以下、従来技術を用いて記録型光ディスクの記録速度の高速化を進めると、マーク始端エッジ位置または終端エッジ位置の変動が大きな問題となる原因を考察する。
ディスクへの情報の記録は、情報(data)をEFM変調や8-16変調などのように2値化された変調信号をもとに記録する。2値のうち一方をピット(マーク)、他方をランド(スペース)に対応させて上記のようにディスク上にピット(マーク)を形成して行う。ピット(マーク)およびランド(スペース)の長さは記録基準クロック(以後chCLKとも呼ぶ)の周期Twを単位にし、その最短長はEFM変調や8-16変調の場合3Twである。この記録すべき変調信号(以後NRZ信号とも称す)に対応して、ディスク上に対応した長さのピット(マーク)を形成する必要がある。
しかし、上記の変調信号でレーザを照射した場合、レーザ光のディスク面でのスポットサイズが上記の最短マーク長(3Tw)と同等なサイズであること、および前述したように、ライトワンス型ディスクもリライタブル型ディスクもレーザ光の照射による記録層の熱変化を利用したもので、記録層自身が蓄熱および熱拡散特性等を有していることによりディスク上のピット(マーク)長およびピット(マーク)の始端エッジ位置および終端エッジ位置が所望の長さおよび位置とは異なるものになる。この結果再生時にジッタとなり再生エラーレートの増加をまねいてしまう。
これに対応するため、従来技術では、いわゆるライト・ストラテジーと呼ばれる記録時の記録補正が行われている。具体的には、所望のマーク始端エッジ位置および終端エッジ位置が得られるように、マーク形成のレーザ光照射開始タイミングおよびマーク形成のレーザ照射終了タイミングをマーク長に依存して変えている。また、ランド(スペース)期間の熱的影響も考慮し、先行スペース長と記録マーク長の組合せでマーク形成のレーザ光照射開始タイミングを補正し、記録マーク長と後続するスペース長の組合せでマーク形成のレーザ光照射終了タイミングを補正するライトストラテジなども採用されている。これらのタイミングの補正(エッジ補正)は記録基準クロックの周期Twの1/20 〜 1/30を単位として行われている。
ここで、CD-Rの場合でみると、数年前までは1〜4倍速の記録速度であったものが、現時点では10〜16倍速の記録速度であり、今後は24〜32倍速の記録速度と、さらなる高速化が図られていくと思われる。また、DVDの場合も現状1〜2倍速であるが、今後4〜8倍速と高速化していくと予想される。これらの、記録基準クロックの周波数fchCLKk(周期Tw)は、CD x10倍速でfchCLK=43.218MHz(Tw=23ns), x32倍速で138.3MHz(7.2ns), DVD x1倍速でfchCLK=26.16MHz(38.2ns)、x4倍速で104.6MHz(9.6ns)、さらにx8倍速で209.3MHz(4.8ns)となる。このような記録速度の場合、いわゆるライトストラテジによる記録パルスのエッジ補正の1ステップ時間(Tw/20の場合)は、CD x10倍速で1.2ns、CDx32倍速で0.36ns、DVDx1倍速で1.9ns、DVDx4倍速で0.48ns、DVDx8倍速で0.24nsとなる。このように、高速化が進み、記録パルスのエッジ補正の1ステップ時間が短くなると、今まで低速記録では問題にならなかった記録パルスエッジの変動は無視できなくなってくる。
記録パルスのエッジ変動要因の1つは、記録中に重畳する高周波成分の影響である。この高周波成分による影響は次の3つがある。
1)半導体レーザを駆動する記録電流のエッジ変動
2)半導体レーザの発振遅延による記録用光パルスのエッジ変動
3)高周波重畳による光パルスと記録用光パルスの時間間隔変動によるマーク始端部の供給光エネルギーの変動
これらはいずれも、高周波成分の最適周波数と記録基準クロック周波数の違いからくるもので、マーク形成用の記録電流のエッジ位置に対して高周波成分の位相が変動することにより発生するものである。
図1に、上記1)半導体レーザを駆動する記録電流のエッジ変動の様子を示している。この例では高周波成分を交流的ではなく、直流的に加算した例を示している。図1の(a)は、高周波成分を重畳しない場合の半導体レーザ駆動電流を示している。図中の点Pで駆動電流が変化し、マーク記録のために電流を増加させている(この点Pを記録電流の立ち上がりエッジとも称す)。これに対して図1の(b)と(c)に高周波成分を重畳した場合の記録電流の変化を示している。この図は多重露光による写真であり、高周波成分とマーク記録電流のエッジ(点P)との位相変化によって電流波形が幅をもっている。 (b)は点Pにおいて高周波成分の値が最少のケース(最少となる頻度が高かったケース)で、(c)は点Pにおいて最大のケース(最大となる頻度が高かったケース)である。(b)と(c)の比較でも明らかなように、点Pにおける高周波成分の位相変化によって高周波成分重畳後の電流波形の立ち上がりエッジ位置が変動している。(b)と(c)の比較ではエッジ位置変動は、約1ns pp(peak to peak)であり先に述べたライトストラテジでのエッジ補正の1ステップ時間(CDx32で0.36ns, DVDx8で0.24ns)以上の大きな変動量となっている。この変動量は高周波成分の振幅が大きいほど、また高周波成分の周波数が低いほど大きくなってくる。この図ではマーク記録の開始時点を説明したが終了時点でも同様な変動が発生する。
半導体レーザの発振遅延による記録用光パルスのエッジ変動(上記2)および3))を図2を用いて説明する。ここではCD-RやDVD-Rのスペースからマーク形成に変化するときの半導体レーザ駆動電流と光出力の関係を示している。また、高周波成分は交流的に重畳した場合で示している。(a)は点P(マーク形成用記録電流の立ち上がりエッジ位置)で高周波成分が負側からゼロに戻る位相のケースで、(b)は点Pで高周波成分が正側からゼロに戻る位相のケースを示している。ともに点P以降(マーク形成区間)では高周波成分の重畳を停止した場合である。
次に、点P以前(Space区間)の動作(高周波重畳による狭光パルス列)について説明する。CD-RやDVD-Rでの点P以前のSpace(Land)区間では、前述のwobble信号やアドレス情報の再生およびサーボ信号をS/N(Signal to Noise ratio)良く得るために高周波重畳を行い平均光パワーが通常の再生時と同等となるように半導体レーザを駆動する。このとき半導体レーザの駆動電流は半導体レーザの発振閾値電流をIthとすると、高周波成分の重畳により、Ith以下の電流からIth以上の電流へと変化させ、その後再びIth以下にすることにより狭い光パルスを発生させている。
具体的には、Ith以下からIth以上に駆動電流を高速に変化させたとき、半導体レーザは発振遅延を伴って発振を開始する。(Ith以上になってもすぐには発振しない)。この発振遅延時間は、Ith以下となる駆動電流値が小さい程(重畳する高周波成分の振幅を大きくする程)大きくなる。通常発振遅延時間は1〜2nsのオーダーである。また、高出力の半導体レーザは、発振開始時、緩和振動を伴って発振する。この時の光のスペクトラムは単一周波数(シングルモードと呼ばれる)ではなく、複数の周波数成分を有している(マルチモードと呼ばれる)。緩和振動後はシングルモードとなる。高周波重畳は、この発振遅延を利用して緩和振動期間中に発振(発光)を停止することにより、複数周波数成分を有した狭いパルスを発光させることにより戻り光の影響を低減している。
次に、点P以後(mark形成区間)の光出力(記録用光パルスのエッジ遅延)について説明する。上記したように、半導体レーザは、Ith以下からIth以上に高速に駆動電流を変化させた場合、発振遅延を伴い発振(即ち、光出力)を開始する。よって、マーク形成用駆動電流の開始時点直前の電流値の位相がどの程度Ith以下か、あるいはIth以上かによって発振遅延時間が異なりマーク形成用光出力の開始(発振・光出力開始)タイミングが変動してしまう。
図2の(a)の場合はIth以下からIPwへ変化するので高周波重畳時と同様に発振遅延を生じ、マーク形成用光光出力の開始タイミングが遅延する。(b)の場合はIthからIPwへ変化するので半導体レーザはリニア動作(駆動電流に比例した光出力を発光する)し、(a)のような発振遅延は発生しない。
マーク形成用駆動電流の開始タイミング(点P)と高周波成分の位相とは非同期のため、点Pおよびその直前の高周波成分の値はランダムに変化し、結果的にマーク形成用光出力の開始タイミングがランダムに変動することになる。
ここで、高周波重畳による光パルスと記録用光パルスの時間間隔変動によるマーク始端部の供給光エネルギーの変動について説明する。図2において、マーク形成用光出力の開始タイミング近傍における供給光エネルギーの点からみると、(a)の場合は、高周波重畳による光パルスとマーク形成用光出力パルスの間隔は広い。一方(b)の場合は、高周波重畳による光パルスとマーク形成用光パルスの間隔が狭く、高周波重畳による光パルスとマーク形成用光パルスが隣接(最接近)している。これはマーク形成開始時のディスクへの供給光エネルギーの差になっており、ディスク上に形成されるマークの始端エッジ位置が高周波成分の位相に応じてランダムに変化することを意味している。特に、(a)の場合は、供給エネルギーが小さいと伴に、マーク形成用光パルスの開始タイミングが発振遅延により遅延することにより、ディスク上のマーク始端エッジ位置が(b)の場合に比し、時間的に後方にずれてしまう。
以上、高周波成分の重畳によりディスク上のマーク開始位置が、高周波成分とマーク形成用駆動電流の開始位置とのランダムな位相変化により変動することを示した。すなわち、(1)マーク形成用駆動電流の開始位置近傍(前後)に高周波成分が重畳されるとマーク形成用駆動電流自身の立ち上がりエッジが変動する。マーク形成用駆動電流の開始位置で高周波成分の重畳を停止したとしても、(2)直前の高周波成分の値により発振遅延が変化し、マーク形成用光出力の開始タイミングが変動する。また、(3)マーク形成用光出力の開始タイミング近傍の光供給エネルギーが高周波成分とマーク記録用駆動電流の位相が変動することにより変化する。これらの変動はディスク上のマークの開始位置をランダムに変動させることになり、再生時のジッタ劣化を発生させてしまう。特に、高速記録時にジッタ劣化の影響が大きくなってくる。また、以上のことはマーク終了位置についても同様なことが言える。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
第1の実施例は、記録中のSpace期間に高周波成分を重畳する例であり、第1の高周波重畳制御手段(HF on/off制御手段)によって高周波成分の重畳開始・停止を制御する実施例である。例えばCD-R記録を想定した実施例である。
図4に第1の実施例の構成図を示す。1はコントローラ、2はフレキシブルケーブル、3_1はWrite Strategy内蔵半導体レーザ駆動回路である。4は半導体レーザダイオード、5は半導体レーザダイオードの出力パワーをモニタリングするためのフロントモニタ用受光素子、6はフロントモニタ用受光素子5の出力電流を電圧に変換する電流・電圧変換回路、7は前記電流・電圧変換回路6の出力を所定のタイミングでSample/HoldするSample/Hold回路、8はSample/Hold回路7の出力値が所定のレベル(再生レベル)となる様に制御するAuto Read Power制御回路、9はディスクからの反射光を受光する複数の受光素子からなるディスク反射光受光素子、10はディスク反射光受光素子9の各出力電流を電圧に変換する電流・電圧変換回路である。
この実施例では、前記のコントローラ1およびAuto Read Power制御回路8は光ディスク装置のmain Board側(固定側)に配置され、Write Strategy内蔵半導体レーザ駆動回路3_1、半導体レーザダイオード4、受光素子5,9、電流・電圧変換回路6,10およびSample/Hold回路7は光ヘッドに搭載された例を示している。光ヘッドへの制御信号および光ヘッドの入出力信号はフレキシブルケーブル2を介してmain Board側と接続されている。
Write Strategy内蔵半導体レーザ駆動回路3_1は以下の構成要素により構成される。12はコントローラ1より供給されるNRZ信号と後述するWrite Strategy and HF on/off controller 13_1より供給される記録クロックchCLKをもとにマーク長、スペース長およびマーク・スペースの変化タイミング等を検出するMark & Space長検出手段、13_1はコントローラ1より供給されるクロックCLKをてい倍して記録クロックchCLKを生成するとともにMark & Space長検出手段12の出力信号をもとに高周波成分の重畳on/offを制御する制御信号HF1_contおよび半導体レーザダイオード4の出力レベル(Pw, Per, Pb)のレベルを選択制御する制御信号OUTE_Pw, OUTE_Per、OUTE_Pbを出力するWrite Strategy and HF on/off controller、14は制御信号OUTE_Pw,OUTE_Per,OUTE_Pbに対応して出力レベルPw, Per, Pbに対応する電流およびAuto Read Power controller 8からの電流Iapc_inに対応した電流を加算して出力する半導体レーザ駆動部、15_1は周波数FREQおよび振幅AMPに対応した高周波成分を生成する高周波成分生成回路、17_1は高周波成分の周波数を設定するFREQ1レジスタ、18_1は高周波成分の振幅値AMP1を設定するレジスタ、21_1はWrite Strategy and HF on/off controller 13_1から供給されるHF1_cont信号およびコントローラ1より供給される制御信号/WR(H=Read, L=Write)により高周波成分生成回路15_1の出力をon/off制御する信号を生成するHF control Logic、16は半導体レーザ駆動部14および高周波成分生成回路15_1の出力電流を加算する加算手段、11はWrite Strategy内蔵半導体レーザ駆動回路3_1内部の各レジスタに値を設定するためコントローラ1からのシリアルデータをパラレルデータに変換するSerial Interface回路である。
以下、第1の実施例の各部の構成及び動作について説明する。図6に半導体レーザ駆動部14の構成を示す。141は半導体レーザダイオード4の出力Power Pwを設定するPw レジスタ、142はPower Perを設定するPerレジスタ、143はPower Pbを設定するPbレジスタである。144は記録電流用DA変換回路、145は入力電流Iapc_inを電流増幅して電流Ireadを出力する電流増幅amp、146は記録電流用DA変換回路144の出力電流Iwriteと電流増幅amp 145の出力電流Ireadを加算する加算手段である。Pwレジスタ141、Perレジスタ142、およびPbレジスタ143はそれぞれOE ( output enable )端子を有しており、それぞれWrite Strategy and HF on/off controller 13_1より供給される制御信号OUTE_Pw, OUTE_Per,およびOUTE_Pbで制御される。これらの制御信号によりいずれか1つのレジスタ出力が記録電流用DA変換回路144に供給される。記録電流用DA変換回路144は入力値に対応した電流を出力し、加算手段146を介して半導体レーザダイオード4を駆動する。また記録電流用DA変換回路144は制御信号/WR(H=Read, L=Write)がread modeのときはその出力がdisable状態(出力電流=ゼロ)となる。なお、Pwレジスタ141, Perレジスタ142およびPbレジスタ143の設定値はSerial Interface 11を介してコントローラ1により設定される。
図5に高周波成分生成回路(HFM)15_1の構成を示す。151は高周波成分の周波数を設定するFREQ信号(FREQ1レジスタ17_1の出力)に対応した制御電圧あるいは制御電流を出力する周波数設定用DA変換回路、152は高周波成分の振幅値を設定するAMP信号(AMP1レジスタ18_1の出力信号)に対応した制御電圧あるいは制御電流を出力する振幅設定用DA変換回路、153は高周波成分を発生する高周波成分用発振回路である。この高周波成分用発振回路153の発振周波数は周波数設定用DA変換回路151の出力で制御される。154は可変電流利得増幅回路で高周波成分用発振回路153の出力を電流増幅して出力する。この出力電流をIhfとすると、Ihfの電流振幅は振幅設定用DA変換回路152の出力で制御される。
また可変電流利得増幅回路154はWrite Strategy and HF on/off controller 13_1より供給される制御信号HF_on/off_contでその出力電流のon/off( output enable/disable)が制御される。HF_on/off_contがHighのとき電流Ihfが出力され(on)、Lowのとき遮断(off)される。
図7に第1の実施例におけるWrite Strategy and HF on/off controller 13_1の構成を示す。Write Strategy and HF on/off controller 13_1は、131のWrite Strategy部と132の第1の高周波重畳制御手段で構成される。
Write Strategy部131は以下の構成要素よりなる。131_4は位相比較器とタップ付VCO(Voltage Controlled Oscillator)から構成されるPLL (Phase Lock Loop)である。位相比較器はコントローラ1から供給されるクロックCLKとタップ付VCOの出力信号chCLKを周波数および位相比較を行いその位相誤差でタップ付VCOの発振周波数および位相を制御する。このタップ付VCOの出力信号chCLKが記録クロックとなる。またタップ付VCOは40ヶの可変遅延素子より構成され一巡ループを形成することにより発振回路(リングオシレータ)を構成している。各可変遅延素子の出力がタップとして出力される。このタップ出力をsubclk0からsubclk39とするとsubclk nとsubclk n+1の時間差は記録クロックchCLKの周期Twの40分の1となる。このサブクロックsubclk0-39が後述するタイマーに供給されTw/40の単位でOUTE_Pw, OUTE_Per, OUTE_PbおよびHF1_cont信号の制御を可能にしている。
131_1はMark Space長検出回路12の検出結果に対応して記録クロックchCLKの周期Tw単位毎にあらかじめ定めたアドレス信号addres_1, address_2および address_3を出力する。このアドレス信号は後述するRAM(1) 131_1, RAM(2) 131_3および第1の高周波重畳制御手段132のRAM(3) 132_1のアドレスとして供給される。RAM(1) 131_2およびRAM(2) 131_3はRAM(Random Access Memory)であり、Write Strategy用parameterを記憶する。この実施例では、図19に示すように、RAM(1) 131_2はTsfp( Timing for Start of First Pulse)とTslp(Timing for Start Last Pulse)とTecp(Timing for End of Cooling Pulse)を各々16 parameterとTsmp(Timing for Start of Multi Pulse)を1 parameterの合計49 parameterを記憶する。
Tsfp parameterは先行するSpace長の3T, 4T,5Tおよび6T以上の4種類と記録するMark長3T,4T,5Tおよび6T以上の4種類の組合せからなる16個のparameterからなる。ここで、Tsfp (3s-4m)とは、先行Space長が3Tで記録するMark長が4Tの場合のStart of First Pulseのタイミング(所定の基準タイミングからの時間)を示している。同様にTslp(4m-5s)は記録するMark長が4Tで後続するSpace長が5Tの場合のStart of Last Pulseのタイミング(所定の基準タイミングからの時間)を示している。
RAM(2) 131_3は、Tefp( Timing for End of First Pulse)とTelp( Timing for End of Last Pulse)を各々16 parameterとTemp(Timing for End of Multi Pulse)を1 parameterの合計33 parameterを記憶する。Tefp(3s-4m)は先行するSpace長が3Tで記録するMark長が4Tの場合のEnd of First Pulseのタイミングを示しており、Telp( 4m-5s)は記録するMark長が4Tで後続するSpace長が5Tの場合のEnd of Last Pulseのタイミングを示している。
RAM(1) 131_2およびRAM(2) 131_3は、前述のアドレス信号address_1, address_2によって対応するparameterが選択され、そのタイミングデータを出力する。タイミングデータはTw/40を単位とした各所定の基準タイミングからの時間である。
Tsfpは設定タイミング後Power PwにPower遷移することを意味し、Tefpは設定タイミング後 Power Pbに遷移することを意味し、以下同様にTslpはPwへ、TelpはPbへ、TecpはPerへ、TsmpはPwへ、TempはPbへの遷移を意味している。このため、RAM(1) 131_2はaddress_1により選択されたparameterがPwへの遷移かあるいはPerへの遷移かを示す信号Pw/Perをaddress_1の値に対応して出力する。一方、RAM(2) 131_3のタイミングparameterは全てPbへの遷移を意味するparameterであるためPw/Perに対応する信号は出力しない。
RAM(1) 131_2およびRAM(2) 131_3は、タイミングparameterに対応するアドレス値の場合は対応するタイミングparameterの値を出力するが、タイミングparameter以外のアドレスが入力された場合は出力data=00hを出力する。
Timer(1) 131_5はTw単位でRAM(1) 131_2より供給されるタイミングdataに対してその値が00hで有るか否かを検出する。検出結果が00hの場合は何も動作を開始しない。00h以外の場合は内部タイマを動作させ対応するタイミングでTime_out信号を出力する。内蔵タイマはchCLK(Tw周期)とsubclk0-39(Tw/40 step)を元に設定されたタイミングを計測する。
タイミングdataが00hではなく、Pw/Per信号がPwを示している場合(例えばTsfp)は、Pw出力端子からTime_out_Pw信号を出力する。Pw/Ter信号がPerを示している場合(例えばTecp)は、Per出力端子からTime_out_Per信号を出力する。Timer(2) 131_5も同様に、RAM(2) 131_3からのタイミングdataに対して00hであるか否かを検出し、検出結果が00hではない場合、内部タイマを動作させ対応するタイミングでTime_out_Pb信号を出力する。
Output enable信号生成手段131_7は、Timer(1) 131_5およびTimer(2) 131_6より供給されるTime_out_Pw, Time_out_PerおよびTime_out_Pb信号をもとに、OUTE_Pw, OUTE_PerおよびOUTE_Pbの制御信号を生成する。Time_out_Pw信号によってOUTE_PwをHigh(enable)にし、他の制御信号をLow(disable)にする。またTime_oput_Per信号によってOUTE_PerをHighにし、他の制御信号をLowにする。同様にTime_out_Pb信号によってOUTE_PbをHighにし、他の制御信号をLowにする。これによって1つのoutput enable信号をenableにし、他をdisableにすることにより1つのPower (Pw, Per, Pbのいずれか)を選択するように動作する。
Write Strategy部131の具体的動作タイミングを図22を用いて説明する。図22はCD-RWやDVD-RW記録時の動作を示したものである。Write Strategy部131はタイミングparameterを対応する記録媒体に対応して設定することにより所望の半導体レーザ駆動電流をえるもので、CD-RWやDVD-RWのケースが最も複雑にかつ各タイミングparameterが有効に動作する。CD-Rの場合は特定のタイミングparameterのみの動作で所望の半導体レーザ駆動電流を得ることができる。よってここではCD-RWやDVD-RW記録時の動作でWrite
Strategy部131の動作タイミングを説明する。
図22の(1)は記録クロックchCLK, (2)は/WR信号、(3)はWrite Strategy部131の内部タイミング信号でコントローラ1より供給されるNRZ信号(H=Mark, L=Space)を一定時間(Tw単位)遅延した信号である。(4)は所望の半導体レーザ駆動電流を示している。(10-1)はTimer(1)131_5の動作を、(10-2)はTimer(2)131_6の動作を示している。(11-1)はTime_out_Pw信号、(11-2)はTime_out_Per信号および(11-3)はTime_out_Pb信号を示している。また(5-1)はOUTE_Pw制御信号、(5-2)はOUTE_Per制御信号および(5-3)はOUTE_Pb制御信号を示している。
この図22では(3)に示すようにT3 〜 T5の3T区間およびT9 〜 T12の4T区間がMarkに対応する。Write Strategy部131はこの(3)に示すdelayed NRZI信号を基準に動作する。
Timer(1)131_5は図22の(10-1)に示すようにT2区間の開始タイミングでTsfpのタイミングdataを、T4の開始タイミングでTslpのタイミングdataをT5の開始タイミングでTecpのタイミングdataを取り込む。これらのタイミングdataは00hではない有効dataである。同様にT8, T10, T11, T12の各開始タイミングでTsfp, Tsmp, Tslp,Tecpの有効dataを取り込む。上記以外のT区間では00hなる無効データがRAM(1)131_2より供給されるが、無効dataとして取り込まない。
T2区間の開始で有効data(not 00h)のTsfpを取り込むと内部タイマを動作開始させ、タイミングdataに一致するタイミング(Tw/40単位)で(11-1)に示すようにTime_out_Pw信号を出力する。この図では内部タイマの動作を矢印で示している。矢印の始端がタイマのスタートを終端がtime outを示している。(11-1)および(11-2)に示すようにTimer(1)131_5がtime outするとパルスからなるTime_out_Pw信号およびTime_out_Per信号を出力する。
同様にTimer(2)131_6は(10-2)に示すようにT2,T4,T8,T10およびT11の開始タイミングでTefp, Telp, Tefp,TempおよびTelpの有効dataを取り込み内部タイマを動作開始させ、タイミングdataに一致するタイミングで(11-3)に示すようにTime_out_Pb信号を出力する。
ここでTsfp, Tefp, Tslp, TelpおよびTecpはそれぞれ先行Space長、Mark長および後続するSpace長の組合せに対応したparameter値である。図では煩雑さを避けるため、このmark spaceの組合せ値は記していない。
この図22ではMark長が3Tと4Tの場合を示したが、5Tの場合はT10区間に示すMulti-Pulse state (Tsmp, Temp)が1T区間挿入される。6T markの場合は2T区間挿入される。同様にしてmark長が長くなるとこのMulti-Pulse stateが繰り返され、delayed NRZIのMarkの終了2T前から(Tslp, Telp) state, (Tecp)stateと続く。
Output enable信号生成手段131_7は(11-1),(11-2),(11-3)に示すTime out信号に対応して、(5-1),(5-2)および(5-3)に示すように対応する出力レベル(Pw, Per, Pb)を選択すべく、対応するPowerの制御信号をHigh(enable)にし、他の制御信号をLow(disable)にする。この制御信号OUTE_Pw, OUTE_Per、OUTE_Pbが半導体レーザ駆動部14に供給されその出力電流を変化させる。
図8に第1の実施例におけるWrite Strategy部131の動作およびその動作タイミングを示している。図中の(1),(2)および(3)は前記の図22と同じく、記録クロックchCLK, /WR信号およびdelayed NRZI信号を示している。(4)はCD-R記録時の所望の半導体レーザ駆動電流を示している。(10-1)および(10-2)は同様にTimer(1) 131_5およびTimer(2)131_6の動作を示している。図中のタイミングparameterの表示でフォントが斜体で示したparameterは、其の値が00hなる無効データを表している。よってタイマの動作を示す矢印は無い。
CD-R記録の場合は、(4)に示すように1つの記録パルスでマークを形成している。このマーク形成用半導体レーザ駆動電流の開始タイミングと終了タイミングをmarkとspaceの組合せで微小調整してディスク上のmarkが所定の長さおよび所定の開始・終了位置となるように記録電流波形を調整している。この調整はタイミングparameterの設定値をmarkとspace長の組合せによってそれぞれ値を変えることによって行われる。よって、(10-1)に示すように、TsfpとTecpのタイミングparameterが有効dataとなり他のparameterは全て00hなる無効dataにしている。
Tsfpがマーク記録電流の開始タイミングに対応し、Tecpがマーク記録電流の終了タイミングに対応する。
TsfpによってTimer(1)131_5がtime outするとパルスからなるTime_out_Pw信号を出力する。TecpによってTimer(1)131_5がtime outするとパルスからなるTime_out_Per信号を出力する。このtime out信号に対応して図中(5-1)および(5-2)に示すようにOUTE_Pw信号およびOUTE_Perを出力する。
図7に第1の高周波重畳制御手段132の構成を示している。RAM(3) 132_1は前述のRAM(1) 131_2およびRAM(2)131_3と同様なRAMで,HFの重畳開始・終了のタイミングparameter HF1_onとHF1_offを記憶する。RAM(3)132_1はアドレス生成手段131_1より供給されるアドレス信号address_3で制御され対応するアドレスの記憶値をタイミングdataとして出力するとともに、address_3がHF1_onのアドレス値かHF1_offのアドレス値かによってHF1_on/off信号を出力する。
Timer(3)132_2はTimer(1)131_5と同一構成のタイマである。PLL131_4より供給されるsubclk0-39のサブクロック(Tw/40 step)と記録クロックchCLK(Tw周期)をもとに設定時間の計測を行い、設定値に一致すると(time outすると)パルスを出力する。HF1_offのタイミングdataに対しては内部タイマが動作開始後、設定タイミングに一致するとtime outし、HF1_off端子からパルスを出力する。HF1_onのタイミングdataに対しては内部タイマが動作開始後、設定タイミングに一致するとtime outし、HF1_on端子からパルスを出力する。HF1_onおよびHF1_offのタイミングdataは、前述のWrite Strategy部131と同様にTw/40を単位にした設定値である。
132_3はRSフリップフロップであり、HF1_on端子のパルスでセットされ、HF1_off端子のパルスでリセットされる。このRSフリップフロップ132_3出力がHF1_cont信号となる。
図8の(12-1)と(6-1)に第1の高周波重畳制御手段132の動作タイミングを示す。この実施例では、例えばT1区間の開始タイミングにHF1_offのタイミングparameterをTimer(3)132_2に取り込み内部タイマの動作を開始する。本実施例ではTsfpのタイミング(マーク記録電流の開始タイミング)に先立ち高周波成分の重畳を停止するのでHF1_offのタイミングparameterの取り込みタイミングをTsfpのそれより1T先行させている。高周波成分の重畳の開始はTecpのタイミング(マーク記録電流の終了タイミング)より遅れて開始させるので、TecpとHF1_onのタイミングparameterの取り込みタイミングを同じにしている。(6-1)に示すように、HF1_offによるtime outでHF1_cont信号はリセットされ、HF1_onによるtime outでセット(High)される。
図9に第1の実施例のHF on/off制御動作を示す。図9の(1),(2),(3),(4),(5)および(6-1)は図8と同じである。OUTE_PwがHighの時半導体レーザ駆動電流はIPw(Pwレジスタ選択状態となり記録電流Iwにread電流Ireadが加算された電流値)となり、OUTE_PerがHighの時IP read(Perレジスタ選択状態となり記録電流IerにIreadが加算された電流値)となる。CD-R時、Perレジスタの設定値を00hにすることによりIer=0にして通常の再生時の電流Ireadと記録中のSpace区間の電流Iread+ Ierを同じ値にしている。
(7-1)はHF1_cont信号と/WRをもとにHF control Logic 21_1で生成したHF_on/off_cont信号である。この信号が高周波成分生成回路(HFM)15_1の出力電流のon/off制御を行う。(8)は高周波成分生成回路(HFM)15_1の出力電流Ihfのon/offの様子を示している。ここでは、HF_on/off_cont信号に対して出力電流Ihfの制御delay時間をThf1_turn_offおよびThf1_turn_onで示している。通常大きな電流(数十mA orderの電流のon/off制御は少なからず制御delayを生じる。
(4)に示すThf1_off時間は、高周波成分Ihfが遮断されてからマーク記録開始タイミング (OUTE_Pwの開始エッジ)までの時間を示している。また、Thf1_onはマーク記録終了タイミング(正確にはマーク記録電流の立下り時間TfとするとOUTE_Pwの終了からTf時間後)から高周波成分の重畳開始までの時間を示している。
この実施例において、Thf1_turn_off時間+Thf1_off時間が所定値以上となる様に前述したHFf1_offのタイミングparameter値をTsfpの値(マーク記録の開始タイミング)の変化範囲を考慮して設定する。同様にThf1_on時間がゼロ以上になる様にTecpの値(マーク記録の終了タイミング)の変化範囲を考慮して設定する。この結果Thf1_off時間およびThf2_on時間をゼロ以上にすることができ、従来技術で述べた高周波成分の重畳によるマークエッジの変動を避けることができる。
図3はThf1_off時間を高周波成分の周期Toscの半分以上にした場合を示している。点Pに対して点Qで高周波成分の重畳を停止している例である。図中の点線は図2で示した例で高周波重畳を点Pで停止した場合である。(a)および(b)の場合とも、点Qから点Pの区間高周波成分の重畳を停止しているので、ともに点Qから点Pの区間の半導体レーザ駆動電流は同じとなり、同じタイミングでマーク形成用光出力が開始する。図2の(a)の場合は発振遅延を起こし遅延し、(b)の場合は発振遅延なしにマーク形成用光出力が開始していた。
また、Toff期間(Thf_off期間)を大きくすることにより、(a)と(b)の高周波成分とマーク形成駆動電流の開始タイミングの位相変動によるマーク始端部での供給光エネルギーの変動を小さくすることができる。
以上説明した例では、図20の(1-2)に示すように、RAM(3)132_1aに記憶するparameterはHF1_offとHF1_onの2つのタイミングparameterの場合であった。これによりマーク開始タイミングがマーク・スペース長によって変化させると高周波重畳の停止時間Thf1_onとThf1_off時間が変化する。停止時間の最小値をマーク始端および終端部での供給光エネルギー変動が小さくかつ、ディスク上のマークのエッジ変動が無視できる程度に設定する必要がある。
RAM(3)132_1aに記憶するHF1_offとHF1_onのタイミングparameterを図20の(1-1)に示すように、Write Strategyのタイミングparameterと同様に、HF1_offを先行Space長と記録mark長の組合せに対応して16 parameterとし、またHF1_onを記録mark長と後続するSpace長の組合せに対応して16 parameterとすることもできる。このとき、RAM(3)132_1aのアドレス信号address_3はWrite Strategy部のRAM(1)131_2, RAM(2)131_3と同様にマーク・スペース長に対応したアドレス値をアドレス生成手段131_1より供給する。
これによって、HF1_off(as-bm)をTsfp(as-bm) (ここでaはSpace長、bはマーク長を示す)の設定値に対応してスペース・マーク長の組合せに対して常に停止時間Thf1_offを一定となるようにすることができる。具体的には対応するスペース・マーク長の組合せにおいて両者の設定値の差が一定値となるようにHF1_off(as-bm)を設定することで実現できる。結果、全ての長さのマーク始端エッジの高周波成分による影響を同一にすることができる。同様にHF1_on(bm-as)とTecp(bm-as)の設定値に対応してマーク・スペース長の組合せに対して常に停止時間Thf1_onを一定となるようにするこができる。結果、全ての長さのマーク終端エッジの高周波成分による影響を同一にするこができる。
また、特定のタイミングparameter値HF1_on(bm-as)を00hに設定することにより特定のスペース長での高周波成分の重畳を停止することもできる。例えば、スペース長が短い場合に高周波成分の重畳を停止するこができる。これによりThf1_offとThf1_onの期間をスペース長が短い場合も大きくすることが可能となり、より高周波成分の重畳による影響(マーク始端、終端部での光供給エネルギーの変動)を低減するこが可能となる。
以上説明したように、第1の実施例では、CD-RなどのSpace期間に高周波成分を重畳する高周波重畳方法においてマーク形成用半導体レーザ駆動電流の開始タイミングに先行してThf1_off時間高周波成分の重畳を停止するとともに、マーク形成用半導体レーザ駆動電流の終了タイミング後Thf1_on時間後高周波成分の重畳を開始するので、マーク形成用半導体レーザ駆動電流およびマーク形成用光出力の開始時および終了時の高周波成分の影響 (高周波成分の制御delay等に起因したoverlapによる影響と発振遅延変動の影響)を避けることができる。また、Thf1_offおよびThf1_on時間を大きくすることにより、さらに一層の高周波成分の影響(マーク始端、終端部での供給光エネルギーの変動)を小さくするこが可能となる。
(実施例2)
第2の実施例は、記録中のSpace期間およびMark期間に高周波成分を重畳する例であり、第1の高周波重畳制御手段によってSpace期間の高周波成分の重畳開始・停止を制御し、第2の高周波重畳制御手段によってMark期間の高周波成分の重畳開始・停止を制御する実施例である。例えば、再生時と記録中のSpace期間での高周波重畳とこれとは異なる条件の高周波成分をMark期間に重畳するCD-R記録を想定した実施例である。また、再生時の高周波成分の重畳と記録時のSpace期間での高周波成分の重畳を行い、両者の高周波成分の周波数や振幅が異なるCD-RWなどの記録を想定した実施例である。
図10に第2の実施例の構成図を示す。第1の実施例と同一機能を有するものは同一の番号を付している。第1の実施例と異なる点は、第2の条件の高周波成分の周波数を設定するFREQ2レジスタ17_2、FREQ1レジスタ17_1とFRWQ2レジスタ17_2の出力の一方を選択する切替え手段19、第2の条件の高周波成分の振幅を設定するAMP2レジスタ18_2、AMP1レジスタ18_1とAMP2レジスタ18_2の出力の一方を選択する切替え手段20を追加した点である。またWrite Strategy and HF on/off controller 13_1に第2のHF on/off手段を設けHF1_cont信号とともにHF2_cont信号を出力するようにしたWrite Strategy and HF on/off controller 13_2とした点である。また、HF control Logicを/WR信号とHF1_cont信号および追加したHF2_cont信号でHF_1/2_select信号を出力し前述の切替え手段19と20を制御するとともに、HF_on/off_cont信号を出力し、高周波成分生成回路(HFM)15_1の高周波成分Ihfの出力開始・停止を制御するHF control Logic 21_2とした点である。
図11に第2の実施例のWrite Strategy and HF on/off controller 13_2の構成を示す。第1の実施例のWrite Strategy and HF on/off controller 13_1と異なる点は、第2の高周波重畳制御手段133を追加した点である。
図11に示すように、第2の高周波重畳制御手段133の構成は、第1の高周波重畳制御手段132と同一の構成である。RAM(4)133_1は第2の条件のHF重畳開始・終了タイミングparameter HF2_onおよびHF2_offを記憶する。この実施例では、HF2_onおよびHF2_off parameterは、図20の(2-1)に示すようにそれぞれマーク・スペース長の組合せに対応し16種のparameterである。また第1の高周波重畳制御手段のRAM(3)132_1に記憶するHF1_onおよびHF1_offのparameterは、図20の(1-1)に示すように、それぞれマーク・スペース長の組合せに対応し16種のparameterである。
RAM(4)133_1はRAM(3)132_1と同様に、アドレス生成手段131_1より供給されるアドレス信号address_4で制御され対応するアドレスの記憶値をタイミングdataとして出力するとともに、address_4がHF2_onのアドレス値かHF2_offのアドレス値かによってHF2_on/off信号を出力する。
Timer(4)133_2はTimer(3)132_2と同一構成のタイマである。PLL131_4より供給されるsubclk0-39のサブクロック(Tw/40)と記録クロックchCLK(Tw周期)をもとに、設定時間の計測を行い、設定値に一致すると(time outすると)パルスを出力する。HF2_offのタイミングdataに対しては設定タイミングに一致するとtime outし、HF2_off端子からパルスを出力する。HF2_onのタイミングdataに対しては設定タイミングに一致するとtime outし、HF2_on端子からパルスを出力する。HF2_onおよびHF2_offのタイミングdataは、前述のWrite Strategy部131と同様にTw/40を単位にした設定値である。133_3はRSフリップフロップであり、HF2_on端子のパルスでセットされ、HF2_off端子のパルスでリセットされる。このRSフロップフロップ133_2の出力がHF2_cont信号となる。
次に、Space期間(およびRead期間)とMark期間に異なる条件の高周波成分を重畳する例として、第2の実施例をCD-R記録に適用した例を示す。
図12に第2の実施例をCD-R記録に適用した場合のWrite Strategy and HF on/off controller 13_2の動作タイミングを示す。第1の実施例のWrite Strategy and HF on/off controller 13_1の動作タイミングと異なる点は、図中の(12-2)に示す第2の高周波重畳制御手段133の動作と(6-2)に示すその出力信号HF2_contが追加された点である。
この実施例では、例えばT2区間の開始タイミングにHF2_onのタイミングパラメータをTimer(4) 133_2に取り込み内部タイマの動作を開始する。第2の高周波重畳制御手段はMark期間の高周波成分の重畳開始・停止を制御する。Tsfpのtime out以後に高周波重畳を開始するために、HF2_onのタイミングparameterの取り込みをTsfpのそれと同じタイミングにしている。Mark期間中の高周波成分の停止は、Tecp(マーク記録電流の終了タイミング)に先立って行うので、HF2_offのタイミングparameterの取り込みタイミングをTecpのそれより1T先行させている。
図中の(6-2)に示す様に、HF2_offによるtime out(図中の矢印の終端タイミング)でHF2_cont信号はリセットされ、HF2_onによるtime outでセット(High)される。図中のT2開始タイミングでのHF2_onによるTimer(4)133_2の動作を示す矢印が点線となっているのは、このタイミングにおけるマーク・スペース長の組合せのHF2_off(as-bm)タイミングparameter値を00hにしてTimer(4)133_2を動作させていないことを示している。このタイミングparameter値を00h以外の有効値に設定すると例えば点線のような動作をする。
このことは、マーク・スペース長の組合せに対応してHF2_on(as-bm)の値を00hか有効値とするかによって、特定のMarkに高周波重畳をするか否かを制御することができる。例えば6T以上のMarkにのみ高周波重畳を行うことが可能である。また第1の実施例と同様に、特定のSpaceに高周波重畳をするか否かをHF1_on(bm-as)のタイミングparameter値を設定(00hか有効データか)することにより制御することができる。
これにより所定値以下のマーク期間やスペース期間での高周波成分の重畳を停止して、高周波成分の重畳による影響(マーク始端部、終端部での光供給エネルギーの変動)をより低減することができる。
図13に第2の実施例をCD-R記録に適用した場合のHF on/off制御動作を示す。第1の実施例と異なる点はマーク期間に第2の条件の高周波成分を重畳した点である。図13の(1), (2),(3),(5)および(6-1)は第1の実施例の図9と同じである。(6-1)は前述したように第1の高周波重畳制御手段132の出力信号HF1_contで、(6-2)は本実施例で追加された第2の高周波重畳制御手段133の出力信号HF2_contである。(7-1)と(7-2)はHF control Logic 21_2の出力信号である。HF control Logic21_2は、HF1_cont信号とHF2_cont信号および/WR信号をもとに(7-1)に示すHF_on/off_cont信号と(7-2)に示すHF_1/2_select信号を生成する。このHF_on/off_cont信号は高周波成分生成回路(HFM)15_1の出力電流Ihfのon/off制御を行う。またHF_1/2_select信号は、切替え手段19および20を制御する。HF_1/2_select信号がHighの場合は、FREQ1レジスタ17_1出力とAMP1レジスタ18_1出力を選択し、高周波成分生成回路(HFM)15_1にて第1の条件の高周波信号を生成せしめる。またHF_1/2_select信号がLowの場合はFREQ2レジスタ17_2出力とAMP2レジスタ18_2出力を選択し、高周波成分生成回路(HFM)15_1にて第2の条件の高周波信号を生成せしめる。Space期間が第1の条件の高周波成分の重畳となり、Mark期間が第2の条件の高周波成分の重畳となる。
図13の(8)に高周波成分生成回路(HFM)15_1の出力電流Ihfのon/offの様子を示している。Space期間の第1の高周波成分重畳は第1の実施例と同じである。第2の高周波成重畳において、HF_on/off_cont信号に対して出力電流Ihfの制御delay時間を、Tfh2_turn_offおよびThf2_turn_onで示している。
同図の(4)に示すTfh2_off時間は、第2の高周波成分Ihfが遮断されてからマーク記録終了タイミングまでの時間を示している。また、Thf2_on時間はマーク記録開始タイミングから第2の高周波成分の重畳開始までの時間を示している。
Space期間での第1の高周波成分重畳において、Thf1_turn_off時間+Tfh1_off時間が所定値以上になるようにするためのHF1_offのタイミングparameter HF1_off(as-bm)の設定および、Thf1_on時間がゼロ以上になるようにするためのThf1_onのタイミングparameter HF1_on(bm-as)の設定は第1の実施例と同じである。
また、Mark期間での第2の高周波成分の重畳においても、Thf2_turn_off時間+Thf2_off時間が所定値以上になるようにHF2_offのタイミングparameter HF2_off(bm-as)の設定値を、Tecpの値(マーク記録終了タイミング)に対応して設定する。また、Thf2_on時間がゼロ以上になるようにTfh2_onのタイミングparameter HF2_on(as-bm)の設定値をTsfpの値(マーク記録開始タイミング)に対応して設定する。
この結果マーク記録開始タイミングの先行Tfh1_off時間とその後のTfh2_on時間の間、高周波成分の重畳が停止される。また、マーク記録終了タイミングの先行Thf2_off時間とその後のThf1_on時間の間、高周波成分の重畳が停止される。
以上説明したように、第2の実施例をCD-RなどのSpace期間およびMark期間に異なる条件の高周波成分を重畳する方法において、マーク形成用半導体レーザ駆動電流の開始タイミングの前後のThf1_off時間とThf2_on時間の間、高周波成分の重畳を停止するとともに、マーク形成用半導体レーザ駆動電流の終了タイミングの前後のThf2_off時間とThf1_on時間の間、高周波成分の重畳を停止するので、マーク形成用半導体レーザ駆動電流およびマーク形成用光出力の開始および終了時の高周波成分の影響(高周波成分の制御delay等に起因したoverlapによる影響と発振遅延変動の影響)を避けることができる。さらに上記高周波重畳停止区間を拡大することにより、さらに一層の高周波成分の影響(マーク始端、終端部での供給光エネルギーの変動)を小さくすることが可能となる。
また、スペース長が所定値に満たない場合は高周波成分の重畳を行わない。これによって、スペース長が短い場合において後続するマーク形成用半導体レーザ駆動電流の開始に対する高周波成分の影響を避けることができる。結果的にThf1_off、Thf1_onの値を大きくすることができ、高周波成分の影響を避けることが可能となる。
さらに、マーク長が所定値に満たない場合は高周波成分の重畳を行わない。これによって、マーク長が短い場合において、マーク形成区間での高周波成分の重畳を停止し、マーク形成時の高周波成分の影響を避けることができる。結果的にThf2_off、Thf2_onの値を大きくすることができ、マーク形成時に重畳する高周波成分の影響を避けることができる。
次に、Read期間とSpace期間に異なる条件の高周波成分を重畳する例として、第2の実施例をCD-RW記録に適用した例を示す。
図14に第2の実施例をCD-RW記録に適用した場合のWrite Strategy and HF on/off controller13_2の動作タイミングを示す。図中の(4)に示す所望の半導体レーザ駆動電流に対するWrite Strategy部131の動作を図中の(10),(11)および(5)に示している。(10-1)はTimer(1)131_5の動作、(10-2)はTimer(2)131_6動作、(11-1)および(11-2)はTimer(1)131_5が出力するTime_out_Pw信号とTime_out_Per信号で、(11-3)はTimer(2)が出力するTimer_out_Pb信号である。(5-1)のOUTE_Pw,(5-2)のOUTE_Perおよび(5-3)のOUTE_Pb信号はWrite Strategy部131の出力信号である。このCD−RW時の動作に関しては、先に詳述した。
図14の(12)がこの実施例でのHF_on/off制御手段の動作を示している。(12-1)が第1の高周波重畳制御手段132の動作を、(12-2)が第2の高周波重畳制御手段133の動作を示している。(12-1)に示した第1の高周波重畳制御手段132の動作は、前述のCD-R記録に適用した場合の動作(図12)と同じである。
このCD-RWケースでは、記録中のSpace期間のみに高周波成分の重畳を行うようにしているので、其の設定値HF2_onおよびHF2_offのparameter値を全て00hに設定して、/WR=L(Write)中の第2のHF_on/off制御手段133の動作を停止させている。
前述のCD-Rケースと異なる点は、図中(6-1)および(6-2)に示すように、 /WR=H(Read)期間において、HF1_cont信号をLow(disable)、HF2_cont信号をHigh(enable)となる様に、/WR=H期間の両者のレベル設定を変えたことである。前者のCD-Rケースの場合は、図12の(6-1)および(6-2)に示すように、CD-RWケースとは逆に、/WR=H期間において、HF1_cont信号をHigh(enable)、HF2_cont信号をLow(disable)としている。
この/WR=H区間のHF1_contおよびHF2_contのレベル設定は、図示していないHF_cont信号レベル設定手段により、HF1_contおよびHF2_cont信号を出力するRSフリップフロップ132_3と133_3を/WR信号をもとにセット、リセットすることで行い、いずれをセットし他方をリセットするかは、コントローラ1よりSerial Interfaceを介してそのモードを設定することにより行う。
このモード設定により、前述のCD-Rケースでは/WR=H(Read)期間とSpace期間で第1の条件の高周波成分を重畳し、Mark期間で第2の条件の高周波成分の重畳を行っている。これに対して、CD-RWケースでは、/WR=H(Read)期間で第2の条件の高周波成分を重畳し、Space期間で第1の条件の高周波成分の重畳を行う。
図15に第2の実施例をCD-RW記録に適用した場合のHF on/off制御動作を示す。図中の(8)にHF on/off制御された結果の高周波成分生成回路(HFM)15_1の出力電流Ihfの様子を示す。Space期間の第1の高周波成分重畳は前述のCD-Rケースと同じである。Thf1_onおよびThf1_offを所定時間以上とする設定に関して意はCD-Rケースと同じである。ただし、Power Perにおいて高周波成分を重畳するので、第1の高周波成分の条件(設定値)であるFREQ1とAMP1の設定値は、Power Preadで高周波重畳するCD-Rの高周波成分の設定値は異なる値
をなる。
以上説明したように、第2の実施例をCD-RWに適用した場合においても、マーク形成用半導体レーザ駆動電流の開始タイミングに先行してThf1_off時間高周波成分の重畳を停止するとともに、マーク形成用半導体レーザ駆動電流の終了タイミング後Thf1_off時間後、高周波成分の重畳を開始するので、高周波成分の影響(高周波成分の制御delay等に起因したoverlapによる影響とマーク始端、終端部での供給光エネルギーの変動)を小さくすることが可能となる。
(実施例3)
第3の実施例は、第2の実施例において高周波成分をコントローラから供給されるクロックCLKよりてい倍して生成し記録クロックと同期化させ、そのてい倍数Nおよび高周波成分信号のDutyを可変することにより最適な高周波重畳条件を実現する実施例である。
図16に第3の実施例の構成図を示す。第1および第2の実施例と同一機能を有するものは同一の番号を付している。第2の実施例と異なる点は、高周波成分生成回路(HFM)の内部構成を変更したこと(後述する)である。また、第1のてい倍数N1を設定する分周N1レジスタ22_1、第2のてい倍数N2を設定する分周N2レジスタ22_2および一方のレジスタ出力を選択する切替え手段25を追加したことである。また、第1の高周波成分信号のDutyを設定するDuty1レジスタ23_1、第2の高周波成分信号のDutyを設定するDuty2レジスタ23_2および一方のレジスタ出力を選択する切替え手段24を追加したことである。また、第2の実施例の第2の高周波成分の周波数を設定するFREQ2レジスタ17_2を削除し、第1の高周波成分の周波数を設定するFREQ1レジスタ17_1のみにしたことである。
図17に第3の実施例における高周波成分生成回路(HFM)15_2の構成を示す。151は高周波成分の周波数を設定するFREQ1信号(FREQ1レジスタ17_1の出力)に対応した制御電圧あるいは制御電流を出力する周波数設定用DA変換回路、152は高周波成分の振幅値を設定するAMP信号(切替え手段20の出力)に対応した制御電圧あるいは制御電流を出力する振幅設定用DA変換回路であり、第1および第2の実施例における高周波成分生成回路(HFM)15_1と同じである。
155はコントローラ1から供給されるクロックCLKとHF用分周回路157の出力の周波数および位相を比較する位相比較回路、158は周波数設定用DA変換回路151と位相比較回路155の一方の出力を選択する切替え手段、156は切替え手段158からの出力電圧あるいは出力電流に対応してその発振周波数を変えるHF用VCO(あるいはICO: current controlled oscillator)である。このHF用VCOはWrite Strategy部131に用いられるPLL131_4を構成するタップ付VCOと同一の構成で、例えば8個の可変遅延素子をリング状にしリングオシレータを形成している。159はDuty _set信号(切替え手段24の出力)に対応してHF用VCO156の各タップ出力信号Tap_0-Tap_7をもとに高周波成分信号のDutyを制御するHF Duty制御手段である。154は可変電流利得増幅回路で前述の高周波成分生成回路(HFM)15_1と同じである。
次に、第3の実施例における高周波成分生成回路(HFM)15_2の動作について説明する。
同期/非同期_sel信号によって切替え手段158が周波数設定用DA変換回路151の出力を選択した場合、HF用VCO 156は第1の実施例と同様にFREQ1レジスタ17_1の出力値に対応した周波数を発振する。一方HF用位相比較器155の出力が選択された場合は、このHF用位相比較器155の出力値に対応した周波数で発振する。このHF用VCO 156の出力信号はHF用分周回路157で分周される。分周数Nは分周N1レジスタ22_1、分周N2レジスタ22_2で設定される。分周数Nは正の整数値であり、Nに比例してHF用VOO156の発振周波数は大きくなる。このN分周された信号がHF用位相比較器でCLKとの位相が比較され位相差に対応した出力でHF用VCOの発振周波数を制御する。いわゆるPLLを構成している。この結果HF用VCOの出力信号はコントローラ1からのクロックCLKに同期するとともにそのN倍の周波数となる。
HF用VOC 156は、VCOを構成する8個の可変遅延素子の各素子出力をタップ出力としてTap_0からTap_7の信号を出力し、HF Duty制御手段159に供給する。
図18にHF Duty制御手段159の動作タイミングを示す。図中の(1)はタップ信号Tap_0からTap_7を示している。(2)はHF Duty制御手段159の出力信号例を示している。(2-1)はTap_0信号をそのまま出力した場合であり、この時のdutyは50%である。(2-2)はTap_0とTap_1のAND論理によって生成したもので、duty=37.5%としている。(2-3)はTap_0とTap_2のAND論理によって生成したもので、Duty=25%としている。(2-4)はTap_0とTap_3のAND論理によって生成したので、Duty=12.5%としている。
(2-5)から(2-7)は、さらにTap_4からTap_7の信号を用いて、生成したもので、(2-5)はduty=75%で倍周波数、(2-6)はduty=50%で倍周波数、(2-7)はduty=25%で倍周波数としている。これらの生成論理は図中に示している。(2-5)から(2-7)に示すようにHF用VCO 156の発振周波数の倍の周波数の高周波成分を生成できるので周波数の可変範囲を拡大できる。
これらの(2-1)から(2-7)のいずれのものを出力させるかは、Duty1レジスタ23_1とDuty2レジスタ23_2の設定値で選択する。
この高周波成分のDutyを可変することにより、半導体レーザダイオード4の発振いき値Ith以上の駆動電流の時間toverを可変することになる。ことことは通常のduty 50%の高周波成分の周波数を可変してtover時間を変えることとほぼ等価なことになる。
図21に第3の実施例をSpace期間およびMark期間に高周波成分を重畳する前述のCD-R記録に適用した場合の動作タイミングを示す。この例では、同期/非同期_sel信号を図中の(9)に示すように、/WR信号がHigh(Read)区間はHigh(非同期)、/WR信号がLow(Write)期間はLow(クロック同期)としている。よって、Read期間中は従来と同様にFREQ1レジスタ17_1の設定値に対応した周波数の高周波成分の重畳を行う。Write期間中は、HF用VCO156はHF用位相比較器155で制御されコントローラ1から供給されるクロック信号CLKに同期した信号を出力する。Write Strategy部131もコントローラ1からのクロック信号CLKをPLL131_4でてい倍した記録クロックchCLKを用いて動作する。よって、記録クロックと高周波成分の信号がCLKを介在して同期化される。
図21の(7-1)および(7-2)に示すように、HF_on/off_cont信号がHigh(HF on)でHF_1/2_select信号がHigh(HF1)の場合は、分周N1レジスタ22_1、Duty1レジスタ23_1およびAMP1レジスタ18_1が選択され対応する周波数、Dutyおよび振幅値の高周波成分が高周波成分生成回路(HFM)15_2より出力され半導体レーザ駆動電流に重畳される。また、HF_1/2_select信号がLow(HF2)の場合は、分周N2レジスタ22_2、Duty2レジスタ23_2およびAMP2レジスタ18_2が選択され対応する周波数、Dutyおよび振幅値の高周波成分が半導体レーザ駆動電流に重畳される。
図21の(8)に高周波成分生成回路(HFM)15_2の出力電流Ihfの様子を示している。また、(4)に半導体レーザ駆動電流にIhfが重畳されている様子を示している。
以上説明したように、第3の実施例では、高周波成分の信号を記録クロックに同期化させるので、第1および第2の実施例のような高周波成分とマーク記録開始位置および終了位置との位相が変動することがなく、常に一定の位相関係とになり、マーク形成の始端および終端への高周波成分の影響が常に一定となる。よって、第2の実施例の効果に加えて、高周波成分の非同期性に伴うマーク記録開始および終了位置での光供給エネルギーの変動を避けることができる。
また、高周波成分の記録クロックとの同期化において、基準クロックCLKのてい倍数Nの可変、高周波成分信号のDutyの可変を可能としているので、所望の光出力のパルス幅を得ることが可能となる。従って、等価的に最適周波数に設定したのと等価な光パルスを得ることができ、従来の高周波成分の発生方法と同等な最適条件を設定することが可能となる。
さらに、従来に比し低い周波数でDutyを小さくすることにより、等価的に高い周波数の重畳と同等の効果が得られるので高周波成分発生回路自身の動作周波数を従来に比し低下させることができる。また光ディスク装置としても低い周波数の高周波成分とすることにより、装置電力および不要輻射等を軽減することが可能となる。
(実施例4)
第1から第3の実施例において、第1および第2の高周波重畳制御手段のためにそれぞれ新たにHF on/off制御用のTimerを設けた例を説明したが、Write Strategy部のTimerを利用して等価的にHF on/off制御するようにしてもよい。
また、Write Strategy部の出力信号を用いて、Read区間およびPer区間においてHF重畳を行うようにし、mark記録開始タイミングに先行してPerと同じPowerレベルでPerとは異なるPower state(例えばPbやPer1等)を挿入してSpace区間でのHFの停止制御を行ってもよい。
同様にmark記録終了タイミング後に所定時間Perと同じPowerレベルでPerとは異なるPowr state(例えばPbやPer2等)を挿入してSpace区間でのHFの重畳開始制御を行ってもよい。この場合、PerでHF重畳し、PbやPer1やPer2ではHF重畳停止となるようにHF control Logicを形成すればよい。
これらにより、必要とされるTimerの数を増やすことなくHF on/off制御を行うことができるため、結果としてTimer回路の回路規模を低減させることができる。