JP4475716B2 - 電力変換器制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換器の半導体素子を過電流による破壊から保護するための電力変換器制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、負荷に可変周波数の電源を供給するための電力変換器は、直流電源を所定の周波数の交流に変換し負荷に供給するものである。直流電源が直接得られないときは、コンバータ装置を設け交流電源から直流電源を得るようにしている。
【0003】
図6は、3相交流電源1からの電源をコンバータ2で直流電源に変換し、その直流電源をインバータ装置4で所定の周波数の電力に変換して負荷である電動機5を駆動する電力変換器6およびその制御装置7の構成図である。
【0004】
コンバータ装置2では、3相交流電源1からのR相を半導体素子2Uと半導体素子2Xとの接続点に、S相を半導体素子2Vと半導体素子2Yとの接続点に、T相を半導体素子2Wと半導体素子2Zとの接続点にそれぞれ入力し、3相交流を直流に変換する。コンバータ装置2で変換された直流は、P母線(プラス側母線)およびN母線(マイナス側母線)に取り出され、このP母線とN母線に接続された平滑コンデンサ3で平滑され、インバータ装置4に入力される。
【0005】
インバータ装置4では、コンバータ装置2で変換された直流を、P母線およびN母線から入力し、半導体素子4Uと半導体素子4Xとの接続点からU相を、半導体素子4Vと半導体素子4Yとの接続点からV相を、半導体素子4Wと半導体素子4Zとの接続点からW相をそれぞれ取り出し、負荷である電動機5に出力するようになっている。
【0006】
各々の半導体素子2U〜2Z、4U〜4Zは、1個の半導体素子で構成されるシングル構成の場合と、複数個の半導体素子を並列接続してパラ接続構成される場合とがある。
【0007】
このような電力変換器6には、電力変換器6の制御を行うための電力変換器制御装置7が設けられている。電力変換器制御装置7は、電力変換器6の半導体素子のゲートを駆動するゲート駆動部8と、電力変換器6の半導体素子に流れる電流が所定値を超えたことを検出し異常信号を出力する異常検出部9と、ゲート駆動部8にゲート信号を送り電力変換器6を制御する制御部10とを備えており、半導体素子の異常や負荷の短絡を異常信号として検出し保護動作するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、半導体素子として、例えばIGBT(Insulated gate bipolar)を使用した電力変換器6では、半導体素子の短絡耐量が低いため、直流短絡が生じると、保護動作が作動しても検出時間が間に合わず、半導体素子の破壊が生じることがある。
【0009】
ここで、IGBTは静電誘導形自己消弧素子であり、ゲート電圧が低い範囲ではトランジスタに近い定電流特性を示す一方、ゲート電圧が高くなるとサイリスタに近い低い電圧降下を示すトランジスタとサイリスタの中間的特性を有している。このIGBTは、コレクタ電流を制限すれば常に安全に運転できる安全動作領域を有しているが、例えば負荷短絡が生じたような場合には、安全動作領域での運転ができなくなり大きなコレクタ電流が流れ、半導体素子の破壊が生じることがある。
【0010】
半導体素子(IGBT)に過電流が流れた場合には、異常検出部9がそれを検出して、制御部10によりゲート駆動部8を介してゲート遮断する動作がなされるが、異常検出からゲート遮断までには時間が掛かり、特に半導体素子がIGBTである場合には、ゲート遮断が行われるまでに素子が破壊してしまう恐れがある。
【0011】
本発明の目的は、半導体素子に大きな電流が流れる異常が発生しても、その保護動作を確実に行い素子破壊を防ぐことができる電力変換器制御装置を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わる電力変換器制御装置は、インバータ装置およびコンバータ装置の双方で構成される電力変換器の半導体素子のゲートを駆動するゲート駆動部と、前記電力変換器の前記インバータ装置側および前記コンバータ装置側にパラ接続された平滑コンデンサと、前記電力変換器のプラス側母線およびマイナス側母線に対し構造的に均等になる位置に前記平滑コンデンサとは別に接続された短絡検出用コンデンサと、前記短絡検出用コンデンサのプラス側またはマイナス側に設けられ前記半導体素子に流れる電流を検出するホールCTと、前記ホールCTにより検出された前記電力変換器の半導体素子に流れる電流が所定値を超えたときは異常信号を出力する異常検出部と、前記ゲート駆動部にゲート信号を送り前記電力変換器を制御する制御部とを備え、前記ゲート駆動部は、前記異常検出部の異常信号を入力したとき前記半導体素子のゲートを絞るゲート絞り手段と、前記電力変換器の停止のためのゲート遮断信号を出力するゲート遮断出力手段と、異常となった半導体素子のゲート信号をオン状態に保持し前記半導体素子の電流が所定値より小さくなってから前記半導体素子のゲート信号をオフするゲートオン手段とを備えたこと特徴とする。
【0013】
請求項2の発明に係わる電力変換器制御装置は、請求項1の発明において、前記異常検出部は、前記電力変換器の半導体素子に流れる電流が所定値を超えたときは信号を出力するコンパレータと、前記コンパレータの出力信号をラッチするラッチ回路と、前記ラッチ回路の出力信号によりオンし前記ゲート駆動部の前記ゲート絞り手段と前記ゲート遮断出力手段を駆動するドライブ用トランジスタとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明に係わる電力変換器制御装置は、請求項2の発明において、前記ラッチ回路をクリアするラッチクリア回路を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明に係わる電力変換器制御装置は、前記ゲートオン手段は、請求項1の発明において、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子のゲート信号がオンの場合に、その半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明に係わる電力変換器制御装置は、請求項1の発明において、前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子のゲート信号のオンオフに関係なく、その半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明に係わる電力変換器制御装置は、請求項1の発明において、前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子だけなく、正常な半導体素子に対してもオンオフに関係なくすべての半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明に係わる電力変換器制御装置は、請求項1の発明において、前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したときから、一定の時間だけすべての半導体素子を強制的にオン状態にし、一定の時間経過後、再びすべての半導体素子のゲート信号をオフするようにしたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる電力変換器制御装置を電力変換器に適用した場合の構成図である。
【0026】
図1において、3相交流電源1からの電源はコンバータ2で直流電源に変換され、直流母線のP母線(プラス側母線)およびN母線(マイナス側)に出力される。P母線とN母線との間には平滑コンデンサ3が設けられており、ここで平滑された直流電源は、インバータ装置4で所定の周波数の電力に変換され、負荷である電動機5に出力される。
【0027】
コンバータ装置2では、3相交流電源1からのR相を半導体素子2Uと半導体素子2Xとの接続点に入力し、S相を半導体素子2Vと半導体素子2Yとの接続点に入力し、T相を半導体素子2Wと半導体素子2Zとの接続点に入力し、3相交流を直流に変換する。
【0028】
また、インバータ装置4では、半導体素子4Uと半導体素子4Xとの接続点からU相を出力し、半導体素子4Vと半導体素子4Yとの接続点からV相を出力し、半導体素子4Wと半導体素子4Zとの接続点からW相を取り出し、負荷である電動機5に出力する。これら各々の半導体素子2U〜2Z、4U〜4Zは、1個の半導体素子で構成されるシングル構成の場合と、複数個の半導体素子を並列接続してパラ接続構成される場合とがある。
【0029】
P母線およびN母線に接続される平滑コンデンサ3のプラス側には、電力変換器3を構成する半導体素子に流れる電流を検出するためのホールCT11が設けられている。このホールCTは、電流を検出する導体を貫通して設けられ、電源が不要でかつ高速で電流を検出することができるもので、例えば、PEARSON ELECTRONICS 社製 CURENT MONITORS が使用でき、電流変化があったときのみ信号を出力するものである。
【0030】
このホールCT11で検出された電流は、電力変換器制御装置7の異常検出部9に入力され、その電流値が所定値を超えたか否かが判定される。そして、電流値が所定値を超えたときは異常信号を制御部10に出力する。制御部10は、異常検出部9からの異常信号がない場合には、ゲート駆動部8に対し所定のゲート信号を出力し電力変換器6を制御する。
【0031】
ゲート駆動部8は、制御部10からのゲート信号に基づいて電力変換器6の各々の半導体素子のゲートを駆動するものであり、異常検出部9からの異常信号が入力された場合に起動されるゲート絞り手段12、ゲート遮断手段13およびゲートオン手段23を有している。
【0032】
ゲート絞り手段12は、異常検出部9からの異常信号を入力すると起動され、対応する半導体素子のゲートを速やかに絞り、その半導体素子に流れる電流を抑制するように動作する。また、ゲート遮断手段13は、電力変換器6の動作を停止するべく各々の半導体素子に対しゲートオフ信号を出力するものである。
【0033】
また、ゲートオン手段23は、異常検出部9からの異常信号を入力すると、短絡電流が流れ始めた半導体素子のゲートの一次側をオン状態のまま継続させ、ゲート絞り手段12により電流が十分に小さくなってから半導体素子のゲートの一次側をオフするようにする。
【0034】
これは、半導体素子の直流短絡の原因がノイズによる誤動作である場合、本来的にはゲート信号がオフであるべきところが瞬間的にオンとなり、その間だけ短絡電流が流れ、ゲート絞り手段12にてゲートを絞っている途中で本来のオフになることが考えられるからである。そのような場合には、十分に電流が小さく絞られていないときに半導体素子がオフすることになり、サージ電圧が大きくなってしまう。サージ電圧が半導体素子耐電圧を超えると半導体素子の破損となる。
【0035】
そこで、半導体素子に短絡電流が流れ始めたときは、ゲートオン手段23によりゲートの一次側をオン状態に保持し、十分に電流が小さくなってからオフするようにする。
【0036】
この場合、ゲートオン手段23は、異常検出部9からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子だけなく、正常な半導体素子に対してもオンオフに関係なくすべての半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにすることが望ましい。すなわち、ゲートオン手段23は、異常検出部9からの異常信号を入力したときから、一定の時間だけすべての半導体素子を強制的にオン状態にし、一定の時間経過後、再びすべての半導体素子のゲート信号をオフするようにする。
【0037】
図2は、ゲート駆動部8および異常検出部9の回路構成図である。図2では、インバータ装置4の半導体素子4Uに対して適用した場合を示しており、半導体素子4UとしてIGBTを使用した場合を示している。
【0038】
ホールCT11は、半導体素子4UのP側(プラス側)と平滑コンデンサのP側(プラス側)との間に挿入され、このホールCT11で検出された電流は、異常検出部9に入力される。異常検出部9では、ホールCT11で検出された電流は抵抗R1を介してコンパレータ14に入力される。一方、異常検出部9には、電流の所定の値を設定するための設定器15が設けられており、この設定器15で設定された所定値は抵抗R2を介してコンパレータ14に入力される。
【0039】
コンパレータ14では、ホールCT11で検出された電流が設定器15に設定された所定値を超えると、その検出信号をラッチ回路16に出力する。ラッチ回路16では、コンパレータ14からの検出信号を保持(ラッチ)し、ドライブ用トランジスタ17を駆動すると共に、絶縁用フォトカプラ13Aをオンし、これにより、異常信号がゲート駆動部8に出力される。
【0040】
ラッチクリア回路18はラッチ回路16のラッチをクリアするものであり、半導体素子4Uへの過電流を検出し、例えば電力変換器6が停止した後に、再び再起動させる際に使用される。ラッチクリア回路18は、制御部10からの指令により起動され再び制御可能な状態にする。
【0041】
一方、ゲート駆動部8には、制御部10からのゲート信号がフォトカプラ19を介して入力トランジスタTrに入力され、コンプリメンタリ接続されたNPNトランジスタとPNPトランジスタとからなる増幅器20a、20bで増幅されて、抵抗R3を介し半導体素子4Uに入力されるようになっている。なお、コンデンサCa、Cbは、制御電源供給用のコンデンサである。
【0042】
ゲート駆動部8内に形成されるゲート絞り手段12は、異常検出部9からの異常信号が入力されたときに、半導体素子4Uを駆動するためのゲート電源の電圧を低下させるものであり、これにより、半導体素子4Uへのゲート信号を絞る。また、その際に、フォトカプラから構成されるゲート遮断手段13が動作し、ゲート遮断信号を出力する。
【0043】
すなわち、異常検出部9からの異常信号は、異常検出部9のドライブ用トランジスタ17がオンすることにより発生し、このドライブ用トランジスタ17のオンにより、絶縁用フォトカプラ13Aのフォトトランジスタをオンさせ、ゲート絞り手段12の定電圧ダイオード21がオンする。これにより、ゲート電源から、ゲート遮断手段13、ダイオードD1、抵抗R4を介して電流が流れ、ゲート遮断手段13が動作しゲート遮断信号が出力される。この場合、定電圧ダイオード21は一定電圧を保持するので、ゲート電源の電圧は、定電圧ダイオード21の一定電圧に等しくなる。
【0044】
ドライブ用トランジスタ17のオン時には、半導体素子4Uを駆動するゲート電源の電圧を、定電圧ダイオード21の一定電圧まで低下させる。ゲート絞り手段12によるゲート絞り動作は、ゲート絞り手段12から直接的に半導体素子へのゲート電源を低下させるので、その動作は速い。一方、ゲート遮断動作は、制御部10を介してゲート駆動部8に入力されるので、ゲート遮断動作が行われるまでに時間が掛かる。
【0045】
これにより、ゲート遮断信号による電力変換器6の停止指令が来る以前に、半導体素子4Uへのゲート信号を速やかに絞り、半導体素子4Uに流れる電流を抑制できる。従って、半導体素子4Uを適切に保護できる。
【0046】
次に、ゲートオン手段23は、異常検出部9のトランジスタ17がオンし、かつ半導体素子のゲートの一次側がオンの場合に、その半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持し、ゲート絞り手段12により電流が十分に小さくなってから半導体素子のゲートの一次側をオフする。
【0047】
すなわち、ゲートオン手段23のNOR回路24は、異常検出部9のドライブ用トランジスタ17がオン(入力信号信号レベルL)し、ゲート信号がオン(入力信号レベルL)した場合に限りオンする。NOR回路24のオンによりコンデンサC1を介して瞬時にトランジスタTr2をオンし、抵抗R6を介して半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持する。
【0048】
コンデンサC1、抵抗R5、トランジスタTr2により微分回路を構成しているため、コンデンサC1、抵抗R5の時定数に関する時間が経過したら、コンデンサC1に流れる電流が減少し最終的にトランジスタTr2がオフする。このゲートオン手段23により、異常信号はラッチ回路16がラッチを保持していても、ラッチ後に一定時間が経過するとゲートオン手段23は一次側ゲート信号の強制オン条件を解除し、ゲート信号はオフとなる。
【0049】
従って、異常検出部9により検出されたような大きな電流が半導体素子に流れているときに、適切に半導体素子をオフさせ、サージ電圧による破損から保護することができる。
【0050】
以上の説明では、異常検出部9のドライブ用トランジスタ17がオン(入力信号信号レベルL)し、ゲート信号がオン(入力信号レベルL)である場合に限りゲート信号のオン状態を延長保持するようにしたが、異常検出部9のドライブ用トランジスタ17がオンしたときは、ゲート信号の状態にかかわらずゲートをオンさせるようにしても良い。その場合のゲートオン手段23を図3に示す。
【0051】
図3において、異常検出部9のドライブ用トランジスタ17がオンしたときは、ゲート手段23の抵抗R8を介してトランジスタTr3のベース−エミッタ電圧が0Vになるので、トランジスタTr3がオフする。
【0052】
これにより、コンデンサC1を使ってトランジスタTr2にベース電流が流れるため、図2のときと同様にトランジスタTr2が一瞬だけオンし、半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持する。そして、ゲート絞り手段12により短絡電流が絞られ、抵抗R5とコンデンサC1とにより定まる一定時間後にトランジスタTr2はオフし、半導体素子のゲート信号はオフとなる。
【0053】
従って、異常検出部9により検出されたような大きな電流が半導体素子に流れているときに、適切に半導体素子をオフさせ、サージ電圧による破損から保護することができる。
【0054】
ここで、電力変換器6がインバータ装置4とコンバータ装置2との両方を有する場合には、インバータ装置4およびコンバータ装置2に対し、ホールCT11を各々1個ずつ設けて検出精度を高める。この場合、ホールCT11は平滑コンデンサ3のプラス側(P母線側)またはマイナス側(N母線側)に設ける。
【0055】
また、電力変換器6の各々の半導体素子がパラ接続構成であり、平滑コンデンサ3もパラ接続する場合には、ホールCT11は、半導体素子に均等に電流が最も流れやすい箇所に接続する。つまり、少なくとも1個の平滑コンデンサのプラス側またはマイナス側に設ける。これにより、検出感度を高めると共にホールCT11の設置個数を節約できる。
【0056】
また、電力変換器6の半導体素子が1個のシングル構成であり、平滑コンデンサ3がパラ接続される場合には、ホールCT11は、半導体素子に均等に電流が流れやすい箇所に接続する。つまり、少なくとも1個の平滑コンデンサのプラス側またはマイナス側に設ける。これにより、検出感度を高めると共にホールCT11の設置個数を節約できる。
【0057】
また、電力変換器6の半導体素子がパラ接続構成で、U相、V相、W相の半導体素子スタックが各相毎に別れる場合には、ホールCT11は、平滑コンデンサ3のプラス側(P側)またはマイナス側(N側)に最も近い真中のV相だけに設ける。これにより、検出感度を高めると共にホールCT11の設置個数を節約できる。
【0058】
ここで、平滑コンデンサがパラ接続される場合には、図4に示すように、電力変換器のプラス側母線およびマイナス側母線に対し構造的に均等になる位置に、平滑コンデンサ11A、11Bとは別の短絡検出用コンデンサ31を接続して、この短絡検出用コンデンサ31のプラス側またはマイナス側にホールCT11設けることも可能である。
【0059】
図4において、短絡検出用コンデンサ31は、コンバータ側に設置された平滑コンデンサ11Aとインバータ側に設置された平滑コンデンサ11Bとの間に設けられている。この短絡検出用コンデンサ31は、平滑コンデンサ11A、11Bのコンデンサ容量に対し、十分小さな容量のコンデンサであり、この短絡検出用コンデンサ31のプラス側またはマイナス側に、ホールCT11は取り付けられる。
【0060】
次に、図5は、本発明の実施の形態に係わる電力変換器におけるインバータ装置のU相のアームの構成図である。図5では、インバータ装置4のU相のアームについて示しているが、他の相についても同様に構成され、また、コンバータ装置2の各相のアームについても同様に構成される。
【0061】
図5において、インバータ装置4のU相におけるアームの一方(P側)には1個の半導体素子4Uを用い、アームの他方(N側)にはそれ自体で短絡保護機能を有した1個の半導体素子4Xを用てインバータ装置4を構成する。この場合、P側の半導体素子4UとしてはIGBTを用い、N側の半導体素子4XとしてIPM(integrated power module)を用いる。
【0062】
IPMは、短絡保護手段22を有しておりこの短絡保護手段22により、それ自体で短絡保護動作を行う。すなわち、IPM内のスイッチング要素に流れる電流が所定値を超えたときには、短絡保護手段22が動作しゲート遮断信号を出力すると共にスイッチング要素の必要な保護動作を行う。これにより、電力変換器の1相で生じたアーム短絡に対して短絡保護が可能になり、素子のコスト低減も図れる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電力変換器を構成する半導体素子に過電流が流れたときは、ゲート絞り手段により速やかに半導体素子に流れる電流を減少させる。従って、ゲート遮断動作がなされることに先行して半導体素子に流れる電流を減少させることができるので、半導体素子を適切に保護できる。
【0064】
また、過電流が流れているときに半導体素子をオフすることがないので、オフサージ電圧を抑えることができ、適切に保護できる。
【0065】
また、半導体素子に流れる過電流は、電源が不要で高速のホールCTを使用するので、ホールCT自体がノイズで誤動作することもなく、しかも高速で短絡電流を検出してゲート絞り遮断が可能となる。一方、ホールCTは、半導体素子に流れる過電流の検出が適切に行われる平滑コンデンサのプラス側に設置するので、検出精度を高めることができる。
【0066】
また、電力変換器の各アームを構成する半導体素子のアームの上下のいずれかに、素子自体が短絡保護機能を有したIPMを使用した場合には、アーム短絡を確実にすると共に素子のコスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係わる電力変換器制御装置を電力変換器に適用した場合の構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態におけるゲート駆動部および異常検出部の回路構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態におけるゲートオン手段の回路構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態における平滑コンデンサがパラ接続され短絡検出用コンデンサを設けた場合のホールCTの取り付けの説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係わる電力変換器におけるインバータ装置のU相のアームの構成図である。
【図6】図6は、従来の電力変換器制御装置を電力変換器に適用した場合の構成図である。
【符号の説明】
1…3相交流電源、2…コンバータ装置、3…平滑コンデンサ、4…インバータ装置、5…電動機、6…電力変換器、7…電力変換器制御装置、8…ゲート駆動部、9…異常検出部、10…制御部、11…ホールCT、12…ゲート絞り手段、13…ゲート遮断手段、13A…絶縁用フォトカプラ、14…コンパレータ、15…設定器、16…ラッチ回路、17…ドライブ用トランジスタ、18…ラッチクリア回路、19…フォトカプラ、20…増幅器、21…定電圧ダイオード、22…短絡保護手段、23…ゲートオン手段、23A…ゲートオン手段、24…NOR回路、31…短絡検出用コンデンサ
Claims (7)
- インバータ装置およびコンバータ装置の双方で構成される電力変換器の半導体素子のゲートを駆動するゲート駆動部と、前記電力変換器の前記インバータ装置側および前記コンバータ装置側にパラ接続された平滑コンデンサと、前記電力変換器のプラス側母線およびマイナス側母線に対し構造的に均等になる位置に前記平滑コンデンサとは別に接続された短絡検出用コンデンサと、前記短絡検出用コンデンサのプラス側またはマイナス側に設けられ前記半導体素子に流れる電流を検出するホールCTと、前記ホールCTにより検出された前記電力変換器の半導体素子に流れる電流が所定値を超えたときは異常信号を出力する異常検出部と、前記ゲート駆動部にゲート信号を送り前記電力変換器を制御する制御部とを備え、前記ゲート駆動部は、前記異常検出部の異常信号を入力したとき前記半導体素子のゲートを絞るゲート絞り手段と、前記電力変換器の停止のためのゲート遮断信号を出力するゲート遮断出力手段と、異常となった半導体素子のゲート信号をオン状態に保持し前記半導体素子の電流が所定値より小さくなってから前記半導体素子のゲート信号をオフするゲートオン手段とを備えたこと特徴とする電力変換器制御装置。
- 前記異常検出部は、前記電力変換器の半導体素子に流れる電流が所定値を超えたときは信号を出力するコンパレータと、前記コンパレータの出力信号をラッチするラッチ回路と、前記ラッチ回路の出力信号によりオンし前記ゲート駆動部の前記ゲート絞り手段と前記ゲート遮断出力手段を駆動するドライブ用トランジスタとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記ラッチ回路をクリアするラッチクリア回路を設けたことを特徴とする請求項2に記載の電力変換器制御装置。
- 前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子のゲート信号がオンの場合に、その半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子のゲート信号のオンオフに関係なく、その半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したとき、異常となった半導体素子だけなく、正常な半導体素子に対してもオンオフに関係なくすべての半導体素子のゲート信号を強制的にオン状態に保持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
- 前記ゲートオン手段は、前記異常検出部からの異常信号を入力したときから、一定の時間だけすべての半導体素子を強制的にオン状態にし、一定の時間経過後、再びすべての半導体素子のゲート信号をオフするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器制御装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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