JP4475795B2 - 保険申込サーバシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットを利用した保険申込システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、保険の契約は、申込者が代理店を介して必要な申込書を入手し、これに必要事項の記入及び署名・捺印を行って申込書を作成して提出することにより行われていた。
【0003】
最近では、インターネットの普及に伴い、保険の商品紹介や設計シミュレーションなどをウェブ上で提供し、さらに申込希望者に対して申し込み書類を郵送で、又はデータの形態で提供することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、今後は申込書の提供のみではなく、徐々に申込手続などもオンライン上で進行させることが望まれる。その際、契約に伴う重要情報や支払い情報などのセキュリティを確保する必要がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、インターネットを利用して種々の形態で保険申込手続を円滑かつ確実に行うことが可能な保険申込システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ネットワークを通じてユーザ端末、保険会社端末、及び、プリント工場に接続された保険申込サーバシステムにおいて、各種保険商品の申込書に対応する電子フォームを記憶するデータベースと、ユーザが指定した保険商品の申込書に対応する電子フォームを前記データベースから取得し、ユーザの端末へ送信して表示させる電子フォーム表示手段と、前記電子フォームに対してユーザが入力した入力データをユーザ端末から受信し、仮申込データとして前記保険申込サーバに保管すると共に、プリント工場で仮申込データを紙媒体にプリントしてユーザに郵送する申込書を作成するために、仮申込データをプリント工場に送信する手段と、保険料の口座振替期日を含み、保険契約の審査が完了したことを示す引受通知発送指示の引受通知情報を保険会社端末から受け取り、プリント工場で引受通知情報を紙媒体にプリントしてユーザに郵送する引受通知書を作成するために、引受通知情報を引受通知用顧客データとしてプリント工場に送信する手段と、保険会社端末から証券発行指示を受け取り、証券発行指示に応じて、プリント工場で紙媒体にプリントしてユーザに郵送する保険証券を作成するために、証券発行用顧客データをプリント工場に送信する手段と前記各手段が行った処理のログ記録を行う手段と、前記ログ記録に基づいて、申込手続の進行状況の情報をユーザ端末に送信する手段と、を備える。
【0007】
上記のように構成されたサーバシステムによれば、ユーザがサーバに接続して希望する保険商品を選択すると、その保険商品の申込書の電子フォームがデータベースから取得され、ユーザ端末上に表示される。ユーザが必要事項を入力すると、入力データがサーバへ送られ、仮申込データとされる。仮申込データから申込書データが作られる。ユーザが申込を行うと、保険会社は審査を行う。審査が完了すると、保険料の口座振替期日を含む引受通知発送指示が保険会社からサーバへ送られる。ユーザが保険料の支払いを完了すると、保険会社端末からサーバへ証券発行指示が送られ、サーバは証券データを作成する。また、各手段が行った処理のログ記録を行う手段により、手続の記録を保管し、必要な場合に確認、証明などに利用することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、ネットワークを通じてユーザ端末、保険会社端末、及び、プリント工場に接続された保険申込サーバシステムにおいて、各種保険商品の申込書に対応する電子フォームを記憶するデータベースと、ユーザが指定した保険商品の申込書に対応する電子フォームを前記データベースから取得し、ユーザの端末へ送信して表示させる電子フォーム表示手段と、前記電子フォームに対してユーザが入力した入力データをユーザ端末から受信し、仮申込データとして前記保険申込サーバに保管すると共に、ユーザがプリンタを使用して紙媒体の申込書を作成するために、仮申込データを含む電子フォームをユーザ端末に送信する手段と、保険料の口座振替期日を含み、保険契約の審査が完了したことを示す引受通知発送指示の引受通知情報を保険会社端末から受け取り、プリント工場で引受通知情報を紙媒体にプリントしてユーザに郵送する引受通知書を作成するために、引受通知情報を引受通知用顧客データとしてプリント工場に送信する手段と、保険会社端末から証券発行指示を受け取り、証券発行指示に応じて、プリント工場で紙媒体にプリントしてユーザに郵送する保険証券を作成するために、証券発行用顧客データをプリント工場に送信する手段と、前記各手段が行った処理のログ記録を行う手段と、前記ログ記録に基づいて、申込手続の進行状況の情報をユーザ端末に送信する手段と、を備える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の保険申込サーバシステムにおいて、前記申込書データをユーザ端末へ送信する手段を備える。これにより、ユーザは入力したデータを含む申込書データを受け取り、プリントアウトして申込書を作成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[1]システム構成
図1に、本発明の実施形態にかかる保険申込システムの概略構成を示す。図1において、保険の申込者であるユーザの端末2と、保険会社の端末8と、保険会社に代わってユーザの保険申込手続を代行するA社のサーバ10とが、インターネット1を介して接続されている。
【0023】
A社は、ウェブ上で保険会社のウェブサイトを運営し、その中で保険商品の紹介や設計シミュレーションに加えて、保険申込手続を行う。A社サーバ10は、種々の保険商品に対応する申込書の電子フォームを記憶した電子フォームデータベース13を有している。ユーザがA社サーバのウェブ上で所定の保険商品を選択すると、A社サーバ10は電子フォームデータベース13からその保険商品用申込書の電子フォームデータを取得する。A社は、ユーザの要求に応じて申込書(紙媒体)をユーザに郵送し、又は、電子フォームとしてインターネット1を介してユーザの端末2へ送信する。また、A社サーバ10はプリント工場12に接続されている。プリント工場12は、A社からの指示に基づいて保険申込書、引受通知書、保険証券などの紙媒体を印刷し、ユーザ宛に郵送する業務を行う。
【0024】
ユーザ端末2は、必要に応じてプリンタ3に接続される。ユーザが保険申込書を電子フォームの形態でA社サーバ10から取得した場合、ユーザはその電子フォームをプリンタ3を使用してプリントアウトすることにより紙媒体の申込書を得ることができる。
【0025】
また、ユーザ端末2は図示しないICカードリーダを備えることができ、ユーザは自己のICカード4を挿入してICカード4内の情報を利用することができる。後述する電子署名付与において使用される秘密鍵などはICカード4内に記憶しておくことができる。これにより、ユーザは勤務先に設置された共用端末などを容易に利用することができる。
【0026】
次に、図1のシステムを利用した保険申込手続の概略について説明する。まず、ユーザが端末2を使用してA社サーバ10が運営するウェブサイトを訪問し、必要に応じて保険商品紹介やシミュレーションなどを行って申込みを行う保険商品を決定し、その申込書を取得する。申込書は電子フォームの形態で電子フォームデータベース13に保存されており、ユーザは紙媒体又は電子データのいずれかの形態で申込書を取得する。いずれの形態で申込書を取得するかはユーザが選択することができる。次に、ユーザは申込書に必要事項を記入又は入力して申込書又は申込データを作成する。そして、申込書を保険会社へ郵送するか、又は申込データとしてA社を介して保険会社へ送信することにより申込処理を行う。保険会社は申込書又は申込データを受け取り、審査を行う。審査結果がOKであれば、保険料の決済を行い、保険契約が成立する。保険料の支払いは、口座振替又はオンライン決済のいずれかで行うことができ、ユーザが希望する方法を選択することができる。保険料の決済が完了し保険契約が成立すると、保険証券が作成され、契約者であるユーザへ送られる。なお、保険証券を電子データの形態でユーザに提供することもできる。また、保険証券は約款を含むことができる。
【0027】
次に、図1のシステムを利用した保険申込システムの種々の実施形態を説明する。
[2]第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態について図1及び2を参照して説明する。この実施形態は、A社が申込書を紙媒体でユーザに提供し、ユーザは口座振替により保険料を支払うものである。
【0028】
図2において、まずユーザはインターネット1を介してA社サーバ10のウェブサイトに接続し、保険商品を決定して仮申込を行う(ステップS1)。具体的には、ユーザが保険商品を指定するとその保険商品の申込書の電子フォームがユーザ端末2上に表示され、ユーザは住所、氏名、その他の必要事項を入力する。なお、このときに保険料の支払い方法として、口座振替を希望する旨を選択する。ユーザが入力を完了すると、A社サーバ10はそのデータを仮申込データとして保存する。なお、この場合、A社サーバ10は電子フォームデータとユーザの入力データの両方を組にして記憶してもよいし、ユーザの入力データのみを記憶してもよい。
【0029】
次に、A社サーバ10は仮申込データをプリント工場12へ送信する(ステップS2)。プリント工場12は受け取った仮申込データをプリントして申込書(紙媒体)を作成する(ステップS3)。この申込書には、ステップS1でユーザが入力した事項がプリントされている。プリント工場12は、申込書をユーザ宛に郵送する(ステップS4)。ユーザは郵送された申込書を受け取り、内容を確認し、署名・捺印を行う。そして、保険会社宛に郵送し、申込を行う(ステップS5)。
【0030】
保険会社8は申込書を受け取り、保険契約のための審査を行う(ステップS6)。審査が完了し、契約可能と判断されると、保険会社の端末8はA社サーバ10へ引受通知発送指示を送信する(ステップS7)。引受通知とは、審査結果がOKであることを告知するとともに保険料の支払い方法に関する情報を申込者であるユーザに通知するものである。本実施形態では、ユーザが保険料の支払い方法として口座振替を選択しているので、引受通知には保険料の口座振替期日が明記されている。
【0031】
A社サーバ10は、保険会社の端末8から受け取った引受通知情報を引受通知用顧客データとしてプリント工場12へ送信する(ステップS8)。プリント工場12はこれを紙媒体にプリントして引受通知書を作成し(ステップS9)、ユーザ宛に郵送する(ステップS10)。ユーザは、引受通知書に明記された口座振替期日までに保険料を口座に入れておく。
【0032】
保険会社は、振替期日になると保険料を引き落とし、決済完了/証券発行指示をA社サーバ10へ送信する(ステップS12)。これに応じて、A社サーバは証券発行用顧客データをプリント工場12へ送信する(ステップS13)。プリント工場12は保険証券をプリントし(ステップS14)、ユーザに郵送する(ステップS15)。こうして、保険契約が完了する。
【0033】
以上の手続において、A社サーバ10は各ステップにおいて送受信したデータを記憶しておく。また、これに加えて、各ステップにおいて実行された手続の履歴(ログ記録)を保管する。即ち、ユーザの端末2から仮申込を受けた日時(ステップS1)、保険会社から引受通知発送指示や決済完了/証券発行指示を受信した日時(ステップS7、S12)、プリント工場へ必要なデータを送信した日時(ステップS2、S8、S13)など、各ステップにおいて行った処理の履歴を記憶する。よって、手続完了後に手続の成否や成立時刻などについて疑義が生じた場合は、A社はその手続に関するログ記録をユーザや保険会社へ提供することができる。決済完了日時や引受通知発送指示を発した日時などは、保険契約の成立日時を確定する役割を有する場合もある。よって、このログ記録は、保険契約の成立に関して契約者と保険会社との間で問題が生じた場合などに一種の証明として機能するので特に有益である。
[3]第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図1及び図3を参照して説明する。本実施形態では、ユーザは郵送により紙媒体として申込書を受け取るが、保険料の決済はオンラインで行う。
【0034】
図3において、ユーザがA社ウェブサイトで保険商品を選択し、紙媒体の申込書を受け取り、署名・捺印した後に保険会社へ郵送し、保険会社が審査を行うまで(ステップS21〜S26)は図2に示す第2実施形態のステップS1〜S6と同様である。但し、本実施形態では、ユーザは保険料支払い方法としてオンライン決済を指定しているものとする。
【0035】
ステップS26の審査完了後、保険会社の端末8は引受通知発送指示として審査OKの情報をA社サーバ10へ送信する(ステップS27)。なお、ユーザはオンライン決済による保険料の支払いを選択しているので、引受通知書には口座振替期日は含まれない。次に、A社サーバは、保険料のオンライン決済のためのオンライン決済IDを採番し(ステップS28)、これを含む引受通知用顧客データをプリント工場へ送信する(ステップS29)。プリント工場12はこれをプリントして引受通知書を作成し(ステップS30)、ユーザへ郵送する(ステップS31)。
【0036】
ユーザは、引受通知書に記載された決済IDを使用してオンライン決済を行い(ステップS32)、A社サーバ10は決済処理を行うと共に契約データを保険会社の端末8へ送信する(ステップS33)。決済が完了すると、A社サーバ10は証券発行用顧客データをプリント工場12へ送信する(ステップS34)。プリント工場12は保険証券をプリントし(ステップS35)、ユーザへ郵送する(ステップS36)。こうして、保険申込が完了する。なお、ステップS28〜S32で行われるオンライン決済処理は、ステップS21の仮申込処理の段階で実行することもできる。
【0037】
なお、本実施形態においても、A社サーバ10は各ステップにおいて送受信されるデータに加え、保険会社からの引受通知の受信日時、保険料のオンライン決済の完了日時など各ステップにおいて実行された手続のログを記録している。
[4]第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について図1及び図4を参照して説明する。本実施形態は、A社サーバ10が電子フォームの形態で申込書をユーザに提供するものである。なお、保険料の支払いは第1実施形態と同様に口座振替により行われる。
【0038】
図4を参照すると、先ずユーザはA社サーバ10へ接続して保険商品を選択し、仮申込を行う(ステップS41)。仮申込処理では、ユーザが保険商品を選択すると、A社サーバ10はその保険商品に対応する申込書の電子フォームをデータベース13から取得し、ユーザ端末2に表示する。ユーザはこの申込書の電子フォームに対して住所、氏名、その他の必要事項を入力する。ユーザが入力完了を指示すると、A社サーバ10は、ユーザが必要事項(仮申込データ)を入力した後の電子フォームを仮申込データとして保存する。
【0039】
次に、A社サーバ10は仮申込データを含む電子フォームをユーザの端末2へ送信する(ステップS42)。ユーザはこれをプリンタ3を使用してプリントし、紙媒体の申込書を作成する(ステップS43)。次に、ユーザは、申込書に署名・捺印して保険会社へ郵送し、申込を行う(ステップS44)。その後は、手続は図2に示す第1実施形態と同様に進められる。即ち、保険会社は申込書を受け取って審査し、審査が完了すると引受通知発送指示をA社サーバ10へ送信する(ステップSS45、46)。この指示に基づき、口座振替期日を含む引受通知書がプリント工場を介してユーザに郵送され(ステップS47〜49)、ユーザは口座振替により保険料の支払いを行う(ステップS50)。決済が完了すると、保険証券が作成され、ユーザに郵送される(ステップS51〜54)。こうして、保険申込手続が完了する。
【0040】
なお、本実施形態においても、A社サーバ10は各ステップにおいて送受信されるデータに加え、保険会社端末からの引受通知発送指示や決済完了/証券発行指示の受信日時などを含む各ステップにおいて実行された手続のログを記録している。
[5]第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について図1及び図5を参照して説明する。本実施形態もA社サーバ10が電子フォームの形態で申込書をユーザに提供するものであるが、保険料の支払いは第2実施形態と同様にオンライン決済により行われる。
【0041】
図5を参照すると、先ずユーザはA社サーバ10へ接続して保険商品を選択し、仮申込を行う(ステップS61)。仮申込処理では、ユーザが保険商品を選択すると、A社サーバ10がその保険商品に対応する申込書の電子フォームをデータベース13から取得し、ユーザ端末2に表示する。ユーザはこの申込書の電子フォームに対して住所、氏名、その他の必要事項を入力する。ユーザが入力完了を指示すると、A社サーバ10は、ユーザが必要事項(仮申込データ)を入力した後の電子フォームを仮申込データとして保存する。
【0042】
次に、A社サーバ10は仮申込データを含む電子フォームをユーザの端末2へ送信する(ステップS62)。ユーザはこれをプリンタ3を使用してプリントし、紙媒体の申込書を作成する(ステップS63)。次に、ユーザは、申込書に署名・捺印して保険会社へ郵送し、申込を行う(ステップS64)。その後は、手続は図3に示す第2実施形態と同様に進められる。即ち、保険会社は申込書を受け取って審査し、審査が完了すると引受通知発送指示をA社サーバ10へ送信する(ステップS65、66)。次に、A社サーバ10はオンライン決済IDを採番し、オンライン決済IDを含む引受通知書をプリント工場を介してユーザに郵送する(ステップS67〜70)。ユーザはオンライン決済により保険料を支払い、A社はその処理を行うと共に契約データを保険会社の端末8へ送信する(ステップS71〜72)。決済が完了すると、保険証券が作成され、ユーザに郵送される(ステップS73〜75)。こうして、保険申込手続が完了する。なお、ステップS67〜S72で行われるオンライン決済処理は、ステップS61の仮申込処理の段階で実行することもできる。
【0043】
なお、本実施形態においても、A社サーバ10は各ステップにおいて送受信されるデータに加え、保険会社からの引受通知の受信日時、保険料のオンライン決済の完了日時など各ステップにおいて実行された手続のログを記録している。
[6]第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について図1及び図6を参照して説明する。本実施形態は、申込や引受通知の送信をオンラインで行うものであり、保険料の支払いは第1、3実施形態と同様に口座振替により行われる。
【0044】
図6を参照すると、先ずユーザはA社サーバ10へ接続して保険商品を決定し、本申込を行う(ステップS81)。具体的にはユーザが保険商品を選択すると、それに対応する申込書の電子フォームがユーザの端末2に表示され、ユーザは必要事項を入力して申込データを作成する。次に、ユーザは自分の電子署名を申込データに付与する。この電子署名は、第1〜4実施形態において紙媒体の申込書にユーザが付した署名・捺印に相当する。よって、サーバ10は電子署名が添付されていない場合は正式な申込データと取り扱わない。電子署名が付与された申込データは、本申込データとしてA社サーバ10へ送信される。
【0045】
A社サーバ10はユーザ端末2から本申込データを受信し、申込の受け付け確認の意味でA社及び/又は保険会社の電子署名を付与する。そして、本申込データを保険会社へ送信する。保険会社のサーバ8は本申込データを受信し、電子署名を利用した受領確認処理を行う。さらに、本申込データの内容に基づいて審査を行う(ステップS82)。審査が完了すると、保険会社の端末8は口座振替期日を含む引受通知発送指示をA社サーバ10へ送信する(ステップS83)。A社サーバ10は電子署名を利用して受領確認処理を行い、口座振替期日を含む引受通知発送指示をユーザ端末2へ送信する(ステップS84)。ユーザは電子署名を利用して受領確認処理を行う。
【0046】
ユーザが口座振替により保険料の支払いを行うと、保険会社はそれを確認し、決済完了/証券発行指示をA社サーバ10へ送信する(ステップS86)。次に、A社サーバ10は電子署名により受領確認処理を行い、次にプリント工場12へ証券発行用顧客データを送信する(ステップS87)。プリント工場12はこれに基づいて保険証券を作成し、ユーザに郵送する。こうして、保険申込手続が完了する。
【0047】
なお、保険証券は、電子データの形態でユーザに提供することもできる。その場合は、A社サーバ10は保険会社端末8から決済完了/証券発行指示を受け取ると、電子データとしての保険証券を作成しユーザ端末2へ送信する(ステップS87’)。
【0048】
上記の手続においては、種々のデータの送受信時に電子署名を利用した受領確認が行われる。一つの方法は、データの送信者が自らの電子署名を付してデータを送信し、受信者が送信者の電子署名を、対応する公開鍵を利用して復号化して検証する。検証が正しく行われれば、そのデータが送信者から送信されたもので改変などがなされていないことが証明される。また、別の方法は、データの受信者が受信したデータに基づいて自己の秘密鍵を使用して電子署名を作成し、これを受け取り証明として送信者へ返信する。送信者は、これを受け取り、受信者の公開鍵を利用して電子署名を復号化及び検証する。検証が正しく行われれば、正しくデータが受領されたことがわかる。
【0049】
また、上記の手続においては、先の第1〜4実施形態と同様に、A社サーバ10は各ステップにおける送受信データを保管し、さらに必要な電子署名を保管する。また、A社サーバ10は、保険会社端末からの引受通知発送指示や決済完了/証券発行指示の受信日時などを含む各ステップにおいて実行された処理のログ記録を保管し、後の証明などに用いることができる。
[7]第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態について図1及び図7を参照して説明する。本実施形態は、申込や引受通知の送信をオンラインで行うものであり、保険料の支払いは第2、4実施形態と同様にオンライン決済により行われる。
【0050】
図7を参照すると、先ずユーザはA社サーバ10へ接続して保険商品を決定し、本申込を行う(ステップS91)。具体的にはユーザが保険商品を選択すると、それに対応する申込書の電子フォームがユーザの端末2に表示され、ユーザは必要事項を入力して申込データを作成する。次に、ユーザは自分の電子署名を申込データに付与する。この電子署名は、第1〜4実施形態において紙媒体の申込書にユーザが付した署名・捺印に相当する。よって、電子署名が添付されていない場合はサーバ10において正式な申込データとして取り扱われない。電子署名が付与された申込データは、本申込データとしてA社サーバ10へ送信される。
【0051】
A社サーバ10はユーザ端末2から本申込データを受信し、受信確認の意味でA社及び/又は保険会社の電子署名を付与し、本申込データを保険会社へ送信する。保険会社のサーバ8は本申込データを受信し、電子署名を利用した受領確認処理を行う。さらに、本申込データの内容に基づいて審査を行う(ステップS92)。審査が完了すると、保険会社の端末8は引受通知発送指示をA社サーバ10へ送信する(ステップS93)。A社サーバ10は電子署名を利用して受領確認処理を行い、次にオンライン決済IDを採番して、オンライン決済IDを含む引受通知発送指示をユーザ端末2へ送信する(ステップS94)。ユーザは電子署名を利用して受領確認処理を行う。
【0052】
次に、ユーザがオンライン決済により保険料の支払いを行うと(ステップS96)、A社サーバ10は決済処理を行うと共に契約データを保険会社の端末8へ送信する(ステップS97)。保険会社は電子署名を利用した受領確認処理を行う。
【0053】
次に、A社サーバ10はプリント工場12へ証券発行用顧客データを送信する(ステップS98)。プリント工場12はこれに基づいて保険証券を作成し、ユーザに郵送する(ステップS100)。こうして、保険申込手続が完了する。
【0054】
なお、本実施形態においても保険証券を電子データの形態でユーザに提供することができる(ステップS98’)。
【0055】
なお、上記の手続においても、第5実施形態の場合と同様に電子署名を利用した受領確認が行われる。
【0056】
また、上記の手続においても、先の第5実施形態と同様に、A社サーバ10は各ステップにおける送受信データ及び電子署名を保管する。さらに、保険会社からの引受通知の受信日時、保険料のオンライン決済の完了日時など各ステップにおいて実行された処理のログ記録を保管し、後の証明などに用いることができる。
【0057】
以上に説明した第1〜6実施形態の詳細において、処理手順は単なる例示であり、手順の変更や署名付与の有無などの種々の変更を加えることができる。また、A社サーバは、保存したログ記録に基づいて、申込手続の進行状況をユーザに知らせることができる。
【0058】
第5、6実施形態では、申込手続の各ステップ毎に必要に応じて各種データに電子署名を付与しているが、データ全体ではなく部分的に電子署名を付すこともできる。例えば、図6のステップS83において保険会社端末8が口座振替期日データの部分について独立に電子署名を付すとか、図7の第6実施形態においてA社サーバ10がオンライン決済ID自体について独立に署名を付与することもできる。
【0059】
また、あるステップで付与すべき電子署名を特定のものに限定することもできる。例えば、図6の第5実施形態においては口座振替により保険料が支払われるので、本申込書に対してユーザが付与すべき電子署名を、保険料引き落とし口座に関して金融機関に登録した電子署名のみに限定し、それ以外の電子署名では本申込を受け付けないようにA社サーバ10を構成することも可能である。また、その際に、ユーザ端末2に送信する申込書の電子フォームに対して、ユーザの所持する複数の電子署名から登録済みの電子署名を自動選択して付与する機能を付加することもできる。
【0060】
また、ユーザが携帯するICカード内に電子署名用秘密鍵を記憶しておき、共有端末を使用して保険申込を行うことができる。こうすると、ユーザは会社などに設置された共有端末を利用して手続を行うことができる。この場合、電子署名付与に必要なユーザの秘密鍵もICカード内から抽出して使用することができる。また、第5、6実施例において本申込データに電子署名を付与する際には、ユーザは必要事項の入力済みの本申込データを自己のICカード内に一時的に読み込み、ICカード内で電子署名付与処理を行って、電子署名を付与した本申込データを作成することができる。この方法は、ユーザの秘密鍵を共有端末などに読み込む必要がなく、ICカード外へ移動する必要がないので、セキュリティの面で優れている。
【0061】
また、A社サーバ10がユーザ端末から受信した本申込データやオンライン決済関連データなどは、A社がその原本データを保管してバックアップデータを保険会社へ提供することもできるし、原本データを保険会社へ提供してA社がバックアップデータを保管することもできる。また、A社は本申込データなどに付与されたユーザの電子署名のみを保管することもできる。
【0062】
また、A社サーバはユーザの保険申込手続において、特定の機関によるユーザの本人認証が得られた場合に限り保険契約を成立させるように構成することができる。例えば、ユーザがある認証機関に対して予め登録を行い、その認証機関によりユーザの本人認証処理が成功したことを示すデータなどをA社サーバが認証機関から取得することを条件に保険契約を成立させるようにシステムを構成することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インターネットを利用して種々の形態で保険申込を効率的かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による保険申込システムの概略構成を示す。
【図2】保険申込手続の第1実施形態を示す。
【図3】保険申込手続の第2実施形態を示す。
【図4】保険申込手続の第3実施形態を示す。
【図5】保険申込手続の第4実施形態を示す。
【図6】保険申込手続の第5実施形態を示す。
【図7】保険申込手続の第6実施形態を示す。
【符号の説明】
1…インターネット
2…ユーザ端末
3…プリンタ
4…ICカード
8…保険会社端末
10…A社サーバ
12…プリント工場
13…電子フォームデータベース

Claims (2)

  1. ネットワークを通じてユーザ端末、保険会社端末、及び、プリント工場に接続された保険申込サーバシステムにおいて、
    各種保険商品の申込書に対応する電子フォームを記憶するデータベースと、
    ユーザが指定した保険商品の申込書に対応する電子フォームを前記データベースから取得し、ユーザの端末へ送信して表示させる電子フォーム表示手段と、
    前記電子フォームに対してユーザが入力した入力データをユーザ端末から受信し、仮申込データとして前記保険申込サーバに保管すると共に、プリント工場で仮申込データを紙媒体にプリントしてユーザに郵送する申込書を作成するために、仮申込データをプリント工場に送信する手段と、
    保険料の口座振替期日を含み、保険契約の審査が完了したことを示す引受通知発送指示の引受通知情報を保険会社端末から受け取り、プリント工場で引受通知情報を紙媒体にプリントしてユーザに郵送する引受通知書を作成するために、引受通知情報を引受通知用顧客データとしてプリント工場に送信する手段と、
    保険会社端末から証券発行指示を受け取り、証券発行指示に応じて、プリント工場で紙媒体にプリントしてユーザに郵送する保険証券を作成するために、証券発行用顧客データをプリント工場に送信する手段と
    前記各手段が行った処理のログ記録を行う手段と、
    前記ログ記録に基づいて、申込手続の進行状況の情報をユーザ端末に送信する手段と、を備える保険申込サーバシステム。
  2. ネットワークを通じてユーザ端末、保険会社端末、及び、プリント工場に接続された保険申込サーバシステムにおいて、
    各種保険商品の申込書に対応する電子フォームを記憶するデータベースと、
    ユーザが指定した保険商品の申込書に対応する電子フォームを前記データベースから取得し、ユーザの端末へ送信して表示させる電子フォーム表示手段と、
    前記電子フォームに対してユーザが入力した入力データをユーザ端末から受信し、仮申込データとして前記保険申込サーバに保管すると共に、ユーザがプリンタを使用して紙媒体の申込書を作成するために、仮申込データを含む電子フォームをユーザ端末に送信する手段と、
    保険料の口座振替期日を含み、保険契約の審査が完了したことを示す引受通知発送指示の引受通知情報を保険会社端末から受け取り、プリント工場で引受通知情報を紙媒体にプリントしてユーザに郵送する引受通知書を作成するために、引受通知情報を引受通知用顧客データとしてプリント工場に送信する手段と、
    保険会社端末から証券発行指示を受け取り、証券発行指示に応じて、プリント工場で紙媒体にプリントしてユーザに郵送する保険証券を作成するために、証券発行用顧客データをプリント工場に送信する手段と、
    前記各手段が行った処理のログ記録を行う手段と、
    前記ログ記録に基づいて、申込手続の進行状況の情報をユーザ端末に送信する手段と、を備える保険申込サーバシステム。
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