JP4473093B2 - 抵抗測定装置および抵抗測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気部品の抵抗値を測定する抵抗測定装置および抵抗測定方法に関するものである。
この種の抵抗測定装置として、特開平6−260799号公報に開示されたインサーキットテスタが知られている。このインサーキットテスタでは、回路基板に実装された表面実装部品に接続される基板上のテストパッドにインサーキットテスタの検査ピンを押し当てて表面実装部品の電気的特性の良否等の検査を行うことが可能になっている。
ところが、上記したインサーキットテスタを用いて、図4に示すように測定対象の抵抗R1と直列接続された抵抗R2,R3とが並列接続されている状態で、抵抗R1の抵抗値を測定するときには、抵抗R1と、直列接続された抵抗R2,R3とが並列接続された状態の等価抵抗値が測定される。つまり、抵抗R1単体の抵抗値を正確に測定することができないこととなる。
この場合、抵抗R1単体の抵抗値の測定には、一般的に、図4に示す抵抗測定装置101、または、図5に示す抵抗測定装置101Aが用いられている。図4に示す抵抗測定装置101では、電圧源111が、プローブ2a,2bおよび電流計12を介して、直流の定電圧を抵抗R1の一端および他端の間に印加する。この場合、抵抗R1の一端にはH電位(High電位)を印加し、抵抗R1の他端にはL電位(Low電位)を印加する。また、例えばボルテージフォロア接続された演算増幅器112が、抵抗R1の他端に印加されたL電位をプローブ2bを介して入力して、その入力したL電位とほぼ等しいGl101電位を、その一端が抵抗R1の他端に接続された抵抗R3の他端(抵抗R2,3の接続部)にプローブ2eを介して低インピーダンスで出力する。この場合、演算増幅器112から出力されるGl101電位と、入力したL電位との間には、演算増幅器112の内部で発生するオフセット電圧Vo分だけ差が生じる。このため、オフセット電圧調整用の可変抵抗113を調整して、演算増幅器112の入力端子と出力端子の間に接続された電圧計114の表示がなるべくゼロボルトに近くなるように、つまり、Gl101電位がなるべくL電位に近くなるように調整する。この調整によって抵抗R3には殆ど電流Ig101が流れなくなる。したがって、プローブ2bを介して電流計12を流れる電流I101は、殆ど抵抗R1を流れる電流のみとなる。また、電圧計13が、抵抗R1の両端に発生する電圧をプローブ2c,2dを介して入力して測定する。したがって、電流計12によって測定された電流値、および電圧計13によって測定された電圧値に基づいて抵抗R1単体の抵抗値が算出される。
一方、図5に示す抵抗測定装置101Aでは、電流源111Aが、プローブ2a,2bおよび電流計12を介して、直流定電流の電流I102を抵抗R1の両端間に供給する。なお、抵抗測定装置101の構成要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付して重複した説明を省略する。この場合、抵抗R1の一端にはH電位が発生し、抵抗R1の他端にはL電位が発生する。また、演算増幅器112が、抵抗R1の一端に発生したH電位をプローブ2aを介して入力して、その入力したH電位とほぼ等しいGh101電位を、その一端が抵抗R1の一端に接続された抵抗R2の他端(抵抗R2,3の接続部)にプローブ2eを介して低インピーダンスで出力する。この場合、演算増幅器112から出力されるGh101電位と、入力したH電位との間には、演算増幅器112の内部で発生するオフセット電圧Vo分だけ差が生じる。このため、可変抵抗113を調整して、電圧計114の表示がなるべくゼロボルトに近くなるように、つまり、Gh101電位がなるべくH電位に近くなるように調整する。この調整によって抵抗R2には殆ど電流Ig102が流れなくなる。したがって、電流源111Aから出力されて電流計12を経由して流れる電流I102は、殆ど抵抗R1を流れる電流のみとなる。また、電圧計13が、抵抗R1の両端に発生する電圧をプローブ2c,2dを介して測定する。したがって、電流計12によって測定された電流値、および電圧計13によって測定された電圧値に基づいて抵抗R1単体の抵抗値が算出される。
特開平6−260799号公報(第1頁)
ところが、上記した抵抗測定装置101,101Aには、以下の問題点がある。すなわち、この抵抗測定装置101(または抵抗測定装置101A)では、演算増幅器112のオフセット電圧Voをゼロボルトに近づけるように可変抵抗113を調整して、Gl101電位(またはGh101電位)をなるべくL電位(またはH電位)に近付ける必要がある。したがって、この抵抗測定装置101,101Aには、この調整作業が煩雑であるという問題点がある。また、電圧計114の測定精度や可変抵抗113の調整精度に起因して、Gl101電位(またはGh101電位)とL電位(またはH電位)とを完全に等しく調整することは困難であり、例えば数十マイクロV程度のオフセット電圧Voを生じる可能性がある。したがって、この抵抗測定装置101,101Aには、このオフセット電圧Voに対応する電流Ig101(または電流Ig102)が抵抗R3(または抵抗R2)を流れて電流I101(または電流I102)に含まれることに起因して、電流I101(または電流I102)に基づいて算出される抵抗R1の抵抗値に測定誤差が含まれる可能性があるという問題点が存在する。特に、抵抗測定装置101(または抵抗測定装置101A)では、抵抗R3(または抵抗R2)の抵抗値が小さいときに、オフセット電圧Voによって大きな電流Ig101(または電流Ig102)が流れることに起因して、測定誤差が大きくなる可能性がある。
さらに、抵抗測定装置101では、電圧源111の出力電圧が小さいときや抵抗R1の抵抗値が大きいときには、電流I101の電流値が小さくなるため、電流I101に対する電流Ig101の割合が相対的に大きくなることに起因して、測定誤差が大きくなる可能性がある。また、抵抗測定装置101Aでは、電流源111Aの出力電流が小さいときや抵抗R1の抵抗値が大きいときには、電流I102の電流値が小さくなるため、電流I102に対する電流Ig102の割合が相対的に大きくなることに起因して、測定誤差が大きくなる可能性がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、正確かつ簡易に抵抗値を測定し得る抵抗測定装置および抵抗測定方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の抵抗測定装置は、第1電圧値および第2電圧値の検査用直流電圧を出力する電圧源と、直流定電圧を出力する定電圧源と、直流電流計と、演算部とを備えて、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定可能な抵抗測定装置であって、前記演算部は、前記第1電気部品の一端および他端の間に前記第1電圧値の前記検査用直流電圧が印加され、かつ前記第1電気部品の前記他端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流との和の直流電流の第1電流値を前記電流計から取得し、前記第1電気部品の両端間に前記第1電圧値とは絶対値が異なる前記第2電圧値の前記検査用直流電圧が印加され、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第2電流値を前記電流計から取得し、前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電圧値と前記取得した第1および第2電流値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する。
また、請求項記載の抵抗測定装置は、第1電流値および第2電流値の検査用直流電流を出力する電流源と、直流定電圧を出力する定電圧源と、直流電圧計と、演算部とを備えて、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定可能な抵抗測定装置であって、前記演算部は、前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品に前記第1電流値の前記検査用直流電流が供給され、かつ前記第1電気部品の前記一端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第1電圧値を前記直流電圧計から取得し、前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品前記第1電流値とは絶対値が異なる前記第2電流値の前記検査用直流電流が供給され、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第2電圧値を前記直流電圧計から取得し、前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電流値と前記取得した第1および第2電圧値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する。
また、請求項記載の抵抗測定方法は、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定する抵抗測定方法であって、前記第1電気部品の一端および他端の間に第1電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ前記第1電気部品の前記他端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第1電流値を測定し、前記第1電気部品の両端間に前記第1電圧値とは絶対値が異なる第2電圧値の前記検査用直流電圧を印加し、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第2電流値を測定し、前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電圧値と前記測定した第1および第2電流値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する。
また、請求項記載の抵抗測定方法は、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定する抵抗測定方法であって、前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品に第1電流値の前記検査用直流電流を供給し、かつ前記第1電気部品の前記一端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第1電圧値を測定し、前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品前記第1電流値とは絶対値が異なる第2電流値の前記検査用直流電流を供給し、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第2電圧値を測定し、前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電流値と前記測定した第1および第2電圧値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する。
請求項1記載の抵抗測定装置および請求項記載の抵抗測定方法によれば、第1電気部品の両端間に第1電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ第2電気部品の両端間に直流定電圧を印加した状態において、第1電気部品のみを流れる直流電流と直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第1電流値を測定し、第1電気部品の両端間に第1電圧値とは絶対値が異なる第2電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ第2電気部品の両端間に直流定電圧を印加した状態において、第1電気部品のみを流れる直流電流と直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第2電流値を測定し、第1電圧値と第1電流値と第2電気部品を流れる直流電流の電流値と第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および第2電圧値と第2電流値と第2電気部品を流れる直流電流の電流値と第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、第1および第2電圧値と測定した第1および第2電流値とに基づいて第1電気部品の抵抗値を算出することにより、第1電気部品の抵抗値算出の際に、第1電気部品の抵抗値を正確かつ簡易に算出することができる。
請求項記載の抵抗測定装置および請求項記載の抵抗測定方法によれば、第1電気部品および直列接続された複数の電気部品に第1電流値の検査用直流電流を供給し、かつ第1電気部品の一端に一端が接続されている複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に直流定電圧が印加されている状態において、第1電気部品の両端間における直流電圧の第1電圧値を測定し、第1電気部品および直列接続された複数の電気部品第1電流値とは絶対値が異なる第2電流値の検査用直流電流を供給し、かつ第2電気部品の両端間に直流定電圧を印加した状態において、第1電気部品の両端間における直流電圧の第2電圧値を測定し、第1電圧値と第1電流値と第2電気部品を流れる直流電流の電流値と第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および第2電圧値と第2電流値と第2電気部品を流れる直流電流の電流値と第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、第1および第2電流値と測定した第1および第2電圧値とに基づいて第1電気部品の抵抗値を算出することにより、第1電気部品の抵抗値算出の際に、第1電気部品の抵抗値を正確かつ簡易に算出することができる。
以下、本発明に係る抵抗測定装置および抵抗測定方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、抵抗測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。なお、抵抗測定装置101,101Aの構成要素と同一の機能を有するものについては、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
同図に示すように、抵抗測定装置1は、5本のプローブ2a,2b,2c,2d,2e、3つの移動機構3a,3b,3c、測定部4、制御部5、RAM6、ROM7および表示部8を備え、回路基板40に実装された抵抗(本発明における電気部品の一例)等の抵抗値を測定可能に構成されている。5本のプローブ2a〜2eは例えば接触型プローブであって、そのうちの2本のプローブ2a,2cが、互いの先端部同士が近接するようにしてプローブ固定具31aを介して移動機構3aに取り付けられ、2本のプローブ2b,2dが、互いの先端部同士が近接するようにしてプローブ固定具31bを介して移動機構3bに取り付けられ、1本のプローブ2eが、プローブ固定具31cを介して移動機構3cに取り付けられている。移動機構3a〜3cは、制御部5の制御に従ってプローブ2a〜2eを上下左右に移動させることにより、回路基板40の表面に形成された任意のテストポイントにプローブ2a〜2eの先端部を移動可能に構成されている。
測定部4は、図2に示すように、電圧源11、電流計12、電圧計13およびガード電位印加回路14を備えて構成されている。電圧源11は、制御部5の制御に従い、一方の出力部に接続されたプローブ2aと、他方の出力部に接続された電流計12およびプローブ2bとを介して所定電圧の直流電圧を出力する。また、電圧源11は、他方の出力部が測定部4のグランド(基準電位)に接続されている。電流計12は、電圧源11の他方の出力部とプローブ2bとの間に接続されて、抵抗R1のみを流れる直流電流(後述する電流Ir11,Ir12)と、抵抗R2および抵抗R3の直列回路のみを流れる直流電流(後述する電流Ig1,Ig2)との和、つまり抵抗R1の一端から他端に向けて流れる直流電流の電流値(本発明における第1電流値および第2電流値であって、後述する電流It11,It12)を測定して制御部5に出力する。電圧計13は、電圧源11から出力された直流電圧をプローブ2c,2dを介して入力してその電圧値を測定して制御部5に出力する。ガード電位印加回路14は、本発明における定電圧回路に相当し、例えば、非反転入力部がプローブ2bに接続されると共にボルテージフォロア接続された演算増幅器で構成されて、この演算増幅器の出力部からプローブ2eにガード電位(以下、Gl電位ともいう)を出力する。この場合、ガード電位印加回路14は、理論的には非反転入力部に入力したL電位と等しいGl電位を出力するが、実際には、演算増幅器のオフセット電圧Vo(本発明における直流定電圧)分だけL電位との間に差を有するGl電位を出力する。また、オフセット電圧Voは、後述するように、抵抗測定処理の期間中は一定の電圧値に定電圧化される。
制御部5は、本発明における演算部に相当し、CPU等で構成されて、移動機構3a〜3cに対する駆動制御や、後述する抵抗測定処理などを実行する。RAM6は、予め設定されて互いに異なる値の第1および第2電圧値を記憶すると共に、制御部5の演算結果などを一時的に記憶する。ROM7は、制御部5の動作プログラムを記憶する。表示部8は、抵抗値の測定結果を表示する。
一方、回路基板40には、固定抵抗器の抵抗R1〜R3を初めとして数多くの電気部品が実装されている。なお、抵抗R1〜R3については、図2に示すように、電気記号を用いて等価的な電気的接続状態を表している。この場合、同図に示すように、実装された抵抗R2と抵抗R3とが導体パターン(図示せず)によって直列接続されると共に、実装された抵抗R1(本発明における第1電気部品)と、直列接続された抵抗R2,R3(本発明における直列接続された複数の電気部品)とが導体パターン(図示せず)によって並列接続されている。また、各抵抗R1,R2、抵抗R2,R3および抵抗R3,R1をそれぞれ接続する各導体パターンには、プローブが接触させられるテストポイントが形成されている。なお、抵抗R3が本発明における第2電気部品に相当する。
次に、抵抗測定装置1による抵抗測定処理(本発明に係る抵抗測定方法)を説明する。
まず、テストポイントの形成面を例えば上向きにして回路基板40を抵抗測定装置1にセットする。次いで、制御部5が、移動機構3a,3b,3cを制御して、図2に示すように、抵抗R1の一端側のテストポイントにプローブ2a,2cを接触させ、抵抗R1の他端側のテストポイントにプローブ2b,2dを接触させ、抵抗R1の他端に一端が接続されている抵抗R3の他端側のテストポイント(抵抗R2と抵抗R3との接続部分のテストポイント)にプローブ2eを接触させる。続いて、制御部5は、抵抗R1の抵抗値を測定する抵抗測定処理を実行する。この抵抗測定処理では、制御部5は、予め設定されている第1電圧値(例えば+400mV)をRAM6から読み込んで、電圧源11に対してこの第1電圧値の検査用直流電圧を出力させる。したがって、電圧源11は、他方の出力部を基準電位として、両出力部の間に検査用直流電圧(例えば、他方の出力部を0Vとしたときに一方の出力部に+400mVの検査用直流電圧)を出力して、プローブ2a,2bを介して抵抗R1の両端に印加する。この場合、抵抗R1の一端に印加される電位をH11電位とし、抵抗R1の他端に印加される電位をL電位とする。また、ガード電位印加回路14が、プローブ2bを介して抵抗R1の他端側のL電位を入力して、L電位とほぼ等しくてオフセット電圧Vo分だけ差(電位差)のあるGl電位をプローブ2eを介して抵抗R3の他端側のテストポイントに出力する。したがって、直流定電圧としてのオフセット電圧Voが印加されて、抵抗R3の両端間がオフセット電圧Voに定電圧化される。また、電流計12が、抵抗R1の一端から他端に向けて流れる電流It11の電流値(本発明における第1電流値)を測定して制御部5に出力する。また、電圧計13が、抵抗R1の両端に実際に印加されている電圧Vr11をプローブ2c,2dを介して入力して、その電圧値を測定して制御部5に出力する。この際に、制御部5は、電流It11の電流値および電圧Vr11の電圧値をRAM6に記憶させる。
この場合、抵抗R1には、その両端間に検査用直流電圧が印加されることに起因して電流Ir11が流れる。また、抵抗R3には、その両端間がオフセット電圧Voに定電圧化されることに起因して電流Ig1が流れる。ここで、抵抗R1の抵抗値をR1とし、電流Ir11の電流値をIr11とし、抵抗R3を流れる電流Ig1の電流値をIg1とし、プローブ2bを流れる電流It11の電流値をIt11としたときに、It11について以下の関係式が成り立つことになる。
It11=Ir11+Ig1
=Vr11/R1+Ig1・・・(1)式
次に、制御部5は、予め設定されている第2電圧値(例えば+200mV)をRAM6から読み込んで、電圧源11に対してこの第2電圧値の検査用直流電圧を出力させる。したがって、電圧源11は、他方の出力部を基準電位として、両出力部の間に検査用直流電圧(例えば、他方の出力部を0Vとしたときに一方の出力部に+200mVの検査用直流電圧)を出力して、プローブ2a,2bを介して抵抗R1の両端に印加する。この場合、抵抗R1の一端に印加される電位をH12電位とし、抵抗R1の他端に印加される電位をL電位とする。また、ガード電位印加回路14が、L電位とほぼ等しくてオフセット電圧Vo分だけ差(電位差)のあるGl電位をプローブ2eを介して抵抗R3の他端側のテストポイントに出力する。したがって、抵抗R3の両端間が、先の測定の際のオフセット電圧Voと等しい電圧のオフセット電圧Voに定電圧化される。また、電流計12が、抵抗R1の一端から他端に向けて流れる電流It12の電流値(本発明における第2電流値)を測定して制御部5に出力する。また、電圧計13が、抵抗R1の両端に実際に印加されている電圧Vr12をプローブ2c,2dを介して入力して、その電圧値を測定して制御部5に出力する。
この場合、抵抗R1には、その両端間に検査用直流電圧が印加されることに起因して電流Ir12が流れる。また、抵抗R3には、その両端間がオフセット電圧Voに定電圧化されることに起因して先の測定の際の電流Ig1と等しい電流値の電流Ig1が流れる。ここで、電流Ir12の電流値をIr12とし、プローブ2bを流れる電流It12の電流値をIt12としたときに、It12について以下の関係式が成り立つことになる。
It12=Ir12+Ig1
=Vr12/R1+Ig1・・・(2)式
したがって、上記した(1)式および(2)式から、以下の(3)式が成立する。
R1=(Vr11−Vr12)/(It11−It12)・・・(3)式
この(3)式を導く際にオフセット電圧Voに起因して流れる電流Ig1の電流値Ig1が相殺されるため、この(3)式には電流値Ig1が含まれていない。したがって、オフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく抵抗R1の抵抗値が(3)式から正確に算出(測定)される。
次いで、制御部5は、RAM6に記憶させた電流It11の電流値It11および電圧Vr11の電圧値Vr11と、入力した電流It12の電流値It12および電圧Vr12の電圧値Vr12とを用いて(3)式から抵抗R1の抵抗値を算出する。この場合、RAM6に記憶させた電圧値Vr11と、入力した電圧値Vr12とに代えて、RAM6に予め設定されている第1および第2電圧値を用いることもできる。続いて、制御部5は、算出した抵抗R1の抵抗値を表示部8に表示する。以上により、抵抗測定装置1による抵抗測定処理を終了する。
次に、印加する電圧(流れる電流)の値によって抵抗値が変化する例えばサーミスタT1などの無極性の電気部品の抵抗値を測定する例について説明する。
この場合、第1電圧値および第2電圧値として、互いに絶対値が等しくて逆極性の電圧値をRAM6に予め記憶させる。例えば、第1電圧値として+400mVを記憶させ、第2電圧値として−400mVを記憶させる。
このサーミスタT1についての抵抗測定処理では、上記の測定と同様にして、制御部5が、電圧源11に対して、第1電圧値(+400mV)の検査用直流電圧を出力させて、電流計12から出力される電流It11の電流値を入力すると共に、電圧計13から出力される電圧Vr11の電圧値を入力する。次いで、制御部5は、電圧源11に対して、第2電圧値(−400mV)の検査用直流電圧を出力させて、電流計12から出力される電流It12の電流値を入力すると共に、電圧計13から出力される電圧Vr12の電圧値を入力する。この場合、電流It12および電圧Vr12は、第1電圧値の検査用直流電圧で測定した電流It11および電圧Vr11に対して、極性が逆、つまり符号がマイナスとなる。また、抵抗R3の両端間のオフセット電圧Voは、第1電圧値の検査用直流電圧を印加したときと第2電圧値の検査用直流電圧を印加したときとで等しくなる。したがって、この例のときにも、上記の(1)式〜(3)式が成り立つため、制御部5は、測定した電流It11,It12および電圧Vr11,Vr12(ただし、電流It12および電圧Vr12の符号はマイナス)から(3)式を用いてサーミスタT1の抵抗値を算出する。このように、印加する電圧(流れる電流)の値によって抵抗値が変化する無極性の電気部品についての所定電圧における抵抗値がオフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく正確に測定される。
このように、この抵抗測定装置1によれば、抵抗R1の両端間に第1電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ抵抗R3両端間をオフセット電圧Voで定電圧化した状態において、抵抗R1の一端から他端に向けて流れる電流It11の第1電流値を測定し、抵抗R1の両端間に第2電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ抵抗R3の両端間をオフセット電圧Voで定電圧化した状態において、抵抗R1の一端から他端に向けて流れる電流It12の第2電流値を測定し、第1および第2電圧値と測定した第1および第2電流値とに基づいて抵抗R1の抵抗値を算出することにより、抵抗R1の抵抗値算出の際にオフセット電圧Voに起因して流れる電流Ig1を相殺できるため、オフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく抵抗R1の抵抗値を正確かつ簡易に算出(測定)することができる。
また、この抵抗測定装置1によれば、第2電圧値の検査用直流電圧として第1電圧値に対して逆極性であって絶対値が等しい直流電圧を抵抗R1の両端間に印加することにより、印加する電圧(流れる電流)の値によって抵抗値が変化する無極性の電気部品についての所定電圧(第1電圧値の絶対値)の印加状態における抵抗値を正確に測定することができる。
次に、図3に示す抵抗測定装置1Aについて説明する。なお、抵抗測定装置1Aには、基本的に本発明が適用されている。したがって、抵抗測定装置1と共通する構成要素については同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
抵抗測定装置1Aは、図1に示すように、5本のプローブ2a〜2e、3つの移動機構3a〜3c、測定部4A、制御部5、RAM6、ROM7および表示部8を備え、回路基板に実装された抵抗(本発明における電気部品の一例)等の抵抗値を測定可能に構成されている。
測定部4Aは、図3に示すように、電流源11A、電流計12、電圧計13およびガード電位印加回路14を備えて構成されている。電流源11Aは、制御部5の制御に従い、一方の出力部に電流計12を介して接続されたプローブ2aと他方の出力部に接続されたプローブ2bとを介して所定電流値の直流電流を出力する。また、電流源11Aは、他方の出力部が測定部4Aのグランド(基準電位)に接続されている。電流計12は、電流源11Aの一方の出力部とプローブ2aとの間に接続されて、電流源11Aから出力される直流電流の電流値を測定して制御部5に出力する。ガード電位印加回路14は、本発明における定電圧回路に相当し、演算増幅器の非反転入力部がプローブ2aに接続されると共に、この演算増幅器の出力部からプローブ2eを介してガード電位(以下、Gh電位ともいう)を出力する。この場合、ガード電位印加回路14は、理論的には非反転入力部に入力した電圧(以下、H電位ともいう)と等しいGh電位を出力するが、実際には、演算増幅器のオフセット電圧Vo分だけH電位との間に差を有するGh電位を出力する。また、オフセット電圧Voは、後述するように、抵抗測定処理の期間中は一定の電圧値に定電圧化される。
RAM6は、予め設定されて互いに異なる値の第1および第2電流値を記憶すると共に、制御部5の演算結果などを一時的に記憶する。
次に、抵抗測定装置1Aによる抵抗測定処理(本発明に係る抵抗測定方法)を説明する。なお、抵抗測定装置1と同様の動作については、重複した説明を省略する。
まず、抵抗測定装置1における動作と同様にして、図3に示すように、抵抗R1の一端側のテストポイントにプローブ2a,2cを接触させ、抵抗R1の他端側のテストポイントにプローブ2b,2dを接触させ、一端が抵抗R1の一端に接続されている抵抗R2の他端側のテストポイント(抵抗R2と抵抗R3との接続部分のテストポイント)にプローブ2eを接触させる。なお、抵抗R2が本発明における第2電気部品に相当する。続いて、制御部5は、抵抗R1の抵抗値を測定する抵抗測定処理を実行する。この抵抗測定処理では、制御部5は、予め設定されている第1電流値(例えば+1mA)をRAM6から読み込んで、電流源11Aの一方の出力部から他方の出力部に向かう向き(この向きに流れる電流の電流値を正の値で表す)で第1電流値の検査用直流電流を出力させる。したがって、電流源11Aが、電流計12、プローブ2a、抵抗R1(または抵抗R2,R3の直列回路)およびプローブ2bからなる電流経路で検査用直流電流を供給する。この場合、検査用直流電流の供給に起因して抵抗R1の一端に発生する電位をH21電位とし、抵抗R1の他端の電位をL電位とする。また、ガード電位印加回路14が、プローブ2aの電位、つまり抵抗R1の一端側のH21電位を入力して、H21電位とほぼ等しくてオフセット電圧Vo分だけ差(電位差)のあるGh1電位をプローブ2eを介して抵抗R2の他端側のテストポイントに出力する。したがって、直流定電圧としてのオフセット電圧Voが印加されて、抵抗R2の両端間がオフセット電圧Voに定電圧化される。また、電流計12が、電流源11Aから出力されてプローブ2aを流れる電流It21の電流値を測定して制御部5に出力する。また、電圧計13が、プローブ2c,2dを介して抵抗R1の両端に発生する電圧Vr21の電圧値(本発明における第1電圧値)を測定して制御部5に出力する。続いて、制御部5は、電流It21の電流値および電圧Vr21の電圧値をRAM6に記憶させる。
この場合、抵抗R1には、抵抗R1の両端への検査用直流電流の供給に起因して、H21電位およびL電位の電位差に対応する電流Ir21が流れる。また、抵抗R2には、その両端間がオフセット電圧Voに定電圧化されることに起因して電流Ig2が流れる。ここで、抵抗R1の抵抗値をR1とし、電流Ir21の電流値をIr21とし、抵抗R3を流れる電流Ig2の電流値をIg2とし、プローブ2aを流れる電流It21の電流値をIt21としたときに、It21について以下の関係式が成り立つことになる。
It21=Ir21+Ig2
=Vr21/R1+Ig2・・・(4)式
次に、制御部5は、予め設定されている第2電流値(例えば+0.5mA)をRAM6から読み込んで、電流源11Aの一方の出力部から他方の出力部に向かう向きで第2電流値の検査用直流電流を出力させる。したがって、電流源11Aが、電流計12、プローブ2a、抵抗R1(または抵抗R2,R3の直列回路)およびプローブ2bからなる電流経路で検査用直流電流を供給する。この場合、検査用直流電流の供給に起因して抵抗R1の一端に発生する電位をH22電位とし、抵抗R1の他端の電位をL電位とする。また、ガード電位印加回路14が、上記と同様にして、H22電位とほぼ等しくてオフセット電圧Vo分だけ差(電位差)のあるGh2電位をプローブ2eを介して抵抗R2の他端側のテストポイントに出力する。したがって、抵抗R2の両端間が、上記したオフセット電圧Voと等しいオフセット電圧Voに定電圧化される。また、電流計12が、電流源11Aから出力されてプローブ2aを流れる電流It22の電流値を測定して制御部5に出力する。また、電圧計13が、プローブ2c,2dを介して抵抗R1の両端に発生する電圧Vr22の電圧値(本発明における第2電圧値)を測定して制御部5に出力する。
この場合、抵抗R1には、抵抗R1の両端への検査用直流電流の供給に起因して、H22電位およびL電位の電位差に対応する電流Ir22が流れる。また、抵抗R2には、その両端間がオフセット電圧Voに定電圧化されることに起因して電流Ig2が流れる。ここで、電流Ir22の電流値をIr22とし、プローブ2aを流れる電流It22の電流値をIt22としたときに、It22について以下の関係式が成り立つことになる。
It22=Ir22+Ig2
=Vr22/R1+Ig2・・・(5)式
したがって、上記した(4)式および(5)式から、以下の(6)式が成立する。
R1=(Vr21−Vr22)/(It21−It22)・・・(6)式
この(6)式を導く際にオフセット電圧Voに起因して流れる電流Ig2の電流値Ig2が相殺されるため、この(6)式には電流値Ig2が含まれていない。したがって、オフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく抵抗R1の抵抗値が(6)式から正確に算出(測定)される。
次いで、制御部5は、RAM6に記憶させた電流It21の電流値It21および電圧Vr21の電圧値Vr21と、入力した電流It22の電流値It22および電圧Vr12の電圧値Vr12とを用いて(6)式から抵抗R1の抵抗値R1を算出(測定)する。この場合、RAM6に記憶させた電流It21と、入力した電流It22とに代えて、RAM6に予め設定されている第1および第2電流値を用いることもできる。以上により、抵抗測定装置1Aによる抵抗測定処理を終了する。
次に、流れる電流の値によって抵抗値が変化する例えばサーミスタT1などの無極性の電気部品の抵抗値を測定する例について説明する。
この場合、第1電流値および第2電流値として、互いに絶対値が等しくて逆極性の電流値をRAM6に予め記憶させる。例えば、第1電流値として+1mAを記憶させ、第2電流値として−1mAを記憶させる。
このサーミスタT1についての抵抗測定処理では、上記の測定と同様にして、制御部5が、電流源11Aに対して、第1電流値(+1mA)の検査用直流電流を出力させて、電流計12から出力される電流It21の電流値を入力すると共に、電圧計13から出力される電圧Vr21の電圧値を入力する。次いで、制御部5は、電流源11Aに対して、第2電流値(−1mA)の検査用直流電流を出力させて、電流計12から出力される電流It22の電流値を入力すると共に、電圧計13から出力される電圧Vr22の電圧値を入力する。この場合、電流It22および電圧Vr22は、第1電流値の検査用直流電流で測定した電流It21および電圧Vr21に対して、極性が逆、つまり符号がマイナスとなる。また、抵抗R3の両端間のオフセット電圧Voは、第1電流値の検査用直流電流を出力したときと第2電流値の検査用直流電流を出力したときとで等しくなる。したがって、この例のときにも、上記の(4)式〜(6)式が成り立つため、制御部5は、測定した電流It21,It22および電圧Vr21,Vr22(ただし、電流It22および電圧Vr22の符号はマイナス)から(6)式を用いてサーミスタT1の抵抗値を算出する。このように、流れる電流の値によって抵抗値が変化する無極性の電気部品についての所定電流における抵抗値がオフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく正確に測定される。
このように、この抵抗測定装置1Aによれば、抵抗R1の両端間に第1電流値の検査用直流電流を供給し、かつ抵抗R2の両端間をオフセット電圧Voに定電圧化した状態において、抵抗R1の両端間の電圧Vr21の第1電圧値を測定し、抵抗R1の両端間に第2電流値の検査用直流電流を供給し、かつ抵抗R2の両端間をオフセット電圧Voに定電圧化した状態において、抵抗R1の両端間の電圧Vr22の第2電圧値を測定し、第1および第2電流値と測定した第1および第2電圧値とに基づいて抵抗R1の抵抗値を算出することにより、抵抗R1の抵抗値算出の際にオフセット電圧Voに起因して流れる電流Ig2が相殺されるため、オフセット電圧Voに起因する測定誤差を含むことなく抵抗R1の抵抗値を正確かつ簡易に算出(測定)することができる。
また、この抵抗測定装置1Aによれば、第2電流値の検査用直流電流として第1電流値に対して逆極性であって絶対値が等しい直流電流を抵抗R1の両端間に供給することにより、印加する電圧(流れる電流)の値によって抵抗値が変化する無極性の電気部品についての所定電圧(第1電圧値の絶対値)の印加状態における抵抗値を正確に測定することができる。
なお、本発明は、上記した抵抗測定装置1,1Aの構成および抵抗測定方法に限定されない。例えば、本発明における定電圧源として演算増幅器によって構成されるガード電位印加回路14を備えて、演算増幅器のオフセット電圧Voを本発明における直流定電圧とする例について説明したが、このガード電位印加回路14に代えて、抵抗測定装置1においては直流定電圧を出力する電圧源を抵抗R3と並列接続(接続するときの電圧の極性はいずれでもよい)する構成を採用することもできるし、抵抗測定装置1Aにおいては、直流定電圧を出力する電圧源を抵抗R2と並列接続(接続するときの電圧の極性はいずれでもよい)する構成を採用することもできる。また、本発明における直列接続された複数の電気部品として2個の抵抗R2,R3が直列接続されている例について説明したが、直列接続される電気部品の数は2個に限らず3個以上の任意の数であってもよい。また、抵抗R1〜R3が固定抵抗器の例について説明したが、これらに限らず、例えばコイル、半導体および導体パターン等の直流抵抗を測定することができる。
また、抵抗測定装置1において抵抗R1の抵抗値を測定するときに、抵抗R1の一端の方に他端よりも高い電位を印加する例について説明したが、電圧源11から出力する電圧の極性を逆にして、抵抗R1の一端の方が他端よりも低い電位を印加する構成を採用することができる。この構成では、例えば、電圧源11の他端の電位を0Vとしたときに、第1および第2電圧値として−400mVおよび−200mVをそれぞれ一方の出力部から出力する。また、抵抗測定装置1Aにおいて抵抗R1の抵抗値を測定するときに、電流源11Aの一方の出力部から他方の出力部に向かう向きで第1および第2電流値の検査用直流電流を出力させる例について説明したが、電流源11Aから出力する電流の極性を逆にして、電流源11Aの他方の出力部から一方の出力部に向かう向きで第1および第2電流値の検査用直流電流を出力させる構成を採用することができる。この構成では、例えば、電流源11Aから第1電流値として−1mAを出力させ、第2電流値として−0.5mAを出力する。
抵抗測定装置1(1A)の構成を示す構成図である。 抵抗測定装置1において抵抗R1(サーミスタT1)の抵抗値を測定するときの測定系の構成図である。 抵抗測定装置1Aにおいて抵抗R1(サーミスタT1)の抵抗値を測定するときの測定系の構成図である。 抵抗測定装置101において抵抗R1の抵抗値を測定するときの測定系の構成図である。 抵抗測定装置101Aにおいて抵抗R1の抵抗値を測定するときの測定系の構成図である。
符号の説明
1,1A 抵抗測定装置
4,4A 測定部
5 制御部
11 電圧源
11A 電流源
12 電流計
13 電圧計
14 ガード電位印加回路
R1,R2,R3 抵抗
T1 サーミスタ

Claims (4)

  1. 第1電圧値および第2電圧値の検査用直流電圧を出力する電圧源と、直流定電圧を出力する定電圧源と、直流電流計と、演算部とを備えて、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定可能な抵抗測定装置であって、
    前記演算部は、前記第1電気部品の一端および他端の間に前記第1電圧値の前記検査用直流電圧が印加され、かつ前記第1電気部品の前記他端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流との和の直流電流の第1電流値を前記電流計から取得し、
    前記第1電気部品の両端間に前記第1電圧値とは絶対値が異なる前記第2電圧値の前記検査用直流電圧が印加され、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第2電流値を前記電流計から取得し、
    前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電圧値と前記取得した第1および第2電流値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する抵抗測定装置。
  2. 第1電流値および第2電流値の検査用直流電流を出力する電流源と、直流定電圧を出力する定電圧源と、直流電圧計と、演算部とを備えて、測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定可能な抵抗測定装置であって、
    前記演算部は、前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品に前記第1電流値の前記検査用直流電流が供給され、かつ前記第1電気部品の前記一端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第1電圧値を前記直流電圧計から取得し、
    前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品前記第1電流値とは絶対値が異なる前記第2電流値の前記検査用直流電流が供給され、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第2電圧値を前記直流電圧計から取得し、
    前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電流値と前記取得した第1および第2電圧値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する抵抗測定装置。
  3. 測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定する抵抗測定方法であって、
    前記第1電気部品の一端および他端の間に第1電圧値の検査用直流電圧を印加し、かつ前記第1電気部品の前記他端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第1電流値を測定し、
    前記第1電気部品の両端間に前記第1電圧値とは絶対値が異なる第2電圧値の前記検査用直流電圧を印加し、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品のみを流れる直流電流と前記直列接続された複数の電気部品のみを流れる直流電流の和の直流電流の第2電流値を測定し、
    前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電圧値と前記測定した第1および第2電流値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する抵抗測定方法。
  4. 測定対象の第1電気部品と、直列接続された複数の電気部品とが並列接続されている状態で前記第1電気部品の抵抗値を測定する抵抗測定方法であって、
    前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品に第1電流値の前記検査用直流電流を供給し、かつ前記第1電気部品の前記一端に一端が接続されている前記複数の電気部品のうちの第2電気部品の両端間に直流定電圧が印加されている状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第1電圧値を測定し、
    前記第1電気部品および前記直列接続された複数の電気部品前記第1電流値とは絶対値が異なる第2電流値の前記検査用直流電流を供給し、かつ前記第2電気部品の前記両端間に前記直流定電圧を印加した状態において、前記第1電気部品の両端間における直流電圧の第2電圧値を測定し、
    前記第1電圧値と前記第1電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式、および前記第2電圧値と前記第2電流値と前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値と前記第1電気部品の抵抗値との間の関係式から導かれ、かつ前記第2電気部品を流れる直流電流の電流値を相殺した関係式を用いて、前記第1および第2電流値と前記測定した第1および第2電圧値とに基づいて前記第1電気部品の抵抗値を算出する抵抗測定方法。
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