JP4472146B2 - 導電性ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に用いる導電性ローラに関し、特に現像ローラ、帯電ローラおよび転写ローラなどに好適に用いられる導電性ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置に用いられる導電性ローラは、半導電性領域で容易に抵抗の制御ができ、かつ耐電圧性が優れていることが要求される。ここで導電性ローラにおける導電性とは、103〜1010Ω・cm程度の半導電性領域を意味する。ローラへの導電性付与および抵抗制御は、ローラの導電弾性層を構成するゴム材中に、カーボンブラックや、アルミニウムならびにステンレス鋼などの金属および酸化錫ならびに酸化チタンなどの金属酸化物などの微粉末を分散させることによって行われている。なかでもカーボンブラックが多く用いられている。
【0003】
導電性の付与に用いるカーボンブラックとしては、ケッチェンブラックや塗料用カーボンブラックが公知である。ケッチェンブラックを用いた場合は、少量の添加でもローラに導電性を付与することができるが、半導電性領域での要求される抵抗範囲が小さいので、ローラの抵抗をその範囲に制御するのが困難である。また導電弾性層中の導電パスが少ないので、電荷のリークが発生しやすい、すなわち耐電圧性が悪いという欠点がある。塗料用カーボンブラックの場合は、添加量をコントローラすることによって、半導電性領域での抵抗を比較的容易に制御することができるが、カーボンブラックのストラクチャー、すなわちカーボンブラック粒子の凝集体の径が均一でないので、導電パスの偏りが生じて、電荷のリークが発生しやすいという欠点がある。
【0004】
また導電性ローラ表面を均一に帯電することができるようにするためには、導電性カーボンブラックを導電弾性層中に、均一に分散させる必要がある。ポリウレタンを導電弾性層とする導電性ローラの場合は、カーボンブラックを均一に分散させるために、ポリウレタンの原料であるポリオール中に、3本ロールによる混練によって分散させるという方法が従来からとられている。しかしポリオール中へのカーボンの分散度合いと得られるローラの電気特性の関係まで検討した先行技術は存在しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、導電性ローラ作製時に、103〜1010Ωの領域において、導電性ローラの用途に応じて要求される2〜3桁範囲内に電気抵抗を制御することが容易にでき、しかも耐電圧性に優れた電子写真装置用の導電性ローラを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性を有する軸体と、該軸体の外周面上に同心に積層された導電弾性層および表面層からなる導電性ローラであって、導電弾性層が、表面官能基の総量が0.5mmol/g以下であるカーボンブラックを、JIS K5400−1990の粒ゲージによる分散度評価で粒子径が5〜50μmとなるように分散させたポリオールと、ポリイソシアネートとの反応硬化物から成ることを特徴とする導電性ローラである。
【0007】
また本発明は、カーボン分散ポリオールにおける前記カーボンブラックの含有量が、1〜5wt%であることを特徴とする。
【0008】
本発明に従えば、表面官能基の少ないカーボンブラックをポリオール中に、JIS K5400−1990で分散度を評価した場合のカーボンブラックの粒子径が5〜50μmとなるように分散させたポリオールを用いて、ポリイソシアネートと反応させてポリウレタンを形成することによって、導電弾性層の電気抵抗を容易に制御し、かつ耐電圧性に優れた導電性ローラを提供することができる。
【0009】
また本発明は、前記カーボンブラックのDBP吸油量が、150〜190ml/100gであり、かつBET比表面積が40〜70m2/gであることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、比表面積が小さく、かつDBP(n−ジブチルフタレート)吸油量の値の大きいカーボンブラックを用いると、抵抗の制御がしやすく、かつ耐電圧性に優れた導電弾性層を有する導電性ローラを提供することができる。
【0011】
また本発明は、前記ポリオールが、常温において液体であるポリオレフィン系ポリオールであることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、常温において液体であるポリオールを使用すると、カーボンブラックを3本ロールなどでポリオール中に分散する際の分散性の制御が容易となる。またポリオレフィン系ポリオールは、疎水性の性質を有しているので、ポリイソシアネートと反応させて得られるポリウレタンは、疎水性の性質を有することになる。すなわちポリウレタンは疎水性であるので、温湿度の影響を受け難く、これを基材とすることによって環境安定性に優れた導電性ローラを提供することができる。
【0013】
また本発明は、直径30mmφの金属製ローラを0.48rpmで回転させつつ、軸体の両端に各々500gの荷重をかけて圧接し、−400Vの電圧を印加したときの抵抗値が、106〜108Ωで、かつ−1.5kVまで電荷のリークが発生しないことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、前記表面官能基が少なく、ストラクチャーの発達したカーボンブラックを、3本ロールを用いて、JIS K5400−1990による分散度評価で粒子径が5〜50μmとなるようにストラクチャー粒径を平均化させて導電弾性層中に分散させたポリオールを用いることによって、電気抵抗が106〜108Ωに制御でき、しかも導電パスが多い、耐電圧性に優れた導電性ローラを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子写真装置用の導電性ローラについて図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の一形態による電子写真装置用の導電性ローラ1の斜視図であり、図2は、図1の導電性ローラ1の軸線に直角な断面図である。導電性ローラ1は、導電性の軸体2と、軸体2の外周面上に形成される導電弾性層3と、導電弾性層3の外周面上に積層される表面層4とを含む多層構造を有する。軸体2は、両端を軸支したり、駆動部品を嵌合するため両端部を精密加工をした細長い直円柱状であり、金属、たとえば鉄、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが好適に用いられる。
【0016】
導電性ローラ1の導電弾性層3は、導電性を付与するためのカーボンブラックを分散させたポリウレタンから構成されている。前記カーボンブラックは、表面官能基の総量が0〜0.5mmol/gであることを特徴とする。表面官能基の少ない、いわゆるグラファイトライクのカーボンブラックを用いると、ポリオール中にカーボンブラックを分散させる際に、カーボンブラックが凝集し難くなり、均一に分散させることができる。前記カーボンブラックが均一に分散したポリオールを、ポリイソシアネートと反応硬化させてポリウレタンを形成すると、カーボンブラックがポリウレタン中に均一に分散するので、導電弾性層3の電気抵抗を2〜3桁の範囲に制御できる。
【0017】
また前記表面官能基が少なく、ストラクチャーの発達したカーボンブラックを、JIS K5400−1990の粒ゲージによる分散度評価で粒子径が5〜50μmとなるまで3本ロールなどで混練し、ポリオール中に分散させると、カーボンブラックが適度に結合した凝集体すなわちストラクチャーを有するとともに、粒径が平均化されて均一に分散したものになり、このポリオールを用いて形成した導電弾性層3中では、トンネル効果などによる電子導電機構を形成しやすくなり、導電パスが多くなる。結果として電気抵抗が狭い範囲に制御しやすく、しかも電荷のリークが発生しない、耐電圧性に優れた導電性ローラ1を提供することができる。
【0018】
表面官能基が少なく、かつ高ストラクチャーのカーボンブラックとしては、比表面積が小さく、DBP(n−ジブチルフタレート)吸油量が大きいカーボンブラックが該当する。一般に、DBP吸油量が118ml/100g以上のカーボンブラックは高ストラクチャー、90ml/100g以下のカーボンブラックは低ストラクチャーと呼ばれている。
【0019】
本発明で使用するカーボンブラックは、BET比表面積が40〜70m2/gであり、かつDBP吸油量が、150〜190ml/100gであることが好ましい。
【0020】
本発明の実施の一形態である前記導電弾性層3の形成に当たっては、まず、ポリオール中に3本ロールを用いてカーボンブラックを混練り分散させた後、ポリイソシアネートと反応させてポリウレタンを生成させる。
【0021】
この場合、前記カーボンブラックは、JIS K5400−1990の粒ゲージによる分散度評価で粒子径が5〜50μmの範囲となるように、ポリオール中に分散させることが必要である。
【0022】
分散したカーボンブラックの分散度が粒子径で5μm以下になると、分散性は良好であるが、ポリオールの粘度が著しく高くなるとともに、カーボンブラックの表面がポリオールで覆われるため、導電パスが形成されにくく、通電性が低下する。またカーボンブラックの分散度が、粒子径で50μmを超えると、カーボンブラックの凝集が大きくなり、導電パスに偏りが生じるため、通電性は良くなるが高電圧を印加した場合、電荷のリークが発生する。
【0023】
前記カーボンブラックとしては、具体的にはエンサコ250(M.M.M社製)およびCF9(三菱化学社製)などを挙げることができる。
【0024】
前記カーボンブラックの含量としては、前記ポリオールに対して、重量比で1〜5%使用するのが好ましい。1%未満では、適度の導電性が得られず、また5%を超えると耐電圧性が低下する。
【0025】
前記ポリオールとしては、従来公知のポリオールはいずれも使用することができるが、常温で液状であり、かつ、ポリオレフィン系のものが好ましい。常温で液状であるポリオールは、カーボンブラックを3本ロールやビーズミルなどで分散させる場合、分散性を制御するのが容易である。ポリオールが常温で固体である場合は、ポリオールを加温して溶解し、かつ分散器も加温して温度を制御する必要があるので、製造工程が複雑になり、原価も高くなる。
【0026】
また、疎水性の構造を有するポリオレフィン系ポリオールは、ポリイソシアネートと反応させてポリウレタンを形成しても、疎水性が保持されるため、温湿度の影響を受けにくく、環境安定性に優れた導電性ローラを提供することができるのでより好ましい。
【0027】
常温で液状のポリオールとしては、たとえばポリエーテルポリオール、変性ポリエステルポリオールおよび変性ポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。
【0028】
またポリオレフィン系ポリオールとしては、たとえば、ポリIP、ポリBD15HTおよびポリBD45HT(以上、出光石油化学社製)などを挙げることができる。これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0029】
前記ポリイソシアネートとしては、従来公知の2,4‐トリレンジイソシアネート、2,6‐トリレンジイソシアネート、1,3‐キシリレンジイソシアネート、1,4‐キシリレンジイソシアネート、1,5‐ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3‐ジメチル‐4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4‐ビフェニレンジイソシアネート、1,6‐ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートやトリフェニルメタントリイソシアネートなどのトリイソシアネートを挙げることができる。
【0030】
具体的には、コロネートT80、T100およびミリオネートMTL(以上、日本ポリウレタン工業製)などを挙げることができる。これらのイソシアネートは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0031】
前記導電弾性層3は、前述のようにして3本ロールを用いて、前記カーボンブラックを分散させたポリオールと、ポリイソシアネートとからなる反応液を円筒金型に流し込み、従来公知の方法によって架橋硬化させ、ポリウレタンとすることによって形成する。
【0032】
前記導電弾性層のポリウレタンを構成する各成分の配合比率としては、重量比でポリオール100部に対して、カーボンブラック1~5部、ポリイソシアネート5〜25部および硬化剤0〜1.0部の範囲が好ましい。
【0033】
また導電弾性層の層厚としては、導電性ローラの使用目的により異なるが、 1〜15mm程度が好ましく、2〜10mm程度がより好ましい。
【0034】
本発明の一実施形態による導電性ローラ1は、ローラ表面の保護、汚染防止、抵抗調整などを目的として、導電弾性層3の外周面上に表面層4が設けられている。表面層4を構成するベースポリマーとしては、従来公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができる。また表面層4には、酸化防止剤、レベリング剤などの添加剤を添加してもよい。表面層4の層厚としては、20〜100μm程度が好ましい。
【0035】
前記導電性ローラ1は、後述の図3の帯電ローラ1、現像ローラ26、および転写ローラなどとして好適に使用することができる。
【0036】
図3は、図1の導電性ローラ1を帯電ローラ1として備える電子写真装置の構成を示す側面図である。直円柱状の感光体11は、本発明の帯電ローラ1によって、たとえば負の電荷がその表面に均一に付与される。電荷が付与された感光体11は、矢符16の方向に回転駆動されて、露光領域12に至り、露光手段22からのレーザー光によって画像が露光され、露光部分の電荷が中和されて静電潜像が形成される。
【0037】
感光体11は、さらに回転駆動されて、現像領域13に至り、前記静電潜像がトナーによって現像される。このトナーは、現像装置23において攪拌手段24によって相互に摩擦接触して負に帯電している。帯電トナーは、供給ローラ25を介して現像ローラ26に供給され、余分のトナーは規制ブレード27によって規制され、最適量のトナーが現像ローラ26から感光体11の電荷が中和された静電潜像の部分に供給され、トナー像として現像される。
【0038】
感光体11は、さらに回転駆動されて転写領域14に至り、前記トナー像が感光体11と転写搬送ベルト17との間に供給される紙28などの記録媒体に転写される。転写搬送ベルト17は、2つのローラ41,42に張架され、矢符40方向に駆動される。
【0039】
感光体11に近い従動ローラ41は、その軸43に高圧電源装置45の正極が接続され、軸43周囲の導電弾性層44を介して転写搬送ベルト17の正の電荷が与えられ、転写搬送ベルト17の正の電荷によって負に帯電した感光体11上のトナーが吸引され、感光体11と転写搬送ベルト17との間に搬送された紙28に感光体11上のトナー像が転写される。他の駆動ローラ42は、図示しないモータなどの駆動源が接続される。感光体11は、さらに回転駆動され、クリーニング領域15に至り、クリーニングブレード29で感光体11上の残留トナーがクリーニングされ、残留する電荷が除電手段30で除かれる。
【0040】
紙28は、2個の紙送りローラ46によって、感光体11と転写搬送ベルト17との間に供給され、トナー像が転写された後、定着装置47に搬送され、トナー像が定着される。
【0041】
以下、本発明の電子写真装置用の導電性ローラを、実施例により具体的に説明する。なお、以下において、各成分を示す部は全て重量部を表す。
【0042】
(実施例1)
常温で液状のポリオレフィン系ポリオールとしてポリIP(水酸基含有量0.88mol/kg、出光石油化学社製)100部に、導電性付与カーボンブラックとしてエンサコ250(DBP吸油量190ml/100g、比表面積65m2/g、M.M.M社製)2.5部を加え、3本ロールで混練して分散させ、JIS K5400−1990による分散度評価で粒子径が5〜10μmになるまで分散を行った。得られたカーボンブラック分散ポリオール液は、80℃で24時間減圧脱泡を行った。次いで、カーボンブラック分散ポリオール液100部に対し、NCO基/OH基の比が1.05となるように、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの80/20の混合物である、コロネートT80(日本ポリウレタン社製)を7.84部および触媒としてTOYOCAT−NP(東ソー社製)0.213gを添加して、3分間気泡を造らないように混合し、導電弾性層用原液34を調製した。
【0043】
次で、図4(1)に示すように下金型36に直円筒状中金型37を組込んで、130℃に加熱した金型内に、上金型38を取り除いた状態で、導電弾性層用原液34を注入した。中金型37の内径は約8mmφとなるように研削され、長さは約250mmである。次に図4(2)のように軸体2の一方端を上から挿入し、原液中を通して下金型36の中心に設けた凹所39に挿入した。軸体2の他方端は、図4(3)に示されるように、上金型38の中心に設けた凹所33に入るように組立てた。軸体2は、外径5mmφ、長さ250mmの鋼棒(材質は快削鋼:SUM22B)に約10μmの厚さで無電解ニッケルめっきしたものを使用した。
【0044】
組立てた金型35は、100℃で1時間加熱し、原液34を架橋硬化させ、脱型し、研削盤で外周面を外径7mmφに研削して軸体2に厚さ1.0mmの導電弾性層を有する、図4(4)に示す導電性ローラを得た。
【0045】
(実施例2)
ポリオール中のカーボンブラックの分散度を粒子径で20〜30μmのレベルまで混練分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを得た。
【0046】
(実施例3)
ポリオール中のカーボンブラックの分散度を粒子径で40〜50μmのレベルまで混練分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを得た。
【0047】
(比較例1)
ポリオール中のカーボンブラックの分散度を、粒子径で5μmより小さいレベルに混練分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを得た。
【0048】
(比較例2)
ポリオール中のカーボンブラックの分散度を、粒子径で50μmより大きいレベルに混練分散させた以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを得た。
【0049】
(比較例3)
導電性付与カーボンブラックとしてケッチェンブラック(DBP吸油量360ml/100g、比表面積800m2/g)を、ポリオール100部に対し0.1部添加した以外は、実施例1と同様にして導電性ローラを得た。
【0050】
(評価)
各実施例および比較例で得られた導電性ローラを用いて、ローラの電気抵抗および耐電圧性の評価を行った。評価は、図5に示す装置を用いて行った。電気抵抗の測定は、回転する直径30mmφ、長さ約300mmの金属ローラ50を、両端にそれぞれF1、F2=500gの荷重をかけて導電性ローラに押圧し、導電性ローラ1の表面全体を均一に帯電できるようにして、−400Vの電圧を印加して行った。
【0051】
また耐電圧性は、同じ装置を用いて、−1.5kVまで電圧を印加した場合に、電荷のリークが発生するか否かで評価を行った。
評価の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1より、実施例1〜3で得られた導電性ローラは、いずれも106〜108の電気抵抗を有し、また耐電圧性も良好であることが判った。これに対し、粒ゲージによるカーボンブラックの分散度(粒子径)が、5μm未満のポリオールを用いた比較例1においては、耐電圧性は良好であるが、電気抵抗が1010以上と大きくなった。また粒ゲージによるカーボンブラックの分散度(粒子径)が、50μmより大の比較例2およびケッチェンブラックを用いた比較例3においては、導電性ローラの電気抵抗は良好であるが、いずれも耐電圧性が悪いことが判った。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導電性ローラの導電弾性層中に、表面官能基の少ないカーボンブラックを、JIS K5400−1990による分散度評価でカーボンブラックの粒子径が5〜50μmとなるように均一に分散させることによって、103〜1010Ωの領域で、2〜3桁の範囲内に電気抵抗を制御でき、耐電圧性にも優れた電子写真用の導電性ローラを提供することができる。さらに導電弾性層を構成するポリウレタンの成分として、ポリオレフィンポリオールを使用することによって、温湿度の影響を受けにくい、環境安定性に優れた導電性ローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による導電性ローラ1の斜視図である。
【図2】図1の導電性ローラ1の断面図である。
【図3】図1の導電性ローラ1を帯電ローラ1として備える電子写真装置の構成を示す側面図である。
【図4】導電性ローラ1の導電弾性層3を形成する工程を説明するための断面図である。
【図5】導電性ローラ1の電気抵抗および耐電圧性を測定するための装置の概念図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ(帯電ローラ)
2 軸体
3 導電弾性層
4 表面層
11 感光体
23 現像装置
26 現像ローラ
28 紙(記録媒体)
47 定着装置
50 金属ローラ
Claims (5)
- 導電性を有する軸体と、
該軸体の外周面上に同心に積層された導電弾性層および表面層からなる導電性ローラであって、
導電弾性層が、表面官能基の総量が0.5mmol/g以下であるカーボンブラックを、JIS K5400−1990の粒ゲージによる分散度評価で粒子径が5〜50μmとなるように分散させたポリオールと、ポリイソシアネートとの反応硬化物から成ることを特徴とする導電性ローラ。 - カーボン分散ポリオールにおける前記カーボンブラックの含有量が、1〜5wt%であることを特徴とする請求項1記載の導電性ローラ。
- 前記カーボンブラックのDBP吸油量が、150〜190ml/100gであり、かつBET比表面積が40〜70m2 /gであることを特徴とする請求項1または2記載の導電性ローラ。
- 前記ポリオールが、常温において液体であるポリオレフィン系ポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 直径30mmφの金属製ローラを0.48rpmで回転させつつ、軸体の両端に各々500gの荷重をかけて圧接し、−400Vの電圧を印加したときの抵抗値が、106〜108Ωで、かつ−1.5kVまで電荷のリークが発生しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ローラ。
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