JP4471341B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、又はファクシミリ装置等の画像形成装置で用いられる現像装置に関し、特に、一成分磁性現像剤又は二成分現像剤を用いる現像装置及びこの現像装置を用いた画像形成装置に関するものである。
一般に、画像形成装置においては、像担持体である感光体ドラム上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置によって現像されてトナー像となる。そして、感光体ドラム上のトナー像は記録用紙に転写され、記録用紙上のトナー像は定着装置によって定着される。このような現像装置において、例えば、一成分磁性現像剤(トナー)を用いて、感光体ドラム上の静電潜像を現像するものがあり、現像装置は感光体ドラムと対峙する非磁性金属の円筒状の回転スリーブ(現像剤担持体)を備えて、回転スリーブ内は固定マグネットローラが回転スリーブと同心的に配設されている(回転スリーブと固定マグネットローラとによって現像ローラが構成される)。
固定マグネットローラにはその円周に沿って複数の磁極が所定の間隔で着磁されており、トナーを固定マグネットローラの吸引力によって回転スリーブ上に付着させて、トナーを回転スリーブによって現像位置に搬送して感光体ドラム上の静電潜像を現像する。なお、二成分現像剤を用いた現像装置においても、同様の構成を有している。
このような現像装置では、回転スリーブによって搬送されるトナーの厚さを所定の厚さに規制するため、トナー層厚規制部材(層厚規制ブレード(例えば、磁性ブレード))が現像位置よりも回転スリーブの回転方向上流側に配置され、回転スリーブの周面と所定の隙間(ギャップ)をおいて対面している。そして、トナー層厚規制部材では、回転スリーブ上のトナー層厚を規制するとともにトナーを摩擦によって帯電している。
ところで、上述のような現像装置では、画像形成領域(感光体ドラム上の現像領域)において、特に、その長手方向両端部近傍では、画像形成が行われることが少ない関係上、この部分におけるトナー消費量は少なく、回転スリーブの長手方向両端部において、トナーが摩擦によって過帯電してしまい、これによって、トナー凝集が生じることがある。そして、トナー凝集が生じると、トナー層の層厚が乱れて、回転スリーブの長手方向両端部においてトナー層が厚くなると、非画像形成領域へトナーが飛翔しやすくなって、所謂画像かぶり及び画像むら等の画像欠陥が発生してしまう。さらには、トナー凝集物が回転スリーブとトナー層厚規制部材との隙間に詰まるような自体が発生すると、回転スリーブ表面がトナー凝集物によって傷つけられたり、一部にトナー層がなくなって、画像形成の際(つまり、現像の際)、所謂スジが入ってしまうことがある。
さらには、現像剤中のトナー、トナー内部のワックス成分、及びトナーの外添剤等が層厚規制ブレードに融着して凝集することもあり、このトナー凝集によって前述のギャップが狭くなってトナー層厚に乱れが生じてしまう。また、回転スリーブとトナー層厚規制ブレードとのギャップに異物が詰まって、これによって、トナー層厚に乱れが生じることもある。
一方、非磁性トナー及び磁性体粒子を含む現像剤(二成分磁性現像剤)を用いる現像装置において、長時間使用の際に非磁性トナーがトナー層厚規制体へ融着することを防止するため、現像スリーブとトナー層厚規制体との対向位置に異極であるN極とS極とを配設して、トナー層厚規制体の回転方向下流側に上記のS極に隣接して別に同極のS極を配設して、現像スリーブによって対向位置に運ばれた磁性体粒子をトナー層厚規制体の回転によって運搬し、次いで両S極間の反発力を用いて、磁性体粒子をトナー層厚規制体から引き剥し、磁性体粒子のみを現像容器内に戻すようにしたものがある(特許文献1参照)。
さらに、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分磁性現像剤を用いる現像装置において、現像剤の劣化を防止するとともに良好な画質を安定して維持するため、感光体ドラム等の像担持体に対向して配置された現像剤担持体と対向するようにして現像剤循環移送部材を設けて、トナー層規制部材を、現像剤循環移送部材と現像剤担持体との間隙内に先端を下流側から突き出すように設け、トナー層規制部材上流側の現像剤の滞留を解消するようにし、さらに、トナー層規制部材が設けられた位置より上流側において、現像剤担持体に内蔵された磁石が隣接した同極性の二つの磁極を備えて、これによって、反発磁界を形成し、現像剤担持体上で搬送される現像剤を反発磁界で攪拌するようにしたものがある(特許文献2)。
特開平7−301994号公報(段落(0043)〜段落(0057)、第1図) 特開平11−7194号公報(段落(0031)〜段落(0042)、第1図〜第4図)
上述のように、現像装置においては、回転スリーブとトナー層規制部材とのギャップ付近でトナー凝集が生じると、トナー層の層厚が乱れ、これによって、画像かぶり及び画像むら等の画像欠陥が発生してしまうばかりでなく、回転スリーブ表面がトナー凝集物によって傷つけられて、画像にスジが入ってしまう。そして、回転スリーブの表面が傷つけられてしまうと、現像ローラを交換しなければならず、結果的に現像装置自体の寿命が短くなってしまうことになる。
一方、特許文献1に記載された現像装置では、磁性体粒子をトナー層厚規制体の回転によって運搬し、反発力(反発磁界)を用いて、磁性体粒子をトナー層厚規制体から引き剥して、磁性体粒子のみを現像容器内に戻すようにしているものの、トナー凝集については考慮されておらず、トナー凝集及び異物によるトナー層厚の乱れ及び回転スリーブの傷つきを防止することができない結果、画像欠陥を防止できないばかりか現像装置自体の長寿命化を達成することが難しいという課題がある。
さらに、特許文献2に記載された現像装置では、現像剤循環移送部材と現像剤担持体との間隙内にトナー層規制部材の先端を下流側から突き出すように設けて、トナー層規制部材上流側の現像剤の滞留を解消するとともに、反発磁界を形成して、現像剤担持体上で搬送される現像剤を反発磁界で攪拌するようにしているものの、この現像装置は、二成分磁性現像剤を用いて現像剤循環移送部材によって所謂穂切り及び穂出しを行うに際して、トナー層規制部材で上流側の現像剤滞留を解消しているだけであって、現像剤をブレードで層厚規制する際に、回転スリーブとブレードとのギャップ間で発生するトナー滞留を防止することはできない。いずれにしても、従来の現像装置では、静電潜像を現像する際に画像欠陥を防止してしかも現像装置自体の寿命を長くできないという課題がある。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、画像むら及び画像かぶり等の画像欠陥が生じることのなくしかも寿命の長い現像装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、非磁性の回転スリーブと該回転スリーブ内に内包され複数の磁極を備える固定マグネットローラとを有し所定の方向に延びる現像剤担持体と、静電潜像が形成された像担持体に最も近接する現像位置よりも前記回転スリーブの回転方向上流側に前記回転スリーブと対向して配置され現像剤の層厚を規制する磁性層厚規制部材とを有し、前記現像位置で前記現像剤担持体上の現像剤によって前記静電潜像を現像する現像装置において、前記固定マグネットローラは前記所定の方向に延びる軸回りに揺動可能に配置されており、前記固定マグネットローラは現像が行われる際に位置される規制位置と該規制位置からずれた解除位置との間で揺動可能に構成され、非現像時のトナー凝集物除去動作時に前記固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと変位させて前記固定マグネットローラと前記磁性層厚規制部材との間に形成される磁界分布を変化させる揺動制御手段を有し、該揺動制御手段によって前記固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと揺動させて磁界分布を変化させる際に、前記回転スリーブを回転駆動させておくことを特徴とする。
本発明では、前記解除位置は、前記規制位置において前記磁性層厚規制部材の近傍で前記回転スリーブの回転方向下流側に位置する前記複数の磁極のうちの1つが前記規制位置よりも前記磁性層厚規制部材に近づく位置であることが望ましい。
また、本発明では、画像形成装置に備えられ該画像形成装置に着脱可能に配置されたユニット体の該画像形成装置からの引き出しおよび収納動作に連動して、前記固定マグネットローラを揺動させるようにしてもよく、例えば、前記ユニット体は給紙カセット又はトナー供給コンテナである。さらに、前記規制位置又は前記解除位置においては、マグネットローラの磁力吸着・反発により固定/解除が行われる。
以上のように、本発明の現像装置は、固定マグネットローラを所定の方向に延びる軸回りに揺動可能に配置して、非現像時のトナー凝集物除去動作時に固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと変位させて、固定マグネットローラと磁性層厚規制部材との間に形成される磁界分布を変化させるようにしたので、非現像時のトナー凝集物除去動作時には磁界分布の変化によってトナー凝集物がほぐれることになって、トナー凝集物が回転スリーブと層厚規制部材との隙間に詰まることがほとんどなくなり、画像欠陥が低減されるばかりでなく回転スリーブの表面への傷付きを防止できる。
さらに、本発明では、該揺動制御手段によって前記固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと揺動させて磁界分布を変化させる際に、前記回転スリーブを回転駆動させておくようにしたから、トナー凝集物を回転スリーブで搬送して現像装置筐体内に回収できる。さらに、現像時には固定マグネットローラを予め規定された規制位置に位置付け、非現像時のトナー凝集物除去動作時に固定マグネットローラを規制位置と規制位置からずれた解除位置との間で揺動させ、解除位置を、規制位置において磁性層厚規制部材の近傍で回転スリーブの回転方向下流側に位置する複数の磁極のうちの1つが規制位置よりも磁性層厚規制部材に近づく位置としたので、規制位置よりも解除位置においては、磁束密度が高くなる結果、簡単にトナー凝集物をほぐすことができる。
本発明では、画像形成装置に備えられ、画像形成装置に着脱可能に配置されたユニット体の画像形成装置からの引き出しおよび格納動作に連動して、固定マグネットローラを揺動させるようにしたので、ユニット体の引き出しの都度、トナー凝集物の詰まりを解消する動作が行われて、特別な操作を必要としないという効果がある。また、固定マグネットローラと磁性層厚規制部材との磁力を、固定マグネットローラの規制位置又は解除位置への位置付け及び固定マグネットを揺動させる力として利用することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明による現像装置の実施例1を一部破断して概略的に示す斜視図であり、図示の現像装置10は、複写機等の画像形成装置(図示せず)で用いられ、例えば、一成分磁性現像剤(一成分磁性トナー(以下単にトナーと呼ぶ))を用いて像担持体である感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する。画像形成装置は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを備えており、感光体ドラムの周囲には、帯電器、現像装置10、転写器(転写ローラ)、及びクリーニングユニット等が配置され、感光体ドラムの表面を帯電器で均一に帯電した後、画像データに応じて感光体ドラム表面が露光されて、感光体ドラム上に静電潜像が形成される。感光体ドラム上の静電潜像は現像装置10によって現像されて、トナー像となり、転写ローラと感光体ドラムとのニップ部に搬送された記録用紙上にトナー像が転写される。そして、記録用紙は定着装置に搬送されて、ここでトナー像が記録用紙上に定着された後、例えば、排紙トレイに排紙される。
現像装置10は、現像装置筐体11を備えており、現像装置筐体11にはトナー補給口11aが形成され、このトナー補給口11aを介してトナーコンテナ(図示せず)から現像装置筐体11内にトナーが供給される。現像装置筐体11内には複数の攪拌機(ミキサー)12が配設されており、現像装置筐体11のドラム開口側には、複数の磁極を有する固定マグネットローラ13を内包する非磁性の回転スリーブ14が配置されており、回転スリーブ14は図中実線矢印で示す方向に回転駆動される。そして、固定マグネットローラ13及び回転スリーブ14とによって現像ローラ15が構成され、この現像ローラ15は現像位置で感光体ドラム(図示せず)と対面している。
現像装置筐体11には、トナー層厚規制部材である磁性ブレード16が回転スリーブ14の長手方向に沿って取り付けられており、回転スリーブ14が図中実線矢印で示す方向に回転すると、磁性ブレード16は、回転スリーブ14が感光体ドラムに最も近接する位置(現像位置)から回転スリーブ14の回転方向上流側に位置することになる。そして、磁性ブレード16の先端部と回転スリーブ14との表面には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
図示のように、固定マグネットローラ13は長手方向に延びる軸体13aが設けられており、この軸体13aの一端は現像装置筐体11に支承されている。一方、軸体13aの他端は、現像装置筐体11に設けられた角度規制部材21(角度規制部材21については後述する)支承され、角度規制部材21によって軸体13aは所定の規制位置に位置づけられている。つまり、固定マグネットローラ13が規制位置に位置づけられている。ここで、図2を参照すると、図示の例では、固定マグネットローラ13はN極(N1極,N2極)及びS極(S1極,S2極)の4極を有しており、上記の規制位置は現像が行われる際の固定マグネットローラ13の位置であり、この規制位置においては、固定マグネットローラ13のS2極が磁性ブレード16よりも僅かに回転スリーブ14の回転方向上流側に位置づけられている。
回転スリーブ14の回転につれて磁性ブレード16近傍に搬送されたトナーは、磁性ブレード16の先端部からローラ対向磁極S2極に向う磁路(磁界)によって、磁性ブレード16の先端部から回転スリーブ14の方向に向ってトナーチェーンを形成する。そして、トナーチェーンの先端が回転スリーブ14との摩擦によって帯電する。また、磁性ブレード16の先端部に吸着されたトナーは回転スリーブ14の回転によっても、回転スリーブ14の回転方向に搬送されることはなく、この結果、磁性ブレード16を通過したトナーはトナー薄層として回転スリーブ14の回転によって現像位置に搬送される。つまり、磁性ブレード16によってトナー層厚規制が行われる。
ところで、現像を行うに連れて(つまり、長期間に亘って現像を行うと)、前述したように、トナー凝集が生じて、トナー凝集物が回転スリーブ14と磁性ブレード16とのギャップに詰まることがある。このようにトナー凝集物が生成されると、トナー薄層の層厚が乱れるばかりでなく、回転スリーブ14の表面がトナー凝集物によって傷つけられてしまう。このため、本実施例1においては、予め規定された現像時間が経過して(つまり、現像累積時間が予め規定された現像時間を越えると)、その後トナー凝集物除去動作可能な最初の非現像時において、後述するようにして、軸体13a(つまり、固定マグネットローラ13)を規制位置から解除位置に回動制御する。
再び、図1を参照して、軸体13aにはレバー部材22が取り付けられており、このレバー部材22の腕部22aにはソレノイド23のプランジャー23aが取り付けられている。図3(a)を参照すると、前述の角度規制部材21には扇形状の穴部21aが形成されており、軸体13aはこの穴部21aに挿入されて、この穴部21a内で回動する。そして、穴部21aの下端側が解除位置とされ、穴部21aの上端側が規制位置とされる。図3(b)を参照して、プランジャー23aの先端は二股状となっており、この先端部によって腕部22aが挟持されて、ピン部材24によってプランジャー23の先端部が腕部22aに取り付けられている。
ソレノイド23は、画像形成装置に備えられたコントローラ(図示せず)によってオンオフ制御され、現像時においては、コントローラはソレノイド23をオンして、これによってプランジャー23aを図3(a)に実線矢印で示すようにソレノイド23に引き込み、腕部22aを引っ張って、レバー部材22を実線矢印で示す方向に回動(揺動)させ、軸体13a、つまり、固定マグネットローラ13を規制位置に位置づける(図3(b)においては、角度規制部材21の穴部21aは示されていない)。
前述の非現像時においては、コントローラはソレノイド23をオフする。これによって、プランジャー23aが、図3(c)に実線矢印で示すようにソレノイド23から伸長可能となり、固定マグネットローラ13と磁性ブレード16とが磁力で引き合う力によって、固定マグネットローラ13が解除位置に位置づけられて、軸体13aによって、腕部22aが押されて、レバー部材22を実線矢印で示す方向に回動させる(図3(c)においては、角度規制部材21の穴部21aは示されていない)。そして、予め規定された時間が経過すると、コントローラはソレノイド23をオンして、固定マグネットローラ13を規制位置に位置づける(なお、コントローラはソレノイド23をオンした後、直ちにソレノイド23をオフするようにしてもよい)。これによって、非現像時においては、固定マグネットローラ13は規制位置と解除位置との間で揺動することになる。
図4を参照すると、解除位置においては、固定マグネットローラ13のS2極は規制位置におけるS2極の位置よりも磁性ブレード16側に近づき、この結果、磁性ブレード16の先端部とS2極との距離が短くなって、磁性ブレード16の先端からローラ対向磁極S2極に向う磁路(磁界)の密度(つまり、磁束密度)が大きくなる。つまり、固定マグネットローラ13が規制位置から解除位置に回動(揺動)することによって磁気拘束力が変化する(強くなる)。
一方、ソレノイド23をオンして、固定マグネットローラ13が規制位置に復帰されると、再度磁気拘束力が変化し(弱くなり)、この磁気拘束力の変化によってトナー凝集物がほぐれることになる。この際には、コントローラは駆動モータ(図示せず)を制御して回転スリーブ14を回転させており、回転スリーブ14の回転によって、磁性ブレード16と回転スリーブ14とのギャップ近傍のトナー凝集物はギャップを通過して、回転スリーブ14によって運搬されて現像装置筐体11に回収されることになる(つまり、非現像時にトナー凝集物除去動作が行われる)。
上述の説明では、現像累積時間が予め規定された現像時間を越えると、トナー凝集物除去動作を行うようにしたが、現像累積時間の代わりに、現像処理を行った累計枚数(つまり、印字枚数)に応じて、トナー凝集物除去動作を行うようにしてもよい。この際には、現像装置10を備える画像形成装置において処理された記録用紙の枚数をカウントするカウンターを備え、画像形成装置の累計処理枚数が所定の枚数を超えると、その後、画像形成動作を行っていない非画像形成時(非現像時)において、トナー凝集物除去動作を行うようにする。
このようにして、非現像時に固定マグネットローラ13を磁性ブレード16に対して固定マグネットローラ13の長手方向を軸として揺動させて、ローラ対向磁極S2極と磁性ブレード16と間の磁界分布を変化させ、トナー凝集物をほぐすようにしたから、トナー凝集物を極めて簡単に回収することができ、その結果、トナー凝集物によってトナー薄層の層厚が乱されることがなく、しかも回転スリーブ14の表面がトナー凝集物によって傷つけられてしまうことがない。従って、画像むら及び画像かぶり等の画像欠陥が生じることがなく、しかも現像装置自体の寿命を長くすることができる。
なお、トナー凝集物除去動作が行われる非現像時には、電源投入直後及び画像形成動作を行う前の安定化動作時等が含まれ、トナー凝集物除去動作を電源投入後直ぐに行うようにしてもよく、電源投入の都度画像形成動作を行う前の安定化動作時等にトナー凝集物除去動作を行うようにしてもよい。さらに、トナー凝集物除去動作が行われる非現像時には、省エネのためのプレヒート状態(節電状態)からの復帰時及びジャム処理を終了して画像形成装置を再稼動させる際などが含まれる。
また、トナー凝集物除去動作を、ユーザ(操作者)の操作により行うようにしてもよい。例えば、現像装置10を備えた画像形成装置の操作パネルに、凝集トナー除去動作を行うための選択画面を表示して、ユーザが選択画面からトナー凝集物除去動作を行う旨の選択操作を行うと、この操作信号がコントローラに送られ、コントローラによってソレノイド23がオンオフ制御されて、トナー凝集物除去動作が行われる。
このように、ユーザの操作によってトナー凝集物除去動作を行うようにすれば、累計処理枚数等にかかわらずユーザの判断で画像形成不良発生のおそれがあると認められた場合に、ユーザの意志によってトナー凝集物除去動作を行うことができるので、トナー凝集物による画像不良及び現像ローラの傷付き等のトラブルが発生する前にトナー凝集物を現像装置から除去できることになる。
ところで、前述のトナー凝集物動作は、給紙カセット着脱時又はトナー供給コンテナ着脱時に行うようにしてもよい。図5を参照すると、図示の例では、レバー部材22の腕部22aに連結動作部材31の一端がピン部材24に取り付けられ、この連結動作部材31の他端はギア(ピニオン)32にピン部材32aによって連結されている。なお、図示のように、連結動作部材31の他端とピニオンとの連結位置は、ピニオン32の回転中心から偏心した位置となっている。図示の例では、連結動作部材31は第1及び第2の連結部31a及び31bを有しており、第1及び第2の連結部31a及び31はピン部材31cによって連結されて、ピン部材31c周りに回動可能となっている。
図6(a)を参照すると、画像形成装置に備えられた給紙カセット33の一面にはラック33aが形成されており、前述のピニオン32はラック33aと噛み合っている。給紙カセット33は、給紙カセット33に記録用紙を補給する際には、例えば、給紙カセット33を画像形成装置筐体(又は給紙ユニット)から引き出した後、給紙カセット33に記録用紙を補給して、給紙カセット33を画像形成装置筐体(又は給紙ユニット)に収納することになる。
図6(a)は給紙カセットが画像形成装置筐体に収納された状態(以下収納状態と呼ぶ)を概略的に示しており、収納状態においては、ピニオン32は図中ラック33aの右端側に位置しており、ピン部材32aの位置はピニオン32の回転中心よりも左側に位置している。この状態におけるレバー部材22の位置は軸体13a(図6(a)には示さず)、つまり、固定マグネットローラ13が規制位置に位置づけられた状態である。
記録用紙を補給するため、給紙カセット33を画像形成装置筐体から引き出すと(以下給紙カセット33を引き出した状態を引き出し状態と呼ぶ)、ピニオン32がラック33a上を回転して、図6(b)に示すように、ピニオン32は図中ラック33aの左端側に位置する。この際、ピニオン32の回転によってピン部材32aの位置はピニオン32の回転中心よりも右側に位置し、連結動作部材31によってレバー部材22が図6(b)において左側に引っ張られて回動し、これによって、軸体13a、つまり、固定マグネットローラ13が解除位置に回動する。
そして、固定マグネットローラ13が解除位置になると、前述したように、ローラ対向磁極S2極と磁性ブレード16との間の磁界分布が変化する。記録用紙を補給した後、給紙カセット33を収納状態とすると、図6(a)に示す状態となって固定マグネットローラ13が規制位置を復帰する。
このようにして、給紙カセット33に記録用紙を補給する際には、給紙カセット33を引き出し状態とした後、収納状態とするから、固定マグネットローラ13は規制位置と解除位置との間で揺動することになって、前述したようにして、トナー凝集物除去動作が行われることになる。つまり、図6に示す例では、給紙カセット33に記録用紙を補給することが非現像時に対応することになる。なお、給紙カセット33が引き出された際には、回転スリーブ14を回転駆動させてもよい。
図6に示すラック33a及びピニオン32、連結動作部材31を用いる代わりに、給紙カセット33の引き出し及び収納を検知するセンサーを設けて、センサーによって給紙カセット33の引き出しが検知されると、コントローラが図1に示すソレノイド23をオフするようにして、トナー凝集物除去動作を行うようにしてもよい。
さらに、トナー供給コンテナにラック33aを形成しておき、トナー供給コンテナを着脱する際、ピニオン32をラック33a上で回転させて、前述したように、トナー凝集物除去動作を行うようにしてもよい。いずれにしても、画像形成装置に着脱可能に配置されたユニットの着脱動作に応じてトナー凝集物除去動作を行うようにすればよい。なお、ソレノイドをオンした場合に解除位置に位置づけるようにしてもよく、また、ソレノイドとして所謂自己保持型のソレノイドを使用するようにしてもよい。そして、レバー部材を回動する手段としては、ソレノイドに限定されるものではなく、例えば、モータとトルクリミッターとを用いてモータを正逆回転させて、レバー部材を回動させるようにしてもよい。
固定マグネットローラを所定の方向(長手方向)に延びる軸回りに揺動可能に配置して、非現像時に固定マグネットローラを揺動させて固定マグネットローラと磁性層厚規制部材との間に形成される磁界分布を変化させ、トナー凝集物をほぐすようにしたので、トナー凝集物が回転スリーブと層厚規制部材との隙間に詰まることがほとんどなくなって画像欠陥が生じることもないから、複写機、プリンター、又はファクシミリ装置等の画像形成装置における現像装置に適用できる。
本発明による現像装置の実施例1を一部破断して概略的に示す斜視図である。 固定マグネットローラが規制位置にある際の磁性ブレードとの磁界分布を概略的に示す図である。 固定マグネットローラを揺動する機構の一例を示し、(a)は角度規制部材に形成された穴部を示す図、(b)は固定マグネットローラが規制位置にある際のレバー部材の状態を示す斜視図、(c)は固定マグネットローラが解除位置にある際のレバー部材の状態を示す斜視図である。 固定マグネットローラが解除位置にある際の磁性ブレードとの磁界分布を概略的に示す図である。 固定マグネットローラを揺動する機構の他の例を示す図である。 図5に示す揺動機構の動作を説明するための図であり、(a)は給紙カセットを収納した状態を示す図、(b)は給紙カセットを引き出した状態を示す図である。
10 現像装置
11 現像装置筐体
12 攪拌機(ミキサー)
13 固定マグネットローラ
14 回転スリーブ
15 現像ローラ
16 磁性ブレード(層厚規制部材)
21 角度規制部材
22 レバー部材
23 ソレノイド
31 連結動作部材
32 ピニオン
33a ラック

Claims (6)

  1. 非磁性の回転スリーブと該回転スリーブ内に内包され複数の磁極を備える固定マグネットローラとを有し所定の方向に延びる現像剤担持体と、静電潜像が形成された像担持体に最も近接する現像位置よりも前記回転スリーブの回転方向上流側に前記回転スリーブと対向して配置され現像剤の層厚を規制する磁性層厚規制部材とを有し、前記現像位置で前記現像剤担持体上の現像剤によって前記静電潜像を現像する現像装置において、
    前記固定マグネットローラは前記所定の方向に延びる軸回りに揺動可能に配置されており、
    前記固定マグネットローラは現像が行われる際に位置される規制位置と該規制位置からずれた解除位置との間で揺動可能に構成され、
    非現像時のトナー凝集物除去動作時に前記固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと変位させて前記固定マグネットローラと前記磁性層厚規制部材との間に形成される磁界分布を変化させる揺動制御手段を有し、
    該揺動制御手段によって前記固定マグネットローラを前記規制位置から解除位置そして規制位置へと揺動させて磁界分布を変化させる際に、前記回転スリーブを回転駆動させておくことを特徴とする現像装置。
  2. 前記解除位置は、前記規制位置において前記磁性層厚規制部材の近傍で前記回転スリーブの回転方向下流側に位置する前記複数の磁極のうちの1つが前記規制位置よりも前記磁性層厚規制部材に近づく位置であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 画像形成装置に備えられ該画像形成装置に着脱可能に配置されたユニット体の該画像形成装置からの引き出しおよび収納動作に連動して、前記揺動制御手段は前記固定マグネットローラを揺動させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
  4. 前記ユニット体は給紙カセット又はトナー供給コンテナであることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
  5. 前記磁性層厚規制部材と前記固定マグネットローラとの間の磁力に起因する吸着力又は反発力によって、前記固定マグネットローラは前記規制位置又は解除位置に位置づけられることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の現像装置が装着された画像形成装置。
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