を開始して給材ハンドユニット24の把持部27によってパイプ部材10に設けられている治具が把持される。そして、図示しないセンサによってパイプ部材10の把持が検出されると、送り込み用モータ25が駆動されて、チェーン26が所定方向に回転移動される。このことによって、給材ハンドユニット24が案内部材28上を移動して、パイプ部材10が徐々に加工ユニット3内に送り込まれていく。そして、加工ユニット3に送り込まれていくパイプ部材10は、回転軸ユニット41に設けられている回転軸ロータ57のパイプ部材挿通孔57a、チャック本体58bの貫通孔58c、チャンバー44に形成されている回転軸ユニット側開口82、第2内部空間80、パイプ部材突出開口83を通過して、ストッパユニット71の当接部73に向かって移動していく。そして、パイプ部材10がストッパユニット71の当接部73に当接すると、当接検出部74によってパイプ部材10が当接部73に当接したことが検出されて、前記給材ユニット2に設けられている送り込み用モータ25の駆動が停止される。このことによって、パイプ部材10の送り込みが完了する。
なお、パイプ部材10の送り込み途中において、すなわち、給材ハンドユニット24の位置が移動して変化するごとに、給材エレベータが順に下降していくように構成されている。
パイプ部材の加工位置調整工程を説明する。
パイプ部材10の送り込みが停止されると、制御装置から制御信号に基づいて、まず、調整用チャック75が開状態から閉状態に切り替えられてパイプ部材10を把持した状態になる。また、チャック機構部52のチャック爪58aが開状態から閉状態に切り替えられてパイプ部材10を把持した状態になる。その後、再び、調整用チャック75が把持状態から開状態に切り替えられるとともに、給材ハンドユニット24、給材ユニット2のチェーン26がフリーな状態になる。次いで、チャック機構部52が一体な回転軸ユニット41が載置されているX軸移動テーブル53が給材ユニット2側に移動を開始して、パイプ部材10の先端部側がチャンバー44に設けられているレーザ発振器挿抜開口84直下のレーザ加工位置近傍まで移動される。
パイプ部材10がレーザ加工位置まで移動されたことが検出されると、パイプ部材移動軸上に配置されていたストッパユニット71の当接部73が例えば作業者から離れる方向である奥側に待避してパイプ部材10の加工位置調整が完了する。
なお、当接部73は、新たなパイプ部材10の送り込みが開始されるまで継続的に待避位置に留まっている。
レーザ加工工程について説明する。
当接部73が所定値に待避したことが図示しないセンサによって検出されると、Z軸方向移動機構部67が駆動されて、レーザ発振器65がレーザ発振器挿抜開口84を通過してパイプ部材10の径寸法に対応する加工位置まで下降する。また、排出ユニット4に設けられているアンローダ本体97が摺動テーブル96上を加工ユニット3側に移動される。このことによって、回転保持部98に設けられて所定位置に平行配置されていたアンローダパイプ101がパイプ部材突出開口83を通過してパイプ部材10の貫通孔内の所定位置に配置される。つまり、レーザ発振器65及び取付部材99が第2内部空間80内に位置する。
そして、回転軸ユニット41、レーザ発振器65、アンローダパイプ101が加工位置に配置されたなら、予め指定したNCプログラムによって回転用モータ部51によるパイプ部材10の回転と、X軸移動テーブル53の進退移動によるパイプ部材10のX軸方向の同期制御が行われるとともに、レーザ発振器65からパイプ部材10の外表面に向けてレーザ光が照射されて加工及び切断が行われる。
レーザ光による加工/切断中においては、レーザ発振器65に設けられている図示しないノズルからパイプ部材10に向けてアシストガスが噴射される。アシストガスが噴出されることによって、レーザ光によって溶融されたドロスが加工部から飛散されていく。また、パイプ部材10を加工/切断する際に形成されてしまう破材が、パイプ部材10と取付部材99との間の隙間に侵入することを防止するためのエアーを、エアーブロー89からパイプ部材10に向けて噴出させる。なお、第1集塵機6によるアンローダパイプ101を介してのドロスの吸引や、第2集塵機7による吸引用開口85を介しての第2内部空間80内で飛散するドロスや破材の吸引も行われる。
このことによって、レーザ光によって溶融されてパイプ部材10の貫通孔側に落下するドロスがアンローダパイプ101を介して第1集塵機6によって吸引され、アシストガスによって第2内部空間80に飛散されるドロスの一部が第2集塵機7によって吸引され、残りのドロスは破材排出開口81から破材回収箱86に落下していく。また、エアーブローによって吹き飛ばされた破材は、破材排出開口81から破材回収箱86に落下する。
本実施形態においては、チャンバー44内の第2内部空間80内において、パイプ部材10にレーザ光を照射して加工/切断を行うとともに、チャンバー44に設けた吸引用開口85及びアンローダパイプ101を介して工程中常時集塵を行うことによって、レーザ加工の際に発生するドロスや破材がチャンバー44の第2内部空間80内から外部に飛散することを確実に防止することができる。
また、チャック機構部52を構成するチャック本体58bと回転軸ロータ57とを回転用モータ部51を構成するロータ56に直結させたことによって、ロータ56を回転させることによって、ロータ56の回転をチャック機構部52に直接的に伝達させて、パイプ部材10もロータ56の回転に伴って回転させることができる。加えて、チャック機構部52によって把持されたパイプ部材10を高速で回転制御することができる。このことによって、レーザ光による加工/切断速度を大幅に向上させて、高精度の関節駒が加工される。
関節駒取り出し工程について説明する。
NCプログラムによる関節駒の加工/切断が終了すると、アンローダパイプ101上に関節駒が遊嵌状態で載置された状態になるとともに、加工/切断された旨を告知する制御信号が制御装置から出力される。すると、レーザ発振器65からのレーザー光照射及びアシストガスの噴出が停止される。その後、Z軸方向移動機構部67が上方向に移動を開始してレーザ発振器65がレーザ発振器挿抜開口84を通過してチャンバー44より外側の所定位置に移動される。また、加工ユニット3側に移動配置されていたアンローダ本体97が関節駒取り出し位置方向に移動を開始して、パイプ部材10の貫通孔内に配置されて関節駒が載置された状態のアンローダパイプ101がパイプ部材突出開口83を通過して排出ユニット4側に移動される。
アンローダ本体97が移動している状態において、移動位置検出センサ105によってアンローダ本体97の移動が検出される。すると、アンローダパイプ101が衝突しない状態である。このため、次の関節駒を加工するための準備として、まず、前記パイプ部材10を把持するチャック機構部52を備えた回転軸ユニット41が載置されているX軸移動テーブル53が芯調整チャックユニット72側に所定量移動される。そして、開状態の調整用チャック75が閉状態になってパイプ部材10を把持した状態になる。
次に、閉状態であったチャック機構部52のチャック爪58aが開状態に変化し、その後、X軸移動テーブル53が関節駒加工長さ分だけ給材ユニット2側に移動される。このことによって、パイプ部材10がチャック機構部52の先端側から突出するように引き抜き動作が行われる。
次いで、X軸移動テーブル53が移動を完了すると、チャック爪58aが再び閉状態に変化してパイプ部材10を把持する。このとき、調整用チャック75が開状態になる。このことによって、パイプ部材10の引き抜き動作が完了する。この後、X軸移動テーブル53が再び給材ユニット2側に移動して、パイプ部材10の先端側をレーザ加工位置に配置させる。このことによって、次の関節駒の加工を開始することが可能な状態になる。
一方、前記アンローダ本体97が関節駒取り出し位置に戻ったことが確認されると、回転保持部98が90度回転する。このことによって、加工/切断された関節駒を載置しているアンローダパイプ101が配設されている取付部材99がZ軸の上方を指した状態で停止される。すると、このアンローダパイプ101の延長線上に配置されているハンド111がハンド上下移動機構部112によって下方向に動作される。そして、開状態のハンド111が関節駒回収位置に到達すると、ハンド111が閉状態に切り替えられる。このことによって、関節駒がハンド111によって把持される。
次に、ハンド上下移動機構部112が上方向に動作して関節駒を把持しているハンド111が上昇を開始する。そして、ハンド111が所定量上昇することによってハンド111が上限に到達したことが検知される。すると、ハンド111がハンド旋回機構部113によって落とし口114に向けて旋回される一方、前記回転保持部98を前述とは逆方向に90°回転されて、再び、取付部材99に設けられているアンローダパイプ101の先端側をパイプ部材突出開口83に対向させた状態になる。このとき、前述したパイプ部材10の引き抜き動作が終了して、パイプ部材10が加工位置に配置されている状態であるなら、次の関節駒を加工するためにアンローダ本体97が加工ユニット3側に移動される。このことによって、再び、アンローダパイプ101がパイプ部材10の貫通孔内の所定位置に配置され、次の関節駒の加工/切断が開始される。
前記ハンド旋回機構部113によって旋回されたハンド111が落とし口114に対向する所定位置に到達したなら旋回が停止される。そして、ハンド111が閉状態から開状態に切り替えられる。このことによって、ハンド111によって把持されていた関節駒が落とし口114内に落下し、その後、この落とし口114から樹脂パイプ部材129、回収口128を通過して収納箱127内に落下する。この収納箱127内に関節駒が落下するとき、通過センサによって収納箱127に収容された関節駒の個数がカウントされる。
前記落とし口114でハンド111から関節駒が落下されると、このハンド111は前述とは逆方向に旋回して、元の位置に戻り、次の関節駒が加工/切断されるまで待機状態になる。
関節駒回収工程について説明する。
連続運転工程が開始されると同時に下段コンベア122のモータ126bが駆動されて、空の収納箱127が加工ユニット3側に移動されていく。そして、空の収納箱127が下段コンベア122の端部まで移動されたら、モータ126bの駆動が停止される。すると、図示しない収納箱ホルダが作業者側に移動されて、空の収納箱127を下位置に配置されて収納箱用エレベータ123の昇降テーブル123a上に載置される。
昇降テーブル123a上に収納箱127が載置されると、収納箱用エレベータ123が駆動されて、昇降テーブル123aが上位置まで上昇する。そして、昇降テーブル123aが上位置に到達すると、収納箱プッシャー124が空の収納箱127を回収口128方向に向けて押し出していく。このことによって、収納箱127が上段コンベア121のベルト125a上に配置される。
空の収納箱127が上段コンベア121に配置されると、上段コンベア121のモータ126aが駆動されて、空の収納箱127が回収口128の直下に移動して、収納箱127内に所定の数の関節駒が収納されるまでその位置に留まる。このことによって、回収口128を通過した関節駒が収納箱127に1つずつ収納されていく。
前記収納箱プッシャー124によって空の収納箱127が上段コンベア121に押し出されて昇降テーブル123a上から収納箱127が移動されると、昇降テーブル123aが下位置に移動される。
回収口128の直下に配置されていた収納箱127内に所定の数の関節駒が収納されると、モータ126aが駆動されて関節駒が所定の数だけ収納された収納箱127を所定量移動する。その後、上述した動作を繰り返し行って、空の収納箱127を回収口128の直下に配置させる。
アンローダパイプ吸引孔ドロス除去工程について説明する。
アンローダユニット91を構成するアンローダパイプ101には、ドロス吸引用ホースが接続されている。このため、ドロス吸引用ホースを介してアンローダパイプ101でドロスを吸引することによって、アンローダパイプ101の吸引孔101aの縁部及びアンローダパイプ101の内周面にドロスが固着する。
このため、まず、アンローダパイプ101の吸引孔101aに固着したドロスを、第2ドロスユニット95bに備えられているポンチ部141によって除去する。具体的には、先端保持機構部130を構成する先端保持部材132の当接面131でアンローダパイプ101の先端部側面を当接保持した状態で、ドロス除去機構部140を構成する先端構成部142を移動させ、この先端構成部142に設けられているポンチ部141の先端を吸引孔101a内に配置させる。このことによって、吸引孔101aに固着したドロスが除去される。
ここで、吸引孔101aの縁部に固着したドロスを除去する際の動作を簡単に説明する。
前記ハンド上下移動機構部112が上方向に動作されて、関節駒を把持しているハンド111が所定量上昇したことを検知されると、ハンド旋回機構部113によってハンド111が旋回する。すると、制御装置から出力される制御信号に基づいて、保持機構用エアシリンダ135が動作を開始する。つまり、待機位置に位置していた摺動ブロック133が移動を開始する。そして、摺動ブロック133が移動を開始することによって、先端保持部材132がアンローダパイプ101の先端部側面に向かって移動していく。
保持機構用エアシリンダ135が所定量移動して最先端位置に到達するとき、例えば、先端保持部材132の当接面131に設けられている当接部131cと当接部131dとによって構成される段部にアンローダパイプ101が当接する。すると、先端保持部材132が付勢部材の付勢力に抗して移動される。このことによって、当接部131cがアンローダパイプ101の先端部側面に当接した状態に配置される。このことによって、アンローダパイプ101の先端部側面が当接面131によって保持される。
次に、前記保持機構用エアシリンダ135の最先端位置までの移動が確認されると、制御装置は、除去機構用エアシリンダ143を動作させる。つまり、待機位置に位置していた先端構成部142が移動を開始して、この先端構成部142に設けられているポンチ部141がアンローダパイプ101の吸引孔101aに向かって移動していく。
除去機構用エアシリンダ143が所定量移動して最先端位置に到達すると、ポンチ部141の先端が吸引孔101a内に配置される。このことによって、アンローダパイプ101の吸引孔101aの縁部に固着しているドロスがポンチ部141によって除去される。このとき、アンローダパイプ101の先端部側面が当接面131によって保持されていることによって、ポンチ部141の作用力がドロスに十分に働いてドロスの除去を確実に行える。
次いで、除去機構用エアシリンダ143が最先端位置まで移動すると、この除去機構用エアシリンダ143は瞬時に逆方向に移動を開始する。また、制御装置は、除去機構用エアシリンダ143が逆方向に移動を開始したことを確認すると、保持機構用エアシリンダ135を逆方向に移動させる。これらのことによって、先端構成部142及び摺動ブロック133が待機位置に戻って、再び待機状態になる。
除去機構用エアシリンダ143及び保持機構用エアシリンダ135が待機位置に戻ったことが、制御装置によって確認されると、アンローダパイプ吸引孔ドロス除去工程が終了したと判断して、回転保持部98を回転させてアンローダパイプ内面ドロス切除工程に移行する。
アンローダパイプ内面ドロス切除工程について説明する。
アンローダパイプ吸引孔ドロス除去工程によって、吸引孔101aの縁部に固着したドロスの除去が完了すると、アンローダパイプ101の内周面に固着したドロスの切除行うため、関節駒を3個ないし5個、加工/切断する毎に、アンローダパイプ101の先端開口側から第2ドロスユニット95bに備えられているドリル152をアンローダパイプ101の貫通孔内に挿通させてドロスの除去を行う。
具体的には、まず貫通孔内のドロス切除を行うために、第2ドロスユニット95bに設けられている2種類のドリル152が備えられる多軸ドリル151の中からアンローダパイプ101の内径寸法に対して最適なドリルを選択する。このドリルの選択切替えは制御装置からの制御信号に基づいて図示しないシリンダによって行われる。
ここで、アンローダパイプ101内のドロスを除去する際の動作を簡単に説明する。
制御装置によって、除去機構用エアシリンダ143及び保持機構用エアシリンダ135が待機位置に戻ったことが確認されて、アンローダパイプ吸引孔ドロス除去工程が終了すると、回転保持部98が90度回転する。このことによって、吸引孔101aのドロス除去が完了したアンローダパイプ101が配設されている取付部材99がX軸に平行な状態で停止されて、アンローダパイプ101の貫通孔の開口がドリル152に対向した位置になる。
次に、制御装置はドリル152を回転状態にして、第2ドロスユニット95bをアンローダ本体97側に移動させていく。すると、回転状態のドリル152がアンローダパイプ101の貫通孔内に進入して最先端位置まで移動する。このことによって、アンローダパイプ101の内周面に固着しているドロスが回転しているドリル152によって切除される。
このとき、ドリル152を数回、所定量だけアンローダパイプ101の貫通孔内に対して繰り返し出し入れすることによってドロスの除去を確実に行える。そして、アンローダパイプ101の内面のドロス除去作業を完了したなら、制御装置は、第2ドロスユニット95bを後退させるとともに、ドリル152の回転を停止させる。
その後、ドリル152のアンローダパイプ101の貫通孔からの抜去が確認されたなら、回転保持部98を180°回転させて、アンローダパイプ101の先端をパイプ部材突出開口83に対向させた状態にする。そして、次の関節駒加工のため、アンローダ本体97を、加工ユニット3側に移動させ、再び、アンローダパイプ101をパイプ部材10の貫通孔内の所定位置に配置させて、次の関節駒の加工/切断を開始する。
そして、これらの工程を繰り返し行うことによって、連続的に関節駒が生産される。
このように、加工ユニットの第1内部空間内に、この第1内部空間の体積に比べて小さな第2内部空間を有するチャンバーを配設し、この第2内部空間内において、パイプ部材にレーザ光を照射しての加工/切断を行うとともに、チャンバーの吸引用開口及びアンローダパイプを介して集塵を行うことによって、レーザ加工の際に発生するドロスや破材をチャンバーの第2内部空間の外に飛散することを確実に防止することができる。
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。