JP4475320B2 - 車両用記憶管理装置 - Google Patents
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Description
まず、ビット単位で多数決を採る場合について、図9を用いて説明する。
ここでは、記憶すべき故障コードは、0x0118であるとする。尚、その0x0118のうち、後半4桁が、16進数表示により所定のデータ(故障コード)を表す実質的部分である。前半2桁は、後半4桁が16進数表示であることを表す符号である。そして、実際の記憶データは、2進数で表したデータであり、2バイトのデータ量を有する。尚、以下、3つの記憶領域を1面、2面、3面というように区別する。
バイト単位の多数決について図10を用いて説明する。
図10(a)において、1面目には、0x0118を2進数で表した「0000 0001 0001 1000」が記憶されている。2面目についても同様である。そして、3面目については、データ化け等の異常(ここでは、13ビット目)が生じ、「0000 0001 0001 0000」(0x0110)が記憶されているとする。
例えば、3面のうちの2面目にデータを書き込んでいる時に電源が遮断されてその2面目にはデータが書き込まれず、3面不一致となる可能性がある。そしてこの場合、異常判定がなされてしまう。つまり、半導体メモリ自体にはなんら問題が無いのに異常と断定されてしまい、この場合には、信頼できるデータへの復元の余地があるにもかかわらず復元されなくなってしまうことになりかねない。
例えば、3つのステータス情報記憶領域のうち2つ目のステータス情報記憶領域(2面目)にステータス情報が書き込まれている際に電源遮断が生じ、その2つ目、及び3つ目のステータス情報記憶領域にステータス情報が記憶されていないような場合には、多数決結果に基づき、3つの故障コード記憶領域のデータを採用しない(記憶に関する異常を判定しない)と判定するようにすることができる。逆に、3つのステータス情報記憶領域のうち、少なくとも2つ目のステータス情報記憶領域まで、3つの故障コード記憶領域への故障コードの記憶が完了したことを表すステータス情報が記憶されれば、多数決結果に基づき、3つの故障コード記憶領域のデータを採用する(記憶に関する異常を判定する)と判定するようにすることができる。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1は、車両に搭載される車両ネットワーク1の構成図である。
マイコン11は、所定のプログラムに従って各種処理を実行するCPU12と、CPU12が実行するプログラム等が記憶されるROM13と、CPU12の演算結果等の情報を記憶するためのRAM14と、バッテリ20から常時電圧が供給されて、電圧が供給される間データを保持可能なバックアップRAM(以下、SRAMと記載する)15と、外部の電子装置と接続するためのインタフェース(I/O)16と、それらを相互に接続するバス17とを備えている。
S130では、3つの故障コード記憶領域に記憶されたデータについて多数決を採って、その多数決結果に基づき3つの故障コード記憶領域のデータが一致するか否か(3面一致するか否か)を判定する。
S150では、S110又はS120の結果に基づきステータス情報が「有り」か否かを判定し、「有り」であると判定(確定)すると(S150:YES)、S160に移行する。
S180では、S130又はS140の結果に基づき故障コードが0x0000であるか否かを判定し、0x0000であると判定(確定)すると(S180:YES)、そのまま当該処理を終了する。
S200では、S110又はS120の結果に基づきステータス情報が「有り」か否かを判定し、「有り」でない、つまり「無し」であると判定すると(S200:NO)、S210に移行し、故障コードを0x0000に書き換える。つまり、3つの故障コード記憶領域のデータについて3面不一致となり、3つのステータス情報記憶領域のデータが「無し」で3面一致した場合(3つの故障コード記憶領域への故障コードの記憶が完了していないと判断できる場合)は、3つの故障コード記憶領域のデータを初期化(復元)する。つまり、故障コード記憶領域のデータが3面の不一致となり、このときにステータス情報記憶領域におけるステータス情報が「無し」であればそれは例えば故障コード記憶領域へのデータの書き込み最中に電源遮断等での3面不一致が生じている、と考えられるため、異常判定をしない。また書き換えが完了していないため、たとえ故障コード記憶領域への書き換え順序が決まっていたとしても、1面目のデータをそのまま信用するのではなく、初期値へ復元させることで、不揮発性メモリの故障コード記憶領域におけるデータの信頼性を向上させるようにしている。そしてその後、当該処理を終了する。
S250では、S230又はS240の結果に基づき故障コードが0x0000であるか否かを判定し、0x0000であると判定(確定)すると(S250:YES)、S260に移行し、ステータス情報を「無し」に書き換える。つまり、3つのステータス情報記憶領域のデータについて3面不一致となり、3つの故障コード記憶領域のデータについて0x0000で3面一致した場合には、ステータス情報を初期化(復元)して「無し」にする。そしてその後、当該処理を終了する。
第2の故障コード記憶領域(2面目)への記憶が完了すると、次に、第3の故障コード記憶領域(3面目)に0x0118を記憶させる(図4(d))。
第2のステータス情報記憶領域(2面目)への記憶が完了すると、次に、第3のステータス情報記憶領域(3面目)に、ステータス情報を記憶させる(図4(g))。
具体的に、第1のステータス情報記憶領域(1面目)に記憶されたデータを初期化する。この場合、第1のステータス情報記憶領域のデータ(ステータス情報)は、初期値としての「無し」になる(図5(b))。
第2のステータス情報記憶領域(2面目)のデータの初期化が完了すると、次に、第3のステータス情報記憶領域(3面目)のデータを初期化する(図5(d))。
具体的に、まず、第1の故障コード記憶領域(1面目)のデータを初期化する。この場合、第1の故障コード記憶領域のデータ(故障コード)は、初期値としての0x0000になる(図5(e))。
第2の故障コード記憶領域(2面目)のデータの初期化が完了すると、次に、第3の故障コード記憶領域(3面目)のデータを初期化する(図5(g))。
この場合、2面目のステータス情報は不定となる。そして、1面目のステータス情報は「有り」であり、3面目のステータス情報は「無し」である。つまり、3面不一致となる。
この場合、第1〜第3のステータス情報記憶領域のステータス情報の多数決により(S110:2面一致)、ステータス情報は「有り」と確定する。少なくとも、第1及び第2のステータス情報記憶領域のステータス情報が「有り」だからである。
このような流れにより、EEPROM18にデータが記憶される(図6(h))。
この場合、第1〜第3のステータス情報記憶領域の多数決により(S110:2面一致)、ステータス情報は「有り」と確定する(S150:YES)。そして、ステータス情報が「有り」であることに基づき、第1〜第3の故障コード記憶領域のデータ(故障コード)は0x0118と確定する(S160:NO、図7(B))。
この場合、第1〜第3のステータス情報記憶領域のステータス情報の多数決により(S110:YES)、ステータス情報は「無し」と確定する(S150:NO)。そして、ステータス情報が「無し」であることに基づき、第1〜第3の故障コード記憶領域のデータが初期化(復元)される(S180:YES、或いは、S180:NO→S190、図7(G))。
以上説明したように、本実施形態では、3つの故障コード記憶領域のうち2つ目の故障コード記憶領域(2面目)に故障コードが書き込まれている際に電源遮断が生じ、3つの故障コード記憶領域のデータが互いに異なる(3面不一致)というような場合において、ステータス情報に基づき、3つの故障コード記憶領域には故障コードが記憶されていない(記憶が完了していない)と判断して、その3つの故障コード記憶領域のデータを多数決を採るのに採用しないようにすることができる。このため、電源遮断等が原因で3つの故障コード記憶領域のデータについて3面不一致となったような場合に、故障コード記憶領域のデータが異常である、或いは故障コード記憶領域に物理的に異常が生じていると断定されることはない。そして、データの復元の可能性が残されることになる。
さらに本実施形態では、ステータス情報は3面に記憶されるため、そのステータス情報の信頼性が向上する。具体的に、ステータス情報記憶領域の1つにデータ化け等が生じても、残りの2つのステータス情報記憶領域のデータが正しければ、正しいデータ(ステータス情報)が得られる。
次に、第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態と比較して、図8(a)に示すように、EEPROM18にステータス情報記憶領域が3つではなく1つのみ設けられている点が異なっている。つまり、同じ故障コードを記憶する3つの故障コード記憶領域に対して、ステータス情報記憶領域は1つである。
図8(b)のデータ復元処理では、まず、S310で、3つの故障コード記憶領域に記憶された故障コードについて多数決を採って、その多数決結果に基づき3つの故障コードが一致するか否か(3面一致するか否か)を判定する。
S330では、ステータス情報が「有り」か否かを判定し、「有り」であると判定すると(S330:YES)、S340に移行する。
一方、S340で故障コードが0x0000であると判定すると(S340:YES)、S350に移行し、ステータス情報を「無し」に書き換える。そしてその後、当該処理を終了する。
S360では、故障コードが0x0000であるか否かを判定し、0x0000であると判定すると(S360:YES)、そのまま当該処理を終了する。
S380では、ステータス情報が「有り」か否かを判定し、「有り」でない、つまり「無し」であると判定すると(S380:NO)、S390に移行し、故障コードを0x0000に書き換える。そしてその後、当該処理を終了する。
このような本第2実施形態によれば、EEPROM18の記憶領域を節約できる上、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば、上記実施形態ではEEPROM18が故障コード記憶領域を3つ備えている場合について説明したが、故障コード記憶領域が2つの場合でも本発明を適用することができる。この場合、ステータス情報記憶領域は、2つでも良いし1つでも良い。
10…電子制御装置(ECU)
11…マイコン
12…CPU
13…ROM
14…RAM
15…SRAM
16…I/O
17…バス
18…EEPROM
20…バッテリ
30…ツール
40…電子制御装置(ECU)
50…CANバス
Claims (9)
- 車両に搭載される車両用記憶管理装置であって、
前記車両における故障を表す故障コードを、前記車両内に設けられる不揮発性メモリにおける互いに異なる3つの記憶領域(以下、故障コード記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させる記憶制御手段を備えた車両用記憶管理装置において、
前記3つの故障コード記憶領域への前記故障コードの記憶が完了した後に、その3つの故障コード記憶領域へのその故障コードの記憶が完了したことを表す情報(以下、ステータス情報と言う)を、そのステータス情報を記憶するために前記不揮発性メモリに設けられる互いに異なる3つの記憶領域(以下、ステータス情報記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させるステータス情報記憶制御手段と、
前記3つのステータス情報記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき、前記3つの故障コード記憶領域のデータを採用するか否かを判定する採用判定手段を備え、その採用判定手段により採用すると判定されると、互いに異なる前記3つの故障コード記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき記憶に関する異常を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 請求項1に記載の車両用記憶管理装置において、
前記不揮発性メモリのデータを初期化するか否かを判定する初期化判定手段と、
前記初期化判定手段により、前記不揮発性メモリのデータを初期化すると判定されると、前記3つのステータス情報記憶領域のデータを初期化し、その後に、前記3つの故障コード記憶領域のデータを初期化する初期化制御手段と、
を備えていることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用記憶管理装置において、
前記異常判定手段は、
前記採用判定手段により前記3つの故障コード記憶領域のデータを採用しないと判定されると、その3つの故障コード記憶領域のデータを初期化する復元手段を備えていることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両用記憶管理装置において、
前記ステータス情報記憶制御手段は、前記故障コードを含むデータを、前記ステータス情報として前記ステータス情報記憶領域に記憶させることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 車両に搭載される車両用記憶管理装置であって、
前記車両における故障を表す故障コードを、前記車両内に設けられる不揮発性メモリにおける互いに異なる3つの記憶領域(以下、故障コード記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させる記憶制御手段を備えた車両用記憶管理装置において、
前記3つの故障コード記憶領域への前記故障コードの記憶が完了した後に、その3つの故障コード記憶領域へのその故障コードの記憶が完了したことを表す情報(以下、ステータス情報と言う)を、前記不揮発性メモリにおけるそのステータス情報を記憶するための記憶領域(以下、ステータス情報記憶領域と言う)に記憶させるステータス情報記憶制御手段と、
前記不揮発性メモリのデータを初期化するか否かを判定する初期化判定手段と、
前記初期化判定手段により、前記不揮発性メモリのデータを初期化すると判定されると、前記ステータス情報記憶領域のデータを初期化し、その後に、前記3つの故障コード記憶領域のデータを順次初期化する初期化制御手段と、
を備えていることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 車両に搭載される車両用記憶管理装置であって、
前記車両における故障を表す故障コードを、前記車両内に設けられる不揮発性メモリにおける互いに異なる3つの記憶領域(以下、故障コード記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させる記憶制御手段を備えた車両用記憶管理装置において、
前記3つの故障コード記憶領域への前記故障コードの記憶が完了した後に、その3つの故障コード記憶領域へのその故障コードの記憶が完了したことを表す情報(以下、ステータス情報と言う)を、前記不揮発性メモリにおけるそのステータス情報を記憶するための記憶領域(以下、ステータス情報記憶領域と言う)に記憶させるステータス情報記憶制御手段を備え、
前記ステータス情報記憶制御手段は、前記故障コードを含むデータを、前記ステータス情報として前記ステータス情報記憶領域に記憶させることを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の車両用記憶管理装置において、
互いに異なる前記3つの故障コード記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき記憶に関する異常を判定する異常判定手段を備え、
前記異常判定手段は、前記ステータス情報記憶領域のデータに基づき前記3つの故障コード記憶領域のデータを採用するか否かを判定する採用判定手段を備え、その採用判定手段により採用すると判定されると、その3つの故障コード記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき記憶に関する異常を判定することを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 車両に搭載される車両用記憶管理装置であって、
前記車両における故障を表す故障コードを、前記車両内に設けられる不揮発性メモリにおける互いに異なる3つの記憶領域(以下、故障コード記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させる記憶制御手段を備えた車両用記憶管理装置において、
前記3つの故障コード記憶領域への前記故障コードの記憶が完了した後に、その3つの故障コード記憶領域へのその故障コードの記憶が完了したことを表す情報(以下、ステータス情報と言う)を、前記不揮発性メモリにおけるそのステータス情報を記憶するための記憶領域(以下、ステータス情報記憶領域と言う)に記憶させるステータス情報記憶制御手段と、
互いに異なる前記3つの故障コード記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき記憶に関する異常を判定する異常判定手段と、を備え、
前記異常判定手段は、前記ステータス情報記憶領域のデータに基づき前記3つの故障コード記憶領域のデータを採用するか否かを判定する採用判定手段を備え、その採用判定手段により採用すると判定されると、その3つの故障コード記憶領域のデータの多数決を採って、その結果に基づき記憶に関する異常を判定する一方、前記採用判定手段により前記3つの故障コード記憶領域のデータを採用しないと判定されるとその3つの故障コード記憶領域のデータを初期化する復元手段を備えている、ことを特徴とする車両用記憶管理装置。 - 車両に搭載される車両用記憶管理装置であって、
前記車両における故障を表す故障コードを、前記車両内に設けられる不揮発性メモリにおける互いに異なる2つの記憶領域(以下、故障コード記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させる記憶制御手段を備えた車両用記憶管理装置において、
前記2つの故障コード記憶領域への前記故障コードの記憶が完了した後に、その2つの故障コード記憶領域へのその故障コードの記憶が完了したことを表す情報(以下、ステータス情報と言う)を、そのステータス情報を記憶するために前記不揮発性メモリに設けられる互いに異なる2つの記憶領域(以下、ステータス情報記憶領域と言う)のそれぞれに等しく記憶させるステータス情報記憶制御手段と、
前記2つのステータス情報記憶領域のデータが互いに一致するか否かを判断し、その判断結果に基づき、前記2つの故障コード記憶領域のデータを採用するか否かを判定する採用判定手段を備え、その採用判定手段により採用すると判定されると、互いに異なる前記2つの故障コード記憶領域のデータが互いに一致するか否かを判断して、その判断結果に基づき記憶に関する異常を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする車両用記憶管理装置。
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