JP4474855B2 - 材質判定装置及び材質判定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプリンタにおいて印刷用紙の材質を自動的に判定する際に用いて好適な材質判定装置及び材質判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波トランスデューサは、厚みや距離の測定のほか、材質の判別にも使用されている(例えば特許文献1〜2、非特許文献1参照)。超音波トランスデューサは、超音波信号の発信や受信を行う装置であり、超音波センサを含んでいる。
【0003】
従来、厚みや距離の測定、材質の判別等に用いられる超音波トランスデューサは、圧電セラミックを用いた共振型のものがほとんどであった。共振型の超音波トランスデューサは、構造上決定される特定の共振周波数で良好な発信または受信特性を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−337575号公報
【特許文献2】
特開2003−84507号公報
【非特許文献1】
超音波センサと組合せ論理回路による素材判別システム、電子情報通信学会論文誌、2002/5 vol.J85-A No.5
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
超音波トランスデューサを用いた材質判定装置では一般に、判定対象物の材質の違いを、超音波信号の吸収や反射特性の違いに基づいて判別している。すなわち、判定対象物に向けて超音波信号を送信し、その反射超音波信号を受信して、受信信号の差を基に材質の違いを判別している。
【0006】
従来は超音波トランスデューサとして共振型のものが多く用いられてきた。そのため、使用する超音波信号の周波数帯域は、比較的狭い範囲に限定されていた。比較的狭い周波数範囲内では、材質の差による受信信号の差が必ずしも明確とはならない場合があった。このような場合には、受信信号に含まれる材質の差による微少な差違を検出する必要があった。
【0007】
したがって、従来の装置では、僅かな反射信号の差を検知するために、判別方法が複雑になったり、超音波トランスデューサに高精度な特性が求められるという傾向があった。つまり、簡易な構成では、鉄と布の違いなどの大きな材質上の違いは判別できるが、紙質などの微妙な差は判別できないなどの課題があった。また、超音波トランスデューサに対しては一定の共振周波数を得るために特別なチューニングが必要になるといった課題もあった。
【0008】
例えばプリンタにおいては、所定の印刷品質を得るために写真や文字といった印刷素材に対応させて複数種類の異なる材質の印刷用紙が用意されている。印刷用紙としては例えば、普通上質紙、再生紙、光沢紙といったものがある。用紙誤用の防止などのため、用紙材質を自動的に検知することへの要望がある。
【0009】
また、片面のみが印刷面である用紙を用いる場合や、手動両面印刷や用紙節約などのために既に片面が印刷された場合に他方の面に印刷をするときがある。このような使い方では、印刷面が既に印刷されているか否かを検知できるようにすることへの要望がある。ここで、既に印刷されている面とそうでない面とでは、印刷面の性質が異なることになる。本願においては、このような印刷面の性質の差(印刷の有無)も、印刷面の材質の差としてとらえることとする。
【0010】
しかしながら、上述したような従来の超音波トランスデューサを用いた材質判定装置では、紙質の判定、印刷の有無の判定等、材質の詳細な判定を行う場合、受信信号を判別するための構成が複雑化したり、調整が必要であったりするという課題があった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で超音波信号を用いて印刷用紙等の判定対象物の材質を詳細に判定することができる材質判定装置及び材質判定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信手段と、材質毎に受信信号を表す情報を記録した材質データベースと、材質データベースに記録された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別手段とを備えることを特徴とする。この構成によれば、検知に用いる超音波信号の周波数帯域が広帯域化されるので、材質の差違による受信信号の差を大きくすることができる。よって判別のための構成を容易に簡易化することができる。
【0013】
本発明の他の態様は、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信手段と、判定対象物の特定の材質に対応する受信信号を表す情報を記憶した特定情報記憶手段と、特定情報記憶手段に記憶された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別手段とを備えることを特徴とする。この構成によれば、検知に用いる超音波信号の周波数帯域が広帯域化されるので、印刷されているか否か等による判定対象物の特定の材質の差違による受信信号の差を大きくすることができる。よって判別のための構成を容易に簡易化することができる。
【0014】
本発明の他の態様は、前記超音波信号送受信手段が、判定対象物の表面積の少なくとも半分以上の範囲に渡る所定の複数の位置でそれぞれ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信することを特徴とする。この構成によれば、判別対象の範囲を広くすることで、比較的高精度に材質を判定することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、前記超音波信号送受信手段が、判定対象物の表面積の多くとも半分未満の範囲に収まる所定の複数の位置でそれぞれ又は1つの位置で、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信することを特徴とする。この構成によれば、判別対象の範囲を限定することで、比較的短時間で材質を判定することができる。
【0016】
本発明の他の態様は、前記材質判別手段による判別結果に基づいて、判定対象物の材質判定結果を通知する判定結果通知手段をさらに備えることを特徴とする。この構成によれば、例えばネットワークを用いて離れた場所に設置されているプリンタで用いられる印刷用紙を判定対象物とする場合において、判定対象物から離れた場所でも材質判定結果を知ることができる。
【0017】
本発明の他の態様は、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信過程と、材質毎に受信信号を表す情報を記録した材質データベースを用い、材質データベースに記録された情報と超音波信号送受信過程で受信した信号とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別過程とを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の他の態様は、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信過程と、判定対象物の特定の材質に対応する受信信号を表す情報を記憶した特定情報記憶手段を用い、特定情報記憶手段に記憶された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別過程とを含むことを特徴とする。
【0019】
なお、上記発明においては、超音波信号の送受信のための構成として、周波数特性が広帯域である静電方式の超音波トランスデューサを用いることができる。この場合、周波数が広帯域に渡って高い音圧の超音波信号を発生することができるので、容易に超音波信号送受信手段の構成を小型化したり調整を簡単化したりすることができる。
【0020】
また、超音波信号送受信の際に、送信時から受信時までの時間を計測することで、判定対象物までの距離を測定するための構成を設けるようにしてもよい。これによれば、例えば、プリンタにおいて、材質に加え、印刷用紙の厚みを検知したり、印刷用紙の残りの量を検知したりすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の材質判定装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では一例として、材質の判定対象物をプリンタの印刷用紙とする。
【0022】
図1は本発明の材質判定装置の構成を示すブロック図、図2が動作波形(各部の電圧の時間変化)を示す波形図である。発振器10は、所定時間で周波数40kHzから100kHz以上の周波数帯域に渡って周波数をを繰り返し変化させながら(掃引しながら)交流信号発生する。変調器11は、発振器10の出力信号で変調した所定の時間幅を持つ矩形波信号を繰り返し出力するとともに、各矩形波信号の出力開始時刻を示すスタート信号を出力する。変調器11の出力矩形波信号波形V1を図2に示す。ドライバ12は、変調器11の出力信号の振幅を所定の大きさに増幅して出力する。このドライバ12の出力が超音波トランスデューサ13に印加され、超音波トランスデューサ13のトランスミッタ13tから周波数40kHz以上の超音波信号が送信される。
【0023】
超音波トランスデューサ13は、超音波を送信するためのトランスミッタ13tと、受信するためのレシーバ13rとから構成されている。トランスミッタ13tで発生された超音波信号U1は、超音波の照射対象物である印刷用紙30で反射し(超音波信号U2)、レシーバ13rによって受信される。トランスミッタ13tおよびレシーバ13rは、静電方式の広帯域型の超音波トランスデューサ(超音波センサ)によって構成される。
【0024】
レシーバ13rの出力V2は、増幅器14で増幅され、波形成形15で成形されて、図2に示すような2値化信号V3となる。カウンタ16は、所定のクロック信号を基準として、スタート信号が入力されてから2値化信号V3が入力されるまでの経過時間Tを測定(計測)し、測定結果を時間信号T1として出力する。この時間信号T1は印刷用紙30までの距離(超音波の反射経路の距離)に対応する値を有している。カウンタ16で測定された時間信号T1は、距離検知部17へと入力される。
【0025】
距離検知部17は、CPU(中央処理装置)と、RAM、ROM等の半導体記憶装置とを有して構成されている。そして、ROM等に格納されているプログラムを実行することで、時間信号T1に応じて印刷用紙30の厚さや用紙トレイの用紙残量を検知して出力する。ここで、用紙厚さを検知する場合には超音波トランスデューサ30を例えば、プリンタ内の紙送り機構の中間部等の用紙1枚が通過する位置に設ける。他方、用紙残量を検知する場合には超音波トランスデューサ30を例えば、用紙トレイ内の用紙に超音波が当たる位置に設けるようにする。なお、超音波トランスデューサ30は、1または複数個とすることができる。
【0026】
一方、材質判定部18は、距離検知部17と同様にCPUと、RAM、ROM等の半導体記憶装置とを有するとともに、増幅器14の出力Saを入力とするA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)等を有して構成されている。そして、ROM等に格納されているプログラムを実行することで、増幅器14から出力される受信信号Saに応じて印刷用紙30の材質を判別する。なお、材質判定部18は、距離検知部17や判定結果通知部20と一体として構成すること、すなわちCPU等を共用して構成するようにしてもよい。材質判定部18には、増幅器14から出力される受信信号Saのほか、発振器10から出力される発振周波数を示す信号Sbと、材質情報記憶部19に材質毎等で記憶されている各データScが入力される。材質判定部18は、信号Sbに基づいて40kHz〜100kHz以上の周波数範囲の所定の複数点の周波数に対応させて、受信信号Saを記録する。そして、複数の周波数点において、受信信号Saと各データScとを比較して、比較結果に基づいて印刷用紙30の材質を判別する。
【0027】
材質情報記憶部19は、ROM等の記憶装置を有し、材質データベース19aと、特定データ記憶部19bとから構成されている。材質データベース19aは、材質毎の受信信号の周波数特性を複数材質分記憶している。特定データ記憶部19bは、材質毎にあるいは各材質共通に印刷用紙30の判定面(超音波信号が反射する面)が既に印刷された状態である場合の受信信号の周波数特性を1または複数記憶している。
【0028】
判定結果通知部20は、材質判定部18による印刷用紙30の材質判別結果を所定の形式で出力する。判定結果通知部20は例えば、図示していない印刷機構(印刷エンジン部)に対して、単に判定結果を出力するものとすることができる。あるいは、印刷機構から指定されている用紙材質(光沢紙、普通紙の別等)についての情報を入力し、それと判定結果が一致しない場合に、図示していない表示器や信号音発生器を用いてその旨を出力するものであってもよい。あるいは、印刷面が既に印刷されたものである場合には、その旨を、印刷を指示した図示していないネットワーク上あるいはプリンタケーブルで接続されたコンピュータ画面上に表示するための情報を出力するものであってもよい。さらに、距離検知部17によって検知された用紙厚さや用紙残量に係る情報を出力する機能を備えていてもよい。
【0029】
ここで図3〜図4を参照して図1に示す超音波トランスデューサ13の構成例について説明する。図3に示す超音波トランスデューサは、静電方式の超音波トランスデューサである。図3に示すような静電効果で振動する静電方式の超音波トランスデューサ(超音波センサ)は、広帯域型の周波数特性を有している(図4)。図4において、周波数faは約40kHzであり、その周波数における音圧は所定の条件で100dB以上である。図4では比較のため共振型の超音波トランスデューサの特性を破線で示している。
【0030】
図3に示す静電方式の超音波トランスデューサは、振動体として数μm(3〜10μm程度)程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体81(絶縁体)を用いている。誘電体81に対しては、金属箔として形成される上電極82がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮の下電極83が下面部に接触するように設けられている。この誘電体81が振動膜を形成する。下電極83は、リード84が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板85に固定されている。誘電体81および上電極82ならびにベース板85は、メタルリング86、87、および88、ならびにメッシュ89とともに、ケース80によってかしめられている。
【0031】
下電極83の誘電体81側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極83と誘電体81との間の空隙となるので、上電極82および下電極83間の静電容量の分布が微小に変化する。このランダムな微小な溝は、下電極83の表面を手作業でヤスリで荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、超音波トランスデューサの周波数特性が広帯域となっている。
【0032】
なお、図1の超音波トランスデューサ13を、図3に示すような静電方式の超音波トランスデューサを用いて構成する場合、センサの駆動電圧はピーク−ピークで50〜150V程度の交流電圧となる。また上電極82の吸着用のバイアス電圧は直流50〜150V程度である。なお、下電極83は、図示のように微小な溝が複数形成されるものにかぎらず、鏡面状のものでもよい。
【0033】
次に、図5を参照して、図1の材質データベース19aに記録されるデータについて説明する。図5は図3に示すような広帯域型超音波トランスデューサを用いた場合のトランスミッタ13tからの送信信号(発振信号)と紙質による受信信号をプロットしたものである。このデータはある周波数でのみ測定したものではなく、超音波トランスデューサの発振信号がフラットな特性を有する帯域に渡って、周波数をスイープした際の反射信号をプロットしたものである。
【0034】
再生紙のような粗く柔らかい材質の紙は低周波数領域で紙にエネルギーが吸収されてしまい反射信号の低下が著しい。しかし高周波数になるにしたがってその傾向は減少していく。一方、光沢紙のような比較的表面が硬い紙では広い周波数に渡って高い反射音圧信号が観測できる。
【0035】
図1の材質データベース19aには、図5に示すような観測値に基づいて、材質毎に所定の複数の周波数における受信信号のレベルを複数記憶するようにする。このデータは、例えば本装置をプリンタに組み合わせた上で実験的に収集することができる。
【0036】
また、片面使用紙を使用する場合に、既に印刷されている面と裏の白紙面とを間違えて用紙トレイなどにセットしてしまったときなどは、周波数スイープに加えて、超音波トランスデューサ13を移動させてエリアスキヤンを行うことでそれを検知する。印刷がある位置と無い位置とでは受信信号のレベルに変化が生じる。この変化は、材質や周波数によって異なる場合があるので、材質毎、周波数毎に移動に対する受信信号の変動波形を記録する。このデータは、特定データ記憶部19bに材質毎、周波数毎に所定の正規化等の処理を行った後、記録される。材質判別部18は、特定データ記憶部19bに記憶されているデータと、受信信号Saと、図示していな移動機構から送られてくる超音波トランスデューサ13の移動位置情報とに基づいて、印刷用紙30の判定面が既に印刷されているか否かを判別する。したがって、判定結果通知部20では材質判別部18の判別結果に基づいて例えば、紙が間違ってセットさせていることを使用者に知らせることができる。
【0037】
なお、どの場合においても空中での減衰があるため、生の反射信号は送信(発振)信号より音圧は低い。しかし、プリンタなど紙とセンサが接近している場合には大きな問題にはならない。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、プリンタの印刷用紙等の表面を超音波トランスデューサでスキャンすることによって印刷用紙の材質(印刷されたかされていないかの性質の違いを含む)を判定することができる。すなわち、本装置を用いて超音波信号を利用して印刷用紙等の判定対象物の材質を詳細に判定することができる。
【0039】
なお、上記の実施の形態では、印刷用紙30に対して、超音波トランスデューサ13を移動させることとしているが、例えば紙送り機構の中間等に超音波トランスデューサ13を固定して、印刷用紙30を移動させるようにしたり、あるいは両方を移動させるようにしてもよい。
【0040】
また、超音波トランスデューサ13または印刷用紙30を移動させることで、印刷用紙30の表面積の少なくとも半分以上の範囲に渡る所定の複数の位置でそれぞれ、所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信するようにしてもよい。あるいは、印刷用紙30の表面積の多くとも半分未満の範囲に渡る所定の1または複数の位置でそれぞれ、所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信するようにしてもよい。この場合、前者ではより精密な判定が期待でき、後者ではより高速な判定が行える。
【0041】
なお、図1の構成では、超音波トランスデューサ13、あるいは超音波トランスデューサ13を含む発振器10〜増幅器14が、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信手段に対応する。材質情報記憶部19のうち、材質データベース19aが材質毎に受信信号を表す情報を記録した材質データベースに対応し、特定情報記憶部19bが判定対象物の特定の材質に対応する受信信号を表す情報を記憶した特定情報記憶手段に対応する。また、材質判別部18が、材質データベースに記録された情報または特定情報記憶手段に記憶された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別手段に対応する。
【0042】
なお、本装置における判定対象物は、上記のような印刷用紙に限らず、超音波信号を照射した場合にその反射信号に表面材質の差が発生するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による材質判定装置の一実施の形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1の構成の動作波形図。
【図3】図1の超音波トランスデューサ13の構成を示す断面模式図。
【図4】図3の超音波トランスデューサの周波数特性図。
【図5】図4の超音波トランスデューサの送信信号と、材質による受信信号の周波数特性を示す図。
【符号の説明】
10…発振器、13…超音波トランスデューサ、13t…トランスミッタ、13r…レシーバ、16…カウンタ、17…距離検知部、18…材質判別部、19…材質情報記憶部、19a…材質データベース、19b…特定データ記憶部、20…判定結果通知部、30…印刷用紙

Claims (7)

  1. 検知対象のエリア内を移動しつつ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信手段であり電極の誘電体側面に空隙の大きさと深さが異なる溝が形成され超音波信号送受信手段と、
    材質毎に受信信号を表す情報を記録した材質データベースと、
    材質データベースに記録された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号と前記超音波信号送受信手段の移動位置情報とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別手段と、
    距離検知手段と、を備え、
    前記超音波信号送受信手段は、
    前記超音波信号を予め決められる帯域に渡って周波数をスイープして送信するトランスミッターと、
    前記判定対象物に対して前記トランスミッターが設けられた同一面側に配置され前記トランスミッターから周波数がスイープされて送信され前記判定対象物で反射した超音波信号を受信するレシーバーと、を有し、
    前記距離検知手段は、前記トランスミッターが超音波信号を送信した時点から前記レシーバーが前記反射した超音波信号を受信するまでの時間に基づいて、前記判定対象物までの距離を測定する
    ことを特徴とする材質判定装置。
  2. 検知対象のエリア内を移動しつつ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信手段であり電極の誘電体側面に空隙の大きさと深さが異なる溝が形成され超音波信号送受信手段と、
    判定対象物の特定の材質に対応する受信信号を表す情報を記憶した特定情報記憶手段と、
    前記特定情報記憶手段に記憶された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号と前記超音波信号送受信手段の移動位置情報とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別手段と、
    距離検知手段と、を備え、
    前記超音波信号送受信手段は、
    前記超音波信号を予め決められる帯域に渡って周波数をスイープして送信するトランスミッターと、
    前記判定対象物に対して前記トランスミッターが設けられた同一面側に配置され前記トランスミッターから周波数がスイープされて送信され前記判定対象物で反射した超音波信号を受信するレシーバーと、を有し、
    前記距離検知手段は、前記トランスミッターが超音波信号を送信した時点から前記レシーバーが前記反射した超音波信号を受信するまでの時間に基づいて、前記判定対象物までの距離を測定する
    ことを特徴とする材質判定装置。
  3. 前記超音波信号送受信手段が、判定対象物の表面積の少なくとも半分以上の範囲に渡る所定の複数の位置でそれぞれ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信することを特徴とする請求項1又は2記載の材質判定装置。
  4. 前記超音波信号送受信手段が、判定対象物の表面積の多くとも半分未満の範囲に収まる所定の複数の位置でそれぞれ又は1つの位置で、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信することを特徴とする請求項1又は2記載の材質判定装置。
  5. 前記材質判別手段による判別結果に基づいて、判定対象物の材質判定結果を通知する判定結果通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の材質判定装置。
  6. 電極の誘電体側面に空隙の大きさと深さが異なる溝が形成された超音波信号送受信手段を検知対象のエリア内を移動しつつ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信過程と、
    材質毎に受信信号を表す情報を記録した材質データベースを用い、材質データベースに記録された情報と超音波信号送受信過程で受信した信号と前記超音波信号送受信手段の移動位置情報とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別過程と、
    距離検知過程と、を含み、
    前記超音波信号送受信過程は、
    トランスミッターが前記超音波信号を予め決められる帯域に渡って周波数をスイープして送信する過程と、
    前記トランスミッターが設けられた同一面側に配置されたレシーバーが、前記判定対象物に対して前記トランスミッターから周波数がスイープされて送信され前記判定対象物で反射した超音波信号を受信する過程と、を含み、
    前記距離検知過程は、前記トランスミッターが超音波信号を送信した時点から前記レシーバーが前記反射した超音波信号を受信するまでの時間に基づいて、前記判定対象物までの距離を測定する過程と、
    を含むことを特徴とする材質判定方法。
  7. 電極の誘電体側面に空隙の大きさと深さが異なる溝が形成され超音波信号送受信手段を検知対象のエリア内を移動しつつ、判定対象物に向けて所定帯域に渡る異なる複数の周波数の超音波信号を送信し、その反射信号を受信する超音波信号送受信過程と、
    判定対象物の特定の材質に対応する受信信号を表す情報を記憶した特定情報記憶手段を用い、特定情報記憶手段に記憶された情報と超音波信号送受信手段で受信した信号と前記超音波信号送受信手段の移動位置情報とに基づいて判定対象物の材質を判別する材質判別過程と、
    距離検知過程と、を含み、
    前記超音波信号送受信過程は、
    トランスミッターが前記超音波信号を予め決められる帯域に渡って周波数をスイープして送信する過程と、
    前記トランスミッターが設けられた同一面側に配置されたレシーバーが、前記判定対象物に対して前記トランスミッターから周波数がスイープされて送信され前記判定対象物で反射した超音波信号を受信する過程と、を含み、
    前記距離検知過程は、前記トランスミッターが超音波信号を送信した時点から前記レシーバーが前記反射した超音波信号を受信するまでの時間に基づいて、前記判定対象物までの距離を測定する過程と、
    を含むことを特徴とする材質判定方法。
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